JP2004249203A - 被処理物処理システムおよび被処理物処理方法 - Google Patents

被処理物処理システムおよび被処理物処理方法 Download PDF

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毛 崇 之 石
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村 信 一 木
Shinichi Hanawa
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Abstract

【課題】被処理物処理システムにおいて生じた熱分解ガスの品質を低下させないように、多流体ノズルから噴霧される冷却用液によって当該熱分解ガスを冷却させることができる被処理物処理システムを提供することである。
【解決手段】被処理物処理システム1は、熱分解装置2,3と、熱分解装置2,3の後段に設けられたガス冷却機構4,5と、ガス冷却機構4,5の後段に設けられた集塵機6と、を備えている。ガス冷却機構4,5は、多流体ノズル12を具備している。多流体ノズル12は、酸素を含まない噴霧ガス(例えば水蒸気等)を利用して、熱分解ガスに対し冷却用噴霧液を噴霧するようになっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物等の被処理物の減容化を図るための被処理物処理システムおよび被処理物処理方法に関し、特に、被処理物を熱分解することにより生じた熱分解ガスを冷却するガス冷却機構を備えた被処理物処理システムに対して好適に利用することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各家庭や各事業所等から排出される被処理物(廃棄物)を減容化するための被処理物処理システム(廃棄物処理システム)が広く知られている。従来のシステムは、例えば、破砕処理装置によって被処理物を破砕し、このように破砕した被処理物に対して熱分解装置により熱分解処理を施すようになっている。被処理物は、熱分解処理が施されることによって、熱分解ガスと熱分解残渣とを生じ、減容化および無害化が図られることとなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
被処理物から生じた熱分解ガスを無害化するとともにエネルギー源として利用するために、被処理物から生じた熱分解ガスを「完全燃焼」させて無害化するとともに、その際に生じる熱を蒸気タービンによって回収して電気エネルギーに変換する方法が考えられている。すなわち、被処理物から生じた熱分解ガスに多量の空気を吹き込んで空気リッチの状態として、高温状態でこの熱分解ガスを完全燃焼し、完全燃焼後の熱分解ガスを水管式ボイラーによって冷却する。水管式ボイラーは、完全燃焼後の熱分解ガスを冷却する際に蒸気を生じさせるため、このようにして生じた蒸気を利用することによって、蒸気タービンが稼動され、発電が行われるようになっている。このような方法では、蒸気タービンを稼動させる際の熱落差を大きくするために、水管式ボイラーにおける蒸気の設定を高温高圧にすることが非常に好ましい。このため、水管式ボイラーは、高温高圧の蒸気の設定に十分に耐えることができる構造を採用することが必要とされている。しかしながら、蒸気の設定を高温高圧にした状態で水管式ボイラーを運転した場合には、水管式ボイラーのボイラーチューブの温度が高温腐食領域の温度となってしまうことがあるので、ボイラーチューブが高温腐食してしまうことがある。
【0004】
一方、被処理物から生じた熱分解ガスを無害化するとともにエネルギー源として利用するために、被処理物から生じた熱分解ガスを「部分燃焼」させて、熱分解ガスから燃料ガスを取り出す方法が考えられている。すなわち、被処理物から生じた熱分解ガスを改質器において還元雰囲気の状態で部分燃焼させて高温のガス雰囲気を作り出すことによって、当該熱分解ガスを改質することができる。そして、この改質した熱分解ガス(改質ガス)を洗浄することにより、クリーンな燃料ガス(クリーンガス)が精製される。熱分解ガスから精製されたクリーンガスは、ガスエンジンやガスタービンを稼動させる際に用いられたり、燃料電池の原料として用いられ、発電等の際のエネルギー源として活用されている。
【0005】
上記の熱分解ガスを部分燃焼させる方法では、熱分解ガスを完全燃焼させる場合のように蒸気タービン(ガス冷却機構)の蒸気の設定を高温高圧に設定する必要がないので、熱分解ガスを冷却するガス冷却機構が高温腐食してしまうことはない。また、熱分解ガスを部分燃焼させる方法を用いた場合には、熱分解ガスから精製される燃料ガスを燃焼させることにより発電が行われるので、被処理物処理システムが小型であっても大型であっても、発電効率はほとんど変動しない。
更に、集塵機や誘因ブロワーを具備する被処理物処理システムにおいて熱分解ガスを部分燃焼させる方法を用いた場合には、熱分解ガスを完全燃焼させる方法を用いた場合に比べて、集塵機や誘因ブロワーにおける処理ガス量が少ないという利点を有している。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−80865号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、被処理物から生じた熱分解ガスを部分燃焼させる方法を用いた被処理物処理システムは、様々な利点を有している。
【0008】
しかしながら、改質された熱分解ガス(改質ガス)からダストを分離捕集するための集塵機が設けられている場合には、集塵機に流入させる熱分解ガスの温度を、集塵機の耐用温度以下に調節する必要がある。一般的な集塵機の耐用温度は200℃近辺が上限となっているため、熱分解ガスを、集塵機へ送る前にガス冷却機構によってこの温度域まで冷却する必要がある。
【0009】
このようなガス冷却機構において、熱分解ガスを効率的に素早く冷却するためには低温の水を用いることが望ましいが、このような場合には、ガス冷却機構の伝熱チューブの温度が低温腐食領域の温度(例えば、100〜150℃)となってしまうことがあるので、伝熱チューブを低温腐食させてしまうことがある。このため、ガス冷却機構では150℃以上の温度を有する熱媒体を用いて熱分解ガスを冷却する必要があるが、このような冷却方式を用いる場合には、水の保有する大きな潜熱を利用する蒸気発生廃熱回収型ボイラーを利用するのが最適である。このような蒸気発生廃熱回収型ボイラーでは、蒸気を利用して伝熱チューブのすす払いを行うために、当該蒸気の蒸気圧が高いことが望ましい。また、プラント内のユーティリティーとして蒸気を供給するような場合にも、当該蒸気が0.8MPa程度の高い蒸気圧を有していると、使い勝手がよい。このため、175℃程度の蒸発温度を有する蒸気発生廃熱回収型ボイラーを、被処理物処理システムのガス冷却機構として好適に用いることができる。
【0010】
一方、蒸発温度が175℃の蒸気発生廃熱回収型ボイラーのみによって、高温の熱分解ガスの温度を200℃近辺まで下げるためには、非常に大きな伝熱面積が必要とされ、経済的ではない。このため、蒸気発生廃熱回収型ボイラーの後段に冷却塔を設置して水噴霧冷却等を行うことによって、集塵機の入口温度を調整する方法が一般的な方法として考えられている。この方法は、熱分解ガスの冷却に水の蒸発潜熱を用いることができるので、熱分解ガスの流量の増大を効果的に抑制することができる。
【0011】
しかしながら、水噴霧冷却では、噴霧する液の径が十分に小さくないと、改質ガス中に噴霧された液を完全には蒸発させることができない。このような場合には、改質ガスの冷却を効率良く行うことができなくなってしまうだけでなく、冷却塔の内部や改質ガス中のダストが噴霧水によって濡らされてしまい、冷却塔から当該ダストを連続的に排出させることの妨げとなってしまう可能性がある。このため、水噴霧冷却において噴霧水を安定して微粒化させるために、二流体ノズル(多流体ノズル)を用いて、改質ガス中に噴霧水を噴霧する方法が考えられている。この二流体ノズルは、圧縮された空気と混合して噴霧水を噴霧させることにより、噴霧水を効果的に微粒化させることができるようになっている(実用新案登録番号032201号参照)。しかしながら、このような二流体ノズルを用いる場合には、噴霧水と共に圧縮空気が熱分解ガス中に噴霧されることとなる。
このため、このような被処理物処理システムによって生成されるクリーンガスは、二流体ノズルから改質ガス中に噴霧される圧縮空気の酸素成分によって、その品質が低下してしまう。また、圧縮空気が噴霧された熱分解ガス中では、圧縮空気に含まれる酸素成分によって発火するおそれもある。
【0012】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、被処理物処理システムにおいて生じた熱分解ガスの品質を低下させないように、多流体ノズルから噴霧される冷却用噴霧液によって当該熱分解ガスを冷却させることができる被処理物処理システムおよび被処理物処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理物を加熱して熱分解ガスを生成する熱分解装置と、前記熱分解装置の後段に設けられ、前記熱分解装置から送られてくる熱分解ガスを冷却するガス冷却機構と、前記ガス冷却機構の後段に設けられ、前記ガス冷却機構から送られてくる熱分解ガス中のダスト類を除去する集塵機と、を備えた被処理物処理システムであって、前記ガス冷却機構は、酸素を含まない噴霧ガスを利用して熱分解ガスに対し冷却用噴霧液を噴霧する多流体ノズルを具備することを特徴とする被処理物処理システムである。
【0014】
この場合、前記多流体ノズルで利用される噴霧ガスは、不活性気体を含むことが好ましい。ここでいう不活性気体とは、希ガスの他に窒素のような反応性に乏しい気体全般も含む概念である。
【0015】
また、被処理物を加熱して熱分解ガスを生成する熱分解装置と、前記熱分解装置の後段に設けられ、前記熱分解装置から送られてくる熱分解ガスを冷却するガス冷却機構と、前記ガス冷却機構の後段に設けられ、前記ガス冷却機構から送られてくる熱分解ガス中のダスト類を除去する集塵機と、を備えた被処理物処理システムであって、前記ガス冷却機構は、熱分解ガスに対し冷却用噴霧液を噴霧する多流体ノズルを具備し、前記多流体ノズルの周囲には、当該多流体ノズルの腐食を防止するための腐食防止用流体として酸素を含まない流体が流されていることを特徴とする被処理物処理システムも、本件の保護対象に含まれうる。
【0016】
また、前記多流体ノズルで利用される噴霧ガスは、水蒸気を含むことが好ましい。なお、このような場合の場合に、前記集塵機に流入する熱分解ガスの温度を計測する第3集塵機入口温度計測器と、前記ガス冷却熱交換器から前記多流体ノズルへ送られる水蒸気の送量を調整することができる水蒸気送量調整器と、前記第3集塵機入口温度計測器の計測値に基づいて前記水蒸気送量調整器を制御する水蒸気送量制御部と、を更に備えた被処理物処理システムも、本件の保護対象に含まれうる。
【0017】
また、上記のような場合、前記集塵機から排出された熱分解ガスを前記多流体ノズルに還流することができるガス返送管を更に備え、前記多流体ノズルは、前記ガス返送管を介して送られてきた熱分解ガスを噴霧ガスに利用することが好ましい。なお、このような場合に、前記集塵機に流入する熱分解ガスの温度を計測する第2集塵機入口温度計測器と、前記ガス返送管を介して前記多流体ノズルに送られる熱分解ガスの流量を調整することができる還流量調整器と、前記第2集塵機入口温度計測器の計測値に基づいて前記還流量調整器を制御する還流量制御部と、を更に備えた被処理物処理システムも、本件の保護対象に含まれうる。
【0018】
また、本発明は、被処理物から生じた熱分解ガスを無害化処理するための被処理物処理方法において、被処理物を加熱して熱分解ガスを生じさせる熱分解工程と、熱分解工程で生じた熱分解ガスを、冷却用噴霧液によって冷却する冷却工程と、冷却工程で冷却された熱分解ガスからダスト類を除去するダスト除去工程と、を備え、前記冷却工程では、多流体ノズルが酸素を含まない噴霧ガスを利用して冷却用噴霧液を熱分解ガスに対し噴霧することによって、当該熱分解ガスを冷却することを特徴とする被処理物処理方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
【0020】
第1の実施の形態
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を概略的に示す図である。図1は、廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。図2は、二流体ノズル(多流体ノズル)であるスプレーノズルの構成を概略的に示す図である。
【0021】
本実施の形態の廃棄物処理システム(被処理物処理システム)1は、図1に示すように、廃棄物(被処理物)を熱分解するための熱分解キルン(熱分解炉)2と、熱分解キルン2の後段側にガス搬送管50を介して接続された改質器3と、改質器3の後段側にガス搬送管50を介して接続されたガス冷却熱交換器4と、ガス冷却熱交換器4の後段側にガス搬送管50を介して接続されたガス冷却塔5と、ガス冷却塔5の後段側にガス搬送管50を介して接続された集塵機6と、集塵機6の後段側にガス搬送管50を介して接続されたガス洗浄設備7と、を備えている。
【0022】
ガス冷却塔5には、二流体ノズル(多流体ノズル)であるスプレーノズル12が設置(具備)されており、このスプレーノズル12とガス冷却熱交換器4とは蒸気搬送管60によって連結されている。また、スプレーノズル12には噴霧水供給部13が接続されており、噴霧水供給部13とスプレーノズル12との間には噴霧水流量調節弁(噴霧液調整器)14と噴霧水流量計15とが順次設けられている(図1参照)。噴霧水流量調節弁14は、後述する制御装置17の噴霧水供給量制御部(噴霧液制御部)18によって弁の開度等が制御されている。噴霧水供給量制御部18によって制御されている噴霧水流量調節弁14は、噴霧水供給部13からスプレーノズル12への噴霧水(冷却用噴霧液)8の供給量を調節し、これによって、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の噴霧量を調整することができるようになっている。噴霧水流量計15は、噴霧水供給部13からスプレーノズル12への噴霧水8の供給量を計測するようになっている。
【0023】
ガス冷却塔5と集塵機6との間のガス搬送管50であって集塵機6の入口近傍のガス搬送管50には熱分解ガス温度計(第1集塵機温度計測器)16が設置されている。また、熱分解ガス温度計16に接続されると共に噴霧水流量調節弁14に接続されるようにして、噴霧水供給量制御部18を有する制御装置17が設けられている。
【0024】
熱分解キルン2は、廃棄物を所定の熱分解温度(例えば約500℃〜600℃)まで加熱して、熱分解ガスと熱分解残渣とに熱分解するようになっている。熱分解キルン2で生じた熱分解残渣は、熱分解残渣処理装置(図示せず)へと送られ、適切な無害化処理が施された後に燃料に再利用等されるようになっている。
一方、熱分解キルン2で生じた熱分解ガスは、ガス搬送管50を介して、後段に設置された改質器3に送られるようになっている。
【0025】
改質器3は、熱分解キルン2から送られてくる熱分解ガスを、還元雰囲気において所定の改質温度(例えば約1100℃)まで加熱して、部分燃焼するようになっている。改質器3において熱分解ガスを部分燃焼させると、熱分解ガス中に含まれるタール成分やダイオキシン成分等が熱分解して、熱分解ガスは改質される(改質ガスが生成される)。なお、所定の改質温度は、任意の値に適宜設定可能であって、熱分解ガスを部分燃焼させて熱分解ガス中に含まれるタール成分やダイオキシン成分等の成分を熱分解させるのに適切な温度とすることが好ましい。
【0026】
なお、本実施の形態では、熱分解キルン2と改質器3とを含んで、本発明における熱分解装置が構成されているが、これに限定されるものではなく、熱分解キルン2のみで本発明の熱分解装置を構成することも可能である。
【0027】
ガス冷却熱交換器4は、改質器3から送られてきた熱分解ガスを、外部より給水された冷却用水成分から水蒸気を生じさせることにより、所定の冷却温度(例えば約200℃)まで冷却するようになっている。
【0028】
例えば、ガス冷却熱交換器4には、ダストの排出性やチューブ清掃等のメンテナンス性に優れている竪型煙管式廃熱回収ボイラ41(図示せず)を利用することができる(例えば、特願2002−261761参照)。すなわち、ガス冷却熱交換器4は、ガス冷却熱交換器4に供給された熱分解ガスを冷却するための多数の伝熱チューブと、スートブロワと、ロータリーバルブと、伝熱チューブに冷却用水を供給する熱交換器用水供給部と、を具備している。そして、熱交換器用水供給部から伝熱チューブに供給された水によって、ガス冷却熱交換器4に供給された熱分解ガス(改質ガス)の温度を下げると共に、当該熱分解ガスの保有する熱エネルギーを蒸気の形で熱回収するようになっている。このようにして熱分解ガスを冷却することによって生じた水蒸気は、ガス冷却熱交換器4から蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12へと送られるようになっている。
【0029】
なお、ガス冷却熱交換器4の伝熱チューブが低温腐食領域の温度と高温腐食領域の温度との間の150℃〜320℃となるように、伝熱チューブの蒸気圧力を設定することが好ましい。このため、伝熱チューブにおける蒸発温度は、約0.8MPa(ゲージ圧)飽和温度となるように設定されており、伝熱チューブの温度が約180℃〜190℃程度に保持されるようになっている。
【0030】
ガス冷却塔5では、ガス冷却熱交換器4から送られてくる熱分解ガスに対して、スプレーノズル12から噴霧水8が噴霧され、当該熱分解ガスを更に冷却するようになっている。
【0031】
スプレーノズル12は、図2に示されているように、ガス冷却塔5の壁の一部を貫通するようにして設けられており、ノズル開口31からガス冷却塔5内を流れる熱分解ガス(改質ガス)に向かって噴霧水8及び噴霧ガス9を噴霧するようになっている。スプレーノズル12は、筒状のノズル本体32を有しており、ノズル本体32の周囲を覆うようにして保護管33が配置されている。ノズル本体32内には、噴霧水供給部13から供給された噴霧水8を流すための噴霧水用流路34と、噴霧ガス9を流すための噴霧ガス用流路35と、が設けられている。
ノズル本体32のノズル開口31近傍には、噴霧水用流路34と噴霧ガス用流路35とが合流する合流部36が形成され、当該合流部36において噴霧水用流路34を流れる噴霧水8と、噴霧ガス用流路35を流れる噴霧ガス9と、が混合されるようになっている。噴霧水8は、噴霧ガス9と混合することによって微粒化され、非常に小さな径を有する液滴となってノズル開口31から噴霧されるようになっている。一方、ノズル本体32と保護管33との間の環状流路37には、スプレーノズル保護流体(腐食防止用流体)10が流されている。そして、当該スプレーノズル保護流体10によって、ガス冷却塔5内の腐食雰囲気からスプレーノズル12を遮断して、当該スプレーノズル12の腐食を防止することができるようになっている。
【0032】
スプレーノズル12における噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、ガス冷却熱交換器4において生じた水蒸気であって、蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12に送られてくる水蒸気が利用されるようになっている。すなわち、噴霧ガス用流路35、及びノズル本体32と保護管33との間に形成された環状流路37には、蒸気搬送管60を介して送られてくる水蒸気が流入するようになっている。従って、スプレーノズル12における噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、酸素を含まない不活性気体である水蒸気が利用されることとなる。そして、スプレーノズル12から噴霧された噴霧水8、噴霧ガス9、及びスプレーノズル保護流体10は、図2に示すように、ガス冷却塔5内に排出されるようになっている。
【0033】
なお、本実施の形態では、ガス冷却熱交換器4とガス冷却塔5とを含んで、本発明におけるガス冷却機構が構成されている。
【0034】
集塵機6は、例えばテフロン(登録商標)を含んで構成されており、図示しないろ布によって、ガス冷却塔5より送られてくる熱分解ガスからダスト類を除去(除塵)するような構成を有している。
【0035】
ガス洗浄設備7は、集塵機6から送られてくる熱分解ガスを、燃料として使用することができるようにガス洗浄するようになっている。例えば、ガス洗浄設備7では、送られてきた熱分解ガスに対して水が噴霧され、これにより熱分解ガス中のHClやNH等といった水溶性成分が噴霧された水に溶解する。このようにして熱分解ガスの洗浄が行われ、熱分解ガスからHClやNH等といった水溶性成分が除去されて、熱分解ガスはクリーンガスに再生されるようになっている。そして、このようにして洗浄された熱分解ガス(クリーンガス)は、ガス洗浄設備7の後段に設けられたガス搬送管50を介して、廃棄物処理システム1の系外へと送られるようになっている。
【0036】
一方、熱分解ガス温度計16は、ガス冷却塔5から集塵機6に送られる熱分解ガスの温度を計測するようになっており、当該計測値は、熱分解ガス温度計16から制御装置17の噴霧水供給量制御部18へと送られるようになっている。なお、熱分解ガス温度計16は、集塵機6に送られる熱分解ガスの温度をより正確に計測するために、集塵機6の入口に近接する熱分解ガスの温度を計測するように設置することが好ましい。
【0037】
噴霧水供給量制御部18は、熱分解ガス温度計16の計測値に基づいて、スプレーノズル12から噴霧させる噴霧水8や噴霧ガス9についての噴霧量、噴霧速度、等を演算し、当該演算値に基づいて噴霧水流量調節弁14の制御量(弁の開度、等)を更に演算するようになっている。そして、噴霧水供給量制御部18は、これらの演算値に基づいて噴霧水流量調節弁14を制御するようになっている。
【0038】
なお、噴霧水供給量制御部18による噴霧水流量調節弁14の制御は、集塵機6の耐用温度、熱分解ガス中におけるダイオキシンの再合成の可能性、ガス冷却熱交換器4の伝熱チューブの低温腐食及び高温腐食、等を考慮して、行われることが好ましい。例えば、▲1▼集塵機6の耐用温度が一般的には250℃以下であること、▲2▼熱分解ガスの温度が約300℃〜500℃の場合には熱分解ガス中でダイオキシンが再合成してしまう可能性があり、熱分解ガスの温度が約200℃の場合には熱分解ガス中でダイオキシンの再合成が生じにくいこと、▲3▼ガス冷却熱交換器4の伝熱チューブの低温腐食領域の温度と高温腐食領域の温度との間が、150℃〜320℃であること、等が考慮されて噴霧水流量調節弁14の制御が行われることが好ましい。従って、例えば、ガス冷却熱交換器4では、伝熱チューブの温度が150℃〜320℃となるような蒸気の発生圧力が選定され、噴霧水供給量制御部18は、集塵機6に送られる熱分解ガスの温度が約200℃となるように噴霧水流量調節弁14を制御することが好ましい。
【0039】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について、図1及び図2を参照して説明する。
【0040】
各家庭や各事業所等から排出され収集された廃棄物等の被処理物は、図示しない破砕処理装置によって熱分解処理に適した大きさに破砕された後に、熱分解キルン2へと送られる。
【0041】
熱分解キルン2に送られた被処理物は、所定の熱分解温度まで加熱され、熱分解ガスと熱分解残渣とに熱分解する(熱分解工程)。そして、熱分解残渣は、熱分解残渣処理装置へと送られて燃料として再利用等され、一方、熱分解ガスは、ガス搬送管50を介して後段に設置された改質器3に送られる。
【0042】
改質器3に送られた熱分解ガスは、還元雰囲気で所定の改質温度まで加熱されることによって部分燃焼させられて、熱分解ガス中に含まれるタール成分やダイオキシン成分等が熱分解する。これにより、熱分解ガスは、可燃成分として水素や一酸化炭素等を含む他に、HClやNHを含むガス(改質ガス)に改質される。部分燃焼され改質された熱分解ガス(改質ガス)は、多量のダスト成分を含み、このダスト成分の90%は炭素によって形成されている。そして、改質器3において改質された熱分解ガスは、ガス搬送管50を介して、後段に設置されたガス冷却熱交換器4に送られる。
【0043】
ガス冷却熱交換器4に送られた熱分解ガスは、伝熱チューブによって所定の冷却温度まで冷却され、その後、後段に設置されたガス冷却塔5へガス搬送管50を介して送られる。
【0044】
なお、ガス冷却熱交換器4は、熱分解ガスを冷却する際に、当該熱分解ガスの保有する熱エネルギーを奪うことによって、外部より給水された水成分から水蒸気を生じさせ、当該水蒸気を蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12に送る。
【0045】
ガス冷却塔5に送られた熱分解ガスは、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8によって更に冷却される(冷却工程)。この時、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の噴霧量は、制御装置17の噴霧水供給量制御部18により制御されている噴霧水流量調節弁14によって調節され、また、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の径や速度等の諸性質は、ガス冷却熱交換器4から蒸気搬送管60を介して送られてくる水蒸気を利用した噴霧ガス9によって調節されている。ガス冷却塔5においてスプレーノズル12から噴霧された噴霧水8によって冷却された熱分解ガスは、ガス搬送管50を介して、後段に設置された集塵機6へ送られる。
【0046】
ガス冷却塔5から集塵機6へ送られる際に、熱分解ガスは、熱分解ガス温度計16によってその温度が計測される(温度計測工程)。熱分解ガス温度計16は、当該計測値を制御装置17の噴霧水供給量制御部18へと送る。
【0047】
噴霧水供給量制御部18は、熱分解ガス温度計16から送られてくる当該計測値に基づいて噴霧水流量調節弁14を制御して、スプレーノズル12から熱分解ガスに対し噴霧される噴霧水8の噴霧量を調整している。この時、噴霧水供給量制御部18による噴霧水流量調節弁14の制御は、集塵機6の耐用温度、熱分解ガス中におけるダイオキシンの再合成の可能性、ガス冷却熱交換器4の伝熱チューブの低温腐食及び高温腐食、等が考慮されて行われている。従って、例えば集塵機6に送られる熱分解ガスの温度が略200℃とされるような最適な噴霧水8がスプレーノズル12から噴霧されるように、噴霧水流量調節弁14が噴霧水供給量制御部18によって制御される。
【0048】
集塵機6に送られた熱分解ガスは、ろ布によってダスト類が除去される(ダスト除去工程)。そして、集塵機6においてダスト類が除去された熱分解ガスは、ガス搬送管50を介して、ガス洗浄設備7に送られる。
【0049】
ガス洗浄設備7に送られた熱分解ガスは、燃料として使用することができるようなクリーンガスに再生されるように洗浄される。なお、一連の処理を経て得られた当該クリーンガスは、酸素成分をほとんど含まず、比較的不活性な成分によって構成されている。そして、ガス洗浄設備7で洗浄された熱分解ガスは、廃棄物処理システム1の系外へと排出される。廃棄物処理システム1の系外に排出された熱分解ガスは、燃料ガスとして用いられ発電設備の燃料やシステム内機器の加熱燃料として利用等されている。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態の廃棄物処理システム1によれば、スプレーノズル12では酸素を含まない不活性気体である水蒸気が噴霧ガス9として利用されているので、当該スプレーノズル12は、微細な噴霧水8を噴霧させることができるだけでなく、噴霧ガス9の活性化を防いで熱分解ガスに対し噴霧水8及び噴霧ガス9を安定的に噴霧させることができる。また、酸素成分を含まない水蒸気が噴霧ガス9に利用されているので、熱分解ガスの品質を酸素成分によって低下させてしまうということを防ぐとともに、当該噴霧ガス9が吹き付けられる熱分解ガス(改質ガス)の発火を効果的に抑制することができる。
【0051】
また、スプレーノズル12の腐食を防止する目的で環状流路37に流されるスプレーノズル保護流体10にも、酸素を含まない不活性気体である水蒸気が利用されているので、スプレーノズル保護流体10の活性化を防いで、環状流路37において安定的にスプレーノズル保護流体10を流すことができる。また、当該スプレーノズル保護流体10の発火を効果的に抑制することができると共に、環状流路37を形成するノズル本体32及び保護管33の酸化による腐食を効果的に防ぐことができる。
【0052】
さらに、これらの噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10に用いられる水蒸気は、ガス冷却熱交換器4(ガス冷却機構)において熱分解ガスを冷却する際に当該熱分解ガスから奪った熱エネルギーを利用することによって生じたものである。従って、本実施の形態の廃棄物処理システム1では、熱分解ガスが保有する熱エネルギーが、当該熱分解ガスの温度を下げるために幅広く活用されており、システム全体の省エネルギー化やエネルギーの活用の効率化を効果的に図ることができる。
【0053】
第2の実施の形態
図3は、本発明の第2の実施の形態を概略的に示す図であって、廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。
【0054】
本実施の形態の廃棄物処理システム1では、図3に示すように、ガス冷却熱交換器4とスプレーノズル12とを連結する蒸気搬送管60が設けられる代わりに、ガス洗浄設備7の後段に設けられたガス搬送管50とスプレーノズル12とを連結し、ガスコンプレッサ(ガス圧縮機)21が取り付けられたクリーンガス返送管(ガス返送管)70が設けられている。そして、ガス冷却塔5に設置されたスプレーノズル12には、ガス洗浄設備7で洗浄された熱分解ガス(クリーンガス)が、ガスコンプレッサ21によって圧縮されて、クリーンガス返送管70を介して送られてくるようになっている。
【0055】
スプレーノズル12では、噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10に、クリーンガス返送管70を介して送られてくるクリーンガスが利用されるようになっている。すなわち、噴霧ガス用流路35、及びノズル本体32と保護管33との間に形成された環状流路37には、クリーンガス返送管70を介して送られてくるクリーンガスが流入するようになっている。従って、スプレーノズル12における噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、酸素成分をほとんど含まず比較的不活性な成分(気体)によって構成されているクリーンガスが利用されるようになっている。
【0056】
他の構成は、図1及び図2に示されている第1の実施の形態と略同一である。
【0057】
図3において、図1及び図2に示されている第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
熱分解キルン2、改質器3、及びガス冷却熱交換器4を経てガス冷却塔5に送られてくる熱分解ガスは、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8によって更に冷却される。この時、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の径や速度等の諸性質は、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12に送られてくるクリーンガスを利用した噴霧ガス9によって調節されている。当該クリーンガスは酸素成分をほとんど含まず比較的不活性な成分(気体)によって構成されているので、スプレーノズル12は、微細な噴霧水8を噴霧させることができるだけでなく、噴霧ガス9の活性化を防いで熱分解ガスに対し噴霧水8及び噴霧ガス9を安定的に噴霧させることができる。また、噴霧水8及び噴霧ガス9が吹き付けられる熱分解ガスの品質を酸素成分によって低下させてしまうということを効果的に防ぐとともに、当該熱分解ガス(改質ガス)の発火を効果的に抑制することができる。
【0059】
また、スプレーノズル12の腐食を防止する目的で環状流路37に流されるスプレーノズル保護流体10にも、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12に送られてくるクリーンガスが利用されている。従って、スプレーノズル保護流体10の活性化を防いで、環状流路37においてスプレーノズル保護流体10を安定的に流すことができる。また、当該スプレーノズル保護流体10の発火を効果的に抑制することができると共に、環状流路37を形成するノズル本体32及び保護管33の酸化による腐食を効果的に防ぐことができる。
【0060】
特に、このようにしてスプレーノズル12からガス冷却塔5内に排出(噴霧)される噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、ガス冷却塔5から排出された熱分解ガスが集塵機6及びガス洗浄設備7を経て再生(生成)されたクリーンガスである。従って、ガス冷却熱交換器4から送られてくる熱分解ガスと、スプレーノズル12から排出された噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10とは、その構成成分が非常に類似している。このため、ガス冷却塔5内における各種成分の化学反応等を抑制した状態で安定的に、スプレーノズル12からガス冷却塔5内の熱分解ガスに対し噴霧水8を噴霧させることができる。
【0061】
一方、スプレーノズル12からの噴霧水8の噴霧量等は、制御装置17の噴霧水供給量制御部18、噴霧水流量調節弁14、及び熱分解ガス温度計16によって調節され、ガス冷却塔5における熱分解ガスは、所望の温度にまで確実に冷却されることとなる。
【0062】
そして、ガス冷却塔5において所望の温度にまで冷却された熱分解ガスは、集塵機6及びガス洗浄設備7を経て、クリーンガスとして再生され、ガス洗浄設備7の後段に設置されたガス搬送管50へと排出される。ガス搬送管50へと排出されたクリーンガス(熱分解ガス)の一部或いは全部は、クリーンガス返送管70に流入してスプレーノズル12へと送られて、スプレーノズル12における噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10として利用される。
【0063】
なお、この時、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12へと送られるクリーンガスは、ガスコンプレッサ21によって圧縮されており、噴霧水8を非常に微細な状態で噴霧させる噴霧ガス9、或いはスプレーノズル12の腐食を防ぐためにスプレーノズル12の周囲で流されるスプレーノズル保護流体10として好適に利用されうるようになっている。
【0064】
第3の実施の形態
図4は、本発明のの実施の形態を概略的に示す図であって、廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。
【0065】
本実施の形態の廃棄物処理システム1では、図4に示すように、ガス洗浄設備7の後段に設けられたガス搬送管50と、ガス冷却塔5と集塵機6との間に設けられたガス搬送管50と、を連結するクリーンガス還流管(ガス還流管)80が設けられている。そして、集塵機6及びガス洗浄設備7から排出された熱分解ガス(クリーンガス)が、クリーンガス還流管80を介して、集塵機6の上流側であって冷却塔と集塵機6との間に配置されているガス搬送管50に還流されるようになっている。
【0066】
クリーンガス還流管80には、クリーンガス還流管80を流れるクリーンガスの流量を調節することができる還流量調節弁(還流量調整器)22と、クリーンガス還流管80を流れるクリーンガスの流量を計測する還流量計測計23と、が取り付けられている。
【0067】
また、制御装置17は、噴霧水供給量制御部18に加えて、還流量制御部19を有している。当該還流量制御部19は、熱分解ガス温度計16の計測値に基づいて、クリーンガス還流管80を介して集塵機6の上流側に還流させるクリーンガスの適切な還流量を演算し、当該演算値に基づいて還流量調節弁22の制御量(弁の開度、等)を更に演算するようになっている。そして、還流量制御部19は、これらの演算値に基づいて還流量調節弁22を制御するようになっている。
【0068】
一方、蒸気搬送管60には蒸気コンプレッサ(水蒸気圧縮機)24が取り付けられており、ガス冷却熱交換器4において生じた水蒸気は、ガス冷却熱交換器4から蒸気搬送管60に流入して蒸気コンプレッサ24によって圧縮された状態でスプレーノズル12に送られるようになっている。
【0069】
なお、本実施の形態の熱分解ガス温度計16は、本発明の第1集塵機温度計測器及び第2集塵機6温度計測器として機能するようになっている。
【0070】
他の構成は、図1及び図2に示されている第1の実施の形態と略同一である。
【0071】
図4において、図1及び図2に示されている第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
熱分解キルン2、改質器3、及びガス冷却熱交換器4を経てガス冷却塔5に送られてくる熱分解ガスは、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8によって更に冷却される。この時、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の径や速度等の諸性質は、蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12に送られてくる水蒸気を利用した噴霧ガス9によって調節されている。当該水蒸気は酸素成分を含まず不活性な成分(気体)によって構成されているので、スプレーノズル12は、噴霧ガス9の活性化を防ぐと共に、酸素成分による熱分解ガスの品質の低下や当該熱分解ガス(改質ガス)の発火を効果的に抑制することができる。
【0073】
また、スプレーノズル12の腐食を防止する目的で環状流路37に流されるスプレーノズル保護流体10にも、蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12に送られてくる水蒸気が利用されている。従って、スプレーノズル保護流体10の活性化を防ぐと共に、当該スプレーノズル保護流体10の発火やノズル本体32及び保護管33の酸化による腐食を効果的に防ぐことができる。
【0074】
なお、この時、蒸気搬送管60を介してスプレーノズル12へと送られる水蒸気は、蒸気コンプレッサ24によって圧縮されているので、噴霧水8を非常に微細な状態で噴霧させる噴霧ガス9、或いはスプレーノズル12の腐食を防ぐスプレーノズル保護流体10として好適に利用されうるようになっている。
【0075】
そして、ガス冷却塔5において二流体ノズルから噴霧された噴霧水8によって冷却された熱分解ガスは、ガス冷却塔5からガス搬送管50を介して集塵機6に送られる。
【0076】
この時、ガス冷却塔5と集塵機6との間のガス搬送管50を流れる熱分解ガスには、クリーンガス還流管80を介して送られてくるクリーンガスが流入し、当該熱分解ガスが冷却される(還流工程)。すなわち、集塵機6及びガス洗浄設備7を経た熱分解ガス(クリーンガス)は、各処理過程を経ることによって冷却されており、比較的低い温度を有している。従って、比較的低い温度を有するクリーンガスを、比較的高い温度で集塵機6に送られる熱分解ガスと混合させることによって、当該熱分解ガスを冷却してその温度を調整することができるようになっている。このため、制御装置17の還流量制御部19は、熱分解ガス温度計16の計測値に基づいて還流量調節弁22を制御し、熱分解ガスが集塵機6へ送られるのに適切な温度を有するように、適量のクリーンガスがクリーンガス還流管80から集塵機6の上流側のガス搬送管50に流入するように還流量が調整されるようになっている。これにより、ガス冷却塔5からガス搬送管50を経て送られてくる熱分解ガスは、クリーンガス還流管80からのクリーンガスによって適温にまで確実に冷却された状態で、集塵機6に流入することとなる。
【0077】
なお、制御装置17は、噴霧水供給量制御部18と還流量制御部19とを協働させることもでき、噴霧水供給量制御部18及び還流量制御部19は、互いの演算値を考慮して、自らの演算を行うこともできる。従って、噴霧水供給量制御部18によって制御されているスプレーノズル12からの噴霧水8の噴霧量、及び還流量制御部19によって制御されているクリーンガス還流管80を介して集塵機6の上流側への還流量、を適切に調和させて調整することもできる。これにより、集塵機6に送られる熱分解ガスの温度を、より確実に、集塵機6で処理されるのに適切な温度にまで冷却することができるようになっている。
【0078】
そして、ガス冷却塔5において所望の温度にまで冷却された熱分解ガスは、集塵機6及びガス洗浄設備7を経て、クリーンガスとして再生され、ガス洗浄設備7の後段に設置されたガス搬送管50へと排出される。そして、ガス搬送管50へと排出されたクリーンガス(熱分解ガス)の一部或いは全部は、クリーンガス還流管80に流入して、ガス冷却塔5と集塵機6との間のガス搬送管50へ送られて熱分解ガスを冷却するために用いられ、或いはガス洗浄設備7の後段に設置されたガス搬送管50を通って系外へ排出される。
【0079】
第4の実施の形態
図5は、本発明の第4の実施の形態を概略的に示す図であって、廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。
【0080】
本実施の形態の廃棄物処理システム1では、図5に示すように、ガス冷却熱交換器4とスプレーノズル12とを連結する蒸気搬送管60と蒸気コンプレッサ24とを設ける代わりに、ガス洗浄設備7の後段に設けられたガス搬送管50とスプレーノズル12とを連結し、ガスコンプレッサ21が取り付けられたクリーンガス返送管70が設けられている。このクリーンガス返送管70は、図5に示すように、途中までクリーンガス還流管80と同一の管によって構成されている。
そして、クリーンガス返送管70とクリーンガス還流管80とは途中で分岐するようにして延びており、クリーンガス返送管70はスプレーノズル12に接続し、クリーンガス還流管80はガス冷却塔5と集塵機6との間に設けられたガス搬送管50に接続している。
【0081】
スプレーノズル12では、クリーンガス返送管70を介して送られてくるクリーンガスが、噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10に利用されるようになっている。すなわち、噴霧ガス用流路35、及びノズル本体32と保護管33との間に形成された環状流路37には、クリーンガス返送管70を介して送られてくるクリーンガスが流入するようになっている。従って、スプレーノズル12における噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、酸素成分をほとんど含まず比較的不活性な成分(気体)によって構成されているクリーンガスが利用されるようになっている。
【0082】
他の構成は、図4に示されているの実施の形態と略同一である。
【0083】
図5において、図4に示されているの実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0084】
熱分解キルン2、改質器3、及びガス冷却熱交換器4を経てガス冷却塔5に送られてくる熱分解ガスは、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8によって更に冷却される。この時、スプレーノズル12から噴霧される噴霧水8の径や速度等の諸性質は、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12に送られてくるクリーンガスを利用した噴霧ガス9によって調節されている。当該クリーンガスは酸素成分をほとんど含まず比較的不活性な成分(気体)によって構成されているので、スプレーノズル12は、噴霧ガス9の活性化を防ぐことができると共に、酸素成分による熱分解ガスの品質低下や当該熱分解ガス(改質ガス)の発火を効果的に抑制することができる。
【0085】
また、スプレーノズル12の腐食を防止する目的で環状流路37に流されるスプレーノズル保護流体10にも、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12に送られてくるクリーンガスが利用されている。従って、スプレーノズル保護流体10の活性化を防ぐことができると共に、当該スプレーノズル保護流体10の発火やノズル本体32及び保護管33の酸化腐食を効果的に防ぐことができる。
【0086】
特に、このようにしてスプレーノズル12からガス冷却塔5内に排出(噴霧)される噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10は、集塵機6及びガス洗浄設備7を経て洗浄され再生(生成)されたクリーンガスであるため、ガス冷却熱交換器4から送られてくる熱分解ガスと、スプレーノズル12から排出される噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10と、はその構成成分が非常に類似している。このため、ガス冷却塔5内における各種成分の化学反応等を抑制した状態で安定的に、スプレーノズル12からガス冷却塔5内の熱分解ガスに対し噴霧水8を噴霧させることができる。
【0087】
そして、ガス冷却塔5において二流体ノズルから噴霧された噴霧水8によって冷却された熱分解ガスは、ガス冷却塔5からガス搬送管50を介して集塵機6に送られる。この時、ガス冷却塔5と集塵機6との間のガス搬送管50を流れる熱分解ガスには、クリーンガス還流管80を介して送られてくるクリーンガスが流入し、当該熱分解ガスは冷却される。
【0088】
ガス冷却塔5において所望の温度にまで冷却された熱分解ガスは、集塵機6及びガス洗浄設備7を経て、クリーンガスとして再生され、ガス洗浄設備7の後段に設置されたガス搬送管50へと排出される。そして、ガス搬送管50へと排出されたクリーンガス(熱分解ガス)の一部或いは全部が、クリーンガス還流管80及びクリーンガス返送管70に流入する。クリーンガス還流管80に流入したクリーンガスは、ガス冷却塔5と集塵機6との間のガス搬送管50へ送られ、集塵機6に流入する上流側へ送られて、熱分解ガスを直接的に冷却するために用いられる。一方、クリーンガス返送管70に流入したクリーンガスは、スプレーノズル12へ送られて、スプレーノズル12の噴霧ガス9及びスプレーノズル保護流体10に利用され、熱分解ガスを間接的に冷却するために用いられる。
【0089】
第5の実施の形態
図6は、本発明の第5の実施の形態を概略的に示す図であって、廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。
【0090】
本実施の形態の廃棄物処理システム1では、図6に示すように、ガス冷却熱交換器4は、廃熱回収ボイラ41と、廃熱回収ボイラ41の後段にガス搬送管50を介して設けられたエコノマイザ42と、を有している。
【0091】
廃熱回収ボイラ41は、上述した竪型煙管式廃熱回収ボイラである。そして当該廃熱回収ボイラ41は、改質器3から送られてくる熱分解ガスの保有する熱エネルギーを利用して、後述する給水管網90を経て送られてくる冷却用水成分から水蒸気を生じさせて、当該熱分解ガスを冷却するようになっている。この時、廃熱回収ボイラ41は、後述するエコノマイザ42で予熱された冷却用水成分を利用して水蒸気を生じさせることができるようになっている。
【0092】
エコノマイザ42は、給水管網90を介して廃熱回収ボイラ41に送られる冷却用水成分を予熱するとともに、ガス搬送管50を介して廃熱回収ボイラ41から送られてきた熱分解ガスを冷却するための装置である。
【0093】
エコノマイザ42と廃熱回収ボイラ41とは給水管網90によって接続されており、外部から供給された冷却用水成分は、給水管網90を介してエコノマイザ42と廃熱回収ボイラ41とに送られることができるようになっている。エコノマイザ42では、送られてきた冷却用水成分によって廃熱回収ボイラ41から送られてきた熱分解ガスが冷却されるとともに、当該冷却に用いられた冷却用水成分が熱せられ予熱されることとなる。そして、熱分解ガスの冷却に用いられ予熱された冷却用水成分は、エコノマイザ42から給水管網90を介して廃熱回収ボイラ41へ送られるようになっている。廃熱回収ボイラ41では、エコノマイザ42から送られてきた予熱されている冷却用水成分を利用して、改質器3から送られてきた熱分解ガスを冷却することができるようになっている。
【0094】
なお、給水管網90は、図6に示すように、冷却用水成分が供給される供給開口部93からエコノマイザ42を経由して廃熱回収ボイラ41へと延びるエコノマイザ経由流路91と、前記供給開口部93からエコノマイザ42をバイパスして廃熱回収ボイラ41へと延びるエコノマイザバイパス流路92と、を有しており、エコノマイザ経由流路91とエコノマイザバイパス流路92とは、流路の途中から分岐するようにして設けられている。エコノマイザ経由流路91とエコノマイザバイパス流路92との分岐部には三方弁43が取り付けられている。当該三方弁43をON/OFFさせることにより、供給開口部93を介して外部から供給された冷却用水成分を、エコノマイザ経由流路91に流したりエコノマイザバイパス流路92に流したりすることができるようになっている。また、エコノマイザバイパス流路92には逆止弁45が取り付けられており、冷却用水成分が廃熱回収ボイラ41から三方弁43へ向かって逆流してしまうことを防ぐようになっている。
【0095】
制御装置17は、三方弁制御部20を更に有しており、給水管網90に取付られた三方弁43と接続している。三方弁制御部20は、熱分解ガス温度計16の計測値に基づいて、所定の演算を行って、三方弁43のON/OFFを制御するようになっている。
【0096】
他の構成は、図5に示されている第4の実施の形態と略同一である。
【0097】
図6において、図5に示されている第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0098】
熱分解キルン2及び改質器3を経た熱分解ガスは、ガス搬送管50を介してガス冷却熱交換器4の廃熱回収ボイラ41に送られる。廃熱回収ボイラ41では、給水管網90を経て送られてくる冷却用水成分から水蒸気を生じさせることにより、熱分解ガスを所定の冷却温度まで冷却する。
【0099】
この時、廃熱回収ボイラ41で用いられる冷却用水成分は、制御装置17の三方弁制御部20による三方弁43のON/OFFの制御によって調整されている。具体的には、三方弁43がON/OFFされることによって、給水管網90のエコノマイザ経由流路91を通ってエコノマイザ42で予熱された状態で送られてくる冷却用水成分と、給水管網90のエコノマイザバイパス流路92を通ってエコノマイザ42で予熱されることなく送られてくる冷却用水成分と、が選択され、廃熱回収ボイラ41で用いられる。
【0100】
エコノマイザ経由流路91を経て送られてくる冷却用水成分を廃熱回収ボイラ41で用いる場合には、冷却用水成分がエコノマイザ42で予熱され比較的高温となっているので、廃熱回収ボイラ41では比較的短時間で冷却用水成分から水蒸気を生じさせることができる。また、廃熱回収ボイラ41においてだけでなくエコノマイザ42においても熱分解ガスを冷却するようになっているので、熱分解ガスを多段階に渡って効果的に冷却することができる。
【0101】
一方、エコノマイザバイパス流路92を経て送られてくる冷却用水成分を廃熱回収ボイラ41で用いる場合、廃熱回収ボイラ41では、比較的低い温度の冷却用水成分によって熱分解ガスの冷却が行われるので、熱分解ガスを急速に冷却することができる。
【0102】
制御装置17の三方弁制御部20は、ガス冷却熱交換器4(廃熱回収ボイラ41、エコノマイザ42)及びガス冷却塔5において熱分解ガスが適切に冷却されるように、上記の特性や熱分解ガス温度計16の計測値等を考慮して所定の演算を行い、三方弁43のON/OFFを制御する。このようにして、改質器3から廃熱回収ボイラ41に送られてきた熱分解ガスは、所望の温度にまで冷却される。
【0103】
廃熱回収ボイラ41で冷却された熱分解ガスは、ガス搬送管50を介してエコノマイザ42へと送られる。三方弁43のON/OFFが制御されて、冷却用水成分がエコノマイザ経由流路91を流れている場合、エコノマイザ42では当該冷却用水成分によって熱分解ガスが冷却され、当該冷却用水成分は予熱されて廃熱回収ボイラ41へと送られる。一方、冷却用水成分がエコノマイザ経由流路91を流れておらずエコノマイザバイパス流路92を流れている場合、エコノマイザ42では当該冷却用水成分による熱分解ガスの冷却は行われない。
【0104】
そして、エコノマイザ42を経た熱分解ガスは、ガス冷却塔5、集塵機6及びガス洗浄設備7を経てクリーンガスに再生される。当該クリーンガスの一部或いは全部は、クリーンガス返送管70を介してスプレーノズル12に供給されると共に、クリーンガス還流管80を介して集塵機6の上流側のガス搬送管50に供給され、熱分解ガスの冷却に供される。
【0105】
なお、制御装置17は、噴霧水供給量制御部18と還流量制御部19と三方弁制御部20とを協働させることもでき、三方弁制御部20を含む各制御部は、互いの演算値を考慮して、自らの演算を行うこともできる。従って、噴霧水供給量制御部18によって制御されているスプレーノズル12からの噴霧水8の噴霧量、還流量制御部19によって制御されているクリーンガス還流管80を介して集塵機6の上流側への還流量、及びガス冷却熱交換器4(廃熱回収ボイラ41、エコノマイザ42)における冷却用水成分の調節を、それぞれ調和させた状態で調整することもできる。このため、集塵機6に送られる熱分解ガスの温度を、更に確実に、集塵機6で処理されるのに適切な温度まで冷却することができる。
【0106】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0107】
スプレーノズル12における噴霧ガス9及び/又はスプレーノズル保護流体10に、クリーンガス返送管70を介して送られてくるクリーンガスを利用する代わりに、ガス冷却熱交換器4(廃熱回収ボイラ41、エコノマイザ42)で生じた水蒸気を利用することもできる。すなわち、上記の第1の実施の形態やの実施の形態で説明したように、ガス冷却熱交換器4(廃熱回収ボイラ41、エコノマイザ42)で生じた水蒸気を、蒸気搬送管60や蒸気コンプレッサ24を介してスプレーノズル12に供給し、当該水蒸気を噴霧ガス9及び/又はスプレーノズル保護流体10として利用することも可能である(図1及び図4参照)。
【0108】
また、酸素を含まない水蒸気やクリーンガス、或いは酸素を含まない他の不活性気体を、廃棄物処理システム1の系外からスプレーノズル12に別途供給して、噴霧ガス9及び/又はスプレーノズル保護流体10として利用することもできる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の被処理物処理システム、被処理物処理方法によれば、多流体ノズルが酸素を含まない噴霧ガスを利用して熱分解ガスに対して冷却用噴霧液を噴霧するようになっているので、熱分解ガスを効果的に冷却することができるとともに、酸素成分による当該熱分解ガスの品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における廃棄物処理システム(被処理物処理システム)全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】二流体ノズル(多流体ノズル)であるスプレーノズルの構成を概略的に示す図である。
【図3】第2の実施の形態における廃棄物処理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【図4】第3の実施の形態における廃棄物処理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【図5】第4の実施の形態における廃棄物処理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【図6】第5の実施の形態における廃棄物処理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処理システム
2 熱分解キルン
3 改質器
4 ガス冷却熱交換器
5 ガス冷却塔
6 集塵機
7 ガス洗浄設備
10 スプレーノズル保護流体
12 スプレーノズル
14 噴霧水流量調節弁
16 熱分解ガス温度計
17 制御装置
18 噴霧水供給量制御部
19 還流量制御部
20 三方弁制御部
22 還流量調節弁
24 蒸気コンプレッサ
21 ガスコンプレッサ
34 噴霧水用流路
35 噴霧ガス用流路
41 廃熱回収ボイラ
42 エコノマイザ
43 三方弁
60 蒸気搬送管
70 クリーンガス返送管
80 クリーンガス還流管
91 エコノマイザ経由流路
92 エコノマイザバイパス流路

Claims (16)

  1. 被処理物を加熱して熱分解ガスを生成する熱分解装置と、
    前記熱分解装置の後段に設けられ、前記熱分解装置から送られてくる熱分解ガスを冷却するガス冷却機構と、
    前記ガス冷却機構の後段に設けられ、前記ガス冷却機構から送られてくる熱分解ガス中のダスト類を除去する集塵機と、を備えた被処理物処理システムであって、
    前記ガス冷却機構は、酸素を含まない噴霧ガスを利用して熱分解ガスに対し冷却用噴霧液を噴霧する多流体ノズルを具備することを特徴とする被処理物処理システム。
  2. 前記多流体ノズルで利用される噴霧ガスは、不活性気体を含むことを特徴とする請求項1に記載の被処理物処理システム。
  3. 前記多流体ノズルで利用される噴霧ガスは、水蒸気を含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  4. 前記ガス冷却機構は、水蒸気を生じさせて熱分解ガスを冷却するガス冷却熱交換器と、前記多流体ノズルが設置されている冷却塔と、を有し、
    前記ガス冷却熱交換器において生じた水蒸気は、前記多流体ノズルに送られ、前記多流体ノズルは、前記ガス冷却熱交換器から送られてきた水蒸気を噴霧ガスに利用することを特徴とする請求項3に記載の被処理物処理システム。
  5. 前記ガス冷却熱交換器は、
    熱分解ガスが保有する熱エネルギーを利用して冷却用水成分を予熱するエコノマイザと、
    前記エコノマイザで予熱された冷却用水成分を利用して蒸気を生じさせて前記熱分解装置から送られてくる熱分解ガスを冷却することができる廃熱回収ボイラと、を有することを特徴とする請求項4に記載の被処理物処理システム。
  6. 前記ガス冷却熱交換器から前記多流体ノズルへ送られる蒸気を圧縮することができる水蒸気圧縮機を更に備えたことを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  7. 前記多流体ノズルの周囲には、当該多流体ノズルの腐食を防止するための腐食防止用流体が流され、
    前記腐食防止用流体には、前記ガス冷却熱交換器から送られてくる蒸気が利用されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  8. 前記集塵機から排出された熱分解ガスを前記多流体ノズルに還流することができるガス返送管を更に備え、
    前記多流体ノズルは、前記ガス返送管を介して送られてきた熱分解ガスを噴霧ガスに利用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  9. 前記ガス返送管を介して前記多流体ノズルに送られる熱分解ガスを圧縮することができるガス圧縮機を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の被処理物処理システム。
  10. 前記多流体ノズルの周囲には、当該多流体ノズルの腐食を防止するための腐食防止用流体が流され、
    前記腐食防止用流体には、前記ガス返送管を介して送られてくる熱分解ガスが利用されていることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  11. 前記集塵機に流入する熱分解ガスの温度を計測する第1集塵機温度計測器と、前記多流体ノズルから噴霧される冷却用噴霧液の噴霧量を調整することができる噴霧液調整器と、
    前記第1集塵機温度計測器の計測値に基づいて前記噴霧液調整器を制御する噴霧液量制御部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  12. 前記集塵機から排出された熱分解ガスを前記集塵機の上流側に還流することができるガス還流管を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の被処理物処理システム。
  13. 前記集塵機に送られる熱分解ガスの温度を計測する第2集塵機温度計測器と、前記ガス還流管を介して前記集塵機の上流側に還流される熱分解ガスの流量を調整する還流量調整器と、
    前記第2集塵機温度計測器と前記還流量調整器とに接続され、前記第2集塵機温度計測器の計測値に基づいて前記還流量調整器を制御する還流量制御部と、を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の被処理物処理システム。
  14. 被処理物から生じた熱分解ガスを無害化処理するための被処理物処理方法において、
    被処理物を加熱して熱分解ガスを生じさせる熱分解工程と、
    熱分解工程で生じた熱分解ガスを、冷却用噴霧液によって冷却する冷却工程と、
    冷却工程で冷却された熱分解ガスからダスト類を除去するダスト除去工程と、を備え、
    前記冷却工程では、多流体ノズルが酸素を含まない噴霧ガスを利用して冷却用噴霧液を熱分解ガスに対し噴霧することによって、当該熱分解ガスを冷却することを特徴とする被処理物処理方法。
  15. 前記冷却工程と前記ダスト除去工程との間において、前記冷却工程で冷却された熱分解ガスの温度を計測する温度計測工程を更に備え、
    前記冷却工程では、前記温度計測工程で計測された熱分解ガスの温度に基づいて、前記多流体ノズルから熱分解ガスに対し噴霧される冷却用噴霧液の噴霧量が調整されていることを特徴とする請求項14に記載の被処理物処理方法。
  16. 前記冷却工程と前記ダスト除去工程との間において、前記冷却工程で冷却された熱分解ガスの温度を計測する温度計測工程と、
    前記ダスト除去工程でダスト類が除去された熱分解ガスを、前記冷却工程から前記ダスト除去工程に送られる熱分解ガスに還流させて、当該熱分解ガスの温度を調整する還流工程と、を更に備え、
    前記還流工程では、前記温度計測工程で計測した熱分解ガスの温度に基づいて、前記ダスト除去工程でダスト類が除去された熱分解ガスの還流量が調整されていることを特徴とする請求項14に記載の被処理物処理方法。
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