JP2004233959A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス基板上に窒化シリコンからなる第1下地膜9と酸化シリコンからなる第2の下地膜10を有し、この第2の下地膜10の上に薄膜トランジスタと光透過性の画素部が形成されている。薄膜トランジスタはポリシリコン膜5とゲート電極Gとドレイン電極Dとソース電極Sとから構成され、画素部にはゲート絶縁膜、層間絶縁膜、有機膜が形成されている。また、外光を反射させる機能を有しており、第1下地膜を第2下地膜より厚く形成することで、透過型液晶パネルの画像の反転を抑制する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に外来光の反射を防止して画像のコントラストを向上させた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、テレビ、パソコン、携帯用端末のディスプレイ等に使用されている。液晶表示装置は、軽量で且つ消費電力が少ないため携帯電話機などの小型電子端末の表示手段として利用されている。
【0003】
また、携帯用端末は屋内外で使用されるため、部分透過型の液晶表示装置が用いられる。部分透過型の液晶表示装置は、使用環境が明るいときは外光を利用して画像を表示し、使用環境が暗いときにはバックライトの光を利用して画像を表示する。(例えば、特許文献1参照)。また、全透過型のパネルであっても、バックライトの光を主に用いる透過表示と、画像観察側から入射する光をバックライトの反射板で反射させる反射表示とを行える液晶表示装置がある。(例えば、特許文献2、3参照)。また、多くの液晶表示装置ではスイッチング素子として薄膜トランジスタが使用されている。
【0004】
近年、より高精細な液晶表示装置が求められており、液晶表示装置の画素数が増加している。画素数の増加に伴い、動作速度の速い薄膜トランジスタが必要となっている。高精細の液晶表示装置には薄膜トランジスタの半導体層としてアモルファスシリコンに替わりポリシリコン(多結晶シリコン)が用いられる。半導体層としてポリシリコンを用いることで薄膜トランジスタの動作速度が速くなり、結果として、高精細の画像を表示できる。また、ガラス基板上に上側下地層と下側下地層とを堆積させ、上側下地層上の半導体薄膜にレーザを照射してこの半導体薄膜を結晶化させる技術が知られている。(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−350158号公報
【特許文献2】
特開2002−98960号公報(段落0034−0043、図2−図3)
【特許文献3】
特開2002−98963号公報(段落0001−0007、0016−0017、図1、図3、図5)
【特許文献4】
特開平6−132306号公報(段落0002−0007、図1−図4)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通常、薄膜トランジスタはガラス基板上に形成され、ガラス基板は無アルカリガラスと称されるガラスを使用する。このガラス基板は不純物を含んでおり、不純物がポリシリコン膜に浸透して基板上に形成した薄膜トランジスタのトランジスタ特性が劣化する。
【0007】
ガラス基板からポリシリコン膜への不純物の浸透を抑制するために、ガラス基板とポリシリコン膜との間に窒化シリコン、酸化シリコン等の下地膜を有する。下地膜はパネル全面に形成され、下地膜の上には薄膜トランジスタの他に光透過性の画素電極が形成される。しかしながら、下地膜や画素電極を積層すると、各膜の屈折率の違いに起因する外来光の反射が起こる。
【0008】
バックライトを用いた従来の液晶表示装置は、光透過領域にも下地膜が形成されているため、光透過性の画素電極を形成した領域で外来光が反射すると、画像のコントラストが低下するという問題があった。
【0009】
また、部分透過型の液晶表示装置は一つの画素内に光反射領域と光透過領域が形成されている。そのため、バックライトの光を利用して画像を表示するとき、反射領域で透過光が遮られ、画面の輝度が低かった。画素電極内に反射電極を持たない全透過型のパネル構造とし、外来光をバックライトで反射させることで、バックライト使用時の輝度を向上させることができる。このような表示装置は下地膜、電極、層間絶縁膜等を積層して形成しているため、各膜の界面では屈折率の差に起因する界面反射が起きる。バックライトで外来光を反射させる全透過型液晶表示装置は、反射光で画像を表示すると画像の濃淡が逆転した反転画像が表示されるという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の代表的な液晶表示装置では、基板上に形成された薄膜トランジスタと画素電極とを有し、薄膜トランジスタはシリコン膜とゲート電極と前記画素電極に電気的に接続されたソース電極とを有し、シリコン膜と基板との間と画素電極と基板との間とには酸化シリコン膜と、酸化シリコン膜と基板との間に形成された窒化シリコン膜とを有し、窒化シリコン膜の膜厚は酸化シリコンの膜厚よりも厚いことを特徴とする。
【0011】
ここで、上述の窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を満たすことを特徴とする。
【0012】
また、上述の窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
0.9d≦555×m/(2×n)≦1.1d
を満たすことを特徴とする。
【0013】
また、上述の窒化シリコン膜の膜厚は、130nmから160nmの範囲であることを特徴とする。
【0014】
或いは、上述の窒化シリコン膜の膜厚は、126nmから165nmの範囲であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の別の代表的な液晶表示装置は、基板上に薄膜トランジスタと光透過性の画素電極とを備え、この薄膜トランジスタはポリシリコン膜とゲート電極とドレイン電極とソース電極とから構成されており、基板は下地膜を有し、当該下地膜の上にポリシリコン膜と光透過性の画素電極を配置してあり、下地膜は基板側の窒化シリコン膜と液晶層側の酸化シリコン膜とから成り、窒化シリコン膜は酸化シリコン膜より厚い。
【0016】
ここで、窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を満たす。
【0017】
また、基板側の窒化シリコン膜と光透過性画素電極との間には、酸化シリコン膜と、第2の窒化シリコン膜とを順次積層してある。酸化シリコン膜及び第2の窒化シリコンの層間絶縁膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を夫々満たす。
【0018】
更に、基板側の窒化シリコン膜と光透過性画素電極との間に配置した酸化シリコン膜は液晶側の下地膜とゲート絶縁膜と層間絶縁であり、第2の窒化シリコン膜は層間絶縁膜である。
【0019】
本発明の他の構成は、液晶層を介在させて対向させた2枚の基板のうち、一方の基板は薄膜トランジスタを有し、薄膜トランジスタは、半導体層と、ゲート線に接続されたゲート電極と、ドレイン線に接続されたドレイン電極と、画素電極に接続するソース電極とを含む。また、隣接する2本のゲート線と隣接する2本のドレイン線とで囲まれた領域内に、ソース電極に接続され液晶層を通過した外来光を反射させる反射電極を備えた反射領域と、ソース電極に接続されバックライトからの光を透過させる光透過性画素電極を備える透過領域とを有し、液晶層は反射領域と透過領域とで厚さが異なる。さらに透過領域の光透過性画素電極と基板との間に第1の膜と第2の膜を有し、第1の膜と第2の膜は屈折率が異なり、第1の膜と前記第2の膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を夫々満たす。
【0020】
ここで、第1の膜は窒化シリコンであり、第2の膜は酸化シリコンであることを特徴とする。
【0021】
また、第2の膜の上に窒化シリコンの第3の膜を有し、第3の膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を夫々満たすことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の液晶表示装置は、液晶層を介して2枚の基板を対向させた液晶パネルと、前記液晶パネルの一方の面側にバックライトを有した全透過型液晶表示装置であり、一方の基板は下地膜を有し、この下地膜の上に薄膜トランジスタと光透過性の画素電極とを備え、薄膜トランジスタは、ポリシリコン膜とゲート電極とドレイン電極とソース電極とを有する。ここで、下地膜は基板側の窒化シリコン膜と液晶層側の酸化シリコン膜とから成り、窒化シリコン膜は前記酸化シリコン膜より厚く形成されている。また窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
0.9d≦555・m/(2・n)≦1.1d
を満たす。
【0023】
また下地膜と画素電極との間に、酸化シリコン膜と、第2の窒化シリコン膜とを順次積層しており、酸化シリコン膜及び第2の窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
0.9d≦555・m/(2・n)≦1.1d
を満たす。
【0024】
また上述の構成に加えて、画素電極と同一基板上にコモン電極が、或いは、他の一方の基板にコモン電極が形成されている。
【0025】
この発明によれば、コントラストを向上させ、画像の視認性を向上させた表示装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施例の液晶表示装置の画素部の平面図である。
【0028】
液晶層を介在させて対向させた2枚の基板のうち、一方の基板は薄膜トランジスタを有している。また、互いに交差するゲート線群とドレイン線群とで囲まれる各領域に、該ゲート線からの走査信号によってオンするスイッチング素子と、該ドレイン線からの映像信号が前記スイッチング素子を介して供給される画素電極とが形成されて、いわゆる画素が構成されている。これらゲート線群とドレイン線群とで囲まれた領域が画素領域である。スイッチング素子としては薄膜トランジスタがある。
【0029】
隣接する2本のゲート線1と隣接する2本のドレイン線2とで囲まれた領域に1つの画素が形成される。この画素を3種類(赤用画素、緑用画素、青用画素)使ってカラー画像をパネル前面に表示することができる。
【0030】
1つの画素内に、反射電極3の形成された光反射領域と、反射電極の形成されていない光透過領域4とを備えている。光透過領域は反射電極3に開口を設けることにより形成される。光透過領域4には透明電極7が形成されており、反射電極3と透明電極4とで画素電極を構成している。
【0031】
反射電極より下層にはゲート線(ゲート電極)1、ドレイン線(ドレイン電極)2、ポリシリコン膜5、ストレージ線(ストレージ電極)6、透明電極7が形成されている。
【0032】
図2は図1のI−I線に沿った断面図である。
【0033】
薄膜トランジスタを形成する基板8の上に第1の下地膜9が形成され、第1の下地膜9の上に第2の下地膜10が形成されている。そして、第2の下地膜の上にポリシリコン膜5が形成されている。
【0034】
ポリシリコン膜は固相成長法またはレーザアニール法により形成することができる。固相成長法は基板全体を高温で加熱するため石英ガラス等の熱に強い材料を使用しなけばならない。一方、レーザアニール法は、ガラス基板上に形成したアモルファスシリコン層をレーザでアニールして形成される。そのため、基板全体を高温で加熱する必要がない。固相成長法に比べ低温で形成できるポリシリコン膜は、無アルカリガラスと称されるガラス基板上に形成される。このガラス基板は不純物を含んでいる。不純物がポリシリコン膜に浸透しないようにガラス基板上に下地膜を形成してある。
【0035】
ポリシリコン膜を形成するためには酸化シリコン膜上で結晶化させることにより、粒界の少ない層を形成できる。しかしながら、酸化シリコン膜でガラス基板からの不純物を浸透を抑制するためには、酸化シリコン膜の膜厚を厚くしなけばならない。
【0036】
そこで、第1の下地膜9として窒化シリコン膜を形成した。窒化シリコン膜はポリシリコン膜5の形成には不向きであるが、ガラス基板8からポリシリコン膜5への不純物の浸透を抑制するこができる。よって、ガラス基板からのナトリウム等の拡散によるトランジスタ特性の劣化を抑制できる。
【0037】
第2の下地膜10として酸化シリコン膜を形成した。酸化シリコン膜上にポリシリコン膜5を形成することで粒径の大きな結晶化したシリコンを形成できる。さらに酸化膜を形成することによりトランジスタのしきい電圧の変動を防ぐことができる。
【0038】
第1の下地膜9として窒化シリコン膜を形成し、第2の下地膜10として酸化シリコンを形成することで、全体として薄い下地膜を形成することができる。下地膜が薄くなることにより、うねりの少ない下地膜を形成でき、膜厚の変化の少なくすることができる。
【0039】
ポリシリコン膜5を覆ってゲート絶縁膜12が形成される。ゲート絶縁膜12の上にゲート電極1が形成される。ゲート絶縁膜12はポリシリコン膜5とゲート電極1を絶縁するために配置されている。本実施例において、ゲート絶縁膜12は酸化シリコン膜で、ゲート電極1はモリブデンタングステンである。
【0040】
ゲート絶縁膜12の上層に、ゲート線1を覆って第1の層間絶縁膜13が形成されている。第1の層間絶縁膜13は酸化シリコン膜で形成され、主にゲート電極1とドレイン電極2またはソース電極14との絶縁を目的としている。
【0041】
ゲート絶縁膜12と第1の層間絶縁膜にはコンタクトホール15が形成され、コンタクトホール15でドレイン電極1と半導体層5、及びソース電極14と半導体層5が接続している。本実施例において、ドレイン電極及びソース電極は上層にチタン、中層にアルミニウム、下層にチタンの3層構造(チタン/アルミニウム/チタン)である。上層と下層にチタンを配置することで、ポリシリコン膜5及び透明電極(ITO)7との電気的接続を確実にしている。
【0042】
第1の層間絶縁膜13上にドレイン電極2とソース電極14を覆って第2の層間絶縁膜16が形成されている。第2の層間絶縁膜16は窒化シリコン膜である。第2の層間絶縁膜16に窒化シリコンを用いることで、有機絶縁膜18から薄膜トラジスタへの汚染物質の浸透を防止し、かつ有機絶縁膜18と第2の層間絶縁膜との密着性が向上する。
【0043】
第2の層間絶縁膜16の上に透明電極7が形成されている。第2の層間絶縁膜16にはコンタクトホール15が形成され、コンタクトホール15でソース電極14と透明電極7が電気的に接続されている。透明電極はITO(Indium Tin Oxide)を使用している。
【0044】
第2の層間絶縁膜16の上には透明電極7を部分的に覆って第3の層間絶縁膜18が形成されている。第3の層間絶縁膜は有機材料で形成されている(有機絶縁膜)。有機絶縁膜18を配置することにより、ゲート線またはドレイン線等の配線間の結合容量を低減することができる。結合容量を低減することにより、液晶表示装置の消費電力を低減することができる。
【0045】
第3の層間絶縁膜18の上に反射電極3が形成されている。反射電極3は上層にチタンタングステン、下層にアルミニウムの2層構造(チタンタングステン/アルミニウム)である。チタンタングステンは透明電極7との電気的接続を確実にしている。
【0046】
図3は図1のII−II線に沿った断図面である。
反射電極3の形成されている領域が反射領域RA、反射電極の形成されていない領域が透過領域TAである。
【0047】
ガラス基板8の上に第1の下地膜9と第2の下地膜10が形成されている。これらの下地膜は画素領域全体に形成されている。低温ポリシリコンの製造工程の途中で下地膜を除いてしまうと、その後のホトリソの工程で現像液、エッチング液、レジスト除去液等がガラス基板に直接触れる。そのため、ガラス基板のナトリウム等のイオンが溶出する。
【0048】
下地膜により、ホトリソ工程で現像液、エッチング液、レジスト除去液等がガラスに接触しないため、フィルタを通してからこれらの液を再利用することが可能であり、ライン全体を汚染を防止することができる。また、製造コストを低減できる。
【0049】
第2の下地膜の上にポリシリコン膜5が形成され、第2の下地膜の上にポリシリコン膜を覆って第1の層間絶縁膜13が形成されている。第1の層間絶縁膜の上にはストレージ電極6が形成されている。ストレージ電極6はソース電極14及び透明電極7と絶縁膜を介して対向し、保持容量を形成している。
【0050】
またストレージ電極6は反射領域RA内に形成されるため光を透過させる必要がない。よって、モリブデンタングステン膜で形成できる。
【0051】
第3の層間絶縁膜18は一部に開口部を有している。図1に示すように、反射電極3は第3の層間絶縁膜の開口をトレースして開口部4を形成している。反射電極は第3の層間絶縁膜の開口部に接続部11を有している。この接続部11で透明電極7と電気的に接続している。
【0052】
また、第3の層間絶縁膜18は透明電極7との間に角度θをもつ傾斜部17を持っている。角度θは90度よりも小さく、約45度である。傾斜部17を形成することで、配向膜のラビング斑を少なくしている。
【0053】
透明電極7は反射電極の開口部4よりも広い領域に形成されている。ガラス基板の下方には図示しないバックライトが配置され、透明電極7はバックライトからの光を透過させる光透過性画素電極である。
【0054】
画素部は液晶層19を介在して対向電極20を備える対向基板21と対向している。また液晶層の厚さ(ギャップ)は反射領域のギャップL1と透過領域のギャップL2とで異なっている。すなわち液晶層は反射領域と透過領域とで厚さが異なる。
【0055】
本実施例では上述の構成をノーマリブラック表示の液晶表示装置に適用した。
【0056】
ノーマリブラック表示の液晶表示装置は、ノーマリホワイト表示の液晶表示装置よりも光の透過率が高い、そのため濃いカラーフルタを使用することができ、色再現性に優れている。
【0057】
さらに、透過領域のギャップL2を反射領域のギャップL1よりも大きくすることで、輝度を向上させることができる。
【0058】
透過領域においては、光透過性の膜が積層されており、これらの積層された膜は屈折率が異なる。対向基板側からの外来光の反射を防止するために光透過性の膜の膜厚を制御してある。
【0059】
透過領域において、透明電極7とガラス基板8との間に、第1の下地膜9、第2の下地膜10、ゲート絶縁膜12、第1の層間絶縁膜13がある。
【0060】
これらの各膜が、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を夫々満たすように構成する。
【0061】
このように構成することで、透過領域での外来光の反射を抑制でき、コントラストの向上した液晶表示装置を提供できる。
【0062】
図4に各膜又は層の材質と厚さ(膜厚)と波長が555nmの時の屈折率のより具体的な実施例を示す。本実施例では透過領域のギャップL2は5.2μm、反射領域のギャップL1は3.7μmとした。
【0063】
第1の下地膜と第2の下地膜は屈折率が異なる。ポリシリコン膜をガラス基板の不純物から保護するために、第1の下地膜は少なくとも45nmあれば良い。本実施例では、第1の下地膜9の材質は窒化シリコンであり、屈折率は2.0、膜厚は130nm〜150nmである。第2の下地膜10の材質は酸化シリコンであり、屈折率は1.5、膜厚は100nmである。第1の下地膜を第2の下地膜よくり厚く形成した。
【0064】
ゲート絶縁膜12の材質は第2の下地膜と同様に酸化シリコンであり、屈折率は2.0、膜厚は100nmである。第1の層間絶縁膜13の材質は第2の下地膜と同様に酸化シリコンであり、屈折率は2.0、膜厚は540nmである。第2の層間絶縁膜16の材質は窒化シリコンであり、屈折率は2.0、膜厚は200nmである。透明電極の材質はITOであり、屈折率は2.0、膜厚は77nmである。また、配向膜22と液晶の屈折率は1.5である。
【0065】
これらの各膜のうち、液晶層側の下地膜である第2の下地膜はゲート絶縁膜及び第1の層間絶縁膜と同じ屈折率を持つので同一の膜とみなすことができる。また第2の層間絶縁膜と透明電極もほぼ同じ屈折率を持つので同一の膜としてみなすことができる。よって、第1の膜は第1の下地膜である窒化シリコン膜であり、屈折率は2.0、膜厚は130nm〜150nmである。第2の膜は第2の下地膜とゲート絶縁膜と第1の層間絶縁膜とにより構成された酸化シリコン膜であり、屈折率は1.5、膜厚は740nmである。さらに第3の膜は屈折率2.0、膜厚は277nmである。
【0066】
上述の膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を夫々満たす。(mは負でない任意の整数)
このように構成することで、透過領域での外来光の反射を抑制でき、コントラストの向上した液晶表示装置を提供できる。
【0067】
より好ましくは、第1の下地膜を140nmとすると良い。
【0068】
図5は、第2の下地膜とゲート絶縁膜と第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜を図4の値とし、第1の下地膜を50nm〜180nmに変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。また、図6は図5の第1の下地膜が50nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図、図7は図5の第1の下地膜が140nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。
【0069】
図5、図6、図7から明らかなように、下地膜を140nmとしたときに最も視感度補正反射率が低い。
【0070】
この値は膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき、
d=555・m/2・n
と一致する。人間にとって555nmの波長の光が最も感度が良く、555nm近傍の波長の反射を抑制することで、コントラストを向上することができる。
【0071】
計算値に加え製造誤差を考慮して膜厚の約10%の厚さを加減する必要がある。好ましくは膜厚を10nmの誤差に制御すると良い。
【0072】
図8はノーマリブラック表示の部分透過型液晶表示装置のフィルム構成を示した図である。
【0073】
透過領域の液晶層の厚さは、偏向板及び位相差板を考慮し、液晶層を1回通過する透過光に対しコントラスト及び透過率等の透過光学特性が最良となるように設定してある。また、反射領域の液晶層の厚さは、偏向板及び位相差板を考慮し、液晶層を2回通過する反射光に対しコントラスト及び透過率等の透過光学特性が最良となるように設定してある。このため、液晶層、反射電極、液晶層の順で通過した光が位相差板、偏向板で遮られて黒表示をする場合、透過領域からの反射光は通過してきた液晶層の厚さが異なるため液晶層のリタデーションが異なり、位相差板及び偏向板では遮れない偏向状態になっている。
【0074】
すなわち、透過領域のギャップL2と反射領域のギャップL1とに差が無い場合には、液晶のリタデーションが透過領域と反射領域とで同じため、位相差板と偏向板とにより光が遮られていた。しかしながら、透過領域のギャップL2と反射領域のギャップL1とに差がある場合、液晶のリタデーションが透過領域と反射領域とで異なり、透過領域からの反射光を遮ることができない。
【0075】
図9は本発明を適用する液晶表示装置24の一部断面を含む斜視図である。液晶表示装置24は、フレーム25内に画像表示面のある対向基板21と、対向基板21と液晶層を介して配置したガラス基板8と、ガラス基板8の背面に配置したバックライト組立て23を含んで構成されている。
【0076】
本発明は、透過領域における外来光の反射を抑制することができるため、特に透過領域のギャップL2と反射領域のギャップL1とに差がある液晶表示装置において、コントラストを向上させることができる。
【0077】
多層膜からの反射光は、多層膜を構成する個々の層の屈折率が異なっていることにより各層間での界面反射が生じ、この界面反射が干渉して生じる。
【0078】
低温ポリシリコン薄膜トランジスタでは、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、有機層間絶縁膜、ITOであるが、このうち、屈折率の大きい膜について光化学的厚さをn・d(n:屈折率、d:膜厚)を555/2(nm)とすることにより最も視感度の高い緑の波長の光に対し、屈折率の大きい膜の両界面で反射光の位相が逆となり相殺するため、反射率が小さくなる。
【0079】
また、ゲート絶縁膜、層間絶縁膜、透明電極の膜厚は低温ポリシリコントランジスタ及び保持容量の電気的特性に最適な膜厚にしたまま、下地膜に用いる窒化シリコンの膜厚を前述の実施例のようにすることで界面反射を低減することができる。
【0080】
図10は本発明の第2の実施例を説明するための図であり、液晶表示装置の画素部の平面図である。また、図10は画素部に外光を反射させて画像を表示するための反射電極を備えていない全透過型の表示装置に適用される。
【0081】
液晶層を介在させて対向させた2枚の基板のうち、一方の基板(第1の基板)には薄膜トランジスタが形成されている。また、後述する他の基板(第2の基板)にはカラーフィルタが形成されている。
【0082】
互いに交差するゲート線1群とドレイン線2群とで囲まれる各領域に、該ゲート線1からの走査信号によってオンするスイッチング素子と、該ドレイン線2からの映像信号が前記スイッチング素子を介して供給される画素電極3とが形成されている。これらゲート線群とドレイン線群とで囲まれた領域が画素領域である。スイッチング素子としては薄膜トランジスタ(TFT)がある。薄膜トランジスタはゲート線に接続しているゲート電極G、多結晶シリコン膜5、ドレイン線に接続しているドレイン電極D、画素電極に接続しているソース電極Sから構成されている。
【0083】
隣接する2本のゲート線1と隣接する2本のドレイン線2とで囲まれた領域に1つの画素が形成される。この画素を3種類(赤用画素、緑用画素、青用画素)使ってカラー画像をパネル前面に表示することができる。
【0084】
1つの画素内に、コモン電極Cと画素電極3が形成されている。またコモン電極Cと画素電極3は同一基板上に形成され、いわゆる横電界(In−Plain Switching)方式の液晶表示装置を構成している。コモン電極Cに接続しているコモン線6はゲート線の上層に平行して配置することで画素を大きくしている。
【0085】
図11は図10のI−I線に沿った断面図である。
【0086】
薄膜トランジスタはガラス基板8上に形成され、ガラス基板8は無アルカリガラスと称されるガラスを使用する。このガラス基板8は不純物を含んでおり、不純物がポリシリコン膜5に浸透して基板上に形成した薄膜トランジスタのトランジスタ特性が劣化する可能性がある。ガラス基板8からポリシリコン膜5への不純物の浸透を抑制するために、ガラス基板8とポリシリコン膜5との間に窒化シリコン、酸化シリコン等の下地膜を形成する。下地膜はパネル全面に形成され、下地膜の上には薄膜トランジスタの他に光透過性の画素電極3、コモン電極Cが形成される。
【0087】
薄膜トランジスタを形成する基板8の上に第1の下地膜9が形成され、第1の下地膜9の上に第2の下地膜10が形成されている。そして、第2の下地膜の上にポリシリコン膜5が形成されている。それらの形成方法や、第1の層間絶縁膜や第2の層間絶縁膜等の構成、形成方法は第1の実施形態と同様である。
【0088】
第2の層間絶縁膜上に形成される有機絶縁膜18は平坦化膜とも呼ばれ、有機絶縁膜18を形成することで、コモン電極Cおよび画素電極3を形成する面は第2層間絶縁膜16の凹凸に影響されない平坦な面を形成できる。有機絶縁膜18を配置することにより、ゲート線およびドレイン線とコモン線との配線間の結合容量を低減することができる。結合容量を低減することにより、液晶表示装置の消費電力を低減することができる。
【0089】
有機絶縁膜18の上にコモン電極Cおよび画素電極3が形成される。コモン電極Cと画素電極3は画素内に形成されており、光透過性の膜である。例えば、透明電極としてITO(Indium Tin Oxide)が使用される。
【0090】
第2層間絶縁膜16と有機絶縁膜18にはソース電極Sと画素電極3とを電気的に接続するためのコンタクトホール15が形成されている。
【0091】
本実施例では上述の構成をノーマリブラック表示の液晶表示装置に適用した。
【0092】
画素部においては、光透過性の膜が積層されており、これらの積層された膜は屈折率が異なる。対向基板側からの外来光の反射を防止するために光透過性の膜の膜厚を制御してある。
【0093】
図12は図10のII−II線に沿った断面図である。
【0094】
下地膜を有することにより、ホトリソ工程で現像液、エッチング液、レジスト除去液等がガラスに接触しないので、ガラス基板からのナトリウム等のイオンの溶出を抑制できる。イオンの溶出が無ければ、フィルタを通してからこれらの液を再利用することが可能であり、ライン全体の汚染を防止することができる。また、製造コストを低減できる。
【0095】
第2の下地膜の上にゲート絶縁膜12、第1層間絶縁膜13、第2層間絶縁膜16、有機絶縁膜18が積層されている。有機絶縁膜18の上には画素電極3とコモン電極Cとが同一基板上に形成されている。配向膜22は有機絶縁膜18、画素電極3、コモン電極Cとを覆って形成されている。配向膜22に接して液晶層が形成される。
【0096】
これらの膜は画素内に配置されており、光透過特性を持っている。特に画素電極とコモン電極は所定の電圧が印加されるため透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)で形成されている。画素電極とコモン電極の間の電界により液晶分子を制御し光の透過量を制御している。
【0097】
理想的には、各膜において膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
d=555・m/(2・n)
を夫々満たすように構成する。しかし実際は製造誤差等があるため計算値に加え膜厚の約10%の厚さを加減する必要がある。好ましくは膜厚を10nmの誤差に制御すると良い。
【0098】
画素領域において、ガラス基板8上には相対的に屈折率の低い第2下地膜10、ゲート絶縁膜12、第1層間絶縁膜13、平坦化膜18と、相対的に屈折率の高い第1の下地膜9、第2の層間絶縁膜16がある。
【0099】
相対的に屈折率の高い各膜が、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
0.9d≦555・m/(2・n)≦1.1d
を夫々満たすように構成する。上記範囲では膜厚の±10%を誤差範囲として許容しているが、膜厚dが200nmを超える場合は所定の膜厚の±15%迄許容できる。このように構成することで、屈折率の高い膜から屈折率の低い膜に光が通過する際の、屈折率の違いに起因する外来光の反射を抑制でき、反転画像の表示を抑制できる。
【0100】
さらに、相対的に屈折率の低い膜が、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
0.9d≦555・m/(2・n)≦1.1d
を夫々満たすように構成する。上記範囲では膜厚の±10%を誤差範囲として許容しているが、膜厚dが200nmを超える場合は所定の膜厚の±15%迄許容できる。このように構成することで、透過領域での外来光の反射をさらに抑制でき、反転画像の表示を抑制できる。
【0101】
図13に各膜又は層の材質と厚さ(膜厚)と波長が555nmの時の屈折率の具体的な実施例を示す。本実施例では透過領域のギャップL2は5.2μmとした。
【0102】
第1の下地膜と第2の下地膜は屈折率が異なる。ポリシリコン膜をガラス基板の不純物から保護するために、第1の下地膜は少なくとも45nmあれば良い。本実施例では、第1の下地膜9の材質は窒化シリコンであり、屈折率は1.85、膜厚は150nmである。第2の下地膜10の材質は酸化シリコンであり、屈折率は1.5、膜厚は100nmである。第1の下地膜を第2の下地膜より厚く形成した。
【0103】
ゲート絶縁膜12の材質は第2の下地膜と同様に酸化シリコンであり、屈折率は1.5、膜厚は100nmである。第1の層間絶縁膜13の材質は第2の下地膜と同様に酸化シリコンであり、屈折率は1.5、膜厚は540nmである。第2の層間絶縁膜16の材質は窒化シリコンであり、屈折率は1.85、膜厚は300nmである。平坦化膜18は屈折率が1.6の有機膜を使用し、膜厚は1750nmである。画素電極3およびコモン電極6はITOであり、屈折率は2.0、膜厚は140nmである。また、配向膜22と液晶の屈折率は1.5である。
【0104】
これらの各膜のうち、液晶層側の下地膜である第2の下地膜はゲート絶縁膜及び第1の層間絶縁膜と同じ屈折率を持つので同一の膜とみなすことができる。よって、第1の膜は第1の下地膜である窒化シリコン膜であり、屈折率は1.85、膜厚は150nmである。第2の膜は第2の下地膜とゲート絶縁膜と第1の層間絶縁膜とにより構成された酸化シリコン膜であり、屈折率は1.5、膜厚は740nmである。さらに第3の膜は第2層間絶縁膜、第4の膜は平坦化膜、第5の膜はITOである。
【0105】
第1の膜と第5の膜は膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
d(1−0.1)≦555・m/(2・n)≦d(1+0.1)
を満たし、
第2の膜、第3の膜、第4の膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
d(1−0.15)≦555・m/(2・n)≦d(1+0.15)
を夫々満たす。
【0106】
このように構成することで、透過領域におけるガラス基板8に形成した各種膜での外来光の反射を抑制でき、外光をパネルのバックライト側で反射させて画像を表示するときの画像の視認性を向上さることができる。特に第1の下地膜を厚く形成したので、基板からポリシリコン膜への不純物の浸透を抑制できる。
【0107】
図14および図15は画素のうち画素電極およびコモン電極の形成されていない領域の視感度補正反射率を示す図である。
【0108】
図14は、第1下地膜、第2下地膜、ゲート絶縁膜、第1層間絶縁膜、平坦化膜、ITOを図13の値とし、第2層間絶縁膜を100nm〜500nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。縦軸は視感度補正反射率、横軸は第2層間絶縁膜の膜厚である。第2層間絶縁膜が約150nmのときの視感度反射率は約0.45%で、最も視感度反射率が低い。次に約300nmのときの視感度反射率が低く、視感度反射率は約0.88%である。
【0109】
図15は、第2下地膜、ゲート絶縁膜、第1層間絶縁膜、第2層間絶縁膜、平坦化膜、ITOを図13の値とし、第1下地膜を25nm〜350nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。縦軸は視感度補正反射率、横軸は第1下地膜の膜厚である。第1下地膜が約150nmのときの視感度反射率は約0.88%で、最も視感度反射率が低い。次に約300nmのときの視感度反射率が低く、視感度反射率は約1.33%である。
【0110】
図16、図17および図18は画素のうち画素電極およびコモン電極の形成されている領域の視感度補正反射率を示す図である。
【0111】
図16は、第1下地膜、第2下地膜、ゲート絶縁膜、第1層間絶縁膜、第2層間絶縁膜、平坦化膜を図13の値とし、ITOを50nm〜300nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。縦軸は視感度補正反射率、横軸はITOの膜厚である。図16に示すとおり、ITOの膜厚が約140nmのとの視感度反射率は約1.3%であり、最も視感度反射率が低い。次に約280nmのときの視感度反射率が低く、視感度反射率は約2.1%である。
【0112】
図17は、第1下地膜、第2下地膜、ゲート絶縁膜、第1層間絶縁膜、平坦化膜、ITOを図13の値とし、第2層間絶縁膜を100nm〜400nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。縦軸は視感度補正反射率、横軸は第2層間絶縁膜の膜厚である。第2層間絶縁膜が約150nmのときの視感度反射率は約1.02%で、最も視感度反射率が低い。次に約300nmのときの視感度反射率が低く、視感度反射率は約1.3%である。
【0113】
図18は、第2下地膜、ゲート絶縁膜、第1層間絶縁膜、第2層間絶縁膜、平坦化膜、ITOを図13の値とし、第1下地膜を50nm〜325nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。縦軸は視感度補正反射率、横軸は第1下地膜の膜厚である。第1下地膜が約150nmのときの視感度反射率は約1.3%で、最も視感度反射率が低い。次に約300nmのときの視感度反射率が低く、視感度反射率は約1.56%である。
【0114】
本実施例では、図14、図17の結果に加え、容量低減、有機膜からの汚染低減等の観点から第2層間絶縁膜の膜厚は300nmとし、図15、図18から第1下地膜の膜厚は150nmとした。このような構成とすることで相対的に高い屈折率の膜から相対的に低い屈折率に光が進む際に起きる界面反射を抑制することができる。
【0115】
図19は図12の第1の下地膜が75nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図、図20は図12の第1の下地膜が150nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。図19、図20において縦軸は反射率(%)、視感度補正反射率(%)、視感度であり、横軸は光の波長(nm)である。なお、視感度は人間にとって最も視感度の強い555nmを1とした。図19において、波長が555nmのときの視感度は約0.028である。
【0116】
一方、図20において、波長が555nmのときの視感度は約0.0009であり、555nmの波長の反射光をほとんど認識できない程度まで抑制できた。人間にとって555nmの波長の光が最も感度が良く、555nm近傍の波長の反射を抑制することで、コントラストを向上することができる。
【0117】
多層膜からの反射光は、多層膜を構成する個々の層の屈折率が異なっていることにより各層間での界面反射が生じ、この界面反射が干渉して生じる。
【0118】
図21は第1基板4に、カラーフィルタを形成した第2基板7を重ね合わせたときの平面図である。特に第1基板に形成されたドレイン線とゲート線の位置と、第2基板に形成されたブラックマトリクスBMとの位置関係を説明する図である。第2基板7にはカラーフィルタとブラックマトリクスBMが形成されている。
【0119】
全透過型の液晶表示装置は金属薄膜で形成されているドレイン線やゲート線で外光が反射し、画像のコントラストが劣化する。そこで、ドレイン線およびゲート線と重なるようにブラックマトリクスBMを配置する。ブラックマトリクスBMを配置することで画像のコントラストの劣化を抑制できる。
【0120】
図22は第3の実施例を説明するための図であり、画素電極を形成した基板とコモン電極を形成した基板とを液晶層を介して対向させる液晶表示装置の平面図である。第1の実施例と同じ機能の部位には同じ参照符号を付けた。また、図22は画素部に外光を反射させて画像を表示するための反射電極を備えていない全透過型の表示装置に適用される。
【0121】
以下第2の実施例と異なる点について詳細に説明する。
【0122】
液晶層を介在させて対向させた2枚の基板のうち、一方の基板には薄膜トランジスタと、画素電極3とが形成されている。画素部分は第1の実施例と同様に、ゲート電極G、ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート線1、ドレイン線2、画素電極3、ポリシリコン膜5、TFTを形成するためのコンタクトホール14、コンタクトホール15が形成されている。第1の実施例との大きな違いは、画素電極3と同じ層にコモン電極が形成されていない点と、ゲート線と同じ層にストレージ線(ストレージ電極)6が形成されている点である。ストレージ線を形成することで画素電極の保持容量を増大させている。
【0123】
図23は第2の基板7(カラーフィルタ基板)に形成されるブラックマトリクスBMの平面図である。ブラックマトリクスBM図22のメタル部分であるゲート電極G、ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート線1、ドレイン線2、ストレージ線6を隠すように配置される。このように配置することで、メタル部分による外光の反射を防止でき、コントラストを向上させることができる。また、第2の基板7の液晶層対向する面は対向電極(コモン電極)Cが形成され、この対向電極Cを覆って配向膜が形成されている。
【0124】
図24は図22のIII−III線に沿った断面図である。
【0125】
ガラス基板8上に第1の下地膜9、第2の下地膜10が形成され、第2の下地膜10の上にポリシリコン膜5が形成される。ポリシリコン膜5を覆ってゲート絶縁膜12が形成され、ゲート絶縁膜上にゲート電極Gが形成される。またゲート絶縁膜12上にはゲート電極Gと同層にストレージ電極6が形成される。ゲート電極G、ストレージ電極6およびゲート絶縁膜を覆って第1の層間絶縁膜13が形成される。第1の層間絶縁膜とゲート絶縁膜の一部にはコンタクトホール14が形成されポリシリコン膜5とゲート電極G、ポリシリコン膜5とソース電極Sを夫々接続可能にしている。第1の層間絶縁膜上に形成されているドレイン電極Dとソース電極Sは下層にチタンタングステン、中層にアルミニウム、上層にチタンタングステンの3層構造になっている。図24では下層と中層を1つの膜として示した。上層のチタンタングステンは画素電極3との電気的接続を確実にしている。ドレイン電極、ソース電極および第1の層間絶縁膜を覆って第2の層間絶縁膜16が形成され、第2の層間絶縁膜を覆って有機絶縁膜18が形成される。有機絶縁膜の一部にはコンタクトホール15が形成されてソース電極と画素電極との接続を可能にしている。画素電極はITO(Indium Tin Oxide)を使用している。これらの各層を形成した第1の基板の液晶層19と対向する面には配向22膜が形成される。
【0126】
画素領域においては、光透過性の膜が積層されており、これらの積層された膜は屈折率が異なる。対向基板側からの外来光の反射を防止するために光透過性の膜の膜厚を制御してある。
【0127】
第3の実施例においても、理想的には、各膜の膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
d=555・m/(2・n)
を夫々満たすように構成する。また製造誤差、視感度等を考慮すると、計算値に加え膜厚の約10%の厚さを加減する必要がある。好ましくは膜厚を10nmの誤差に制御すると良い。
【0128】
即ち、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
0.9d≦555・m/(2・n)≦1.1d
を夫々満たすように構成する。
【0129】
また、視感度の許容範囲から、膜厚dが200nmを超える場合は所定の膜厚の±15%迄許容できる。
【0130】
即ち、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは負でない任意の整数)、
0.85d≦555・m/(2・n)≦1.15d
具体的な厚さは図13に示す通りである。
【0131】
このように構成することで、屈折率の高い膜から屈折率の低い膜に光が通過する際の、屈折率の違いに起因する外来光の反射を抑制でき、反転画像の表示を抑制できる。
【0132】
図25は本発明の実施例に共通に使用されるバックライト構体の配置を説明するための液晶表示装置の断面図である。
【0133】
液晶層19を挟んで第1の基板4と第2の基板7が対向配置されている。第1の基板と第2の基板はシール材11によって接着している。
【0134】
第2の基板の画像表示面側(画像観察面側)には偏光板20が配置されており、第1の基板のバックライト側(画像観察面と反対側)にも偏光板21が配置されている。また、第1の基板7と偏光板21との間には光拡散層17がある。さらに偏光板21のバックライト側には反射偏光板23が配置されている。
【0135】
バックライト構体は少なくとも、導光板25、光源26、反射板27から構成されている。必要に応じ光拡散シート24を導光板25の前面に配置していもよい。
【0136】
光拡散層17は拡散粘着材を使用した。拡散粘着材は光拡散機能と、偏光板と第1基板とを接着する機能とを兼ね備えている。また、導光板の前(観察窓側)に光拡散シート24を配置して光を拡散させている。
【0137】
観察窓からパネルに入射した光28は光拡散層17と光拡散シート24で拡散されて反射板27に到達する。反射した光29も拡散シート、光拡散層17を通過しパネルから射出される。ため、光が充分に拡散するため、輝度斑を抑制することができる。また、画像を斜めから見たときに発生する画像の影を防止することができ、画像認識性が良好になる。特に横電界方式の液晶表示装置は視野角が広く、このような表示装置に適用すると良い。また、反射偏光板23を配置することで、外光を有効に利用することができる。
【0138】
一方バックライトの光源26から出射された光30は導光板25内を通過し、画像表地面側に曲げられる。光30も光拡散シートおよび光拡散層で拡散されるので、画像表示面での輝度斑を抑制できる。このような構成とすることで、使用環境が暗いときはバックライトの光を使用して画像を表示し、使用環境が明るいときは外光を反射させて画像を表示できる。特に、外光を反射させて画像を表示する際の画像の反転表示を抑制することができる。
【0139】
また外光とバックライトの両方を使用することもでき、使用環境が明るい場合でもコントラストの良好な画像を表示できる。
【0140】
なお、上記各実施例では第1基板4をガラス基板として説明したが、下地膜の必要な基板であれば、同様の課題が発生する。第1基板はガラス基板以外の物を使用しても良い。また、下地膜以外であっても、光透過部に多層膜を形成した構造に適用上述の構成を適用することで、画像認識性を向上させることができる。
【0141】
本出願の優先権主張の基礎となる出願では、窒化シリコンの膜厚を、
d±10=555・m/2・n
と規定していた。しかし、先の出願では、図5、図6、図7から明らかなように、下地地膜の膜厚を140nmとしたときに最も視感度補正反射率が低くなることが示されている。つまり、この下地膜の膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき、
d=555・m/2・n
の式が満たされると記載されている。更に、製造誤差を考慮して下地膜の膜厚を約10%の厚さに加減する必要があり、好ましくは膜厚を10nmの誤差に制御すると良いとも記載されている。つまり、本発明の思想では、下地膜の膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を満たすことが条件とされているが、先の出願の明細書では式の記載に不備が存在していた。
【0142】
本発明の表示装置では、下地膜の窒化シリコンの膜厚を視感度補正屈折率が極小となる膜厚である140nmから±10nmの範囲(130nmから150nm)にすることが好ましい。しかし、この範囲は窒化シリコンの屈折率を2.0とした場合の値であり、窒化シリコンの屈折率は2.0から1.85の範囲でばらつく。屈折率が1.85の場合は150nmから±10nmの範囲(140nmから160nmの範囲)にすることが好ましい。故に、窒化シリコンの屈折率の変動を考慮すれば、下地膜の窒化シリコンの膜厚は、130nmから160nmの範囲に形成することが好ましいと言える。
【0143】
また、先の出願の明細書では、製造誤差を考慮して下地膜の窒化シリコンの膜厚を10%の厚さに加減する必要があると記載されている。この条件では、下地膜の窒化シリコンの屈折率が2.0の場合、膜厚を140nmから±14nmの範囲、つまり126nmから154nmの範囲に加減する必要がある。また、窒化シリコンの屈折率が1.85の場合、膜厚を150nmから±15nmの範囲、つまり135nmから165nmの範囲に加減する必要がある。故に、窒化シリコンの屈折率の変動を考慮すれば、下地膜の窒化シリコンの膜厚は、126nmから165nmの範囲に加減する必要があると言える。尚、製造装置、製造プロセスによっては、窒化シリコンの膜厚が15%程度ばらつく場合がある。その場合は、窒化シリコン下地膜の膜厚をおおよそ120nmから170nmの範囲に形成する必要がある。この範囲であっても、従来に比べて窒化シリコンの反射を低減することは可能である。また、上述しているように、ポリシリコン膜を基板の不純物から保護するためには第1の下地膜である窒化シリコンの膜厚は45nm以上あればよい。図4で示した窒化シリコン下地膜の膜厚の50nm〜180nmは、基板からの不純物の進入を低減する効果に主眼をおいた範囲であり、窒化シリコン膜の反射を低減する効果を更に得るためには、より狭い範囲に膜厚を抑えることが好ましい。
【0144】
尚、図5で示す下地窒化シリコン膜の膜厚と視感度補正反射率との関係は、窒化シリコン膜の屈折率を約2(概ね1.98)として求めたものであり、上記では屈折率が1.85の場合についても示している。しかし、窒化シリコン膜の屈折率は、製造装置の特性や製造プロセスにより、1.8から2.1の間で変動する。そのため、窒化シリコンの屈折率が2.1の場合は、膜厚を132nmとし、屈折率が1.8の場合は、膜厚を154nmとしたときに視感度補正反射率が最も低くなることとなる。つまり、下地膜の窒化シリコン膜の屈折率の変動を考慮した場合、窒化シリコンの膜厚を132nmから154nmの範囲で形成することにより視感度補正反射率を低く抑えることが可能となる。
【0145】
ここで、下地膜の屈折率が1.8から2.1まで変動することを考慮し、上述のように膜厚を10nmの範囲で加減した場合、膜厚を122nmから164nmの範囲にすることが好ましい。また、下地膜の窒化シリコンの膜厚を10%の厚さに加減した場合、下地膜の窒化シリコンの膜厚を118nmから169nmの範囲に加減する必要がある。
【0146】
ここで示す窒化シリコン下地膜の膜厚の規定は、画素領域内の透過部分に関するものである。
【0147】
以上、膜厚の数値を示してきたが、これらの数値は、窒化シリコンの下地膜の膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき、膜厚を±10nmの範囲で抑える場合は、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
の式を満たし、
膜厚を±a%の範囲で抑える場合は、
d×(1−0.01×a)≦555×m/(2×n)≦d(1+0.01a)
の式を満たすように膜厚を形成すると良い。
【0148】
また、上記では、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を酸化シリコンで形成しているが、窒化シリコン膜で形成しても良い。この場合は、酸化シリコン膜で挟まれたゲート絶縁膜(窒化シリコン膜)のみ反射率を考慮して上述した式で膜厚を決定してもよい。
【0149】
尚、本明細書では、基板上に形成された窒化シリコン膜と酸化シリコン膜とを下地膜と称しているが、下地膜とは薄膜トランジスタと基板との間に形成されている絶縁性の膜のことである。故に、当初より基板にそれらの膜が形成されているものであっても、薄膜トランジスタを作成する前に形成したものであってもよい。
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、透過領域からの反射を低減することで、反射画素電極とその上の液晶層と、位相差板と、偏向板とで形成される反射画像のコントラストを向上させることができる。また、本発明によれば、外光を第1基板よりも背面側で反射させて画像を表示するときの画像の視認性を向上させた表示装置を提供することができる。また反射光とバックライトの光を同時に使用するときも画像の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の画素部の平面図である。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図である。
【図3】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図4】膜又は層の材質と厚さと波長が555nmの時の屈折率を示す図である。
【図5】第1の下地膜を50nm〜180nmに変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。
【図6】図5の第1の下地膜が50nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。
【図7】図5の第1の下地膜が140nmのときの光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。
【図8】ノーマリブラック表示の部分透過型液晶表示装置のフィルム構成を示した図である。
【図9】本発明を適用する液晶表示装置の一部断面を含む斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の液晶表示装置の画素部の平面図である。
【図11】図10のI−I線に沿った断面図である。
【図12】図10のII−II線に沿った断面図である。
【図13】膜又は層の材質と厚さ(膜厚)と波長が555nmの時の屈折率を示す図である。
【図14】第2層間絶縁膜を100nm〜500nmの間で変化させたときの、視感度補正した反射率を示す図である。
【図15】第1の下地膜を25nm〜350nmに変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。
【図16】ITOを50nm〜300nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。
【図17】第2層間絶縁膜を100nm〜400nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。
【図18】第1下地膜を50nm〜325nmの間で変化させたときの、視感度補正をした反射率を示す図である。
【図19】第1下地膜が75nm場合の光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。
【図20】第1下地膜が150nm場合の光の波長と視感度補正反射率の関係を示す図である。
【図21】第1基板にカラーフィルタを形成した第2基板を重ね合わせたときの平面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態の液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図23】第2の基板に形成されるブラックマトリクスBMの平面図である。
【図24】図22のIII−III線に沿った断面図である。
【図25】バックライト構体の配置を説明するための液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1、G・・・ゲート電極、2、D・・・ドレイン電極、3・・・反射電極、4・・・反射電極開口部、5・・・ポリシリコン膜、6・・・ストレージ電極(ストレージ線)、7・・・透明電極、8・・・ガラス基板、9・・・第1の下地膜、10・・・第2の下地膜、11・・・接続部、12・・・ゲート絶縁膜、13・・・第1の層間絶縁膜、S・・・ソース電極、15・・・コンタクトホール、16・・・第2の層間絶縁膜、17・・・傾斜部、18・・・有機絶縁膜、19・・・液晶層、20・・・対向電極、21・・・対向基板、22・・・配向膜、C・・・コモン電極、1・・・ゲート線、2・・・ドレイン線、3・・・画素電極、4・・・第1の基板、7・・・第2の基板、11・・・シール材、14,15・・・コンタクトホール、16・・・第2の層間絶縁膜、17・・・光拡散層、20,21・・・偏光板、23・・・反射偏光板、24・・・光拡散シート、25・・・導光板、26・・・光源、27・・・反射板。
Claims (21)
- 基板上に形成された薄膜トランジスタと画素電極とを有する液晶表示装置であって、
前記薄膜トランジスタは、シリコン膜と、ゲート電極と、前記画素電極に電気的に接続されたソース電極とを有し、
前記シリコン膜と前記基板との間と、前記画素電極と前記基板との間とには、酸化シリコン膜と前記酸化シリコン膜と前記基板との間に形成された窒化シリコン膜とを有し、
前記窒化シリコン膜の膜厚は、前記酸化シリコンの膜厚よりも厚いことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
d−10≦555×m/(2×n)≦d+10
を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。 - 前記窒化シリコン膜は、膜厚をd(nm)、波長が555nmのときの屈折率をnとしたとき(mは任意の整数)、
0.9d≦555×m/(2×n)≦1.1d
を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。 - 前記屈折率は、2.0であることを特徴とする請求項2又は3記載の液晶表示装置。
- 前記屈折率は、1.85であることを特徴とする請求項2又は3記載の液晶表示装置。
- 前記窒化シリコン膜の膜厚は、130nmから160nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記窒化シリコン膜の膜厚は、126nmから165nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記シリコン層と前記ゲート電極との間にはゲート絶縁膜が形成されており、
前記ゲート絶縁膜と前記画素電極との間には、前記ゲート絶縁膜に隣接した層間膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7記載の液晶表示装置。 - 前記層間膜は、第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜と前記画素電極との間に形成された第2の層間絶縁膜とを有していることを特徴とする請求項8の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記ゲート絶縁膜と前記第1の層間絶縁膜とは同一の材料で形成されていることを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
- 前記ゲート絶縁膜と前記第1の層間絶縁膜とは酸化シリコンで形成されており、前記酸化シリコン膜と前記ゲート絶縁膜と前記第1の層間絶縁膜の合計の膜厚をd(nm)、mを任意の整数としたとき、
0.9d≦555×m/(2×1.5)≦1.1d
を満たすことを特徴とする請求項10記載の液晶表示装置。 - 前記第2の層間絶縁膜と前記画素電極の合計の膜厚をd(nm)、mを任意の整数としたとき、
0.9d≦555×m/(2×2)≦1.1d
を満たすことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 前記画素電極は、反射電極と光透過性電極とを有し、
前記基板から前記反射電極までの距離と、前記基板から前記光透過性電極までの距離とは異なっていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 前記反射電極と前記基板との間には、有機膜が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
- 前記画素電極は、光透過性の電極であり、
前記光透過性の電極と前記基板との間には、有機膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の液晶表示装置。 - 前記有機膜の膜厚をd(nm)、mを任意の整数としたとき、
0.9d≦555×m/(2×1.6)≦1.1d
を満たすことを特徴とする請求項14又は15のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 前記基板と対向する基板上に、光透過性の対向電極が形成されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記基板の外側にバックライトが設けられており、前記バックライトには反射板が設けられていることを特徴とする請求項15記載の液晶表示装置。
- 前記画素電極は、基板上に形成された有機膜の上に形成されており、
前記有機膜の上にはコモン電極も形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の液晶表示装置。 - 前記有機膜の膜厚をd(nm)、mを任意の整数としたとき、
0.9d≦555×m/(2×1.6)≦1.1d
を満たすことを特徴とする請求項19に記載の液晶表示装置。 - 前記基板の外側にバックライトが設けられており、前記バックライトには反射板が設けられていることを特徴とする請求項19記載の液晶表示装置。
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