JP2004245175A - エンジンの空燃比制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1の排気通路2にNOx吸蔵還元型触媒32を有する排気浄化システム10を備えたエンジンの空燃比制御方法であって、前記NOx吸蔵還元型触媒32を再生するために、一時的にポスト噴射を行って排気ガスをリッチ条件にする際に、ポスト噴射開始初期の所定期間前記ポスト噴射における噴射量Qpos を連続的又は段階的に増加させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気通路にNOx吸蔵還元型触媒を有する排気浄化システムを備えたエンジンの空燃比制御方法に関し、より詳細には、NOx吸蔵還元型触媒の再生のためのリッチ条件を作り出すエンジンの空燃比制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン等の排気ガス中におけるNOxの低減のために、窒素酸化物(NOx)を吸蔵するNOx吸蔵還元型触媒の適用が考えられている。このNOx吸蔵還元型触媒は、図8と図9に示すように、γ−アルミナ(Al2 O3 )等の担持体32aに白金Pt等の触媒32bと酸化バリウム(BaO2 )等のNOx吸蔵材(吸収剤)32cを担持して形成され、NOx吸蔵触媒のNOxの吸蔵・放出のメカニズムに従って、NOxを浄化している。
【0003】
つまり、図8に示すように、理論空燃比よりも空気が多いリーン状態の場合には、酸素(O2 )がPt32bの表面に付着し、一酸化窒素(NO)は、2NO+O2 →2NO2 の反応により、二酸化窒素(NO2 )になり、このNO2 は、Pt上で酸化されつつNOx吸蔵材32cにNO3 − としてBa(NO3 )2 等の形で吸蔵される。
【0004】
また、図9に示すように、理論空燃比近傍のリッチ状態の場合には、酸素濃度の低下によりNOx吸蔵材32cはリーン状態で吸着したNOxを放出し、このNOxは炭化水素(HC)等の還元剤により三元触媒と同様な反応によって窒素N2 に還元される。
【0005】
そして、ディーゼルエンジンの通常の運転のように、リーン条件の運転状態でNOxを吸蔵し続けると、NOx吸蔵材が例えばBa(NO3 )2 に変化し、吸蔵能力が飽和に達してしまうので、十分なNOx浄化性能を発揮するためには、その飽和に達する前に、エンジンの運転条件を一時的にリッチ条件の運転状態に変更して排気ガス中にリッチ状態を発生させて吸蔵能力を回復する必要がある。そのため、エンジンの稼働中にエンジンの運転条件をリーン条件とリッチ条件を切り換えている。
【0006】
しかしながら、リーン条件からリッチ条件に切り換えたとき、機関出力トルクが急激に増大し、大きなショック(トルクショック)が発生するという問題がある。そのため、このようなリーン条件からリッチ条件(リッチスパイク制御)に移行する時のトルク変動を抑制する空燃比制御方法が提案されている。
【0007】
その一つに、混合気の空燃比を、リーン空燃比からリッチ空燃比に向けて少しずつ小さくする空燃比制御を行うことによって、混合気の空燃比を徐々にリッチにする内燃機関の排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
この内燃機関の排気浄化装置においては、リッチ条件を発生させるための空燃比制御は、メイン噴射(主噴射)の燃料噴射時間を徐々に増加させて行っている。しかし、この主噴射量の増加でリッチ条件を発生させる場合には、機関出力トルクの変動に与える影響が大きいため、トルク変動は徐々に変化するものの、リーン条件からリッチ条件に移行する時に、出力トルクが大きく変化するという問題が生じる。また、出力トルクの時間的変化を小さくしようとすると、切り換えに掛かる時間が長くなり、NOx吸蔵還元型触媒の再生のための時間が長くなり、車両の運転への影響や排気ガスの浄化性能への影響が大きくなるという問題もある。
【0009】
また、トルクショックの問題を解決するために、リーン空燃比からリッチ空燃比への切り換えを徐々に変化させると共に、副噴射手段により内燃機関の膨張行程において空燃比変更手段によって変化する空燃比に基づく燃料量を筒内に追加供給する筒内噴射型内燃機関の排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
この排気浄化装置においては、NOxパージ時間を短縮させるために、副噴射によってトータルの空燃比が直ちに目標の空燃比に変化するような制御を行っている。つまり、副噴射は、出力トルクに及ぼす影響が少ないとして、リーン空燃比からリッチ空燃比への切り換えを徐々に変化させる際に、目標とする空燃比と、切り換え途中の主噴射による所定の空燃比との差分に相当する量の燃料を副噴射で噴射し、切り換え途中における所定の空燃比分を副噴射で補って、全体として目標とする空燃比に、切り換え直後からなるようにしている。
【0011】
この副噴射は、リッチに素早くするために徐々に増加するリッチ空燃比を補うのが目的であるので、リッチへの切り換え初期に最大の噴射量が噴射され、その後徐々に減少し、主噴射によるリッチ空燃比が、目標の空燃比になった時にゼロとなり、副噴射は停止される。
【0012】
しかし、この副噴射は、出力トルクに及ぼす影響が少ないとはいえ、この副噴射でも若干トルク変動の影響が出るため、初期に最も多く噴射するこの制御では、全体の発生トルクが比較的少ないアイドル運転や低負荷運転においては、トルクショックが生じ、運転者に不快感を与えるという問題がある。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−166913号公報 (第2頁,第6頁)
【0014】
【特許文献2】
特開平11−223148号公報 (第2頁−第5頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
また、トルクショックの問題を解消するために、通常運転に相当するリーン条件で行われているパイロット噴射とメイン噴射の2段階噴射に、機関出力トルクへの影響が少ないポスト噴射(後噴射)を追加した3段階噴射により、リッチ条件を発生させる空燃比制御方法がある。
【0016】
このポスト噴射によるトルク発生量は小さいが、この2段階噴射から3段階噴射に切り換える際に出力トルクが僅かではあるが変動するため、アイドル運転や低負荷運転のような負荷の小さい運転領域で、ポスト噴射を行うと、エンジンの出力トルクが必要以上に増加しトルクショックが発生するという問題がある。
【0017】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、エンジンの排気通路に設けたNOx吸蔵還元型触媒のNOx吸蔵能力を回復するために、一時的に排気ガスをリッチ条件にする際に、機関出力トルク変動を抑制でき、運転者にトルクショックを感じさせないエンジンの空燃比制御方法を提供することにある
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のエンジンの空燃比制御方法は、エンジンの排気通路にNOx吸蔵還元型触媒を有する排気浄化システムを備えたエンジンの空燃比制御方法であって、前記NOx吸蔵還元型触媒を再生するために、一時的にポスト噴射を行って排気ガスをリッチ条件にする際に、ポスト噴射開始初期の所定期間前記ポスト噴射における噴射量を連続的又は段階的に増加させることを特徴として構成される。
【0019】
従って、本発明のエンジンの空燃比制御方法によれば、リッチ条件を発生させる際に徐々にポスト噴射量を増加するので、ポスト噴射によるトルク変動がより少なくなり、トルクショックを発生させることなく、リーン条件からリッチ条件に移行できるようになる。
【0020】
また、上記のエンジンの空燃比制御方法において、リッチ条件からリーン条件に戻る際に、所定期間前記ポスト噴射における噴射量を連続的又は段階的に減少させてポスト噴射を終了することを特徴として構成される。
【0021】
この方法により、リーン条件に戻る際にも、徐々にポスト噴射量を減少するので、トルクショックを発生させることなく、リッチ条件からリーン条件に移行できるようになる。
【0022】
更に、燃料噴射系だけでなく、EGR制御(排気循環制御)やVNT(可変ノズル付きターボチャージャ)等の空気系も同時になまし制御を行うことで更にトルクショックの低減を図ることができる。
【0023】
これにより、リーン条件とリッチ条件の切り換え時に駆動力変化を抑えることができ、トルクショックを感じさせない切り換えが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエンジンの空燃比制御方法について、図面に参照しながら説明する。
【0025】
図1に示すように、このエンジンの排気浄化システム10においては、エンジン1の吸気通路2に吸入空気量センサ(マスエアフローセンサ)21と可変ノズル付きターボチャージャ(以下VNT)31のコンプレッサ31aとインタークーラ22と吸気弁(インテークスロットル)23が設けられ、排気通路3にVNT31のタービン31bとNOx吸蔵還元型触媒32が設けられ、また、EGR通路(排気循環通路)4にEGRクーラ41とEGRバルブ42が設けられている。
【0026】
また、燃料噴射系には、燃料タンク(図示しない)から燃料Fをエンジンの燃焼室54に供給するための燃料ポンプ51とコモンレール52と燃料噴射弁(インジェクタ)53が設けられ、更に、アクセル開度Acc、エンジン回転数Ne、クランク角CA等を入力し、エンジンを制御するECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれる制御装置60が設けられている。
【0027】
そして、本発明のエンジンの空燃比制御方法においては、次のような燃料噴射を行う。
【0028】
この空燃比制御は、図2に示すような制御フローに従って行われる。この制御フローは、エンジンの制御フローと並行して実行されるフローであり、エンジンの運転開始と共に実行が開始され、エンジンの運転終了と共に、即ち、エンジンキーOFFの割り込みと共に、この制御フローはストップされる。
【0029】
そして、この制御フローがスタートすると、リーン条件の制御に入り、ステップS11で、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qを入力し、このエンジン回転数Neと燃料噴射量Qからリーン設定時間マップを参照してリーン設定時間tlsを算出する。
【0030】
次のステップS12で、Ramp制御(なまし制御)であるか否かを判定する。このRamp制御は、リッチ条件からリーン条件への切り換え時の開始直後や、リーン条件からリッチ条件への切り換え時のリーン条件の終了間際に行われるもので、ポスト噴射の噴射量を連続的又は段階的に減少又は増加する制御である。
【0031】
このRamp制御であるか否かの判定は、リーン条件の運転時間であるリーン積算時間tl が所定の時間t1 以前であるか否か、あるいは、リーン設定時間tlsよりも所定時間t2 前の、(tls−t2 )以降であるか否かの判定で行う。なお、エンジンの始動で最初にリーン条件を開始する時は、このRamp制御は行わない。また、リーン条件の終了の所定期間t1 と、リッチ条件の開始の所定期間t2 とは同じであってもよいが、必ずしも同じ期間である必要はない。
【0032】
ステップS12で、Ramp制御でないと判定された時は、ステップS13で、ポスト噴射無しのリーン条件制御を所定の時間の間行い,ステップS15に行く。このステップS13の制御は、通常のリーン条件の運転制御であり、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qを入力し、このエンジン回転数Neと燃料噴射量Qからベース・パイロット噴射タイミングマップ、ベース・パイロット噴射量マップ、ベース・メイン噴射タイミングマップをそれぞれ参照して、パイロット噴射タイミングTpb、パイロット噴射量Qpb、メイン噴射タイミングTmbを算出し、この算出量を出力して、この算出量に基づいて燃料噴射する。
【0033】
また、VNT(ターボチャージャ)31の制御量Vdb,吸気弁23の開度Thb,目標エアマス量AMs も算出され、図6に例示するように、制御量Vdbと開度Thbになるように、VNT31と吸気弁23がそれぞれ制御され、EGR弁42は、目標エアマス量AMs となるようにF/B制御(フーィドバック制御)される。
【0034】
このステップS13の燃料噴射制御では、図3に例示するようなタイミングでパイロット噴射とメイン噴射がなされ、排気ガスの空燃比(A/F)が例えば40程度で、図8に示すような浄化メカニズムで、O2 がPt32bの表面に付着し、NOは、NO+O2 →NO2 の反応により、NO2 になり、このNO2 は、Pt上で酸化されつつNOx吸蔵材32cにNO3 − としてBa(NO3 )2 等の形で吸蔵され、排気ガスGは浄化され、浄化された排気ガスGcとして大気中に排出される。
【0035】
そして、ステップS12で、Ramp制御であると判定された時は、ステップS14で、ポスト噴射有りのリーン条件Ramp制御を所定の時間の間行い,ステップS15に行く。このステップS14の燃料噴射制御は、図4に例示するように、ステップS13の通常のリーン条件の燃料噴射制御に、ポスト噴射を加えた制御であり、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qからポスト噴射タイミングマップと、ポスト噴射量マップとをそれぞれ参照して、ポスト噴射タイミングTpos とポスト噴射量Qpos を算出し、この算出量を出力して、この算出量に基づいて燃料噴射する。
【0036】
そして、リーン条件の開始間際では、ポスト噴射量Qpos をリーン積算時間tl の増加に従って徐々に減少させてゼロにし、リーン条件の終了間際では、ポスト噴射量Qpos をリーン積算時間tl の増加に従ってゼロから徐々に増加させる。
【0037】
そして、ステップS15で、リーン条件制御が終了したか否かの判定、即ち、リーン条件で運転しているリーン積算時間tl がリーン設定時間tlsを超えたか否かの判定を行い、リーン条件制御が終了するまで、ステップS13又はステップS14を繰り返し実行する。
【0038】
このステップS15の判定で、リーン積算時間tl がリーン設定時間tlsを超えてリーン条件制御が終了したと判定された場合は、ステップS16で、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qを入力し、このエンジン回転数Neと燃料噴射量Qからリッチ設定時間マップを参照してリッチ設定時間trsを算出する。
【0039】
そして、リッチ条件の制御に入り、ステップS17で、Ramp制御であるか否かを判定する。このRamp制御は、リッチ条件の運転開始や終了時に行われるもので、ポスト噴射の噴射量を連続的又は段階的に増加又は減少する制御である。
【0040】
このRamp制御であるか否かの判定は、リッチ条件の運転時間であるリッチ積算時間tr が所定の時間t3 以前であるか否か、あるいは、リッチ設定時間trsよりも所定時間t4 前の、(trs−t4 )以降であるか否かの判定で行う。なお、リッチ条件の終了の所定期間t3 と、リーン条件の開始の所定期間t4 とは同じであってもよいが、必ずしも同じ期間である必要はない。即ち、所定の時間t1 ,t2 ,t3 ,t4 は独立している。
【0041】
ステップS17で、Ramp制御でないと判定された時は、ステップS18で、リッチ条件制御を所定の時間の間行い,ステップS20に行く。
【0042】
このステップS18の燃料噴射制御は、図5に例示するように、ステップS13の通常のリーン条件の運転制御に、ポスト噴射を加えた制御であり、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qを入力し、このエンジン回転数Neと燃料噴射量Qから、ベース・パイロット噴射タイミングマップ、ベース・パイロット噴射量マップ、ベース・メイン噴射タイミングマップをそれぞれ参照して、パイロット噴射タイミングTpb、パイロット噴射量Qpb、メイン噴射タイミングTmbを算出し、更に、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qからポスト噴射タイミングマップと、ポスト噴射量マップとをそれぞれ参照して、ポスト噴射タイミングTpos とポスト噴射量Qposrを算出し、この算出量を出力して、この算出量に基づいて燃料噴射する。
【0043】
また、VNT(ターボチャージャ)31の制御量Vdr,吸気弁23の開度Thr,EGR弁42の開度EGr も算出され、図6に例示するように、制御量Vdrと開度Thrと開度EGr になるように、VNT31と吸気弁23とEGR弁42がそれぞれ制御される。
【0044】
このステップS18の燃料噴射制御では、図5に例示するようなタイミングでパイロット噴射とメイン噴射とポスト噴射がなされ、排気ガスの空燃比(A/F)が例えば14.3程度で、図9に示すような浄化メカニズムで、酸素濃度の低下によりNOx吸蔵材32cはリーン状態で吸着したNOxを放出し、このNOxはHC等の還元剤により三元触媒と同様な反応によって窒素N2 に還元され、排気ガスGは浄化された排気ガスGcになり大気中に排出される。
【0045】
そして、ステップS17で、Ramp制御であると判定された時は、ステップS19で、ポスト噴射有りのリッチ条件Ramp制御を所定の時間の間行い,ステップS20に行く。
【0046】
このステップS19の燃料噴射制御は、図4に例示するように、通常のリッチ条件の燃料噴射制御で、ポスト噴射量Qpos を連続的又は段階的に変化させて燃料噴射する制御である。
【0047】
そして、リッチ条件の開始間際では、ポスト噴射量Qpos をリッチ積算時間tr の増加に従って徐々に増加減させてQposrにし、リッチ条件の終了間際では、ポスト噴射量Qpos をリーン積算時間tr の増加に従ってQposrから徐々に減少させる。なお、このリッチ条件Ramp制御のポスト噴射量Qpos は、前後するリーン条件Ramp制御のポスト噴射量Qpos と連続的又は段階的に変化するように設定される。
【0048】
次のステップS20では、リッチ条件制御が終了したか否かの判定、即ち、リッチ条件で運転しているリッチ積算時間tr がリッチ設定時間trsを超えたか否かの判定を行い、リッチ条件制御が終了するまで、ステップS18又はステップS19を繰り返し実行し、ステップS20の判定で、リッチ条件制御が終了したと判定された時は、ステップS11に行く。
【0049】
このステップS11〜ステップS20を繰り返し実行し、この実行中にステップS21のエンジンキーOFFによる割り込みが生じると、ステップS22で制御終了作業をしてから、例えば、リーン条件制御やリッチ条件制御の途中でストップする場合に、次回にこの制御フローがスタートする時に、積算時間tl ,tr の初期値をストップ時の値とすることができるように、リーン積算時間tl やリッチ積算時間tr を記憶してからストップする。
【0050】
この制御の時系列例を示す図6のように、ポスト噴射量Qpos は、リーン条件制御時にはゼロで、リーン条件Ramp制御及びリッチ条件Ramp制御で連続的に増加し、リッチ条件制御ではポスト噴射量Qposrとなる。
【0051】
また、EGR弁42の制御に関しては、リーン条件制御時には、目標エアマス量AMs によるフィードバック(F/B)制御を行うが、リッチ条件制御時には、EGR弁42の動きを速め、リッチ時間を短縮するために、予め設定された開度EGr におけるポジション制御を行う。
【0052】
吸気弁23の制御に関しては、リッチ条件制御時には、リーン条件制御時の開度Thbから予め設定された開度Thrまで閉じた吸気絞りを行って、吸入空気量(エアマス)を減らしリッチ条件を作り易くする。
【0053】
VNT31の制御に関しては、リッチ条件制御時には、リーン条件制御時の開度Vdbから予め設定された開度Vdrに変更して吸入空気量を減らしリッチ条件を作り易くする。
【0054】
この制御フローに従ったエンジンの空燃比制御方法により、NOx吸蔵還元型触媒32を再生するために、一時的にポスト噴射を行って排気ガスをリッチ条件にする際に、リーン条件の終了の所定期間t1 前から、リッチ条件の開始の所定期間t2 後までの間、ポスト噴射における噴射量Qpos を連続的又は段階的に増加することができる。
【0055】
つまり、このリーン条件からリッチ条件への切り換えに際して、リーン条件の通常運転の燃料噴射において、ポスト噴射をリッチ条件の時に行うポスト噴射の噴射タイミングと同一のタイミングで、少量の噴射量Qpos でポスト噴射を開始し、徐々に連続的また段階的に増加させ、更に、リッチ条件に切り換わってからも、ポスト噴射の噴射量Qpos を続けて徐々に連続的また段階的に増加させて所定の噴射量Qposrまで増加することができる。即ち、ポスト噴射の噴射量の増加に際しては、Ramp制御(なまし制御)を行うことができる。
【0056】
そして、このリーン条件のうちから予めポスト噴射を開始することにより、リーン条件とリッチ条件の切り換えに伴う燃料噴射量の変化によるシリンダ(気筒)内圧力変化を少なくすることができる。
【0057】
また、この制御フローに従ったエンジンの空燃比制御方法により、リッチ条件からリーン条件に戻る際に、リッチ条件の終了の所定期間t3 前からリーン条件の開始の所定期間t4 後までの間、ポスト噴射における噴射量Qpos を連続的又は段階的に減少させることができる。即ち、ポスト噴射の噴射量Qpos の減少に際しても、Ramp制御を行うことができる。
【0058】
従って、このエンジンの空燃比制御方法により、リッチ条件に切り換える際にも、また、リーン条件に戻る際にも、ポスト噴射量が徐々に変化するので、トルクショックを発生させることなく、リッチ条件とリーン条件を切り換えることができるようになる。
【0059】
このエンジンの空燃比制御方法による駆動力(出力トルク)の変化の例を図7に示す。この図7の駆動力の変動を示す線を見て分かるように、リッチ期間の前後における駆動力の変化は殆ど認められない。
【0060】
【発明の効果】
本発明のエンジンの空燃比制御方法によれば、NOx吸蔵還元型触媒を再生するために、一時的に排気ガスをポスト噴射を使用してリッチ条件にする際に、このポスト噴射によるトルク変動を少なくするために、徐々にポスト噴射量を増加するので、トルクショックを発生させることなく、リーン条件とリッチ条件を切り換えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のNOx吸蔵還元型触媒を有する排気浄化システムを備えたエンジンのシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の制御フローを示す図である。
【図3】リーン条件制御における燃料噴射を例示する図である。
【図4】リーン条件Ramp制御及びリッチ条件Ramp制御における燃料噴射を例示する図である。
【図5】リッチ条件制御における燃料噴射を例示する図である。
【図6】制御の時系列の一例を示す図である。
【図7】リーン条件/リッチ条件切り換え時の駆動力変化の時系列を示す図である。
【図8】NOx吸蔵還元型触媒のNOx吸蔵のメカニズムを示す図である。
【図9】NOx吸蔵還元型触媒のNOxの放出とのメカニズムを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 排気通路
3 吸気通路
4 EGR通路
23 吸気バルブ
31 VNT(可変ノズル付きターボチャージャ)
32 NOx吸蔵還元型触媒
42 EGRバルブ
53 燃料噴射弁(インジェクタ)
60 制御装置(ECU)
Claims (2)
- エンジンの排気通路にNOx吸蔵還元型触媒を有する排気浄化システムを備えたエンジンの空燃比制御方法であって、前記NOx吸蔵還元型触媒を再生するために、一時的にポスト噴射を行って排気ガスをリッチ条件にする際に、ポスト噴射開始初期の所定期間前記ポスト噴射における噴射量を連続的又は段階的に増加させることを特徴とするエンジンの空燃比制御方法。
- リッチ条件からリーン条件に戻る際に、所定期間前記ポスト噴射における噴射量を連続的又は段階的に減少させてポスト噴射を終了することを特徴とする請求項1記載のエンジンの空燃比制御方法。
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