JP2004237179A - 微量粉末物質を液体に混合する方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉末を気流と共に搬送し、噴出口から混合気流として噴射するとともに、その周囲に設けた液噴出口から液体を噴射して噴霧流を形成し、液面もしくは壁面に向けて噴射し効率よく混合させる。粉末流は真空エジェクタ等による供給搬送手段で気流と共に噴出口に送り分散噴出させ、液体は微少孔から圧力をかけて微粒化噴霧して粉末流を包み込みながら衝突混合させる。混合する粉体量は、粉体の搬送用気体の調整弁で流量をコントロールすることによって調整できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的微量の粉末状物質を比較的多量の水等の液体に効率よく混合させる方法及び装置に関し、液体中に投入されたとき固まりになりやすい粉末を平均的に分散させ、もしくは溶けやすくする場合に用いられる。
【0002】
【従来の技術】液体に粉末状の薬剤等を混合撹拌して溶解もしくは懸濁状態で使用することは、種々の分野で使用され多くの方法が用いられている。一般的には撹拌の手段により十分な混合を行うことができるが、そのための装置や作業が伴い、必ずしも効果的では無い。
【0003】
また粉末の多くは液体に投入したときに液体の表面張力によって固まりやすく、混合溶解しにくい原因を有している。効率よく混合させる手段として粉末自体を混合する液体に溶けやすい状態例えば顆粒状に吸液性を高める等の方法も採られるが、製造コストの増加が工業的に採用し得ないこともあり、使用者側にその対応が預けられている。
【0004】
更に溶解した液体での供給が考えられるが、流通、保管の問題から粉末での使用は避けられないのが現状であり、使用時に液体に混合させて使用するものが少なくない。したがって使用者側が取り扱う際に、都度十分な撹拌混合の作業を実施する面倒が発生する。特に大量の液体に対して微量の粉末を投入して均一に分散もしくは溶解等によって混合する作業は大きな負担になっている。
【0005】
近年有害物質を含む廃棄物の処理は必須の事項であり、多くの製造業をはじめとする作業現場では処理装置が導入され、その処理には水を使用したものが多く使用されている。更に処理の効果を上げるために薬剤を投入して使用する場合も多く有る。有機化合物を含む塗料のミスト捕集処理に使用される塗装用ブースもその一例であり、水で塗料ミストを捕捉し水中に取り込んで回収する構成となっている。塗料には種々の成分が有るが水中に取り込まれた塗料のカス、スラッジが装置の壁面などに付着しないように水中に処理剤を投入混合させてスラッジを不粘着性として、処理を容易にする方法が採られている。
【0006】
前記の塗装ブースの場合使用する水に対して0.15%の粉末薬剤を混合させるため全体に混合させるのに十分な撹拌が必要となり、時間をかけるか、撹拌装置そのものを大量の液体に合わせたものとする等の対応が要求される。したがって多くの方法として予め少量の液体に粉末を投入し十分な撹拌等の手段を用いて平均した混合液を作り、その高濃度混合液を大量の液体に投入して容易に混合できる状態を作り出している。
【0007】
しかしながら粉末と水との混合は難しく、数回に分けて粉末を投入しながら撹拌羽根による自動回転撹拌装置で撹拌しても、豆粒状のかたまりが発生し易く撹拌には長時間を要するのが実態である。
【0008】
更に使用と共に薬剤は塗料と混合して消耗するために使用量に応じて、定期的な補給が必要になってくる。このため助動的に補給することも必要であり、この場合は既に薬剤が混合された大量の液中にわずかの粉末を補給することになり、投入した粉末が固まりを起こしやすく、前述の方法を使用するのに手間がかかる他、自動的に補給するのが難しくなっているのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の通り噴霧塗装の現場を一例として、水を使用した処理の分野において多くが薬剤を使用しているが、全体のシステムとして水処理装置を備える場合は、混合装置やその後の補給時における自動化が必要不可欠の設備として要求される。また前述の塗装用ブースの如く処理装置単体の使用においては人手による補給やメンテナンスでの対応も可能であるが、前記の如く手間をかけずに自動的に補給を可能にする安価な方法が望まれる。
【0010】
本発明は安価で簡単な方法により微量粉末を大量の液体中に効率よく混合させることができ、補給する時も即座に分散混合ができ、自動的に補給することも容易可能な装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の課題を解決するために、混合する粉末を搬送気体により混合流動状態で供給して噴出させ、その噴出口の周囲に配置した噴霧口より混合する液体を噴出し、そのまま液面もしくは壁面に向けて噴射させて粉末気流と液体噴霧流を混合させることによって、微量の粉末と液体を混合させるものである。これによって広い範囲に微量の粉末を液体と共に分散接触させ、液体との衝突により確実に混合させることができるものである。
【0012】
具体的には、液体と比較的少量の粉末を混合する装置として、粉末噴出口とその周囲に液体噴霧口を配置した混合器本体を混合液が収容される区域内に配置し、前記の粉末噴出口には、圧縮気体の噴出流に吸引されてた粉末を搬送気流と共に供給する粉末供給装置の粉末出口を接続し、前記液体噴霧口には液体圧送手段の吐出口と接続して混合する液体を噴出する。粉末供給装置は粉末吸引部と粉体流動手段を備え、粉末貯留槽に組み込まれる。
【0013】
また適量の粉末を効果的に混合するため、粉末供給装置の粉末出口と混合器の噴出口の間にエジェクタ装置を配置し、そのエアーノズルに調整された圧縮空気を供給して粉末の搬送速度を加速し、噴出量を調整する。
更に液体噴霧口は粉末噴出口の周囲に開けられた多数の小孔を形成することによって、安定して微量粉末に対して液体の初期混合を促進し、貯留する液体中に分散して直ちに平均した混合が行われる。
【0014】
混合器は空気と共に適量が中心部より噴出し、その周囲に設けた液体の噴霧口からは霧状に液体を噴霧する。したがって空気の流れに分散状態を保ちながら噴出する粉末に対して霧状の液体、水がそれぞれの粉末粒子を包み込むように全体が混合状態となり処理室内に噴出される。周囲から噴霧状態で噴出する水等の液体は粉末粒子の噴出に制限をかける背圧となるため粉末通路中にエジェクタ装置を配し、調整された圧縮空気をエアーノズルに供給して搬送される粉末を加速すると共に供給量の調整を可能とする。
【0015】
これらによって微量の粉末を適量の液体で効率よく混合できるが、更に処理室内に噴霧することで壁面もしくは貯留された水面に当たり、適度に分散された状態を維持して広範囲に貯留液中に補給される。したがって短時間に貯留液全体に混合が行われることになる。これらの噴出混合制御はコントローラにより適量が望ましい間隔で自動的に補給されるように制御される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施する上での主な構成を示し、処理用液体を収容する処理室1内に混合器2が設置されている。該混合器2は、処理室1内において貯留された水槽11の液面もしくは壁面に向けて噴射され、噴射混合液は下部の水槽に補給される。混合器の構成は図2に断面を示すが中心部に粉末を噴出する噴出口3をもち、その周囲に液体を噴出する噴霧口4を備えている
【0017】
噴出口3は外部に設けた粉体供給装置5からの粉末が供給ホース6を経て搬送用圧縮空気と共に供給される。粉体供給装置5は粉末を流動化させる機構を有し、圧縮空気の供給により吸引されやすくすると共にエジェクタ等の吸引圧送手段が一体的に構成されている。この種の粉体供給装置は既に各種の装置が実用化されているが、本出願人による特開2002−18327に示す装置でも良く、自動的に補給を行う場合の有利性では空気供給制御によって粉体の供給量が制御できることが望ましい。
【0018】
本発明の場合、粉体供給装置5と混合器2の間にエジェクタ9を設け、前記噴出口3からの粉体の噴出力と流量を調整できるように構成している。該エジェクタ9はエアノズル10の噴出気流による負圧吸引を行う装置として用いられるもので、吸引部に前記粉体供給装置5からの供給ホース6が接続され、粉末混合気流が供給される。
エアノズル10には、圧縮空気源16より減圧弁17を経て調節弁12によって調節された圧縮空気が送りこまれ、液体の噴霧力に応じた調節弁12の調節により噴出口3からの噴出量を調整することができる。
【0019】
一方液体の噴霧口4には使用する液体の供給を行う供給装置7が液体ホース8を介して接続される。供給装置7は加圧タンク方式やポンプ式など供給量を制御できる装置が用いられ、水道水を使用する場合は、自動補給が可能で有れば更に望ましい。したがって供給ポンプの方式で、貯水タンクを解放式とすれば、ボールタップ等の給水制御装置を用いることで簡単に水量の自動補給管理が可能となる。図1の例では圧縮空気による加圧容器の方式で圧送供給されている。
【0020】
流量調節弁13は供給水量を調節するために設けられるが、供給装置7での制御が可能で有れば必ずしも必要としない。混合器2から粉末を噴出する場合に周囲の噴霧口4から噴出する液体の噴霧量が多く、強い場合は、粉末の噴出が押さえられ、必要な粉末の噴出ができないが、エジェクタ9によって粉末の噴出圧力、噴出量が調整され適量の噴出を行うことができる。
【0021】
上記の通り粉末の噴出量制御は、粉体供給装置からエジェクタを介して送り込まれる粉末供給量と供給装置7から混合器2への液体供給量によって異なり、補給量の制御は、これらの流量制御と共に補給の時間をコントロールする方法が用いられる。一般的には電磁弁20等を用いて決められた流量を決められた時期に、決められた時間供給し、噴霧するようにプログラム制御される。
【0022】
【実施例】
図2は混合器の1実施例を示す断面図で本体21、噴出ノズル22、噴霧口4、液体流入口23を有している。図3は正面図で噴霧口4が噴出口3の周囲に円周上に設けられた円孔から成っている状態を示している。本例では0.4mmの円孔が円周上に24個配列してあるが、これに限定されるものではない。例えば円周上にスリット孔を設けて噴霧させることでも可能である。
【0023】
粉末の噴出口3は内径5mmで、1分当たり200から800gの粉体を噴出、液体の噴霧量は約1リットル毎分程度としている。補給はその量によって定められる間隔と補給時間によって管理され、実施例ではコントローラ15によりそれぞれの通路を開閉する電磁弁20の開閉をタイマーによって制御することで可能となる。これらの時間及び粉末、液体の供給量は状況によって変更されることは当然のことである。
【0024】
処理室1を水洗方式の塗装室にした場合、塗料ミストの処理に使用される循環処理水に薬剤を添加して捕集した塗料ミストを不粘着化し、内壁面等への付着を防止して処理を簡便にすることができる。粉末状の薬剤補給は処理装置の使用に応じて随時行われるが、本例ではコントローラによって塗料ミストを捕集する水洗シャワー室に、30分毎に20秒間自動的に補給され、直ちに分散混合されて撹拌等の作業も必要なく継続して連続使用が可能となった。
【0025】
【発明の効果】
以上の通り本発明によれば微量の溶けにくい粉末を大量の液体に対して混合する場合に簡単に混合できるため、予め少量の液体に混合して大量の液体に混合し易くする等の手間がかからず、混合のために長時間の作業をする必要も無く、自動的に補給することが容易に可能となった。
【0026】
また粉末の固まりを形成して十分な混合が出来ないことにより、本来得られるべき必要な機能を損なうこともなく、その効果を最大限に発揮できるため、例えば塗装ブースの塗料ミストによるスラッジ回収処理を容易にし、保守の容易化、装置維持管理向上に大きな効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に使用する混合器一例を示す断面図である。
【図3】図2の混合器の正面図である。
【符号の説明】
1 処理室
2 混合器
3 噴出口
4 噴霧口
5 粉体供給装置
6 供給ホース
7 供給装置
9 エジェクタ
10 エアーノズル
12 調整弁
13 流量調整弁
15 コントローラ
20 電磁弁
Claims (4)
- 搬送気体により混合流動状態で供給される粉末を噴出させ、その噴出口の周囲に配置した噴霧口より混合液を噴出し、液面もしくは壁面に向けて噴出し粉末気流と液体噴霧流を混合させて微量の粉末と液体を混合させる方法。
- 液体と比較的少量の粉末を混合する装置であって、粉末噴出口とその周囲に液体噴霧口を配置した混合器本体が混合液を収容可能な域内に配置され、前記粉末噴出口には、粉体流動手段を備え粉末を搬送気流と共に粉末を供給する粉末供給装置の粉末出口を接続し、前記液体噴霧口には液体圧送手段の吐出口と接続してなる微量粉末の液体混合装置。
- 粉末噴出口と粉末供給装置の粉末出口との間にエジェクタ装置を配置し、該エジェクタ装置のエアーノズルに調整された圧縮空気を供給してなる請求項2の液体混合装置。
- 液体噴霧口は粉末噴出口の周囲に開けられた多数の小孔からなる請求項2及び3の液体混合装置。
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