JP2004247159A - 電池パックおよびその製造方法 - Google Patents

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公志 吉村
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Abstract

【課題】紫外線硬化樹脂層を備えたシート材を用いた小型、軽量化に適した電池パックの外観不良を改善する。
【解決手段】電池と筐体とを備えた電池パックにおいて、前記筐体の少なくとも一部が、最外層が紫外線硬化樹脂層である粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層の3層シート材からなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状の筐体内に電池を収納した小型、軽量な電池パックおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の携帯機器化に伴い、電源としての電池パックに対して強い小型・軽量化の要請がある。そのため、電池パックに使用される二次電池は、従来の鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池およびニッケル/水素電池に置き換わり、最近では、エネルギー密度の高いいわゆるリチウムイオン電池などの非水電解質二次電池の比率が高まっている。このような状況の中で、さらに小型化、軽量化に適し、しかも低コストな電池パックが求められている。
【0003】
リチウムイオン二次電池を用いた従来の電池パックは、超音波接合方式や低温成形方式で製造される。
【0004】
図2および図3は、製造方法として最も一般的な超音波接合方式を示したものであり、図2は超音波接合による電池パックの組立方法を示す模式図であり、図3は超音波接合による電池パックの断面図である。
【0005】
図2および図3において、1は電池パック、2はリチウムイオン電池、3は保護回路、4は絶縁材、5aおよび5bはリチウムイオン電池2と保護回路3とを電気的に接続するための配線材、6はPTC素子(正温度特性抵抗素子)やバイメタル式のサーマルプロテクターなどの保護素子、7aはリチウムイオン電池2の負極端子(図2(a)では図示せず)、7bはリチウムイオン電池2の正極端子、8は単電池を下ケースに固定するための両面粘着テープ、9は上ケース、10は下ケース、11はコアパックである。
【0006】
なお、ここで、リチウムイオン電池2、保護回路3、絶縁材4および保護素子6を金属製の配線材5a、5bで接合したもの、即ち、蓄電要素を「コアパック」とし、11で示した。また、保護回路3は、基板にIC、FET、サーミスター、抵抗およびコンデンサーなどを実装したものであって、リチウムイオン電池の充放電の状態を監視し、異常が生じた場合には通電を停止する機能を有する電気回路のことである。
【0007】
保護回路3は、リチウムイオン電池パックでは一般的に用いられており、本体機器との入出力端子も備えている場合が多い。入出力端子は、保護回路3の基板の表面に金メッキ端子として形成する方式や<保護回路からリード線を引き出して、リード線の先端にコネクターを形成する方式などがある。
【0008】
図2に示した超音波接合による電池パックの製造工程は以下のとおりである。まず、図2(a)に示すように、リチウムイオン電池2の側面に絶縁材4を貼り付け、保護回路3と電池の正極端子7bとを、金属製リードからなる配線材5bで接続し、電池の負極端子7a(図2(a)では図示せず)と回路基板3とを、PTC素子などの保護素子6と金属製リードからなる配線材5aで接続して、コアパック11とする。
【0009】
そして、図2(b)に示したように、上ケース9とコアパック11と下ケース10とを配置し、下ケース10とコアパック11とを両面接着テープ8にて固定し、図3(a)に示したように、上ケース9と下ケース10とを超音波接合して筐体とする。得られた電池パック1の外観は図2(c)に、また、電池パックの断面を図3(b)に示した。筐体となる上ケース9および下ケース10としては、機械的強度が高いポリカーボネート製の樹脂成形品が一般的に用いられている。
【0010】
なお、電池パック内には、通常、図2に示したように、リチウムイオン電池が1個収納されているが、電池パック内の電池の個数は1個に限らず、2個以上の複数であってもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
超音波接合方式は、樹脂成形品同士の溶着が数秒という短時間で行うことができ、生産性が高いという利点を有しているが、反面、超音波によってコアパック部品に損傷をおよぼすことがある。この不具合を防ぐ対策として、筐体とコアパックの間に隙間を設けることが必要であり、このことが小型化の妨げになっていた。また、樹脂成形品自体の薄肉化が限界に来ており、筐体の厚みとしては少なくとも0.3mm以上が必要であった。
【0012】
さらに超音波接合方式は、製造条件が安定した状態では生産性が高いという利点を有するが、最近多用される上記のような薄肉成形品を用いた場合には、始業時のホーンやアンビル受け治具の位置・高さ調整や、超音波の発振条件などに関わる超音波工程の条件出しに時間を要するため、トータルとして見ると生産性がそれほど高くないという問題がある。
【0013】
このような従来の超音波接合方式の問題点を改善するものとして、本願出願人は特願2002−185363号において、筐体として紫外線硬化樹脂シートを用いる方法を提案している。紫外線硬化樹脂シートは基材層/紫外線硬化樹脂層からなるシートであって、電池パック組立時は未硬化状態で柔軟性と粘着性を有することによってコアパックへの貼り付けが容易であり、しかも、組立後に紫外線を照射することで紫外線硬化樹脂が短時間の間に硬化して、筐体としての剛性が発現するものである。
【0014】
この方式による電池パックの構造を図1に示す。図1において、1は電池パック、11はコアパック、12は筐体用のシート材であり、この場合は紫外線硬化樹脂シートである。コアパック11は、図2および図3におけるものと同じであり、これを紫外線硬化樹脂からなる筐体用のシート材12で被覆したものである。
【0015】
この方式による電池パックは、小型、軽量で生産性が高いという利点を有しているが、従来の樹脂成形品の筐体を用いたものに比較して下記の点で劣るという問題があり、これらの現象は、電池パックの外観不具合や寸法不良の原因となる。
1)筐体用シートの基材層の材質が柔軟であるほど、コアパックへの貼り付け作業が容易である一方で、外観面に傷が付きやすい問題がある。
2)筐体用シートが折り曲げられる部分、即ち、電池パックのコーナー部では筐体用シートがコアパックから若干浮く現象があり、電池パックの外観寸法がばらつく問題がある。
3)製造工程の順序として、紫外線硬化樹脂層を保護している保護層を剥離した後にUV照射すると、UV照射されるまでの未硬化の紫外線硬化樹脂層が粘着性を有しているために異物が付着しやすい問題がある。
4)保護層の材質が一般に用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂(以後、PET樹脂と呼ぶ)の場合、筐体用シートが折り曲げられる部分で皺が寄りやすいという問題がある。
【0016】
そこで本発明は、電池と筐体とを備えた電池パックおよびその製造方法に関し、紫外線硬化樹脂層を備えたシート材を筐体として用い、表面保護、異物付着の防止、皺の防止など、電池パックの外観品質の向上と外形寸法の安定化について改善策を提供することにより、電池パックの外観不具合や寸法不良を防止することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電池と筐体とを備えた電池パックにおいて、前記筐体の少なくとも一部が、最外層が紫外線硬化樹脂層である粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層の3層シート材からなることを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によれば、電池パックの筐体の表面硬度が高く、また、優れた耐摩耗性を有するものとなり、電池パック外面の傷付きを防止することができる。
【0019】
請求項2の発明は、紫外線硬化樹脂層を備えたシート材を用いた電池パックの製造方法に関するものであり、粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層の4層からなり、前記紫外線硬化樹脂層が未硬化で、かつ、前記保護層が紫外線透過性である筐体用シートを、保護層が最外層になるようにコアパックに貼り付ける工程と、前記筐体用シートに紫外線を照射する工程と、紫外線照射後に保護層を取り除く工程とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明によれば、製造工程の大部分において、硬化後も含めてUV樹脂層の表面を保護層で保護できるため、製造工程中の傷付きを防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、電池と筐体とを備えた電池パックの筐体に関するものであり、筐体の少なくとも一部が、最外層が紫外線硬化樹脂層である粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層の3層シート材からなることを特徴とするものである。
【0022】
ここで、最外層の紫外線硬化樹脂層は、未硬化の紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射して、硬化させて、硬度を高くしたものである。
【0023】
筐体の少なくとも一部をこのような3層シート材とすることにより、シートの基材層の材質に関係なく、電池パック筐体の一部の最外層を紫外線硬化樹脂層とすることによって、筐体は表面硬度が高く、また、優れた耐摩耗性を有するものとなり、電池パック外面の傷付きを防止することができる。
【0024】
なお、本発明の電池パックにおいては、筐体の一部に上記3層シート材を使用しない部分があってもよいが、電池パック筐体の最外層の全てを紫外線硬化樹脂層とすれば、電池パック外面の傷付きを、ほぼ完全に防止することができる。
【0025】
本発明の電池パックは、電池と筐体とを備えたものであるが、電池の代わりに、電池にPTC素子などの保護回路を備えた「コアパック」を用いてもよい。
【0026】
さらに、本発明では、電池または保護回路を含む電池に、直接上記3層シート材をはりつけ、筐体が上記3層シート材のみからなるものであってもよい。
【0027】
なお、電池やコアパックと3層シート材との間に隙間があると、落下などの衝撃によってシート状筐体が破損することがある。そのため、コアパックとシート状筐体とを固着するために、3層シート材の基材層と電池やコアパックとの間にはおよそ全面を覆う粘着層を有することが望ましい。
【0028】
3層シート材において、基材層の材質はPET樹脂とポリオレフィン系樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。基材層の材質は、PET樹脂とポリオレフィン系樹脂との両者を含む層でもよいし、PET樹脂層とポリオレフィン系樹脂層を積層したものでもよいし、さらに、PET樹脂層単独またはポリオレフィン系樹脂層単独でもよい。
【0029】
なお、3層シート材において、基材層の厚みが上記の値を超えるほど、折り曲げ部で基材層が平面状態に戻ろうとする力が作用することによって、3層シート材がコアパックから浮き上がる現象が大きくなり、寸法ばらつきが大きくなる。そのため、基材層がPET樹脂単独層の場合には、厚みは50μm以下が好ましく、また、ポリオレフィン系樹脂単独層の場合には、厚みは100μm以下が好ましい。
【0030】
このように、基材層の材質や厚みの上限を規定することによって、3層シート材が電池やコアパックの外形から浮くことなく、電池やコアパックの形状に沿って貼り付けることができ、その結果、電池パックの外形寸法のばらつきが抑えられ安定したものとなる。
【0031】
本発明によれば、シート状筐体は大量に生産できるため量産効果でコストを低く抑えることができることによってライン内での量産性を高めることができる。
【0032】
さらに本発明は、紫外線硬化樹脂シートを用いた電池パックの製造方法に関するものであり、粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層の4層からなり、紫外線硬化樹脂層が未硬化で、保護層が紫外線透過性である筐体用シートを、保護層が最外層になるようにコアパックに貼り付ける工程と、前記筐体用シートに紫外線を照射する工程と、紫外線照射後に保護層を取り除く工程とを有することを特徴とするものである。
【0033】
なお、保護層は、未硬化の段階で強い粘着性を有する紫外線硬化樹脂層に異物が付着しないように、紫外線硬化樹脂層を被覆し、保護するためのものであり、完成品の電池パックには残留しないものである。
【0034】
本発明の電池パックの製造方法によれば、保護層を取り外す工程を製造工程の最終段階に近づけておくことによって、製造工程の大部分において、硬化後も含めて紫外線硬化樹脂層の表面を保護層で保護できるため、製造工程中の傷付きをさらに防止することができる。紫外線硬化硬化樹脂は、紫外線照射によって硬化するが、紫外線硬化照射時に硬化反応が完了するわけではなく、その後も暫くの間反応が進行して塗膜硬度が向上する特性を持っている。したがって、保護層を取り除く工程は、少なくとも紫外線照射工程よりも後に設定するとともに、可能な範囲で最終段階に近づけておくことが、傷付き防止の効果をより高めることができる。
【0035】
なお、本発明の効果を得るためには、保護層が紫外線を透過することが必要である。紫外線を透過しない保護層を用いると、紫外線硬化樹脂層の硬化反応が不十分になることによって、十分な表面硬度が得られず、傷付きが生じやすい問題や、著しい場合には粘着性が残留して異物を吸着しやすいという問題を生じる。
【0036】
紫外線硬化樹脂シートの一般的な用途である半導体工程では、紫外線を基材層側から照射するために、基材層の紫外線透過率については配慮されているが、保護層は紫外線を照射する前段階で取り外されるため、従来、保護層に対する紫外線透過率は配慮されていなかった。本発明の効果を効率的に得るためには、保護層の紫外線透過率は70%以上であることが望ましい。
【0037】
本来、紫外線硬化樹脂への紫外線の到達率を最大限に高めるには、保護層を取り除いた後に紫外線を照射することが望ましいが、この場合には、上記で述べたように、未硬化の状態の紫外線硬化樹脂層が強い粘着性を有しているために異物付着の問題が生じる。
【0038】
本発明によれば、紫外線硬化樹脂への異物付着を防止しながら、効率的に紫外線を硬化することができる。
【0039】
さらに、保護層の材質は、延伸性を有する樹脂であることが好ましい。保護層は、上記で述べたように、製造の最終工程付近で電池パックから取り外され、完成品の電池パックには残らないものであるが、保護層の材質がコアパックへの筐体用シートの貼り付け性に大きく影響することがわかった。
【0040】
すなわち、従来から、半導体関連で用いられてきた紫外線硬化樹脂シートの保護層は、延伸性の無いPET樹脂である。しかし、電池パックの筐体用途では、コアパックへの貼り付けで立体的に折り曲げられるために、保護層の材質としては延伸性を有する樹脂が適していることがわかった。
【0041】
これは、本発明の要旨として、保護層を装着したままの状態で筐体用シートを電池やコアパックに貼り付けるためである。保護層の材質が延伸性の無いPET樹脂である場合には、面と面との継ぎ目である電池パックのコーナー部分で、保護層よりも内側に位置する紫外線硬化樹脂層に対して収縮させる力が作用して皺が寄る不具合が生じる。このような皺が著しい場合には電池パックの外観が損なわれ不良品となる。
【0042】
これに対して、延伸性の特性を持つ保護層を用いた場合には、コアパックへの貼り付け時に保護層が伸びることによって、紫外線硬化樹脂層での皺の発生を防止することができる。延伸性を有する保護層の材質としては、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂が適している。
【0043】
本発明による電池パックの構造は図1に示したものと同じである。すなわち、コアパック11を、粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層の4層からなる筐体用のシート材12で被覆した後、保護層を取り除くことにより、電池パック1を得るものである。
【0044】
また、図4は、本発明の電池パックの、コーナー部分のシート材の断面構造を示す。図4(a)は電池パック1の外観を示し、図4(b)は、図4(a)に示した電池パック1の、矢印で示したコーナー部分の断面構造を示し、図4(c)は、紫外線を照射した後に保護層を取り除いた状態、即ち、完成品の断面構造を示すものである。図4において、13は粘着層、14は基材層、15は紫外線硬化樹脂層、16は保護層である。
【0045】
図4(b)においては、粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層の4層からなるシート材をコアパックに貼り付けたものであり、紫外線を照射後、図4(c)のように、保護層を取り除いて、電池パックとするものである。
【0046】
このように、本発明の電池パックでは、最外層が紫外線硬化樹脂層であるため、電池パックの筐体の表面硬度が高く、また、優れた耐摩耗性を有するものとなり、電池パック外面の傷付きを防止することができる。
【0047】
なお、本発明の電池パックに用いる電池の種類としては、リチウムイオン電池をはじめとする非水電解質二次電池が適しているが、それ以外でも、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池をはじめとする水溶液系二次電池も使用可能である。
【0048】
【実施例】
以下で、リチウムイオン二次電池を用いた本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0049】
実施例および比較例においては、つぎに示すコアパックを使用した。まず、リチウムイオン二次電池は以下の方法で製作した。
【0050】
正極活物質にはリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を用いた。正極合剤は、活物質であるLiCoO(91wt%)と、導電材のアセチレンブラック(3wt%)と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(6wt%)とを混合したものに、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略す)を加えて分散させ、ペースト状に調製し、このペーストを厚さ20μmのアルミニウム集電体の両面にドクターブレードで均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型して、正極板を作製した。正極リードの寸法は幅3mm、厚さ100μm、電池ケースの外部に出ている部分の長さを10mmとした。正極板の寸法は厚さ180μm、幅49mm、長さ200mmとした。
【0051】
負極活物質にはホスト物質としてのグラファイトを用いた。負極合剤は、活物質であるグラファイト(92wt%)と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(8wt%)とを混合したものに、NMPを加えて分散させ、ペースト状に調製し、このペーストを厚さ14μmの銅集電体の両面にドクターブレードで均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型して、負極板を作製した。負極リードの寸法は幅3mm、厚さ100μm、電池ケースの外部に出ている部分の長さを10mmとした。負極板の寸法は厚さ170μm、幅51mm、長さ250mmとした。
【0052】
セパレーターには、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の容積比50:50の混合液にLiPFを1モル/リットル溶解したものを用いた。
【0053】
正極板と負極板とをセパレーターを介して重ね合わせて、ポリエチレン製の巻芯を中心にして、その周囲に長円渦巻状に巻いて、巻回型極板群とし、この巻回型極板群をアルミ製の電池ケースに収納した。このリチウム2次電池の外形寸法は幅30mm×長さ47mm×厚さ5.1mmであった。
【0054】
次に、このようにして製作した単電池と保護回路、PTC、絶縁材および配線材とを電気抵抗溶接にて接合してコアパックを製作した。コアパックの外形寸法は、幅30.3×長さ52.5×厚み5.1mmである。
【0055】
[実施例1]
実施例1の電池パックの外観は図1(b)に示したのと同様であり、図4(b)にコーナー部分のシート材の断面構造示したように、粘着層13/基材層14/紫外線硬化樹脂層15/保護層16からなるシート材を、保護層16が最外面になるようにコアパック1に貼り付け、次いで紫外線を照射して紫外線硬化樹脂層15を硬化させた後、保護層16を取り除くことで製作した。得られた電池パックの、コーナー部分のシート材の断面構造を図4(c)に示した。ここで用いたシート材は、厚み5μmの粘着層/厚み50μmのPET樹脂基材層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み40μmの保護層からなる4層シート材である。これを電池パックAとした。なお、保護層16は、延伸性のあるポリプロピレン樹脂製フィルムであり、紫外線透過率は94%であった。
【0056】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.47×長さ52.67×厚み5.27mmである。
【0057】
[実施例2]
実施例2の電池パックは、シート材として、厚み5μmの粘着層/厚み100μmのポリプロピレン樹脂基材層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み40μmで紫外線透過率が95%のポリエチレン樹脂製の保護層からなる4層シート材を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、電池パックBを製作した。
【0058】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.57×長さ52.77×厚み5.37mmである。
【0059】
[実施例3]
実施例3の電池パックは、シート材として、厚み5μmの粘着層/厚み70μmのPET樹脂基材層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み40μmで紫外線透過率が94%のポリプロピレン樹脂製の保護層からなる4層シート材を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、電池パックCを製作した。
【0060】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.51×長さ52.71×厚み5.31mmである。
【0061】
[実施例4]
実施例4の電池パックは、シート材として、厚み5μmの粘着層/厚み120μmのポリプロピレン樹脂基材層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み40μmで紫外線透過率が95%のポリエチレン樹脂製の保護層からなる4層シート材を用いた以外は、全て実施例2と同様にして、電池パックDを製作した。
【0062】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.61×長さ52.81×厚み5.41mmである。
【0063】
[実施例5]
実施例5の電池パックは、シート材として、厚み5μmの粘着層/厚み50μmのPET樹脂基材層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み40μmのPET樹脂製の保護層からなる4層シート材を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、電池パックEを製作した。保護層は、延伸性の無いフィルムであり、紫外線の透過率は95%であった。
【0064】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.47×長さ52.67×厚み5.27mmである。
【0065】
[比較例1]
比較例1の電池パックは、シート材として、厚み40μmの保護層/厚み5μmの粘着層/厚み30μmの紫外線硬化樹脂層/厚み50μmのPET樹脂基材層からなる4層シート材を用い、シート材から保護層を取り除いた後に、基材層が最外面になるようにコアパックに貼り付け、次いで、紫外線を照射することで製作した。
【0066】
なお、セパレーター基材層、粘着層、紫外線硬化樹脂層および基材層の厚みや材質は実施例1におけるものと同じである。これを電池パックFとした。
【0067】
コアパックとシート材との隙間がゼロである場合の、電池パックの外形寸法の理論値は、幅30.47×長さ52.67×厚み5.27mmである。
【0068】
上記のようにして製作した各電池パックについて、製造工程における外観的な傷付きの発生率、完成品でのシート状筐体の電池パックコーナー部における皺の発生率および寸法安定性を比較して表1に示す。なお、寸法安定性は、コアパックからシート状筐体が浮いた場合に、その影響が最も大きく現れると考えられる電池パック幅寸法について実測値と理論値との差を基に模式的に示した。
【0069】
【表1】
Figure 2004247159
【0070】
表1から、最外層が紫外線硬化樹脂層である実施例1〜5の電池パックは、最外層が基材層である比較例1の電池パックFと比較して、製造工程での傷付きが非常に少ないことがわかった。これは、表面硬度に基づく特性であり、製造工程のみではなく、通常使用時においても同等の特性を有すると考えられる。
【0071】
次に、保護層として延伸性のものを用いた実施例1〜4の電池パックA〜Dでは、電池パックコーナー部での皺の発生も著しく抑制されることがわかった。
【0072】
さらに、基材層として厚み50μm以下のPET樹脂層または厚み100μm以下のポリオレフィン層を用いた実施例1および2の電池パックAおよびBは、寸法安定性も優れていることがわかった。これは、基本的に基材層の柔軟性に基づく特性である。
【0073】
以上のように、本発明は、小形、軽量を特徴とする紫外線硬化樹脂層を有するシート材を用いた電池パックの、外観品質および寸法安定性を改善するものである。
【0074】
なお、上記実施例では、保護層の材質として、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂を用いたが、本発明はこれに限定されるものでは無い。保護層の材質としては、紫外線を透過し、しかも、延伸性を有するものであれば本発明の効果を得ることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、紫外線硬化樹脂層を備えたシート材を筐体とした電池パックおよびその製造方法に関して、最外層が紫外線硬化樹脂層であること、紫外線照射後にセパレーターフィルム層を取り除く工程順序であること、また、セパレーターフィルム層の材質が延伸性を有する樹脂であること、さらに、基材層が厚み50μm以下のPET樹脂または厚み100μm以下のポリオレフィン系樹脂であることによって、外観品質および寸法安定性の良好な電池パックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート材を用いた電池パックの組立方法を示す模式図。
【図2】超音波接合による電池パックの組立方法を示す模式図。
【図3】超音波接合による電池パックの断面図。
【図4】本発明の電池パックの構造示す模式図。
【符号の説明】
1 電池パック
2 リチウムイオン単電池
3 保護回路
6 保護素子(PTC素子)
11 コアパック
12 粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層からなるシート材
13 シート材の粘着層
14 シート材の基材層
15 シート材の紫外線硬化樹脂層
16 保護層

Claims (2)

  1. 電池と筐体とを備えた電池パックにおいて、前記筐体の少なくとも一部が、最外層が紫外線硬化樹脂層である粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層の3層シート材からなることを特徴とする電池パック。
  2. 粘着層/基材層/紫外線硬化樹脂層/保護層の4層からなり、前記紫外線硬化樹脂層が未硬化で、かつ、前記保護層が紫外線透過性であるシート材を、保護層が最外層になるように電池に貼り付ける工程と、前記シート材に紫外線を照射する工程と、紫外線照射後に前記保護層を取り除く工程とを有することを特徴とする電池パックの製造方法。
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