JP2004241270A - 透明導電膜の形成方法及び透明導電膜の塗布液 - Google Patents

透明導電膜の形成方法及び透明導電膜の塗布液 Download PDF

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Abstract

【課題】基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にしようとする透明導電膜の塗布液及び透明導電膜の形成方法を提供する。
【解決手段】基板1を所定の温度に加熱し、該基板1に対してスプレーノズル2により透明導電膜の塗布液を噴霧し、これにより霧状化された透明導電膜の塗布液を、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気6を通過させて予熱し、基板1に透明導電膜の塗布液を塗布するものであり、大型基板に対して導電性が高く且つ全面に亘って白濁のない透明な導電膜の形成を可能にすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インジウム−錫酸化物(ITO)の透明導電膜の形成方法及び透明導電膜の塗布液に関し、詳しくは、加熱した基板にスプレーノズルにより透明導電膜の塗布液を噴霧して塗布する際に、霧状化された塗布液を、予熱雰囲気を通過させて、基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にしようとする透明導電膜の形成方法及び透明導電膜の塗布液に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の透明導電膜の形成方法には、スパッタリング法、真空蒸着法及びCVD法等の乾式製膜法と、ディップコーティング法、スプレー法及びスピンコーティング法等の湿式製膜法とがある。乾式製膜法は、導電性の高い良質な透明導電膜を容易に形成することできる点では有効な方法であるが、設備コストが高く、また生産効率が低いという点に難があった。
【0003】
一方、湿式製膜法は、大型基板に対して対応できる点で有効な方法であるが、湿式製膜法の内、ディップコーティング法及びスピンコーティング法は、塗布液の無駄な消費が多い点に難があった。また、ディップコーティング法は、貯留された塗布液の中に浸けられた基板を所定のスピードで引上げて薄膜形成するものであり、基板の両面に透明導電膜が形成される。したがって、基板の一面にのみ透明導電膜を形成する場合には、基板の裏面に塗布液が付着するのを防止するための処置が必要となる。これに対し、スプレー法は、基板の一面の所要部分に塗布液を噴霧するものであり、塗布液の無駄な消費を抑えて大型基板に対応できることから、近年、注目されている製膜方法である。
【0004】
このスプレー法によるITOの透明導電膜の形成例として、塩化インジウム(InCl:25g)と塩化第二錫(SnCl:2.1g)とを水(33ml)とメタノール(40ml)の混合液に溶解させた塗布液にフッ化アンモニウム(NHF:2.09ml))を添加したものを、420℃に加熱した約70mm角のガラス基板にスプレー塗布して形成することを開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、塩化インジウム(InCl・3.5HO)と塩化第一錫(SnCl・2HO)をエタノールに溶解させた溶液を、大気中で350℃に加熱したガラス基板(2.5mm×3.5mm×0.7mm)に噴霧して体積抵抗率が低く、可視域透過率の高い透明導電膜が形成できることを報告したものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭51−75991号公報 (第2〜3頁)
【非特許文献1】
平成12年度神奈川県産官学交流研究発表会資料「スプレー法によるITO透明導電膜の作製」、pp.21(2000.10.18)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のスプレー法による透明導電膜の形成に使用されるスプレーノズルは、塗布液を小さな噴出口から高圧気体で圧縮して噴出させ、塗布液を霧状化させる方式のものであり、霧状の塗布液の粒径は比較的大きくて不均一であること、また塗布液の噴霧量の制御が困難であった。また、所定温度に加熱された基板温度において、塗布液が塗布された部分の温度が低下し、基板温度の分布にむらが発生することがあった。そのため、均一な膜厚の薄膜の形成が困難となり、ITO透明導電膜の塗布液の塗布むらにより、大型基板に対しては白濁現象が発生することがあった。したがって、上記従来例においては、いずれも小さなガラス基板に対する成果であり、一辺の寸法が数百mm以上の大型基板に対しては、未だ実績がなく実用化に至っていない。また、このような大型基板に対して白濁のない均質な透明導電膜の形成を可能にした塗布液についての報告例もない。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にしようとする透明導電膜の形成方法及び透明導電膜の塗布液を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による透明導電膜の形成方法は、基板を所定の温度に加熱し、該基板に対してスプレーノズルにより透明導電膜の塗布液を噴霧し、これにより霧状化された透明導電膜の塗布液を、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気を通過させて予熱し、前記基板に透明導電膜の塗布液を塗布するものである。
【0009】
このような方法により、スプレーノズルで透明導電膜の塗布液を噴霧して霧状化し、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気で霧状化された透明導電膜の塗布液を予熱し、所定の温度に加熱された基板に塗布する。これにより、基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0010】
また、前記透明導電膜の塗布液は、塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶媒に溶解させたものであって、前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように塩化インジウムと塩化第一錫とを配合したものである。これにより、溶媒に、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように配合した塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶解して、大型基板に対して導電性が高く且つ全面に亘って白濁のない透明な導電膜の形成を可能にする。
【0011】
さらに、前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、前記溶媒に1.5〜7.0wt%だけ溶解されたものである。これにより、溶媒に塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を1.5〜7.0wt%だけ溶解させて、白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0012】
また、前記溶媒は、水または有機溶剤若しくは水及び有機溶剤の混合液のいずれかである。これにより、溶媒として水または有機溶剤を単独で使用しても、また混合して使用しても白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0013】
さらに、前記有機溶剤は、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上からなるものである。
特に、前記有機溶剤は、メタノールとエタノールとの混合液であり、該エタノールに対するメタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))が5〜80wt%となるようにしたものである。
これにより、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上の有機溶剤にて、特にエタノールに対するメタノールの配合比が5〜80wt%となるように混合液し、重ね塗布に耐え得る透明導電膜の塗布液の作製を可能にする。
【0014】
さらにまた、前記溶媒は、水及び有機溶剤の混合液であり、該有機溶剤に対する水の配合比(水/(水+有機溶剤))が1.5〜21.0wt%となるようにしたものである。これにより、有機溶剤に対して水の配合比が1.5〜21.0wt%となるように溶媒を形成して、塩化インジウム及び塩化第一錫の加水分解を促進する。
【0015】
そして、添加物として、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上を含有したものである。これにより、塩酸の添加で透明導電膜の導電性を向上させ、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上の添加で導電性の向上及び厚膜化を可能にする。
【0016】
また、前記予熱雰囲気は、前記基板と前記スプレーノズルとの間に形成されたものである。これにより、基板とスプレーノズル間で塗布液を予熱する。
【0017】
さらに、前記予熱雰囲気の温度は、前記基板に対して前記塗布液を噴霧したときに、該基板温度の低下する温度を補償し得る温度である。これにより、塗布液を基板温度の低下する温度を補償し得る温度に予熱して噴霧し、基板温度の低下を防止する。
【0018】
そして、前記スプレーノズルは、内側に設けられた内部混合室に高速気体を導入して噴射させ、該内部混合室に連通する塗布液送入口より塗布液を吸引し、該塗布液を前記高速噴射する気体で破砕し微粒子化して噴霧するようにしたものである。これにより、内部混合室に導入されて噴射する高速気体で内部混合室に連通する塗布液送入口より塗布液を吸引し、該塗布液を高速噴射する気体で破砕し微粒子化して噴霧する。
【0019】
また、本発明による透明導電膜の塗布液は、塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶媒に溶解させたものであって、前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように塩化インジウムと塩化第一錫とを配合したものである。
【0020】
このような組成により、溶媒に、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように配合した塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶解する。これにより、大型基板に対して導電性が高く且つ全面に亘って白濁のない透明な導電膜の形成を可能にする。
【0021】
さらに、前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、前記溶媒に1.5〜7.0wt%だけ溶解されたものである。これにより、溶媒に塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を1.5〜7.0wt%だけ溶解させて、白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0022】
また、前記溶媒は、水または有機溶剤若しくは水及び有機溶剤の混合液のいずれかである。これにより、溶媒として水または有機溶剤を単独で使用しても、また混合して使用しても白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0023】
さらに、前記有機溶剤は、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上からなるものである。
特に、前記有機溶剤は、メタノールとエタノールとの混合液であり、該エタノールに対するメタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))が5〜80wt%となるようにしたものである。
これにより、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上の有機溶剤にて、特にエタノールに対するメタノールの配合比が5〜80wt%となるように混合液し、重ね塗布に耐え得る透明導電膜の塗布液の作製を可能にする。
【0024】
さらにまた、前記溶媒は、水及び有機溶剤の混合液であり、該有機溶剤に対する水の配合比(水/(水+有機溶剤))が1.5〜21.0wt%となるようにしたものである。これにより、有機溶剤に対して水の配合比が1.5〜21.0wt%となるように溶媒を形成して、塩化インジウム及び塩化第一錫の加水分解を促進する。
【0025】
そして、添加物として、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上を含有したものである。これにより、塩酸の添加で透明導電膜の導電性を向上させ、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上の添加で導電性の向上及び厚膜化を可能にする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による透明導電膜の形成方法を示す説明図である。この透明導電膜の形成方法は、基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にしようとするものであり、基板1を所定の温度に加熱し、該基板1に対してスプレーノズル2により透明導電膜の塗布液を噴霧し、これにより霧状化された透明導電膜の塗布液を、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気6を通過させて予熱し、基板1に透明導電膜の塗布液を塗布するようにしたものである。
【0027】
より具体的には、先ず、加熱手段3の上部の載置部4に、例えば透明ガラス等の基板1が載置される。そして該基板1は加熱手段3により約300〜350℃に加熱される。次に、例えば赤外線ランプ等からなる予熱手段5により上記基板1とスプレーノズル2との間の空間が約200〜300℃に予熱され予熱雰囲気6が作られる。なお、予熱雰囲気6は、基板1に対して塗布液を噴霧したときに、該基板1の温度の低下分を補償し得る温度であれば足りる。
【0028】
このような状態において、例えば塩化インジウム(InCl・4HO)4.22wt%と塩化第一錫(SnCl)0.17wt%とを、純水13.16wt%、メタノール54.96wt%、エタノール(無水)27.48wt%の混合液に溶解させて得た塗布液が、スプレーノズル2より微粒子化されて基板1の表面に噴霧される。このとき、スプレーノズル2は、図2に示すように、基板1上方を基板面とノズル先端間を120mmに保って、100mm/秒の走査スピードで左右方向の幅Wが200mm、ストローク幅dが10mmのジグザグ走査しながら160mm角の基板1の全面に亘って上記塗布液を均一に塗布する。
【0029】
上記スプレーノズル2は、図3にその一構成例を示すように、内部に設けられた内部混合室10に高速気体を導入して噴射させ、該内部混合室10に連通する塗布液送入口7より塗布液を吸引し、該塗布液を高速噴射する気体で破砕し微粒子化して噴霧するものであり、高圧気体が高圧気体送入口8からスプレーノズル2の軸心部に流入し、小口径の一次気体噴出口9を通って高速噴射し、内部混合室10に入るようにされている。このとき、塗布液送入口7の位置にはベンチュリ管の原理により負圧Pが生じる。ここで、図示省略の塗布液供給タンクから塗布液送入口7に塗布液が供給されると、塗布液は塗布液送入口7より内部混合室10内に吸引される。そして、上記一次気体噴出口9から噴出する高速気体は、塗布液送入口7より吸引する塗布液を破砕し、広くなった内部混合室10の中で塗布液と混合され、流速を落としてスプレーノズル2先端の噴出口11から噴射される。なお、塗布液の噴霧を連続して行うためには、図示省略の正圧供給手段により塗布液供給タンクに正圧を付与し、図3に示す塗布液送入口7における負圧Pに対して上記塗布液供給タンクの液面上部の圧力が常に所定の圧だけ高くなるように調整すれば可能となる。
【0030】
一方、図4に示すように、上記高圧気体送入口8からスプレーノズル2内に流入した高圧気体は、スプレーノズル2内の軸心部の外側に形成された二次気体通路12を通って、スプレーノズル2の先端部にスパイラル状に形成された二次気体噴出溝13に至り、高速な旋回流となって噴射される。このとき、高圧気体は、上記噴出口11から噴射される塗布液を二次混合しながら破砕し微粒子して前方に噴射する。なお、図3及び図4では、旋回流を発生するスプレーノズルの例を示したが、本発明はこれに限られず、旋回流を発生しない通常のスプレーノズルであってもよい。
【0031】
スプレーノズル2より噴霧された上記溶液の微粒子は、図1に示す予熱雰囲気6中を通過する途中で熱せられ、ほぼ予熱雰囲気と同じ約200〜300℃となって加熱された基板1の表面に付着する。そして、基板1の表面で塩化インジウムと塩化第一錫とが加水分解し、さらに熱分解してインジウム−錫酸化物(ITO)の透明導電膜が形成される。
【0032】
このように、透明導電膜の塗布液は、スプレーノズル2により高速気体で破砕され微粒子化されて噴霧される。しかもその噴霧量は、図3に示すスプレーノズル2の塗布液送入口7における負圧Pと図示省略の塗布液供給タンクの液面上部の圧力との圧力バランスを調整して制御することができるので、大型基板に対しても塗布液を均一に塗布することができる。また、予熱雰囲気中6で予熱せられた透明導電膜の塗布液を加熱された基板1に付着させるようにしているため、大型基板のいずれの部位においても塗布液噴霧時における基板1の温度を一定に保持することができる。従って、大型基板の全表面に亘って塩化インジウムと塩化第一錫との加水分解の進行速度を一定に維持して、均質なITOの透明導電膜を形成することができるので、白濁現象の発生を抑制することができる。
【0033】
次に、本発明による透明導電膜の形成方法に使用される透明導電膜の塗布液について説明する。この透明導電膜の塗布液は、大型基板に対して均質なITOの透明導電膜の形成を可能にしようとするものであり、塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶媒に溶解させたものであって、該塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように塩化インジウムと塩化第一錫とを配合したものである。二価の錫の配合比が1.0wt%よりも小さい場合は、電子キャリア濃度が低くて抵抗値が高くなり、13.0wt%よりも高い場合は、酸化錫が粒界に析出して抵抗値が高くなってしまい、いずれの場合も良質な透明導電膜を形成することができない。
【0034】
このような塩化インジウム及び塩化第一錫の混合物は、配合比が1.5〜7.0wt%となるように上記溶媒に溶解される。ここで、上記配合比が1.5wt%未満では、一回の塗布により形成される透明導電膜の厚みが薄くなり過ぎるため均一な透明導電膜の形成が困難となり、7.0wt%より多いときはITOの透明導電膜の形成にむらが発生して膜中に欠陥が生じ抵抗値が高くなってしまう。
【0035】
上記溶媒としては、水または有機溶剤を単独で使用することも可能であるが、好ましくは水及び有機溶剤の混合液であり、該有機溶剤に対する水の配合比(水/(水+有機溶剤))を1.5〜21.0wt%となるようにしたものが好ましい。このように、水を積極的に添加することにより、塩化インジウムの加水分解を促進して酸化インジウムを発生させることができ、160mm角以上の大型基板に対しても均一なITOの透明導電膜の形成を可能とする。しかし、水の配合比が1.5wt%より少ないときは、塩化インジウムの加水分解が有効に進まず均一な透明導電膜が得難く、逆に21.0wt%よりも多いときには、過剰水分により透明導電膜にピンホールやクラックが発生し良質な透明導電膜を形成することができない。
【0036】
また、上記有機溶剤は、メタノール、エタノールまたはアセトンのうち、いずれか一種以上からなるものであるが、好ましくは、有機溶剤は、メタノールとエタノールの混合液であり、該メタノールに対するエタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))が5〜80wt%となるようにされる。エタノールの配合比が5wt%未満または80wt%よりも多い場合は、繰り返し重ね塗布の回数が増えれば増えるほど一部に白濁部分が発生し、均質な透明膜を得るのが難しくなる。
【0037】
さらに、上記塗布液には、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシド(シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、インジウム,鉄)またはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上の物質を添加することができる。
塩酸の添加は透明導電膜の導電性の向上に寄与し、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシド(シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、インジウム,鉄)及びアルミニウムカップリング材の添加はITO膜の導電性向上と厚膜化に有効である。
【0038】
このように、本発明による透明導電膜の塗布液は、各組成物質の配合比を上述のように定めることによって、スプレーノズルで噴霧して塗布する場合に好適である。なお、上記透明導電膜の塗布液は、前述のスプレーノズルを使用して塗布する場合に限られず、ディップコーティング法や従来の高圧気体で圧縮して噴霧するスプレーノズルを使用して塗布することもできるが、塗布液を高速噴射する気体で破砕し、微粒子化して噴射する前述のスプレーノズルによる方が、塗布液を均一に塗布できる点でより好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、具体的実施例について説明する。
〔実施例1〕
先ず、メタノール41g及びエタノール41g並びに純水13gを混合した溶媒に対して、塩化第一錫(SnCl)0.170g及び塩化第二錫(SnCl)0.234gに対して、それぞれインジウム(In)のオクチル酸塩、アセチルアセトナート、硝酸塩または塩酸塩のうち1種について、4.2gを溶解して8種類の塗布液を作製した。その具体的な作製方法は、三口フラスコにテフロン(登録商標)コーティングした攪拌ペラを差込み、水冷コンデンサで還流しながら、メタノール、エタノール、純水をこの順で注ぎ入れた。続いて、25℃の下で上記攪拌ペラを70rpmで回転させて攪拌しながら、インジウム塩及び錫塩をこの順で添加し、15分間攪拌してスプレイ液とした。
【0040】
このようにして作製した8種類の塗布液を、図1に示すように、スプレーノズル2により、350℃に加熱した160mm角の透明ガラス基板1に対して、200℃に予熱した予熱雰囲気6を通過させて噴霧し透明導電膜を作製した。そして、作製された膜の透明性について評価した結果、図5に示す表1のように、塩化第一錫(SnCl)または塩化第二錫(SnCl)とインジウムの塩酸塩(InCl)とを組み合わせたときにのみ均一なITOの透明導電膜が得られた(同表中○印参照)ものの、その他のインジウムのオクチル酸塩、アセチルアセトナート、硝酸塩については膜を形成することができなかった(同表中×印参照)。また、導電性については、塩化第一錫(SnCl)を用いたときに比抵抗が3.5×10−4Ωcmと低くなり極めて優れた値を示したが、塩化第二錫(SnCl)では比抵抗が6.1×10−2Ωcmと大きくなった。
【0041】
〔実施例2〕
次に、実施例1の溶媒に対して、塩化インジウム4.2g及び二価の錫(Sn)のオクチル酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、硫酸塩、塩酸塩またはSnO・xH0のうち1種を溶解させて7種類の塗布液を作製した。ここで、上記Sn塩の添加量は、InとSnのモル換算で、Sn/(Sn+In)が0.005〜0.2wt%となるように変化させて行った。また、上記7種類の塗布液の形成方法は、実施例1と同様にして行った。そして、実施例1と同様に膜の透明性で評価した結果、図6に示す表2のように、二価の錫の塩酸塩(SnCl)において均一な透明導電膜が得られた(同表中○印参照)ものの、二価の錫のオクチル酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、硫酸塩については、膜を形成することができなかった(同表中×印参照)。また、SnO・xH0については、膜の形成はできたが白濁現象が発生した(同表中△印参照)。さらに、上記二価の錫の塩酸塩(SnCl)においても、Sn/(Sn+In)が0.01〜0.13wt%の場合に導電性が高く良質な透明導電膜が得られたが、Sn/(Sn+In)が0.01wt%未満または0.13wt%よりも多いときには、膜の抵抗値が高くなり導電膜としては不十分なものであった。
【0042】
〔実施例3〕
次に、塩化インジウム4.2g及び塩化第一錫0.20gの混合物を、イオン交換水(純水)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルグリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコー、メチルエチルケトンのうち1種の溶媒に溶解させて18種類の塗布液を作製した。そして、実施例1と同様にして、上記18種類の塗布液について透明導電膜を作製し、膜の透明性について評価した。そして、その結果は、図7に示す表3のように、イオン交換水(純水)、メタノール及びエタノールについて透明な導電膜が得られた(同表中○印参照)ものの、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルグリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー、メチルエチルケトンについては、膜を形成することができなかった(同表中×印参照)。また、アセトンについては、膜は作製することができたものの一部に白濁が発生した(同表中△印参照)。
【0043】
ここで、イオン交換水(純水)、メタノール及びエタノールについて、さらに詳細に検討したところ、イオン交換水(純水)のみの場合は、微細なピンホールやマイクロクラックが発生しており透明導電膜としては不十分なものであった。
また、エタノールまたはメタノールのみの場合は、いずれも透明導電膜の形成はできるものの繰り返し重ね塗布したとき、繰り返し回数が増すにつれ一部に白濁等の膜欠陥が発生し、厚い透明導電膜の形成が困難であった。
【0044】
〔実施例4〕
実施例3の結果に基づいて、イオン交換水(純水)、メタノール及びエタノールの混合液について検討した。特にここでは、メタノール及びエタノールの混合液に対するイオン交換水(純水)の配合比(水/(水+有機溶剤))を変えて塗布液を作製した。具体的には、メタノール70g、エタノール30gに対して、イオン交換水(純水)の配合を0〜30wt%に変化させた。そして、実施例1と同様にして透明導電膜を形成した。その結果、上記配合比が1.5〜21.0wt%において160mm角のガラス基板全面に亘って良質な透明導電膜の形成ができた。なお、上記配合比が1.5wt%よりも小さいときは、一部に膜形成ができない等の膜欠陥が発生し、21.0wt%よりも多いときは、イオン交換水(純水)のみの場合と同様に透明導電膜にピンホールやマイクロクラックが発生した。
【0045】
〔実施例5〕
次に、塩化インジウム(InCl)4.2g、塩化第一錫(SnCl)0.2g、イオン交換水(純水)10gとし、メタノールとエタノールの混合液に対するイオン交換水(純水)の配合比を10wt%に維持しながら、エタノールに対するメタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))を0〜100wt%に変化させて塗布液を作製した。そして、実施例1と同様にして透明導電膜を形成した。その結果、上記メタノールの配合比が5〜80wt%において、重ね塗りにも耐える良質な透明導電膜を形成することができた。ただし、配合比が5wt%未満の場合は、エタノール単独の場合の性質が現れ一部に白濁が発生して均質な透明膜の形成ができなかった。また、配合比が80wt%より多い場合は、メタノール単独の場合の性質が現れ重ね塗布に難があった。
【0046】
〔実施例6〕
次に、塩化インジウム(InCl)4.2g及び塩化第一錫(SnCl)0.2gをイオン交換水(純水)10g、メタノール55g及びエタノール27gを混合した溶媒に溶解させて得た塗布液に、塩酸、硫酸、硝酸、蓚酸、酢酸、オクチル酸のうち1種類を3g添加して塗布液を作製した。また塩化インジウム(InCl)、塩化第一錫(SnCl)、イオン交換水、メタノール及びエタノールを上記と等量とし、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸、硝酸銀、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシド(シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、インジウム,鉄)、アルミニウムカップリング材のうち1種を0.1g添加して塗布液を作製し、実施例1と同様にして14種類の透明導電膜を形成した。その結果、図8に示す表4のように、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシド(シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、インジウム,鉄)、アルミニウムカップリング材を添加した場合に、良質な透明導電膜の作製ができた(同表中○印参照)。特に、塩酸の場合は、導電性の向上に有効に働き、膜厚が171nmにおいて比抵抗が1.5×10−4Ωcmの低抵抗の透明導電膜が得られた。また、添加物が塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシド(シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、インジウム,鉄)、アルミニウムカップリング材の場合は、膜厚が約200〜230nmにおいて比抵抗が1.8×10−4〜2.3×10−4Ωcm程度となり、膜の導電性向上と厚膜化に寄与した(表4参照)。一方、硫酸、硝酸、蓚酸、酢酸、オクチル酸、硝酸銀については、膜の形成ができなかった(同表中×印参照)。なお、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金酸は、上記効果と共に焼成温度の低温化に期待ができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る透明導電膜の形成方法によれば、スプレーノズルで透明導電膜の塗布液を噴霧して霧状化し、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気で霧状化された透明導電膜の塗布液を予熱し、所定の温度に加熱された基板に塗布することができる。したがって、基板温度の低下を抑制し大型基板に対して均質な透明導電膜の形成を可能にすることができる。
【0048】
また、請求項2に係る発明によれば、溶媒に、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように配合した塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶解することにより、大型基板に対して導電性が高く且つ全面に亘って白濁のない透明な導電膜の形成を可能にすることができる。
【0049】
さらに、請求項3に係る発明によれば、溶媒に塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を1.5〜7.0wt%だけ溶解させて、白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にする。
【0050】
さらにまた、請求項4及び5に係る発明によれば、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上の有機溶剤にて、特にエタノールに対するメタノールの配合比が5〜80wt%となるように混合液し、重ね塗布に耐え得る透明導電膜の塗布液の作製を可能にすることができる。したがって、白濁のない良質な厚膜の透明導電膜を形成することができる。
【0051】
そして、請求項7に係る発明によれば、有機溶剤に対して水の配合比が1.5〜21.0wt%となるように溶媒を形成して、塩化インジウム及び塩化第一錫の加水分解を促進することができる。したがって、大型基板に対しても均質な透明導電膜を形成することができる。
【0052】
また、請求項8に係る発明によれば、塩酸の添加で透明導電膜の導電性を向上させ、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上の添加で導電性の向上及び厚膜化を可能にすることができる。
【0053】
さらに、請求項9に係る発明によれば、基板とスプレーノズル間で塗布液を予熱することができる。したがって、スプレーノズル内で塗布液が結晶化する虞がない。
【0054】
さらにまた、請求項10に係る発明によれば、塗布液を基板温度の低下する温度を補償し得る温度に予熱して、基板温度の低下を防止することができる。したがって、大型基板に対しても、塗布液の塗布で基板の温度低下を招くことがなく、白濁のない均質な透明導電膜の形成を可能にすることができる。
【0055】
そして、請求項11に係る発明によれば、内部混合室に導入されて噴射する高速気体で内部混合室に連通する塗布液送入口より塗布液を吸引し、該塗布液を高速噴射する気体で破砕し微粒子化して噴霧することができる。したがって、大型基板に対して透明導電膜を均一に塗布して形成することができ、塗布液の無駄な消費を防止することができる。
【0056】
また、請求項12に係る透明導電膜の塗布液によれば、溶媒に、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように配合した塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶解することができる。したがって、大型基板に対して導電性が高く且つ全面に亘って白濁のない透明な導電膜の形成を可能にすることができる。
【0057】
また、請求項13に係る発明によれば、溶媒に塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を1.5〜7.0wt%だけ溶解させて、白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にすることができる。
【0058】
さらに、請求項14に係る発明によれば、溶媒として水または有機溶剤を単独で使用しても、また混合して使用しても白濁のない良質な透明導電膜の形成を可能にすることができる。
【0059】
また、請求項15及び16に係る発明によれば、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上の有機溶剤にて、特にエタノールに対するメタノールの配合比が5〜80wt%となるように混合液し、重ね塗布に耐え得る透明導電膜の塗布液の作製を可能にすることができる。したがって、白濁のない良質な厚膜の透明導電膜を形成することができる。
【0060】
さらに、請求項17に係る発明によれば、有機溶剤に対して水の配合比が1.5〜21.0wt%となるように溶媒を形成して、塩化インジウム及び塩化第一錫の加水分解を促進することができる。したがって、大型基板に対しても均質な透明導電膜を形成することができる。
【0061】
さらに、請求項18に係る発明によれば、塩酸の添加で透明導電膜の導電性を向上させ、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上の添加で導電性の向上及び厚膜化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透明導電膜の形成方法を示す説明図である。
【図2】スプレーノズルの走査を示す説明図である。
【図3】上記スプレーノズルの中心縦断面図である。
【図4】図3の断面に直交する方向の中心縦断面図である。
【図5】ITO透明導電膜の塗布液合成の実施例として、塩化第一錫または塩化第二錫に対するIn塩の原料の組み合わせを示す表である。
【図6】ITO透明導電膜の塗布液合成の実施例として、二価のSn塩の原料の組み合わせを示す表である。
【図7】ITO透明導電膜の塗布液合成の実施例として、溶媒の原料の組み合わせを示す表である。
【図8】ITO透明導電膜の塗布液合成の実施例として、添加物の原料の組み合わせを示す表である。
【符号の説明】
1…基板
2…スプレーノズル
6…予熱雰囲気
7…塗布液送入口
10…内部混合室

Claims (18)

  1. 基板を所定の温度に加熱し、
    該基板に対してスプレーノズルにより透明導電膜の塗布液を噴霧し、
    これにより霧状化された透明導電膜の塗布液を、予め所定温度に加熱された予熱雰囲気を通過させて予熱し、
    前記基板に透明導電膜の塗布液を塗布することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  2. 前記透明導電膜の塗布液は、塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶媒に溶解させたものであって、前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように塩化インジウムと塩化第一錫とを配合したものであることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、前記溶媒に1.5〜7.0wt%だけ溶解されたものであることを特徴とする請求項2記載の透明導電膜の形成方法。
  4. 前記溶媒は、水または有機溶剤若しくは水及び有機溶剤の混合液のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の透明導電膜の形成方法。
  5. 前記有機溶剤は、メタノール、エタノールまたはアセトンのうち、いずれか一種以上からなることを特徴とする請求項4記載の透明導電膜の形成方法。
  6. 前記有機溶剤は、メタノールとエタノールとの混合液であり、該エタノールに対するメタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))が5〜80wt%であることを特徴とする請求項4記載の透明導電膜の形成方法。
  7. 前記水及び有機溶剤の混合液は、有機溶剤に対する水の配合比(水/(水+有機溶剤))が1.5〜21.0wt%であることを特徴とする請求項4記載の透明導電膜の形成方法。
  8. 前記溶媒は、添加物として、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上を含有させたものであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  9. 前記予熱雰囲気は、前記基板と前記スプレーノズルとの間に形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  10. 前記予熱雰囲気の温度は、前記基板に対して塗布液を噴霧したときに、該基板温度の低下する温度を補償し得る温度であることを特徴とする請求項1または9記載の透明導電膜の形成方法。
  11. 前記スプレーノズルは、内部に設けられた内部混合室に高速気体を導入して噴射させ、該内部混合室に連通する塗布液送入口より透明導電膜の塗布液を吸引し、該透明導電膜の塗布液を前記高速噴射する気体で破砕し微粒子化して噴霧するものであることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  12. 塩化インジウムと塩化第一錫との混合物を溶媒に溶解させた透明導電膜の塗布液であって、
    前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、インジウム(In)と錫(Sn)のモル換算で、Sn/(Sn+In)が1.0〜13.0wt%となるように塩化インジウムと塩化第一錫とを配合したものであることを特徴とする透明導電膜の塗布液。
  13. 前記塩化インジウムと塩化第一錫との混合物は、前記溶媒に1.5〜7.0wt%だけ溶解されたものであることを特徴とする請求項12記載の透明導電膜の塗布液。
  14. 前記溶媒は、水または有機溶剤若しくは水及び有機溶剤の混合液のいずれかであることを特徴とする請求項12記載の透明導電膜の塗布液。
  15. 前記有機溶剤は、メタノール、エタノールまたはアセトンのうちのいずれか一種以上からなることを特徴とする請求項14記載の透明導電膜の塗布液。
  16. 前記有機溶剤は、メタノールとエタノールとの混合液であり、該エタノールに対するメタノールの配合比(メタノール/(メタノール+エタノール))が5〜80wt%であることを特徴とする請求項14記載の透明導電膜の塗布液。
  17. 前記水及び有機溶剤の混合液は、有機溶剤に対する水の配合比(水/(水+有機溶剤))が1.5〜21.0wt%であることを特徴とする請求項14記載の透明導電膜の塗布液。
  18. 前記溶媒は、添加物として、塩酸、塩化金酸、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、塩化亜鉛、チタンカップリング材、金属アルコキシドまたはアルミニウムカップリング材のうち、いずれか1種以上を含有したことを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載の透明導電膜の塗布液。
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