JP2004240087A - 積層偏光フィルム - Google Patents

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卓 本多
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Abstract

【課題】吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムとが積層された積層偏光フィルムについて、特に反射型偏光フィルム側の表面における耐擦傷性を改良し、それを偏光光源装置及び液晶表示装置に適用する。
【解決手段】吸収型偏光フィルム21と、反射型偏光フィルム22と、分子中に少なくとも3個のアクリロイル基を有する分子量300〜2,000 の化合物を含有する樹脂組成物に活性光線を照射してなる保護層23とが、積層一体化されている積層偏光フィルム10が提供される。保護層23は、反射型偏光フィルム22に直接形成されていてもよいし、光学的に透明なフィルム上に形成され、その状態で反射型偏光フィルム22に積層されていてもよい。この積層偏光フィルム10の保護層23側に光源装置61を配置して偏光光源装置とされ、さらに吸収型偏光フィルム21側に液晶セル30を配置して液晶表示装置とされる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムを用いた積層偏光フィルムに関するものであり、さらにはそれを用いた偏光光源装置及び液晶表示装置にも関係している。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示装置において、反射型偏光フィルムを使用する輝度向上システムが、広く使われている(例えば、特開昭 63−168626号公報:特許文献1、特開平 6−51399号公報:特許文献2、特開平 6−324333 号公報:特許文献3、及び特表平 9−511844 号公報:特許文献4)。すなわち、反射型偏光フィルムは、ある種の偏光光を透過し、それと反対の性質を有する偏光光を反射するものであり、この反射型偏光フィルムで反射された光を光源装置に戻して再利用することにより、光の利用効率を高め、表示輝度を向上させるのに利用されている。反射型偏光フィルムは、吸収型偏光フィルムと組み合わせて、例えば、吸収型偏光フィルムと積層した状態で用いられることが多い。そこで本明細書では、吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムが積層されたものを、積層偏光フィルムと呼ぶこととする。
【0003】
反射型偏光フィルムは、通常、液晶表示装置用積層偏光フィルムの最外層に配置される。そして、背面の光源装置及び前面の液晶セルと組み合わされて、液晶表示装置が構成される。近年、液晶表示装置の薄型化に伴い、光源装置に使用されている部材、例えば、拡散シートやレンズシートと、反射型偏光フィルムとの間に取られる間隔が狭くなってきた。そのため、反射型偏光フィルムが拡散シートやレンズシートと接触し、反射型偏光フィルムにキズが入る可能性が生じている。そこで、積層偏光フィルムの特に反射型偏光フィルム表面には、耐擦傷性が求められている。また、キズが入らない場合でも、反射型偏光フィルムと光源装置用部材との間で光学密着が生じ、いわゆるニュートンリングなどの干渉縞が発生しやすくなっている。干渉縞の発生は、画質を低下させてしまうことになる。
【0004】
さらに、液晶表示装置の携帯用電子機器への応用が拡大しているのに伴い、従来では問題ならなかった不具合が懸念されている。例えば、携帯電話の場合、その電話としての使用において、液晶表示装置が皮膚と接触することが多い。画面上の汚れを取る目的で画面を布で擦ると静電気が発生し、液晶表示装置を介して電子回路に影響を与えることがある。そのため、例えば、反射型偏光フィルムに帯電防止処理を施すことが求められている。
【0005】
また、液晶表示装置の薄型化に伴い、従来独立した材料を積層して達成していた機能、例えば、半透過反射性能や反射防止性能などを、1枚の材料に複合化して収め、それによって構成部材点数を減らし、積層偏光フィルムを薄肉化することが求められている。
【0006】
このような積層偏光フィルムの機能を複合化する例として、特開 2001−42125 号公報(特許文献5)には、反射型偏光フィルムの片面に微細な凹凸構造を設けることが開示されている。また、特開 2002−341343号公報(特許文献6)には、反射型偏光フィルムに光拡散性能を持たせることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−168626号公報
【特許文献2】特開平6−51399号公報
【特許文献3】特開平6−324333号公報
【特許文献4】特表平9−511844号公報
【特許文献5】特開2001−42125号公報
【特許文献6】特開2002−341343号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のとおり、積層偏光フィルムには、耐擦傷性が求められており、併せて、光学密着を防ぐための処理や、帯電防止機能などの付加機能が求められている。本発明者らは、吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムとが積層された積層偏光フィルムにおいて、まず、その反射型偏光フィルムの露出面に特定材質の保護層を設けることにより、その積層偏光フィルムの表面性状が改良されることを見出した。そして、この保護層には付加機能を複合化することが可能となり、こうして付加機能が付与された積層偏光フィルムは、付加機能が付与された状態でも薄肉にしうることを併せて見出した。
【0009】
したがって本発明の目的の一つは、吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムとが積層された積層偏光フィルムについて、特に反射型偏光フィルム側の表面における耐擦傷性を改良することにある。本発明のもう一つの目的は、こうして耐擦傷性が改良された積層偏光フィルムに付加機能を付与し、多機能化されて薄肉の積層偏光フィルムを提供することにある。本発明のさらなる目的は、かかる積層偏光フィルムを偏光光源装置に適用し、さらにはそれを液晶表示装置に適用して、その薄型化が実現できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の見地からは、吸収型偏光フィルムと、反射型偏光フィルムと、分子中に少なくとも3個のアクリロイル基を有する分子量300〜2,000 の化合物を含有する樹脂組成物に活性光線を照射してなる保護層とが、積層一体化されている積層偏光フィルムが提供される。この保護層は、反射型偏光フィルムに直接形成されていてもよいし、光学的に透明なフィルム、例えば、面内位相差値が30nm以下である無色透明なフィルム上に形成され、その状態で反射型偏光フィルムに積層されていてもよい。保護層の厚みは、3〜20μm の範囲であることが好ましい。
【0011】
保護層を形成する樹脂組成物は、任意に他の成分を含むことができ、例えば、その固形分100重量部中、1〜50重量部が熱可塑性ポリマーであってもよいし、1〜50重量部が粒経10nm〜20μm の粒子であってもよいし、 0.1〜10重量部が帯電防止剤であってもよい。
【0012】
保護層の外側には、さらに付加機能層を設けることができ、例えば、帯電防止層が形成されていてもよいし、半透過半反射層が形成されていてもよいし、反射防止層が形成されていてもよい。これらの付加機能層を複数設けることもでき、例えば、帯電防止層と半透過半反射層の両方が形成されていてもよいし、帯電防止層と反射防止層の両方が形成されていてもよい。そして、積層偏光フィルムの保護層側の最外層には、防汚層を形成することもできる。
【0013】
本発明の第二の見地からは、側面に光源を有する導光板と、その導光板の背面に配置された反射フィルムと、その導光板の前面に配置された本発明の上記第一の見地から特定されるいずれかの積層偏光フィルムとを備える偏光光源装置が提供される。この偏光光源装置では、導光板と積層偏光フィルムの間に、拡散シート又は/及びレンズシートが挿入されていてもよい。
【0014】
本発明の第三の見地からは、上記第二の見地から特定されるいずれかの偏光光源装置の前面に、液晶セル及び吸収型偏光フィルムがこの順に積層されてなる液晶表示装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を明確にするため、以下、添付の図面も適宜参照しながら、詳細な説明を行う。図1は、本発明に係る積層偏光フィルムの基本的な層構成の例を示す断面模式図である。この図に示すように、本発明の積層偏光フィルム10は、基本的に、吸収型偏光フィルム21と反射型偏光フィルム22とを積層したものであり、そしてその反射型偏光フィルム22側の表面には、保護層23が設けられ、これら少なくとも三層が、吸収型偏光フィルム21/反射型偏光フィルム22/保護層23の順に積層一体化されたものである。この保護層23は、分子中に少なくとも3個のアクリロイル基を有する分子量300〜2,000 の化合物を含有する樹脂組成物に活性光線を照射して形成される。
【0016】
保護層23は、図1の(a)に示す形態では、反射型偏光フィルム22の吸収型偏光フィルムが積層された面とは反対側の面に直接形成されている。一方、図1の(b)に示す形態では、この保護層23は、光学的に透明なフィルム、例えば、面内位相差値が30nm以下である無色透明なフィルム24の上に形成され、その状態で、反射型偏光フィルム22の吸収型偏光フィルム21が積層された面とは反対側の面に、その無色透明なフィルム24側で積層され、一体化されている。
【0017】
保護層23の厚みは、3〜20μm 程度であるのが好ましい。保護層の厚みが3μm よりも薄いと、保護層の効果が十分に出ないおそれがある。一方、保護層の厚みが20μm を超えると、硬化収縮によるカールの影響が強くなり、作業性を悪化させるおそれがある。
【0018】
一般に耐擦傷性に劣るフィルムには、光硬化性樹脂組成物が活性光線により光反応を起こして形成される保護層を設け、その耐擦傷性を改良することが多い。光硬化性樹脂組成物に配合される光硬化性化合物における光反応性官能基には、ラジカル重合系として、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などがある。また、光カチオン反応系として、エポキシ基などがある。これらのうち、メタクリロイル基やアリル基は、反応速度が遅いため、作業効率に難点がある。一方、光カチオン系は湿度の影響を受けるため、作業環境の制御に労力を要する。
【0019】
そこで本発明では、反応速度が速く、作業環境の影響を受けにくい、アクリロイル基を有する化合物を光硬化性化合物とする。ただ、アクリロイル基はラジカル重合系であるため、空気中の酸素による重合阻害効果を受ける。すなわち、選択した化合物によっては、表面が硬化せずにベトツキ感がでたり、仮に硬化しても架橋が不十分であったりするため、耐擦傷性試験において、表面が削り取られることがある。これらを防ぐには、3官能以上のアクリレート化合物を使用することが有効である。
【0020】
さらに、本発明で使用する樹脂組成物は、皮膜の平滑性を向上させるため、溶剤で希釈することを可能とする。その場合、分子量が小さすぎると、熱乾燥工程において、光硬化性化合物が揮発してしまうおそれがある。また、分子量が小さすぎると、保護層が脆くなり、カット時にクラックが発生するおそれもある。一方で、分子量が大きすぎると官能基密度が低下するため、結果的に架橋密度が低下し、十分な硬度が得られなくなる。すなわち、十分な耐擦傷性を発現するためには、例えば、 JIS K 5600−5−4 に準拠して、荷重を500gとしたときの鉛筆硬度で少なくともF以上の値が必要であり、そして表面硬度が高ければ高いほど好ましい。そこで光硬化性化合物として、分子量が300〜2,000 のものを用いる。
【0021】
樹脂組成物に用いる光硬化性化合物は、3官能以上のアクリレート化合物であれば特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。その例としては、トリメチロールプロパンやジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールやジペンタエリスリトールのような、分子中に水酸基を3個以上有する化合物を直接、又はエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、エピクロルヒドリンなどを介して、アクリル酸エステル化した化合物が挙げられる。
【0022】
また、分子中に水酸基を3個以上有する化合物に、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートのような分子中にイソシアナート基を2個以上有する化合物と、ヒドロキシエチルアクリレートやヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートのような分子中に水酸基を1個とアクリロイル基を1個以上有する化合物とを、順にウレタン結合させることにより合成されるウレタンアクリレート化合物や、分子中に水酸基を1個とアクリロイル基を2個以上有する化合物に、イソシアナート基を2個以上有する化合物を反応させ、ウレタン結合が形成されたウレタンアクリレート化合物を使用することもできる。
【0023】
さらには、分子中に水酸基を3個以上有する化合物に、分子中にイソシアナート基を2個有する化合物が付加したアダクト型の3官能以上のイソシアネート化合物や、分子中にイソシアナート基を2個有する化合物3分子がそれぞれの片末端イソシアナート基の部分で水和・脱炭酸して形成される三量体であるビュレット型の3官能イソシアネート化合物、分子中にイソシアナート基を2個有する化合物3分子がそれぞれの片末端イソシアナート基の部分でイソシアヌレート環を形成したイソシアヌレート型の3官能イソシアネート化合物のような多官能イソシアネート化合物と、分子中に水酸基を1個とアクリロイル基を1個以上有する化合物とから、ウレタン結合を形成して合成されるウレタンアクリレート化合物も使用できる。
【0024】
一般に、これら分子中に3個以上のアクリロイル基を有する化合物は、硬化時の収縮量が大きく、また反応熱も高い。したがって、これらの化合物のみで樹脂組成物を構成した場合、硬化反応中の熱でフィルムがダメージを負ったり、硬化後のカールが強くなったりして、その後の作業性に障害となるおそれがある。一方、これらの化合物の配合比が少ないと、3個以上アクリロイル基を有することによる効果が十分に出ない。そこで、分子中に少なくとも3個のアクリロイル基を有する化合物は、樹脂組成物の固形分(溶剤は除くが、非光硬化性化合物は含む)100重量部を基準に、20〜100重量部の範囲で使用できるが、好ましくは30〜90重量部である。
【0025】
樹脂組成物に配合することができる他の成分として、まず、他の光硬化性化合物を挙げることができる。例えば、分子中に2個以下のアクリロイル基を有する化合物、メタクリロイル基やアリル基を有する化合物、例えばエポキシ基を有する光カチオン反応性の化合物などである。これら他の光硬化性化合物は特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。
【0026】
分子中に2個以下のアクリロイル基を有する化合物のうち、単官能のアクリロイル化合物としては、アクリル酸のほか、ヒドロキシエチルアクリレートやヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートのような水酸基を有するアクリレート、ラウリルアクリレートやステアリルアクリレート、イソアミルアクリレートのようなアルキルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレートなどが挙げられる。さらに、アクリロイル基を有する化合物は、ジオールから容易に合成でき、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコールやテトラエチレングリコールのようなポリエチレングリコール、トリプロピレングリコールやテトラプロピレングリコールのようなポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオールから、片末端にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェノキシなどの変性を行った後、他末端に直接アクリル酸をエステル化させた化合物や、ジイソシアネートを用いて水酸基を有するアクリレートとウレタン結合させることにより得られる化合物などを使用することもできる。また、2官能のアクリロイル化合物は、これらのジオールの両末端にアクリロイル基を導入することで得ることができる。
【0027】
他の、メタクリロイル基、アリル基又はエポキシ基を有する化合物も、アクリロイル基を有する化合物と同様に、例えば、既出のアクリレートのアクリロイル基を所望とする官能基に置き換えたものを使用することができる。
【0028】
樹脂組成物に配合する他の成分として、光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤は、使用する活性光線の種類に合わせて選択されるが、通常用いられる活性光線は紫外線であるため、紫外域で十分な量子収率を持ち、ラジカルを発生するものが好ましい。例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。これら光重合開始剤の配合量は、通常、樹脂組成物の固形分100重量部あたり0.5〜10重量部である。
【0029】
樹脂組成物には、熱可塑性ポリマーを配合してもよい。熱可塑性ポリマーは、光硬化性化合物の硬化収縮や反応熱量を抑制させる目的で、また保護層に可撓性を付与する目的で、配合される。熱可塑性ポリマーは特に限定されず、公知の各種樹脂が使用できる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ノルボルネン又はその誘導体をモノマーとする重合体のような環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂(アクリル系樹脂とも言われる)、ポリメタクリレート系樹脂(メタクリル系樹脂とも言われる)などの合成高分子、さらには、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースのようなセルロース系樹脂などの天然高分子が使用できる。合成高分子はもちろん、モノマー1種の単独重合体であることができるほか、上記の各樹脂を構成するモノマーの2種又はそれ以上を共重合してなる共重合体であってもよい。その配合比は、所望とする特性に合わせて決められるが、樹脂組成物の固形分100重量部中、1〜50重量部の範囲が好ましい。
【0030】
樹脂組成物には、粒子を配合してもよい。この場合、粒子の粒経は、通常10nm〜20μm の範囲である。この粒子は、全てが保護層中に埋没してもよいし、一部が保護層から突出してもよい。すなわち、粒子を配合した状態でも、保護層が変わらずに平滑な面状態を有してもよいし、粒子を配合することにより、保護層に粗面が形成されてもよい。この粒子は、先述の熱可塑性ポリマーと同様に、光硬化性化合物の硬化収縮や反応熱量を抑制させる目的で、また保護層に可撓性を付与する目的で配合することができるし、滑剤として配合することもできる。すなわち、保護層が完全に平滑な面になると、例えば、フィルム状に形成され、巻き取られるときに、ブロッキングと呼ばれる現象が生じ、均一にロールとして巻き取れなくなる場合がある。また、偏光光源装置に使用した際に、突起により光源装置の部材との接触面積を低減し、よって、傷付きをさらに発生しにくくする効果が期待できる。
【0031】
粒子の材質は特に限定されず、公知の材質のものが使用できる。無機物としては、例えば、シリカ、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、タルク、マイカ、ベントナイト、ゼオライトなどが挙げられる。有機物としては、例えば、シリコーンや先述の熱可塑性ポリマーからなる粒子が挙げられ、また、熱可塑性ポリマーとして例示した樹脂が部分的に架橋した架橋ポリマーであってもよい。
【0032】
粒子の形状は特に限定されず、球状であっても、不定形状であってもよいが、粒子による散乱特性を利用する場合には、球状粒子を使用することが好ましい。また、粒子の周囲には、樹脂との接着性を上げるため、表面修飾がされていてもよい。粒子の配合比は、所望とする特性に合わせて適宜決められるが、通常は、樹脂組成物の固形分100重量部中、1〜50重量部程度である。
【0033】
樹脂組成物には、積層偏光フィルムに帯電防止性能を付与するために、帯電防止剤を配合してもよい。帯電防止剤は特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、アシロイルアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムナイトレート、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムサルフェート、セチルモルホリニウムメトサルフェートのような陽イオン系界面活性剤や、直鎖アルキルリン酸カリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸カリウム塩、アルカンスルフォン酸塩のような陰イオン系界面活性剤、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N−アルキルアミン、その脂肪酸エステル誘導体、多価アルコール脂肪酸部分エステル類のような非イオン系界面活性剤などを使用することができる。これらの帯電防止剤の配合比は、所望とする特性に合わせて適宜決められるが、樹脂組成物の固形分100重量部に対し、通常 0.1〜10重量部程度である。
【0034】
樹脂組成物には、高分子に通常使用されている公知の高分子添加剤を配合することもできる。例えば、フェノール系やアミン系の一次酸化防止剤、イオウ系の二次酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系やベンゾエート系の紫外線吸収剤、シリコーン系やフッ素系やアクリルオリゴマー系の平滑剤(レベリング剤)などが挙げられる。
【0035】
さらに、必要に応じて、樹脂組成物を溶剤で希釈してもよい。溶剤は、樹脂組成物の溶解性により、適宜選択される。一般に用いられる溶剤としては、n−ヘキサンやシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類、トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素類、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール類、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、メチルセロソルブやエチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなセロソルブ類、塩化メチレンやクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。溶剤の配合割合は、成膜性等の加工上の目的による粘度調整などの観点から、適宜決定される。
【0036】
本発明では、以上説明した樹脂組成物を反射型偏光フィルムの表面に直接適用するか、あるいは光学的に透明なフィルム、例えば面内位相差値が30nm以下の無色透明なフィルム上に適用し、そこに活性光線を照射して硬化させ、保護層とする。光学的に透明なフィルム上に保護層を形成した場合は、そのフィルムを反射型偏光フィルムに貼合する。かかる保護層の形成は、樹脂組成物をフィルム上に塗工し、必要に応じて乾燥工程により溶剤を揮発除去させたうえで、活性光線を照射して、樹脂組成物を硬化させればよい。
【0037】
樹脂組成物をフィルム上に塗工する方法は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、ダイコーターやコンマロールコーター、ブレードコーター、(リバース)ロールコーター、(マイクロ)グラビアコーターなどを用いて塗工すればよい。必要に応じて実施される乾燥工程も、公知の方法が利用でき、熱乾燥炉を用いる方法が一般的である。
【0038】
樹脂組成物を光硬化させるために使用される活性光線も特に限定されず、紫外線、可視光線、電子線などを使用できるが、紫外線の利用が簡便である。本発明においては、公知の紫外線照射装置を利用して光硬化をさせることができる。紫外線を発するランプとしては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどがあるが、低圧水銀ランプは一般的に出力が弱いため、高圧水銀ランプやメタルハライドランプを使用するのが好ましい。
【0039】
本発明において使用する吸収型偏光フィルムとは、特定振動方向の直線偏光を透過し、それと直交する方向の直線偏光を吸収するものである。吸収型偏光フィルムの偏光透過軸とは、特定振動方向の直線偏光がその偏光フィルムの垂直方向から入射したときに、透過率が最大となる方向をいう。
【0040】
このような吸収型偏光フィルムとしては、例えば、公知のヨウ素系偏光フィルムや染料系偏光フィルムが使用できる。ヨウ素系偏光フィルムとは、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性色素としてヨウ素錯体が吸着された偏光子を母体とするフィルムであり、染料系偏光フィルムとは、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性色素として二色性染料が吸着された偏光子を母体とするフィルムである。これらの吸収型偏光フィルムは、耐久性向上のため、その片面又は両面を高分子フィルムで被覆したものが好ましい。保護のために被覆する高分子の材質としては、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィン系樹脂などが使用できる。
【0041】
吸収型偏光フィルムの厚みは特に限定されないが、液晶表示素子などに本発明の積層偏光フィルムを使用する場合には、吸収型偏光フィルムは薄いほうが好ましい。具体的には1mm以下、さらには0.2mm 以下であるのが好ましい。
【0042】
本発明において使用する反射型偏光フィルムとは、ある種の偏光光を透過し、それと反対の性質を有する偏光光を反射するものである。反射型偏光フィルムには、直線偏光に対して偏光分離機能を有する反射型直線偏光フィルムと、円偏光に対して偏光分離機能を有する反射型円偏光フィルムとがある。
【0043】
反射型直線偏光フィルムは、特定振動方向の直線偏光を透過し、それと直交する振動方向の直線偏光を反射するものである。反射型直線偏光フィルムの偏光透過軸とは、特定振動方向の直線偏光がこの偏光フィルムの垂直方向から入射したときに、透過率が最大となる方向をいい、偏光反射軸とは、それと直交する方向をいう。
【0044】
一方、反射型円偏光フィルムは、ある回転方向の円偏光を透過し、それと逆の方向に回転する円偏光を反射するものである。本発明において反射型円偏光フィルムを使用する場合には、1/4波長位相差フィルムを積層することで、透過光線が円偏光から直線偏光に変換されてから吸収型偏光フィルムに到達するようにするのが好ましい。
【0045】
反射型直線偏光フィルムとしては、例えば、ブリュースター角による偏光成分の反射率の差を利用した反射型偏光フィルム(例えば、特表平 6−508449 号公報に記載のもの)、微細な金属線状パターンを施工した反射型偏光フィルム(例えば、特開平 2−308106 号公報に記載のもの)、少なくとも2種の高分子フィルムが積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特表平 9−506837 号公報に記載のものであり、市販品の例としては、Minnesota Mining and Manufacturing 社(3M社)製の商品名“DBEF” などがあり、この“DBEF”は、日本では住友スリーエム株式会社から入手できる)、高分子フィルム中に少なくとも2種の高分子で形成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、米国特許第 5,825,543号明細書に記載のものであり、市販品の例としては、上記3M社製の商品名“DRPF”などがあり、この“DRPF”も、日本では住友スリーエム株式会社から入手できる)、高分子フィルム中に粒子が分散しており、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特表平 11−509014号公報に記載のもの)、高分子フィルム中に無機粒子が分散しており、粒子のサイズによる散乱能差に基づく反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特開平 9−297204 号公報に記載のもの)などが挙げられる。
【0046】
一方、反射型円偏光フィルムとしては、例えば、コレステリック液晶の選択反射特性を利用した反射型偏光フィルム(例えば、特開平 3−45906号公報に記載のものであり、市販品の例としては、メルク(Merck )社製の商品名“Transmax”や日東電工株式会社製の商品名“ニポックス”などがある)などが挙げられる。
【0047】
反射型偏光フィルムの厚みは特に限定されないが、液晶表示素子などに本発明の積層偏光フィルムを使用する場合には、反射型偏光フィルムも薄いほうが好ましい。具体的には1mm以下、さらに0.2mm 以下であるのが好ましい。そこで、少なくとも2種の高分子フィルムを積層した、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光フィルム、高分子フィルム中に少なくとも2種の高分子で構成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光フィルム、また、コレステリック液晶による選択反射特性を利用した反射型円偏光フィルムは、本発明による積層偏光フィルムの厚みを薄くするために特に好ましい。
【0048】
本発明において、保護層を形成するために必要に応じて使用される面内位相差値が30nm以下の無色透明なフィルムの材質も特に限定されず、例えば、先述の熱可塑性ポリマーとして例示したものを使用できる。面内位相差値を30nm以下とするためには、A)面内位相差の発現しにくい材質を使用する、B)キャスト法などにより製膜時に応力をかけない、C)製膜後にアニール処理を施して応力を緩和させる、などの方法によりフィルム化すればよい。面内位相差の発現しにくい材質としては、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース、環状オレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0049】
積層一体化する際に、必要に応じて使用される接着剤は、無色透明であれば特に限定されない。例えば、エチレン/酸酸ビニル共重合体等のホットメルト接着剤や、ポリビニルアルコール系樹脂が水に溶解した水系接着剤、ポリアクリレート系樹脂やポリエステル系樹脂が溶剤に溶解した溶剤系接着剤、アクリロイル基を有する化合物を主成分とする光硬化型接着剤、エポキシ化合物とアミン等の硬化反応による二液反応型接着剤、シアノアクリレート等の湿気硬化型接着剤などを使用することができる。
【0050】
また、感圧接着剤は好ましい接着剤の一つである。感圧接着剤とは、押さえるだけで他物質の表面に接着し、これを被接着面から引き剥がすときには、被接着物に強度さえあればほとんど痕跡を残さずに除去できる粘弾性体であって、粘着剤とも呼ばれるものである。感圧接着剤としては、アクリル系感圧接着剤、塩化ビニル系感圧接着剤、合成ゴム系感圧接着剤、天然ゴム系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤などが使用できる。
【0051】
これらの接着剤の中でも、アクリル系感圧接着剤は、ハンドリング性や耐久性の点から、好ましい接着剤の一つである。アクリル系感圧接着剤は、粘着性を与える低ガラス転移温度の主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高ガラス転移温度のコモノマー成分、及び架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする共重合体よりなる。主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルのようなアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルのようなメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。コモノマー成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸のようなカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミドのようなヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0052】
感圧接着剤は、架橋型のものが好ましい。この場合、例えば、エポキシ系化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物のような各種架橋剤を添加して架橋させる方法、放射線を照射して架橋させる方法などが適用でき、これらは、官能基の種類に応じて適宜選択される。さらに、感圧接着剤を構成する主ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは60万〜200万程度であり、より好ましくは80万〜180万である。重量平均分子量が60万未満であると、後述する可塑剤の添加量が多い場合に、感圧接着剤の被接着物への密着性や耐久性が低下する。また、重量平均分子量が200万を越えると、特に可塑剤の量が少ない場合に、感圧接着剤の弾性が高くなって柔軟性が低下し、被接着物が収縮応力を発生する場合には、それを吸収、緩和することができなくなる。
【0053】
感圧接着剤には可塑剤を配合するのが好ましい。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸トリエステル、グリコールエステルのようなエステル類や、プロセスオイル、液状ポリエーテル、液状ポリテルペン、その他の液状樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。さらに感圧接着剤には、必要に応じて例えば、紫外線吸収剤や光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することもできる。
【0054】
本発明の積層偏光フィルムは、先に説明した図1に示すとおり、吸収型偏光フィルム21、反射型偏光フィルム22及び保護層23がこの順に積層一体化されてなるものである。この際、吸収型偏光フィルム21と反射型偏光フィルム22の偏光透過軸は、略平行にするのが一般的であるが、半透過半反射性能を付与するために、軸をずらして積層してもよい。ここでいう「略平行」とは、平行、すなわち両者の偏光透過軸のなす角度が0°であるのが最も好ましいが、±5°程度までであれば許容されることを意味する。
【0055】
そして保護層23の反射型偏光フィルム22と反対側の面には、i)帯電防止層、ii)半透過半反射性層、 iii)反射防止層のいずれか1又は複数の付加機能層を設けることもできる。複数の付加機能層を設ける場合の例としては、帯電防止層と半透過半反射性層の組合せ、帯電防止層と反射防止層の組合せを挙げることができる。さらに、その外側に、iv)防汚層を積層してもよい。このように他の機能層を設ける場合の例を、図2に断面模式図で示す。図2の(a)に示す例は、吸収型偏光フィルム21と反射型偏光フィルム22と保護層23がこの順に積層され、その保護層23の外側に帯電防止層25が積層されたものである。また、図2の(b)に示す例は、同図(a)の層構成に加えて、帯電防止層25のさらに外側に、防汚層26を積層したものである。図2では、帯電防止層25を例に取り、その構成を示したが、帯電防止層の位置に半透過半反射性層又は反射防止層を配置する場合も、同様の構成を使用することができる。また図2には、保護層23が反射型偏光フィルム22に直接形成された場合の例を示したが、この図における保護層23を、図1の(b)に示した無色透明なフィルム24/保護層23の積層物に置き換えた場合にも、同様に付加機能層を設けることができることは、以上の説明から容易に理解できるであろう。
【0056】
帯電防止層には、先述の帯電防止剤が使用できるほか、モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、トリ長鎖アルキルメチルアンモニウム塩、モノアシロイルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩、トリアルキル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩のような陽イオン系界面活性剤や、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキルスルフォン酸ナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム、モノアルキルリン酸エステルナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩のような陰イオン系界面活性剤、アルキルアミノカルボン酸塩、カルボキシベタイン、アルキルベタイン、スルフォベタイン、フォスフォベタインのような両性イオン系界面活性剤などを塗布することで、得ることができる。
【0057】
半透過半反射性層とは、入射する光の一部を透過し、一部を反射する層を意味する。通常、半透過半反射層の透過率は5〜90%であり、反射率は10〜95%であって、透過率と反射率の和は100%を超えることはない。この透過/反射性能は、入射する光の偏光状態に依存してもよいし、依存しなくてもよい。透過率と反射率のバランスは、所望とする特性に応じて、適宜設定される。
【0058】
半透過半反射層の例としては、銀やアルミニウムなどからなる金属薄膜、無機酸化物や無機硫化物、無機フッ化物などからなる無機化合物薄膜が挙げられる。半透過半反射層となりうる無機酸化物として、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化インジウム−錫、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどを挙げることができ、無機硫化物として、硫化亜鉛、硫化アンチモンなどを挙げることができ、無機フッ化物として、フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン、フッ化鉛、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ニオブ、フッ化サマリウム、フッ化ナトリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化イットリウムなどを挙げることができる。
【0059】
半透過半反射層は、積層偏光フィルムを構成する保護層、反射型偏光フィルム及び吸収型偏光フィルムのいずれか1又は複数に直接形成されていてもよいし、別途、熱可塑性ポリマーからなる面内位相差値が30nm以下のフィルム上に半透過半反射層を形成し、それを積層偏光フィルムのいずれかの位置に積層してもよい。また、半透過半反射層として、感圧接着剤中に、鱗片状のパールマイカが、面に対して平行に配向するように分散されてなる拡散反射性感圧接着剤を使用することもできる。
【0060】
反射防止層は、界面における反射を抑え、光線透過率を向上させる層である。反射防止層には、公知の層構成を使用することができる。最も単純な反射防止層として、基材よりも屈折率の小さい物質を1/4波長の光学膜厚で積層したものがある。本発明の積層偏光フィルムでは、保護層が基材となる。フッ素やケイ素を含まないアクリレート化合物の硬化皮膜は、一般に屈折率が1.50〜1.60の間にあるので、例えば、屈折率1.46の酸化ケイ素や、屈折率1.38のフッ化マグネシウムを、1/4波長光学膜厚で形成させることで、反射防止層を設けることができる。公知の反射防止層は、2〜10層からなる多層構造であり、それらも所望とする性能に合わせて選択することができる。
【0061】
防汚層は、例えば、指紋等の油脂の付着を抑え、また、油脂が付着したときの拭き取り性を高めるための層である。その特性を評価する指標として、例えば、純水に対する接触角を挙げることができ、90°以上、さらには100°以上であるものが好ましい。
【0062】
防汚層の材質は特に限定されず、公知の材質を使用することができる。なかでも、有機ケイ素系化合物やフッ素系化合物からなる層は簡便に使用できる。具体的には、パーフルオロシラン、フルオロカーボン、フルオロアルキル基又はフルオロシクロアルキル基を有する有機ケイ素化合物、含フッ素エポキシ重合体、エポキシ基含有フルオロシリコン重合体、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素フマル酸ジエステル、含フッ素不飽和二塩基酸ジエステル、末端シラノールの有機ポリシロキサン、フルオロアルキルアシル基含有のポリシロキサン、パーフルオロアルキルアクリレート若しくはパーフルオロアルキルメタクリレートとアルコキシシラン基を有する単量体との共重合体、長鎖のフルオロアルキル基を有するアクリレート若しくはメタクリレートとシリコン含有の重合性不飽和単量体との共重合体、長鎖のパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキルエーテル基を有する有機シラザンの共重合体、フッ素系界面活性剤を含有する化合物などで形成される層が挙げられる。
【0063】
防汚層の厚みは、通常50nm以下である。防汚層を形成させる方法も特に限定されず、防汚層に使用される材質に合わせて、公知の方法を使用することができる。例えば、蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法のような物理気相堆積法、化学気相堆積法(CVD:Chemical Vapor Deposition )、プラズマ重合法のような真空プロセス、マイクログラビア法やスクリーンコート法、ディップコート法のようなウェットプロセスなど、通常のコーティング法により形成することができる。
【0064】
本発明の積層偏光フィルムには、いずれかの位置に光学補償フィルムをさらに積層してもよい。光学補償フィルムとは、液晶表示装置において、色補正又は視野角拡大等の画質を向上させるために使用されるフィルムである。例えば、ポリカーボネート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、又は二酢酸セルロースや三酢酸セルロースのようなセルロース系樹脂を、一軸又は二軸に延伸してなる位相差フィルム(例えば、住友化学工業株式会社製の商品名“スミカライト”)や、三酢酸セルロース上に液晶性化合物を配向させた位相差フィルム(例えば、富士写真フィルム株式会社製の商品名“WVフィルム”や、新日本石油株式会社製の商品名“LCフィルム”や“NHフィルム”)などを挙げることができる。
【0065】
本発明の積層偏光フィルムには、いずれかの位置に拡散層をさらに積層してもよい。拡散層とは、層内部に屈折率の不均一構造を持ち、それによって光線を散乱する特性を有する層である。本発明においては、保護層に粒子を入れることにより、拡散の効果を付与することもできるが、例えば、保護層は平滑面にする必要があるとともに、積層偏光フィルムには拡散性を付与する必要がある場合に、別途、拡散層を積層することは有効である。拡散層には公知のものが使用でき、例えば、熱可塑性ポリマー皮膜中に粒子が分散されてなるもの、光硬化性化合物からなる樹脂組成物の硬化皮膜中に粒子が分散されてなるもの、感圧接着剤中に粒子が分散されてなるものなどが挙げられる。他の例としては、2種以上の屈折率が異なる光硬化性化合物又は熱硬化性化合物から形成される屈折率変調型光散乱フィルムを挙げることができる。
【0066】
本発明の積層偏光フィルムは、光源装置と組み合わせて偏光光源装置とすることができる。この場合の例を図3に断面模式図で示す。この例では、側面に光源51を配し、背面に反射フィルム53を配した導光板52よりなる光源装置61の前面(出射光側)に、図1の(a)に示したのと同じ層構成の積層偏光フィルム10を配置することにより、偏光光源装置62が構成されている。なお、図3のように、光源51の周りには反射鏡54を設置することが好ましい。また、積層偏光フィルム10と導光板52の間に、拡散シート55又は/及びレンズシート56を挿入してもよい。
【0067】
導光板は、無色透明なプラスチックからなるものであり、通常、ポリメチルメタクリレート系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂を、板状に成形したものが用いられる。今日、導光板の形状は、液晶表示装置の視野角特性に合わせて、多種多様なものが使用されている。本発明に用いる導光板の形状は特に制限されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。その形状の基本的な例を、図4に断面模式図で示す。図4の(a)に示す導光板52は、前面(出射光面)と背面(反射フィルム側の面)とが平行な直方体である。ここでは、導光板の一側面に光源51を配置する例を示したが、このような直方体形状からなる導光板の場合には、向かい合う二つの側面に光源を配置することもある。図4の(b)及び(c)に示す導光板52は、側面から見て、光源側が最も厚肉で、そこから離れるほど厚みが薄くなる、いわゆる楔状のものである。そして、その楔状の底面は、図4の(b)のように直線状でもよいし、図4の(c)のように膨らみを帯びた形状でもよい。いずれの形状であっても、光源51の導光板と反対側は、反射鏡54で覆うのが好ましい。また、導光板52の背面には、必要に応じて、導光板内を伝播する光の反射方向を変化させ、導光板の前面から出射させるための公知の各種処理、例えば、拡散反射を利用する白色ドット印刷や、溝状又はドット状の窪み又は突起などを施すこともできる。
【0068】
偏光光源装置に用いられる光源51は特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。例えば、冷陰極管や、白色又は有色の発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス・ランプ(ELランプ)などを使用することができる。
【0069】
反射フィルム53も特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には例えば、内部に空洞を形成した白色プラスチックシート、酸化チタンや亜鉛華の如き白色顔料を表面に塗布したプラスチックシート、屈折率の異なる少なくとも2種のプラスチックフィルムを積層してなる多層プラスチックシート、アルミニウムや銀の如き金属からなるシート(特に、これら金属の薄膜が表面に形成されたプラスチックシート)などが挙げられる。これらのシートは、鏡面加工されたもの、粗面加工されたもののいずれも使用可能である。反射フィルム53を構成するプラスチックシートの材質も特に限定されず、例えば、熱可塑性ポリマーの説明において例示した材質のものを使用することができる。
【0070】
必要に応じて使用される拡散シート55も特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には例えば、i)熱可塑性ポリマーに粒子を練り込んでシート状に成形したもの、ii)熱可塑性ポリマーからなるシートに微細な凹凸を有するロールを熱圧着し、凹凸形状を形成させたもの、 iii)熱可塑性ポリマーからなるシートの片面又は両面に粒子が分散した樹脂組成物を塗布し、粒子の部分を皮膜から突出させ、及び/又は、皮膜内部に粒子と樹脂分との屈折率差を生じさせたもの、などが挙げられる。これらは、例えば、株式会社きもと製の商品名“ライトアップ”シリーズや、恵和株式会社製の商品名“オパルス”シリーズなどを使用することができる。
【0071】
さらに、必要に応じて使用されるレンズシート56も特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には例えば、プリズム形状からなり、通称“プリズムシート”として販売されている、前記3M社製の商品名“BEF ”(日本では住友スリーエム株式会社から入手できる)や、三菱レイヨン株式会社製の商品名“ダイヤアート”などが挙げられる。
【0072】
図3に示すような偏光光源装置62は、さらに液晶セルと組み合わせて、液晶表示装置とすることができる。この場合の例を図5に断面模式図で示す。この例では、図3に示したのと同じ偏光光源装置62の前面に液晶セル30を配置し、さらにその前面に吸収型偏光フィルム41を積層して、液晶表示装置63が構成されている。図5における偏光光源装置62の構成は、図3と同じなので、それを構成する各部材の説明は、ここでは省略する。
【0073】
液晶表示装置に用いる液晶セル30は、透過光量をスイッチングするために、液晶を2枚の基板の間に封入し、電圧印加により液晶の配向状態を変化させる機能を有する装置である。2枚の基板のそれぞれ内側には、背面側透明電極31及び前面側透明電極32が配置され、それらの間に液晶層33が挟持されている。図示は省略するが、液晶セル30はこのほか、液晶層33を配向させるための配向膜、カラー表示であればカラーフィルター層なども有している。本発明において、液晶セル30を構成する液晶の種類やその駆動方式は特に限定されず、公知のツイステッドネマティック(TN)液晶やスーパーツイステッドネマティック(STN)液晶などが使用でき、また、薄膜トランジスタ(TFT)駆動方式、垂直配向(VA)方式、 In−Plane 駆動方式、光学補償ベンド(OCB)など、偏光を用いて表示を行うあらゆる方式に本発明を適用することができる。
【0074】
前面側吸収型偏光フィルム41については、先に本発明の積層偏光フィルムを構成する吸収型偏光フィルムの例として説明したのと同様のものを用いることができる。
【0075】
さらに、液晶セル30と前面側吸収型偏光フィルム41との間には、必要に応じて、光学補償フィルムを1枚又は複数枚挿入してもよい。この場合、光学補償フィルムの光学特性は、液晶セルに使用されている液晶の特性に合わせて選定される。この場合の光学補償フィルムは、空気層の介在による光のロスを防ぐために、隣接するフィルム、層又は液晶セルと、感圧接着剤により積層一体化されていることが望ましい。また、液晶セル30と前面側吸収型偏光フィルム41との間に光拡散層を積層してもよく、この場合は、先に積層偏光フィルムを構成する光拡散層の例として説明したのと同様のものを用いることができる。光学補償フィルムと光拡散層の両者を配置することもできる。液晶表示装置を構成する各部材、特に、積層偏光フィルム10から前面側吸収型偏光フィルム41に至るまでの各部材は、隣り合う少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されているのが好ましく、さらには、隣り合うすべての部材同士が感圧接着剤により密着積層されているのが一層好ましい。
【0076】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明の具体的な実施の形態を示すが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中で使用したフィルム及び各種材料は次のとおりである。
【0077】
(1)吸収型偏光フィルム
商品名“スミカラン SRW862A”:住友化学工業株式会社が販売するポリビニルアルコール/ヨウ素系吸収型偏光フィルム。なお以下では、この商品名のうち、“スミカラン”を省略して表示する。
【0078】
(2)反射型偏光フィルム
商品名“DBEF”:住友スリーエム株式会社が販売する多層積層フィルムからなる輝度向上フィルム。このフィルムは、ある方向の直線偏光を透過し、それと直交する方向の直線偏光を透過する。
【0079】
(3)光硬化性化合物
・商品名“ライトアクリレート PE−4A”:共栄社化学株式会社が販売するペンタエリスリトールテトラアクリレート。これは、1分子中にアクリロイル基を4個有する4官能化合物であり、分子量は352である。
・商品名“ライトアクリレート DPE−6A ”:共栄社化学株式会社が販売するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。これは、1分子中にアクリロイル基を6個有する6官能化合物であり、分子量は579である。
・商品名“ウレタンアクリレート UA−306H”:共栄社化学株式会社が販売するペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー。これは、1分子中にアクリロイル基を6個有する6官能化合物であり、分子量は765である。
・商品名“ライトアクリレート NP−A ”:共栄社化学株式会社が販売するネオペンチルグリコールジアクリレート。これは、分子中にアクリロイル基を2個有する2官能化合物であり、分子量は212である。
【0080】
なお、以下では、これらの商品名のうち、冠称の“ライトアクリレート”又は“ウレタンアクリレート”を省略して表示する。
【0081】
(4)光重合開始剤
商品名“ダロキュア 1173 ”:チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社が販売する2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン。
【0082】
(5)熱可塑性ポリマー
商品名“M−2000”:綜研化学株式会社が販売するポリアクリレート系樹脂であり、トルエンに、固形分濃度10±1重量%で溶解され、重量平均分子量は45万〜70万である。
【0083】
(6)粒子
・商品名“トスパール 145”:GE東芝シリコーン株式会社が販売するシリコーン球状粒子で、平均粒径は約4.5μmである。
・商品名“サイロホービック 200”:富士シリシア化学株式会社が販売するシリカ微粒子で、平均粒径は約1.8μmである。
【0084】
(7)帯電防止剤
トリアルキル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩が、ペンタエリスリトールとエタノールの混合溶剤に溶解したものを用いた。
【0085】
(8)感圧接着剤
住友化学工業株式会社から販売されている光学フィルムに使用されている感圧接着剤7番(例えば、片面感圧接着剤付き吸収型偏光フィルムである商品名“スミカラン SRW862AP7”の末尾の符号「7」が感圧接着剤のグレードを示す)を使用した。この感圧接着剤は、アクリル系感圧接着剤である。
【0086】
また、対照例及び実施例で作製した積層偏光フィルムは、以下の方法で評価した。
【0087】
(a)表面硬度
株式会社安田精機製作所製の鉛筆硬度試験機 No.553−M を用い、荷重を500gとした以外は JIS K 5600−5−4 「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」の規定に準じて、表面硬度の評価を行った。
【0088】
(b)ヘイズ率
スガ試験機株式会社製のヘイズコンピューター“HGM−2DP ”を用いて、ヘイズ率の測定を行った。
【0089】
(c)表面抵抗
三菱化学株式会社製の“ハイレタ UP MCP−HT450 ”を用いて、表面抵抗の測定を行った。
【0090】
対照例
反射型偏光フィルム“DBEF”と、両面に感圧接着剤7番が25μm 厚みで形成された吸収型偏光フィルム“SRW862A ”とを貼合して、積層偏光フィルムを作製した。この状態で、吸収型偏光フィルム“SRW862A ”の片面の感圧接着剤を利用してガラス板に貼合した。この積層偏光フィルムの反射型偏光フィルム“DBEF”面について表面硬度の評価を行ったところ、鉛筆硬度で2Bであった。また、同様にして作製したサンプルのヘイズ率を測定し、結果を表1に示した。さらに、このサンプルの反射型偏光フィルム“DBEF”面につき、印加電圧 1,000V、印加時間10秒の条件で表面抵抗の測定を試みたが、結果は表2に示したとおりで、測定装置の測定可能範囲を超える表面抵抗値であった。
【0091】
実施例1
100ccの樹脂製カップに、光硬化性化合物“PE−4A”を9.7g、光重合開始剤“ダロキュア 1173”を0.3g及びトルエンを10g入れて配合し、均一になるよう薬匙にて攪拌することで、保護コート用樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物は、固形分100重量部に対して、光硬化性化合物が97重量部、及び光重合開始剤が3重量部の割合となったものである。
【0092】
反射型偏光フィルム“DBEF”の片面両端に塗布厚調整用のテープ状ポリエチレンテレフタレートを重ね、その面に上記の樹脂組成物を流し、上からガラス棒でなぞることにより、樹脂組成物の膜を形成した。次いで70℃の乾燥オーブンに2分間投入し、溶剤を揮発除去した。乾燥皮膜側が紫外線照射面となるように、120W/cmの棒状高圧水銀ランプ(日本電池株式会社製、型式 HAL400NL 、発光長40cm)を有するコンベア式紫外線照射装置のコンベア上に、乾燥皮膜が形成された上記の“DBEF”を置き、コンベアを 0.5m/分で駆動させることにより、光硬化処理を行い、8μm 厚の保護層を形成させた。この保護層付き反射型偏光フィルムの、保護層が形成されていない側に、両面に感圧接着剤7番が25μm 厚みで形成された吸収型偏光フィルム“SRW862A ”を貼合し、積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作で表面硬度の評価を行ったところ、鉛筆硬度でFの値を示し、対照例に比べて表面硬度が上昇していた。
【0093】
実施例2
光硬化性化合物を“DPE−6A”に変更した以外は、実施例1と同一の操作で、保護層の厚みが9μm の積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作で表面硬度の評価を行ったところ、鉛筆硬度でFの値を示し、対照例に比べて表面硬度が上昇していた。
【0094】
実施例3
光硬化性化合物を“UA−306H ”に変更した以外は、実施例1と同一の操作で、保護層の厚みが6μm の積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作で表面硬度の評価を行ったところ、鉛筆硬度でFの値を示し、対照例に比べて表面硬度が上昇していた。
【0095】
実施例4
100ccの樹脂製カップに、光硬化性化合物“DPE−6A”を5.0g 、熱可塑性ポリマー“M−2000”を47.0g、光重合開始剤“ダロキュア 1173”を0.3g 及びトルエンを10g入れて配合し、保護コート用樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物は、固形分100重量部に対して、光硬化性化合物が約50重量部、熱可塑性ポリマーが約47重量部、及び光重合開始剤が約3重量部の割合となったものである。この樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同一の操作で、保護層の厚みが9μm の積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作で表面硬度の評価を行ったところ、鉛筆硬度でFの値を示し、対照例に比べて表面硬度が上昇していた。
【0096】
比較例1
光硬化性化合物を“NP−A”に変更した以外は、実施例1と同一の操作で保護コート用樹脂組成物を作製し、実施例1と同一条件で紫外線照射を行ったところ、最表面が硬化せず、液状のままであった。
【0097】
実施例5
100ccの樹脂製カップに、光硬化性化合物“PE−4A”を8.0g、シリコーン微粒子“トスパール 145”を1.7g、光重合開始剤“ダロキュア 1173”を
0.3g 及びトルエンを20g入れて配合し、保護コート用樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物は、固形分100重量部に対して、光硬化性化合物が80重量部、シリコーン微粒子が17重量部、及び光重合開始剤が3重量部の割合となったものである。この樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同一の操作で、保護層の厚みが12μm の積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作でヘイズ率の評価を行った。結果を表1に示した。シリコーン微粒子の添加により拡散性能が発現している。
【0098】
実施例6
100ccの樹脂製カップに、光硬化性化合物“PE−4A”を8.0g、シリカ微粒子“サイロホービック 200”を1.7g、光重合開始剤“ダロキュア 1173”を
0.3g 及びトルエンを20g入れて配合し、保護コート用樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同一の操作で、保護層の厚みが11μm の積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、対照例と同一の操作でヘイズ率の評価を行った。結果を表1に示した。シリカ微粒子の添加により、拡散性能が発現している。
【0099】
【表1】
Figure 2004240087
【0100】
実施例7
実施例1で作製した積層偏光フィルムの保護層上に、帯電防止剤トリアルキル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩溶解液を均一に塗布し、風乾して溶剤を揮発除去することで、帯電防止剤層付き積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、印加電圧100V、印加時間10秒の条件で表面抵抗の評価を行い、結果を表2に示した。帯電防止剤の塗布により、表面抵抗値が大きく低下した。
【0101】
実施例8
実施例5で作製した積層偏光フィルムの保護層上に、帯電防止剤トリアルキル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩溶解液を均一に塗布し、風乾して溶剤を揮発除去することで、帯電防止剤層付き積層偏光フィルムを作製した。それを用いて、印加電圧100V、印加時間10秒の条件で表面抵抗の評価を行い、結果を表2に示した。帯電防止剤の塗布により、表面抵抗値が大きく低下した。
【0102】
【表2】
Figure 2004240087
【0103】
【発明の効果】
本発明の積層偏光フィルムは、耐擦傷性に優れており、また必要に応じて、付加機能、例えば、拡散性能、帯電防止性能、半透過半反射性能、防汚性能などを付加することができる。したがって、これを組み込んだ偏光光源装置は、取り扱い性に優れ、表示品位も良好であり、また耐久寿命の長いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層偏光フィルムの基本的な層構成の例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の積層偏光フィルムに付加機能層を追加した場合の層構成の例を示す断面模式図である。
【図3】偏光光源装置の層構造の例を示す断面模式図である。
【図4】導光板の形状例を示す側面図である。
【図5】液晶表示装置の層構造の例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
10……積層偏光フィルム、
21……吸収型偏光フィルム、
22……反射型偏光フィルム、
23……保護層、
24……透明フィルム、
25……帯電防止層、
26……防汚層、
30……液晶セル、
31,32……透明電極、
33……液晶層、
41……前面側吸収型偏光フィルム、
51……光源、
52……導光板、
53……反射フィルム、
54……反射鏡、
55……拡散シート、
56……レンズシート、
61……光源装置、
62……偏光光源装置、
63……液晶表示装置。

Claims (15)

  1. 吸収型偏光フィルムと、反射型偏光フィルムと、分子中に少なくとも3個のアクリロイル基を有する分子量300〜2,000 の化合物を含有する樹脂組成物に活性光線を照射してなる保護層とが、積層一体化されていることを特徴とする積層偏光フィルム。
  2. 保護層は、反射型偏光フィルムに直接形成されている請求項1に記載の積層偏光フィルム。
  3. 保護層は、面内位相差値が30nm以下の無色透明なフィルム上に形成され、その状態で反射型偏光フィルムに積層されている請求項1に記載の積層偏光フィルム。
  4. 保護層は、その厚みが3〜20μm の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  5. 保護層を形成する樹脂組成物は、その固形分100重量部中、1〜50重量部が熱可塑性ポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  6. 保護層を形成する樹脂組成物は、その固形分100重量部中、1〜50重量部が粒経10nm〜20μm の粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  7. 保護層を形成する樹脂組成物は、その固形分100重量部中、 0.1〜10重量部が帯電防止剤である請求項1〜6のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  8. 保護層の外側に帯電防止層が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  9. 保護層の外側に半透過半反射層が形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  10. 保護層の外側に反射防止層が形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  11. 保護層側の最外層に防汚層が形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  12. 側面に光源を有する導光板と、該導光板の背面に配置された反射フィルムと、該導光板の前面に配置された請求項1〜11のいずれかに記載の積層偏光フィルムとを備えることを特徴とする偏光光源装置。
  13. 導光板と積層偏光フィルムの間に拡散シートが挿入されている請求項12に記載の偏光光源装置。
  14. 導光板と積層偏光フィルムの間にレンズシートが挿入されている請求項12又は13に記載の偏光光源装置。
  15. 請求項12〜14のいずれかに記載の偏光光源装置の前面に、液晶セル及び吸収型偏光フィルムがこの順に積層されてなることを特徴とする液晶表示装置。
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