JP2004245754A - 原子炉制御棒の検査システム及び検査方法 - Google Patents

原子炉制御棒の検査システム及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】沸騰水型原子炉で使用されている制御棒の中性子吸収体の健全性を簡便且つ精度良く検査することができる原子炉制御棒の検査システム及び検査方法を提供する。
【解決手段】沸騰水型原子炉に設けられ中性子吸収体2を備えた制御棒1の非破壊検査を水中で行う原子炉制御棒の検査システムにおいて、磁束を生成するためのコイル201、及びこのコイル201からの磁束密度を向上するコイル芯202を有し、コイル201の渦電流を検出するプローブ200と、このプローブ200を水流から保護する保護カバー700と、プローブ200による渦電流検出の校正用の基準試験片500と、プローブ200で検出した渦電流に基づき中性子吸収体2の水素吸収量を演算する記録演算装置530とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉で使用されている中性子吸収体を備えた制御棒の健全性を検査するための原子炉制御棒の検査システム及び検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、沸騰水型原子炉で使用される制御棒は、横断面略十字形のタイロッドと、このタイロッドの4つの枝の端部にそれぞれ固定され、ハフニウム(Hf)又は炭化ホウ素(BC)等から構成される複数の中性子吸収体を内包し、これら中性子吸収体へ水を供給するための複数の通水孔が穿設された4つのシースとを備えている。この沸騰水型原子炉の制御棒には、原子炉の起動・停止、反応速度補償を行うために制御セルと呼ばれる4つの燃料集合体間に比較的遅い速度で挿抜駆動されるものと、原子炉を緊急停止(スクラム)するために非制御セルである燃料集合体間に高速挿入されるものとの2種類がある。通常、前者の制御棒の中性子吸収体は主としてハフニウムより構成され、後者の制御棒の中性子吸収体は主として炭化ホウ素より構成されている。
【0003】
従来より、上記ハフニウムより構成された中性子吸収体を備えた制御棒の健全性の評価は、主として外観検査により行なわれている。この外観検査には、制御棒を水中に配置し、水中カメラを用いてシースの通水孔から中性子吸収体の形状、色調及び表面状態等を目視により検査する方法と、超音波を用いて探傷器を固定冶具上で走査させ中性子吸収体の外形の変化を測定する方法(例えば、特許文献1参照)とがある。
【0004】
【特許文献1】
特許第2517458号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記水中カメラを用いた外観検査は、単なる目視による外観検査である上に、中性子吸収体のうち通水孔を介して見える部分のみしか検査を行うことができないので、中性子吸収体の健全性に関わる精度の良いデータを取得するのは困難である。このため、上記通水孔を介して行った目視による検査結果から、ハフニウムと結晶学的にも化学的にも類似性の高いジルコニウムの原子炉下振る舞いに関するデータに基づいて、中性子吸収体の健全性を推定する手法が多く取られていた。しかしながら、この場合、ハフニウムの振る舞いがジルコニウムのそれと類似するという仮定に不確定性が存在するために、その健全性の評価は必ずしも精度の良いものとは言えなかった。
【0006】
一方、上記超音波を用いた外観検査では、中性子吸収体を制御棒外側輪郭走査装置の変換器駆動管に挿通してその外形変化を測定するために、制御棒を分解してシースから中性子吸収体を取り出す必要があり、その分解作業等に手間を要することになる。
【0007】
さらに、以上の2つの方法による従来技術では、中性子吸収体の形状、色調、変形等の外観に関わる健全性の評価を行うことはできるが、例えば材料強度等の材料特性に関わる健全性の評価については行うことができない。従来、このような材料特性に関わる評価を行うためには、制御棒を分解して中性子吸収体をシースより取り出し、ホットラボ等の検査施設に輸送して詳細な検査を行う必要があり、多大な手間を要するものとなっていた。
【0008】
本発明の目的は、沸騰水型原子炉で使用されている制御棒の中性子吸収体の健全性を簡便且つ精度良く検査することができる原子炉制御棒の検査システム及び検査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、沸騰水型原子炉に設けられ中性子吸収体を備えた制御棒の非破壊検査を水中で行う原子炉制御棒の検査システムにおいて、磁束を生成するためのコイル、及びこのコイルからの磁束密度を向上する集束手段を有し、前記コイルの渦電流を検出するプローブと、このプローブを水流から保護する保護手段と、前記プローブによる渦電流検出の校正用の基準試験片と、前記プローブで検出した渦電流に基づき前記中性子吸収体の水素吸収量を演算する演算手段とを有するものとする。
【0010】
本発明においては、水中において、コイルで生成した磁束を中性子吸収体に与え、このときのコイルの渦電流をプローブで検出し、このプローブで検出した渦電流に基づいて演算手段で中性子吸収体の水素吸収量を演算する。これにより、この演算された水素吸収量から中性子吸収体の体積変化及び材料強度等を推測することが可能となり、前述した従来技術のように目視又は超音波にて外観検査のみを行う場合に比べ、中性子吸収体の材料特性をも含めたより精度の高い健全性に関わるデータを得ることができる。またこの結果、従来のように、材料特性を検査するために制御棒から中性子吸収体を取り出して検査施設で詳細な検査を行うことも不要となる。したがって、本発明によれば、中性子吸収体の健全性を簡便且つ精度良く検査することができる。
【0011】
また本発明によれば、集束手段でコイルから中性子吸収体に与える磁束密度を集束するので、測定対象である中性子吸収体の近傍の金属(隣の中性子吸収体やシース)による磁束の乱れを抑制することができる。これにより、プローブによる渦電流の検出精度を向上することができるので、中性子吸収体の健全性の検査精度をさらに向上することができる。
【0012】
さらに本発明によれば、保護手段でプローブを水流から保護しつつ渦電流の検出を行うので、水流によって生じるプローブの振動を抑制することができ、その結果、渦電流の検出精度を向上することができる。また、この水流による振動を抑制する手段として、例えばプローブを中性子吸収体に強く押し付けるような構造も考えられるが、本発明によれば、その場合に生じうる押し付け力によるプローブ先端の破損、又は中性子吸収体の付着物が突き刺さることによるプローブ先端の破損等を回避することができる。
【0013】
また本発明によれば、基準試験片を用いてプローブによる渦電流検出の校正を行うので、検出精度の低下を抑制することができる。これにより、例えばプローブの先端が磨耗しても、校正により渦電流検出精度が低下するのを抑制することができる。したがって、例えばプローブを中性子吸収体の表面に複数回に渡って押し当てることで原子炉運転中に中性子吸収体表面に付着した付着物を除去するといったことが可能となる。このようにすることで、中性子吸収体表面の付着物の堆積による渦電流の検出精度の低下を抑制することができる。しかもこの場合、測定対象となる微小領域部分についてのみ付着物を除去することとなるので、例えばプール内で中性子吸収体全体の付着物を専用ブラシ又は流水等により除去する場合に比べ、プール水の汚染を抑制し、周囲の作業者の被曝を抑制することができる。さらに、付着物を除去するための除去装置を新たに設ける必要がないので、安価に付着物除去による検査精度の向上効果を得ることができる。
【0014】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記プローブを前記中性子吸収体に押し付けるプローブ移動手段を備えるものとする。
【0015】
(3)上記(2)において、さらに好ましくは、前記プローブ、前記プローブ移動手段、前記保護手段、及び前記基準試験片を備えた測定器と、この測定器を前記制御棒に沿って移動させる測定器移動手段と、前記制御棒を把持することで前記測定器を前記制御棒に対して固定する測定器固定手段とを有するものとする。
【0016】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記制御棒は、複数の通水孔が穿設され、ハフニウムを主成分とする複数の前記中性子吸収体を収納したシースを備えているものとする。
【0017】
(5)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記集束手段はフェライトより構成され、前記コイルが巻きつけられる芯であるものとする。
このように、コイル芯をフェライト等の磁場を集束する能力を有する磁性材料より構成することで、コイルで生成される磁束を高密度に集束することができる。これにより、中性子吸収体からの磁束の漏れを減少させることができ、測定対象である中性子吸収体に隣接する中性子吸収体や、中性子吸収体を覆うシースによる測定外乱を抑制することができる。
【0018】
(6)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記集束手段は、その直径が前記プローブの中心と前記プローブを押し付けられた中性子吸収体以外の金属との最小距離の1.2倍より小さくなるように構成された芯であるものとする。これにより、コストの上昇及び感度の低下を抑制しつつ測定外乱を抑制することができる。
【0019】
(7)上記目的を達成するために、本発明の原子炉制御棒の検査方法は、沸騰水型原子炉に使用される制御棒の中性子吸収体の表面に渦電流検出用のプローブを押し当てて中性子吸収体に付着した付着物を除去する第1の手順と、前記プローブを基準片に押し付けて渦電流の基準測定を行う第2の手順と、前記プローブを前記中性子吸収体に押し付けて渦電流を測定する第3の手順と、再度プローブを基準片に押し付けて渦電流の基準測定を行う第4の手順と、前記第2乃至第4の手順における渦電流の測定結果に基づき前記中性子吸収体の水素吸収量を演算する第5の手順とを備える方法とする。
【0020】
(8)上記(7)において、好ましくは、前記プローブとして、磁束を生成するためのコイル、及びこのコイルからの磁束密度を向上する集束手段を備えたものを用いる方法とする。
【0021】
(9)上記(7)において、また好ましくは、前記第2乃至第4の手順は、保護手段で前記プローブを水流から保護しつつ行う方法とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の原子炉制御棒の検査システム及び検査方法の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態の検査システムは、原子力発電所内の燃料プール内において沸騰水型原子炉の制御棒の非破壊検査を行うものである。
図1は本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態に備えられる測定器の全体構造を表す側面図、図2はこの測定器を図1中矢印A方向から見た矢視正面図、図3はこの測定器の上面図である。
【0023】
これら図1乃至図3において、制御棒1は、複数の中性子吸収体2と、これらの中性子吸収体2を内包し、多数の通水孔3が穿設されたシース4とを備えている。また、測定器100は、メインビーム101と、このメインビーム101の制御棒長手方向(図1中Z方向)両端に接続された上・下把持フレーム102,103と、この上・下把持フレーム102,103のZ方向外方側(上把持フレーム102の図1中上側、下把持フレーム103の図1中下側)にそれぞれ複数(本実施の形態では4つ)ずつ設けられた支持パッド110と、中性子吸収体2に関する渦電流測定を行うプローブ200と、このプローブ200を測定時及び中性子吸収体2の表面付着物除去時にシース方向に押し付けるための測定用エアシリンダ210と、これらプローブ200と測定用エアシリンダ210とを測定位置まで移動させるプローブ移動機構300と、基準試験片500と、保護カバー700とを備えている。
【0024】
上記上把持フレーム102(又は下把持フレーム103。以下、かっこ内対応関係同じ)のZ方向上側(又はZ方向下側)に設けられた4つの支持パット110は、上把持フレーム102(又は下把持フレーム103)に固定された2つの固定支持パット110a,110aと、シース4方向に向かって可動可能に設けられた2つの可動支持パット110b,110bとにより構成されている。これら2つの固定支持パット110a,110a同士及び2つの可動支持パット110b,110b同士は、互いに略90度の角度となるようにその端部を固定されており、略十字型形状である制御棒1のシース4表面と良好に接触できるようになっている。上記可動支持パット110b,110bは、固定用エアシリンダ111によりシース4方向(図3中矢印B方向)に駆動されるようになっており、可動支持パット110bがシース4に押し付けられ、この可動支持パット110bと固定支持パット110aとでシース4を挟み込むことで、測定器100は制御棒1に固定されるようになっている。なお、支持パット110は例えば硬質のゴム等から構成されており、シース4に傷を付けないようにしつつシース4との摩擦係数を十分大きくとり、多少の振動では測定器100の個定位置がずれないように便宜が図られている。また、上記の固定用エアシリンダ111についても、エア駆動とすることでシース4に過大な負荷がかからないように便宜が図られている。なお、この固定用エアシリンダ111の代わりにモーター駆動のシリンダを用いてもよいが、その場合には、シース4の変形を抑制するために過荷重を検知するリミッタを取り付けることが好ましい。
【0025】
上記プローブ移動機構300は、プローブ200を任意の測定位置に移動する機構であり、プローブ200を図1中Z方向に移動させるZ方向ガイド120と、このZ方向ガイド120上を駆動するためのZ方向駆動モータ121と、このZ方向駆動モータ121からの力を伝達するためのZ方向ボールネジ122と、Z方向の位置を決めるZ位置測定器123(図1参照)と、プローブ200を制御棒1の幅方向(図1中X方向)に移動させるX方向駆動モータ130と、このX方向駆動モータ130からの力を伝達するためのX方向ボールネジ131と、X方向の位置を決めるX位置測定器132とを備えている。
【0026】
上記プローブ200は、測定対象の中性子吸収体2を収納するシース4に対向して配置されており、上述したように、測定時及び中性子吸収体2の表面付着物除去時に、測定用エアシリンダ210によってシース4方向に駆動され、シース4の通水孔3を介して中性子吸収体2に押し付けられる。上記測定時には、内部に備えられたコイル201(後述)で生成した磁束を中性子吸収体2に与え、渦電流によってそのときの磁束の変化を検出することで、中性子吸収体2の健全性を検査するようになっている。図4は、このプローブ200の内部構造を表す水平断面図である。
【0027】
この図4において、プローブ200は、磁束を生成するためのコイル201と、このコイル201を巻きつけるためのコイル芯202と、このコイル芯202を円柱状の中性子吸収体2に一定の強さで押し付けるためのコイルばね203と、上記コイル201の渦電流を検出するセンサ204と、これらコイル201、コイル芯202、コイルばね203、センサ204を収納するコイルケース205とを備えている。
【0028】
上記コイル201は、例えばマンガニン線等の、測定環境の影響、特に温度の影響を小さくするために電気抵抗の温度依存性の小さい材料より構成されている。これにより、温度変化による外乱を低減する事が可能である。また、このコイル201の外径は中性子吸収体2の外径より小さくなっており、生成する磁束を細くして、測定対象である中性子吸収体2に隣接する中性子吸収体やシース4等の周りの金属物による外乱を低減できるようになっている。
【0029】
上記コイル芯202は、上記コイル201が巻かれている部分が例えばフェライト等の磁性材料より構成されている。これにより、コイル201により生成される磁束を高密度にすることが可能である。また、上述したように外乱を低減するためには磁束を細くする必要があり、そのためにはこのコイル芯202をできるだけ細くするのが好ましいが、コイル芯を細くするほどコストが上昇して感度は低下するため、測定外乱を抑制しつつ大きめのコイル径とするのがよい。図5は、本願発明者等が行った、電気信号に対してコイル芯202の直径とコイル芯202から被測定物である中性子吸収体2以外の金属までの最短距離とが及ぼす影響の評価試験の結果を示す図である。この図5に示す結果から、次式(1)を満足すれば周りの金属物による外乱を抑制できることがわかる。
D<1.2×L・・・・・(1)
L:プローブのコイル芯の中心と被測定物以外の金属の最小距離(mm)
D:プローブのコイル芯の直径(mm)
本実施の形態では、コイル芯202の直径を例えば2mm程度とすることで、上記式(1)を満たすようにしている。
【0030】
なお、コイル芯202の先端部は、所定の一様な曲率を持った凸型形状となっており、プローブ200が中性子吸収体2に押し付けられた際に、このコイル芯202と中性子吸収体2との接触面積が極力小さくなるようになっている。このようにして、中性子吸収体2の表面付着物の除去時にコイル芯202の先端を中性子吸収体2に押し当て効率よく付着物を除去できるように、且つ除去後に残存した付着物の影響を受けにくくなるように便宜が図られている。
【0031】
上記コイルばね203は、プローブ200が中性子吸収体2に押し付けられた際に、この中性子吸収体2に対してコイル芯202が一定の押し付け力で接触するようにダンパーの役目を果たすものである。なお、コイルばね203の代わりにエアダンパー等を用いてもよい。
【0032】
上記センサ204には、渦電流信号ケーブル521(後述の図7も参照)が接続されており、この渦電流信号ケーブル521を介してセンサ204で検出したコイル201の渦電流信号を後述の渦電流測定装置520へ伝達するようになっている。
【0033】
以上のように構成されるプローブ200は、前述したように測定用エアシリンダ210によってシース4方向に駆動されるようになっている。図6は、この測定用エアシリンダ210の構造を表す上面図である。
この図6において、測定用エアシリンダ210は、アーム211と、このアーム211をシース4方向に駆動するシリンダロッド212を備えている。また、プローブ200は、上記アーム211にプローブ固定ばね205を介して接続されている。このプローブ固定ばね205により、中性子吸収体2とプローブ200の接触角度がずれた場合でも、プローブ固定ばね205の柔軟な変形により常に中性子吸収体2に対してプローブ200を垂直に接触させることができる。なお、このプローブ固定ばね205の代わりに柱状又は棒状のゴムを用いてもよい。
【0034】
図1乃至図3に戻り、前記の保護カバー700はL字型断面形状のプレート部材であり、中性子吸収体2及び基準試験片500に関する渦電流測定時に、プローブ200がプローブ移動機構300によって移動する範囲全体を下方から覆うように設けられている。すなわち、原子力発電所の燃料プール内では使用済燃料を冷却するために水が循環されているので、本非破壊検査を燃料プール内の上昇水流が生じる場所で行うことにより、上記保護カバー700でプローブ200を水流から保護し、水流によって生じる振動及び温度変動を抑制することができるようになっている。
【0035】
前記の基準試験片500は、中性子吸収体2の渦電流測定による健全性評価に必要なものであり、測定対象である中性子吸収体2と同一直径及び同一形状に形成され、且つ同一ロットの材料より構成されている。測定器100は、この基準試験片500をプローブ200の可動範囲内に備えることにより、短時間で確実な基準測定が可能となり、効率的で高精度な渦電流測定を行うことができるようになっている。さらに、測定器100は、基準試験片500の前にシース4と同一板厚及び同一ロットの材料より構成され通水孔3と同等の通水孔801が穿設された基準シース800を配置しており、中性子吸収体2の測定外乱と考えられる因子と同じ測定条件を基準試験片500に再現する事により、渦電流測定結果に対する精度を向上できるようになっている。
【0036】
以上のように構成された測定器100は、制御棒1と共に燃料プール内に配置され、水中にて制御棒1の非破壊検査を行う。図7は、このときの様子を示す、本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態の全体概略構成を表す側面図である。
この図7に示すように、燃料プール600内に制御棒1及び測定器100が配置されている。また、測定器100にプローブ200の位置を確認するための局所カメラ400が取り付けられ、制御棒1の検査範囲の全体を確認するための全体カメラ401が単独に配置されている。
【0037】
燃料プール600の水面上にある作業エリア601には、前記可動支持パッド110b及び測定用エアシリンダ210を駆動するためのエア操作ユニット500と、このエア操作ユニット500にエアを供給するコンプレッサー502と、プローブ移動機構300を駆動するためのモータユニット510と、渦電流を発生及び測定するための渦電流測定装置520と、この渦電流測定装置520からの信号を記録し、測定した渦電流から中性子吸収体2の水素吸収量を演算する記録演算装置530とが配置されている。
【0038】
上記渦電流測定装置520は、渦電流の発生中はセンサ204の検出信号から常時渦電流の測定を行うようになっており、且つ、プローブ200が基準試験片500に押し付けられた際に測定した基準試験片500の基準(零点)を用いて、センサ204の基準(零点)を校正する機能を有している。
【0039】
上記記録演算装置530には、本願発明者等が既知量の水素濃度を添加したハフニウムの電気抵抗に相当する電気信号(mV)の測定を行って求めた水素濃度と電気信号との相関関係が、予め記憶(又は適宜入力してもよい)されている。図8はこのハフニウムの水素濃度Y(ppm)と電気抵抗に相当する電気信号X(mV)との相関関係を示す図である。記録演算装置530は、センサ204で検出され渦電流測定装置520で測定された渦電流の電気信号を入力し、この図8に示す相関関係に基づいて中性子吸収体2の水素濃度(水素吸収量)を求めるようになっている。
【0040】
また、上記作業エリア601上の各装置(エア操作ユニット500、コンプレッサー502、モータユニット510、渦電流測定装置520、記録演算装置530)と測定器100とは、エア操作ユニット500から測定器100までエアを伝達するエアホース501と、モータユニット510からの信号を測定器100のモータまで伝達するためのモータ信号ケーブル511と、渦電流測定装置520からの信号を測定プローブ200に伝達しつつ、測定プローブ200(正確にはセンサ204)からの渦電流信号を渦電流測定装置520へ伝達するための渦電流信号ケーブル521とにより接続されている。また、測定器100は、作業エリア601からプール600内に下ろした汎用ポール504により支持されると共に、制御棒1の長手方向(図7中上下方向)に移動操作されるようになっている。
【0041】
以上において、コイル芯202は特許請求の範囲各項記載のコイルからの磁束密度を向上する集束手段を構成し、保護カバー700はプローブを水流から保護する保護手段を構成し、記録演算装置530はプローブで検出した渦電流に基づき中性子吸収体の水素吸収量を演算する演算手段を構成する。また、測定用エアシリンダ210はプローブを中性子吸収体に押し付けるプローブ移動手段を構成し、汎用ポール504は測定器を制御棒に沿って移動させる測定器移動手段を構成し、固定用エアシリンダ111、固定支持パット110a、及び可動支持パット110bは測定器を制御棒に対して固定する測定器固定手段を構成する。
【0042】
次に、上記構成の本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態の動作を図9を用いて以下に説明する。この図9は、本実施の形態の検査システムによって行われる検査手順を表すフローチャートである。
まず最初に、作業エリア601において、エアホース501、モータ信号ケーブル511、及び渦電流信号ケーブル521を測定器100と各装置(エア操作ユニット500、コンプレッサー502、モータユニット510、渦電流測定装置520、記録演算装置530)間で配線する(S100)。配線が終了したら、作業エリア601で測定器100の動作確認を実施する(S110)。その後、渦電流測定装置520により渦電流を発生させ、その出力を調整する(S120)。
【0043】
次に、測定器100に汎用ポール504を取付け、燃料プール600に測定器100を浸漬する。そして、測定器100が燃料プール600に冠水した段階で、再度測定器100の動作確認を行う(S130)。この水中での動作確認が終了したら、汎用ポール504を次々に付け足して測定器100をプール600内の下方へ移動させ、予め配置されている制御棒1の測定対象部位に測定器100を配置する。なおこのとき、予め単独で水中に挿入されている全体カメラ401を通して目視により概ねの測定位置を確認しながら、測定器100の配置を行う。
【0044】
次に、可動支持パッド110bが固定用エアシリンダ111により押されていない状態で、測定器100の上・下把持フレーム102,103の溝部に制御棒1のシース4の一端が填まるように、汎用ポール504を介して測定器100を配置する。シース4が完全に上・下把持フレーム102,103の溝に収まった段階で固定用エアシリンダ111を伸ばして可動支持パッド110bを押し、制御棒1に測定器100を固定する(S140)。なお、この段階で局所カメラ400を通して被測定物である中性子吸収体2にプローブ200を押し当てることが可能かどうかを確認する。そして、この測定器100に取付けられた局所カメラ400、単独で予め挿入されている全体カメラ401、測定器100に備えられた前記Z位置測定器123、及びX位置測定器132を用いて、測定対象位置となる中性子吸収体2を見る事ができる通水孔3までプローブ200を移動する。移動後、現状の測定器100の取り付け状態で測定対象の中性子吸収体2の測定が可能かどうかを確認する(S150)。無理なようであれば、先のS140に戻り、測定器100の固定をやり直す。
【0045】
次に、局所カメラ400にて目視確認しつつ、プローブ200を中性子吸収体2に押し当て、中性子吸収体2の表面に付着した付着物の除去を行う(S160)。付着物が除去できるまで、S160を繰り返し、プローブ200の押し当て動作を繰り返す。付着物が除去できたら、プローブ200を基準試験片500の位置まで移動させ、プローブ200を基準シース800の通水孔801を介して基準試験片500に押し付けて基準(零点)測定を行い、基準(零点)の信号を記録演算装置530に記録する。またこのとき、渦電流測定装置520によって測定した基準(零点)を用いてセンサ204の校正を行う(S170)。その後、プローブ200を再度測定対象の中性子吸収体2が見える通水孔3まで移動し、中性子吸収体2にプローブ200を押し付けて渦電流信号を記録演算装置530に記録する(S180)。その後、再度、プローブ200を基準試験片500まで移動し、プローブ200を基準試験片500に押し付けて基準(零点)を測定し、その結果を記録演算装置530に記録する(S190)。
【0046】
この後、記録演算装置530は、記録した測定前後の基準(零点)と中性子吸収体2を測定した時の渦電流信号の差を演算し、測定前の出力調整結果と比較して、中性子吸収体2の水素吸収量を演算する。この水素吸収量より、中性子吸収体2の体積変化及び材料強度等の材料特性を推測し、中性子吸収体2の健全性を評価する(S200)。同一制御棒1において他の中性子吸収体2についても測定を行う場合には、先のS170に戻り上記の作業を繰返す。このようにして制御棒1に対しての測定が終了したら、測定器100を燃料プール600から引上げ、作業エリア601で測定前後の渦電流出力に差が無い事を確認して(S220)一連の手順を終了する。
【0047】
次に、前述のように構成され上述の動作を行う本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態の作用を以下に説明する。
(1)渦電流測定を行うことによる検査の簡便性及び検査精度の向上作用
本実施の形態においては、水中において、コイル202で生成した磁束を中性子吸収体2に与え、このときのコイル202の渦電流を渦電流測定装置520で測定し、この測定した渦電流に基づいて、記録演算装置530で中性子吸収体2の水素吸収量を演算する。このようにして、この演算された水素吸収量から中性子吸収体2の体積変化及び材料強度等の材料特性についても推測することができる。これにより、前述した従来技術のように目視又は超音波によって外観検査のみを行う場合に比べ、中性子吸収体2の材料特性をも含めたより精度の高い健全性に関わるデータを得ることができる。また、その結果、中性子吸収体の材料特性等を検査するためには制御棒を分解してシースより中性子吸収体を取り出し、ホットラボ等の検査施設に輸送後、切断、研磨等を行い検査試料の準備をした上で検査を行う必要があった従来と比べ、本実施の形態によればこのような一連の作業を要さずに材料特性を検査することができる。したがって、本実施の形態の原子炉制御棒の検査システムによれば、中性子吸収体2の健全性を簡便且つ精度良く検査することができる。
【0048】
(2)コイル芯の材質及び形状による検査精度の向上作用
一般に、渦電流測定を行って材料の健全性の検査を行う場合、被測定物付近に存在する金属によって、磁束に乱れが生じ渦電流の測定精度が低下する可能性がある。すなわち、本実施の形態の場合には、測定対象である中性子吸収体2に隣接する中性子吸収体や、中性子吸収体2を覆うシース4が上記測定外乱の原因となり得る。このような測定外乱は、被測定物である中性子吸収体2に与える磁束を高密度に集束させ、中性子吸収体2からの磁束の漏れを減少させることで抑制することができる。
【0049】
そこで本実施の形態においては、コイル芯202をフェライト等の磁場を集束する能力を有する磁性材料により構成する。これにより、コイル201により生成される磁束を高密度にすることができる。さらに本実施の形態においては、コイル芯202の直径を、前述した式(1)の条件を満たすように、例えば2mm程度とする。これにより、コストの上昇及び感度の低下を抑制しつつ測定外乱を低減することができる。したがって、センサ204による渦電流の検出精度を向上することができるので、中性子吸収体2の健全性の検査精度をさらに向上することができる。
【0050】
(3)プローブの振動を防止することによる検査精度の向上作用
本実施の形態においては、原子力発電所の燃料プール600内で測定器100を用いて中性子吸収体2の測定を行うが、通常、この燃料プール600内においては使用済燃料を冷却するために水が循環されている。したがって、この水流によるプローブ200の振動が測定外乱の原因となり得る。
【0051】
そこで本実施の形態によれば、中性子吸収体2及び基準試験片500の測定時にプローブ200がプローブ移動機構300によって移動する範囲全体を下方から覆うように、保護カバー700を設ける。すなわち、プローブ200による測定を燃料プール内の上昇水流が生じる場所で行うことにより、上記保護カバー700でプローブ200を水流から保護し、水流によって生じる振動を抑制することができる。さらに、金属の電気抵抗は温度依存性を有することから測定対象である中性子吸収体2やプローブ200、及びその周辺の温度変化も測定外乱の原因となり得るが、この保護カバー700によってプローブ200への水流を遮断することで測定時の温度変化についても抑制することができる。したがって、プローブ200による渦電流の検出精度を向上することができるので、中性子吸収体2の健全性の検査精度をさらに向上することができる。しかも、本実施の形態によれば、このような検査精度の向上作用を保護カバーという設計及び製作が比較的容易な部材によって、容易に得ることができる。
【0052】
さらに、水流による振動を抑制する手段としては、例えばプローブ200を中性子吸収体2に強く押し付けるような構造も考えられるが、本実施の形態によれば、この場合に生じうる押し付け力によるプローブ先端の破損、又は中性子吸収体2の付着物が突き刺さることによるプローブ先端の破損等を、回避することができる。
【0053】
(4)中性子吸収体の表面付着物の除去による検査精度の低下の抑制作用
一般に、制御棒1に備えられる中性子吸収体2の表面には、原子炉運転中に付着物が付着し、その付着物が堆積することがある。そこで本実施の形態においては、プローブ200の先端(正確にはコイル芯202の先端)を中性子吸収体2の表面に複数回に渡って押し当てることで、上記中性子吸収体2に付着した付着物の除去を行う。このようにして付着物を除去した上で、プローブ200で中性子吸収体2に磁束を与えてそのときの渦電流の検出を行うので、付着物の堆積による渦電流の検出精度の低下を抑制することができる。したがって、中性子吸収体2の健全性の検査精度の低下を抑制することができる。さらに、このようにしてプローブ200の先端を押し当てることで付着物を除去する場合、測定対象である中性子吸収体2のうち測定対象箇所となる微小領域についてのみ付着物を除去することが可能となる。したがって、例えば燃料プール600内で中性子吸収体2の表面全体について専用ブラシ又は流水等により付着物を除去する場合に比べ、プール水の汚染を抑制することができ、これにより燃料プール600付近で働く作業者の被曝を低減することができる。しかも、本実施の形態によればこのようにしてプローブ200の先端を押し当てることで中性子吸収体2の表面の付着物の除去を行うので、付着物を除去するための除去装置を新たに設計・製作する必要がなく、安価に付着物除去による検査精度の低下の抑制作用を得ることができる。
【0054】
なお、本実施の形態のようにプローブ200の先端を押し当てることで付着物の除去を行う場合、プローブ200の先端が磨耗し、その結果渦電流の検出精度が低下することが考えられる。そこで本実施の形態においては、測定器100に基準試験片500を備え、プローブ200の押し当てによる付着物除去を終えた後に、基準試験片500を用いてセンサ204の基準点(零点)校正を行い、その上で中性子吸収体2の検査測定を行う。これにより、プローブ200の先端の磨耗による渦電流検出精度の低下を抑制することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、水中で、コイルで生成した磁束を中性子吸収体に与え、このときのコイルの渦電流をプローブで検出し、このプローブで検出した渦電流に基づいて演算手段で中性子吸収体の水素吸収量を演算する。これにより、この演算された水素吸収量から中性子吸収体の体積変化及び材料強度等を推測することが可能であり、中性子吸収体の材料特性をも含めた精度の高い健全性に関わるデータを得ることができる。またこの結果、材料特性を検査するために検査施設で詳細な検査を行うことも不要となる。したがって、本発明によれば、中性子吸収体の健全性を簡便且つ精度良く検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態を構成する測定器の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態を構成する測定器の図1中矢印A方向から見た矢視正面図である。
【図3】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態を構成する測定器の全体構造を表す上面図である。
【図4】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態を構成するプローブの内部構造を表す水平断面図である。
【図5】本願発明者等が行った、電気信号に対してコイル直径とコイル芯から被測定物以外の金属までの最短距離とが及ぼす影響の評価試験の結果を示す図である。
【図6】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態を構成する測定用エアシリンダの構造を表す上面図である。
【図7】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態の全体概略構成を表す側面図である。
【図8】ハフニウムの水素濃度と電気抵抗に相当する電気信号との相関関係を示す図である。
【図9】本発明の原子炉制御棒の検査システムの一実施の形態によって行われる検査手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御棒
2 中性子吸収体
3 通水孔
4 シース
100 測定器
110a 固定支持パッド(測定器固定手段)
110b 可動支持パッド(測定器固定手段)
111 固定用エアシリンダ(測定器固定手段)
200 プローブ
201 コイル
202 コイル芯(集束手段)
210 測定用エアシリンダ(プローブ移動手段)
500 基準試験片
504 汎用ポール(測定器移動手段)
530 記録演算装置(演算手段)
700 保護カバー(保護手段)

Claims (9)

  1. 沸騰水型原子炉に設けられ中性子吸収体を備えた制御棒の非破壊検査を水中で行う原子炉制御棒の検査システムにおいて、
    磁束を生成するためのコイル、及びこのコイルからの磁束密度を向上する集束手段を有し、前記コイルの渦電流を検出するプローブと、
    このプローブを水流から保護する保護手段と、
    前記プローブによる渦電流検出の校正用の基準試験片と、
    前記プローブで検出した渦電流に基づき前記中性子吸収体の水素吸収量を演算する演算手段とを有することを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  2. 請求項1記載の原子炉制御棒の検査システムにおいて、前記プローブを前記中性子吸収体に押し付けるプローブ移動手段を備えることを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  3. 請求項2記載の原子炉制御棒の検査システムにおいて、前記プローブ、前記プローブ移動手段、前記保護手段、及び前記基準試験片を備えた測定器と、この測定器を前記制御棒に沿って移動させる測定器移動手段と、前記制御棒を把持することで前記測定器を前記制御棒に対して固定する測定器固定手段とを有することを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の原子炉制御棒の検査システムにおいて、前記制御棒は、複数の通水孔が穿設され、ハフニウムを主成分とする複数の前記中性子吸収体を収納したシースを備えていることを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の原子炉制御棒の検査システムにおいて、前記集束手段はフェライトより構成され、前記コイルが巻きつけられる芯であることを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  6. 請求項1乃至3記載の原子炉制御棒の検査システムにおいて、前記集束手段は、その直径が前記プローブの中心と前記プローブを押し付けられた中性子吸収体以外の金属との最小距離の1.2倍より小さくなるように構成された芯であることを特徴とする原子炉制御棒の検査システム。
  7. 沸騰水型原子炉に使用される制御棒の中性子吸収体の表面に渦電流検出用のプローブを押し当てて中性子吸収体に付着した付着物を除去する第1の手順と、
    前記プローブを基準片に押し付けて渦電流の基準測定を行う第2の手順と、
    前記プローブを前記中性子吸収体に押し付けて渦電流を測定する第3の手順と、
    再度プローブを基準片に押し付けて渦電流の基準測定を行う第4の手順と、
    前記第2乃至第4の手順における渦電流の測定結果に基づき前記中性子吸収体の水素吸収量を演算する第5の手順とを備えることを特徴とする原子炉制御棒の検査方法。
  8. 請求項7記載の原子炉制御棒の検査方法において、前記プローブとして、磁束を生成するためのコイル、及びこのコイルからの磁束密度を向上する集束手段を備えたものを用いることを特徴とする原子炉制御棒の検査方法。
  9. 請求項7記載の原子炉制御棒の検査方法において、前記第2乃至第4の手順は、保護手段で前記プローブを水流から保護しつつ行うことを特徴とする原子炉制御棒の検査方法。
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