JP2004244517A - ポリアリーレン系共重合体およびその製造方法、ならびにプロトン伝導膜 - Google Patents
ポリアリーレン系共重合体およびその製造方法、ならびにプロトン伝導膜 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐熱水性に優れ、熱による寸法変化が小さく、化学的安定性およびプロトン伝導性に優れたポリアリーレン系共重合体およびその製造方法、該重合体をスルホン化して得られるスルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体、ならびに該スルホン酸含有共重合体からなり、熱的強度、機械的強度、および耐久性に優れたプロトン伝導膜を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、
下記一般式(2)で表される繰り返し構造単位、および
下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体。
【化1】
〔式中、Aは電子吸引性の基であり、Bは電子供与性の原子または基であり、Zはアリール基であり、R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、mは0〜2の整数である。〕
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、
下記一般式(2)で表される繰り返し構造単位、および
下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体。
【化1】
〔式中、Aは電子吸引性の基であり、Bは電子供与性の原子または基であり、Zはアリール基であり、R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、mは0〜2の整数である。〕
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレン系共重合体およびこれを用いたプロトン伝導膜に関し、さらに詳細には、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導膜に有用であるポリアリーレン系共重合体およびその製造方法、ならびにこの共重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替えていく傾向が高まってきている。その第1の理由としては、例えば、上記の電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・省電力化への移行である。従来、プロトン伝導性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなるものの両方が知られている。無機物の例としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が十分でなく、伝導層を基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
【0003】
一方、有機化合物の例としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基やリン酸基を導入したポリマー〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)、Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736(1994)、Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993)〕などの有機系ポリマーが挙げられる。
【0004】
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導性がまだ十分でないことに加え、耐久性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうこと、また、力学的性質、特に弾性率が大きく低下することや、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が十分満足のいくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。したがって、これらの有機ポリマーは、上記の電気・電子材料などに応用するには種々問題がある。
【0005】
さらに、米国特許第5,403,675号明細書では、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が提案されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマー(同明細書カラム9記載の構造)を主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度も向上するものの、同時に得られるスルホン化ポリマーの機械的性質、例えば破断伸び、耐折り曲げ性等の靭性や耐熱水性は著しく損なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、スルホン酸基を有することにより、広範囲の温度領域にわたって高いプロトン伝導性を有するとともに、主鎖中にフッ素基が導入されることにより、耐熱水性および化学的安定性に優れたプロトン伝導性の伝導膜が得られるポリアリーレン系の共重合体およびその製造方法、ならびにこの共重合体からなるプロトン伝導膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、下記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体(以下、「共重合体」ともいう)を提供する。
【0008】
【化12】
〔式中、Aは電子吸引性の基であり、Bは電子供与性の原子または基であり、Zはアリール基であり、R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、mは0〜2の整数である。〕
【0009】
【化13】
〔式中、Xは2価の基または単結合であり、R11,R12は水素原子またはアルキル基、nは1〜4の整数である。〕
【0010】
【化14】
〔式中、R13は水素原子またはアルキル基、pは1〜4の整数である。〕
【0011】
【化15】
〔式中、Yは2価の基または単結合であり、R21〜R28は水素原子またはアルキル基である。〕
ここで、本発明の共重合体は、下記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有することができる。さらに、分子中にスルホン酸基を有することができる。
【0012】
【化16】
〔式中、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、lは2〜100の整数である。〕
本発明は、第二に、下記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体を提供する。
【0013】
【化17】
〔式中、A,B,R1〜R7は前記一般式(1)における定義の通りであり、m’は0または1であり、m”は0または1であり、Cは置換基としてスルホン酸基を有するフェニレン基であり、Dは置換基としてスルホン酸基を有するアリール基である。〕
ここで、本発明の共重合体は、下記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0014】
【化18】
〔式中、A,B,C,D,R1〜R7,l,m’m”は、前記一般式(1),(4)および(5)における定義の通りである。〕
ここで、本発明の共重合体は、スルホン酸基を0.5〜3.0meq/g含有することができる。また、本発明の共重合体は、フッ素原子を5重量%以上含有することができる。
【0015】
本発明は、第三に、前記スルホン酸基含有共重合体からなるプロトン伝導膜を提供する。
【0016】
本発明は、第四に、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8−1)または(8−2)で表される化合物、および下記一般式(9)で表される化合物を反応させる、ポリアリーレン系共重合体の製造方法を提供する。
【0017】
【化19】
〔式中、A,B,Y,Z,R1〜R7,R21〜R28,l,mは、前記一般式(1),(3)および(4)における定義の通りである。〕
【0018】
【化20】
〔式中、X,R11,R12,nは前記一般式(2−1)における定義の通りである。〕
【0019】
【化21】
〔式中、R13,pは前記一般式(2−2)における定義の通りである。〕
【0020】
【化22】
〔式中、Y,R21〜R28は前記一般式(3)における定義の通りである。〕
【0021】
【発明の実施の形態】
[共重合体]
1.ポリアリーレン系共重合体
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。この共重合体は、前記(1),(2−1)または(2−2),および(3)で表される繰り返し構造単位のみから構成されていてもよいし、さらに他の繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
【0022】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%含む。また、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位を好ましくは3〜40モル%、より好ましくは6〜35モル%、さらに好ましくは10〜30モル%含む。さらに、前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を好ましくは3〜40モル%、より好ましくは6〜35モル%、さらに好ましくは10〜30モル%含む。
【0023】
次に、本発明のポリアリーレン系共重合体の各繰り返し単位(前記一般式(1),(2−1),(2−2),(3))について、順に説明する。
【0024】
<一般式(1)>
Aは電子吸引性基であり、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、パラ位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
【0025】
Bは電子供与性基であり、例えば、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
などが挙げられる。
【0028】
R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示される。
【0029】
Zにより表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、式:
【0030】
【化25】
〔式中、R31〜R39は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記R1〜R7について例示したものを用いることができる。〕
で表されるビフェニリル基が挙げられる。
【0031】
mは0〜2の整数である。
【0032】
<一般式(2−1)>
Xは2価の基または単結合であり、前記2価の基としては、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO2−、−O−,−S−,−(CH2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CH3)2−などが挙げられる。
【0033】
R11,R12は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。複数のR11,R12はそれぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
nは1〜4の整数である。
【0035】
<一般式(2−2)>
R13は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。複数のR13は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
pは1〜4の整数である。
【0037】
<一般式(3)>
Yは2価の基または単結合であり、前記2価の基としては、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。
【0038】
R21〜R28は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。また、R21〜R28で示されるアルキル基は、フッ素化されていてもよく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基であってもよい。
【0039】
本発明のポリアリーレン系共重合体はさらに、前記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有する。なお、前記一般式(4)において、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、lは2〜100の整数である。
【0040】
また、本発明のポリアリーレン系共重合体は、フッ素原子を5重量%以上含むことが好ましく、7.5重量%以上含むことがより好ましく、10重量%以上含むことがさらに好ましい。本発明のポリアリーレン系共重合体がフッ素原子を5重量%以上含むことにより、耐熱水性を十分に確保することができる。
2.スルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体(以下、「スルホン酸基含有共重合体ともいう」)は、スルホン化剤を用いて、前記ポリアリーレン系共重合体をスルホン化して得られるものである。なお、スルホン化剤およびスルホン化の方法については後述する。
【0041】
本発明のスルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。この共重合体は、前記(5),(2−1)または(2−2),および(3)で表される繰り返し構造単位のみから構成されていてもよいし、さらに他の繰り返し構造単位を含んでいてもよい。なお、前記一般式(5)において、A,B,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、m’は0または1であり、m”は0または1である。
【0042】
前記一般式(5)において、Cは、置換基としてスルホン酸基を有するフェニレン基である。Cのフェニレン基におけるスルホン酸基の置換位置および数は特に限定されない。また、Cのフェニレン基において、スルホン酸基のほか、アルキル基によって置換されていてもよい。この場合、アルキル基としては、前述の一般式(1)の欄で、R1〜R7の具体例として例示されたものを用いることができる。
【0043】
また、前記一般式(5)において、Dは、置換基としてスルホン酸基を有するアリール基である。ここで、アリール基としては、前述の一般式(1)の欄で、Zの具体例として例示されたものを用いることができる。また、Dのアリール基におけるスルホン酸基の置換位置および数は特に限定されない。また、Dのアリール基において、スルホン酸基のほか、アルキル基によって置換されていてもよい。この場合、アルキル基としては、前述の一般式(1)の欄で、R1〜R7として例示されたものを用いることができる。
【0044】
本発明のスルホン酸基含有共重合体はさらに、前記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有する。なお、前記一般式(6)において、A,B,C,R1〜R7,m’,m”は前記一般式(1),(4)および(5)における定義の通りである。
【0045】
[共重合体の製造方法]
1.ポリアリーレン系共重合体の製造方法
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(7)で表される化合物(A)、前記一般式(8−1)で表される化合物(B−1)あるいは前記一般式(8−2)で表される化合物(B−2)、および前記一般式(9)で表される化合物(C)を反応させることにより製造される。
【0046】
このようにして製造された共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。また、前記共重合体は、前記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0047】
以下、本発明のポリアリーレン系共重合体を製造するために用いられる化合物(A),(B−1)または(B−2)について、順に説明する。
【0048】
<化合物(A)>
化合物(A)は、前記一般式(7)で表される。前記一般式(7)中、A,B,Y,Z,R1〜R7,R21〜R28,l,mは、前記一般式(1),(3)および(4)における定義の通りである。
【0049】
化合物(A)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0050】
【化26】
〔式中、lは、前記一般式(7)における定義の通りである。〕
この化合物(A)は、以下に示す化合物(A−1)と化合物(A−2)とを、それぞれモノマーとして反応させて合成することができる。化合物(A)は、下記一般式(10)で表される繰り返し構造単位を5〜99.99モル%、好ましくは10〜99.99モル%、さらに好ましくは20〜99.99モル%含み、その数平均分子量は5万〜200万、好ましくは20万〜200万である。また、化合物(A)は、その両末端に、下記構造式(11)で表される構造単位を含む。
【0051】
【化27】
〔式中、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りである。〕
【0052】
【化28】
〔式中、Y,R21〜R28は前記一般式(3)における定義の通りである。〕
ここで、上記一般式(10)で表される繰り返し構造単位は、本発明の化合物(A−1)(後述する)由来の構造単位である。また、上記一般式(11)で表される構造単位は、本発明の下記化合物(A−2)(後述する)由来の構造単位である。
【0053】
化合物(A−1)と、化合物(A−2)とを反応させて化合物(A)を合成する場合、化合物(A−1)と化合物(A−2)との割合は、化合物(A)中において、化合物(A−1)由来の繰り返し構造単位(上記一般式(10))と、化合物(A−2)由来の構造単位(上記一般式(11))との割合と同様である。すなわち、化合物(A−1)の使用量は、化合物(A−1)および化合物(A−2)の合計の5〜99.99モル%であるのが好ましく、10〜99.99モル%であるのがより好ましく、20〜99.99モル%であるのがさらに好ましい。
【0054】
次に、化合物(A−1)および(A−2)それぞれについて説明する。
【0055】
《化合物(A−1)》
化合物(A−1)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0056】
【化29】
化合物(A−1)は、例えば、2,5−ジクロロ−4´−〔(4−フェノキシ)フェノキシ〕ベンゾフェノンを例にとると、次のような反応により、合成することができる。
【0057】
【化30】
すなわち、化合物(A−1)´(2,5−ジクロロ−4´−フルオロベンゾフェノン)と化合物(A−1)”(フェノキシフェノール)を用い、これに炭酸カリウムを加え、反応性の高いフェノキシドに変え、また反応溶媒として、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系双極子極性溶媒などを用い、反応温度80〜200℃で1〜30時間反応させて、化合物(A−1)(2,5−ジクロロ−4´−〔(4−フェノキシ)フェノキシ〕ベンゾフェノン)を得ることができる。
【0058】
すなわち、まず、化合物(A−1)”のフェノールを、対応するフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドのような誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
【0059】
通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1ないしは2倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用である。この際、生成する縮合水を共沸により系外に除去するための共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカヒドロナフタレン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒を共存させてもよい。なお、以上に示した塩および溶媒は、後述する共重合体を製造する際にも同様に適用できる。
【0060】
化合物(A−1)´と化合物(A−1)”の使用割合は、通常、ほぼ等モルであるが、(A−1)´/(A−1)”(モル比)は、1.25/1.00〜1.00/1.25である。このようにして得られる本発明の化合物(A−1)は、IR、NMR、元素分析などにより、その構造を確認することができる。
【0061】
《化合物(A−2)》
化合物(A−2)としては、以下の化合物のように、1個のフッ素原子と、1個のフッ素原子以外のハロゲン原子とをそれぞれ有する化合物を用いるのが好ましい。この場合、後述する触媒を用いた反応でフッ素原子は不活性であり、他のハロゲン原子のみが活性であるので、目的の活性化された末端フルオロ体を得るのに好都合である。
【0062】
【化31】
《触媒その他》
化合物(A−1)と化合物(A−2)とを反応させて化合物(A)を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位となる化合物(以下、配位子成分という)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
【0063】
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0064】
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0065】
さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2′−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられるが、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′−ビピリジン)が好ましい。
【0066】
上記触媒系において使用することができる上記還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0067】
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられるが、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0068】
上記触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0069】
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0070】
また、触媒系における還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行せず、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になるという問題がある。
【0071】
さらに、触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であり、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となるという問題がある。
【0072】
《溶媒》
上記触媒系を用いる場合の重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどが挙げられ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0073】
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜60重量%である。また、本発明の共重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0074】
上記化合物(A−1)と、上記化合物(A−2)とを用いて、上記化合物(A)を得る際の反応式の一例は、下記のとおりである。
【0075】
【化32】
〔式中、l,mは、繰り返し構造単位数を示し、上記一般式(1)および(4)で定義した通りである。〕
《構造同定》
化合物(A)の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0076】
<化合物(B−1)・(B−2)>
化合物(B−1)は、前記一般式(8−1)で表され、化合物(B−2)は、前記一般式(8−2)で表される。前記一般式(8−1)および(8−2)中、X,R11〜R13,n,pは、前記一般式(2−1)および(2−2)における定義の通りである。
【0077】
化合物(B−1)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0078】
【化33】
化合物(B−2)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0079】
【化34】
<化合物(C)>
化合物(C)は、前記一般式(9)で表される。前記一般式(9)中、Y,R21〜R28は、前記一般式(3)における定義の通りである。
【0080】
化合物(C)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0081】
【化35】
<合成例>
ここで、上記一般式(7)で表される化合物(A)と、上記一般式(8−1)で表される化合物(B−1)と、上記一般式(8−2)とを用いて、本発明のポリアリーレン系共重合体(ただし、スルホン酸基を有しない)を得る際の反応式の一例は、下記のとおりである。
【0082】
【化36】
〔式中、b,cは、繰り返し構造単位数を示す。〕
ここで、(b+c)に対するcのモル比(%)は、5〜99.99%であることが好ましく、10〜99.99%であることがより好ましく、20〜99.99%であることがさらに好ましい。
【0083】
<構造同定>
本発明のポリアリーレン系共重合体の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
2.スルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体の製造方法
次に、スルホン酸基含有共重合体について説明する。本発明の伝導膜に用いられる、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基を有しない上記ポリアリーレン系共重合体に、スルホン化剤を用い、常法によりスルホン酸基導入することにより得ることができる。
【0084】
このようにして製造されたスルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。また、前記スルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0085】
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
【0086】
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
【0087】
このようにして得られるスルホン酸基含有共重合体は、重合体1gあたり、好ましくは0.5〜3.0meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gのスルホン酸基を含有する。
【0088】
また、このようにして得られる本発明のスルホン酸基含有共重合体のスルホン化前の前駆体のポリマーの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜200,000である。1,000未満では、成形フィルムにクラックが発生するなど、塗膜性が不十分であり、また強度的性質にも問題がある。一方、1,000,000を超えると、溶解性が不十分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題がある。
【0089】
<構造同定>
なお、本発明のスルホン基含有共重合体の構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm−1、1,160〜1,190cm−1のS=O吸収、1,130〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0PJSRの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0090】
[プロトン伝導膜]
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基含有共重合体からなるが、上記スルホン酸基含有共重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
【0091】
本発明のプロトン伝導膜を製造するには、例えば本発明のスルホン酸基含有共重合体を溶剤に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられる。ここで、キャスティング法における溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤やメタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
【0092】
本発明のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0093】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。なお、本実施例において、各種測定に用いられるスルホン化ポリマーフィルムは、スルホン化ポリマーをN−メチルピロリドンに溶解させた後、キャスティング法によって製造された。
【0094】
[重量平均分子量]
スルホン化前の前駆体ポリマーの数平均分子量,重量平均分子量は、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0095】
[スルホン酸基の当量]
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで蒸留水で洗浄して、フリーの残存している酸を除去した後、乾燥させた。この後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン酸基の当量(イオン交換容量)(meq/g)を求めた。
【0096】
[引張強度特性]
厚さ50μmに製膜したスルホン化ポリマーフィルムの幅3mm×長さ65mm(チャック間距離25mm)の試験片を作成し、該試験片について、引張試験機を用いて、室温の弾性率、破壊強度、および伸びを測定した。
【0097】
[耐折り曲げ性]
厚さ50μmに製膜したスルホン化ポリマーフィルムについて、耐折り曲げ性試験機を用いて、屈曲回数166回/分、荷重200g、屈曲変形角度135℃の条件で破損までの折り曲げ回数を測定した。破損までの折り曲げ回数が500回以上のものを良とし、500回未満のものを不良とした。
【0098】
[プロトン伝導度の測定]
交流抵抗は5mm幅の短冊状膜試料の表面に白金線(直径0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。
【0099】
抵抗測定装置として(株)NF回路設計ブロック社製ケミカルインピーダンス測定システムを、恒温恒湿装置として(株)ヤマト化学社製のJW241を使用した。白金線は5mm間隔に5本押し当てて極間距離を5〜20mmに変化させ交流抵抗を測定した。
【0100】
極間距離と抵抗の勾配から、下記式にしたがって膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出した。
【0101】
比抵抗R[Ω・cm]=0.5[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
[熱的性質]
熱分解開始温度;
TGA(チッ素雰囲気下、20℃/分の昇温速度)から、スルホン化ポリマーの分解が開始した温度を、熱分解開始温度(℃)とした。
【0102】
耐熱水性;
厚さ50μmのスルホン化ポリマーフィルムを120℃の熱水に100時間浸漬し、浸漬前の該フィルムの重量に対する浸漬後の該フィルムの重量の割合を、重量保持率(%)とした。
【0103】
[フェントン試薬耐性]
過酸化水素水を純水で濃度3%に希釈し、ここに硫酸鉄を鉄イオン(Fe2+)濃度が20ppmとなるように溶解させた。この溶液に一定の大きさのスルホン化ポリマーのフィルムを浸漬し、45℃で24時間静置した。浸漬前の該フィルムの重量に対する浸漬後の該フィルムの重量の割合を、重量保持率(%)とした。
【0104】
[フッ素原子の含有量]
フッ素原子の含有量(重量%)は、蛍光X線分析により求めた。
【0105】
[実施例1]
(1)2,5−ジクロロ−4´−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンと、4−クロロ−4´−フルオロベンゾフェノンとの縮合物(化合物(A)の一例)の調製
撹拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた500mL3口フラスコに、2,5−ジクロロ−4´−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(2,5−DCPPB)84.0g(193mmol)、4−クロロ−4´−フルオロベンゾフェノン(CFBP)1.64g(7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.93g(6mmol)、よう化ナトリウム3.90g(26mmol)、トリフェニルホスフィン21.0g(80mmol)、亜鉛31.4g(480mmol)をはかりとった。70℃に加熱したオイルバスにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換したあと、脱水したN−メチルピロリドン187mlを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間攪拌し、重合反応を行なった。次に、テトラヒドロフラン250mlを加えて重合溶液を希釈し、不溶部をろ過した。ろ液を4Lのメタノールに注ぎ、反応物を凝固させた。これをろ過、乾燥し、69gの目的物を得た。GPCで求めた生成物の数平均分子量は13,700、重量平均分子量は43,300であった。
【0106】
得られた縮合物は式(12)
【0107】
【化37】
で表される構造を有することが推定され、該構造と上記の数平均分子量から、aの平均値は37と求められた。
【0108】
(2)ベースポリマーの調製
撹拌機、温度計、Dean−stark管、還流冷却管、窒素導入管を取り付けた500mL3口フラスコに、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)6.72g(20mmol)、前記(1)で得られた縮合物(数平均分子量13,700)13.7g(1mmol)、炭酸カリウム7.19g(2.60mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)100mL、トルエン100mLを加えた。この反応液を加熱撹拌し、2時間後還流させた後、Dean−stark管から反応によって生成した水と、トルエン約100mLを除去した。
【0109】
次いで、反応溶液を50℃まで冷却した後、パーフルオロビフェニル(PFB)6.35g(19mmol)を加え、2時間重合した。
【0110】
次いで、DMAc300mLを加えて反応溶液を希釈後、不溶の塩をろ過によって除去した。ろ液をメタノール2.5Lに注ぎ、重合体を沈殿させた。これをろ過、乾燥し、23gのベースポリマーを得た。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は51,000、重量平均分子量は194,000であった。
【0111】
得られたベースポリマーは式(13)
【0112】
【化38】
で表される構造を有することが推定された。
【0113】
(3)スルホン化ポリマーの調製
撹拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた300mL3口フラスコに、前記(2)で得られたベースポリマー20g、濃硫酸200mLをとり、70℃で5時間撹拌した。該反応液をろ過して得られた漏斗上の残渣物を、洗浄液のpHが中性になるまで蒸留水で洗浄した。次に、この残渣物を真空乾燥して、23gのスルホン化ポリマーを得た。
【0114】
得られたスルホン化ポリマーは式(14)
【0115】
【化39】
〔式中、b,cは前記式(13)に同じ。〕
で表される構造を有することが推定された。
【0116】
[実施例2]
(1)ベースポリマーの調製
実施例1の(2)ベースポリマーの調製において、Bis−AFの使用量を5.38g(16mmol)、実施例1の(1)で得られた縮合物(数平均分子量13,700)の使用量を15.3g(1.12mmol)、炭酸カリウムの使用量を5.75g(41.6mmol)、PFBの使用量を4.97g(14.9mmol)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、ベースポリマー22gを得た。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は44,700、重量平均分子量は190,000であった。
【0117】
(2)スルホン化ポリマーの調製
本実施例で得られたベースポリマーを用いて、実施例1と同様の方法により、23gのスルホン化ポリマーを得た。
【0118】
[実施例3]
(1)スルホン化ポリマーの調製
実施例1と同様の方法により得られたベースポリマー20g、濃硫酸200mLを攪拌後、温度計および窒素導入管を取り付けた300mL3口フラスコにとり、25℃で24時間撹拌した。次いで、後処理を実施例1と同様の方法で行なうことにより、スルホン化ポリマー22gを得た。
【0119】
実施例1〜3でそれぞれ得られたスルホン化ポリマーの特性を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【発明の効果】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、伝導膜として、主鎖中にフッ素基が導入されていることにより、以下の効果を有する。
【0122】
第1に、耐熱水性に優れ、熱による寸法変化が小さい。第2に、化学的安定性が向上し、特に、フェントン試薬耐性を指標とするラジカル耐久性に優れている。第3に、プロトン伝導性が向上する。
【0123】
また、本発明のポリアリーレン系共重合体は、スルホン化しても上記特性が低下しにくいうえに、靭性および機械的強度に優れている。
【0124】
したがって、前記重合体をスルホン化して得られるスルホン酸基含有共重合体はプロトン伝導膜として有用であり、得られるプロトン膜は、プロトン伝導性が良好であり、耐熱水性、化学的安定性、靭性および機械的強度に優れている。
【0125】
また、さらに、一般式(4)で表される繰り返し単位をも有する本発明の好ましい実施形態による共重合体は、スルホン化の際にスルホン酸基の導入量を容易に制御することができる。得られるスルホン酸基含有共重合体は、伝導膜として、広い温度範囲にわたって高いプロトン伝導性を有し、かつ基板、電極に対する密着性が優れ、脆くなく強度において優れており、さらに耐熱水性に優れている。
【0126】
したがって、本発明のプロトン伝導膜は、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などの伝導膜として利用可能であり、この工業的意義は極めて大である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレン系共重合体およびこれを用いたプロトン伝導膜に関し、さらに詳細には、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導膜に有用であるポリアリーレン系共重合体およびその製造方法、ならびにこの共重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替えていく傾向が高まってきている。その第1の理由としては、例えば、上記の電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・省電力化への移行である。従来、プロトン伝導性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなるものの両方が知られている。無機物の例としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が十分でなく、伝導層を基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
【0003】
一方、有機化合物の例としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基やリン酸基を導入したポリマー〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)、Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736(1994)、Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993)〕などの有機系ポリマーが挙げられる。
【0004】
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導性がまだ十分でないことに加え、耐久性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうこと、また、力学的性質、特に弾性率が大きく低下することや、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が十分満足のいくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。したがって、これらの有機ポリマーは、上記の電気・電子材料などに応用するには種々問題がある。
【0005】
さらに、米国特許第5,403,675号明細書では、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が提案されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマー(同明細書カラム9記載の構造)を主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度も向上するものの、同時に得られるスルホン化ポリマーの機械的性質、例えば破断伸び、耐折り曲げ性等の靭性や耐熱水性は著しく損なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、スルホン酸基を有することにより、広範囲の温度領域にわたって高いプロトン伝導性を有するとともに、主鎖中にフッ素基が導入されることにより、耐熱水性および化学的安定性に優れたプロトン伝導性の伝導膜が得られるポリアリーレン系の共重合体およびその製造方法、ならびにこの共重合体からなるプロトン伝導膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、下記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体(以下、「共重合体」ともいう)を提供する。
【0008】
【化12】
〔式中、Aは電子吸引性の基であり、Bは電子供与性の原子または基であり、Zはアリール基であり、R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、mは0〜2の整数である。〕
【0009】
【化13】
〔式中、Xは2価の基または単結合であり、R11,R12は水素原子またはアルキル基、nは1〜4の整数である。〕
【0010】
【化14】
〔式中、R13は水素原子またはアルキル基、pは1〜4の整数である。〕
【0011】
【化15】
〔式中、Yは2価の基または単結合であり、R21〜R28は水素原子またはアルキル基である。〕
ここで、本発明の共重合体は、下記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有することができる。さらに、分子中にスルホン酸基を有することができる。
【0012】
【化16】
〔式中、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、lは2〜100の整数である。〕
本発明は、第二に、下記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体を提供する。
【0013】
【化17】
〔式中、A,B,R1〜R7は前記一般式(1)における定義の通りであり、m’は0または1であり、m”は0または1であり、Cは置換基としてスルホン酸基を有するフェニレン基であり、Dは置換基としてスルホン酸基を有するアリール基である。〕
ここで、本発明の共重合体は、下記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0014】
【化18】
〔式中、A,B,C,D,R1〜R7,l,m’m”は、前記一般式(1),(4)および(5)における定義の通りである。〕
ここで、本発明の共重合体は、スルホン酸基を0.5〜3.0meq/g含有することができる。また、本発明の共重合体は、フッ素原子を5重量%以上含有することができる。
【0015】
本発明は、第三に、前記スルホン酸基含有共重合体からなるプロトン伝導膜を提供する。
【0016】
本発明は、第四に、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8−1)または(8−2)で表される化合物、および下記一般式(9)で表される化合物を反応させる、ポリアリーレン系共重合体の製造方法を提供する。
【0017】
【化19】
〔式中、A,B,Y,Z,R1〜R7,R21〜R28,l,mは、前記一般式(1),(3)および(4)における定義の通りである。〕
【0018】
【化20】
〔式中、X,R11,R12,nは前記一般式(2−1)における定義の通りである。〕
【0019】
【化21】
〔式中、R13,pは前記一般式(2−2)における定義の通りである。〕
【0020】
【化22】
〔式中、Y,R21〜R28は前記一般式(3)における定義の通りである。〕
【0021】
【発明の実施の形態】
[共重合体]
1.ポリアリーレン系共重合体
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。この共重合体は、前記(1),(2−1)または(2−2),および(3)で表される繰り返し構造単位のみから構成されていてもよいし、さらに他の繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
【0022】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%含む。また、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位を好ましくは3〜40モル%、より好ましくは6〜35モル%、さらに好ましくは10〜30モル%含む。さらに、前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を好ましくは3〜40モル%、より好ましくは6〜35モル%、さらに好ましくは10〜30モル%含む。
【0023】
次に、本発明のポリアリーレン系共重合体の各繰り返し単位(前記一般式(1),(2−1),(2−2),(3))について、順に説明する。
【0024】
<一般式(1)>
Aは電子吸引性基であり、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、パラ位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
【0025】
Bは電子供与性基であり、例えば、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
などが挙げられる。
【0028】
R1〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示される。
【0029】
Zにより表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、式:
【0030】
【化25】
〔式中、R31〜R39は同一でも異なってもよく、水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記R1〜R7について例示したものを用いることができる。〕
で表されるビフェニリル基が挙げられる。
【0031】
mは0〜2の整数である。
【0032】
<一般式(2−1)>
Xは2価の基または単結合であり、前記2価の基としては、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO2−、−O−,−S−,−(CH2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CH3)2−などが挙げられる。
【0033】
R11,R12は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。複数のR11,R12はそれぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
nは1〜4の整数である。
【0035】
<一般式(2−2)>
R13は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。複数のR13は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
pは1〜4の整数である。
【0037】
<一般式(3)>
Yは2価の基または単結合であり、前記2価の基としては、−CO−、−CONH−、−(CF2)p’−(ここで、p’は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。
【0038】
R21〜R28は水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としては、前記一般式(1)中のR1〜R7について例示したものを用いることができる。また、R21〜R28で示されるアルキル基は、フッ素化されていてもよく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基であってもよい。
【0039】
本発明のポリアリーレン系共重合体はさらに、前記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有する。なお、前記一般式(4)において、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、lは2〜100の整数である。
【0040】
また、本発明のポリアリーレン系共重合体は、フッ素原子を5重量%以上含むことが好ましく、7.5重量%以上含むことがより好ましく、10重量%以上含むことがさらに好ましい。本発明のポリアリーレン系共重合体がフッ素原子を5重量%以上含むことにより、耐熱水性を十分に確保することができる。
2.スルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体(以下、「スルホン酸基含有共重合体ともいう」)は、スルホン化剤を用いて、前記ポリアリーレン系共重合体をスルホン化して得られるものである。なお、スルホン化剤およびスルホン化の方法については後述する。
【0041】
本発明のスルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。この共重合体は、前記(5),(2−1)または(2−2),および(3)で表される繰り返し構造単位のみから構成されていてもよいし、さらに他の繰り返し構造単位を含んでいてもよい。なお、前記一般式(5)において、A,B,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りであり、m’は0または1であり、m”は0または1である。
【0042】
前記一般式(5)において、Cは、置換基としてスルホン酸基を有するフェニレン基である。Cのフェニレン基におけるスルホン酸基の置換位置および数は特に限定されない。また、Cのフェニレン基において、スルホン酸基のほか、アルキル基によって置換されていてもよい。この場合、アルキル基としては、前述の一般式(1)の欄で、R1〜R7の具体例として例示されたものを用いることができる。
【0043】
また、前記一般式(5)において、Dは、置換基としてスルホン酸基を有するアリール基である。ここで、アリール基としては、前述の一般式(1)の欄で、Zの具体例として例示されたものを用いることができる。また、Dのアリール基におけるスルホン酸基の置換位置および数は特に限定されない。また、Dのアリール基において、スルホン酸基のほか、アルキル基によって置換されていてもよい。この場合、アルキル基としては、前述の一般式(1)の欄で、R1〜R7として例示されたものを用いることができる。
【0044】
本発明のスルホン酸基含有共重合体はさらに、前記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有する。なお、前記一般式(6)において、A,B,C,R1〜R7,m’,m”は前記一般式(1),(4)および(5)における定義の通りである。
【0045】
[共重合体の製造方法]
1.ポリアリーレン系共重合体の製造方法
本発明のポリアリーレン系共重合体は、前記一般式(7)で表される化合物(A)、前記一般式(8−1)で表される化合物(B−1)あるいは前記一般式(8−2)で表される化合物(B−2)、および前記一般式(9)で表される化合物(C)を反応させることにより製造される。
【0046】
このようにして製造された共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。また、前記共重合体は、前記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0047】
以下、本発明のポリアリーレン系共重合体を製造するために用いられる化合物(A),(B−1)または(B−2)について、順に説明する。
【0048】
<化合物(A)>
化合物(A)は、前記一般式(7)で表される。前記一般式(7)中、A,B,Y,Z,R1〜R7,R21〜R28,l,mは、前記一般式(1),(3)および(4)における定義の通りである。
【0049】
化合物(A)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0050】
【化26】
〔式中、lは、前記一般式(7)における定義の通りである。〕
この化合物(A)は、以下に示す化合物(A−1)と化合物(A−2)とを、それぞれモノマーとして反応させて合成することができる。化合物(A)は、下記一般式(10)で表される繰り返し構造単位を5〜99.99モル%、好ましくは10〜99.99モル%、さらに好ましくは20〜99.99モル%含み、その数平均分子量は5万〜200万、好ましくは20万〜200万である。また、化合物(A)は、その両末端に、下記構造式(11)で表される構造単位を含む。
【0051】
【化27】
〔式中、A,B,Z,R1〜R7,mは前記一般式(1)における定義の通りである。〕
【0052】
【化28】
〔式中、Y,R21〜R28は前記一般式(3)における定義の通りである。〕
ここで、上記一般式(10)で表される繰り返し構造単位は、本発明の化合物(A−1)(後述する)由来の構造単位である。また、上記一般式(11)で表される構造単位は、本発明の下記化合物(A−2)(後述する)由来の構造単位である。
【0053】
化合物(A−1)と、化合物(A−2)とを反応させて化合物(A)を合成する場合、化合物(A−1)と化合物(A−2)との割合は、化合物(A)中において、化合物(A−1)由来の繰り返し構造単位(上記一般式(10))と、化合物(A−2)由来の構造単位(上記一般式(11))との割合と同様である。すなわち、化合物(A−1)の使用量は、化合物(A−1)および化合物(A−2)の合計の5〜99.99モル%であるのが好ましく、10〜99.99モル%であるのがより好ましく、20〜99.99モル%であるのがさらに好ましい。
【0054】
次に、化合物(A−1)および(A−2)それぞれについて説明する。
【0055】
《化合物(A−1)》
化合物(A−1)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0056】
【化29】
化合物(A−1)は、例えば、2,5−ジクロロ−4´−〔(4−フェノキシ)フェノキシ〕ベンゾフェノンを例にとると、次のような反応により、合成することができる。
【0057】
【化30】
すなわち、化合物(A−1)´(2,5−ジクロロ−4´−フルオロベンゾフェノン)と化合物(A−1)”(フェノキシフェノール)を用い、これに炭酸カリウムを加え、反応性の高いフェノキシドに変え、また反応溶媒として、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系双極子極性溶媒などを用い、反応温度80〜200℃で1〜30時間反応させて、化合物(A−1)(2,5−ジクロロ−4´−〔(4−フェノキシ)フェノキシ〕ベンゾフェノン)を得ることができる。
【0058】
すなわち、まず、化合物(A−1)”のフェノールを、対応するフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドのような誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
【0059】
通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1ないしは2倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用である。この際、生成する縮合水を共沸により系外に除去するための共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカヒドロナフタレン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒を共存させてもよい。なお、以上に示した塩および溶媒は、後述する共重合体を製造する際にも同様に適用できる。
【0060】
化合物(A−1)´と化合物(A−1)”の使用割合は、通常、ほぼ等モルであるが、(A−1)´/(A−1)”(モル比)は、1.25/1.00〜1.00/1.25である。このようにして得られる本発明の化合物(A−1)は、IR、NMR、元素分析などにより、その構造を確認することができる。
【0061】
《化合物(A−2)》
化合物(A−2)としては、以下の化合物のように、1個のフッ素原子と、1個のフッ素原子以外のハロゲン原子とをそれぞれ有する化合物を用いるのが好ましい。この場合、後述する触媒を用いた反応でフッ素原子は不活性であり、他のハロゲン原子のみが活性であるので、目的の活性化された末端フルオロ体を得るのに好都合である。
【0062】
【化31】
《触媒その他》
化合物(A−1)と化合物(A−2)とを反応させて化合物(A)を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位となる化合物(以下、配位子成分という)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
【0063】
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0064】
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0065】
さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2′−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2′−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられるが、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′−ビピリジン)が好ましい。
【0066】
上記触媒系において使用することができる上記還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0067】
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられるが、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0068】
上記触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0069】
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0070】
また、触媒系における還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行せず、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になるという問題がある。
【0071】
さらに、触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であり、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となるという問題がある。
【0072】
《溶媒》
上記触媒系を用いる場合の重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどが挙げられ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0073】
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜60重量%である。また、本発明の共重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0074】
上記化合物(A−1)と、上記化合物(A−2)とを用いて、上記化合物(A)を得る際の反応式の一例は、下記のとおりである。
【0075】
【化32】
〔式中、l,mは、繰り返し構造単位数を示し、上記一般式(1)および(4)で定義した通りである。〕
《構造同定》
化合物(A)の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0076】
<化合物(B−1)・(B−2)>
化合物(B−1)は、前記一般式(8−1)で表され、化合物(B−2)は、前記一般式(8−2)で表される。前記一般式(8−1)および(8−2)中、X,R11〜R13,n,pは、前記一般式(2−1)および(2−2)における定義の通りである。
【0077】
化合物(B−1)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0078】
【化33】
化合物(B−2)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0079】
【化34】
<化合物(C)>
化合物(C)は、前記一般式(9)で表される。前記一般式(9)中、Y,R21〜R28は、前記一般式(3)における定義の通りである。
【0080】
化合物(C)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0081】
【化35】
<合成例>
ここで、上記一般式(7)で表される化合物(A)と、上記一般式(8−1)で表される化合物(B−1)と、上記一般式(8−2)とを用いて、本発明のポリアリーレン系共重合体(ただし、スルホン酸基を有しない)を得る際の反応式の一例は、下記のとおりである。
【0082】
【化36】
〔式中、b,cは、繰り返し構造単位数を示す。〕
ここで、(b+c)に対するcのモル比(%)は、5〜99.99%であることが好ましく、10〜99.99%であることがより好ましく、20〜99.99%であることがさらに好ましい。
【0083】
<構造同定>
本発明のポリアリーレン系共重合体の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
2.スルホン酸基含有ポリアリーレン系共重合体の製造方法
次に、スルホン酸基含有共重合体について説明する。本発明の伝導膜に用いられる、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基を有しない上記ポリアリーレン系共重合体に、スルホン化剤を用い、常法によりスルホン酸基導入することにより得ることができる。
【0084】
このようにして製造されたスルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位、前記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および前記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する。また、前記スルホン酸基含有共重合体は、前記一般式(6)で表される繰り返し構造単位を有することができる。
【0085】
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
【0086】
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
【0087】
このようにして得られるスルホン酸基含有共重合体は、重合体1gあたり、好ましくは0.5〜3.0meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gのスルホン酸基を含有する。
【0088】
また、このようにして得られる本発明のスルホン酸基含有共重合体のスルホン化前の前駆体のポリマーの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜200,000である。1,000未満では、成形フィルムにクラックが発生するなど、塗膜性が不十分であり、また強度的性質にも問題がある。一方、1,000,000を超えると、溶解性が不十分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題がある。
【0089】
<構造同定>
なお、本発明のスルホン基含有共重合体の構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm−1、1,160〜1,190cm−1のS=O吸収、1,130〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0PJSRの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0090】
[プロトン伝導膜]
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基含有共重合体からなるが、上記スルホン酸基含有共重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
【0091】
本発明のプロトン伝導膜を製造するには、例えば本発明のスルホン酸基含有共重合体を溶剤に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられる。ここで、キャスティング法における溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤やメタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
【0092】
本発明のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0093】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。なお、本実施例において、各種測定に用いられるスルホン化ポリマーフィルムは、スルホン化ポリマーをN−メチルピロリドンに溶解させた後、キャスティング法によって製造された。
【0094】
[重量平均分子量]
スルホン化前の前駆体ポリマーの数平均分子量,重量平均分子量は、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0095】
[スルホン酸基の当量]
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで蒸留水で洗浄して、フリーの残存している酸を除去した後、乾燥させた。この後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン酸基の当量(イオン交換容量)(meq/g)を求めた。
【0096】
[引張強度特性]
厚さ50μmに製膜したスルホン化ポリマーフィルムの幅3mm×長さ65mm(チャック間距離25mm)の試験片を作成し、該試験片について、引張試験機を用いて、室温の弾性率、破壊強度、および伸びを測定した。
【0097】
[耐折り曲げ性]
厚さ50μmに製膜したスルホン化ポリマーフィルムについて、耐折り曲げ性試験機を用いて、屈曲回数166回/分、荷重200g、屈曲変形角度135℃の条件で破損までの折り曲げ回数を測定した。破損までの折り曲げ回数が500回以上のものを良とし、500回未満のものを不良とした。
【0098】
[プロトン伝導度の測定]
交流抵抗は5mm幅の短冊状膜試料の表面に白金線(直径0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。
【0099】
抵抗測定装置として(株)NF回路設計ブロック社製ケミカルインピーダンス測定システムを、恒温恒湿装置として(株)ヤマト化学社製のJW241を使用した。白金線は5mm間隔に5本押し当てて極間距離を5〜20mmに変化させ交流抵抗を測定した。
【0100】
極間距離と抵抗の勾配から、下記式にしたがって膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出した。
【0101】
比抵抗R[Ω・cm]=0.5[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
[熱的性質]
熱分解開始温度;
TGA(チッ素雰囲気下、20℃/分の昇温速度)から、スルホン化ポリマーの分解が開始した温度を、熱分解開始温度(℃)とした。
【0102】
耐熱水性;
厚さ50μmのスルホン化ポリマーフィルムを120℃の熱水に100時間浸漬し、浸漬前の該フィルムの重量に対する浸漬後の該フィルムの重量の割合を、重量保持率(%)とした。
【0103】
[フェントン試薬耐性]
過酸化水素水を純水で濃度3%に希釈し、ここに硫酸鉄を鉄イオン(Fe2+)濃度が20ppmとなるように溶解させた。この溶液に一定の大きさのスルホン化ポリマーのフィルムを浸漬し、45℃で24時間静置した。浸漬前の該フィルムの重量に対する浸漬後の該フィルムの重量の割合を、重量保持率(%)とした。
【0104】
[フッ素原子の含有量]
フッ素原子の含有量(重量%)は、蛍光X線分析により求めた。
【0105】
[実施例1]
(1)2,5−ジクロロ−4´−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンと、4−クロロ−4´−フルオロベンゾフェノンとの縮合物(化合物(A)の一例)の調製
撹拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた500mL3口フラスコに、2,5−ジクロロ−4´−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(2,5−DCPPB)84.0g(193mmol)、4−クロロ−4´−フルオロベンゾフェノン(CFBP)1.64g(7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.93g(6mmol)、よう化ナトリウム3.90g(26mmol)、トリフェニルホスフィン21.0g(80mmol)、亜鉛31.4g(480mmol)をはかりとった。70℃に加熱したオイルバスにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換したあと、脱水したN−メチルピロリドン187mlを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間攪拌し、重合反応を行なった。次に、テトラヒドロフラン250mlを加えて重合溶液を希釈し、不溶部をろ過した。ろ液を4Lのメタノールに注ぎ、反応物を凝固させた。これをろ過、乾燥し、69gの目的物を得た。GPCで求めた生成物の数平均分子量は13,700、重量平均分子量は43,300であった。
【0106】
得られた縮合物は式(12)
【0107】
【化37】
で表される構造を有することが推定され、該構造と上記の数平均分子量から、aの平均値は37と求められた。
【0108】
(2)ベースポリマーの調製
撹拌機、温度計、Dean−stark管、還流冷却管、窒素導入管を取り付けた500mL3口フラスコに、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)6.72g(20mmol)、前記(1)で得られた縮合物(数平均分子量13,700)13.7g(1mmol)、炭酸カリウム7.19g(2.60mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)100mL、トルエン100mLを加えた。この反応液を加熱撹拌し、2時間後還流させた後、Dean−stark管から反応によって生成した水と、トルエン約100mLを除去した。
【0109】
次いで、反応溶液を50℃まで冷却した後、パーフルオロビフェニル(PFB)6.35g(19mmol)を加え、2時間重合した。
【0110】
次いで、DMAc300mLを加えて反応溶液を希釈後、不溶の塩をろ過によって除去した。ろ液をメタノール2.5Lに注ぎ、重合体を沈殿させた。これをろ過、乾燥し、23gのベースポリマーを得た。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は51,000、重量平均分子量は194,000であった。
【0111】
得られたベースポリマーは式(13)
【0112】
【化38】
で表される構造を有することが推定された。
【0113】
(3)スルホン化ポリマーの調製
撹拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた300mL3口フラスコに、前記(2)で得られたベースポリマー20g、濃硫酸200mLをとり、70℃で5時間撹拌した。該反応液をろ過して得られた漏斗上の残渣物を、洗浄液のpHが中性になるまで蒸留水で洗浄した。次に、この残渣物を真空乾燥して、23gのスルホン化ポリマーを得た。
【0114】
得られたスルホン化ポリマーは式(14)
【0115】
【化39】
〔式中、b,cは前記式(13)に同じ。〕
で表される構造を有することが推定された。
【0116】
[実施例2]
(1)ベースポリマーの調製
実施例1の(2)ベースポリマーの調製において、Bis−AFの使用量を5.38g(16mmol)、実施例1の(1)で得られた縮合物(数平均分子量13,700)の使用量を15.3g(1.12mmol)、炭酸カリウムの使用量を5.75g(41.6mmol)、PFBの使用量を4.97g(14.9mmol)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、ベースポリマー22gを得た。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は44,700、重量平均分子量は190,000であった。
【0117】
(2)スルホン化ポリマーの調製
本実施例で得られたベースポリマーを用いて、実施例1と同様の方法により、23gのスルホン化ポリマーを得た。
【0118】
[実施例3]
(1)スルホン化ポリマーの調製
実施例1と同様の方法により得られたベースポリマー20g、濃硫酸200mLを攪拌後、温度計および窒素導入管を取り付けた300mL3口フラスコにとり、25℃で24時間撹拌した。次いで、後処理を実施例1と同様の方法で行なうことにより、スルホン化ポリマー22gを得た。
【0119】
実施例1〜3でそれぞれ得られたスルホン化ポリマーの特性を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【発明の効果】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、伝導膜として、主鎖中にフッ素基が導入されていることにより、以下の効果を有する。
【0122】
第1に、耐熱水性に優れ、熱による寸法変化が小さい。第2に、化学的安定性が向上し、特に、フェントン試薬耐性を指標とするラジカル耐久性に優れている。第3に、プロトン伝導性が向上する。
【0123】
また、本発明のポリアリーレン系共重合体は、スルホン化しても上記特性が低下しにくいうえに、靭性および機械的強度に優れている。
【0124】
したがって、前記重合体をスルホン化して得られるスルホン酸基含有共重合体はプロトン伝導膜として有用であり、得られるプロトン膜は、プロトン伝導性が良好であり、耐熱水性、化学的安定性、靭性および機械的強度に優れている。
【0125】
また、さらに、一般式(4)で表される繰り返し単位をも有する本発明の好ましい実施形態による共重合体は、スルホン化の際にスルホン酸基の導入量を容易に制御することができる。得られるスルホン酸基含有共重合体は、伝導膜として、広い温度範囲にわたって高いプロトン伝導性を有し、かつ基板、電極に対する密着性が優れ、脆くなく強度において優れており、さらに耐熱水性に優れている。
【0126】
したがって、本発明のプロトン伝導膜は、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などの伝導膜として利用可能であり、この工業的意義は極めて大である。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位、
下記一般式(2−1)または(2−2)で表される繰り返し構造単位、および下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有する、ポリアリーレン系共重合体。
- 請求項1または2において、
さらに、分子中にスルホン酸基を有する、ポリアリーレン系共重合体。 - 請求項3ないし5のいずれかにおいて、
スルホン酸基を0.5〜3.0meq/g含有する、ポリアリーレン系共重合体。 - 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
フッ素原子を5重量%以上含有する、ポリアリーレン系共重合体。 - 請求項3ないし7のいずれかに記載の共重合体からなる、プロトン伝導膜。
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