JP2004245779A - 水中航走体の位置決定システムおよびソノブイ - Google Patents

水中航走体の位置決定システムおよびソノブイ Download PDF

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Abstract

【課題】海底にセンサなどを配置することなく、海中を航行する移動物体などの水中航走体の位置をリアルタイムで計測できるようにする。
【解決手段】水中航走体1には、その水中航走体1の水中航走に先立って時計合わせが行われ、送信時刻を表わす情報を含む音響信号を水中に発するピンガー10を装備する。運用海域内には、ピンガー10からの音響信号を受信するとともにGPS衛星5などの衛星測位システムによって自位置と現在時刻とを測定するソノブイ2を複数個配置する。3個以上のソノブイ2のおのおのにおいて受信された音響信号のピンガー10から当該ソノブイ2までの伝搬時間と、当該ソノブイ2の位置とに基づいて、水中航走体1の位置をリアルタイムで算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中を移動しあるいは航行する物体(水中航走体)の位置をリアルタイムで計測し追尾できる位置決定システムと、そのような位置決定システムで使用されるソノブイとに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば海洋調査用の自力航行型の水中航走体などの水中における位置をリアルタイムで計測しあるいはその水中航走体を追尾するためには、従来、広い海域にわたって海底に多数の音響センサを敷設し、水中航走体に搭載されたピンガーからの音響信号をこれらの音響センサで受信し、到達時間差と音響センサの敷設位置とから水中航走体の位置を計測している。あるいは、海底には複数のトランスポンダを配置し、水中航走体にはレスポンダを設け、トランスポンダからの音響質問信号に応じてレスポンダが発する音響応答信号をトランスポンダで受信し、音響質問信号の送出から音響応答信号の受信までの時間と各トランスポンダの敷設位置とから水中航走体の位置を算出している。水中航走体側で現在の自位置を求めたい場合には、水中航走体にトランスポンダを設け、海底に複数のレスポンダを敷設し、水中航走体から発した音響質問信号に応答してレスポンダが発する音響応答信号を水中航走体で受信し、各レスポンダからの音響応答信号の時間差とレスポンダの位置とに基づいて、水中航走体の位置を算出している。
【0003】
いずれにせよ、従来の位置決定システムでは、それぞれの敷設位置が正確に分かるようにして試験水域(水中航走体の航走海域など)の水底に複数個のセンサやトランスポンダあるいはレスポンダなどを配置する必要があり、場合によっては、これらセンサやトランスポンダ類に対して電源や信号を送受するためのケーブルをも水底に敷設する必要がある。水底にセンサやトランスポンダなどを配置する位置決定システムについては、例えば、特許文献1〜5に記載されている。
【0004】
なお、本明細書においては、湖沼や河川などと海洋とを特に区別することなく、水中や水底、水域などの用語を用いることとする。したがって、水中、水底には、それぞれ、海中、海底、海域も含まれることになる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−257921
【特許文献2】
特開平8−136650
【特許文献3】
特開平6−118172
【特許文献4】
特開平5−302975
【特許文献5】
特開平5−302974
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の位置決定システムでは、広大な試験水域の水底に多数のセンサやトランスポンダなどをそれらの正確な位置が明らかであるように敷設し、場合によってはさらにこれらを接続するケーブルも敷設する必要があるので、設置に時間とコストとがかかる、という問題点がある。さらに、水底地形によっては設置が困難であったり、漁業権などの既存の権利との調整が難しいなど、設置場所にも制約されるという問題点もある。
【0007】
そこで本発明の目的は、水底へのセンサやトランスポンダなどの敷設を必要とせずに、水中航走体の位置をリアルタイムで正確に計測できて追尾できる位置決定システムと、そのような位置決定システムで使用されるソノブイとを提供することになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置決定システムは、水中航走体の位置を決定する位置決定システムであって、水中航走体に装備され音響信号を水中に発する発音手段と、運用水域内に複数個配備され、発音体からの音響信号を受信するとともに、衛星測位システムによって自位置を測定するソノブイと、3個以上のソノブイでの音響信号の受信タイミングと当該ソノブイの位置とに基づいて水中航走体の位置を算出する位置演算手段と、を有する。
【0009】
本発明では、水中航走体に設けられる発音手段としては、例えば、送信時刻を示す情報を含む音響信号を水中に発するピンガーや、あるいは、音源ブイからの応答要求信号(第1の音響信号)に応答して応答信号(第2の音響信号)を水中に発するレスポンダなどを使用することができる。ピンガーを用いる場合には、水中航走体の水中航走に先立ってピンガーの時計合わせが行われるとともに、位置演算手段は、3個以上のソノブイのおのおのにおいて受信された音響信号のピンガーから当該ソノブイまでの伝搬時間(あるいは伝搬距離)と、当該ソノブイの位置とに基づいて、水中航走体の位置を算出する。レスポンダを用いる場合には、第1の音響信号を水中に発するとともに衛星測位システムによって自位置を測定する音源ブイが運用水域内にさらに設けられるとともに、位置演算手段は、3個以上のソノブイのおのおのにおいて受信された第2の音響信号の受信タイミングと当該ソノブイの位置と音響ブイの位置とに基づいて、水中航走体の位置を算出する。3次元位置局限を確実なものとするためには、ソノブイとして、異なる深度に対応する複数の受波器を有するものを使用することが好ましい。
【0010】
本発明では、衛星測位システムとして、例えば、汎地球測位システム(GPS;global positioning system)が使用される。ピンガーを用いる場合であれば、GPSによる時刻情報をピンガーの時刻合わせに用いるとよい。また、ソノブイと位置演算手段との間は、無線回線で接続することが好ましい。この場合、位置演算手段を一般的に構成するコンピュータシステムは運用水域内に配備された実験船などに設置するものとして、運用水域の上空にヘリコプターなどの航空機を飛行させ、ソノブイからの無線信号をこの航空機を介して実験船などに送信するようにすればよい。
【0011】
本発明のソノブイは、水中を伝搬し送信時刻に関する情報を含む音響信号を受信する受波器と、衛星測位システムからの電波を受信して時刻情報と位置情報とを出力する測位部と、音響信号に含まれる送信時刻と測位部から出力される現在時刻との差から音響信号の伝搬した距離を算出する距離算出部と、距離と位置情報とを無線信号として送信する送信部と、を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の一形態の位置決定システムの構成を示す図である。
【0013】
この位置決定システムの運用水域は、水中航走体1の試験などを行うための試験水域である。試験水域には、複数個のソノブイ2が浮標(ブイ)として配備されている。図示したものでは、水面上に略正方格子が形成されたとしてその格子点に対応してソノブイ2は配置している。ソノブイ2は、浮力を与えるとともにアンテナやその他の回路部を格納する本体部20と、本体部20から水中の所定深度の位置に吊り下げられた受波器21とからなっている。ここでは、1個のソノブイ2当たり、異なる深度の位置に対応して3個の受波器21が設けられている。なおこの実施の形態では、ソノブイ2は、水中航走体1の試験終了後に回収することを前提としていない。したがって、ソノブイ2の撤収作業を行う必要はない。
【0014】
試験水域には、水中航走体1の試験などの際の母船となる試験船3が航行(または停泊)しているとともに、試験水域の上空には、ソノブイ2から無線信号を試験船3に中継するために、ヘリコプター4が飛行している。ヘリコプター4の機上には、無線信号の中継のための機器が装備されている。試験船3には、各ソノブイ2からの無線信号に基づいて水中航走体1の位置をリアルタイムで算出するための演算装置(コンピュータ)が設置されている。もちろん、全てのソノブイ2が試験船3からの見通し範囲内に配置しているような場合には、ヘリコプターで中継することなく、ソノブイ2からの無線信号を試験船3が直接受信するようにしてもよい。試験船3を出動させる代わりに、陸上に演算装置などを配置してもよい。
【0015】
次に、位置決定の目標となるべき水中航走体1について説明する。水中航走体1には、音響信号を周期的に水中に向けて発するピンガー10が装備されている。このピンガー10が発する音響信号には、その音響信号の送信時刻を表わす情報と、そのピンガー10の識別(ID)番号(実質的には水中航走体1の識別番号)を表わす情報とが含まれており、これらの情報を送るために、音響信号は、PSK(位相偏移変調)あるいはFSK(周波数偏移変調)によって変調されている。さらに、ピンガー10に水圧センサなどの深度測定センサを設け、水中航走体1の現在の深度を示す情報も音響信号に含ませるようにすることが好ましい。
【0016】
図2は、そのようなピンガー10の構成を示すブロック図である。ピンガー10は、一般的には時計回路として構成される時刻発生部11と、ピンガー10の深度を検出する深度検出部12と、時刻発生部11から出力される時刻情報と深度検出部12から出力される深度情報とに基づいて、自ピンガーのID、送信時刻および深度に関する情報を含む信号を周期的に発生する信号発生部13と、信号発生部13で発生した信号に基づいてPSKあるいはFSKによる変調を行う変調部14と、変調部14の出力を増幅する電力増幅部15と、電力増幅部15の出力側に設けられた送波器16と、このピンガー10で必要となる電力を供給するバッテリー17と、を備えている。送波器16は、電気音響変換器であって、電力増幅器15によって駆動され、水中に音響信号であるピンガー送波信号を送出する。
【0017】
後述するように本実施形態の位置決定システムでは、ピンガー10が送出したピンガー送波信号に含まれる送信時刻情報と、各ソノブイ2でそのピンガー送波信号を受信したときの時刻との差に基づいて、ピンガー10とソノブイ2との距離を算出する。したがって、ピンガー10の時刻発生部11は、高精度の時刻情報を発生して出力する必要がある。そのため、時刻発生部11としては、少なくとも水中航走体1の試験期間中は十分な時刻精度を保持する時計が使用され、さらに水中航走体1の試験開始前に、時刻発生部11の時刻合わせすなわち時刻整合を行うようにしている。この時刻整合は、例えば、試験船3の甲板上で実施される。正確な時刻を得るために、例えば、複数のGPS衛星5からの電波を受信するGPS受信部19を用い、GPS信号に含まれる時刻情報に基づいて時刻発生部11の時刻整合を行えばよい。本実施形態では、ソノブイ2でのGPSを用いて時刻を取得しているので、GPSを用いてピンガー10の時刻整合を行うことにより、ピンガー10とソノブイ2との間では相対的にはマイクロ秒オーダーで時刻を一致させることができる。GPS受信部19は、時刻整合を行うときのみ時刻発生部11に接続される。
【0018】
次に、ソノブイ2の構成について、図3を用いて説明する。ソノブイ2は、ピンガー10からの音響信号(ピンガー送波信号)を受信するとともに、GPSによって自位置と現在時刻とを測定し、ピンガー送波信号の送信時刻と現在時刻との差に基づいてピンガー10までの距離を算出し、算出した距離と、目標であるピンガー10のIDと深度と、自位置とをヘリコプター4を介して試験船3に送信するものである。このようなソノブイ2は、ピンガー送波信号を受信する複数の受波器21と、受波器21で受信したピンガー送波信号を解析して、そのピンガー送波信号を発したピンガーのID、送信時刻および深度を検出する信号検出部22と、GPSによる測位および現在時刻の取得を行うGPS受信・測位部23と、ピンガー送波信号の送信時刻と現在時刻との差に基づいてピンガー10までの距離を算出する距離算出部24と、ピンガー10のID及び深度とピンガー10までの距離とGPS受信・測位部での測位結果(このソノブイ2の現在の位置(緯度および経度))とに基づいて変調された信号を発生する変調部25と、変調部25から出力された変調信号を増幅する電力増幅器26と、電力増幅器26によって駆動され無線信号を送信するアンテナ27と、このソノブイ2の全体で必要となる電力を供給するバッテリ28と、を備えている。
【0019】
次に、この位置決定システムによる水中航走体1の位置の決定及び追尾の動作について説明する。図4は、本実施形態の位置決定ステムの運用方法を示すフローチャートである。
【0020】
まず、ステップ91に示すように、水中航走体1の試験を行うべき水域(海域)の調査を行う。ここでは、海洋環境調査として、水温分布、潮流、周囲雑音、海況、ソノブイ調定深度の決定を行う。次に、ステップ92において、ソノブイ2の投下位置を決定する。試験船3を出動させ、ステップ93において、試験船3の船上でピンガー10の時刻整合を行う。それとほぼ平行して、ステップ94において、航空機を用いてソノブイ2を所定位置に投下する。その後、ステップ95において、ヘリコプター4の機上設備や試験船3の演算装置などのシステムを立ち上げ、システムチェックや、ソノブイ2からヘリコプター4を介して試験船3までの無線データリンクを確立する。そして、ステップ96において、水中航走体1の水中航走試験を開始し、各種の試験を実施し、水中航走体1の位置表示や位置計測データを記録する。
【0021】
水中航走体1が水中を航走している際、ピンガー10からは、周期的に、送信時刻とピンガーのIDと深度との情報を含むピンガー送波信号(音響信号)が水中に送出されており、3個以上のソノブイ2がこのピンガー送波信号を受波する。ピンガー送波信号を受波したソノブイ2では、受信したピンガー送波信号の送信時刻とGPS受信・測位部23で取得した現在時刻(すなわちピンガー送波信号の受波時刻)との差に水中での音速を乗ずることにより、ピンガー10までの距離が算出される。この距離を示す情報とソノブイ2の現在の位置に関する情報を含む信号は、変調されてアンテナ27から無線信号として送出され、ヘリコプター4を介して試験船3にまで伝送される。図1に示したものでは、水中航走体1のピンガー10から3個のソノブイ2までの距離が、それぞれ、R1、R2及びR3で示されている。試験船3では、各ソノブイ2の現在の位置と距離R1〜R3とに基づいて、ピンガー10の位置、すなわち水中航走体1の位置が算出される。
【0022】
水中航走体1の試験を行っているうちに、潮流等によって、ソノブイ2が流されて試験水域から離脱してしまうことがある。その場合には、ステップ97において、航空機により、試験水域にソノブイ2を補充投下する。
【0023】
水中航走体1の試験が終了したら、ステップ98において、ヘリコプター4の機上の装置や試験船3の演算装置などのシステムの終了処理を行い、一連の運用を終了する。
【0024】
以上説明した実施形態において、位置決定対象である水中航走体の個数は1個に限定されるものではない。ピンガー送波信号にIDを含めているので、このIDによって水中航走体の識別を行うことができ、したがって、試験水域に2個以上の水中航走体が存在する場合であっても、それぞれの水中航走体の位置を独立に求めることが可能である。本実施形態では、ピンガー送波信号としてPSKあるいはFSKによって変調された音響信号を用いているので、海中の雑音の影響やマルチパスの影響を受けにくくなっている。また、水中航走体1の位置決定周期は、ソノブイの配置間隔などによらずにピンガー送波信号の送信周期に依存するので、事実上、位置決定周期に制限が生じないことになり、位置決定周期を適宜に定めることができる。ピンガー送波信号の音響周波数も、水中航走体1の試験の目的などに応じて、適宜に定めればよい。なお、上記の実施形態では、ソノブイ2からピンガー10までの距離をソノブイ2で計算するものとしたが、水中の音速は温度や潮流などで変化しうるものであり、これらの正確な補正を行うために、ソノブイ2ではピンガー送波信号の送信時刻と受波時刻の差のみを求めて試験船3に送信し、試験船3において音速に関する詳細な補正を行いつつソノブイ2からピンガー10までの距離を求め、水中航走体1の位置を求めるようにしてもよい。
【0025】
本実施の形態では、少なくとも3つのソノブイ2においてピンガー送波信号を受波することにより、水中における水中航走体1の3次元位置を求めることが可能である。しかしながら、深度方向についての位置決定精度は、水平面内方向への位置決定精度よりも悪いことが多いので、ピンガー10の深度検出部12で得られた深度情報を用いたり、あるいは、ソノブイ2において異なる深度に設けられている複数の受波器21のうちのどの受波器で最も強くピンガー送波信号を受信したかに基づいて、水中航走体1の深度を決定するようにしてもよい。
【0026】
さらに本実施の形態では、GPS衛星5からのGPS電波を各ソノブイ2で受信することによってソノブイ2が自位置を測位できるようにしている。水中航走体の位置の決定精度の向上のためには、ソノブイ2の位置の決定精度を向上させる必要があり、ソノブイ2では、GPSの単独測位によって自位置を決定するのではなく、DGPS(ディファレンシャルGPS)の手法によって位置を決定するようにすることが好ましい。
【0027】
次に本発明の別の実施の形態について、図5を用いて説明する。図1に示した位置決定システムでは、水中航走体1にピンガーを装備するとともに、水中航走体の位置決定に先立って例えば船上においてピンガーの時刻発生部11の時刻整合を行っている。しかしながら、水中航走体の種類や用途によっては、船上での時刻整合作業を行うことが困難な場合もある。そこでこの実施形態では、水中航走体側での時刻整合作業を必要としない位置決定システムを説明する。
【0028】
図5に示した位置決定システムが図1に示したものと異なる点は、試験水域において1あるいは複数の音源ブイ6が配備される点と、水中航走体1にピンガーの代わりにレスポンダ7が装備される点にある。
【0029】
音源ブイ6は、水中に音響信号として応答要求信号を送出するものであり、ソノブイ2と同様に、GPSにより現在位置と現在時刻とを取得できるようになっている。そして音源ブイ6は、応答要求信号を送出する際にその送出時刻と現在位置とを無線信号によりヘリコプター4を介して試験船3に送信するように構成されている。このような音源ブイ6は、浮力を与えるとともにアンテナやGPS受信回路などを格納する本体部60と、本体部60から水中に吊り下げられ応答要求信号を水中に発する送波器61とからなっている。
【0030】
一方、水中航走体1に装備されるレスポンダ7は、音源ブイ6からの応答要求信号に応じて応答信号を音響信号として水中に発するものである。この応答信号は、試験水域内に配備されている複数個のソノブイ2のうちの3個以上のソノブイ2で受信される。応答信号を受信したソノブイ2は、その受波時刻を表わす情報とともにそのソノブイ2の現在位置を表わす情報を、ヘリコプター4を介して試験船3に無線送信する。試験船3内の演算装置は、各ソノブイ2での応答信号の受波時刻と、各ソノブイ2の現在位置と、音源ブイ6が応答要求信号を送出したときの時刻と、そのときの音源ブイ6の位置とに基づいて、水中航走体1の位置を算出する。図5では、音源ブイ6から水中航走体1までの距離がR1で示されており、水中航走体1から各ソノブイ2までの距離がR2〜R4で示されている。したがって、レスポンダ7での応答遅延時間を無視すれば、音源ブイ1において応答要求信号が発せられてから各ソノブイ2で応答信号を受波するまでの時間は、それぞれ、R1+R2、R1+R3、R1+R4に対応する時間である。
【0031】
この実施の形態においては、応答要求信号及び応答信号として、トーンバースト信号を用いることもできるし、PSKあるいはFSKによって変調された信号を用いることもできる。応答要求信号及び応答信号にトーンバースト信号を用いる場合であれば、複数個の音源ブイ6を運用している際に音源ブイ6の識別を可能にするために、音源ブイ6ごとに応答要求信号の周波数を変えることが好ましい。また、レスポンダ7としても、水中航走体1の識別を可能にするために、水中航走体ごとに応答信号の周波数を変えるとともに、音源ブイ6からの応答要求信号の周波数に対しても応答信号の周波数を変えるようにすることが好ましい。応答要求信号及び応答信号にトーンバースト信号を用いる場合には、音源ブイ6やレスポンダ7の構成は簡単になるものの、海中雑音やマルチパスの影響を受けやすくなる。
【0032】
一方、応答要求信号及び応答信号にPSKまたはFSK変調された信号を用いる場合には、音源ブイ6及びレスポンダ7にそれぞれIDを付与し、音源ブイ6及び水中航走体1の識別を行うようにする。具体的には、応答要求信号にはそれを発した音源ブイ6のIDが含まれるようにし、そのような応答要求信号を受信したレスポンダ7は、応答信号に、自IDとともに、応答要求信号中のID(音源ブイ6のID)を含ませるようにする。応答要求信号及び応答信号にPSKまたはFSK変調された信号を用いることによって、海中雑音やマルチパスの影響を受けにくくなる。
【0033】
以上、音源ブイ6を用いるとともに、水中航走体1にレスポンダを装備する構成について説明したが、この構成においては、応答要求信号や応答信号には時刻情報が含まれないため、応答要求信号の送出の繰り返し頻度が高い場合に、ソノブイ2において受波した応答信号が今回の応答要求信号に対応するものか前回の応答要求信号に対応するかの識別を行うことができなくなり、水中航走体1の正しい位置を決定することができなくなる。そのため、水中航走体1の位置決定の周期は、ソノブイ2の配置間隔によって制限を受けることになり、高頻度での位置決定には適さないこととなる。なお、図5に示した構成においても、深度方向の位置精度を向上させるために、各ソノブイ2において異なる深度の複数の受波器21を設けることが有効である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、衛星測位システムによって自位置を測定できるソノブイを運用海域に配備することにより、水底へのセンサやトランスポンダなどの敷設を必要とせずに、水中航走体の位置をリアルタイムで正確に計測できるようになる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の位置決定システムの構成を示す図である。
【図2】ピンガーの構成を示すブロック図である。
【図3】ソノブイの構成を示すブロック図である。
【図4】運用方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施形態の位置決定システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 水中航走体
2 ソノブイ
3 試験船
4 ヘリコプター
5 GPS衛星
6 音源ブイ
7 レスポンダ
10 ピンガー
11 時刻発生部
12 深度検出部
13 信号発生部
14,25 変調部
15,26 電力増幅部
16,61 送波器
17,28 バッテリー
19 GPS受信部
20,60 本体部
21 受波器
22 信号検出部
23 GPS受信・測位部
24 距離算出部
27 アンテナ
91〜98 ステップ

Claims (11)

  1. 水中航走体の位置を決定する位置決定システムであって、
    前記水中航走体に設けられ音響信号を水中に発する発音手段と、
    運用水域内に複数個配備され、前記発音体からの前記音響信号を受信するとともに、衛星測位システムによって自位置を測定するソノブイと、
    3個以上の前記ソノブイでの前記音響信号の受信タイミングと当該ソノブイの位置とに基づいて前記水中航走体の位置を算出する位置演算手段と、
    を有する、位置決定システム。
  2. 水中航走体の位置を決定する位置決定システムであって、
    前記水中航走体に装備され、該水中航走体の水中航走に先立って時計合わせが行われ、送信時刻を表わす情報を含む音響信号を水中に発するピンガーと、
    運用水域内に複数個配備され、前記ピンガーからの前記音響信号を受信するとともに、衛星測位システムによって自位置と現在時刻とを測定するソノブイと、
    3個以上の前記ソノブイのおのおのにおいて受信された前記音響信号の前記ピンガーから当該ソノブイまでの伝搬時間と、当該ソノブイの位置とに基づいて、前記水中航走体の位置を算出する位置演算手段と、
    を有する、位置決定システム。
  3. 前記音響信号は、PSKまたはFSKによって変調され、前記ピンガーの識別番号に関する情報を含んでいる、請求項2に記載の位置決定システム。
  4. 前記ソノブイは、受信した前記音響信号の前記ピンガーから当該ソノブイまでの伝搬時間からその音響信号の伝搬距離を算出する距離算出部を有し、前記位置演算手段は、前記伝搬時間に対応する前記伝搬時間を用いて前記水中航走体の位置を算出する、請求項2または3に記載の位置決定システム。
  5. 前記衛星測位システムを用いて前記ピンガーの時計合わせが行われる、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の位置決定システム。
  6. 水中航走体の位置を決定する位置決定システムであって、
    運用水域内に配置され、第1の音響信号を水中に発するとともに、衛星測位システムによって自位置を測定する音源ブイと、
    前記水中航走体に装備され、前記第1の音響信号に応答して第2の音響信号を水中に発するレスポンダと、
    前記運用水域内に複数個配備され、前記レスポンダからの前記第2の音響信号を受信するとともに、衛星測位システムによって自位置を測定するソノブイと、
    3個以上の前記ソノブイのおのおのにおいて受信された前記第2の音響信号の受信タイミングと当該ソノブイの位置と前記音響ブイの位置とに基づいて、前記水中航走体の位置を算出する位置演算手段と、
    を有する、位置決定システム。
  7. 前記衛星測位システムは汎地球測位システム(GPS)である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の位置決定システム。
  8. 前記ソノブイは異なる深度に対応する複数の受波器を有し、前記複数の受波器で得られた信号に基づいて3次元位置局限が行われる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の位置決定システム。
  9. 前記ソノブイと前記位置演算手段との間が無線回線で接続される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の位置決定システム。
  10. 水中を伝搬し送信時刻に関する情報を含む音響信号を受信する受波器と、
    衛星測位システムからの電波を受信して時刻情報と位置情報とを出力する測位部と、
    前記音響信号に含まれる前記送信時刻と前記測位部から出力される現在時刻との差から前記音響信号の伝搬した距離を算出する距離算出部と、
    前記距離と前記位置情報とを無線信号として送信する送信部と、
    を有する、ソノブイ。
  11. 前記衛星測位システムは汎地球測位システム(GPS)である、請求項10に記載のソノブイ。
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