JP2004236030A - ネットワーク状況に基づくポリシー適用方式及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク状況に基づくポリシー適用方式及びそのプログラムに関し、ネットワーク運用ポリシーを、ネットワーク運用状況に応じて最適なものに自動的に修正し、ネットワーク全体のサービス品質を確保するとともに、ネットワーク管理者の負担の軽減を図る。
【解決手段】ネットワークを監視するポーリング手段302及びトラップ手段303と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段103と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段101と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段102と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段204と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワークを監視するポーリング手段302及びトラップ手段303と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段103と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段101と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段102と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段204と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク状況に基づくポリシー適用方式及びそのプログラムに関し、特に、IP(Internet Protocol )ネットワークやMPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワーク等のネットワーク運用状況に基づいて、通信サービスの品質や優先度等について、最適なネットワーク運用ポリシーを適用するポリシー適用方式及びそのプログラムに関する。
【0002】
近年のインターネットへのアクセス方式として、ADSL(Asymmetric Digital Line )やFTTH(Fiber To The Home )等のようなブロードバンド・アクセス方式が一般的となってきている。ブロードバンド・アクセス方式の普及により、VOD(Video On Demand )やライブ放送等に代表される広帯域情報サービス、或いはVoIP(Voice over Internet Protocol)やインターネット電話等に代表される双方向音声通信サービス等の要求も高まり、キャリア、ISP(Internet Services Provider)、IDC(Internet Data Center)等が、それらのサービス提供を開始している。その結果、ネットワーク内を流れるトラヒック量が飛躍的に増加しつつある。
【0003】
上述のようなトラヒック量の増加により、インターネットを構成するネットワーク機器に対する処理負荷が高くなり、ネットワーク内でのパケットの転送遅延や破棄が発生し、サービス品質を劣化させる要因になっている。そこで、広帯域情報サービスや双方向音声通信サービス等を提供するキャリア、ISP、IDC等は、サービス利用者に対して安定したサービス品質を提供するためのネットワーク運用手段を講ずることが要求されている。
【0004】
【従来の技術】
安定したサービス品質を提供するための従来の技術として、(1)MPLSネットワーク、(2)ネットワーク管理サーバ及び(3)ポリシーサーバについて以下に説明する。
【0005】
(1)MPLSネットワークについて
MPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワークは、MPLS技術を備えたネットワーク機器で構成されるネットワークであり、コネクションレスなIPネットワークにおいて、IETF(Internet Engineering Task Force )が標準化を進めているラベルスイッチング方式によりパケットを転送することで、コネクション指向ネットワークを構築することができる。
【0006】
本来、ネットワーク機器(ルータ)が他のネットワーク機器から受け取ったパケットを別のネットワーク機器に転送する際には、ルーティング(経路選択)情報としてIPヘッダを利用するが、MPLSではこのIPヘッダの代わりに「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別子を利用する。
【0007】
ネットワークの入口に存在するネットワーク機器(エッジルータ)にパケットが到着すると、該ワーク機器(エッジルータ)は該パケット内の経路情報にラベルを付加して、次のネットワーク機器に転送する。次のネットワーク機器は、該パケットに付加されているラベルを参照して、該パケットをどのネットワーク機器に転送すべきかを判断し、適切な転送先に該パケットを送出する。外部ネットワークへの出口に存在するネットワーク機器(エッジルータ)は、到着したパケットからラベルを取り除き、外のネットワーク機器へ転送する(図59「MPLSネットワークにおけるパケット転送方式」参照)。
【0008】
MPLSネットワークにおいては、ネットワークの入り口から出口までの経路をLSP(Label Switched Path )として取り扱うことができ、トラヒックフローに対して明示的な経路を設定することができる。つまり、トラヒックフローをネットワーク内の経路に効率よく割り当てることにより、ネットワーク機器に対する負荷を抑制することができ、ネットワーク内でのパケットの転送遅延や破棄を減少させ、サービス品質の劣化を防ぐことができる。
【0009】
(2)ネットワーク管理サーバについて
インターネットを構成するネットワーク機器は年々増加する一方で、ネットワークのシステムダウンの影響は他社や取引先に広がり、ついには顧客の信頼を損ってしまうことになることから、ネットワークのシステムダウンはますます許されない状況となっている。ネットワークの安定運用に欠かせない手段がネットワーク管理サーバである。
【0010】
ネットワーク管理サーバは、接続形態の構成図の表示、障害箇所の特定、ネットワーク機器からのイベントの表示、ネットワーク機器の動作状態及びトラヒックの過負荷等のリアルタイム監視、グラフ表示、閾値との比較等によるトラヒック負荷やパケットロスの状態監視等を、SNMP(Simple Network Management Protocol)/MIB(Management Information Base )/RMON(Remote network MONitoring )等の技術を用いて一元管理を行う。
【0011】
ネットワーク管理サーバのシステム動作としては、ネットワーク管理サーバが、ネットワーク機器に実装されたエージェント全てに対して、ある一定の頻度で管理情報の問い合せを行い、該問い合せを受けたエージェントは、それまでに収集した管理情報をネットワーク管理サーバに対して報告を行う。
【0012】
ネットワーク管理サーバは、収集した管理情報に基づいて、全エージェントの動作状態等を表示し、或いは障害のあったエージェントからの管理情報をアラームとしてネットワーク管理者へ通知する等の管理を行う(図60「ネットワーク管理サーバの動作概要」参照)。前述したMPLSネットワークにおいて、ネットワーク管理サーバに対する機能要求として、MPLSにおけるラベルの管理、ラベルによる転送経路の管理、及び経路毎のトラヒック管理等がある。
【0013】
図62にネットワーク管理サーバの構成を示す。ネットワーク管理サーバは、ネットワークトポロジー情報、性能情報、障害情報、課金情報、セキュリティ情報等の各種情報を保持するネットワーク管理データベース62−1を備え、ネットワークトポロジー管理手段62−2を介してネットワーク構成図を表示し、監視情報管理手段62−3を介して、性能情報、障害情報、課金情報、セキュリティ情報等をネットワーク構成図とマッピングして表示するネットワーク管理者のためのユーザインタフェース手段62−4を具備する。
【0014】
また、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段62−4を介して、ネットワークにおいて監視するポイントの設定が可能で、設定された情報は、監視ポイント設定手段62−5に渡され、性能情報や課金情報、セキュリティ情報は、周期的に動作するポーリング手段62−6に渡され、ポーリング手段62−6は、一定周期で、ネットワークからSNMP/MIB/RMONを介して、ネットワーク管理者が必要とする情報を収集する。また、障害情報は、障害が発生した際に、ネットワークからアラーム情報を取り込むようにトラップ手段62−7を設定し、障害発生時に障害情報をトラップ手段62−7が収集する。
【0015】
(3)ポリシーサーバについて
インターネットを構成するネットワーク機器は、年々増加する一方で、ネットワーク管理者は、数多く存在するネットワーク機器に対して、ネットワーク全体で矛盾なくユーザに所定のサービス品質を提供するための設定を行う必要がある。ネットワーク管理者の設定作業の負担を軽減し、また、個々のネットワーク機器に対する設定ミスや設定の不整合を防止するために使用されるのがポリシーサーバである。
【0016】
ポリシーサーバは、ネットワーク管理者が各種ネットワーク運用ポリシーを設定すると、該設定されたポリシーをネットワーク内に存在する個々のネットワーク機器の設定に自動的に反映させるものである。管理対象となるネットワーク機器としては、ルータ、LANスイッチ等のネットワーク機器が対象となる。
【0017】
ネットワーク運用者が設定する各種ネットワーク運用ポリシーとは、条件(Condition )とそれに対応する作動(Action)とにより構成されるポリシールールである。ポリシーサーバは、個々のネットワーク機器に対して、COPS(Common Open Policy Service)やCLI(Command Line Interface)等の技術を用いてポリシー情報を一括配信すると共に、各種運用ポリシーの一元管理を行う(図61「ポリシーサーバの動作概要」参照)。
【0018】
ポリシーサーバの標準化動向を以下に示す。ポリシー情報を個々のネットワーク機器に配信するためのプロトコルであるCOPSは、IETFのRSVP Access Protocol(RAP) Working Group で標準化作業が行われており、ポリシー情報を蓄積・格納する手法であるDEN(Directory−Enabled Network )は、DMTF(Distributed Management Task Force )で標準化が行われ、更に、ポリシー情報伝送用のプロトコルであるPIB(Policy Information Base )については、DMTFでDENと連携して標準化が行われている。各種運用ポリシーについては、PIBにおけるPCIM(Policy Core Information Model )で定義されており、また、サービス品質については、PIMにおけるQPIM(QoS Policy Information Model)により定義されている。
【0019】
前述のMPLSネットワークにおいて、ポリシーサーバに対する機能要求として、MPLSにおけるラベルにより転送される経路に対するポリシー作成・管理・適用機能等がある。更に、サービス品質の劣化を防ぐという観点では、障害時の経路の切り替え、経路毎のトラヒック流入制御等といった機能要求がある。
【0020】
ポリシーサーバにおいて作成されるポリシーは、条件(Condition )と作動(Action)との組み合わせにより構成されるルールであるが、従来のポリシーサーバで設定される条件(Condition )とは、送信元のIPアドレスとサブネットマスク及びポート番号、並びに送信先のIPアドレスとサブネットマスク及びポート番号、等のパケットのヘッダ情報を条件(Condition )として用い、或いはポリシーを適用する時間帯を条件(Condition )としたポリシーサーバが一般的である。
【0021】
これらのポリシー情報は、予めネットワーク管理者が、ネットワークの運用指針を決定し、該指針に従って作成される。例えば、ネットワーク管理者が、部門A(部門Aに割り当てられたIPアドレスが、10.10.10.1〜10.10.10.254)から部門B(部門Bに割り当てられたIPアドレスが、10.10.20.1〜10.10.20.253)へのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保しようとした場合、ポリシーサーバで作成するポリシーの条件(Condition )としては、送信元IPアドレスを10.10.10.0とし、送信元サブネットマスクを255.255.255.0とし、送信先IPアドレスを10.10.20.0とし、送信先サブネットマスクを255.255.255.0として作成される。
【0022】
そして、ポリシーの作動(Action)として、50Mbpsの帯域幅を確保する設定情報を個々のネットワーク機器に一括配信する。更に、時間的要因を有するポリシーを適用し、時間帯を条件(Condition )として追加した場合は、部門Aから部門Bへのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保する時間帯を条件(Condition )として設定されることとなる。例えば、午前8時から午後5時までといった時間帯が条件(Condition )として追加設定される。
【0023】
図63にポリシーサーバの構成を示す。従来のポリシーサーバは、ネットワークトポロジー情報やポリシー情報を保持するポリシー管理データベース63−1を備え、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段を63−2介して、ネットワークトポロジー管理手段63−4で管理するネットワーク構成図を表示することができ、そして、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段63−2を介して、ポリシーの作成、変更、削除を行うことができる。
【0024】
ポリシーの作成、変更、削除を行った際には、それら情報がポリシー管理手段63−3に渡されて、ポリシー管理データベース63−1に格納される。そして、ネットワーク管理者は、作成したポリシーを適用する旨を、ユーザインタフェース手段63−2を介して行うと、該ポリシーの適用要求がポリシー管理手段63−3を経由し、ポリシー適用手段63−5に渡され、ポリシー適用手段63−5は、COPS又はCLIを介して、該ポリシーに従ったネットワーク制御を行う。
【0025】
また、ポリシー作成時に、適用する時間帯を指定することも可能で、その指定を行った場合は、ポリシー管理手段63−3が自動的にポリシー適用の時間帯となったとき、ポリシーの適用要求をポリシー適用手段63−5に渡し、ポリシー適用手段63−5は、COPS又はCLIを介して、該ポリシーに従ったネットワーク制御を行う。
【0026】
なお、本発明に関連する先行技術として、ラベルスイッチネットワークシステムに関する技術が下記の特許文献1に記載されている。該文献に記載されたラベルスイッチネットワークシステムは、MPLSネットワークなどのラベルスイッチネットワークにおけるトラフィックエンジニアリングに関する各種サービスを実現するとき、各ノードにおける処理コスト及び処理時間の削減などを図るため、ラベルに基づいてIPフロー対応のIPパケットを転送するラベルスイッチネットワークの入口に配置され、IPパケットのヘッダ情報またはペイロード情報を参照して、IPパケットを転送するためのレイヤ2パスを選択・設定する第1のノードと;ネットワークの中継箇所に配置され、ネットワークの入口から出口までのレイヤ2パスを、指定された経路で設定する複数の第2のノードと;ネットワークの出口に配置された第3のノードと;ユーザ要求又はネットワークの状態変化が生じた場合、ポリシ制御プロトコルに則って、第1のノードにレイヤ2パスの設定を指示するとともに、第1のノード、第2のノード及び第3のノードを集中的に制御するポリシサーバとを備えたものである。
【0027】
【特許文献1】
特開2001−251343号公報
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
前述した運用ポリシーは、事前にネットワーク管理者が決定したネットワークの運用指針を基に作成されたものであるので、実際にネットワークが運転され始めると、様々なユーザが様々なアプリケーションを利用して通信を行うため、事前に作成された運用ポリシーが有効的なポリシーとして適用されるとは限らなくなり、ネットワーク管理者が、実際のネットワークのトラヒック量又はパケットロス率等を測定し、それらをフィードバックしてして適用ポリシーを修正する必要が生じる。
【0029】
例えば、部門Aから部門Bへのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保する運用ポリシーをネットワークに対して行ったために、部門Cや部門Dから部門Bへの通信に対するパケットロス率が高くなるようなことが発生した場合には、部門Cから部門Bへのサービス品質や部門Dから部門Bへの帯域幅を確保するポリシーを追加したり(適用ポリシーの追加)、部門Aから部門Bへのトラヒックが実際は50Mbpsも必要としない場合は、部門Aから部門Bへのサービス品質として割り当てた帯域幅を50Mbpsから25Mbpsへ変更する必要がある(適用ポリシーの変更)。
【0030】
更には、部門Bへのサービス品質として、帯域幅の確保が難しい状態であった場合(例えば、部門Bへのアクセスが複数の部門から同時に発生する場合等)、部門Bへのサービス品質に対し、帯域幅を確保する運用ポリシーから、優先制御を行う運用ポリシーへ差し替える必要がある(適用ポリシーの差し替え)。優先制御の代表例として、DiffServ(Differentiated Service)がある。DiffServは、IETFで検討が進められているスケーラブルな通信品質保証を実現する技術である。
【0031】
つまり、ポリシーサーバを有効的に機能させるためには、ネットワーク管理者は、ネットワーク管理サーバ等を用いて、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集し、実際のネットワークの運用状況を把握し、適用されているポリシーが有効的なポリシーとして適用されているかどうかをチェックし、随時、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替え等が必要となる。
【0032】
しかしながら、様々なユーザが様々なアプリケーションを利用することを前提に、数多く作成された運用ポリシーの中から、実際のネットワークの運用状況に応じて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシー変更、差し替えをネットワーク管理者が行うことは非常に困難である。
【0033】
よって、本発明が解決しようとする第1の課題は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを最適に行わないと、ネットワーク全体のサービス品質を劣化させてしまうという問題があり、それを解決することである。
【0034】
次に、MPLSネットワークにおける課題について述べる。現状のMPLSネットワークを構成するネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能としての代替経路選択機能は、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前にネットワーク機器に設定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すものである。
【0035】
しかしながら、前述のネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に既に多量のトラヒックが流れていても、又はパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前に設定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すため、更なるサービス品質劣化を引き起こしてしまうことがある。
【0036】
事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)としては、障害時にしかトラヒックを流さないという設定をしておくことも可能であるが、このような設定はネットワーク機器の過剰設備を前提とすることになり、ネットワークに対する導入費用が高価なものとなってしまう。
【0037】
よって、本発明が解決しようとする第2の課題は、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、事前に設定した代替ラベルスイッチトパス(LSP)に既に多量のトラヒックが流れ、又はパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによってサービス品質を劣化させてしまうという問題を解決することである。
【0038】
更に、現状のMPLSネットワークにおいて、トラフィックエンジニアリングとして、マルチパスによるトラヒックのロードバランシング方式の技術が存在するが、この技術はMPLSネットワークに流れるトラヒックを負荷分散させ、ネットワーク・リソースを効率良く使う技術ではあっても、ネットワーク・リソースを全て使い切った場合には、その有効性を発揮することができない。
【0039】
また、MPLSネットワーク上に流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上に流れるトラヒック)に対して、一様に負荷分散を行うため、ネットワーク利用者毎に差別化したサービスを提供することが難しく、キャリア、ISP等のネットワーク・インフラストラクチャを提供する事業者にとっては、各ネットワーク利用者の個々の要求に沿ったサービスを提供することができない。
【0040】
よって、本発明が解決しようとする第3の課題は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合、ネットワーク利用者は、一様にサービス品質の劣化を受けてしまい、各ネットワーク利用者毎の要求に合ったサービスを提供することができないという問題があり、それを解決することである。
【0041】
最後に、MPLSネットワークにポリシーサーバを導入した場合を考えてみると、MPLSネットワークにおけるラベルによりフォワーディングされる経路(ラベルスイッチトパス)に対するポリシー作成・管理・適用を行う機能を実現する必要がある。
【0042】
MPLSネットワークにおけるポリシーの条件(Condition )としては、ラベルスイッチトパス(LSP)上に存在するネットワーク機器のポート障害に対するポートの指定や、ラベルスイッチトパス(LSP)毎のトラヒック流入制御対象となるトラヒック・フローの指定等が必要であり、ポリシーの作動(Action)としては、指定ラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えや、ラベルスイッチトパス(LSP)毎の指定トラヒック・フローに対する通過/非通過を制御する流入制御の指示等が必要となる。
【0043】
しかしながら、MPLSネットワークにおけるポリシーサーバにおいて、前述のポリシーを作成し、ポリシーの適用を行っても、以下の課題が残る。MPLSネットワークにおける障害保護(Protection)ポリシーの条件(Condition )として、ラベルスイッチトパス(LSP)上に存在するネットワーク機器の障害ポートのポート番号を指定し、作動(Action)として、指定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えを行うことを指示するポリシーを作成し、該ポリシーをネットワークに適用しただけでは、前述の本発明が解決しようとする第2の課題と同じ問題が残る。
【0044】
また、MPLSネットワークにおけるトラフィック制御(Traffic Control )ポリシーの条件(Condition )として、ラベルスイッチトパス(LSP)毎のトラヒック流入制御対象となるトラヒック・フローを指定し、作動(Action)として、ラベルスイッチトパス(LSP)毎の指定トラヒック・フローに対する通過/非通過を制御する流入制御の指示を行うポリシーを作成し、該ポリシーをネットワークに適用しただけでは、流入制御によるネットワーク運用状況のフィードバックを行っていないことになるので、前述の本発明が解決しようとする第1の課題と同じ問題がMPLSネットワークにおいても生じることとなる。
【0045】
本発明は、ポリシーサーバによって適用されているネットワーク運用ポリシーを、ネットワーク運用状況に応じて最適なものに自動的に修正し、ネットワーク全体のサービス品質を確保するとともに、ネットワーク管理者の負担を軽減することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0046】
また、障害の発生したラベルスイッチトパスのトラヒックを、ネットワーク運用状況に基づいて代替ラベルスイッチトパスに流し、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0047】
また、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが減少した場合、MPLSネットワークを流れるトラヒックの流入規制を、各ネットワーク利用者毎に要求されるサービス品質に基づいて行い、各ネットワーク利用者にそれぞれ差別化したサービスを提供することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】
本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式は、(1)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段を備えたものである。
【0049】
また,(2)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段を備えたものである。
【0050】
また、(3)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段を備えたものである。
【0051】
また、(4)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段を備えたものである。
【0052】
また、(5)前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段とを具備したものである。
【0053】
また、本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラムは、
(6)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段として機能させるためものである。
【0054】
また、(7)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段として機能させるためのものである。
【0055】
また、(8)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段として機能させるためのものである。
【0056】
また、(9)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段として機能させるためのものである。
【0057】
また、(10)前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段として機能させるためのプログラムを有するものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式の機能構成を図1に示す。同図において、ユーザインタフェース手段101は、ネットワーク管理者が各種ポリシーの作成及び登録を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。ポリシー管理手段102は、ネットワーク管理者がユーザインタフェース手段101を介して作成したポリシーを、ポリシー管理データベース110を用いて管理する機能を有する。
【0059】
ポリシー分析手段201は、各種ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行う機能を有する。監視ポイント設定手段301は、ポリシー分析手段201からの要求により、トラヒック量やパケットロス率等のネットワーク運用状況の監視情報が必要とされる場合は、ポーリング手段302に該監視情報の収集を依頼し、障害情報等のネットワーク運用状況の監視情報が必要とされる場合には、トラップ手段303に該監視情報の収集依頼を行う。
【0060】
ポーリング手段302は、トラヒック量やパケットロス率等のネットワーク運用状況の情報をネットワーク運用データベース310に格納する機能を有し、トラップ手段303は、障害情報等のネットワーク運用状況の情報をネットワーク運用データベース310に格納する機能を有する。
【0061】
管理情報管理手段304は、ネットワーク管理データベース310からネットワーク運用状況の情報を周期的にチェックし、ネットワーク運用状況の情報に変化があった場合は、ネットワーク運用状況の情報をネットワーク状況分析手段202に通知する機能を有する。
【0062】
ネットワーク状況分析手段202は、管理情報管理手段304から通知されたネットワーク運用状況の情報に基づいて、最適ポリシー選択手段203に対して、ポリシーフィードバック要求、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求、又はトラヒックフロー流入制御要求の各種要求を行う機能を有する。
【0063】
最適ポリシー選択手段203は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシー修正のフィードバックを行う機能を有する。
【0064】
また、最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えの際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量又はパケットロス率が最少の最適なラベルスイッチトパス(LSP)をネットワークの障害時に即座に選択する機能を有する。また、最適ポリシー選択手段203は、ネットワーク・リソースが減少した場合に、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を段階的に行う機能を有する。
【0065】
ポリシー適用指示手段204は、最適ポリシー選択手段203から要求されたポリシーをポリシー適用手段に渡し、ネットワーク機器へのネットワーク制御要求を行うとともに、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを行った結果、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中からトラヒック量やパケットロス率が最少の最適なラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えを行った結果、及び、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス(LSP)上を流れるトラヒック)の流入規制の段階的適用を行った結果を、ポリシー分析データベース210に格納する機能を有する。
【0066】
ポリシー適用手段103は、ポリシー適用指示手段204によって指示されたポリシーを適用して、図63のポリシー適用手段63−5と同様に、ネットワーク機器に対するネットワーク制御を行う機能を有する。
【0067】
なお、図1に示す機能構成図において、100番代の符号を付した各機能部は、従来のポリシーサーバの既存の機能部又は若干の改造を施した機能部を示し、200番代の符号を付した各機能部は、ポリシーサーバとして新規に追加した機能部を示し、300番代の符号を付した各機能部は、従来のネットワーク管理サーバの既存の機能部又は若干の改造を施した機能部を示している。
【0068】
本発明のポリシー適用方式を適用したネットワークシステムの構成例を図2に示す。同図に示す構成例では、複数のネットワーク機器から成るMPLSネットワークに対して、ポリシーを管理するポリシーサーバ2−1と、ネットワーク状況を監視・管理するネットワーク管理サーバ2−2とを備え、ポリシーサーバ2−1とネットワーク管理サーバ2−2とに、図1に示す本発明のポリシー適用方式の各機能部を組み込み、MPLSネットワークに対する適用ポリシーを最適化することができる。
【0069】
ただし、ポリシーサーバ2−1とネットワーク管理サーバ2−2とを、物理的に同一のサーバ内に構築したものであってもよい。また、本発明のポリシー適用方式の各機能部を、ネットワーク管理サーバ2−2に備える構成、又はポリシーサーバ2−1に備える構成とすることもできる。
【0070】
更に、本発明のポリシー適用方式の各機能部を、ポリシーサーバ2−1及びネットワーク管理サーバ2−2とは別のサーバに組み込む構成とすることも可能である。以下に示す本発明のポリシー適用方式の動作シーケンス及び実施例の説明において、本発明のポリシー適用方式の各機能部をポリシーサーバに備えた構成例について記述する。
【0071】
本発明の第1の課題を解決するためのポリシー適用方式である「ポリシー・フィードバック方式」について以下に説明する。図3に、本発明のポリシー・フィードバック方式の処理フェーズを示し、図4、図5及び図6に、ポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す。なお、図4、図5及び図6に示す各手段は、図1に示した機能部の各手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0072】
本発明のポリシー・フィードバック方式は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックを行う方式である。
【0073】
本発明のポリシー・フィードバック方式は、ネットワーク管理者がポリシーを作成し、登録する際に動作するポリシー登録機能部と、ネットワーク運用状況の情報が通知された際に動作するポリシー分析機能部とから構成される。図3の(a)にポリシー登録機能部の各処理フェーズ、図3の(b)にポリシー分析機能部の処理フェーズを示す。
【0074】
ポリシー・フィードバック方式のポリシー登録機能部は、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介してポリシー作成し、ポリシー登録を行うための機能部である。登録要求されたポリシー情報は、ポリシー登録要求としてポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図3:PH101:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0075】
次に、ポリシー管理手段102は、ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、ポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とによりインデックスされるポリシー分析データベース210にポリシーの情報を格納し、通知のあったポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているかを判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図3:PH102:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0076】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図3:PH103:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0077】
ポリシー・フィードバック方式のポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されているかを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知をネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0078】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるトラヒック量の超過の閾値や、パケットロス率の超過の閾値を参照し、該閾値を超えているか否かを判断し、超えている場合は、ポリシー修正のフィードバックが必要と判断し、最適ポリシー選択手段203に、ポリシーフィードバック要求を渡す。また、それらの閾値を超えていなければ、処理を終了する(図3:PH104:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0079】
ポリシー修正のフィードバックが必要と判断された場合に、ポリシーフィードバック要求により処理を渡された最適ポリシー選択手段203は、まず、ネットワーク運用者が最初に登録したポリシーに対して、既にポリシーの差し替えが行われているかを判断し、差し替えが行われていなければ、ネットワーク運用者が最初に登録したポリシーに対して、ポリシーの変更又はポリシーの追加の処理を行う。既に差し替えが行われていれば、差し替え済みのポリシーにおいて、ポリシーの変更又はポリシーの追加の処理を行う。
【0080】
・ネットワーク運用者が登録したポリシーに対して、ポリシーの変更又は追加を行う場合について
ネットワーク運用者が登録したポリシーに対して、ポリシーの変更を行う場合、最適ポリシー選択手段203は、該当ポリシーが変更可能なポリシーであるかを判断し、変更可能であれば、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データである変動率に従い、ポリシーの作動(Action)の設定を行う。
【0081】
例えば、確保する帯域幅が50Mbpsで、変動率が50%である場合、25Mbpsの帯域幅まで変更可能であり、ポリシーの作動(Action)の設定を変更する。変更可能なポリシーの場合、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー変更要求を行う。
【0082】
該当ポリシーが変更不可能である場合、又は既に変更済みである場合は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、未適用である他のポリシーが存在するか否かを判断する。未適用のポリシーが存在する場合は、未適用ポリシーを設定するために、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー追加要求を行う。未適用ポリシーが存在しない場合は、代替ポリシーに差し替える処理に移行する。
【0083】
・差し替え中のポリシーに対して、ポリシーの変更又はポリシーの追加を行う場合について
最適ポリシー選択手段203は、差し替え可能なポリシーが存在するかをチェックし、差し替え可能な候補があれば、ポリシーの差し替えを行う。ポリシーの差し替えとは、例えば、帯域幅を確保するポリシーから優先制御を行うポリシーへの差し替え等、種別の異なるポリシーへ差し替えることである。
【0084】
ポリシー差し替え中は、以下の処理を行う。ポリシーの変更を行う場合、最適ポリシー選択手段203は、該当ポリシーが変更可能なポリシーであるかを判断し、変更可能であれば、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データである変動率に従い、ポリシーの作動(Action)の設定を行う。
【0085】
例えば、確保する帯域幅が50Mbpsで、変動率が50%であれば、25Mbpsの帯域幅まで変更可能となり、ポリシーの作動(Action)の設定を変更する。変更可能なポリシーの場合は、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、差替ポリシー変更要求を行う。
【0086】
変更不可能なポリシーである場合、又は既に変更済みである場合は、次に、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、未適用である他のポリシーが存在するか否かを判断する。
【0087】
未適用のポリシーが存在する場合は、未適用ポリシーを設定するために、ポリシー適用指示手段204に対して、差替ポリシー追加要求を行う。未適用ポリシーが存在しない場合は、代替ポリシーに差し替える次の候補となるポリシーがないか判定し、繰り返し処理を行い、差し替え可能なポリシーがなくなるまで処理を繰り返す(図3:PH105:最適ポリシー選択処理フェーズ)。最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、それらの要求に従い、以下の処理を行う。
【0088】
・ポリシー変更要求を受けた場合
ポリシー変更要求を受けたポリシー適用指示手段204は、変更内容をポリシー分析データベース210に格納し、変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、変更要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0089】
・ポリシー追加要求を受けた場合
ポリシー追加要求を受けたポリシー適用指示手段204は、追加内容をポリシー分析データベース210に格納し、追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対してを行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、追加要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0090】
・差替変更要求を受けた場合
差替ポリシー変更要求を受けたポリシー適用指示手段204は、最初に、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、最初の差替変更ポリシー要求か否かの判断を行う。
【0091】
最初の差替変更ポリシー要求の場合、差替内容をポリシー分析データベース210に格納し、ネットワーク運用者が登録したポリシーの取り戻しを行った後、差替ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、ポリシー差替要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0092】
既に、ポリシー差し替え処理済みの場合、差替変更内容をポリシー分析データベース210に格納し、差替変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、差替変更要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0093】
・差替追加要求を受けた場合
差替ポリシーの追加要求を受けたポリシー適用指示手段204は、差替追加内容をポリシー分析データベース210に格納し、差替追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、差替追加要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図3:PH106:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0094】
本発明のポリシー適用方式が上述のように動作することにより、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックを行い、ネットワークに最適なポリシーが適用可能となる。
【0095】
次に、本発明の第2の課題を解決するためのポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式について以下に説明する。図7にポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理フェーズを示し、図8、図9及び図10に、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す。なお、なお、図8、図9及び図10に示す各手段は、図1に示した各機能部の手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0096】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、或いは、パケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前に設定した代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによりサービス品質を劣化させてしまうという問題を解決するために、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、最適なラベルスイッチトパス(LSP)を、ネットワークの運用状況に基づいて選択する方式である。
【0097】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、前述のポリシー・フィードバック方式と同様の機能部構成により実現することができる。ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と、前述のポリシー・フィードバック方式との相違点は、登録されるポリシーがポリシー・フィードバック方式の場合は、ネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とがポリシー適用対象であったのに対し、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とで構成されるラベルスイッチトパス(LSP)がポリシー適用対象となる点である。
【0098】
図7に、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式についての処理フェーズを示すが、前述のポリシー・フィードバック方式と同一の処理フェーズの部分に対しては、各処理フェーズの枠内に網掛けを施している。以下に示すポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスは、前述のポリシー・フィードバック方式と相違する点について詳しく説明する。
【0099】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー登録機能部においては、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介して、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを作成し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの登録を行う機能を備える。
【0100】
登録要求されたラベルスイッチトパス(LSP)ポリシー情報は、ポリシー登録要求として、ポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図7:PH201:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0101】
次に、ポリシー管理手段102は、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、通知されたポリシーが、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーか否かを判断し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであれば、ラベルスイッチトパス(LSP)毎にインデックスされたポリシー分析データベース210に、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーの情報を格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象であるラベルスイッチトパス(LSP)の経路上にある全てのネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図7:PH202:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0102】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部における障害情報を収集するために、障害情報をトラップする設定をトラップ手段303に依頼し、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。
【0103】
障害情報の収集依頼を受けたトラップ手段303は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、障害発生時に収集した情報を格納する。また、トラヒック量やパケットロス率等の収集依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図7:PH203:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0104】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されているかを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知をネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0105】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知の依頼により通知された情報から、障害が発生しているか否かの判断を行う。障害が発生していない場合は、ポリシー・フィードバック方式へ移行し、障害が発生している場合は、最適ポリシー選択手段203に対してラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を行う(図7:PH204:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0106】
次に、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を受けた最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)があるか否かを判断する。代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は処理を終了する。代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中から、パケットロスが、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるLSPパケットロス率が閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか否かを判断し、閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)の中からパケットロス率が最少であるラベルスイッチトパス(LSP)を選択する。
【0107】
最適ポリシー選択手段203は、条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う。条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は、次の判定処理へ処理を移行する。
【0108】
次に、最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量が、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるLSPトラヒック量が閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか否かを判断し、存在する場合、LSPトラヒック量が最少の代替ラベルスイッチトパス(LSP)を選択する。
【0109】
上記条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う。上記条件を満足する代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は、次の処理へ移行する。
【0110】
障害が発生してラベルスイッチトパス(LSP)を、代替ラベルスイッチトパス(LSP)へ切り替える必要があるので、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるパケットロス率をLSPパケットロス率が超えていても、現状の最少のパケットロス率でパケット・フォワーディングを行っている代替ラベルスイッチトパス(LSP)に切り替えるため、以下の処理を行う。
【0111】
最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中からパケットロス率(トラヒック量であってもよい)が最少である代替ラベルスイッチトパス(LSP)を抽出し、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う(図7:PH205:最適ポリシー選択処理フェーズ)。
【0112】
そして、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受けたポリシー適用指示手段204は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替内容をポリシー分析データベース210に格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図7:PH206:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0113】
MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、或いはパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことにより、サービス品質を劣化させてしまうといった問題を生じたが、本発明のポリシー提要方式の手段が前述のように機能することにより、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量又はパケットロス率が最少となる最適なラベルスイッチトパス(LSP)を、ネットワークの障害時に即座に選択するポリシーを適用することが可能となる。
【0114】
次に、本発明の第3の課題を解決するためのポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式について説明する。図11に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式についての処理フェーズを示し、図12、図13及び図14に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す。なお、図12、図13及び図14に示す各手段は、図1に示した各機能部の手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0115】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合等、ネットワーク・リソースが減少した場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を行う方式である。
【0116】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式は、前述のポリシー・フィードバック方式及びポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と同様の機能部構成により実現することができる。更に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式のポリシー登録機能部は、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー登録機能部と対比した場合、トラップ手段303にネットワーク運用状況の障害情報の収集の依頼を行わないという点でのみ相違し、その他は同様の構成である。
【0117】
図11に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式についての処理フェーズを示しているが、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と同一の処理フェーズの部分には、各処理フェーズの枠内に網掛けを施している。以下に説明するポリシーベーストラヒックフロー方式の処理シーケンスは、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と相違する点について詳しく説明するものとする。
【0118】
ポリシーベーストラヒックフロー方式において、ポリシー登録機能部は、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介して、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを作成し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの登録を行う機能を有する。
【0119】
登録要求されたラベルスイッチトパス(LSP)ポリシー情報は、ポリシー登録要求として、ポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図11:PH301:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0120】
次に、ポリシー管理手段102は、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、通知されたポリシーが、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーか否かを判断し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであれば、ラベルスイッチトパス(LSP)毎にインデックスされたポリシー分析データベース210に、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーの情報を格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象であるラベルスイッチトパス(LSP)の経路上にある全てのネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図11:PH302:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0121】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。
【0122】
トラヒック量等の収集依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図11:PH303:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0123】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式において、ポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により、指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されたか否かを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0124】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知の依頼により通知された情報から、トラヒック量がポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか判断を行う。
【0125】
トラヒック量の限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合、ポリシー・フィードバック方式へ移行し、トラヒック量の限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合は、最適ポリシー選択手段203に対して、トラヒックフロー流入制御要求を行う(図11:PH304:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0126】
次に、トラヒックフロー流入制御要求を受けた最適ポリシー選択手段203は、該当ラベルスイッチトパス(LSP)に対して、トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在するか否かを判断する。トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在しなければ処理を終了する。
【0127】
トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在すれば、次の判定処理に移行する。最適ポリシー選択手段203は、トラヒックフロー流入制御ポリシーによる流入制御を既に開始しているか否かの判断を行う。未だ開始していない場合は、該当ラベルスイッチトパス(LSP)に対して登録されているトラヒックフロー流入制御ポリシーの中から、できるだけ少ないトラヒックフロー流入制御ポリシーをネットワークに適用するために、ポリシー適用指示手段204に対して、トラヒックフロー流入規制要求を行う。
【0128】
既に流入制御を開始している場合、現在適用され運用されているトラヒックフロー流入制御ポリシーよりトラヒック流入を規制するポリシーが存在するか否かの判断を行う。該当するポリシーが存在しなければ処理を終了し、該当するポリシーが存在する場合は、該トラヒックフロー流入制御ポリシーをネットワークに適用するために、ポリシー適用指示手段204に対して、トラヒックフロー流入規制要求を行う(図11:PH305:最適ポリシー選択処理フェーズ)。
【0129】
そして、トラヒックフロー流入規制要求を受けたポリシー適用指示手段204は、トラヒックフロー流入規制内容をポリシー分析データベース210に格納し、流入規制要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、各ネットワーク機器に対して、トラヒックフロー流入規制要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図11:PH306:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0130】
本発明のポリシー適用方式の各手段が前述のように機能することにより、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制が可能となる。
【0131】
【実施例】
本発明の処理フローを図15から図29に示し、図30にポリシー管理データベース110、図31にポリシー分析データベース210、図32にネットワーク管理データベース310のデータ構造をそれぞれ示す。
【0132】
A.ポリシー・フィードバック方式の実施例について
ポリシー・フィードバック方式が適用されるネットワークの構成例を図33に示す。同図において、ネットワーク機器Xは、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門A、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門C、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門Eを収容している。
【0133】
また、ネットワーク機器Yは、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門B、ネットワークアドレスが10.1.5.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門D、ネットワークアドレスが10.1.6.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門Fを収容している。
【0134】
そして、ネットワーク機器Xとネットワーク機器Yとの間は、100Mbpsのインタフェースで接続されているものとする。ネットワーク機器Xとネットワーク機器Yとのインタフェース部に割り当てられたネットワーク機器X側のIPアドレスは10.2.1.1とし、ネットワーク機器Y側のIPアドレスは10.2.1.2とする。また、ネットワーク機器XのIPアドレスは、10.2.1.3とし、ネットワーク機器YのIPアドレスは、10.2.1.4とする。
【0135】
システムの初期設定として、前述のネットワークを管理するネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を介して、図33に示したネットワークに適用可能なポリシーを作成し[図15:S10101]、入力されたポリシー情報からなるポリシー登録要求をポリシー登録手段102に渡す[図15:S10102]。
【0136】
処理を渡されたポリシー登録手段102は、ポリシー登録要求として渡されたポリシー情報を、ポリシー管理データベース110に格納する[図16:S10201]。本実施例において、ネットワーク管理者により図33のネットワーク用に作成され、ポリシー管理データベース110に格納されるポリシー例を図34及び図35に示す。
【0137】
ポリシーは、ポリシー種別、条件(condition )、作動(Action)から成っており、ポリシー種別には帯域ポリシー種別、優先制御(DiffServ)ポリシー種別などがある。条件(condition )には帯域を確保するトラヒックの送信元及び送信先のIPアドレスやネットワーク・アドレス等がそれぞれ設定される。作動(Action)には、帯域取得ポリシー種別の場合、確保したい帯域を設定し、優先制御(DiffServ)ポリシー種別の場合は、優先度を表すパラメータAF1〜AF5の値が設定される。
【0138】
優先制御(DiffServ)における優先度は、各ネットワーク機器が有するPHB(Per Hop Behavior)の設定で決定されるので、例えば、AF(Assured Forwarding)サービスの場合、AF1>AF2>AF3>AF4>AF5といった優先度順となる。
【0139】
例えば、図34及び図35において、ポリシー1は帯域ポリシー種別で、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aから、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bへの帯域を、30Mbps確保しようとするポリシーである。
【0140】
ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報を受信する。受信したポリシー情報は、図30に示すポリシー管理データベース110に、ネットワーク機器IDとインターフェースIDに対応するチェーンを組み格納されている。本実施例で説明するポリシー管理データベース110内の初期格納状況は、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェースに対応するチェーンを図36及び図37に示す[図16:S10201]。その後、ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する[図16:S10202]。
【0141】
ポリシー分析手段201は、ポリシーが登録された通知を受信し[図17:S20101]、登録通知されたポリシーがラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであるか判定を行う[図17:20102]。その後、図31に示すような、ネットワーク機器IDとそのインタフェース部IDでインデックスされ、チェーン組でまれたポリシー情報、及びポリシーフィードバックで使用するデータをポリシー分析データベース210に格納する[図17:S20103]。
【0142】
本実施例で使用するポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部でインデックスされたポリシー分析データベース210内登録データを図31に示す。
【0143】
通知のあったポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断する[図17:S20105]。既に要求済みであれば処理を終了する。要求済みでなければ、ネットワーク状況通知要求を行い、監視ポイント設定手段301に処理を渡す[図17:S20106]。
【0144】
監視ポイント設定手段301は、ネットワーク状況通知要求を受信する[図18:S30101]。続いて、指定されたポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。
【0145】
ポーリング手段302は、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定を受信する[図19:S30201]。受信した情報を元に、ポーリング手段302は、定期的に依頼されたネットワーク状況の情報を収集する[図19:S30203]。
【0146】
そして、収集した情報を図32に示すネットワーク機器IDとインターフェース部IDでインデックスし、トラヒック量とパケットロス率を収集し、ネットワーク管理データベース110に格納する[図19:S30202]。本実施例で使用する情報収集対象のIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部でインデックスされたネットワーク管理データベース110内データを図45に示す。
【0147】
管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを監視する[図21:S30401]。ネットワーク状況が新しくなっていなければ特に処理せず、新しくなっていることを認知すると[図21:S30402]、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0148】
ネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知を受信し[図22:S20201]、ネットワーク状況通知を分析する。図40(a)に示すポリシー分析データベース210に格納された、ネットワーク状況の情報とシステム・コンフィギュレーション・データであるトラヒック量の超過の閾値又はパケットロス率の閾値とを比較し、該閾値を超えているか否かの判断を行い、超えていれば、ポリシー修正のフィードバックが必要と判断し、最適なポリシーのフィードバックが必要であるか判定する[図22:S20206]。本実施例でのシステム・コンフィギュレーション・データを、図40(b)に示す。トラヒック量の超過の閾値又はパケットロス率の閾値を超えた場合は、最適ポリシー選択手段にポリシーフィードバック要求を送信し、処理を渡す[図22:S20207]。
【0149】
A1:ポリシー・フィードバックにおけるポリシー追加の実施例について
図33に示すIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.4のネットワーク機器Yとの間の帯域は100Mbpsであり、図38に示すポリシー1が適用されている。ポリシー1は、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間の帯域を30Mbps確保する帯域制御ポリシーである。
【0150】
このとき、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、図40(b)に示すポリシー分析データベース210に格納されたパケットロス率の閾値10%を超えたとする。すると、最適ポリシー選択手段203はポリシーフィードバック要求を受信する[図23:S20301]。
【0151】
最適ポリシー選択手段203は、図38に示す該当するIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対応するポリシー分析データベース210の差替フラグを参照して、ポリシーの差し替えが実施されているか判定する[図23:S20302]。
【0152】
該当インターフェース部に適用されているポリシー1のフィードバックフラグを参照して、対象であるか判定する[図23:S20303]。ポリシー1はフィードバックフラグが対象となっているため、ポリシーフィードバックを実施する。
【0153】
次にポリシー1の変更可否フラグを参照して、変更可能であるか判定を行う[図23:S20304]。現状、ポリシー1は変更不可であるため、次に該当インターフェース部に未適用のポリシーがあるか検索を行う[図23:S20305]。図36及び図37に示すIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対する未適用ポリシーを検索する。
【0154】
適用中のポリシー1は帯域ポリシーであるため、現状登録されている未適用の帯域ポリシーには、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2と、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eと、ネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fの帯域を20Mbps確保するポリシー3が存在する。よって、ポリシー2を適用する指示をするため、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー追加要求を行う[図23:S20310]。
【0155】
ポリシー適用指示手段204は、受信した要求種別を判定する[図27:S20401]。受信したポリシー追加要求から、ポリシー2を図40(a)に示すポリシー分析データベース210に格納する[図27:S20404]。続いて、ポリシー2をIPアドレスが10.2.1.1とIPアドレスが10.2.1.2のインターフェース部に適用するため、追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対してを行う[図27:S20405]。
【0156】
ポリシー適用手段103は、受信要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が追加ポリシー適用要求であったため、ネットワーク機器に対して、ポリシー2の適用を実施する[図29:S10303]。以上により、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間のパケットロスが、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0157】
A2:ポリシー・フィードバックにおけるポリシー変更の実施例について
その後、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fとの間で、図40(b)に示すポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えたものとする。
【0158】
最適ポリシー選択手段203はポリシーフィードバック要求を受信する[図23:S20301]。現状のシステム構成に適用されているポリシーを図39に示す。ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間の帯域を30Mbps確保するポリシー1、及びネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2である。
【0159】
まず、ポリシーの差し替えが実施済みか判定をするため、図39の差替フラグを参照する[図23:S20302]。差替フラグが未差替であるため、次に、フィードバックフラグを参照し、フィードバック対象であることを判定する[図23:S20303]。フィードバック対象であるため、続いて、各ポリシーの変更可否フラグをチエックし、ポリシーが変更可能であるか判定する[図23:S20304]。ポリシー1は変更不可となっているが、ポリシー2は変更可能となっている。
【0160】
これにより、最適ポリシー選択手段203はポリシー2の取得帯域を変更することを決定する[図23:S20304]。図40(b)に示すポリシー分析データベース210内のシステム・コンフィギュレーション・データの変動率を取得する[図23:S20308]。変動率が50%であるため、ポリシー2の作動(Action)設定である帯域30Mbpsを15Mbpsに変更することが可能である。最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、ポリシー変更要求を行う[図23:S20309]。
【0161】
最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、ポリシー変更要求を受け、図41に示すように、変更内容をポリシー分析データベース210に格納する[図27:S20402]。続いて、変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う[図27:S20403]。
【0162】
ポリシー適用手段103は、受信した要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が変更ポリシー適用要求であったため、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2を、帯域15Mbps確保するポリシーに変更する[図29:S10303]。
【0163】
以上により、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門F間のパケットロスが、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0164】
A3:ポリシー・フィードバックにおけるポリシーの差し替えの実施例について
その後、パケットロスが閾値を超える毎に、ポリシーの追加やポリシーの変更を行い、ポリシー分析データベース210がが図42に示すような状態になっていたとする。このとき、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bへのアクセスが急増し、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%以下にならなくなったとする。
【0165】
最適ポリシー選択手段203は、ポリシーフィードバック要求を受信し[図23:S20301]、ポリシーの差し替えが実施済か判定をするため、図39の差替フラグを参照する[図23:S20302]。差替フラグが未差替であるため、次に、フィードバックフラグを参照し、フィードバック対象であることを判定する[図23:S20303]。
【0166】
続いて、フィードバック対象であるため、各ポリシーの変更可否フラグをチエックする。しかし、全てのポリシーが変更不可能であると判定する[図23:S20304]。次に、最適ポリシー選択手段203は、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に、未適用のポリシーがあるか検索を行う[図23:S20305]。
【0167】
図36及び図37に示すポリシー管理データベース110の格納データの中から、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対する未適用ポリシーを検索する[図23:S20305]。
【0168】
適用中のポリシー1からポリシー3は、帯域ポリシーであるため、帯域ポリシーとして、未適用のポリシーは存在しないと判定する[図23:S20306]。更に、最適ポリシー選択手段203は、現在適用中の帯域ポリシー以外に適用可能なポリシーが存在するか否かを、図36及び図37に示すポリシー管理データベース110内を検索する[図23:S20307]。
【0169】
そして、帯域ポリシー以外に優先制御(DiffServ)ポリシーが登録されていることを検知し[図23:S20311]、ポリシーの差し替え処理を行うことを決定する。続いて、図42に示す現在登録中のポリシー1からポリシー3までの変更可否フラグを参照し、変更可能であることを判定する[図23:S20312]。最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、差し替えポリシー変更要求を行う[図24:S20314]。
【0170】
最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、受信した要求の種別を判定する[図27:S20401]。差し替えポリシー変更要求を受け、図42に示す差し替え回数のカウントを参照し、1回目の差し替えポリシー変更要求かを判定する[図28:S20406]。次に、図43及び図44に示す切り替えをポリシー分析データベース210に格納する[図28:S20407]。続いて、切替ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う[図28:S20409]。
【0171】
ポリシー適用手段103は、受信要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が切替ポリシー適用要求であったため、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF2に設定し、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF3に設定し、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF4に設定する[図29:S10308]。
【0172】
以上により、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、パケットロスが図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0173】
また、ポリシー差し替え中であっても、ポリシー差し替え前と同様に、差し替え中のポリシーの種類のなかで、ポリシーの変更又はポリシーの追加が可能である。このようにして、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックが可能となる。
【0174】
B.ラベルスイッチトパス(LSP)切り替えの実施例について
ラベルスイッチトパス(LSP)切り替えの実施例として、図46に示すネットワーク構成例により説明する。また、各ネットワーク機器配下のIPアドレス情報を図47(a)に示す。このネットワーク構成例において、図47(b)に示すラベルスイッチトパス(LSP)が設定されているとする。本実施例について、ネットワーク管理者が予めラベルスイッチトパス(LSP)に対してポリシーを設定する例、及びラベルスイッチトパス(LSP)障害発生時の切り替えの例についてそれぞれ説明する。
【0175】
B1. ネットワーク管理者がラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを設定する実施例について
まず、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24)から、ネットワーク機器E配下のネットワーク(10.1.5.0/24)へパケットを送るラベルスイッチトパス(LSP−X、LSP−Y、LSP−Z)に対してポリシーを設定する。
【0176】
ネットワーク管理者は、通常は、LSP−Xのパスを使い、異常時にLSP−Y、LSP−Zのパスを使用するように設定する。ポリシーとしては、全てのラベルスイッチトパス(LSP)で、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24)からネットワーク機器E配下のネットワーク(10.1.5.0/24)にパケットを通すものを用意し、LSP−Xのパスを使用するポリシーのみ有効とし、他は無効なポリシーとして登録する。
【0177】
以下にフローに従って説明する。ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を使用してポリシーを入力し、登録要求を行う[図15:S10101、S10102]。次に、ポリシー管理手段102は、入力されたポリシー情報を図47(c)に示す形でポリシーデータベースにデータを格納する[図16:S10201]と同時に、ポリシー分析手段201に登録通知を行う[図16:S10202]。
【0178】
通知を受けたポリシー分析手段201は[図17:S20101]、図47(c)のポリシーデータベース内の情報を参照し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであることを判断し[図17:S20102]、ポリシー分析データベースに、図48(a)に示すようなラベルスイッチトパス(LSP)/ポリシーのデータを登録する[図17:S20104]。また同時に、障害発生時に必要となるラベルスイッチトパス(LSP)の情報についても、ポリシー分析データベースに登録する(図48(b))[図17:S20104]。また、予め図49(a)に示すようなシステムコンフィギュレーションデータがポリシー分析データベース内に登録されているものとする。
【0179】
ポリシー分析手段201は、ポリシー分析データベース内に存在する図48(a)のラベルスイッチトパス(LSP)/ポリシーのデータと、障害発生時に必要となる図48(b)のラベルスイッチトパス(LSP)の情報と、ネットワーク管理データベースとを参照し、監視すべきネットワーク機器ID/インタフェース部IDを抽出し[図17:S20105]、ネットワーク状況通知要求を監視ポイント設定手段301に通知する[図17:S20106]。本実施例では、全てのネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、未監視状態とし、図49(b)のネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、監視するように通知する[図17:S20106]。
【0180】
要求を受けた監視ポイント設定手段301は[図18:S30101]、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器IDとインタフェース部IDにおけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。次に、受け付けた要求がラベルスイッチトパス(LSP)に関するポリシーであれば[図18:S30103]、障害情報を収集するために、障害情報をトラップする設定をトラップ手段303に依頼する[図18:S30104]。
【0181】
要求を受け取った[図19:S30201、図20:S30301]ポーリング手段302とトラップ手段303は、図50に示すデータをネットワーク管理データベースに登録する[図19:S30202、図20:S30303]。以上の手順により、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの設定が完了し、必要な情報収集をネットワーク管理サーバが開始する。
【0182】
B2. ラベルスイッチトパス(LSP)障害発生時の実施例について
本実施例をフローに従って以下に説明する。指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器とネットワーク機器が有するインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われているので、管理情報管理手段304は、周期的に動作し[図21:S30401]、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを判断し[図21:S30402]、新しくなっていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0183】
ネットワーク状況分析手段202は要求を受信し[図22:S20201]、ネットワーク管理データベースを参照し、ネットワーク機器Bのインタフェース部b1で、障害が発生していることを検出し[図22:S20202]、最適ポリシー選択手段203に対してラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を行う[図22:S20203]。
【0184】
最適ポリシー選択手段203はラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受信し[図23:S20301]、ポリシー分析データベース内にあるラベルスイッチトパス(LSP)に関する情報(図48(b))を参照し、LSP−Xの代替経路として、LSP−YとLSP−Zのパスがあることを検出する[図25:S20319]。
【0185】
次に、LSP−YとLSP−Zのパスのパケットロス率を求めると、LSP−Yは5%(a2、c1、c2、e2のパケットロス率の最大のもの)、LSP−Xは12%(a3、d1、d2、e3のパケットロス率の最大のもの)となり[図25:S20320]、ポリシー分析データベース内システムコンフィギュレーションデータ(図49(a))にあるラベルスイッチトパス(LSP)パケットロス率閾値と比較して、閾値よりも低い方、本実施例ではLSP−Yを代替ラベルスイッチトパス(LSP)として選択する[図25:S20321]。最適ポリシー選択手段203はポリシー適用指示手段204に対し、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を送信する[図25:S20325]。
【0186】
代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受けた[図27:S20401]ポリシー適用指示手段204は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替内容(図52(a))をポリシー分析データベース210に格納し[図27:S20414]、ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求をポリシー適用手段103に対して行う[図27:S20415]。
【0187】
ポリシー適用手段103は要求を受信し[図29:S10301]、ネットワーク機器Aに対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行い、LSP−XのPolicy1が無効となり、LSP−YのPolicy2が有効となる(図52(b))[図29:S10306]。
【0188】
このようにして、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、又は、パケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによるサービス品質を劣化させてしまうという問題があったが、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量やパケットロス率が最少となる最適なラベルスイッチトパス(LSP)をネットワークの障害時に即座に適用可能となり、上記の問題を解決することができる。
【0189】
C.トラヒックフロー流入制御の実施例について
トラヒックフロー流入制御の実施例として、インターネットサービスプロバイダ(ISP)におけるクラス分けされたインターネット接続サービス及びショッピングサービスでの例について説明する。まず、ISPの提供するインターネット接続サービスのクラスとして、エコノミー、スタンダード、ゴールドの3つのクラスがあるとする。
【0190】
エコノミークラスは、格安な料金で提供されるが、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になった場合は、接続は全て切断される。スタンダードクラスは、標準的な料金で提供され、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になった場合で、エコノミークラスのユーザの接続を切断しても、負荷が下がらない場合には、切断されることがある。ゴールドクラスは、切断されることはなく、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になっても、エコノミークラスとスタンダードクラスのユーザを切断することで快適な接続が提供される。ただし料金は割高である。
【0191】
本実施例で説明するネットワーク構成例を図53に示す。図53の各ユーザ(A、B、C)は、図54(a)に示すように、ユーザAはエコノミークラス、ユーザBはスタンダードクラス、ユーザCはゴールドクラスのユーザサービスクラスで契約しているとする。本実施例のISPは、IPアドレスからユーザクラスを判別することができるよう、図53のネットワーク機器Aでは、図54(b)に示すようなIPアドレスの割り振りを行う。このとき、各ユーザには、図54(c)に示すようにIPアドレスが割り振られているものとする。
【0192】
ネットワーク機器C配下のIPアドレス情報及びショッピングサーバのIPアドレスは図54(d)に示すように割り振られているものとする。本実施例のネットワーク構成において、図54(e)に示すラベルスイッチトパス(LSP)が設定されているとする。
【0193】
本実施例について、ネットワーク管理者が予めラベルスイッチトパス(LSP)に対してポリシーを設定するときの例、及びラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック過負荷時の例についてそれぞれ説明する。
【0194】
C1.ネットワーク管理者がラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを設定する実施例について
まず、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24、10.1.2.0/24、10.1.3.0/24)から、ネットワーク機器C配下のネットワーク(10.10.10.0/24)へパケットを送るLSP−Xに対してポリシーを設定する。
【0195】
ネットワーク管理者は、通常は、ゴールド/スタンダード/エコノミーの各ユーザサービスクラスの全パケットを通すポリシーを使用する。トラヒック量が増加したときには、ゴールド/スタンダードのクラスのパケットは通し、エコノミークラスのユーザのパケットは拒否するポリシー、更にトラヒック量が増加したときは、ゴールドクラスのみパケットを通し、スタンダード/エコノミークラスのパケットは通さないポリシーを使用するように設定する。通常は、全ユーザのパケットが通るポリシーのみを有効とし、パケット流入を止めるポリシーは無効として登録する。
【0196】
以下にフローに従って説明する。ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を使用して、ポリシーを入力し、登録要求を行う[図15:S10101、S10102]。次に、ポリシー管理手段102は、入力されたポリシー情報を、図55に示すような形で、ポリシーデータベースにデータを格納する[図16:S10201]と同時に、ポリシー分析手段201に登録通知を行う[図16:S10202]。
【0197】
通知を受けた[図17:S20101]ポリシー分析手段201は、図55のポリシーデータベース内の情報を参照し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであることを判断し[図17:S20102]、ポリシー分析データベースに、図56(a)に示すLSP/ポリシーの情報を登録する[図17:S20104]。
【0198】
また同時に、ネットワーク監視に必要となるラベルスイッチトパス(LSP)の情報についても、ポリシー分析データベースに登録する(図56(b))。また、予め図56(c)に示すようなシステムコンフィギュレーションデータがポリシー分析データベース内に登録されているものとする。
【0199】
ポリシー分析手段201は、ポリシー分析データベース内に存在する図56(a)及び図56(b)のデータと、ネットワーク管理データベースとを参照し、監視すべきネットワーク機器ID/インタフェース部IDを抽出し[図17:S20105]、ネットワーク状況通知要求を監視ポイント設定手段301に通知する[図17:S20106]。本実施例では、全てのネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、未監視状態とし、図56(d)のネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、監視するように通知する。
【0200】
要求を受けた[図18:S30101]監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器IDとインタフェース部IDにおけるトラヒック情報、パケットロス率を収集するために、それらの情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。要求を受信した[図19:S30201]ポーリング手段302は、図57(a)に示すデータをネットワーク管理データベースに登録する[図19:S30202]。
【0201】
また、ポリシー分析データベース内に、ポリシー履歴情報として、Policy1を設定したことを記録する(図57(b))。以上の手順により、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの設定が完了し、必要な情報収集をネットワーク管理サーバが開始する。
【0202】
B2. ラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック過負荷時の流入制御の実施例について
本実施例をフローに従って説明する。指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器とネットワーク機器が有するインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われているので、管理情報管理手段304は、周期的に動作し[図21:S30401]、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを判断し[図21:S30402]、新しくなっていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0203】
要求を受信した[図22:S20201]ネットワーク状況分析手段202は、図57(c)のネットワーク管理データベースと、図56(c)のシステムコンフィギュレーションデータのラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量閾値を参照し、ネットワーク機器Cのインタフェース部c1で、ラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量閾値を超えていることを検出し[図22:S20204]、最適ポリシー選択手段203に対してトラヒックフロー流入制御要求を行う[図22:S20205]。
【0204】
最適ポリシー選択手段203は要求を受信し[図23:S20301]、ポリシーデータベース内にトラヒックフロー流入制御のポリシーがあることを検出する[図26:S20326]。次に、現時点でトラヒックフロー流入制御ポリシーが適用されていないことを検出し[図26:S20327]、最も軽いトラヒックフロー流入制御ポリシーを検索する[図26:S20328]。
【0205】
本実施例の場合は、パケットの通過を不許可とする作動(Action)が最も少ないPolicy2を検索し、ポリシー適用指示手段204に対し、Policy1からPolicy2へのトラヒックフロー流入制御要求を送る[図26:S20331]。また、既にPolicy2が適用されていた場合は、Policy2よりもパケットの流入を制限するPolicy3を検索し[図26:S20329、S20330]、ポリシー適用指示手段204に対し、Policy2からPolicy3へのトラヒックフロー流入制御要求を送る[図26:S20331]。
【0206】
トラヒックフロー流入制御要求を受けた[図27:S20401]ポリシー適用指示手段204は、トラヒックフロー流入制御要求をポリシー分析データベース210に格納し(図58(a))[図28:S20416]、トラヒックフロー流入規制要求をポリシー適用手段103に対して行う[図28:S20417]。
【0207】
要求を受信した[図29:S10301]ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器Aに対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行い、LSP−XのパスのPolicy1が無効となり、Policy2が有効となる(図58(b))[図29:S10307]。
【0208】
Policy2が有効になることで、10.1.1.0/24のアドレスを有するユーザA(エコノミークラス、10.1.1.1)のショッピングサーバに対するパケットは、ネットワーク機器Aで全て止められることとなる。こうすることで、トラヒック流入を抑えることができる。
【0209】
また、同様に、Policy3が適用された場合、10.1.1.0/24と10.1.2.0/24のアドレスを有するユーザAとB(エコノミークラス:10.1.1.1、スタンダードクラス:10.1.2.2)のショッピングサーバに対するパケットは、ネットワーク機器Aで全て止めることが可能となり、ゴールドクラスのユーザだけが接続されるようになる。このようにして、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが最大限使用されている場合、MPLSネットワークを流れるトラヒックの流入規制を、各ネットワーク利用者毎に要求されるサービス品質に基づいて行い、ネットワーク利用者に差別化したサービスを提供することができる。
【0210】
【発明の効果】
本発明は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを自動的に行うことにより、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができ、更に、ネットワーク管理者への負担を大幅に減少させることができる。
【0211】
本発明は、ネットワーク運用状況に基づいて、トラヒック量やパケットロスの少ないラベルスイッチトパス(LSP)を代替ラベルスイッチトパス(LSP)として選択することにより、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができる。
【0212】
本発明は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが最大限使用されている場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を、各ネットワーク利用者のサービス品質クラスに従って段階的に行うことにより、サービス品質クラスの低いネットワーク利用者からのトラフィックの流入を規制し、サービス品質クラスの高いネットワーク利用者のトラフィック流入を優先させ、ネットワーク利用者に差別化したサービスを提供することがアできる。
【0213】
更に、本発明の副次的効果として、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックの結果を蓄積することにより、ポリシーのトレーサビリティを確保し、ネットワーク運用状況とネットワーク制御との関連性を明確に認識することが可能となり、ネットワーク管理者は、ネットワーク増設のタイミングや、管理しているネットワークのキャパシティなどを容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式の機能構成を示す図である。
【図2】本発明のポリシー適用方式を適用したネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図3】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理フェーズを示す図である。
【図4】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図5】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図6】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図7】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理フェーズを示す図である。
【図8】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図9】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図10】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図11】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理フェーズを示す図である。
【図12】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図13】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図14】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図15】本発明のユーザインタフェース手段101の処理フローを示す図である。
【図16】本発明のポリシー管理手段102の処理フローを示す図である。
【図17】本発明のポリシー分析手段201の処理フローを示す図である。
【図18】本発明の管理ポイント設定手段301の処理フローを示す図である。
【図19】本発明のポーリング手段302の処理フローを示す図である。
【図20】本発明のトラップ手段303の処理フローを示す図である。
【図21】本発明の管理情報管理手段304の処理フローを示す図である。
【図22】本発明のネットワーク状況分析手段202の処理フローを示す図である。
【図23】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図24】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図25】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図26】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図27】本発明のポリシー適用指示手段204を示す図である。
【図28】本発明のポリシー適用指示手段204を示す図である。
【図29】本発明のポリシー適用手段103を示す図である。
【図30】本発明のポリシーデータベース110のデータ構造を示す図である。
【図31】本発明のポリシー分析データベース210のデータ構造を示す図である。
【図32】本発明のネットワーク管理データベース310のデータ構造を示す図である。
【図33】本発明のポリシー・フィードバック方式が適用されるネットワーク例を示す図である。
【図34】図33のネットワーク例に適用される帯域制御ポリシーの例を示す図である。
【図35】図33のネットワーク例に適用される優先制御ポリシーの例を示す図である。
【図36】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるポリシー管理データベースの格納データ例を示す図である。
【図37】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるポリシー管理データベースの格納データ例を示す図である。
【図38】ポリシー・フィードバック方式の実施例における帯域確保ポリシーのデータ例を示す図である。
【図39】ポリシー追加の実施例におけるポリシー追加後のデータ例を示す図である。
【図40】(a)はポリシー分析データベース210に格納されるシステムコンフィギュレーションデータ、(b)は実施例Aにおけるポリシー分析データベース210に格納されるシステムコンフィギュレーションデータを示す図である。
【図41】ポリシー変更の実施例におけるポリシー変更後のデータ例を示す図である。
【図42】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え前のデータ例を示す図である。
【図43】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え後のデータ例を示す図である。
【図44】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え後のデータ例を示す図である。
【図45】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるネットワーク管理データベース310に格納されるデータ例を示す図である。
【図46】LSP切り替えの実施例のネットワーク構成を示す図である。
【図47】(a)はLSP切り替えの実施例のIPアドレス情報、(b)はLSP情報、(c)はポリシーデータベースを示す図である。
【図48】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報、(b)はLSP経路情報を示す図である。
【図49】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のシステムコンフィギュレーションデータ、(b)はLSP切り替えの実施例における監視すべきネットワーク機器ID/インタフェースIDの一覧を示す図である。
【図50】LSP切り替えの実施例におけるネットワーク管理データベースの初期状態を示す図である。
【図51】LSP切り替えの実施例における障害発生時のネットワーク管理データベースを示す図である。
【図52】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のポリシー履歴情報、(b)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報(切り替え後)を示す図である。
【図53】トラフィックフロー流入制御の実施例のネットワーク構成を示す図である。
【図54】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例における契約ユーザのクラス、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるユーザクラス/IPアドレス対応表、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例における各ユーザに割り振られているIPアドレス、(d)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるネットワーク機器C配下のIPアドレス情報、ショッピングサーバのIPアドレス、(e)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP情報を示す図である。
【図55】トラフィックフロー流入制御の実施例のポリシーデータベースを示す図である。
【図56】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP経路情報、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるシステムコンフィギュレーションデータ、(d)はトラフィックフロー流入制御の実施例における監視すべきネットワーク機器ID/インタフェースIDの一覧を示す図である。
【図57】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のネットワーク管理データベースの初期状態、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるポリシー分析データベース内ポリシー履歴上納の初期状態、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるネットワーク管理データベースを示す図である。
【図58】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のポリシー分析データベース内のポリシー履歴情報、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP/ポリシー情報(差し替え後)を示す図である。
【図59】MPLSネットワークにおけるパケット転送方式を示す図である。
【図60】ネットワーク管理サーバの動作概要を示す図である。
【図61】ポリシーサーバの動作概要を示す図である。
【図62】従来のネットワーク管理サーバの機能構成を示す図である。
【図63】従来のポリシーサーバの機能構成を示す図である。
【符号の説明】
101 ユーザインタフェース手段
102 ポリシー管理手段
103 ポリシー適用手段
110 ポリシー管理データベース
201 ポリシー分析手段
202 ネットワーク状況分析手段
203 最適ポリシー選択手段
204 ポリシー適用指示手段
210 ポリシー分析データベース
301 監視ポイント設定手段
302 ポーリング手段
303 トラップ手段
304 管理情報管理手段
310 ネットワーク運用データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク状況に基づくポリシー適用方式及びそのプログラムに関し、特に、IP(Internet Protocol )ネットワークやMPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワーク等のネットワーク運用状況に基づいて、通信サービスの品質や優先度等について、最適なネットワーク運用ポリシーを適用するポリシー適用方式及びそのプログラムに関する。
【0002】
近年のインターネットへのアクセス方式として、ADSL(Asymmetric Digital Line )やFTTH(Fiber To The Home )等のようなブロードバンド・アクセス方式が一般的となってきている。ブロードバンド・アクセス方式の普及により、VOD(Video On Demand )やライブ放送等に代表される広帯域情報サービス、或いはVoIP(Voice over Internet Protocol)やインターネット電話等に代表される双方向音声通信サービス等の要求も高まり、キャリア、ISP(Internet Services Provider)、IDC(Internet Data Center)等が、それらのサービス提供を開始している。その結果、ネットワーク内を流れるトラヒック量が飛躍的に増加しつつある。
【0003】
上述のようなトラヒック量の増加により、インターネットを構成するネットワーク機器に対する処理負荷が高くなり、ネットワーク内でのパケットの転送遅延や破棄が発生し、サービス品質を劣化させる要因になっている。そこで、広帯域情報サービスや双方向音声通信サービス等を提供するキャリア、ISP、IDC等は、サービス利用者に対して安定したサービス品質を提供するためのネットワーク運用手段を講ずることが要求されている。
【0004】
【従来の技術】
安定したサービス品質を提供するための従来の技術として、(1)MPLSネットワーク、(2)ネットワーク管理サーバ及び(3)ポリシーサーバについて以下に説明する。
【0005】
(1)MPLSネットワークについて
MPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワークは、MPLS技術を備えたネットワーク機器で構成されるネットワークであり、コネクションレスなIPネットワークにおいて、IETF(Internet Engineering Task Force )が標準化を進めているラベルスイッチング方式によりパケットを転送することで、コネクション指向ネットワークを構築することができる。
【0006】
本来、ネットワーク機器(ルータ)が他のネットワーク機器から受け取ったパケットを別のネットワーク機器に転送する際には、ルーティング(経路選択)情報としてIPヘッダを利用するが、MPLSではこのIPヘッダの代わりに「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別子を利用する。
【0007】
ネットワークの入口に存在するネットワーク機器(エッジルータ)にパケットが到着すると、該ワーク機器(エッジルータ)は該パケット内の経路情報にラベルを付加して、次のネットワーク機器に転送する。次のネットワーク機器は、該パケットに付加されているラベルを参照して、該パケットをどのネットワーク機器に転送すべきかを判断し、適切な転送先に該パケットを送出する。外部ネットワークへの出口に存在するネットワーク機器(エッジルータ)は、到着したパケットからラベルを取り除き、外のネットワーク機器へ転送する(図59「MPLSネットワークにおけるパケット転送方式」参照)。
【0008】
MPLSネットワークにおいては、ネットワークの入り口から出口までの経路をLSP(Label Switched Path )として取り扱うことができ、トラヒックフローに対して明示的な経路を設定することができる。つまり、トラヒックフローをネットワーク内の経路に効率よく割り当てることにより、ネットワーク機器に対する負荷を抑制することができ、ネットワーク内でのパケットの転送遅延や破棄を減少させ、サービス品質の劣化を防ぐことができる。
【0009】
(2)ネットワーク管理サーバについて
インターネットを構成するネットワーク機器は年々増加する一方で、ネットワークのシステムダウンの影響は他社や取引先に広がり、ついには顧客の信頼を損ってしまうことになることから、ネットワークのシステムダウンはますます許されない状況となっている。ネットワークの安定運用に欠かせない手段がネットワーク管理サーバである。
【0010】
ネットワーク管理サーバは、接続形態の構成図の表示、障害箇所の特定、ネットワーク機器からのイベントの表示、ネットワーク機器の動作状態及びトラヒックの過負荷等のリアルタイム監視、グラフ表示、閾値との比較等によるトラヒック負荷やパケットロスの状態監視等を、SNMP(Simple Network Management Protocol)/MIB(Management Information Base )/RMON(Remote network MONitoring )等の技術を用いて一元管理を行う。
【0011】
ネットワーク管理サーバのシステム動作としては、ネットワーク管理サーバが、ネットワーク機器に実装されたエージェント全てに対して、ある一定の頻度で管理情報の問い合せを行い、該問い合せを受けたエージェントは、それまでに収集した管理情報をネットワーク管理サーバに対して報告を行う。
【0012】
ネットワーク管理サーバは、収集した管理情報に基づいて、全エージェントの動作状態等を表示し、或いは障害のあったエージェントからの管理情報をアラームとしてネットワーク管理者へ通知する等の管理を行う(図60「ネットワーク管理サーバの動作概要」参照)。前述したMPLSネットワークにおいて、ネットワーク管理サーバに対する機能要求として、MPLSにおけるラベルの管理、ラベルによる転送経路の管理、及び経路毎のトラヒック管理等がある。
【0013】
図62にネットワーク管理サーバの構成を示す。ネットワーク管理サーバは、ネットワークトポロジー情報、性能情報、障害情報、課金情報、セキュリティ情報等の各種情報を保持するネットワーク管理データベース62−1を備え、ネットワークトポロジー管理手段62−2を介してネットワーク構成図を表示し、監視情報管理手段62−3を介して、性能情報、障害情報、課金情報、セキュリティ情報等をネットワーク構成図とマッピングして表示するネットワーク管理者のためのユーザインタフェース手段62−4を具備する。
【0014】
また、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段62−4を介して、ネットワークにおいて監視するポイントの設定が可能で、設定された情報は、監視ポイント設定手段62−5に渡され、性能情報や課金情報、セキュリティ情報は、周期的に動作するポーリング手段62−6に渡され、ポーリング手段62−6は、一定周期で、ネットワークからSNMP/MIB/RMONを介して、ネットワーク管理者が必要とする情報を収集する。また、障害情報は、障害が発生した際に、ネットワークからアラーム情報を取り込むようにトラップ手段62−7を設定し、障害発生時に障害情報をトラップ手段62−7が収集する。
【0015】
(3)ポリシーサーバについて
インターネットを構成するネットワーク機器は、年々増加する一方で、ネットワーク管理者は、数多く存在するネットワーク機器に対して、ネットワーク全体で矛盾なくユーザに所定のサービス品質を提供するための設定を行う必要がある。ネットワーク管理者の設定作業の負担を軽減し、また、個々のネットワーク機器に対する設定ミスや設定の不整合を防止するために使用されるのがポリシーサーバである。
【0016】
ポリシーサーバは、ネットワーク管理者が各種ネットワーク運用ポリシーを設定すると、該設定されたポリシーをネットワーク内に存在する個々のネットワーク機器の設定に自動的に反映させるものである。管理対象となるネットワーク機器としては、ルータ、LANスイッチ等のネットワーク機器が対象となる。
【0017】
ネットワーク運用者が設定する各種ネットワーク運用ポリシーとは、条件(Condition )とそれに対応する作動(Action)とにより構成されるポリシールールである。ポリシーサーバは、個々のネットワーク機器に対して、COPS(Common Open Policy Service)やCLI(Command Line Interface)等の技術を用いてポリシー情報を一括配信すると共に、各種運用ポリシーの一元管理を行う(図61「ポリシーサーバの動作概要」参照)。
【0018】
ポリシーサーバの標準化動向を以下に示す。ポリシー情報を個々のネットワーク機器に配信するためのプロトコルであるCOPSは、IETFのRSVP Access Protocol(RAP) Working Group で標準化作業が行われており、ポリシー情報を蓄積・格納する手法であるDEN(Directory−Enabled Network )は、DMTF(Distributed Management Task Force )で標準化が行われ、更に、ポリシー情報伝送用のプロトコルであるPIB(Policy Information Base )については、DMTFでDENと連携して標準化が行われている。各種運用ポリシーについては、PIBにおけるPCIM(Policy Core Information Model )で定義されており、また、サービス品質については、PIMにおけるQPIM(QoS Policy Information Model)により定義されている。
【0019】
前述のMPLSネットワークにおいて、ポリシーサーバに対する機能要求として、MPLSにおけるラベルにより転送される経路に対するポリシー作成・管理・適用機能等がある。更に、サービス品質の劣化を防ぐという観点では、障害時の経路の切り替え、経路毎のトラヒック流入制御等といった機能要求がある。
【0020】
ポリシーサーバにおいて作成されるポリシーは、条件(Condition )と作動(Action)との組み合わせにより構成されるルールであるが、従来のポリシーサーバで設定される条件(Condition )とは、送信元のIPアドレスとサブネットマスク及びポート番号、並びに送信先のIPアドレスとサブネットマスク及びポート番号、等のパケットのヘッダ情報を条件(Condition )として用い、或いはポリシーを適用する時間帯を条件(Condition )としたポリシーサーバが一般的である。
【0021】
これらのポリシー情報は、予めネットワーク管理者が、ネットワークの運用指針を決定し、該指針に従って作成される。例えば、ネットワーク管理者が、部門A(部門Aに割り当てられたIPアドレスが、10.10.10.1〜10.10.10.254)から部門B(部門Bに割り当てられたIPアドレスが、10.10.20.1〜10.10.20.253)へのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保しようとした場合、ポリシーサーバで作成するポリシーの条件(Condition )としては、送信元IPアドレスを10.10.10.0とし、送信元サブネットマスクを255.255.255.0とし、送信先IPアドレスを10.10.20.0とし、送信先サブネットマスクを255.255.255.0として作成される。
【0022】
そして、ポリシーの作動(Action)として、50Mbpsの帯域幅を確保する設定情報を個々のネットワーク機器に一括配信する。更に、時間的要因を有するポリシーを適用し、時間帯を条件(Condition )として追加した場合は、部門Aから部門Bへのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保する時間帯を条件(Condition )として設定されることとなる。例えば、午前8時から午後5時までといった時間帯が条件(Condition )として追加設定される。
【0023】
図63にポリシーサーバの構成を示す。従来のポリシーサーバは、ネットワークトポロジー情報やポリシー情報を保持するポリシー管理データベース63−1を備え、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段を63−2介して、ネットワークトポロジー管理手段63−4で管理するネットワーク構成図を表示することができ、そして、ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段63−2を介して、ポリシーの作成、変更、削除を行うことができる。
【0024】
ポリシーの作成、変更、削除を行った際には、それら情報がポリシー管理手段63−3に渡されて、ポリシー管理データベース63−1に格納される。そして、ネットワーク管理者は、作成したポリシーを適用する旨を、ユーザインタフェース手段63−2を介して行うと、該ポリシーの適用要求がポリシー管理手段63−3を経由し、ポリシー適用手段63−5に渡され、ポリシー適用手段63−5は、COPS又はCLIを介して、該ポリシーに従ったネットワーク制御を行う。
【0025】
また、ポリシー作成時に、適用する時間帯を指定することも可能で、その指定を行った場合は、ポリシー管理手段63−3が自動的にポリシー適用の時間帯となったとき、ポリシーの適用要求をポリシー適用手段63−5に渡し、ポリシー適用手段63−5は、COPS又はCLIを介して、該ポリシーに従ったネットワーク制御を行う。
【0026】
なお、本発明に関連する先行技術として、ラベルスイッチネットワークシステムに関する技術が下記の特許文献1に記載されている。該文献に記載されたラベルスイッチネットワークシステムは、MPLSネットワークなどのラベルスイッチネットワークにおけるトラフィックエンジニアリングに関する各種サービスを実現するとき、各ノードにおける処理コスト及び処理時間の削減などを図るため、ラベルに基づいてIPフロー対応のIPパケットを転送するラベルスイッチネットワークの入口に配置され、IPパケットのヘッダ情報またはペイロード情報を参照して、IPパケットを転送するためのレイヤ2パスを選択・設定する第1のノードと;ネットワークの中継箇所に配置され、ネットワークの入口から出口までのレイヤ2パスを、指定された経路で設定する複数の第2のノードと;ネットワークの出口に配置された第3のノードと;ユーザ要求又はネットワークの状態変化が生じた場合、ポリシ制御プロトコルに則って、第1のノードにレイヤ2パスの設定を指示するとともに、第1のノード、第2のノード及び第3のノードを集中的に制御するポリシサーバとを備えたものである。
【0027】
【特許文献1】
特開2001−251343号公報
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
前述した運用ポリシーは、事前にネットワーク管理者が決定したネットワークの運用指針を基に作成されたものであるので、実際にネットワークが運転され始めると、様々なユーザが様々なアプリケーションを利用して通信を行うため、事前に作成された運用ポリシーが有効的なポリシーとして適用されるとは限らなくなり、ネットワーク管理者が、実際のネットワークのトラヒック量又はパケットロス率等を測定し、それらをフィードバックしてして適用ポリシーを修正する必要が生じる。
【0029】
例えば、部門Aから部門Bへのサービス品質として、帯域幅50Mbpsを確保する運用ポリシーをネットワークに対して行ったために、部門Cや部門Dから部門Bへの通信に対するパケットロス率が高くなるようなことが発生した場合には、部門Cから部門Bへのサービス品質や部門Dから部門Bへの帯域幅を確保するポリシーを追加したり(適用ポリシーの追加)、部門Aから部門Bへのトラヒックが実際は50Mbpsも必要としない場合は、部門Aから部門Bへのサービス品質として割り当てた帯域幅を50Mbpsから25Mbpsへ変更する必要がある(適用ポリシーの変更)。
【0030】
更には、部門Bへのサービス品質として、帯域幅の確保が難しい状態であった場合(例えば、部門Bへのアクセスが複数の部門から同時に発生する場合等)、部門Bへのサービス品質に対し、帯域幅を確保する運用ポリシーから、優先制御を行う運用ポリシーへ差し替える必要がある(適用ポリシーの差し替え)。優先制御の代表例として、DiffServ(Differentiated Service)がある。DiffServは、IETFで検討が進められているスケーラブルな通信品質保証を実現する技術である。
【0031】
つまり、ポリシーサーバを有効的に機能させるためには、ネットワーク管理者は、ネットワーク管理サーバ等を用いて、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集し、実際のネットワークの運用状況を把握し、適用されているポリシーが有効的なポリシーとして適用されているかどうかをチェックし、随時、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替え等が必要となる。
【0032】
しかしながら、様々なユーザが様々なアプリケーションを利用することを前提に、数多く作成された運用ポリシーの中から、実際のネットワークの運用状況に応じて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシー変更、差し替えをネットワーク管理者が行うことは非常に困難である。
【0033】
よって、本発明が解決しようとする第1の課題は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを最適に行わないと、ネットワーク全体のサービス品質を劣化させてしまうという問題があり、それを解決することである。
【0034】
次に、MPLSネットワークにおける課題について述べる。現状のMPLSネットワークを構成するネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能としての代替経路選択機能は、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前にネットワーク機器に設定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すものである。
【0035】
しかしながら、前述のネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に既に多量のトラヒックが流れていても、又はパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前に設定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すため、更なるサービス品質劣化を引き起こしてしまうことがある。
【0036】
事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)としては、障害時にしかトラヒックを流さないという設定をしておくことも可能であるが、このような設定はネットワーク機器の過剰設備を前提とすることになり、ネットワークに対する導入費用が高価なものとなってしまう。
【0037】
よって、本発明が解決しようとする第2の課題は、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、事前に設定した代替ラベルスイッチトパス(LSP)に既に多量のトラヒックが流れ、又はパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによってサービス品質を劣化させてしまうという問題を解決することである。
【0038】
更に、現状のMPLSネットワークにおいて、トラフィックエンジニアリングとして、マルチパスによるトラヒックのロードバランシング方式の技術が存在するが、この技術はMPLSネットワークに流れるトラヒックを負荷分散させ、ネットワーク・リソースを効率良く使う技術ではあっても、ネットワーク・リソースを全て使い切った場合には、その有効性を発揮することができない。
【0039】
また、MPLSネットワーク上に流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上に流れるトラヒック)に対して、一様に負荷分散を行うため、ネットワーク利用者毎に差別化したサービスを提供することが難しく、キャリア、ISP等のネットワーク・インフラストラクチャを提供する事業者にとっては、各ネットワーク利用者の個々の要求に沿ったサービスを提供することができない。
【0040】
よって、本発明が解決しようとする第3の課題は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合、ネットワーク利用者は、一様にサービス品質の劣化を受けてしまい、各ネットワーク利用者毎の要求に合ったサービスを提供することができないという問題があり、それを解決することである。
【0041】
最後に、MPLSネットワークにポリシーサーバを導入した場合を考えてみると、MPLSネットワークにおけるラベルによりフォワーディングされる経路(ラベルスイッチトパス)に対するポリシー作成・管理・適用を行う機能を実現する必要がある。
【0042】
MPLSネットワークにおけるポリシーの条件(Condition )としては、ラベルスイッチトパス(LSP)上に存在するネットワーク機器のポート障害に対するポートの指定や、ラベルスイッチトパス(LSP)毎のトラヒック流入制御対象となるトラヒック・フローの指定等が必要であり、ポリシーの作動(Action)としては、指定ラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えや、ラベルスイッチトパス(LSP)毎の指定トラヒック・フローに対する通過/非通過を制御する流入制御の指示等が必要となる。
【0043】
しかしながら、MPLSネットワークにおけるポリシーサーバにおいて、前述のポリシーを作成し、ポリシーの適用を行っても、以下の課題が残る。MPLSネットワークにおける障害保護(Protection)ポリシーの条件(Condition )として、ラベルスイッチトパス(LSP)上に存在するネットワーク機器の障害ポートのポート番号を指定し、作動(Action)として、指定された代替ラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えを行うことを指示するポリシーを作成し、該ポリシーをネットワークに適用しただけでは、前述の本発明が解決しようとする第2の課題と同じ問題が残る。
【0044】
また、MPLSネットワークにおけるトラフィック制御(Traffic Control )ポリシーの条件(Condition )として、ラベルスイッチトパス(LSP)毎のトラヒック流入制御対象となるトラヒック・フローを指定し、作動(Action)として、ラベルスイッチトパス(LSP)毎の指定トラヒック・フローに対する通過/非通過を制御する流入制御の指示を行うポリシーを作成し、該ポリシーをネットワークに適用しただけでは、流入制御によるネットワーク運用状況のフィードバックを行っていないことになるので、前述の本発明が解決しようとする第1の課題と同じ問題がMPLSネットワークにおいても生じることとなる。
【0045】
本発明は、ポリシーサーバによって適用されているネットワーク運用ポリシーを、ネットワーク運用状況に応じて最適なものに自動的に修正し、ネットワーク全体のサービス品質を確保するとともに、ネットワーク管理者の負担を軽減することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0046】
また、障害の発生したラベルスイッチトパスのトラヒックを、ネットワーク運用状況に基づいて代替ラベルスイッチトパスに流し、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0047】
また、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが減少した場合、MPLSネットワークを流れるトラヒックの流入規制を、各ネットワーク利用者毎に要求されるサービス品質に基づいて行い、各ネットワーク利用者にそれぞれ差別化したサービスを提供することができるポリシー適用方式及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】
本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式は、(1)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段を備えたものである。
【0049】
また,(2)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段を備えたものである。
【0050】
また、(3)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段を備えたものである。
【0051】
また、(4)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段を備えたものである。
【0052】
また、(5)前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段とを具備したものである。
【0053】
また、本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラムは、
(6)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段として機能させるためものである。
【0054】
また、(7)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段として機能させるためのものである。
【0055】
また、(8)マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段として機能させるためのものである。
【0056】
また、(9)ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段として機能させるためのものである。
【0057】
また、(10)前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段として機能させるためのプログラムを有するものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式の機能構成を図1に示す。同図において、ユーザインタフェース手段101は、ネットワーク管理者が各種ポリシーの作成及び登録を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。ポリシー管理手段102は、ネットワーク管理者がユーザインタフェース手段101を介して作成したポリシーを、ポリシー管理データベース110を用いて管理する機能を有する。
【0059】
ポリシー分析手段201は、各種ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行う機能を有する。監視ポイント設定手段301は、ポリシー分析手段201からの要求により、トラヒック量やパケットロス率等のネットワーク運用状況の監視情報が必要とされる場合は、ポーリング手段302に該監視情報の収集を依頼し、障害情報等のネットワーク運用状況の監視情報が必要とされる場合には、トラップ手段303に該監視情報の収集依頼を行う。
【0060】
ポーリング手段302は、トラヒック量やパケットロス率等のネットワーク運用状況の情報をネットワーク運用データベース310に格納する機能を有し、トラップ手段303は、障害情報等のネットワーク運用状況の情報をネットワーク運用データベース310に格納する機能を有する。
【0061】
管理情報管理手段304は、ネットワーク管理データベース310からネットワーク運用状況の情報を周期的にチェックし、ネットワーク運用状況の情報に変化があった場合は、ネットワーク運用状況の情報をネットワーク状況分析手段202に通知する機能を有する。
【0062】
ネットワーク状況分析手段202は、管理情報管理手段304から通知されたネットワーク運用状況の情報に基づいて、最適ポリシー選択手段203に対して、ポリシーフィードバック要求、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求、又はトラヒックフロー流入制御要求の各種要求を行う機能を有する。
【0063】
最適ポリシー選択手段203は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシー修正のフィードバックを行う機能を有する。
【0064】
また、最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えの際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量又はパケットロス率が最少の最適なラベルスイッチトパス(LSP)をネットワークの障害時に即座に選択する機能を有する。また、最適ポリシー選択手段203は、ネットワーク・リソースが減少した場合に、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を段階的に行う機能を有する。
【0065】
ポリシー適用指示手段204は、最適ポリシー選択手段203から要求されたポリシーをポリシー適用手段に渡し、ネットワーク機器へのネットワーク制御要求を行うとともに、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを行った結果、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中からトラヒック量やパケットロス率が最少の最適なラベルスイッチトパス(LSP)への切り替えを行った結果、及び、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス(LSP)上を流れるトラヒック)の流入規制の段階的適用を行った結果を、ポリシー分析データベース210に格納する機能を有する。
【0066】
ポリシー適用手段103は、ポリシー適用指示手段204によって指示されたポリシーを適用して、図63のポリシー適用手段63−5と同様に、ネットワーク機器に対するネットワーク制御を行う機能を有する。
【0067】
なお、図1に示す機能構成図において、100番代の符号を付した各機能部は、従来のポリシーサーバの既存の機能部又は若干の改造を施した機能部を示し、200番代の符号を付した各機能部は、ポリシーサーバとして新規に追加した機能部を示し、300番代の符号を付した各機能部は、従来のネットワーク管理サーバの既存の機能部又は若干の改造を施した機能部を示している。
【0068】
本発明のポリシー適用方式を適用したネットワークシステムの構成例を図2に示す。同図に示す構成例では、複数のネットワーク機器から成るMPLSネットワークに対して、ポリシーを管理するポリシーサーバ2−1と、ネットワーク状況を監視・管理するネットワーク管理サーバ2−2とを備え、ポリシーサーバ2−1とネットワーク管理サーバ2−2とに、図1に示す本発明のポリシー適用方式の各機能部を組み込み、MPLSネットワークに対する適用ポリシーを最適化することができる。
【0069】
ただし、ポリシーサーバ2−1とネットワーク管理サーバ2−2とを、物理的に同一のサーバ内に構築したものであってもよい。また、本発明のポリシー適用方式の各機能部を、ネットワーク管理サーバ2−2に備える構成、又はポリシーサーバ2−1に備える構成とすることもできる。
【0070】
更に、本発明のポリシー適用方式の各機能部を、ポリシーサーバ2−1及びネットワーク管理サーバ2−2とは別のサーバに組み込む構成とすることも可能である。以下に示す本発明のポリシー適用方式の動作シーケンス及び実施例の説明において、本発明のポリシー適用方式の各機能部をポリシーサーバに備えた構成例について記述する。
【0071】
本発明の第1の課題を解決するためのポリシー適用方式である「ポリシー・フィードバック方式」について以下に説明する。図3に、本発明のポリシー・フィードバック方式の処理フェーズを示し、図4、図5及び図6に、ポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す。なお、図4、図5及び図6に示す各手段は、図1に示した機能部の各手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0072】
本発明のポリシー・フィードバック方式は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックを行う方式である。
【0073】
本発明のポリシー・フィードバック方式は、ネットワーク管理者がポリシーを作成し、登録する際に動作するポリシー登録機能部と、ネットワーク運用状況の情報が通知された際に動作するポリシー分析機能部とから構成される。図3の(a)にポリシー登録機能部の各処理フェーズ、図3の(b)にポリシー分析機能部の処理フェーズを示す。
【0074】
ポリシー・フィードバック方式のポリシー登録機能部は、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介してポリシー作成し、ポリシー登録を行うための機能部である。登録要求されたポリシー情報は、ポリシー登録要求としてポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図3:PH101:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0075】
次に、ポリシー管理手段102は、ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、ポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とによりインデックスされるポリシー分析データベース210にポリシーの情報を格納し、通知のあったポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているかを判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図3:PH102:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0076】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図3:PH103:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0077】
ポリシー・フィードバック方式のポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されているかを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知をネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0078】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるトラヒック量の超過の閾値や、パケットロス率の超過の閾値を参照し、該閾値を超えているか否かを判断し、超えている場合は、ポリシー修正のフィードバックが必要と判断し、最適ポリシー選択手段203に、ポリシーフィードバック要求を渡す。また、それらの閾値を超えていなければ、処理を終了する(図3:PH104:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0079】
ポリシー修正のフィードバックが必要と判断された場合に、ポリシーフィードバック要求により処理を渡された最適ポリシー選択手段203は、まず、ネットワーク運用者が最初に登録したポリシーに対して、既にポリシーの差し替えが行われているかを判断し、差し替えが行われていなければ、ネットワーク運用者が最初に登録したポリシーに対して、ポリシーの変更又はポリシーの追加の処理を行う。既に差し替えが行われていれば、差し替え済みのポリシーにおいて、ポリシーの変更又はポリシーの追加の処理を行う。
【0080】
・ネットワーク運用者が登録したポリシーに対して、ポリシーの変更又は追加を行う場合について
ネットワーク運用者が登録したポリシーに対して、ポリシーの変更を行う場合、最適ポリシー選択手段203は、該当ポリシーが変更可能なポリシーであるかを判断し、変更可能であれば、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データである変動率に従い、ポリシーの作動(Action)の設定を行う。
【0081】
例えば、確保する帯域幅が50Mbpsで、変動率が50%である場合、25Mbpsの帯域幅まで変更可能であり、ポリシーの作動(Action)の設定を変更する。変更可能なポリシーの場合、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー変更要求を行う。
【0082】
該当ポリシーが変更不可能である場合、又は既に変更済みである場合は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、未適用である他のポリシーが存在するか否かを判断する。未適用のポリシーが存在する場合は、未適用ポリシーを設定するために、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー追加要求を行う。未適用ポリシーが存在しない場合は、代替ポリシーに差し替える処理に移行する。
【0083】
・差し替え中のポリシーに対して、ポリシーの変更又はポリシーの追加を行う場合について
最適ポリシー選択手段203は、差し替え可能なポリシーが存在するかをチェックし、差し替え可能な候補があれば、ポリシーの差し替えを行う。ポリシーの差し替えとは、例えば、帯域幅を確保するポリシーから優先制御を行うポリシーへの差し替え等、種別の異なるポリシーへ差し替えることである。
【0084】
ポリシー差し替え中は、以下の処理を行う。ポリシーの変更を行う場合、最適ポリシー選択手段203は、該当ポリシーが変更可能なポリシーであるかを判断し、変更可能であれば、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データである変動率に従い、ポリシーの作動(Action)の設定を行う。
【0085】
例えば、確保する帯域幅が50Mbpsで、変動率が50%であれば、25Mbpsの帯域幅まで変更可能となり、ポリシーの作動(Action)の設定を変更する。変更可能なポリシーの場合は、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、差替ポリシー変更要求を行う。
【0086】
変更不可能なポリシーである場合、又は既に変更済みである場合は、次に、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、未適用である他のポリシーが存在するか否かを判断する。
【0087】
未適用のポリシーが存在する場合は、未適用ポリシーを設定するために、ポリシー適用指示手段204に対して、差替ポリシー追加要求を行う。未適用ポリシーが存在しない場合は、代替ポリシーに差し替える次の候補となるポリシーがないか判定し、繰り返し処理を行い、差し替え可能なポリシーがなくなるまで処理を繰り返す(図3:PH105:最適ポリシー選択処理フェーズ)。最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、それらの要求に従い、以下の処理を行う。
【0088】
・ポリシー変更要求を受けた場合
ポリシー変更要求を受けたポリシー適用指示手段204は、変更内容をポリシー分析データベース210に格納し、変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、変更要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0089】
・ポリシー追加要求を受けた場合
ポリシー追加要求を受けたポリシー適用指示手段204は、追加内容をポリシー分析データベース210に格納し、追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対してを行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、追加要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0090】
・差替変更要求を受けた場合
差替ポリシー変更要求を受けたポリシー適用指示手段204は、最初に、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、最初の差替変更ポリシー要求か否かの判断を行う。
【0091】
最初の差替変更ポリシー要求の場合、差替内容をポリシー分析データベース210に格納し、ネットワーク運用者が登録したポリシーの取り戻しを行った後、差替ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、ポリシー差替要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0092】
既に、ポリシー差し替え処理済みの場合、差替変更内容をポリシー分析データベース210に格納し、差替変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、差替変更要求内容に従ったネットワーク制御を行う。
【0093】
・差替追加要求を受けた場合
差替ポリシーの追加要求を受けたポリシー適用指示手段204は、差替追加内容をポリシー分析データベース210に格納し、差替追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、差替追加要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図3:PH106:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0094】
本発明のポリシー適用方式が上述のように動作することにより、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックを行い、ネットワークに最適なポリシーが適用可能となる。
【0095】
次に、本発明の第2の課題を解決するためのポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式について以下に説明する。図7にポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理フェーズを示し、図8、図9及び図10に、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す。なお、なお、図8、図9及び図10に示す各手段は、図1に示した各機能部の手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0096】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、或いは、パケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前に設定した代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによりサービス品質を劣化させてしまうという問題を解決するために、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、最適なラベルスイッチトパス(LSP)を、ネットワークの運用状況に基づいて選択する方式である。
【0097】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、前述のポリシー・フィードバック方式と同様の機能部構成により実現することができる。ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と、前述のポリシー・フィードバック方式との相違点は、登録されるポリシーがポリシー・フィードバック方式の場合は、ネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とがポリシー適用対象であったのに対し、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式は、複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部とで構成されるラベルスイッチトパス(LSP)がポリシー適用対象となる点である。
【0098】
図7に、ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式についての処理フェーズを示すが、前述のポリシー・フィードバック方式と同一の処理フェーズの部分に対しては、各処理フェーズの枠内に網掛けを施している。以下に示すポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスは、前述のポリシー・フィードバック方式と相違する点について詳しく説明する。
【0099】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー登録機能部においては、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介して、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを作成し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの登録を行う機能を備える。
【0100】
登録要求されたラベルスイッチトパス(LSP)ポリシー情報は、ポリシー登録要求として、ポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図7:PH201:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0101】
次に、ポリシー管理手段102は、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、通知されたポリシーが、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーか否かを判断し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであれば、ラベルスイッチトパス(LSP)毎にインデックスされたポリシー分析データベース210に、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーの情報を格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象であるラベルスイッチトパス(LSP)の経路上にある全てのネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図7:PH202:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0102】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部における障害情報を収集するために、障害情報をトラップする設定をトラップ手段303に依頼し、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。
【0103】
障害情報の収集依頼を受けたトラップ手段303は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、障害発生時に収集した情報を格納する。また、トラヒック量やパケットロス率等の収集依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図7:PH203:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0104】
ポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されているかを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知をネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0105】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知の依頼により通知された情報から、障害が発生しているか否かの判断を行う。障害が発生していない場合は、ポリシー・フィードバック方式へ移行し、障害が発生している場合は、最適ポリシー選択手段203に対してラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を行う(図7:PH204:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0106】
次に、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を受けた最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)があるか否かを判断する。代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は処理を終了する。代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中から、パケットロスが、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるLSPパケットロス率が閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか否かを判断し、閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)の中からパケットロス率が最少であるラベルスイッチトパス(LSP)を選択する。
【0107】
最適ポリシー選択手段203は、条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う。条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は、次の判定処理へ処理を移行する。
【0108】
次に、最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量が、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるLSPトラヒック量が閾値以下のラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか否かを判断し、存在する場合、LSPトラヒック量が最少の代替ラベルスイッチトパス(LSP)を選択する。
【0109】
上記条件を満たす代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う。上記条件を満足する代替ラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合は、次の処理へ移行する。
【0110】
障害が発生してラベルスイッチトパス(LSP)を、代替ラベルスイッチトパス(LSP)へ切り替える必要があるので、ポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるパケットロス率をLSPパケットロス率が超えていても、現状の最少のパケットロス率でパケット・フォワーディングを行っている代替ラベルスイッチトパス(LSP)に切り替えるため、以下の処理を行う。
【0111】
最適ポリシー選択手段203は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の中からパケットロス率(トラヒック量であってもよい)が最少である代替ラベルスイッチトパス(LSP)を抽出し、最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を行う(図7:PH205:最適ポリシー選択処理フェーズ)。
【0112】
そして、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受けたポリシー適用指示手段204は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替内容をポリシー分析データベース210に格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器に対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図7:PH206:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0113】
MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、或いはパケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことにより、サービス品質を劣化させてしまうといった問題を生じたが、本発明のポリシー提要方式の手段が前述のように機能することにより、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量又はパケットロス率が最少となる最適なラベルスイッチトパス(LSP)を、ネットワークの障害時に即座に選択するポリシーを適用することが可能となる。
【0114】
次に、本発明の第3の課題を解決するためのポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式について説明する。図11に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式についての処理フェーズを示し、図12、図13及び図14に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す。なお、図12、図13及び図14に示す各手段は、図1に示した各機能部の手段にそれぞれ相当し、同一の手段には同一の符号を付している。
【0115】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合等、ネットワーク・リソースが減少した場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を行う方式である。
【0116】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式は、前述のポリシー・フィードバック方式及びポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と同様の機能部構成により実現することができる。更に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式のポリシー登録機能部は、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式のポリシー登録機能部と対比した場合、トラップ手段303にネットワーク運用状況の障害情報の収集の依頼を行わないという点でのみ相違し、その他は同様の構成である。
【0117】
図11に、ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式についての処理フェーズを示しているが、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と同一の処理フェーズの部分には、各処理フェーズの枠内に網掛けを施している。以下に説明するポリシーベーストラヒックフロー方式の処理シーケンスは、前述のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式と相違する点について詳しく説明するものとする。
【0118】
ポリシーベーストラヒックフロー方式において、ポリシー登録機能部は、ネットワーク運用者がユーザインタフェース手段101を介して、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを作成し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの登録を行う機能を有する。
【0119】
登録要求されたラベルスイッチトパス(LSP)ポリシー情報は、ポリシー登録要求として、ポリシー管理手段102に処理が渡される。ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報をポリシー管理データベース110に格納する(図11:PH301:ポリシー登録処理フェーズ)。
【0120】
次に、ポリシー管理手段102は、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する。そして、ポリシーが登録された旨を通知されたポリシー分析手段201は、通知されたポリシーが、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーか否かを判断し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであれば、ラベルスイッチトパス(LSP)毎にインデックスされたポリシー分析データベース210に、ラベルスイッチトパス(LSP)ポリシーの情報を格納し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象であるラベルスイッチトパス(LSP)の経路上にある全てのネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断し、既に要求済みであれば処理を終了し、要求済みでなければ、監視ポイント設定手段301に対して、ネットワーク状況通知要求を行う(図11:PH302:ポリシー分析処理フェーズ)。
【0121】
そして、ネットワーク状況通知要求を受信した監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する。
【0122】
トラヒック量等の収集依頼を受けたポーリング手段302は、依頼されたネットワーク状況の情報を収集し、ネットワーク管理データベース310に、収集した情報を定期的に格納する(図11:PH303:ネットワーク運用状況通知要求処理フェーズ)。
【0123】
ポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式において、ポリシー分析機能部は、前述のポリシー登録機能部により、指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器と該ネットワーク機器が備えるインタフェース部におけるトラヒック量等の情報を収集する設定が行われたことにより、管理情報管理手段304は周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が更新されたか否かを判断し、更新されていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する。
【0124】
ネットワーク状況通知を受信したネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知の依頼により通知された情報から、トラヒック量がポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データであるラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在するか判断を行う。
【0125】
トラヒック量の限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在しない場合、ポリシー・フィードバック方式へ移行し、トラヒック量の限界閾値を超えたラベルスイッチトパス(LSP)が存在する場合は、最適ポリシー選択手段203に対して、トラヒックフロー流入制御要求を行う(図11:PH304:ネットワーク状況分析処理フェーズ)。
【0126】
次に、トラヒックフロー流入制御要求を受けた最適ポリシー選択手段203は、該当ラベルスイッチトパス(LSP)に対して、トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在するか否かを判断する。トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在しなければ処理を終了する。
【0127】
トラヒックフロー流入制御のポリシーが存在すれば、次の判定処理に移行する。最適ポリシー選択手段203は、トラヒックフロー流入制御ポリシーによる流入制御を既に開始しているか否かの判断を行う。未だ開始していない場合は、該当ラベルスイッチトパス(LSP)に対して登録されているトラヒックフロー流入制御ポリシーの中から、できるだけ少ないトラヒックフロー流入制御ポリシーをネットワークに適用するために、ポリシー適用指示手段204に対して、トラヒックフロー流入規制要求を行う。
【0128】
既に流入制御を開始している場合、現在適用され運用されているトラヒックフロー流入制御ポリシーよりトラヒック流入を規制するポリシーが存在するか否かの判断を行う。該当するポリシーが存在しなければ処理を終了し、該当するポリシーが存在する場合は、該トラヒックフロー流入制御ポリシーをネットワークに適用するために、ポリシー適用指示手段204に対して、トラヒックフロー流入規制要求を行う(図11:PH305:最適ポリシー選択処理フェーズ)。
【0129】
そして、トラヒックフロー流入規制要求を受けたポリシー適用指示手段204は、トラヒックフロー流入規制内容をポリシー分析データベース210に格納し、流入規制要求をポリシー適用手段103に対して行う。ポリシー適用手段103は、各ネットワーク機器に対して、トラヒックフロー流入規制要求内容に従ったネットワーク制御を行う(図11:PH306:選択ポリシー適用処理フェーズ)。
【0130】
本発明のポリシー適用方式の各手段が前述のように機能することにより、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースを使い切った場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制が可能となる。
【0131】
【実施例】
本発明の処理フローを図15から図29に示し、図30にポリシー管理データベース110、図31にポリシー分析データベース210、図32にネットワーク管理データベース310のデータ構造をそれぞれ示す。
【0132】
A.ポリシー・フィードバック方式の実施例について
ポリシー・フィードバック方式が適用されるネットワークの構成例を図33に示す。同図において、ネットワーク機器Xは、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門A、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門C、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門Eを収容している。
【0133】
また、ネットワーク機器Yは、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門B、ネットワークアドレスが10.1.5.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門D、ネットワークアドレスが10.1.6.0/24のIPアドレスが割り当てられた部門Fを収容している。
【0134】
そして、ネットワーク機器Xとネットワーク機器Yとの間は、100Mbpsのインタフェースで接続されているものとする。ネットワーク機器Xとネットワーク機器Yとのインタフェース部に割り当てられたネットワーク機器X側のIPアドレスは10.2.1.1とし、ネットワーク機器Y側のIPアドレスは10.2.1.2とする。また、ネットワーク機器XのIPアドレスは、10.2.1.3とし、ネットワーク機器YのIPアドレスは、10.2.1.4とする。
【0135】
システムの初期設定として、前述のネットワークを管理するネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を介して、図33に示したネットワークに適用可能なポリシーを作成し[図15:S10101]、入力されたポリシー情報からなるポリシー登録要求をポリシー登録手段102に渡す[図15:S10102]。
【0136】
処理を渡されたポリシー登録手段102は、ポリシー登録要求として渡されたポリシー情報を、ポリシー管理データベース110に格納する[図16:S10201]。本実施例において、ネットワーク管理者により図33のネットワーク用に作成され、ポリシー管理データベース110に格納されるポリシー例を図34及び図35に示す。
【0137】
ポリシーは、ポリシー種別、条件(condition )、作動(Action)から成っており、ポリシー種別には帯域ポリシー種別、優先制御(DiffServ)ポリシー種別などがある。条件(condition )には帯域を確保するトラヒックの送信元及び送信先のIPアドレスやネットワーク・アドレス等がそれぞれ設定される。作動(Action)には、帯域取得ポリシー種別の場合、確保したい帯域を設定し、優先制御(DiffServ)ポリシー種別の場合は、優先度を表すパラメータAF1〜AF5の値が設定される。
【0138】
優先制御(DiffServ)における優先度は、各ネットワーク機器が有するPHB(Per Hop Behavior)の設定で決定されるので、例えば、AF(Assured Forwarding)サービスの場合、AF1>AF2>AF3>AF4>AF5といった優先度順となる。
【0139】
例えば、図34及び図35において、ポリシー1は帯域ポリシー種別で、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aから、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bへの帯域を、30Mbps確保しようとするポリシーである。
【0140】
ポリシー管理手段102は、登録要求されたポリシー情報を受信する。受信したポリシー情報は、図30に示すポリシー管理データベース110に、ネットワーク機器IDとインターフェースIDに対応するチェーンを組み格納されている。本実施例で説明するポリシー管理データベース110内の初期格納状況は、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェースに対応するチェーンを図36及び図37に示す[図16:S10201]。その後、ポリシーが登録された旨をポリシー分析手段201に通知する[図16:S10202]。
【0141】
ポリシー分析手段201は、ポリシーが登録された通知を受信し[図17:S20101]、登録通知されたポリシーがラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであるか判定を行う[図17:20102]。その後、図31に示すような、ネットワーク機器IDとそのインタフェース部IDでインデックスされ、チェーン組でまれたポリシー情報、及びポリシーフィードバックで使用するデータをポリシー分析データベース210に格納する[図17:S20103]。
【0142】
本実施例で使用するポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部でインデックスされたポリシー分析データベース210内登録データを図31に示す。
【0143】
通知のあったポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部に対して、ネットワーク状況通知要求が既に行われているか判断する[図17:S20105]。既に要求済みであれば処理を終了する。要求済みでなければ、ネットワーク状況通知要求を行い、監視ポイント設定手段301に処理を渡す[図17:S20106]。
【0144】
監視ポイント設定手段301は、ネットワーク状況通知要求を受信する[図18:S30101]。続いて、指定されたポリシーの適用対象であるIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。
【0145】
ポーリング手段302は、トラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定を受信する[図19:S30201]。受信した情報を元に、ポーリング手段302は、定期的に依頼されたネットワーク状況の情報を収集する[図19:S30203]。
【0146】
そして、収集した情報を図32に示すネットワーク機器IDとインターフェース部IDでインデックスし、トラヒック量とパケットロス率を収集し、ネットワーク管理データベース110に格納する[図19:S30202]。本実施例で使用する情報収集対象のIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインタフェース部でインデックスされたネットワーク管理データベース110内データを図45に示す。
【0147】
管理情報管理手段304は、周期的に動作し、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを監視する[図21:S30401]。ネットワーク状況が新しくなっていなければ特に処理せず、新しくなっていることを認知すると[図21:S30402]、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0148】
ネットワーク状況分析手段202は、ネットワーク状況通知を受信し[図22:S20201]、ネットワーク状況通知を分析する。図40(a)に示すポリシー分析データベース210に格納された、ネットワーク状況の情報とシステム・コンフィギュレーション・データであるトラヒック量の超過の閾値又はパケットロス率の閾値とを比較し、該閾値を超えているか否かの判断を行い、超えていれば、ポリシー修正のフィードバックが必要と判断し、最適なポリシーのフィードバックが必要であるか判定する[図22:S20206]。本実施例でのシステム・コンフィギュレーション・データを、図40(b)に示す。トラヒック量の超過の閾値又はパケットロス率の閾値を超えた場合は、最適ポリシー選択手段にポリシーフィードバック要求を送信し、処理を渡す[図22:S20207]。
【0149】
A1:ポリシー・フィードバックにおけるポリシー追加の実施例について
図33に示すIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.4のネットワーク機器Yとの間の帯域は100Mbpsであり、図38に示すポリシー1が適用されている。ポリシー1は、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間の帯域を30Mbps確保する帯域制御ポリシーである。
【0150】
このとき、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、図40(b)に示すポリシー分析データベース210に格納されたパケットロス率の閾値10%を超えたとする。すると、最適ポリシー選択手段203はポリシーフィードバック要求を受信する[図23:S20301]。
【0151】
最適ポリシー選択手段203は、図38に示す該当するIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対応するポリシー分析データベース210の差替フラグを参照して、ポリシーの差し替えが実施されているか判定する[図23:S20302]。
【0152】
該当インターフェース部に適用されているポリシー1のフィードバックフラグを参照して、対象であるか判定する[図23:S20303]。ポリシー1はフィードバックフラグが対象となっているため、ポリシーフィードバックを実施する。
【0153】
次にポリシー1の変更可否フラグを参照して、変更可能であるか判定を行う[図23:S20304]。現状、ポリシー1は変更不可であるため、次に該当インターフェース部に未適用のポリシーがあるか検索を行う[図23:S20305]。図36及び図37に示すIPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器XとIPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対する未適用ポリシーを検索する。
【0154】
適用中のポリシー1は帯域ポリシーであるため、現状登録されている未適用の帯域ポリシーには、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2と、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eと、ネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fの帯域を20Mbps確保するポリシー3が存在する。よって、ポリシー2を適用する指示をするため、ポリシー適用指示手段204に対してポリシー追加要求を行う[図23:S20310]。
【0155】
ポリシー適用指示手段204は、受信した要求種別を判定する[図27:S20401]。受信したポリシー追加要求から、ポリシー2を図40(a)に示すポリシー分析データベース210に格納する[図27:S20404]。続いて、ポリシー2をIPアドレスが10.2.1.1とIPアドレスが10.2.1.2のインターフェース部に適用するため、追加ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対してを行う[図27:S20405]。
【0156】
ポリシー適用手段103は、受信要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が追加ポリシー適用要求であったため、ネットワーク機器に対して、ポリシー2の適用を実施する[図29:S10303]。以上により、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間のパケットロスが、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0157】
A2:ポリシー・フィードバックにおけるポリシー変更の実施例について
その後、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fとの間で、図40(b)に示すポリシー分析データベース210に格納されたシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えたものとする。
【0158】
最適ポリシー選択手段203はポリシーフィードバック要求を受信する[図23:S20301]。現状のシステム構成に適用されているポリシーを図39に示す。ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間の帯域を30Mbps確保するポリシー1、及びネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2である。
【0159】
まず、ポリシーの差し替えが実施済みか判定をするため、図39の差替フラグを参照する[図23:S20302]。差替フラグが未差替であるため、次に、フィードバックフラグを参照し、フィードバック対象であることを判定する[図23:S20303]。フィードバック対象であるため、続いて、各ポリシーの変更可否フラグをチエックし、ポリシーが変更可能であるか判定する[図23:S20304]。ポリシー1は変更不可となっているが、ポリシー2は変更可能となっている。
【0160】
これにより、最適ポリシー選択手段203はポリシー2の取得帯域を変更することを決定する[図23:S20304]。図40(b)に示すポリシー分析データベース210内のシステム・コンフィギュレーション・データの変動率を取得する[図23:S20308]。変動率が50%であるため、ポリシー2の作動(Action)設定である帯域30Mbpsを15Mbpsに変更することが可能である。最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、ポリシー変更要求を行う[図23:S20309]。
【0161】
最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、ポリシー変更要求を受け、図41に示すように、変更内容をポリシー分析データベース210に格納する[図27:S20402]。続いて、変更ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う[図27:S20403]。
【0162】
ポリシー適用手段103は、受信した要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が変更ポリシー適用要求であったため、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bの帯域を30Mbps確保するポリシー2を、帯域15Mbps確保するポリシーに変更する[図29:S10303]。
【0163】
以上により、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門F間のパケットロスが、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0164】
A3:ポリシー・フィードバックにおけるポリシーの差し替えの実施例について
その後、パケットロスが閾値を超える毎に、ポリシーの追加やポリシーの変更を行い、ポリシー分析データベース210がが図42に示すような状態になっていたとする。このとき、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bへのアクセスが急増し、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cと、ネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%以下にならなくなったとする。
【0165】
最適ポリシー選択手段203は、ポリシーフィードバック要求を受信し[図23:S20301]、ポリシーの差し替えが実施済か判定をするため、図39の差替フラグを参照する[図23:S20302]。差替フラグが未差替であるため、次に、フィードバックフラグを参照し、フィードバック対象であることを判定する[図23:S20303]。
【0166】
続いて、フィードバック対象であるため、各ポリシーの変更可否フラグをチエックする。しかし、全てのポリシーが変更不可能であると判定する[図23:S20304]。次に、最適ポリシー選択手段203は、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に、未適用のポリシーがあるか検索を行う[図23:S20305]。
【0167】
図36及び図37に示すポリシー管理データベース110の格納データの中から、IPアドレスが10.2.1.3のネットワーク機器Xと、IPアドレスが10.2.1.1のインターフェース部に対する未適用ポリシーを検索する[図23:S20305]。
【0168】
適用中のポリシー1からポリシー3は、帯域ポリシーであるため、帯域ポリシーとして、未適用のポリシーは存在しないと判定する[図23:S20306]。更に、最適ポリシー選択手段203は、現在適用中の帯域ポリシー以外に適用可能なポリシーが存在するか否かを、図36及び図37に示すポリシー管理データベース110内を検索する[図23:S20307]。
【0169】
そして、帯域ポリシー以外に優先制御(DiffServ)ポリシーが登録されていることを検知し[図23:S20311]、ポリシーの差し替え処理を行うことを決定する。続いて、図42に示す現在登録中のポリシー1からポリシー3までの変更可否フラグを参照し、変更可能であることを判定する[図23:S20312]。最適ポリシー選択手段203は、ポリシー適用指示手段204に対して、差し替えポリシー変更要求を行う[図24:S20314]。
【0170】
最適ポリシー選択手段203から各種要求を受けたポリシー適用指示手段204は、受信した要求の種別を判定する[図27:S20401]。差し替えポリシー変更要求を受け、図42に示す差し替え回数のカウントを参照し、1回目の差し替えポリシー変更要求かを判定する[図28:S20406]。次に、図43及び図44に示す切り替えをポリシー分析データベース210に格納する[図28:S20407]。続いて、切替ポリシー適用要求をポリシー適用手段103に対して行う[図28:S20409]。
【0171】
ポリシー適用手段103は、受信要求を判定する[図29:S10301]。受信した要求が切替ポリシー適用要求であったため、ネットワークアドレスが10.1.1.0/24の部門Aとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF2に設定し、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF3に設定し、ネットワークアドレスが10.1.3.0/24の部門Eとネットワークアドレスが10.1.6.0/24の部門Fのトラヒックを、優先制御(DiffServ)のAF4に設定する[図29:S10308]。
【0172】
以上により、ネットワークアドレスが10.1.2.0/24の部門Cとネットワークアドレスが10.1.4.0/24の部門Bとの間で、パケットロスが図40(b)に示すシステム・コンフィギュレーション・データのパケットロスの閾値である10%を超えなくなるようなポリシー適用が行われたこととなる。
【0173】
また、ポリシー差し替え中であっても、ポリシー差し替え前と同様に、差し替え中のポリシーの種類のなかで、ポリシーの変更又はポリシーの追加が可能である。このようにして、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックが可能となる。
【0174】
B.ラベルスイッチトパス(LSP)切り替えの実施例について
ラベルスイッチトパス(LSP)切り替えの実施例として、図46に示すネットワーク構成例により説明する。また、各ネットワーク機器配下のIPアドレス情報を図47(a)に示す。このネットワーク構成例において、図47(b)に示すラベルスイッチトパス(LSP)が設定されているとする。本実施例について、ネットワーク管理者が予めラベルスイッチトパス(LSP)に対してポリシーを設定する例、及びラベルスイッチトパス(LSP)障害発生時の切り替えの例についてそれぞれ説明する。
【0175】
B1. ネットワーク管理者がラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを設定する実施例について
まず、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24)から、ネットワーク機器E配下のネットワーク(10.1.5.0/24)へパケットを送るラベルスイッチトパス(LSP−X、LSP−Y、LSP−Z)に対してポリシーを設定する。
【0176】
ネットワーク管理者は、通常は、LSP−Xのパスを使い、異常時にLSP−Y、LSP−Zのパスを使用するように設定する。ポリシーとしては、全てのラベルスイッチトパス(LSP)で、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24)からネットワーク機器E配下のネットワーク(10.1.5.0/24)にパケットを通すものを用意し、LSP−Xのパスを使用するポリシーのみ有効とし、他は無効なポリシーとして登録する。
【0177】
以下にフローに従って説明する。ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を使用してポリシーを入力し、登録要求を行う[図15:S10101、S10102]。次に、ポリシー管理手段102は、入力されたポリシー情報を図47(c)に示す形でポリシーデータベースにデータを格納する[図16:S10201]と同時に、ポリシー分析手段201に登録通知を行う[図16:S10202]。
【0178】
通知を受けたポリシー分析手段201は[図17:S20101]、図47(c)のポリシーデータベース内の情報を参照し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであることを判断し[図17:S20102]、ポリシー分析データベースに、図48(a)に示すようなラベルスイッチトパス(LSP)/ポリシーのデータを登録する[図17:S20104]。また同時に、障害発生時に必要となるラベルスイッチトパス(LSP)の情報についても、ポリシー分析データベースに登録する(図48(b))[図17:S20104]。また、予め図49(a)に示すようなシステムコンフィギュレーションデータがポリシー分析データベース内に登録されているものとする。
【0179】
ポリシー分析手段201は、ポリシー分析データベース内に存在する図48(a)のラベルスイッチトパス(LSP)/ポリシーのデータと、障害発生時に必要となる図48(b)のラベルスイッチトパス(LSP)の情報と、ネットワーク管理データベースとを参照し、監視すべきネットワーク機器ID/インタフェース部IDを抽出し[図17:S20105]、ネットワーク状況通知要求を監視ポイント設定手段301に通知する[図17:S20106]。本実施例では、全てのネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、未監視状態とし、図49(b)のネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、監視するように通知する[図17:S20106]。
【0180】
要求を受けた監視ポイント設定手段301は[図18:S30101]、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器IDとインタフェース部IDにおけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。次に、受け付けた要求がラベルスイッチトパス(LSP)に関するポリシーであれば[図18:S30103]、障害情報を収集するために、障害情報をトラップする設定をトラップ手段303に依頼する[図18:S30104]。
【0181】
要求を受け取った[図19:S30201、図20:S30301]ポーリング手段302とトラップ手段303は、図50に示すデータをネットワーク管理データベースに登録する[図19:S30202、図20:S30303]。以上の手順により、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの設定が完了し、必要な情報収集をネットワーク管理サーバが開始する。
【0182】
B2. ラベルスイッチトパス(LSP)障害発生時の実施例について
本実施例をフローに従って以下に説明する。指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器とネットワーク機器が有するインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われているので、管理情報管理手段304は、周期的に動作し[図21:S30401]、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを判断し[図21:S30402]、新しくなっていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0183】
ネットワーク状況分析手段202は要求を受信し[図22:S20201]、ネットワーク管理データベースを参照し、ネットワーク機器Bのインタフェース部b1で、障害が発生していることを検出し[図22:S20202]、最適ポリシー選択手段203に対してラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求を行う[図22:S20203]。
【0184】
最適ポリシー選択手段203はラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受信し[図23:S20301]、ポリシー分析データベース内にあるラベルスイッチトパス(LSP)に関する情報(図48(b))を参照し、LSP−Xの代替経路として、LSP−YとLSP−Zのパスがあることを検出する[図25:S20319]。
【0185】
次に、LSP−YとLSP−Zのパスのパケットロス率を求めると、LSP−Yは5%(a2、c1、c2、e2のパケットロス率の最大のもの)、LSP−Xは12%(a3、d1、d2、e3のパケットロス率の最大のもの)となり[図25:S20320]、ポリシー分析データベース内システムコンフィギュレーションデータ(図49(a))にあるラベルスイッチトパス(LSP)パケットロス率閾値と比較して、閾値よりも低い方、本実施例ではLSP−Yを代替ラベルスイッチトパス(LSP)として選択する[図25:S20321]。最適ポリシー選択手段203はポリシー適用指示手段204に対し、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を送信する[図25:S20325]。
【0186】
代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求を受けた[図27:S20401]ポリシー適用指示手段204は、代替ラベルスイッチトパス(LSP)切替内容(図52(a))をポリシー分析データベース210に格納し[図27:S20414]、ラベルスイッチトパス(LSP)切替要求をポリシー適用手段103に対して行う[図27:S20415]。
【0187】
ポリシー適用手段103は要求を受信し[図29:S10301]、ネットワーク機器Aに対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行い、LSP−XのPolicy1が無効となり、LSP−YのPolicy2が有効となる(図52(b))[図29:S10306]。
【0188】
このようにして、MPLSに対応したネットワーク機器が備える障害保護(Protection)機能では、代替ラベルスイッチトパス(LSP)に、既に多量のトラヒックが流れていても、又は、パケットロスが発生するような輻輳状態であっても、障害の発生したラベルスイッチトパス(LSP)のトラヒックを、事前設定の代替ラベルスイッチトパス(LSP)に流すことによるサービス品質を劣化させてしまうという問題があったが、代替ラベルスイッチトパス(LSP)の切り替えを行う際に、複数のラベルスイッチトパス(LSP)の中から、トラヒック量やパケットロス率が最少となる最適なラベルスイッチトパス(LSP)をネットワークの障害時に即座に適用可能となり、上記の問題を解決することができる。
【0189】
C.トラヒックフロー流入制御の実施例について
トラヒックフロー流入制御の実施例として、インターネットサービスプロバイダ(ISP)におけるクラス分けされたインターネット接続サービス及びショッピングサービスでの例について説明する。まず、ISPの提供するインターネット接続サービスのクラスとして、エコノミー、スタンダード、ゴールドの3つのクラスがあるとする。
【0190】
エコノミークラスは、格安な料金で提供されるが、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になった場合は、接続は全て切断される。スタンダードクラスは、標準的な料金で提供され、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になった場合で、エコノミークラスのユーザの接続を切断しても、負荷が下がらない場合には、切断されることがある。ゴールドクラスは、切断されることはなく、アクセス先サーバまでのネットワークが高負荷になっても、エコノミークラスとスタンダードクラスのユーザを切断することで快適な接続が提供される。ただし料金は割高である。
【0191】
本実施例で説明するネットワーク構成例を図53に示す。図53の各ユーザ(A、B、C)は、図54(a)に示すように、ユーザAはエコノミークラス、ユーザBはスタンダードクラス、ユーザCはゴールドクラスのユーザサービスクラスで契約しているとする。本実施例のISPは、IPアドレスからユーザクラスを判別することができるよう、図53のネットワーク機器Aでは、図54(b)に示すようなIPアドレスの割り振りを行う。このとき、各ユーザには、図54(c)に示すようにIPアドレスが割り振られているものとする。
【0192】
ネットワーク機器C配下のIPアドレス情報及びショッピングサーバのIPアドレスは図54(d)に示すように割り振られているものとする。本実施例のネットワーク構成において、図54(e)に示すラベルスイッチトパス(LSP)が設定されているとする。
【0193】
本実施例について、ネットワーク管理者が予めラベルスイッチトパス(LSP)に対してポリシーを設定するときの例、及びラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック過負荷時の例についてそれぞれ説明する。
【0194】
C1.ネットワーク管理者がラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーを設定する実施例について
まず、ネットワーク機器A配下のネットワーク(10.1.1.0/24、10.1.2.0/24、10.1.3.0/24)から、ネットワーク機器C配下のネットワーク(10.10.10.0/24)へパケットを送るLSP−Xに対してポリシーを設定する。
【0195】
ネットワーク管理者は、通常は、ゴールド/スタンダード/エコノミーの各ユーザサービスクラスの全パケットを通すポリシーを使用する。トラヒック量が増加したときには、ゴールド/スタンダードのクラスのパケットは通し、エコノミークラスのユーザのパケットは拒否するポリシー、更にトラヒック量が増加したときは、ゴールドクラスのみパケットを通し、スタンダード/エコノミークラスのパケットは通さないポリシーを使用するように設定する。通常は、全ユーザのパケットが通るポリシーのみを有効とし、パケット流入を止めるポリシーは無効として登録する。
【0196】
以下にフローに従って説明する。ネットワーク管理者は、ユーザインタフェース手段101を使用して、ポリシーを入力し、登録要求を行う[図15:S10101、S10102]。次に、ポリシー管理手段102は、入力されたポリシー情報を、図55に示すような形で、ポリシーデータベースにデータを格納する[図16:S10201]と同時に、ポリシー分析手段201に登録通知を行う[図16:S10202]。
【0197】
通知を受けた[図17:S20101]ポリシー分析手段201は、図55のポリシーデータベース内の情報を参照し、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーであることを判断し[図17:S20102]、ポリシー分析データベースに、図56(a)に示すLSP/ポリシーの情報を登録する[図17:S20104]。
【0198】
また同時に、ネットワーク監視に必要となるラベルスイッチトパス(LSP)の情報についても、ポリシー分析データベースに登録する(図56(b))。また、予め図56(c)に示すようなシステムコンフィギュレーションデータがポリシー分析データベース内に登録されているものとする。
【0199】
ポリシー分析手段201は、ポリシー分析データベース内に存在する図56(a)及び図56(b)のデータと、ネットワーク管理データベースとを参照し、監視すべきネットワーク機器ID/インタフェース部IDを抽出し[図17:S20105]、ネットワーク状況通知要求を監視ポイント設定手段301に通知する[図17:S20106]。本実施例では、全てのネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、未監視状態とし、図56(d)のネットワーク機器ID/インタフェース部IDについて、監視するように通知する。
【0200】
要求を受けた[図18:S30101]監視ポイント設定手段301は、指定されたポリシーの適用対象であるネットワーク機器IDとインタフェース部IDにおけるトラヒック情報、パケットロス率を収集するために、それらの情報を収集する設定をポーリング手段302に依頼する[図18:S30102]。要求を受信した[図19:S30201]ポーリング手段302は、図57(a)に示すデータをネットワーク管理データベースに登録する[図19:S30202]。
【0201】
また、ポリシー分析データベース内に、ポリシー履歴情報として、Policy1を設定したことを記録する(図57(b))。以上の手順により、ラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの設定が完了し、必要な情報収集をネットワーク管理サーバが開始する。
【0202】
B2. ラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック過負荷時の流入制御の実施例について
本実施例をフローに従って説明する。指定されたラベルスイッチトパス(LSP)に対するポリシーの適用対象である複数のネットワーク機器とネットワーク機器が有するインタフェース部におけるトラヒック量やパケットロス率等の情報を収集する設定が行われているので、管理情報管理手段304は、周期的に動作し[図21:S30401]、ネットワーク状況の情報が新しくなっているかを判断し[図21:S30402]、新しくなっていれば、ネットワーク状況通知を、ネットワーク状況分析手段202に送信する[図21:S30403]。
【0203】
要求を受信した[図22:S20201]ネットワーク状況分析手段202は、図57(c)のネットワーク管理データベースと、図56(c)のシステムコンフィギュレーションデータのラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量閾値を参照し、ネットワーク機器Cのインタフェース部c1で、ラベルスイッチトパス(LSP)トラヒック量閾値を超えていることを検出し[図22:S20204]、最適ポリシー選択手段203に対してトラヒックフロー流入制御要求を行う[図22:S20205]。
【0204】
最適ポリシー選択手段203は要求を受信し[図23:S20301]、ポリシーデータベース内にトラヒックフロー流入制御のポリシーがあることを検出する[図26:S20326]。次に、現時点でトラヒックフロー流入制御ポリシーが適用されていないことを検出し[図26:S20327]、最も軽いトラヒックフロー流入制御ポリシーを検索する[図26:S20328]。
【0205】
本実施例の場合は、パケットの通過を不許可とする作動(Action)が最も少ないPolicy2を検索し、ポリシー適用指示手段204に対し、Policy1からPolicy2へのトラヒックフロー流入制御要求を送る[図26:S20331]。また、既にPolicy2が適用されていた場合は、Policy2よりもパケットの流入を制限するPolicy3を検索し[図26:S20329、S20330]、ポリシー適用指示手段204に対し、Policy2からPolicy3へのトラヒックフロー流入制御要求を送る[図26:S20331]。
【0206】
トラヒックフロー流入制御要求を受けた[図27:S20401]ポリシー適用指示手段204は、トラヒックフロー流入制御要求をポリシー分析データベース210に格納し(図58(a))[図28:S20416]、トラヒックフロー流入規制要求をポリシー適用手段103に対して行う[図28:S20417]。
【0207】
要求を受信した[図29:S10301]ポリシー適用手段103は、ネットワーク機器Aに対して、ラベルスイッチトパス(LSP)切り替え要求内容に従ったネットワーク制御を行い、LSP−XのパスのPolicy1が無効となり、Policy2が有効となる(図58(b))[図29:S10307]。
【0208】
Policy2が有効になることで、10.1.1.0/24のアドレスを有するユーザA(エコノミークラス、10.1.1.1)のショッピングサーバに対するパケットは、ネットワーク機器Aで全て止められることとなる。こうすることで、トラヒック流入を抑えることができる。
【0209】
また、同様に、Policy3が適用された場合、10.1.1.0/24と10.1.2.0/24のアドレスを有するユーザAとB(エコノミークラス:10.1.1.1、スタンダードクラス:10.1.2.2)のショッピングサーバに対するパケットは、ネットワーク機器Aで全て止めることが可能となり、ゴールドクラスのユーザだけが接続されるようになる。このようにして、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが最大限使用されている場合、MPLSネットワークを流れるトラヒックの流入規制を、各ネットワーク利用者毎に要求されるサービス品質に基づいて行い、ネットワーク利用者に差別化したサービスを提供することができる。
【0210】
【発明の効果】
本発明は、ポリシーサーバによって適用されているポリシーに対して、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといった適用ポリシーの修正のフィードバックを自動的に行うことにより、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができ、更に、ネットワーク管理者への負担を大幅に減少させることができる。
【0211】
本発明は、ネットワーク運用状況に基づいて、トラヒック量やパケットロスの少ないラベルスイッチトパス(LSP)を代替ラベルスイッチトパス(LSP)として選択することにより、ネットワーク全体のサービス品質を確保することができる。
【0212】
本発明は、MPLSネットワークにおいて、ネットワーク・リソースが最大限使用されている場合、MPLSネットワークを流れるトラヒック(ラベルスイッチトパス上を流れるトラヒック)の流入規制を、各ネットワーク利用者のサービス品質クラスに従って段階的に行うことにより、サービス品質クラスの低いネットワーク利用者からのトラフィックの流入を規制し、サービス品質クラスの高いネットワーク利用者のトラフィック流入を優先させ、ネットワーク利用者に差別化したサービスを提供することがアできる。
【0213】
更に、本発明の副次的効果として、ネットワーク運用状況に基づいて、適用するポリシーの追加、適用されているポリシーの変更、又は適用されているポリシーの差し替えといったポリシー修正のフィードバックの結果を蓄積することにより、ポリシーのトレーサビリティを確保し、ネットワーク運用状況とネットワーク制御との関連性を明確に認識することが可能となり、ネットワーク管理者は、ネットワーク増設のタイミングや、管理しているネットワークのキャパシティなどを容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式の機能構成を示す図である。
【図2】本発明のポリシー適用方式を適用したネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図3】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理フェーズを示す図である。
【図4】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図5】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図6】本発明のポリシー・フィードバック方式の処理シーケンスを示す図である。
【図7】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理フェーズを示す図である。
【図8】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図9】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図10】本発明のポリシーベースラベルスイッチトパス(LSP)切り替え方式の処理シーケンスを示す図である。
【図11】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理フェーズを示す図である。
【図12】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図13】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図14】本発明のポリシーベーストラヒックフロー流入制御方式の処理シーケンスを示す図である。
【図15】本発明のユーザインタフェース手段101の処理フローを示す図である。
【図16】本発明のポリシー管理手段102の処理フローを示す図である。
【図17】本発明のポリシー分析手段201の処理フローを示す図である。
【図18】本発明の管理ポイント設定手段301の処理フローを示す図である。
【図19】本発明のポーリング手段302の処理フローを示す図である。
【図20】本発明のトラップ手段303の処理フローを示す図である。
【図21】本発明の管理情報管理手段304の処理フローを示す図である。
【図22】本発明のネットワーク状況分析手段202の処理フローを示す図である。
【図23】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図24】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図25】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図26】本発明の最適ポリシー選択手段203を示す図である。
【図27】本発明のポリシー適用指示手段204を示す図である。
【図28】本発明のポリシー適用指示手段204を示す図である。
【図29】本発明のポリシー適用手段103を示す図である。
【図30】本発明のポリシーデータベース110のデータ構造を示す図である。
【図31】本発明のポリシー分析データベース210のデータ構造を示す図である。
【図32】本発明のネットワーク管理データベース310のデータ構造を示す図である。
【図33】本発明のポリシー・フィードバック方式が適用されるネットワーク例を示す図である。
【図34】図33のネットワーク例に適用される帯域制御ポリシーの例を示す図である。
【図35】図33のネットワーク例に適用される優先制御ポリシーの例を示す図である。
【図36】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるポリシー管理データベースの格納データ例を示す図である。
【図37】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるポリシー管理データベースの格納データ例を示す図である。
【図38】ポリシー・フィードバック方式の実施例における帯域確保ポリシーのデータ例を示す図である。
【図39】ポリシー追加の実施例におけるポリシー追加後のデータ例を示す図である。
【図40】(a)はポリシー分析データベース210に格納されるシステムコンフィギュレーションデータ、(b)は実施例Aにおけるポリシー分析データベース210に格納されるシステムコンフィギュレーションデータを示す図である。
【図41】ポリシー変更の実施例におけるポリシー変更後のデータ例を示す図である。
【図42】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え前のデータ例を示す図である。
【図43】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え後のデータ例を示す図である。
【図44】ポリシー差し替えの実施例におけるポリシー差し替え後のデータ例を示す図である。
【図45】ポリシー・フィードバック方式の実施例におけるネットワーク管理データベース310に格納されるデータ例を示す図である。
【図46】LSP切り替えの実施例のネットワーク構成を示す図である。
【図47】(a)はLSP切り替えの実施例のIPアドレス情報、(b)はLSP情報、(c)はポリシーデータベースを示す図である。
【図48】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報、(b)はLSP経路情報を示す図である。
【図49】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のシステムコンフィギュレーションデータ、(b)はLSP切り替えの実施例における監視すべきネットワーク機器ID/インタフェースIDの一覧を示す図である。
【図50】LSP切り替えの実施例におけるネットワーク管理データベースの初期状態を示す図である。
【図51】LSP切り替えの実施例における障害発生時のネットワーク管理データベースを示す図である。
【図52】(a)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のポリシー履歴情報、(b)はLSP切り替えの実施例におけるポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報(切り替え後)を示す図である。
【図53】トラフィックフロー流入制御の実施例のネットワーク構成を示す図である。
【図54】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例における契約ユーザのクラス、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるユーザクラス/IPアドレス対応表、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例における各ユーザに割り振られているIPアドレス、(d)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるネットワーク機器C配下のIPアドレス情報、ショッピングサーバのIPアドレス、(e)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP情報を示す図である。
【図55】トラフィックフロー流入制御の実施例のポリシーデータベースを示す図である。
【図56】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のポリシー分析データベース内のLSP/ポリシー情報、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP経路情報、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるシステムコンフィギュレーションデータ、(d)はトラフィックフロー流入制御の実施例における監視すべきネットワーク機器ID/インタフェースIDの一覧を示す図である。
【図57】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のネットワーク管理データベースの初期状態、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるポリシー分析データベース内ポリシー履歴上納の初期状態、(c)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるネットワーク管理データベースを示す図である。
【図58】(a)はトラフィックフロー流入制御の実施例のポリシー分析データベース内のポリシー履歴情報、(b)はトラフィックフロー流入制御の実施例におけるLSP/ポリシー情報(差し替え後)を示す図である。
【図59】MPLSネットワークにおけるパケット転送方式を示す図である。
【図60】ネットワーク管理サーバの動作概要を示す図である。
【図61】ポリシーサーバの動作概要を示す図である。
【図62】従来のネットワーク管理サーバの機能構成を示す図である。
【図63】従来のポリシーサーバの機能構成を示す図である。
【符号の説明】
101 ユーザインタフェース手段
102 ポリシー管理手段
103 ポリシー適用手段
110 ポリシー管理データベース
201 ポリシー分析手段
202 ネットワーク状況分析手段
203 最適ポリシー選択手段
204 ポリシー適用指示手段
210 ポリシー分析データベース
301 監視ポイント設定手段
302 ポーリング手段
303 トラップ手段
304 管理情報管理手段
310 ネットワーク運用データベース
Claims (10)
- ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、
ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段を備えたことを特徴とするネットワーク状況に基づくポリシー適用方式。 - マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、
該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段を備えたことを特徴とするネットワーク状況に基づくポリシー適用方式。 - マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段とを具備し、
該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段を備えたことを特徴とするネットワーク状況に基づくポリシー適用方式。 - ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と具備し、
ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段を備えたことを特徴とするネットワーク状況に基づくポリシー適用方式。 - 前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段とを具備したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式。
- ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、
ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーを追加し、適用されている運用ポリシーを変更し、又は適用されている運用ポリシーの差し替えを行う手段として機能させるためのネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラム。 - マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、
該ネットワークの転送経路の障害発生時に、複数のラベルスイッチトパスの中から、トラヒック量又はパケットロス量が最少となる代替ラベルスイッチトパスに切り替える手段として機能させるためのネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラム。 - マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークに対して、該ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワーク管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、
該ネットワーク・リソースを最大限使用したときに、該マルチプロトコルラベルスイッチングネットワークを流れるトラヒックフローの流入規制を、ユーザサービスクラスのレベルに応じて段階的に行う手段として機能させるためのネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラム。 - ネットワークを監視するポーリング手段及びトラップ手段と、該ネットワークを制御する運用ポリシーを適用するポリシー適用手段と、該ネットワークの管理者に対する運用ポリシーの登録のためのユーザインタフェース手段と、登録された運用ポリシーを管理するポリシー管理手段と、運用ポリシーの適用を指示するポリシー適用指示手段と、
ネットワーク運用状況に基づいて、適用する運用ポリシーの追加、適用されている運用ポリシーの変更、若しくは適用されているポリシーの差し替えのポリシー修正フィードバックの結果、複数のラベルスイッチトパスの中からトラヒック量又はパケットロス量が最少となる最適なラベルスイッチトパスへの切り替えの結果、又は、マルチプロトコルラベルスイッチングのネットワークを流れるトラヒックの流入規制の段階的適用の結果を保持し、運用ポリシーのトレーサビリティを確保する手段として機能させるためのネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラム。 - 前記運用ポリシーとネットワーク運用状況との関連付けを行うポリシー分析手段と、ネットワーク運用状況の監視依頼を行う監視ポイント設定手段と、定期的にネットワーク運用状況をチェックする管理情報管理手段と、ネットワーク運用状況を分析するネットワーク状況分析手段と、ネットワーク運用状況に基づいた最適なポリシーを選択する最適ポリシー分析手段として機能させるためのプログラムを有する請求項6乃至9の何れかに記載のネットワーク状況に基づくポリシー適用方式のプログラム。
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