JP2004247678A - 半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置のクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン(半導体)基板20をチャンバ1内に容れてプラズマ化学的気相成長法によりシリコン基板20の上方に層間絶縁膜29を形成する工程と、層間絶縁膜29を形成した後にシリコン基板20をチャンバ1から取り出す工程と、シリコン基板20を取り出した後、チャンバ1内にクリーニング用のガスを供給してチャンバ1内をクリーニングする工程と、チャンバ1内をクリーニングした後、該チャンバ1内を絶縁薄膜で被覆する工程と、絶縁薄膜で被覆した後、チャンバ1への不活性ガスの供給とチャンバ1の真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法による。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法と半導体製造装置のクリーニング方法とに関する。より詳細には、本発明は、プラズマ化学的気相成長法を使用した半導体装置の製造方法と、プラズマ化学的気相成長法で成膜が行われる半導体製造装置のクリーニング方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体装置では、層間絶縁膜や反射防止膜にシリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられるが、そのような絶縁膜はプラズマCVD法(プラズマ化学的気相成長法)によって成膜される。プラズマCVDが行われるチャンバ内には、シリコンウエハを載置するためのペデスタルと呼ばれる基板載置台の他に、チャンバ内に余計な絶縁膜が形成されるのを防止するためのシールド等の治具が設けられており、絶縁膜を形成する際には、この治具の表面にも絶縁膜が形成されることになる。
【0003】
治具に形成された絶縁膜は、そのまま放っておくと治具から乖離してチャンバ内を舞うパーティクルの原因となり、チャンバ1内の半導体基板上にそのパーティクルが付着してしまう。
【0004】
成膜する絶縁膜が層間絶縁膜である場合には、絶縁膜を形成後にCMP法(化学機械研磨法)によりその表面を平坦化することがあるが、上記のように基板上にパーティクルが存在したのでは、CMPの際にパーティクルによって絶縁膜表面に損傷を与えてしまう。
【0005】
また、成膜する膜が層間絶縁膜ではなく反射防止膜の場合には、その反射防止膜上のフォトレジストを露光する際にパーティクルによって露光光が散乱し、フォトレジストにパターン欠陥が生じてしまう。こうなると、反射防止膜下の金属膜を所定の形状にパターニングすることができず、配線のショート等の不都合を招いてしまう。
【0006】
いずれにせよ、チャンバ内にパーティクルが舞うのは好ましくなく、この種のチャンバにおいては絶縁膜の形成の他にその内部をクリーニングするステップが行われるのが普通である。
【0007】
例えば、特許文献1においては、反応容器内をフッ素系ガスでクリーニングした後、水蒸気によるパージを複数回繰り返すことにより反応容器内に残留するフッ素系物質を除去することが開示される。
【0008】
一方、特許文献2においては、サセプタ近傍の反応生成物を分解するための第1のプラズマ発生部と、真空処理室において排気側に近い部分の反応生成物を分解するための第2のプラズマ発生部とを設け、反応生成物が堆積する領域をサセプタから遠ざけることが開示されている。
【0009】
また、CVD装置ではなく、エッチング装置においてもチャンバ内をクリーニングする必要があり、そのクリーニング方法の一例が特許文献3、及び特許文献4に開示される。
【0010】
このうち、特許文献3においては、フッ素系ガスによるプラズマクリーニングの後、水を主とするガスでチャンバ内をプラズマ処理することにより、クリーニング時間とクリーニング後の高真空復帰時間の短縮化を図ることが開示される。更に、この特許文献3においては、N2パージを繰り返し行うことにより、上記プラズマ処理の際に処理室内面に吸着された水が除去され、高真空復帰時間の短縮が図られることも開示される。
【0011】
そして、特許文献4では、製品ウエハの合間にダミーウエハをエッチングチャンバに容れ、そのダミーウエハを用いてチャンバ内をクリーニングする方法が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−148255号公報(段落番号0038)
【特許文献2】
特開2000−21598号公報
【特許文献3】
特開平5−29285号公報(段落番号0014)
【特許文献4】
特開平10−233387号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した特許文献1に記載の方法では、水蒸気を使用することで反応容器内に水蒸気が残留し、次に絶縁膜を成膜する際にその水蒸気によって絶縁膜の屈折率が変化することがある。
【0014】
しかしながら、層間絶縁膜にそのような屈折率の変化が生じている膜は、層間絶縁膜のストレスが一様でないことを示しておりウエハに反りが発生するという問題を引き起こしてしまう。また、反射防止絶縁膜にあっては、その屈折率をフォトレジストの厚みに応じて調節することで露光光の反射を防止しているので、屈折率が変化すると露光光の反射を抑えることができず、フォトレジストのパターニング精度が悪化してしまう。
【0015】
本発明は係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、パーティクルの数を従来よりも低減することができる半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置のクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、半導体基板をチャンバ内に容れてプラズマ化学的気相成長法により前記半導体基板に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を形成した後に前記半導体基板を前記チャンバから取り出す工程と、前記半導体基板を取り出した後、前記チャンバ内にクリーニング用のガスを供給して前記チャンバ内をクリーニングする工程と、前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法によって解決する。
【0017】
又は、上記した課題は、プラズマ化学的気相成長法により絶縁膜の成膜が行われるチャンバ内をクリーニング用のガスでクリーニングする工程と、前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、を有することを特徴とする半導体製造装置のクリーニング方法によって解決する。
【0018】
次に、本発明の作用について説明する。
【0019】
本発明によれば、絶縁膜の成膜が終了したチャンバ内にクリーニング用のガスを供給してチャンバ内に形成された余分な絶縁膜を除去し、更にチャンバ内を絶縁薄膜で被覆することによりチャンバ内のパーティクルをこの絶縁薄膜でコーティングし、パーティクルの数を減少させる。
【0020】
しかも、絶縁薄膜を形成した後に不活性ガスパージを複数サイクル行うので、それを1サイクル行う場合と比較してチャンバ内のパーティクルの数が更に低減される。
【0021】
また、この不活性ガスパージにおいて水分不添加の不活性ガスを使用するので、チャンバ内に水分が残留せず、チャンバ内において次に成膜される絶縁膜の屈折率が水分により変動されるのが防止される。
【0022】
そのため、本発明は、層間絶縁膜や反射防止絶縁膜等の屈折率変動に敏感な絶縁膜を形成する場合に特に有効となる。
【0023】
更に、半導体基板を加熱する抵抗加熱型のヒータを備えたチャンバを使用することにより、複雑な構造を有して被クリーニング部の面積が広いランプ加熱等の他の加熱手段を用いるチャンバよりもパーティクルの数が更に低減される。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態で使用されるプラズマCVD装置の断面図である。
【0026】
図1に示すように、成膜用のチャンバ1内には、ヒータ17が内蔵されたペデスタル3が設けられ、そのペデスタル3上にシリコン基板5が載置される。ヒータ17は抵抗加熱で発熱し、シリコン基板5を所望の温度に加熱するよう機能する。
【0027】
シリコン酸化膜等の絶縁膜はシリコン基板5上にのみ成膜されればよく、それがチャンバ1の内壁にも形成されてしまうとそれを除去するのが大変になるから、セラミック等よりなる治具2がチャンバ1内に設けられ、チャンバ1に絶縁膜が形成されるのを防止している。但し、図では一部の治具2のみを示しており、上記のように絶縁膜が形成されるのを防ぐためのシールドと称される治具は省いてある。
【0028】
ペデスタル3は、ベローズ4によって昇降自在となっており、絶縁膜をシリコン基板5上に成膜する際には、シリコンウエハ5がベローズ4によりチャンバ1の底面から最適な高さに保持される。
【0029】
ペデスタル3の上方には、それと対向するシャワーヘッド8が設けられるが、そのシャワーヘッド8にはガスをチャンバ1内に均一に分散させるための多数の開口が形成されると共に、ガスをプラズマ化するための高周波電源9が電気的に接続される。
【0030】
シャワーヘッド8は、チャンバ1の外に延びる主配管15に連通しており、更にこの主配管15は、N2用配管10、He用配管11、CF4用配管12、N2O用配管13、及びSiH4用配管14に分岐する。各配管10〜14には、ガスボックス16内において不図示のMFC(Mass Flaw Controller)が取り付けられており、それにより配管内を流れるガスの流量が調節される。
【0031】
また、チャンバ1の側壁には不図示のドライポンプに連通する排気口6が設けられ、そのドライポンプと排気口6との間にスロットルバルブ7が介在し、ドライポンプが動作している状態でスロットルバルブ7を開くとチャンバ1内が所望の圧力に減圧される。
【0032】
次に、上記したチャンバ1のクリーニング方法について説明する。このクリーニングを行うタイミングは、以下のように、一枚のシリコン基板に絶縁膜を形成した後にその都度毎回行うものとする。
【0033】
まず、350℃に加熱されたペデスタル5上に、不図示のウエハ搬送機構を用いてシリコン基板5を載置する。ペデスタル5の温度は、以下の成膜時及びクリーニング時には常に350℃に保持される。そして、ガスボックス16内のMFC(不図示)を調節することによりチャンバ1にSiH4を60sccm、N2Oを100sccm、Heを2000sccmの流量で供給しながらスロットルバルブ7の開きを調節してチャンバ内の圧力を5.5Torrに保ち、このような状態を20秒間保持する。
【0034】
続いて、上記の各ガスの流量とチャンバ1内の圧力を保持しながら高周波電源9から周波数13.56MHz、パワー100Wの高周波電力をシャワーヘッド8に10秒間印加する。これにより、シリコン基板5上には厚さ約31nmのシリコン酸化膜がプラズマCVD法により形成されることになる。
【0035】
次に、全てのガスの供給と止めると共にスロットルバルブ7を全開にし、チャンバ1内に残留するガスを約15秒間排気する。その後に、不図示のウエハ搬送機構によりシリコン基板1はチャンバ1の外に取り出される。
【0036】
次に、上記の成膜の際に治具2に付着した余分なシリコン酸化膜を取り除くべく、図2に示すような条件でチャンバ1内をクリーニングする。図2は、クリーニング時に各ガスを流すタイミングとその流量とを示すグラフであり、ハッチングが掛けられた部分は高周波電力が印加される期間を示す。
【0037】
まず、CF4を1500sccm、N2Oを100sccmの流量で流しながらスロットルバルブ7を調整してチャンバ1内の圧力を4.5Torrに20秒間安定させる。
【0038】
続いて、上記のガス流量をそのままにし、周波数13.56MHz、パワー1500Wの高周波電力を高周波電源9からシャワーヘッド8に50秒間印加してチャンバ1内の雰囲気をプラズマ化することにより、治具2に付着した余分なシリコン酸化膜を取り除く。
【0039】
次いで、CF4とN2Oの供給と高周波電力の印加とを止め、スロットルバルブ7を全開にしながらN2を4500sccmの流量でチャンバ1内に15秒間供給し、更にその後15秒間チャンバ1を真空引きすることにより、チャンバ1内に残留するCF4とN2Oとをチャンバ1内から追い出す。
【0040】
ここまでのステップによりプラズマクリーニングが終了する。
【0041】
その後、SiH4を60sccm、N2Oを100sccm、Heを2000sccmの流量でチャンバ1内に供給すると共に、スロットルバルブ7の開きを調整してチャンバ1内を5.5Torrの圧力に10秒間安定させる。
【0042】
次いで、ガス流量を上記の状態に保持しつつ、周波数13.56MHz、パワー100Wの高周波電力を高周波電源9からシャワーヘッド8に15秒間印加してチャンバ1内の雰囲気をプラズマ化することにより、治具2の表面にシリコン酸化膜を45nm程度の薄い厚さに形成する。
【0043】
その後、上記の各ガスの供給を止め、スロットルバルブ7を全開にしながらN2を4500sccmの流量でチャンバ1内に供給することにより、チャンバ1内に残留するフッ素イオン等をチャンバ1の中から追い出す。
【0044】
ここまでのステップにより、シーズニングと呼ばれる工程が終了する。上記したように、このシーズニング工程では薄いシリコン酸化膜(絶縁薄膜)を形成するので、治具2の表面に付着していたパーティクルがこのシリコン酸化膜によってコーティングされ、チャンバ1内に舞うパーティクルの個数を減少させることが可能となる。
【0045】
その後、N2の供給を停止し、スロットルバルブ7を30秒間全開にしてチャンバ1内を予備真空引きする。
【0046】
次いで、N2を1500sccmの流量でチャンバ1内に流しながらスロットルバルブ7の開きを調節してチャンバ1内の圧力を5Torrに15秒間保持した後、N2の供給を停止し、スロットルバルブ7を全開にしてチャンバ1内を真空引きしてその圧力を70mTorr程度にまで減圧する。このように真空引きの前にN2の供給を行うことにより、N2を供給しない場合よりもチャンバ1内の残留ガスを効率良く排気することが可能となり、チャンバ1内のクリーニング効果が高められる。また、そのN2としては、水分が少ないもの、より好適には水分不添加のものを使用するのが望ましい。
【0047】
このN2供給と真空引きとを1サイクルとする第1の不活性ガスパージの後、第2の不活性ガスパージを上記と同一の条件で繰り返す。本実施形態では不活性ガスパージを2サイクル行うが、本発明はこれに限定されず、不活性ガスパージを3サイクル以上行ってもよい。また、これらの不活性ガスパージにおいて使用される不活性ガスは上記のN2に限定されず、水分不添加のArやNe等を代わりにしても良い。但し、これらのガスはN2よりも高価であり、不活性ガスパージにおいては多量の不活性ガスが必要なため、本実施形態のようにN2を使用することでプロセスコストを低減することが可能となる。
【0048】
以上により、チャンバ1のクリーニング工程が終了する。
【0049】
このクリーニング方法の効果を確かめるため、本発明者は図3に示すような条件のクリーニングを行い、残留するパーティクルの数を本実施形態と比較した。
【0050】
図3に示す比較例では、プラズマクリーニングとシーズニングの条件は本実施形態と同じであるが、最終の不活性ガスパージを一回しか行っていない。また、本実施形態と比較するため、予備真空引きの時間t1と、不活性ガスパージにおけるN2の供給時間t2とを振り、チャンバ1内に残留するパーティクルの数を計数した。
【0051】
図4は、本実施形態と比較例とにおいて、上記のクリーニング工程が終了した後にペデスタル3上に直径200mmのシリコンウエハを載置し、そのシリコンウエハ上に付着した直径0.2μm以上のパーティクルの計数結果を示すグラフである。
【0052】
図4に示すように、比較例においては、上記の時間t1、t2を120秒以上長くしてもパーティクルの数は減少しなかった。これは、単に真空引き時間t1を長くするだけでは、プラズマクリーニング時のCF4ガスから発生するフッ素イオンの濃度を下げることができても、治具2の温度が高いままであるため、熱膨張した状態のシリコン酸化膜が治具2から剥がれやすい状態となっており、それによりパーティクルが減少し難いためであると推測される。
【0053】
また、N2の供給時間t2を長くしてもパーティクル数が減少しないのは、治具2の温度をN2によって下げることができても、CF4ガスから発生するフッ素イオンがチャンバ1内に残留するため、残留したCF4ガスによって治具2表面の化学的に安定でないシリコン酸化膜が剥がれやすくなり、それがパーティクル源となるためであると推測される。
【0054】
それに対し、本実施形態のように不活性ガスパージを二回行い、予備の真空引きから第2の不活性ガスパージの終了までの時間t3を120秒とすると、比較例と比べてパーティクルの数が大幅に減少し、不活性ガスパージを複数サイクル行うことがパーティクルの低減に有効であることが明らかとなった。
【0055】
また、ランプ加熱型のチャンバよりも、本実施形態のように抵抗加熱型のヒータ17を用いたチャンバ1においてパーティクルの数が減少することも明らかとなった。この理由は、ランプ加熱型のチャンバは複雑な構造を有しており、クリーニング面積が広いためである。
【0056】
しかも、本実施形態では、不活性ガスパージにおいて使用される不活性ガス中に水を添加していないので、特許文献1のように絶縁膜の屈折率が変化することが無い。よって、上記したクリーニング工程は、屈折率の変化に敏感な層間絶縁膜や反射防止絶縁膜を成膜するチャンバに対して特に有効となる。
【0057】
(第2実施形態)
本実施形態では、層間絶縁膜や反射防止絶縁膜を形成するためのプラズマCVD装置に対して既述の第1実施形態を適用する。図5〜図7は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について示すための断面図である。
【0058】
最初に、図5(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0059】
まず、n型シリコン基板20表面の所定領域に熱酸化膜を成長させて素子分離絶縁膜24とした後、その素子分離絶縁膜24で覆われていない部分のシリコン基板20にp型不純物を拡散させてpウエル21を形成する。なお、このような素子分離絶縁膜24の形成方法はLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法と呼ばれるが、STI(Shallow Trench Isolation)法で形成した絶縁膜を素子分離絶縁膜24として使用してもよい。
【0060】
次いで、nチャネルMOSトランジスタのソース・ドレイン領域となる第1〜第3のn型不純物拡散領域22a〜22c、第1〜第3の高融点金属シリサイド層23a〜23c、ゲート絶縁膜25、ゲート電極27a、27b、サイドウォールスペーサ26を公知の方法により形成し、pウエル21上にnチャネルMOSトランジスタを完成させる。
【0061】
その後に、MOSトランジスタを覆うカバー絶縁膜28として厚さ約200nmの酸窒化シリコン(SiON)膜をプラズマCVD法によりシリコン基板20の全面に形成する。
【0062】
次に、図5(b)に示すように、厚さが約950nmの層間絶縁膜29をカバー絶縁膜28上にHDPCVD(High Density Plasma CVD)法により形成する。
【0063】
続いて、図6(a)に示すように、層間絶縁膜29をCMP法により研磨してその表面を平坦化するとともに、その厚さを約700nm程度とする。
【0064】
次に、図6(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0065】
まず、スパッタ法によりアルミニウム膜を層間絶縁膜29上に厚さ約400nm程度に形成し、それを金属膜30とする。金属膜30はこのような単層構造に限定されず、例えば、下から順に窒化チタン膜、アルミニウム膜、チタン膜、及び窒化チタン膜を積層した複数層構造であってもよい。
【0066】
その後に、不図示のウエハ搬送機構を使用し、シリコン基板20を図1のペデスタル3上に載置する。そして、ガスボックス16内のMFC(不図示)を調節することによりチャンバ1にSiH4を60sccm、N2Oを100sccm、Heを2000sccmの流量で供給しながらスロットルバルブ7の開きを調節してチャンバ内の圧力を5.5Torrに保ち、このような状態を20秒間保持する。
【0067】
続いて、上記の各ガスの流量とチャンバ1内の圧力を保持しながら高周波電源9から周波数13.56MHz、パワー100Wの高周波電力をシャワーヘッド8に10秒間印加する。
【0068】
これにより、図6(b)に示すように、金属膜30上に厚さが約31nmの反射防止絶縁膜31がプラズマCVD法により形成されることになる。
【0069】
その後、反射防止絶縁膜31を形成した際に図1の治具2に付着した余分なシリコン酸化膜を除去するために、ウエハ搬送機構によりシリコン基板1をチャンバ1から取り出し、チャンバ1のクリーニング工程を行う。
【0070】
そのクリーニング工程は、第1実施形態で説明した図2のタイミングに従い、プラズマクリーニング、シーズニング、第1の不活性ガスパージ、及び第2の不活性ガスパージがこの順に行われる。なお、これら各ステップの条件は第1実施形態と同様なので、その説明は省略する。
【0071】
次に、図7に示す断面を得るまでの工程について説明する。
【0072】
まず、反射防止絶縁膜31上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、配線形状のレジストパターン32とする。フォトレジストを露光する際、フォトレジストの厚みに応じて反射防止絶縁膜31の厚みと屈折率とを予め調節しておくことにより、フォトレジスト内における露光光の多重反射が抑えられ、多重反射に起因するレジストパターン32のパターン寸法の変動を低減することが可能となる。
【0073】
続いて、このレジストパターン32をエッチングマスクとして使用しながら反射防止絶縁膜31と金属膜30とをプラズマエッチングによりエッチングして、金属膜30を金属配線30a、30bとする。その後、レジストパターン32はアッシングにより除去される。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、反射防止絶縁膜31を形成した後にチャンバ1をクリーニングするので、反射防止絶縁膜31上のパーティクルによってレジストパターン32にパターン欠陥が発生する確率が小さくなり、例えば0.18μmの設計ルールで金属配線30a、30bをパターニングしてもそれがショートする危険性を低減することが可能となり、ひいては半導体装置の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0075】
しかも、上記の不活性ガスパージにおいては、特許文献1のような水を含有するガスを使用しないので、クリーニング後にチャンバ1内に水分が残ることが無く、クリーニング後にチャンバ1内で層間絶縁膜29や反射防止絶縁膜31を形成しても、水分によってそれらの膜の屈折率が変化しない。これにより、屈折率の変化を有して層間絶縁膜29のストレスが変化してシリコン基板20が反ったり、反射防止絶縁膜31が反射防止膜としての機能を果たさなくなるのを防止することが可能となる。
【0076】
以下に、本発明の特徴を付記する。
【0077】
(付記1) 半導体基板をチャンバ内に容れてプラズマ化学的気相成長法により前記半導体基板に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜を形成した後に前記半導体基板を前記チャンバから取り出す工程と、
前記半導体基板を取り出した後、前記チャンバ内にクリーニング用のガスを供給して前記チャンバ内をクリーニングする工程と、
前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、
前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0078】
(付記2) 前記不活性ガスパージにおいて、水分不添加の不活性ガスを使用することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0079】
(付記3) 前記絶縁膜として層間絶縁膜又は反射防止絶縁膜を形成することを特徴とする付記2に記載の半導体装置の製造方法。
【0080】
(付記4) 前記絶縁膜としてシリコン酸化膜を形成することを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
【0081】
(付記5) 前記チャンバとして、前記半導体基板を加熱する抵抗加熱型のヒータを備えたチャンバを使用することを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0082】
(付記6) 前記クリーニング用のガスとしてフッ素を含むガスを使用することを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0083】
(付記7) 前記不活性ガスとして窒素を使用することを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0084】
(付記8) 前記チャンバ内に治具が設けられ、該治具の表面に前記絶縁薄膜が形成されることを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0085】
(付記9) 前記絶縁薄膜としてシリコン酸化膜を形成することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0086】
(付記10) プラズマ化学的気相成長法により絶縁膜の成膜が行われるチャンバ内をクリーニング用のガスでクリーニングする工程と、
前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、
前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、
を有することを特徴とする半導体製造装置のクリーニング方法。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャンバに対して不活性ガスパージを複数サイクル行うので、不活性ガスパージを一回のみ行う場合と比較してチャンバ内のパーティクルの数を減少させることができる。
【0088】
また、この不活性ガスパージにおいて水分不添加の不活性ガスを使用するので、チャンバ内で成膜される層間絶縁膜や反射防止絶縁膜の屈折率が水分によって変動するのを防止することができる。
【0089】
更に、半導体基板を加熱するための抵抗加熱型のヒータを備えたチャンバを使用することにより、複雑な構造を有して被クリーニング部の面積が広いランプ加熱等の他の加熱手段を用いるチャンバよりもパーティクルの数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の各実施形態で使用されるプラズマCVD装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明の各実施形態において、チャンバのクリーニング時にガスを流すタイミングとその流量とを示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に対する比較例において、チャンバのクリーニング時にガスを流すタイミングとその流量とを示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態と比較例とにおいて、チャンバのクリーニングが終了した後にチャンバ内に残留するパーティクルの計数結果を示すグラフである。
【図5】図5(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法について示す断面図(その1)である。
【図6】図6(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法について示す断面図(その2)である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法について示す断面図(その3)である。
【符号の説明】
1…チャンバ、2…治具、3…ペデスタル、4…ベローズ、5、20…シリコン基板、6…排気口、7…スロットルバルブ、8…シャワーヘッド、9…高周波電源、10…N2用配管、11…He用配管、12…CF4用配管、13…N2O用配管、14…SiH4用配管、15…主配管、16…ガスボックス、17…ヒータ、21…pウエル、22a〜22c…第1〜第3のn型不純物拡散領域、23a〜23b…第1〜第3の高融点金属シリサイド層、24…素子分離絶縁膜、25…ゲート絶縁膜、26…サイドウォールスペーサ、27a、27b…ゲート電極、28…カバー絶縁膜、29…層間絶縁膜、30…金属膜、30a、30b…金属配線、31…反射防止絶縁膜、32…レジストパターン。
Claims (5)
- 半導体基板をチャンバ内に容れてプラズマ化学的気相成長法により前記半導体基板に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜を形成した後に前記半導体基板を前記チャンバから取り出す工程と、
前記半導体基板を取り出した後、前記チャンバ内にクリーニング用のガスを供給して前記チャンバ内をクリーニングする工程と、
前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、
前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記不活性ガスパージにおいて、水分不添加の不活性ガスを使用することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記絶縁膜として層間絶縁膜又は反射防止絶縁膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記チャンバとして、前記半導体基板を加熱する抵抗加熱型のヒータを備えたチャンバを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- プラズマ化学的気相成長法により絶縁膜の成膜が行われるチャンバ内をクリーニング用のガスでクリーニングする工程と、
前記チャンバ内をクリーニングした後、該チャンバ内を絶縁薄膜で被覆する工程と、
前記絶縁薄膜で被覆した後、前記チャンバへの不活性ガスの供給と前記チャンバの真空引きとを1サイクルとする不活性ガスパージを複数サイクル行う工程と、
を有することを特徴とする半導体製造装置のクリーニング方法。
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- 2003-02-17 JP JP2003038358A patent/JP2004247678A/ja active Pending
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