JP2004246258A - 撮影レンズ及び該撮影レンズを用いた光学機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮影レンズは、鏡筒1、プラスチック製前段レンズ2、弾性を有する光学絞り部材3、ガラス製中間レンズ4、弾性を有するレンズ規制部材5、プラスチック製後段レンズ7、遮光補助部材6、固定保持部材8から構成される。外径にバラツキのある中間レンズ4は、光学絞り部材3によって後段レンズ7に圧接され、また、光学絞り部材3に複数形成されたガイド凸片によって外径寸法のバラツキが吸収され、レンズ相互の位置決め、及び複数のレンズの光軸合わせが行われる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型軽量の撮影レンズ及び該撮影レンズを用いた光学機器に関し、特に、外径の異なる複数のレンズからなる撮影レンズにおいて、外径の小さいレンズを光軸方向と光軸に直交する方向に位置決めして鏡筒内に保持した撮影レンズ及び該撮影レンズを用いたカメラ、デジタルカメラ、移動体通信装置等の光学機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラスチックレンズとガラスレンズを含む複数のレンズを鏡筒に接着して保持し、プラスチックレンズの光学性能を劣化させることなく両レンズを鏡筒に固定した撮影レンズが知られている。
例えば、特許文献1に開示された撮影レンズは、外周部に凸状のゲートを有するプラスチックレンズを、鏡筒の内部に設けた逃げ部に上記ゲートを嵌入させて挿入し、このゲートを鏡筒内の受け面に当接させて光軸方向に位置決めして保持せしめ、次いで、この鏡筒の内部にガラス製のレンズを挿入し、このガラス製のレンズをプラスチックレンズに接触させた状態で保持せしめ、このガラス製のレンズを接着剤により接着固定しているもので、プラスチックレンズのゲートの切削加工や鏡筒に対するプラスチックレンズの位置調整を不要にすることができ、接着剤を使用することによるプラスチックレンズの光学性能の劣化を防止することができる。
【0003】
しかし、プラスチックレンズは金型を用いた一体成形によって、比較的大径のレンズを精度良く形成することが可能であるが、ガラス製のレンズは一品づつの研削によって成形するため、その外径中心と光軸中心を合わせて製作することは可能であるが、外径寸法は大きくバラツクといった欠点を有している。
【0004】
したがって、プラスチックレンズと外径寸法にバラツキのあるガラスレンズからなる複数枚のレンズを鏡筒内部に位置決めして固定する場合、各々のレンズを鏡筒内に組み込み、光学的な調整機器により個々のレンズの光軸を測定しながら最良の位置でレンズを保持し固定するようにしていた。また、外径にバラツキのあるガラスレンズを外径差によりランク分けし、各々の外径寸法ランクのガラスレンズ外径に対応したスペーサリングのような部材を別途用意し、ガラスレンズ外周に嵌めて組み込み固定するようにしていた。
【0005】
また、外径に差のある複数のレンズを鏡筒内に固定した撮影レンズが特許文献2に開示されている。
特許文献2に開示された撮影レンズは、鏡筒の内面に2段の段差が形成され、大径の段差部には物体側を押え環により固定された第1レンズが組み込まれ、小径の段差部には物体側が第1レンズに当接された第2レンズと、第2、第3レンズの間に介装されて第2、第3レンズの間隔を規定する絞りを兼ねた間隔環と、物体側が間隔環に当接され像側が鏡筒の内方フランジに当接された第3レンズとが嵌め込まれている撮影レンズが開示されている。しかし、このような撮影レンズは、極めて小型軽量な光学機器に組み込むには構造上十分とはいえない。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−281374号公報
【特許文献2】
特開平7−5354号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、プラスチックレンズは生産性に優れ、大径のレンズが容易に得られるのに対し、ガラスレンズは外径中心と光軸中心を精度良く合わせて製作することは可能であるが、外径寸法は大きくバラつくと言った欠点を有している。そのため、プラスチックレンズとガラスレンズを含む撮影レンズにおいて、ガラスレンズを鏡筒に組み込む際、鏡筒の内径寸法をいくら高精度に仕上げてもガラスレンズの外径にバラツキがあるため、鏡筒内径とガラスレンズ外径にクリアランスが生まれることとなる。このクリアランスは、光軸のズレとして大きく光学性能を低下させる原因となり、従来の技術を用いた方法、すなわち各々のレンズを挿入し、光軸を調整する別工程によるレンズの調整、及び位置決め部材等による組合わせ調整が必要となる。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたもので、複数のレンズが鏡筒内に位置決め固定される撮影レンズにおいて、径差がある複数のレンズを鏡筒内に固定する際、レンズ相互の位置決めを高精度に確実にし、また複数のレンズ及び鏡筒の光軸合わせを高精度に確実に行うことができる撮影レンズ及びそれを用いた光学機器を提供することを目的とする。
【0009】
また、撮影レンズにおいて、プラスチックレンズと外径寸法にバラツキのあるガラスレンズからなる複数枚のレンズを鏡筒内部に位置決めして固定する際、簡単な構成の弾性を有する光学絞り部材及びレンズ規制部材を用いて、ガラスレンズの外径寸法のバラツキを吸収することができ、レンズ相互の位置決めを高精度に確実にし、また複数のレンズ及び鏡筒の光軸合わせを高精度に確実に行うことができる撮影レンズ及びそれを用いた光学機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮影レンズ及び該撮影レンズを用いた光学機器において、
請求項1の発明は、前段レンズ及び後段レンズ間に形成された空間に、中間レンズが弾性を有する光学絞り部材及びレンズ規制部材を介して後段レンズに圧接されて固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮影レンズにおいて、前記前段レンズと後段レンズは、前記前段レンズ及び後段レンズに形成されたテーパ面部で当接し、前記前段レンズと後段レンズ間に密閉された空間が形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の撮影レンズにおいて、前記前段レンズと後段レンズはプラスチックレンズであり、前記中間レンズはガラスレンズであることを特徴とする撮影レンズ。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3に記載の撮影レンズにおいて、前記前段レンズ及び後段レンズには、前記光学絞り部材及びレンズ規制部材を位置決めする平坦面部及び斜面部が一体成形されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至4に記載の撮影レンズにおいて、前記光学絞り部材は、外周に放射方向の複数の凸状片を有し、該凸状片の反り弾性により前記中間レンズを前記後段レンズに圧接することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載の撮影レンズにおいて、前記放射方向の複数の凸状片の先端を結ぶ先端円は、前記光学絞り部材の絞り穴と同心円状であることを特徴とする撮影レンズ。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至6に記載の撮影レンズにおいて、前記中間レンズは、光軸に直交する方向のズレを規制するための弾性を有するレンズ規制部材により保持されていることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7に記載の撮影レンズにおいて、前記レンズ規制部材は、内径部に複数のレンズ保持凸片を有し、該レンズ保持凸片の先端を結ぶ先端円と外径とは同心円状であることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項7に記載の撮影レンズにおいて、前記レンズ規制部材は、内径部に複数のレンズ保持凸片を有し、該レンズ保持凸片の反りによる撓み弾性力により、前記内径部に挿入された前記中間レンズの外径部を保持し、光軸に直交する方向への位置決めを行うことを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、鏡筒内前面と後段レンズ間に形成された空間に、前記後段レンズより小径の前段レンズが、前記鏡筒内前面との間に光学絞り部材を介するとともに、前記鏡筒内周面との間にレンズ規制部材を介して後段レンズに圧接されて固定されていることを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10に記載の撮影レンズにおいて、前記前段レンズはガラスレンズであり、前記後段レンズはプラスチックレンズであることを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項1乃至11に記載の撮影レンズを用いた光学機器であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に示す実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1による撮影レンズを光軸に沿って断面して示す断面図、図2は、図1に示す撮影レンズを示す分解図である。なお、図1,図2は光軸の上側の構成を図示し、光軸の下測の構成は図示を省略している。
本実施例1の撮影レンズは、鏡筒1、プラスチック材からなる前段レンズ2、光学絞り部材3、ガラス材からなる中間レンズ4、レンズ規制部材5、遮光補助部材6、プラスチック材からなる後段レンズ7、固定保持部材8等から構成され、前段レンズ2、光学絞り部材3、中間レンズ4、レンズ規制部材5、遮光補助部材6、後段レンズ7が光軸10に沿って鏡筒1に対し順次挿入され、固定保持部材8によって、小型軽量の撮影レンズに組み立てられている。
【0023】
前段レンズ2は、鏡筒1内に収容され、物体側に凸レンズ面、像面測に凹レンズ面を有するプラスチック材からなる凸レンズで、像面測凹レンズ面から順次同心円状に、第1の平坦部2a、第1の斜面部2b、第2の平坦部2c、第2の斜面部2d、第3の平坦部2e、内面テーパ部2f等が放射方向外方に向かって形成されている。第2の斜面部2dの光軸10に対する角度は、第1の斜面部2bの光軸10に対する角度より緩く、第2の斜面部2dの先端よりの部分は曲面により第3の平坦部2eに連なっている。
【0024】
中間レンズ4は、前段レンズ2と後段レンズ7の中間に密閉状に形成される部材位置決め空間9内に後段レンズ7と接触して配置されるガラス材からなるレンズで、前段レンズ側が凸レンズ面、後段レンズ側が凹レンズ面を有する。中間レンズ4は、外径が前段レンズ2及び後段レンズ7より小さく、外周面は円筒面4aに形成されている。
【0025】
後段レンズ7は、鏡筒1内に収容され、像面測に凸レンズ面、物体測に凹レンズ面を有するプラスチック材からなる凸レンズで、凹レンズ面側の凹レンズ面から順次、平坦部7a、斜面部7b、外面テーパ部7c等が放射方向外方に向かって同心円状に形成されている。外面テーパ部7cは、前段レンズ2の内面テーパ部2fに嵌合するような形状に形成されている。
【0026】
図3は、前段レンズ及び後段レンズによって形成される部材位置決め空間を示す断面図である。
前段レンズ2及び後段レンズ7は、前段レンズ2の内面テーパ部2fと後段レンズ7の外面テーパ部7cが嵌合して、両レンズ間に部材位置決め空間9が形成され、この部材位置決め空間9に中間レンズ4が光学絞り部材3、レンズ規制部材5、遮光補助部材6によって光軸位置合わせが行われ、また光軸方向の位置合わせが行われる。
【0027】
図4は、光学絞り部材を示す平面図である。
光学絞り部材3は、金属等の弾性材料からなるシート状であって、鏡筒1内に挿入されるレンズ相互を圧接させる機能を有する。光学絞り部材3の内径部は絞り穴3aとして機能し、外径部には反りによる弾性力を発生させるための凸状片3bが絞り穴3aを中心とした放射方向に複数形成され、各凸状片3bの先端を結ぶ先端円は絞り穴3aと同心円をなしている。
【0028】
図5は、レンズ規制部材を示す平面図である。
レンズ規制部材5は、金属等の弾性材料からなるシート状であって、前段レンズ2と後段レンズ7の間の部材位置決め空間9に配置されたガラス製の中間レンズ4を光軸に直交する方向に規制する機能を有する。レンズ規制部材5は、前段レンズ2の内面テーパ部2fの根元部にガイドされるための外径部5aと、中間レンズ4をガイドするための複数のガイド凸片5cを内径部5bに有する形状であり、各ガイド凸片5cの先端部を結ぶ先端円は外径部5aと同心円をなしている。
【0029】
各ガイド凸片5cの先端部を結ぶ先端円の径は、各ガイド凸片5cによって保持する中間レンズ4の円筒面4aの寸法バラツキの最小径よりも小径に形成されている。また、各ガイド凸片5cの両サイドはガイド凸片5cに可撓性を保持させるための切り込みであり、ガイド凸片5cに対し対称形状に切り込まれている。そして、各ガイド凸片5cの弾性力は各ガイド凸片5c間の切り込み量とガイド凸片5cの幅で調整可能であるが、凸状の形状を形成せずに内径部から外径方向に単に切り込みを形成するような構成とすることもできる。
【0030】
遮光補助部材6は、金属等の遮光性材料からなるシート状であって、ワッシャ状に形成されている。遮光補助部材6は、レンズ規制部材5の内周部に複数のガイド凸片5cが形成されていることにより、光が漏れるのを防止する機能、及び前段レンズ2と後段レンズ7間のスペーサの機能を有し、ワッシャ状の形状の内径及び外径は、他の部材、つまり前段レンズ2、中間レンズ4、後段レンズ7に干渉しない程度に若干余裕をもった寸法に形成されており、内径部が中間レンズ4の外径に形成された円筒面4aに挿入される。
【0031】
次に、撮影レンズを組み立てる工程では、鏡筒1に対し、前段レンズ2、光学絞り部材3、中間レンズ4、レンズ規制部材5、遮光補助部材6、後段レンズ7、固定保持部材8を順次挿入し、固定保持部材8の外径と鏡筒1の内径部で圧入され、後段レンズ7の押し当たり部位で押圧されて、各部材は鏡筒1内部に位置決め固定され、その結果、図1に示す撮影レンズが得られる。
【0032】
図6は、図1のA部分を拡大して示す断面図である。
前記のように各部材を順次鏡筒1に挿入する過程で、前段レンズ2と中間レンズ4の間には光学絞り部材3が介在するが、光学絞り部材3の凸状片3bは前段レンズ2の第2の平坦部2cに座り、径方向は前段レンズ2の第2の斜面部2dの根元コーナ部で規制されている。したがって、中間レンズ4は前段レンズ2に対し、離間する方向に付勢された状態で、鏡筒1内に位置決め固定されている。
【0033】
図7は、図1のB部分を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、中間レンズ4は、前段レンズ2と後段レンズ7間に、光学絞り部材3の弾性によって後段レンズ7と圧接するように付勢された状態で位置決め固定されている。そして、中間レンズ4と鏡筒1の内面との間には、レンズ規制部材5が介在し、レンズ規制部材5の外径部は、光軸方向には前段レンズ2の第3の平坦面2eに座り、径方向は前段レンズ2の内面テーパ部2fで規制された状態にある。したがって、レンズ規制部材5の内径部に形成されたガイド凸片5cは、中間レンズ4の挿入方向に撓んだ状態で中間レンズ4の外周面を圧接するので、中間レンズ4を光軸合わせすることができる。
【0034】
遮光補助部材6は、前記したようにワッシャ状の形状であり、内外径は他の部材に干渉しない程度に若干余裕をもった寸法に形成されており、内径部が中間レンズ4の外径に形成された円筒面4aに挿入される。これにより、レンズ規制部材5に設けられている複数のガイド凸片5c間の空隙を介して、前段レンズ2側から後段レンズ7側への漏光は、遮光補助部材6によって遮光することができる。
【0035】
遮光補助部材6の外方から、後段レンズ7、固定保持部材8を順次挿入すると、中間レンズ4は後段レンズ7の平坦部7aによって押圧され、中間レンズ4は光学絞り部材3の内径周側を光軸方向に押し進める格好となり、中間レンズ4の外径部の円筒面4aはレンズ規制部材5のガイド凸片5cの撓みにより光軸に直交する方向をガイド保持される格好となったまま、所定の位置、即ち前段レンズ2と後段レンズ7の光軸方向と光軸に直交する方向の位置決めをするために、前段レンズ2の内面テーパ部2fに後段レンズ7の外面テーパ部7cが当接するまで挿入される。
【0036】
この時、中間レンズ4の光軸方向及び光軸に直交する方向の位置は、光学絞り部材3が撓んでいることにより、光学絞り部材3に押されて後段レンズ7に圧接した状態で光軸方向の位置決めがなされる。また、中間レンズ4の円筒面4aを保持している複数のガイド凸片5cは、中間レンズ4を介して応力のバランスが取れる位置に安定しようとする力が働く結果(複数のガイド凸片5cのそれぞれが同一の撓みになる)、中間レンズ4の中心軸は光軸10に寄せられ、前段レンズ2,段後レンズ7の中心軸は所定の光軸10と一致するようになる。
【0037】
(実施例2)
図8は、実施例2の撮影レンズを示す断面図である。
実施例2の撮影レンズは、実施例1の撮影レンズにおいて、前段レンズ2を用いない2枚構成のレンズである。
実施例2の撮影レンズの前段レンズ12は、実施例1の撮影レンズの中間レンズが対応し、ガラス材からなり、その外径はプラスチック材からなる後段レンズ16より小径であり、外形寸法はバラツキがある。
【0038】
実施例2の撮影レンズの場合は、実施例1の撮影レンズにおいて前段レンズ2に設けられた第1の平担部2a、第1の斜面部2b、第2の平担部2c、第2の斜面部2d、第3の平担部2e、内面テーパ部2fに対応する部分は、鏡筒11の前壁内面に第1の平担部11a、第1の斜面部11b、第2の平担部11c、第2の斜面部11d、第3の平担部11e、内面テーパ部11fとして形成されている。
【0039】
前段レンズ12と鏡筒1の内部前面間に光学絞り部材3を介在させ、前段レンズ12の外周の円筒面と鏡筒1の内周面との間にレンズ規制部材14及び遮光補助部材15を介在させて、前段レンズ12を後段レンズ16に圧接した状態で位置決めし、固定することができる。
【0040】
(実施例3)
実施例1または2の撮影レンズは、量産性に優れたプラスチックレンズと外径寸法にバラツキのあるガラスレンズを鏡筒内に固定したもので、レンズ相互の位置決め、及びレンズの光軸合わせを高精度に確実に行うことができる。したがって、実施例1または2の撮影レンズをカメラ、デジタルカメラ、移動体通信装置等の光学機器の撮影レンズとして用いることにより、小型軽量で高い光学性能を有する光学機器が得られる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数のレンズが鏡筒内に位置決め固定される撮影レンズにおいて、径差がある複数のレンズを鏡筒内に固定する際、レンズ相互の位置決めを高精度に確実にし、また複数のレンズ及び鏡筒の光軸合わせを高精度に確実に行うことができ、高い光学性能を有する撮影レンズ及び該撮影レンズを用いた光学機器を得ることが可能となる。
【0042】
また、プラスチックレンズと外径寸法にバラツキのあるガラスレンズからなる複数枚のレンズを鏡筒内部に位置決めして固定する際、簡単な構成の弾性を有する光学絞り部材及びレンズ規制部材を用いて、ガラスレンズの外径寸法のバラツキを吸収することができ、レンズ相互の位置決めを高精度に確実にし、また複数のレンズ及び鏡筒の光軸合わせを高精度に確実に行うことができ、高い光学性能を有する撮影レンズ及び該撮影レンズを用いた光学機器を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による撮影レンズを光軸に沿って断面して示す断面図である。
【図2】図1に示す撮影レンズの分解図である。
【図3】前段レンズ及び後段レンズによって形成される部材位置決め空間を示す断面図である。
【図4】光学絞り部材を示す平面図である。
【図5】レンズ規制部材を示す平面図である。
【図6】図1のA部分を示す拡大断面図である。
【図7】図1のB部分を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の実施例2による撮影レンズを示す断面図である。
【符号の説明】
1…鏡筒、2…前段レンズ、2a…第1の平坦部、2b…第1の斜面部、2c…第2の平坦部、2d…第2の斜面部、2e…第3の平坦部、2f…内面テーパ部、3…光学絞り部材、3a…絞り穴、3b…凸状片、4…中間レンズ、4a…円筒面、5…レンズ規制部材、5a…外径部、5b…内径部、5c…ガイド凸片、6…遮光補助部材、7…後段レンズ、7a…平坦部、7b…斜面部、7c…外面テーパ部、8…固定保持部材、9…部材位置決め空間、10…光軸、11…鏡筒、11a…第1の平坦部、11b…第1の斜面部、11c…第2の平坦部、11d…第2の斜面部、11e…第3の平坦部、11f…内面テーパ部、12…前段レンズ、13…光学絞り部材、14…レンズ規制部材、15…遮光補助部材、16…後段レンズ、17…固定保持部材。
Claims (12)
- 前段レンズ及び後段レンズ間に形成された空間に、中間レンズが弾性を有する光学絞り部材及びレンズ規制部材を介して後段レンズに圧接されて固定されていることを特徴とする撮影レンズ。
- 請求項1に記載の撮影レンズにおいて、
前記前段レンズと後段レンズは、前記前段レンズ及び後段レンズに形成されたテーパ面部で当接し、前記前段レンズと後段レンズ間に密閉された空間が形成されることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1または2に記載の撮影レンズにおいて、
前記前段レンズと後段レンズはプラスチックレンズであり、前記中間レンズはガラスレンズであることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の撮影レンズにおいて、
前記前段レンズ及び後段レンズには、前記光学絞り部材及びレンズ規制部材を位置決めする平坦面部及び斜面部が一体成形されていることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の撮影レンズにおいて、
前記光学絞り部材は、外周に放射方向の複数の凸状片を有し、該凸状片の反り弾性により前記中間レンズを前記後段レンズに圧接することを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項5に記載の撮影レンズにおいて、
前記放射方向の複数の凸状片の先端を結ぶ先端円は、前記光学絞り部材の絞り穴と同心円状であることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1乃至6に記載の撮影レンズにおいて、
前記中間レンズは、光軸に直交する方向のズレを規制するための弾性を有するレンズ規制部材により保持されていることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項7に記載の撮影レンズにおいて、
前記レンズ規制部材は、内径部に複数のレンズ保持凸片を有し、該レンズ保持凸片の先端を結ぶ先端円と外径とは同心円状であることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項7に記載の撮影レンズにおいて、
前記レンズ規制部材は、内径部に複数のレンズ保持凸片を有し、該レンズ保持凸片の反りによる撓み弾性力により、前記内径部に挿入された前記中間レンズの外径部を保持し、光軸に直交する方向への位置決めを行うことを特徴とする撮影レンズ。 - 鏡筒内前面と後段レンズ間に形成された空間に、前記後段レンズより小径の前段レンズが、前記鏡筒内前面との間に光学絞り部材を介するとともに、前記鏡筒内周面との間にレンズ規制部材を介して後段レンズに圧接されて固定されていることを特徴とする撮影レンズ。
- 請求項10に記載の撮影レンズにおいて、
前記前段レンズはガラスレンズであり、前記後段レンズはプラスチックレンズであることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載の撮影レンズを用いたことを特徴とする光学機器。
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