JP2004245482A - 分離型空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡易な構成で従来と同等以上の性能・効率を発揮するとともに、室内ユニットの高さをより低く構成できるコンパクトな分離型空気調和機を提供する。
【解決手段】筐体下方に吸い込み部４及び送風部３を、上方に熱交換器２及び吹き出し部６を配置した箱型の分離型空気調和機の室内ユニット１において、熱交換器２は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部５は熱交換器２の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図１
【解決手段】筐体下方に吸い込み部４及び送風部３を、上方に熱交換器２及び吹き出し部６を配置した箱型の分離型空気調和機の室内ユニット１において、熱交換器２は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部５は熱交換器２の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、分離型空気調和機の室内ユニットに特徴を有するものであり、より詳しくは熱交換器の配置構成に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
床置き型室内ユニットを有する分離型空気調和機の従来の技術について図５を用いて説明する。図５は分離型空気調和機の箱型の室内ユニットの内部構成を示す構成模式図である。まず同図（ａ）に示す様に従来の空気調和機は、筐体下方に吸い込み部４及び送風部３を有し、その上方に熱交換器２及び吹き出し部６を配置して、吸い込み部４、送風部３、熱交換器２、吹き出し部６の順に空気が流れる送風回路が構成されている。
【０００３】
吸い込み部４は前面枠にスリットが形成されて筐体周囲から空気を吸い込むように構成されており、集塵のためのフィルタ（図示せず）がその送風下流側に配置されている。送風部３はシロッコファンなどのファン３ａとケーシング３ｂを用いて構成されており、吸い込み部４からの空気を吸い込んで上方に配置されている熱交換器２方向に吹き出す。熱交換器２は前面下方から背面上方にかけて略平面的に配置されている。また、吹き出し部６は吹き出し面が略長方形の吹き出し枠６ｃと、上下方向の風向変更を行う上下羽根６ａと、左右方向の風向変更を行う左右羽根６ｂとを有して構成されている。なお、同図に矢印で示したように送風部３から吹き出される送風は一般的に背面側の風速分布が高く、補助加熱部となるヒータ７は熱交換器上方の前面側に配置されている。
【０００４】
一般にこの種の室内ユニットは背の高い構成になっているが、暖房時の暖気を床面に到達させる必要もあるため、極力高さを低くするニーズもある。一方では省エネルギー化のため室内熱交換器をできるだけその伝熱面積がおおきくなるように構成するニーズもあり、そのために熱交換器を大きくしようとすると熱交換器の列方向に長さをとる必要があるため室内ユニットの高さが高くなってしまう。このとき、熱交換器の列数を増大させて熱交換面積を拡大する方法もあるが、送風抵抗、騒音、成形などの面で課題があり、実現は困難である。現在商品化されているこの種の室内ユニットに配置された熱交換器は通常１列か２列で構成されており、多くても３列程度である。
【０００５】
上記のような相反するニーズを解決する方法としては、特許文献１に示されるように、熱交換器を室内ユニット筐体内で側方から見て略「人」の字になるように折り曲げて配置構成する考案が開示されている。この構成について概要を図５（ｂ）に示している。熱交換器２は上下方向に略逆Ｖ字となるように前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとを折り曲げた形で配置して構成しており、前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂそれぞれの下端部には運転中に発生する凝縮水を受けるように水受け部５がそれぞれ配置されている。このように構成することで、同じ熱交換器面積でも室内ユニットの高さを低く構成することができる。
【０００６】
【特許文献１】
中国実用新案ＣＮ２４４６４４２Ｙ号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献１に記載の空気調和機の室内ユニットでの熱交換器構成では、次のような課題がある。まず第一に水受け部５は熱交換器の下端において前面側及び背面側の少なくとも２箇所配置する必要があり部品点数が多くなる。更にはこの水受け部５を前面・背面両方配置するため、下方の送風部から送られる送風の通路断面積が狭くなり、送風性能が若干低下してしまう可能性がある。
【０００８】
第二に前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとが重なる最上端の屈曲部には、前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとを連結するとともに、この屈曲部の上面側にはシールテープ２ｃを貼り付けるなどして熱交換器の重なりが小さく送風抵抗が小さいとともに、十分に熱交換されずに吹き出される可能性のある空気流れに対する処理が必要となり、コストアップになりうる。
【０００９】
そして第三には、この種の空気調和機は能力に応じて補助加熱の手段としてヒータ７を追加構成していることがあるが、上記構成の室内ユニットでは熱交換器の面に張り付けるように配置すれば、前面側または背面側の何れか一方の熱交換器のみを通過した空気が加熱されるようになり、吹き出しでの温度むらが懸念される。仮に送風の主流が流れる背面側熱交換器２ｂの方に補助ヒータ７を配置したとすれば、補助ヒータ７のメンテナンス時には背面側に手が届くように筐体を分解する必要があり、修理が困難である。
【００１０】
本願発明は、上記課題に鑑み、より簡易な構成で従来と同等以上の性能・効率を発揮するとともに、室内ユニットの高さをより低く構成できるコンパクトな分離型空気調和機を提供するものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明の分離型空気調和機は、筐体下方に吸い込み部及び送風部を、上方に熱交換器及び吹き出し部を配置した分離型空気調和機の室内ユニットにおいて、熱交換器は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部は熱交換器の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とするものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本願請求項１の発明に係る分離型空気調和機は、室内ユニットが筐体下方に吸い込み部及び送風部を、上方に熱交換器及び吹き出し部を配置しており、室内ユニットに具備される熱交換器は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部はこの熱交換器の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とするものである。すなわち、上下方向に略Ｖ字、Ｕ字の形状に構成されているのである。屈曲部はＶ字形上の場合一箇所であるが、数ヶ所設けて多段折り曲げにしてもよい。または熱交換器を側面方向の形状で略円弧形などのように曲面的に構成してもよい。要するに最下部の折り曲げ部で１列の水受け部にて凝縮水を受けるように構成できればよい。
【００１３】
なお、折り曲げ部とは、熱交換器を形成するフィンが連続していても不連続でもよく、要するに熱交換器として連続して構成されていることをいう。
【００１４】
この構成により、従来と同等以上の熱交換器を同じかより低い高さの室内ユニット筐体内に配置して性能の高い室内ユニットを構成することができるとともに、水受け部は１ヶ所で済み送風の抵抗がより小さく、しかも部品点数の少ない室内ユニットを提供すろことができる。更には熱交換器の最下方の屈曲部にはこの部位に対向するように水受け部を設けているので、上述のようにシ−ル材等を貼り付けて送風漏れしないように構成する必要がない。
【００１５】
また本願の請求項２の発明に係る分離型空気調和機は、水受け部の下方部は送風上流側に尖った形状を有することを特徴とし、これにより、下方からの空気流れに対して抵抗とならないようにするとともに、その形状によって水受け部で分岐されて熱交換器の前面側及び背面側に流れる空気流れの分流を制御することも可能となる。
【００１６】
また本願の請求項３の発明に係る分離型空気調和機は、補助加熱部を有し、この補助加熱部は熱交換器の上端開口部に配置されていることを特徴とするものであり、これによれば、熱交換器を通過した空気流れの大半がこの補助加熱部を通過するように構成できるとともに、室内ユニット筐体に対して熱交換器の上端を固定する部材を共用して、補助加熱部を固定することも可能であり、部品点数も少なく構成できる。
【００１７】
また本願の請求項４の発明に係る分離型空気調和機は、熱交換器上端部は、吹き出し部の吹き出し枠の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とするものであり、室内ユニットの前方から熱交換器が見えず、美観が向上する。
【００１８】
また本願の請求項５の発明に係る分離型空気調和機は、補助加熱部は、吹き出し部の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とするものであり、これによれば上記のように室内ユニットの前方から熱交換器が見えず、美観が向上するともに、吹き出し部から手を挿入して補助加熱部に触れてしまう危険性を回避するための措置も不要となる。
【００１９】
そして、本願の請求項６の発明に係る分離型空気調和機は、水受け部に対向する位置より背面側の熱交換器の少なくとも一部は、水受け部に対向する位置より前面側の熱交換器よりも列数が多いことを特徴とするものであり、背面側熱交換器側の風速分布が前面側に比べて通常高いことを利用して、背面側の送風抵抗を増して、風速分布を前面側と背面側とでより均一化させるとともに、熱交換器の伝熱面積を増やして性能を向上させることができる。
【００２０】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。なお、従来の技術で示した図５と同一の構成要素には同一の図番を付してその詳細な説明は割愛する。
【００２１】
（実施の形態）
まず本願発明の実施の形態について図１、図２を用いて説明する。図１は本願発明の分離型空気調和機の室内ユニットの構成模式図であり、図２はその側面方向からの内部構成を示す模式図である。図１に示すように本願発明の分離型空気調和機の室内ユニット１は縦長箱型の筐体を有して構成されており、前面下方の吸い込み部４、送風機３、熱交換器２、吹き出し部６の順に流れる送風回路を内部に構成している。
【００２２】
特徴となるのは図２（ａ）に示されるように熱交換器がその上方側が開放となり略Ｖ字形状に構成されて下端に屈曲部２ｄを有して構成されており、この屈曲部２ｄと対向して水受け部５が配置されている。更に水受け部の送風上流側となる下面側には水受け部が送風の抵抗となるのを緩和し、また下方からの送風を前面側及び背面側に誘導分岐する凸形上部５ａを有している。図２（ｂ）に示すようにこの凸形状部５ａをその先端部が背面側に来るように構成すると、前面側熱交換器２ａへの風速分布が大きくなるように送風回路を構成できる。無論先端は図のように尖っていても、滑らかに構成されていてもよいが、少なくとも水受け部５の下面形状が送風の抵抗にならないように形成されているものである。
【００２３】
また、熱交換器２は最下端だけでなくその他の部位でも２ｃのように屈曲部を有して構成されていてもよいし、熱交換器の面は平面的でなく曲面的に構成されていてもよい。
【００２４】
そして、熱交換器２の上端部は吹き出し部６の吹き出し枠６ｃの下辺部水平面よりも下方に配置するように構成されており、室内ユニット前面側から見て少なくとも熱交換器２が見えないようにすると、美観状好適である。
【００２５】
更には、補助加熱手段としてヒータ７を装備する場合にはヒータ７を熱交換器２ａ、２ｂの上端部に配置する。要するに、略Ｖ字型に構成された熱交換器２を通過した空気流れが吹き出し部６に導かれる際にその大半がこの部分を通過するのでむらが少なく効果的に空気流れを加熱することができ、吹き出し空気流の温度むらを小さくすることができる。
【００２６】
そしてより好適にはヒータが吹き出し部６の吹き出し枠６ｃの下辺部水平面よりも下方に配置する。そうすれば吹き出し部からユーザが手を挿入することがあっても、ユーザが触れにくくなり安全性が増す。更には、ヒータ７の固定のための部材（図示せず）を熱交換器２ａ、２ｂの上端部固定のための部材と共用させることで部品点数を少なくすることができ好適である。
【００２７】
また、熱交換器の配置構成は図３（ａ）に示すように前面側熱交換器２ａは上記と同様にして、背面側の熱交換器２ｂを室内ユニットの筐体上方まで伸ばして構成すれば、空気抵抗が少なくて熱交換面積を大きくすることができ、空気調和機自体の効率向上に好適である。この場合でも補助加熱のヒータ７は前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂの上端部を渡すように配置されるとよい。
【００２８】
また、背面側熱交換器２ｂの風速分布の大きい場合など背面側熱交換器２ｂの列数を前面側熱交換器２ａの列数よりも大きく構成すると背面側熱交換器に送風抵抗になり前面・背面の風速分布がよりよい状態になる。無論、背面側熱交換器のフィンピッチを小さくしたり、フィンの切り起こし形状をより伝熱性能が向上するように構成することもできる。このようにしてコンパクトながら高性能の空気調和機室内ユニットを構成することができる。
【００２９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願発明によればより簡易な構成で従来と同等以上の性能・効率を発揮するとともに、室内ユニットの高さをより低く構成できるコンパクトな分離型空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの斜視内部構成模式図
【図２】（ａ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
【図３】（ａ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
【図４】（ａ）従来の分離型空気調和機室内ユニットの一構成を示す側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）従来の分離型空気調和機室内ユニットの他の構成を示す側面方向からの内部構成模式図
【符号の説明】
２ 熱交換器
２ａ 前面側熱交換器
２ｂ 背面側熱交換器
２ｃ シールテープ
３ 送風部
４ 吸い込み部
５ 水受け部
６ 吹き出し部
７ 補助ヒータ
【発明の属する技術分野】
本願発明は、分離型空気調和機の室内ユニットに特徴を有するものであり、より詳しくは熱交換器の配置構成に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
床置き型室内ユニットを有する分離型空気調和機の従来の技術について図５を用いて説明する。図５は分離型空気調和機の箱型の室内ユニットの内部構成を示す構成模式図である。まず同図（ａ）に示す様に従来の空気調和機は、筐体下方に吸い込み部４及び送風部３を有し、その上方に熱交換器２及び吹き出し部６を配置して、吸い込み部４、送風部３、熱交換器２、吹き出し部６の順に空気が流れる送風回路が構成されている。
【０００３】
吸い込み部４は前面枠にスリットが形成されて筐体周囲から空気を吸い込むように構成されており、集塵のためのフィルタ（図示せず）がその送風下流側に配置されている。送風部３はシロッコファンなどのファン３ａとケーシング３ｂを用いて構成されており、吸い込み部４からの空気を吸い込んで上方に配置されている熱交換器２方向に吹き出す。熱交換器２は前面下方から背面上方にかけて略平面的に配置されている。また、吹き出し部６は吹き出し面が略長方形の吹き出し枠６ｃと、上下方向の風向変更を行う上下羽根６ａと、左右方向の風向変更を行う左右羽根６ｂとを有して構成されている。なお、同図に矢印で示したように送風部３から吹き出される送風は一般的に背面側の風速分布が高く、補助加熱部となるヒータ７は熱交換器上方の前面側に配置されている。
【０００４】
一般にこの種の室内ユニットは背の高い構成になっているが、暖房時の暖気を床面に到達させる必要もあるため、極力高さを低くするニーズもある。一方では省エネルギー化のため室内熱交換器をできるだけその伝熱面積がおおきくなるように構成するニーズもあり、そのために熱交換器を大きくしようとすると熱交換器の列方向に長さをとる必要があるため室内ユニットの高さが高くなってしまう。このとき、熱交換器の列数を増大させて熱交換面積を拡大する方法もあるが、送風抵抗、騒音、成形などの面で課題があり、実現は困難である。現在商品化されているこの種の室内ユニットに配置された熱交換器は通常１列か２列で構成されており、多くても３列程度である。
【０００５】
上記のような相反するニーズを解決する方法としては、特許文献１に示されるように、熱交換器を室内ユニット筐体内で側方から見て略「人」の字になるように折り曲げて配置構成する考案が開示されている。この構成について概要を図５（ｂ）に示している。熱交換器２は上下方向に略逆Ｖ字となるように前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとを折り曲げた形で配置して構成しており、前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂそれぞれの下端部には運転中に発生する凝縮水を受けるように水受け部５がそれぞれ配置されている。このように構成することで、同じ熱交換器面積でも室内ユニットの高さを低く構成することができる。
【０００６】
【特許文献１】
中国実用新案ＣＮ２４４６４４２Ｙ号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献１に記載の空気調和機の室内ユニットでの熱交換器構成では、次のような課題がある。まず第一に水受け部５は熱交換器の下端において前面側及び背面側の少なくとも２箇所配置する必要があり部品点数が多くなる。更にはこの水受け部５を前面・背面両方配置するため、下方の送風部から送られる送風の通路断面積が狭くなり、送風性能が若干低下してしまう可能性がある。
【０００８】
第二に前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとが重なる最上端の屈曲部には、前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂとを連結するとともに、この屈曲部の上面側にはシールテープ２ｃを貼り付けるなどして熱交換器の重なりが小さく送風抵抗が小さいとともに、十分に熱交換されずに吹き出される可能性のある空気流れに対する処理が必要となり、コストアップになりうる。
【０００９】
そして第三には、この種の空気調和機は能力に応じて補助加熱の手段としてヒータ７を追加構成していることがあるが、上記構成の室内ユニットでは熱交換器の面に張り付けるように配置すれば、前面側または背面側の何れか一方の熱交換器のみを通過した空気が加熱されるようになり、吹き出しでの温度むらが懸念される。仮に送風の主流が流れる背面側熱交換器２ｂの方に補助ヒータ７を配置したとすれば、補助ヒータ７のメンテナンス時には背面側に手が届くように筐体を分解する必要があり、修理が困難である。
【００１０】
本願発明は、上記課題に鑑み、より簡易な構成で従来と同等以上の性能・効率を発揮するとともに、室内ユニットの高さをより低く構成できるコンパクトな分離型空気調和機を提供するものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明の分離型空気調和機は、筐体下方に吸い込み部及び送風部を、上方に熱交換器及び吹き出し部を配置した分離型空気調和機の室内ユニットにおいて、熱交換器は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部は熱交換器の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とするものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本願請求項１の発明に係る分離型空気調和機は、室内ユニットが筐体下方に吸い込み部及び送風部を、上方に熱交換器及び吹き出し部を配置しており、室内ユニットに具備される熱交換器は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部はこの熱交換器の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とするものである。すなわち、上下方向に略Ｖ字、Ｕ字の形状に構成されているのである。屈曲部はＶ字形上の場合一箇所であるが、数ヶ所設けて多段折り曲げにしてもよい。または熱交換器を側面方向の形状で略円弧形などのように曲面的に構成してもよい。要するに最下部の折り曲げ部で１列の水受け部にて凝縮水を受けるように構成できればよい。
【００１３】
なお、折り曲げ部とは、熱交換器を形成するフィンが連続していても不連続でもよく、要するに熱交換器として連続して構成されていることをいう。
【００１４】
この構成により、従来と同等以上の熱交換器を同じかより低い高さの室内ユニット筐体内に配置して性能の高い室内ユニットを構成することができるとともに、水受け部は１ヶ所で済み送風の抵抗がより小さく、しかも部品点数の少ない室内ユニットを提供すろことができる。更には熱交換器の最下方の屈曲部にはこの部位に対向するように水受け部を設けているので、上述のようにシ−ル材等を貼り付けて送風漏れしないように構成する必要がない。
【００１５】
また本願の請求項２の発明に係る分離型空気調和機は、水受け部の下方部は送風上流側に尖った形状を有することを特徴とし、これにより、下方からの空気流れに対して抵抗とならないようにするとともに、その形状によって水受け部で分岐されて熱交換器の前面側及び背面側に流れる空気流れの分流を制御することも可能となる。
【００１６】
また本願の請求項３の発明に係る分離型空気調和機は、補助加熱部を有し、この補助加熱部は熱交換器の上端開口部に配置されていることを特徴とするものであり、これによれば、熱交換器を通過した空気流れの大半がこの補助加熱部を通過するように構成できるとともに、室内ユニット筐体に対して熱交換器の上端を固定する部材を共用して、補助加熱部を固定することも可能であり、部品点数も少なく構成できる。
【００１７】
また本願の請求項４の発明に係る分離型空気調和機は、熱交換器上端部は、吹き出し部の吹き出し枠の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とするものであり、室内ユニットの前方から熱交換器が見えず、美観が向上する。
【００１８】
また本願の請求項５の発明に係る分離型空気調和機は、補助加熱部は、吹き出し部の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とするものであり、これによれば上記のように室内ユニットの前方から熱交換器が見えず、美観が向上するともに、吹き出し部から手を挿入して補助加熱部に触れてしまう危険性を回避するための措置も不要となる。
【００１９】
そして、本願の請求項６の発明に係る分離型空気調和機は、水受け部に対向する位置より背面側の熱交換器の少なくとも一部は、水受け部に対向する位置より前面側の熱交換器よりも列数が多いことを特徴とするものであり、背面側熱交換器側の風速分布が前面側に比べて通常高いことを利用して、背面側の送風抵抗を増して、風速分布を前面側と背面側とでより均一化させるとともに、熱交換器の伝熱面積を増やして性能を向上させることができる。
【００２０】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。なお、従来の技術で示した図５と同一の構成要素には同一の図番を付してその詳細な説明は割愛する。
【００２１】
（実施の形態）
まず本願発明の実施の形態について図１、図２を用いて説明する。図１は本願発明の分離型空気調和機の室内ユニットの構成模式図であり、図２はその側面方向からの内部構成を示す模式図である。図１に示すように本願発明の分離型空気調和機の室内ユニット１は縦長箱型の筐体を有して構成されており、前面下方の吸い込み部４、送風機３、熱交換器２、吹き出し部６の順に流れる送風回路を内部に構成している。
【００２２】
特徴となるのは図２（ａ）に示されるように熱交換器がその上方側が開放となり略Ｖ字形状に構成されて下端に屈曲部２ｄを有して構成されており、この屈曲部２ｄと対向して水受け部５が配置されている。更に水受け部の送風上流側となる下面側には水受け部が送風の抵抗となるのを緩和し、また下方からの送風を前面側及び背面側に誘導分岐する凸形上部５ａを有している。図２（ｂ）に示すようにこの凸形状部５ａをその先端部が背面側に来るように構成すると、前面側熱交換器２ａへの風速分布が大きくなるように送風回路を構成できる。無論先端は図のように尖っていても、滑らかに構成されていてもよいが、少なくとも水受け部５の下面形状が送風の抵抗にならないように形成されているものである。
【００２３】
また、熱交換器２は最下端だけでなくその他の部位でも２ｃのように屈曲部を有して構成されていてもよいし、熱交換器の面は平面的でなく曲面的に構成されていてもよい。
【００２４】
そして、熱交換器２の上端部は吹き出し部６の吹き出し枠６ｃの下辺部水平面よりも下方に配置するように構成されており、室内ユニット前面側から見て少なくとも熱交換器２が見えないようにすると、美観状好適である。
【００２５】
更には、補助加熱手段としてヒータ７を装備する場合にはヒータ７を熱交換器２ａ、２ｂの上端部に配置する。要するに、略Ｖ字型に構成された熱交換器２を通過した空気流れが吹き出し部６に導かれる際にその大半がこの部分を通過するのでむらが少なく効果的に空気流れを加熱することができ、吹き出し空気流の温度むらを小さくすることができる。
【００２６】
そしてより好適にはヒータが吹き出し部６の吹き出し枠６ｃの下辺部水平面よりも下方に配置する。そうすれば吹き出し部からユーザが手を挿入することがあっても、ユーザが触れにくくなり安全性が増す。更には、ヒータ７の固定のための部材（図示せず）を熱交換器２ａ、２ｂの上端部固定のための部材と共用させることで部品点数を少なくすることができ好適である。
【００２７】
また、熱交換器の配置構成は図３（ａ）に示すように前面側熱交換器２ａは上記と同様にして、背面側の熱交換器２ｂを室内ユニットの筐体上方まで伸ばして構成すれば、空気抵抗が少なくて熱交換面積を大きくすることができ、空気調和機自体の効率向上に好適である。この場合でも補助加熱のヒータ７は前面側熱交換器２ａと背面側熱交換器２ｂの上端部を渡すように配置されるとよい。
【００２８】
また、背面側熱交換器２ｂの風速分布の大きい場合など背面側熱交換器２ｂの列数を前面側熱交換器２ａの列数よりも大きく構成すると背面側熱交換器に送風抵抗になり前面・背面の風速分布がよりよい状態になる。無論、背面側熱交換器のフィンピッチを小さくしたり、フィンの切り起こし形状をより伝熱性能が向上するように構成することもできる。このようにしてコンパクトながら高性能の空気調和機室内ユニットを構成することができる。
【００２９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願発明によればより簡易な構成で従来と同等以上の性能・効率を発揮するとともに、室内ユニットの高さをより低く構成できるコンパクトな分離型空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの斜視内部構成模式図
【図２】（ａ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
【図３】（ａ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）本願発明の実施の形態における分離型空気調和機室内ユニットの側面方向からの内部構成模式図
【図４】（ａ）従来の分離型空気調和機室内ユニットの一構成を示す側面方向からの内部構成模式図
（ｂ）従来の分離型空気調和機室内ユニットの他の構成を示す側面方向からの内部構成模式図
【符号の説明】
２ 熱交換器
２ａ 前面側熱交換器
２ｂ 背面側熱交換器
２ｃ シールテープ
３ 送風部
４ 吸い込み部
５ 水受け部
６ 吹き出し部
７ 補助ヒータ
Claims (6)
- 筐体下方に吸い込み部及び送風部を、上方に熱交換器及び吹き出し部を配置した室内ユニットを有する分離型空気調和機であって、前記熱交換器は上方に開放となるように屈曲して構成されており、水受け部は熱交換器の最下部の屈曲部に対向して配置されていることを特徴とする分離型空気調和機。
- 水受け部の下方部は送風上流側に尖った形状を有することを特徴とする請求項１記載の分離型空気調和機。
- 補助加熱部を有し、この補助加熱部は熱交換器の上端開口部に配置されていることを特徴とする請求項１記載の分離型空気調和機。
- 熱交換器上端部は、吹き出し部の吹き出し枠の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とする請求項１記載の分離型空気調和機。
- 補助加熱部は、吹き出し部の下辺の水平面よりも下方になるように構成されていることを特徴とする請求項１または４のいずれか一項に記載の分離型空気調和機。
- 水受け部に対向する位置より背面側の熱交換器の少なくとも一部は、水受け部に対向する位置より前面側の熱交換器よりも列数が多いことを特徴とする請求項１記載の分離型空気調和機。
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