JP2004233302A - センサ保存液、センサ較正液およびセンサ - Google Patents

センサ保存液、センサ較正液およびセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】微生物や細菌の繁殖等による保存液や較正液の経時劣化を抑制する。また、保存液や較正液により、センサの電極被覆部に含まれる酵素や有機層等が劣化することを抑制する。また、保存液や較正液により、センサの電極被覆部に含まれる有機層が、隣接する他の層や電極から剥離することを抑制する。
【解決手段】酵素電極18を備えたセンサの保存液23または較正液として、電解質と、pH緩衝剤と、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有するものを用いる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中の特定成分を分析するセンサならびにセンサの保存液および較正液に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体試料等に含まれる各種成分の測定方法として、酵素反応と電気化学反応を組み合わせた方法が広く用いられている。バイオセンサは、こうした手法を利用したセンサの一つであり、試料中の特定成分を酵素の機能により他の物質に変換し、この物質を酸化還元反応により計測する。
【0003】
こうしたセンサの一例が特許文献1に記載されている。図1に、同文献に記載されたセンサの例を示す。図示したセンサは、絶縁基板6上に電極10が形成され、その上に結合層7、固定化酵素層8および制限透過層9がこの順で積層した構造を有している。酵素反応の起こる固定化酵素層8の上に制限透過層9を設けることにより、目的とする測定に対し干渉物質や妨害物質の影響を排除するとともに、広い測定濃度範囲を実現している。また、金属からなる電極10と有機材料からなる固定化酵素層8との間に結合層7を設けることにより、両者の間の密着性を向上させ、センサの耐久性を向上させている。すなわち、上記センサは、酵素を含む層のほかにさまざまな機能を有する有機材料の層を積層し、センサの性能および信頼性を向上させている。
【0004】
こうしたバイオセンサを用いて繰り返し測定を行う場合、測定終了後、センサを良好な状態で保管しておくことが重要である。通常、使用時以外は保存液に浸漬してセンサの電流や電圧を安定させておき、使用直前に較正液を用いて較正を行った後、測定を行うのが一般的である。保存液や較正液としては、通常、pH緩衝液が用いられる。
【0005】
しかしながら、従来の保存液や較正液を用いてセンサの保存、較正を行った場合、センサを構成する膜の一部が剥離したり、センサに含まれる酵素が失活したり、また保存液にカビ等が発生したりすることがあった。剥離の主な原因としては、熱膨張によるストレスや電圧印加時のストレス、および過剰電流の影響等を受けることが挙げられる。また、酵素の失活および保存液中のカビ等の発生原因としては、測定を行った際に外部から持ち込まれる微生物や細菌が保存液中で繁殖し、これらがセンサを構成する膜に付着して当該膜の機能を低下させたり、保存液のpHを低下させたりすることが挙げられる。こうした現象は、40℃以上の高温において顕著に発生する。このような現象が発生しているにもかかわらずセンサの使用を続けると、測定精度が低下することがあった。
【0006】
センサの保存液に防菌作用および防腐作用を付与する検討については、これまで多くの検討がなされている。たとえば、特許文献2には、センサ保存液にアジ化ナトリウム等のアジ化合物を含有する保存液を含有させることにより、保存液の抗菌作用を向上させる技術が開示されている。
【0007】
しかしながら、アジ化合物は極めて強い酸化力を発揮するため、センサを構成する有機膜や酵素を酸化分解し損傷を与えやすい。また、電圧の印加条件によっては、アジ化合物がセンサに不可逆的に吸着し、センサの特性を著しく低下させる場合がある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−81409号公報
【特許文献2】
特開平2000−74870号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の有する上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、微生物や細菌の繁殖等による保存液や較正液の経時劣化を抑制することにある。また本発明の別の目的は、保存液や較正液により、センサの電極被覆部に含まれる酵素や有機層等が劣化することを抑制することにある。また本発明の別の目的は、保存液や較正液により、センサの電極被覆部に含まれる有機層が、隣接する他の層や電極から剥離することを抑制することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサ保存液が提供される。
【0011】
また本発明によれば、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサ較正液が提供される。
【0012】
また本発明によれば、前記保存液にセンサを浸漬し、保存することを特徴とするセンサの保存方法が提供される。また本発明によれば、前記較正液にセンサを接触させ、較正することを特徴とするセンサの較正方法が提供される。
【0013】
本発明によれば、上記特定構造の化合物の作用により、微生物や細菌の繁殖等による保存液や較正液の経時劣化を効果的に抑制することができる。また、保存液や較正液により、センサの電極被覆部に含まれる酵素や有機層等が劣化したり、センサの電極被覆部に含まれる有機層が、隣接する他の層や電極から剥離することを抑制することができる。上記特定構造の化合物を用いることによりこのような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、ヘテロ環に含まれるS(硫黄)が微生物や細菌の繁殖を抑える作用を有すること、および、ヘテロ環に含まれるN(窒素)がセンサ表面に吸着する作用を有し、これによりセンサ表面に保護膜が形成されること、がその原因であるものと推察される。
【0014】
さらに本発明によれば、基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極を覆う被覆部とを有し、該被覆部が、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサが提供される。
【0015】
このセンサにおいて、被覆部は、一または二以上の有機層を含む多層構造を有するものとすることができる。また、被覆部は、酵素を含むものとすることができる。
【0016】
本発明のセンサは、電極の被覆部が上記特定構造の化合物を含有しているため、センサ保存時において被覆部の性能劣化、層間剥離等を抑制することができ、また、被覆部と電極との密着性低下を抑制することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、ヘテロ環に含まれるN(窒素)がセンサ表面に吸着する作用を有し、これによりセンサ表面に保護膜が形成されること、がその原因であるものと推察される。なお、本発明のセンサにおいて、上記特定構造の化合物は、被覆部の表面に付着した形態であってもよいし、被覆部の内部に存在する形態であってもよい。また、「有機層」とは、電極上部に形成された有機化合物から主としてなる層をいい、たとえば、後述する結合層、イオン交換樹脂層、固定化酵素層、制限透過層等が挙げられる。
【0017】
本発明は、尿中のグルコース測定に用いるセンサや、その保存液、較正液に好適に適用できる。尿中のグルコース測定(尿糖測定)時の使用環境は、血糖測定時のそれよりも過酷である。なぜなら、尿糖測定は基本的にトイレにおいて行われるため、雑菌等が多く、必然的に保存液にも混入する可能性が極めて高いからである。本発明によれば、こうした過酷な使用環境においても、センサの性能を良好に維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第一の実施形態)
本実施形態は、酵素電極をセンサとして有する測定装置を用い、これを保存液中で保存する方法の例について説明する。ここでは尿糖を測定する場合を例に挙げる。
【0019】
図8は本実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。本体22は、操作ボタン17、酵素電極18および測定表示部19を備えている。本体22の内部には、酵素電極18の駆動回路、電源回路および時計が格納されている(いずれも不図示)。操作ボタン17は、測定、酵素電極の較正、およびデータの呼び出し等の操作を行うボタンである。酵素電極18はセンサ部分に相当し、この部分に試料を接触させ測定を行う。測定表示部19は、尿糖値の測定データや、操作方法、電池ならびに酵素電極の交換時期、および時刻を表示する。
【0020】
図9は、測定装置の本体22がスタンド20に装着された様子を示す図である。図9(a)はセンサ装着状態の外観を示し、図9(b)はスタンド20の内部構造を示す。スタンド20には、測定装置の較正を行う際に使用する較正液の満たされた較正液容器21が設けられている。また、スタンド20には、測定装置を保存しておく際に浸漬しておく保存液23の満たされた保存液容器24が設けられている。測定装置の不使用時は、図示したようにセンサ部分を保存液23に浸漬しておく。なお、測定装置の使用前の待機状態においては、電極系、たとえば作用極に対して一定の電圧を常時、印加させておいてもよい。印加電圧は、銀/塩化銀電極を参照極として用いた場合、たとえば参照極に対して0.1〜0.8Vとする。
【0021】
図10に、図8の測定装置を用いて尿糖の測定を行う方法を示す。まず、図10(a)に示すように、スタンド20から取り出された本体22の酵素電極18に較正液25を滴下して、酵素電極18の較正を行う。次に、図10(b)に示すように、尿サンプル26に酵素電極18を浸漬させ、尿中のグルコース濃度を測定する。測定後、図10(c)に示すように、水道水27で酵素電極18表面に残存する尿サンプル26を廃水28中に洗い流す。そして、図10(d)に示すように、本体22の測定表示部19に測定値が表示される。以上のように、図10(a)から図10(d)に示した操作を繰り返すことにより測定を行う。測定終了後は図9に示すように酵素電極18を保存液23に浸漬した状態で保存する。なお、図10(b)の時点から測定値が表示される形式の測定装置を用いてもよい。
【0022】
本実施形態では、保存液23および較正液25は、いずれも、(a)電解質、(b)pH緩衝作用を持つ物質(以下、pH緩衝剤とも呼ぶ)および(c)窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含む。較正液25は、さらに、既知濃度の較正物質を含んでいる。
【0023】
(a)成分の電解質としては、pH緩衝剤の支持電解質として利用される物質、たとえば塩化物や硝酸塩を用いることができる。塩化物としては、安価で低毒性であり、水和し易いものが好ましく用いられる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、および塩化マグネシウム等が好ましく、特に上記(c)成分との反応性の低い塩化マグネシウムが好ましい。硝酸塩としては、同様に硝酸マグネシウムが好ましく用いられる。保存液23中の塩化物濃度、較正液25中の塩化物濃度は、好ましくは0.005ppm以上100ppm以下、より好ましくは0.05ppm以上50ppm以下とする。また、保存液23中の硝酸塩濃度、較正液25中の硝酸塩濃度は、好ましくは0.01ppm以上100ppm以下、より好ましくは0.1ppm以上100ppm以下とする。このような濃度とすることにより、液中で(c)成分が安定的に存在し、酵素電極を含むセンサを安定的に保存、較正することができる。
【0024】
(b)成分のpH緩衝剤は、pHの変動を防ぎ、保存液23または較正液25の品質低下を防ぐ役割を果たす。たとえば、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルフォリノエタンスルホン酸1水和物(MES)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)等を用いることができる。これらの濃度はたとえば1〜200mMとすることができる。
【0025】
(c)成分の化合物は、保存液23中に細菌や微生物が繁殖することを抑制するとともに、センサを構成している各種有機膜の剥離を抑制する。この化合物を含む保存液23や較正液25を用いると、センサの電極部表面に当該化合物が付着し、電極に過剰な電流が流れることが抑制される。この結果、酵素電極18を長期間使用しても、電極上に形成された有機層、たとえば固定化酵素層が破損したり、電極と有機層とが剥離したりすることが抑制される。また、こうした化合物は防汚作用を有するため、電極表面が保護され、センサの特性を長期間安定的に維持することができる。
【0026】
(c)成分の化合物は、S(硫黄)およびN(窒素)を含む単環または多環の化合物である。この化合物は単環でも多環でもよいが、本発明の効果をより安定的に得るためには、好ましくは4〜6員の単環化合物とし、より好ましくは5〜6員の単環化合物とする。こうすることにより、(c)成分の化合物が液体中でより安定な構造となる。なお、多環式化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等が例示される。
【0027】
具体的には、1,3−チアゾール(チアゾール)、2−チアゾリン、3−チアゾリン、4−チアゾリンおよびこれらの誘導体等のチアゾール類;
1,2−チアゾール(イソチアゾール)、2−イソチアゾリン、3−イソチアゾリン、4−イソチアゾリンおよびこれらの誘導体等のイソチアゾール類;
1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジンおよびこれらの誘導体等のチアジン類;
チアジアゾール、チアトリアゾール、チアジアジンおよびこれらの誘導体等ヘテロ環の骨格中に2以上の窒素原子と1以上の二重結合とを含む化合物;
チアゾリジン、チアジアゾリジンおよびこれらの誘導体等ヘテロ環の骨格が単結合で形成された化合物;
等が挙げられる。
ここで、誘導体とは、オキソ基(=O)等の結合による酸化物、ハロゲン化物、アルキル化物等が挙げられる。具体的には、ヘテロ環に直接結合した、オキソ基、ハロゲン基、アルキル基等を有するものが挙げられる。これらの置換基は、いずれか一種が結合していてもよいし、複数種類の基が結合していてもよい。
【0028】
こうした誘導体のうち、チアゾリン−オン化合物、イソチアゾリン−オン化合物、チアジン−オン化合物およびこれらの誘導体を用いれば、保存液23や較正液25の経時劣化を特に効果的に抑制するとともに、保存液23や較正液25により、センサに含まれる酵素や有機層の劣化や有機層の剥離を顕著に抑制することができる。
【0029】
ここで、下記一般式(1)で示されるイソチアゾリン−3−オン化合物は、センサの保存特性等が特に良好であり、好ましく用いられる。
【0030】
【化1】
Figure 2004233302
【0031】
(ただし上記一般式(1)において、Rは、水素原子または炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびAは、互いに独立にハロゲン原子、水素原子またはアルキル基、アルケニル基等の一価の基を表す。AおよびAは、連結して環を形成してもよい。)
【0032】
一般式(1)の化合物の例としては、下記一般式(2)および(3)の化合物が挙げられる。これらにおいて、XはCl、Brなどのハロゲン原子を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基を表す。一般式(2)の化合物の具体例としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
【0033】
【化2】
Figure 2004233302
【0034】
【化3】
Figure 2004233302
【0035】
上記以外にも、チアゾリン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、チアトリアゾール、チアゾリジン、チアジアゾリジンまたはこれらの酸化物、ハロゲン化物、もしくはアルキル化物からなる群から選択される1または2以上の物質を用いることができる。4員環または6員環の環状化合物を用いることもできる。これらの物質を用いることにより、電極と有機層との剥離を有効に抑制することができる。以下、こうした化合物の構造を示す。これらの式において、Rは水素原子または炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基を表し、好ましい例として、メチル基、エチル基、およびプロピル基が挙げられる。このうち保存液23や較正液25に対する溶解性や液中での安定性の観点からはメチル基が好ましい。XはClなどのハロゲン原子である。
【0036】
【化4】
Figure 2004233302
【0037】
【化5】
Figure 2004233302
【0038】
【化6】
Figure 2004233302
【0039】
【化7】
Figure 2004233302
【0040】
【化8】
Figure 2004233302
【0041】
【化9】
Figure 2004233302
【0042】
【化10】
Figure 2004233302
【0043】
【化11】
Figure 2004233302
【0044】
【化12】
Figure 2004233302
【0045】
【化13】
Figure 2004233302
【0046】
【化14】
Figure 2004233302
【0047】
【化15】
Figure 2004233302
【0048】
【化16】
Figure 2004233302
【0049】
【化17】
Figure 2004233302
【0050】
なお、上記例示のうち環状部分にアミド単位を有する化合物は、アミド単位がイミノヒドリン単位に変換し、互変異性をなすことが知られている。この場合、環に結合したオキソ基(=O)は、ヒドロキシル基(−OH)となる。
【0051】
本実施形態においては、(c)成分として、上述した化合物を、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
ここで、上記式(6)に示される化合物の例として、下記式(18)に示される5−クロロ−3−メチル−4−チアゾリン−2−オンが挙げられる。また、上記式(9)に示される化合物の例として、下記式(19)に示される5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。
【0053】
【化18】
Figure 2004233302
【0054】
【化19】
Figure 2004233302
【0055】
また、下記式(20)に示される4、5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンや4、5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリンを用いてもよい。
【0056】
【化20】
Figure 2004233302
【0057】
これらの化合物群は、特に、センサの保存特性等に優れる。具体的には、たとえばローム・アンド・ハース社製のケーソンWTやKLARIX4000(登録商標)Microbicide等を用いることができる。またこうした化合物を、前述の一般式(2)の化合物、たとえば2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと組み合わせて用いてもよい。
【0058】
(c)成分としてイソチアゾールの酸化物、たとえばイソチアゾリン−オン化合物を用いる場合、保存液23や較正液25中におけるイソチアゾールの酸化物の濃度は、0.001ppm以上100ppm以下、さらに好ましくは0.05ppm以上50ppm以下とする。この濃度で十分に膜の剥離が抑制される。
【0059】
上述した実施の形態において、(c)成分の化合物、たとえばイソチアゾリン−オン化合物は、センサ表面に付着し、センサの作用極に所定の電圧を印加した際、過剰な電流値が流れるのを抑制する。このため、電極上に形成された固定化酵素層が破損したり、剥離したりするのを防ぐことが可能になる。この点については実施例にて後述する。
【0060】
また、(c)成分の化合物は、細菌や微生物の発生を抑制する効果がある。この理由はついては不明な点が多いが、ジャーナル オブ インダストリアル マイクロバイオロジー、1986年、1号、49ページにおいて、イソチアゾリン−オン化合物が微生物の細胞膜に損傷を与え、同膜の透過性機能を低下させ、さらに、微生物の種類によっては、タンパク質合成を阻害し、細胞膜の生合成を阻害すると記載されている。
【0061】
こうしたことから、本実施形態による保存液23および較正液25は、上記(c)成分を含有することにより、以下のような効果を奏する。
(i)センサを構成している各種有機膜の剥離を抑制することができる。この理由は、(c)成分の化合物が電極表面に特異的に吸着し、センサに過剰な電流が流れるのを抑制するためと考えられる。
(ii)液中の細菌や微生物の発生が抑制され、品質を長期間保つことができることである。この理由は、(c)成分の化合物が特定の分子構造を有し、かかる分子構造により抗菌作用および防汚作用を発揮することによる。
【0062】
本実施形態の保存液23および較正液25は、尿中のグルコース(尿糖)を測定する尿糖センサの保存液23や較正液25として用いた場合、より効果的である。雑菌の混入しやすい条件下でも保存液23の品質低下を防ぐことが可能であるため、尿糖センサの性能を低下させることなく、安定して尿糖測定に適用することが可能になるからである。なお、本実施形態の保存液23および較正液25は、固定化酵素層を取り除いた構造のセンサ、すなわち、過酸化水素センサの保存液23としても適用することが可能になる。
【0063】
(第二の実施形態)
本実施形態は、酵素を含む有機層を備えたバイオセンサの例について説明する。このバイオセンサの本体は図8に示したものと同様の構造を有し、酵素電極18が測定対象の検出部分すなわちセンサ部分となっている。
【0064】
図2は、本実施形態に係るバイオセンサのセンサ部分すなわち酵素電極18の構成を示す断面図である。絶縁基板6上に対極3、参照極4、作用極5が形成されており、これらの電極上に結合層7、固定化酵素層8、制限透過層9がこの順で形成されている。対極3、参照極4、作用極5をあわせて、以下、適宜、電極と称する。また、結合層7、固定化酵素層8、および制限透過層9をあわせて有機層11と称する。
【0065】
この酵素電極18は、第一の実施形態において説明したように、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含む保存液23に浸漬して保存され、センサ使用前に上記化合物を含む較正液25を用いて較正される。図2に示す酵素電極18は、こうした操作を経た後の状態を示しており、制限透過層9の表面に、上記化合物からなる付着物質12が付着している。これにより、不使用時にセンサ部分を保存液23に浸漬して保管した際の膜特性の経時劣化が顕著に抑制される。
【0066】
以下、図2を参照してセンサを構成する各部分について説明する。
【0067】
絶縁基板6はガラス、石英、プラスチックス等が好ましく用いられるが、特に限定されず、耐久性等を考慮してガラスが好ましい。
【0068】
電極の材料には、たとえば金、白金、銀、炭素およびこれらの化合物が好ましく用いられる。たとえば、対極3および作用極5は、耐久性および耐薬品性に優れた白金が好ましく用いられる。参照極4としては、銀と塩化銀からなる電極が好ましく用いられる。電極の製造方法としてはスパッタリング法、蒸着法、ケミカル・ベーパー・ディポジッション法が一般的に利用され、特に制限はない。均一に電極を製作できる点では、スパッタリング法が好ましい。
【0069】
結合層7は、その上の固定化酵素層8と、電極との密着性(結合力)を向上させる役割を果たす。また、絶縁基板6の表面のぬれ性を改善し、酵素を固定化した固定化酵素層8を形成する際の膜厚の均一性を向上させる効果もある。結合層7はシランカップリング剤を主成分とする。シランカップリング剤の種類としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシランが挙げられるが、このうち、密着性、選択透過性の観点から、アミノシランの一種であるγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。
【0070】
結合層7は、例えばシランカップリング剤溶液をスピンコートすることにより形成することができる。この際、シランカップリング剤濃度は、1v/v%程度とすることが好ましい。選択透過性が顕著に向上するからである。なお、結合層7の形成方法については、均一な厚さの層が得られる方法であれば特に制限がなく、スピンコート法以外にもスクリーン印刷法、スプレーコート法、ディップコート法などを用いることもできる。
【0071】
固定化酵素層8は、有機高分子を母材として、触媒機能をもつ酵素を固定化したものである。固定化酵素層8は、例えば、各種酵素、グルタルアルデヒド等のタンパク質架橋剤、およびアルブミンを含む溶液を、結合層7上に滴下し、スピンコート法にて形成される。アルブミンは、各種酵素を架橋剤の反応から保護するとともにタンパク質の基材となる。酵素としては、乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、ラクトース酸化酵素、スクロース酸化酵素、エタノール酸化酵素、メタノール酸化酵素、スターチ酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、モノアミン酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素およびピルビン酸酸化酵素等、触媒反応の生成物として過酸化水素を生成する、または酸素を消費する酵素が挙げられる。
【0072】
ここで、2種類以上の酵素を同時に用いて過酸化水素を生成させてもよい。例えば、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、およびサルコシンオキシダーゼがこれに該当する。これらの酵素を用いることによってクレアチニンの検出が可能になる。また、酵素と補酵素を同時に用いてもよい。例えば、3−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)がこれに該当する。これらの酵素を用いることによって3−ヒドロキシ酪酸の検出が可能になる。さらに、酵素と電子メディエータを同時に用いてもよい。この場合は、酵素によって還元された電子メディエータが電極表面上で酸化され、このときに得られる酸化電流値を測定する。例えば、グルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムがこれに該当する。これらを用いることによってグルコースの検出が可能になる。
【0073】
以上述べたように、固定化酵素層8は、少なくとも酵素を含み、測定対象物質を電極感応物質である過酸化水素等に変換する機能を持つ構成であれば、特に限定されない。なお、固定化酵素層8の形成方法については、均一な厚さの層が得られる方法であれば特に制限がなく、スピンコート法以外にもスクリーン印刷法、スプレーコート法、ディップコート法などを用いることもできる。
【0074】
制限透過層9は、被測定成分の拡散速度を制限し、また、干渉物質や妨害物質の影響を低減する役割を果たし、これにより、測定精度の向上、測定可能範囲の拡大に寄与する。制限透過層9には、たとえばポリジメチルシロキサンやポリカルボン酸のフルオロアルコールエステルが好ましく用いられる。ここで、ポリカルボン酸のフルオロアルコールエステルとは、ポリカルボン酸のカルボキシル基の一部、または全部をフルオロアルコールでエステル化したものである。また、フルオロアルコールとは、アルコール中の水素のすべて、または少なくとも1つをフッ素に置換したものである。タンパク質や尿素化合物等の汚染物質の付着を効率的に抑制でき、長期間使用した場合にも安定した出力特性を示す測定装置が得られる。また、フルオロアルコールエステル基は、ほとんどの非フッ素系溶剤や界面活性剤等の洗剤に溶けることがないため、耐薬品性においても良好な酵素電極18が得られる。
【0075】
制限透過層9は、パーフルオロヘキサン等のパーフルオロカーボンの溶媒で希釈したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステル溶液を、触媒機能をもつ酵素を固定化した固定化酵素層8上に滴下してスピンコート法により形成することができる。溶液中のメタクリル酸樹脂フルオロアルコールエステル濃度は、測定対象物質にもよるが、0.1〜5wt%とすることが好ましく、0.3wt%程度とすることがさらに好ましい。後述するように、この範囲とすることにより良好な制限透過性が発現するからである。なお制限透過層9の形成方法については、均一な厚さの層が得られる方法であれば制限がなく、スピンコート法以外にもスプレーコート法やディップコート法なども用いることができる。
【0076】
このように、結合層7、固定化酵素層8、および制限透過層9は、簡単な工程で均質な薄膜を製造することが可能であり、量産性にも優れている。
【0077】
本実施形態に係る酵素電極18は、以上説明したように、それぞれ固有の役割を果たす有機層の多層構造を有している。このため、各層の作用の複合により、高性能で信頼性に優れたセンサが実現されるが、その一方、センサの長期使用時において、複数の有機層の層間において密着性不良が生じたり、層間剥離が発生する懸念があった。
【0078】
こうした課題に対し、本実施形態の酵素電極18は、その表面に、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物からなる付着物質12が付着した構造となっている。具体的には、第一の実施形態で例示したものと同様の化合物を用いることができる。こうした化合物からなる付着物質12を設けることで、センサを構成する膜の剥離や、固定化酵素層8に含まれる酵素の活性低下等を効果的に抑制することができる。また、酵素電極18を保存液23に浸漬しておくときに、所定の電圧を印加する場合があるが、この場合においても、電極に過剰な電流が流れることが抑制され、酵素電極18の特性を長期間にわたり良好に維持することができる。
【0079】
有機層11表面に付着物質12を付着させるには、第一の実施形態で説明した保存液23に酵素電極18を浸漬すればよい。この際、付着物質12としてたとえばイソチアゾールの酸化物、たとえばイソチアゾリン−オン化合物を用いる場合、保存液23中におけるイソチアゾールの酸化物の濃度は、好ましくは0.001ppm以上100ppm以下、さらに好ましくは0.05ppm以上50ppm以下とする。また、保存液23に酵素電極18を浸漬しながら、電極に所定の電圧を印加してもよい。
【0080】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、いろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
たとえば、第二の実施形態において、結合層7と固定化酵素層8との間に、パーフルオロカーボンを骨格に持つイオン交換樹脂を設けてもよい。こうすることにより、測定の障害となる干渉物質等が電極に到達することを抑制できる。たとえば、グルコース酸化酵素を含むグルコースセンサにおいて、アスコルビン酸が電極に到達することを抑えることができる。
【0082】
また、上記実施形態においては3極系の酵素電極を中心に説明をしたが、参照極を有しない2極系の酵素電極としてもよい。図11はこうしたセンサの一例を示すものである。図示したセンサは、尿糖を検出する電流検出型の酵素電極を用いている。図11を参照して、セラミックスや樹脂フィルムからなる絶縁性フィルム42上に、白金、金、銀の薄膜からなる金属電極41が形成されている。この金属電極41を覆うように、アセチルセルロースの薄膜からなる下部保護膜44が形成され、その上に酵素を架橋固定化した固定化酵素層45が形成されている。そして、この上にアセチルセルロースの薄膜からなる上部保護膜46が形成され、この上部保護膜46の機能をさらに強化するために、ナイロン格子やポリカーボネイトからなる表面保護膜47が形成されている。
【0083】
このセンサにおいて、絶縁性フィルム42と金属電極41の部分はプレーナ型過酸化水素電極として機能する下地電極40と定義される。また、下部保護膜44、固定化酵素層45、上部保護膜46、および表面保護膜47の部分は、固定化酵素膜43と定義される。下地電極40と固定化酵素膜43はプレーナ型酵素センサ48と定義される。センサホルダ39はプレーナ型酵素センサ48を保持する筐体として機能している。こうしたセンサに対しても、本実施形態の保存液や較正液は有効である。また、このセンサの表面保護膜47の表面に、前述した特定構造の化合物を付着させることも有効である。こうした化合物としては、第一の実施形態で例示したものと同様の化合物を用いることができる。
【0084】
また、上記の実施形態においては、アンペロメトリックセンサを例に説明したが、本実施形態の測定装置におけるセンサは、ポテンショメトリックセンサに用いてもよいし、ISFET(Ion Sensitive Field Effect Transistor:イオン感受性電解効果型トランジスタ)などのFETを用いたセンサに本発明を適用することもできる。
【0085】
また、センサの測定対象は特に限定されず、種々のセンサに利用できる。たとえば、試料中の特定成分や、酵素反応により得られる反応生成物の他に、pHや温度を測定するためのセンサに用いることができる。
【0086】
【実施例】
(実施例1)
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm)と対極(面積4mm)、銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm)を形成した。
【0087】
つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した。その後、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成した。
【0088】
その後、固定化酵素層の上に全面に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3wt%に調整したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルをスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。スピンコートの条件は3000rpm、30秒間とした。メタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルは住友スリーエム社製のフロラード722を使用した。フロラード722は、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルであり、数平均分子量(Mn)は約7000程度(GPC測定値)である。希釈液であるパーフルオロヘキサンは、住友スリーエム社製のフロラード726を使用した。
【0089】
以上のようにして製作したセンサを表1に示す組成の40℃の保存液に浸漬しセンサ表面の状態を光学顕微鏡で観察した。観察は7日間浸漬後に行った。表1中の*は5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、**は2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをそれぞれ示す。また、MgCl、Mg(NO、TES、NaNおよびNaClはそれぞれ、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、アジ化ナトリウムおよび塩化ナトリウムを示す。
【0090】
【表1】
Figure 2004233302
【0091】
その結果、保存液1および保存液2においては、膜の剥離が全く観察されなかったが、比較の保存液においては、膜の表面に無数の亀裂が確認され、成長した亀裂から剥離が生じていることが確認された。図6に、亀裂が生じている比較の保存液の結果と、亀裂が生じていない保存液1の結果をそれぞれ示す。
【0092】
また、これらのセンサの表面分析を行ったところ、保存液1および保存液2に浸漬したセンサにはそれぞれ5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが付着していた。
【0093】
(実施例2)
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm)と対極(面積4mm)、銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm)を形成した。
【0094】
つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した。その後、5w/v%のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液をスピンコートしてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(ナフィオン)を主成分とするイオン交換樹脂層を形成した。次に、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成した。
【0095】
その後、固定化酵素層の上面全体に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3wt%に調整したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルをスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。スピンコートの条件は3000rpm、30秒間とした。
【0096】
その後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を用いて製作した筐体に、センサ、防水シール、および端子を実装し、ワイヤーボンディングを用いてセンサと端子を結線した。浸水する可能性のある場所に、シリコーン樹脂を注入し防水処理を施した。
【0097】
以上のようにして製作した測定装置のセンサ部分を表2に示す組成の保存液に浸漬し参照極を基準として作用極に450mVの電圧を印加した。そして、500mg/dlのグルコースに対する応答電流値を測定した。比較例として比較の保存液も同様に製作し、同様に500mg/dlのグルコースに対する応答電流値を測定した。実験中の保存液の温度は40℃とした。実験は7日間連続して行った。
【0098】
表2中の*は5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、**は2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをそれぞれ示す。
【0099】
【表2】
Figure 2004233302
【0100】
実験結果を図3に示す。実験開始時の応答電流値を100%として、7日間の電流値を相対値(相対電流値)でプロットした。その結果、保存液1および保存液2では、安定した電流値が得られたが、比較の保存液では時間の経過と共に電流値が増加し、安定した電流値を得ることができなかった。
【0101】
(実施例3)
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm)と対極(面積4mm)、銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm)を形成した。
【0102】
つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した。その後、5w/v%のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液をスピンコートしてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(ナフィオン)を主成分とするイオン交換樹脂層を形成した。次に、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成した。
【0103】
その後、固定化酵素層の上に全面に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3wt%に調整したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルをスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。スピンコートの条件は3000rpm、30秒間とした。
【0104】
その後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を用いて製作した筐体に、センサ、防水シール、および端子を実装し、ワイヤーボンディングを用いてセンサと端子を結線した。浸水する可能性のある場所に、シリコーン樹脂を注入し防水処理を施した。
【0105】
以上のようにして製作した測定装置のセンサ部分を表3に示す組成の保存液に浸漬しセンサのサイクリックボルタンメトリを測定した。参照極を基準として作用極の電位を掃引させた。掃引速度は10mV/秒とした。表3中の5−c−2−m−4−I−3−oは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−m−4−I−3−oは2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをそれぞれ示す。
【0106】
【表3】
Figure 2004233302
【0107】
実験結果を図4に示す。本実施例の保存液を用いた場合、比較の保存液と比較して電流が流れ難く、とくに、負電位領域において顕著にその効果が認められた。すなわち、本実施例の保存液を用いることにより、過剰な電流が流れることがなくなり、長時間に渡って安定してセンサを使用することが可能であることが示された。これは、保存液中のチアゾリン化合物が電極表面に吸着され、これが保護膜として機能したためと推察される。
【0108】
(実施例4)
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm)と対極(面積4mm)、銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm)を形成した。
【0109】
つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した。その後、5w/v%のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液をスピンコートしてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(ナフィオン)を主成分とするイオン交換樹脂層を形成した。次に、グルコース酸化酵素を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートして、固定化酵素層を形成した。
【0110】
その後、固定化酵素層の上に全面に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3wt%に調整したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルをスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。スピンコートの条件は3000rpm、30秒間とした。
【0111】
その後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を用いて製作した筐体に、センサ、防水シール、および端子を実装し、ワイヤーボンディングを用いてセンサと端子を結線した。浸水する可能性のある場所に、シリコーン樹脂を注入し防水処理を施した。
【0112】
以上のようにして製作した測定装置のセンサ部分を表4、表5、表6、および表7に示す組成の8種類の保存液(保存液1〜8)に浸漬し、参照極を基準として作用極に450mVの電圧を印加した。そして、500mg/dlのグルコースに対する応答電流値を測定した。また、比較例として比較の保存液(保存液9)に浸漬した場合についても、同様に500mg/dlグルコースに対する応答電流値を測定した。実験中の保存液の温度は40℃とした。実験は7日間連続して行った。なお、すべての保存液には100mMのTES、150mMのNaClが含まれ、pHは7とした。また、比較の保存液(保存液9)は、表1に示したように、100mMのTES、150mMのNaCl、および0.1ppmのNaNを含む。
【0113】
【表4】
Figure 2004233302
【0114】
【表5】
Figure 2004233302
【0115】
【表6】
Figure 2004233302
【0116】
【表7】
Figure 2004233302
【0117】
ただし、表4中および表5の5−c−2−e−4−I−3−oは5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オンを示し、表5および表6中の5−m−4−I−3−oは5−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを示し、表7中の2−e−4−I−3−oは2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オンを示す。
【0118】
実験結果を図5に示す。実験開始時の応答電流値を100%として、7日間の電流値を相対値(相対電流値)でプロットした。その結果、比較の保存液(保存液9)以外は、安定した電流値が得られたが、比較の保存液では時間の経過と共に電流値が増加し、安定した電流値を得ることができなかった。
【0119】
(実施例5)
まず10mm×6mmの石英基板上に、白金からなる作用極(面積7mm)と対極(面積4mm)、銀/塩化銀からなる参照極(面積1mm)を形成した。
【0120】
つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成した。その後、結合層の上に全面に、パーフルオロヘキサンを用いて0.3wt%に調整したメタクリル酸樹脂のフルオロアルコールエステルをスピンコートした後、乾燥を行って制限透過層を形成した。スピンコートの条件は3000rpm、30秒間とした。
【0121】
その後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を用いて製作した筐体に、センサ、防水シール、および端子を実装し、ワイヤーボンディングを用いてセンサと端子を結線した。浸水する可能性のある場所に、シリコーン樹脂を注入し防水処理を施した。
【0122】
以上のようにして製作した測定装置のセンサ部分を表8に示す組成の保存液、すなわち、保存液10に浸漬し、参照極を基準として作用極に450mVの電圧を印加した状態で保存した。そして、毎日50mMの過酸化水素に対する応答電流値を測定した。比較例として比較の保存液も同様に製作し、同様に50mMの過酸化水素に対する応答電流値を測定した。実験中の保存液の温度は40℃とした。実験は7日間連続して行った。なお、すべての保存液には100mMのTES、150mMのNaClが含まれ、pHは7とした。また、比較の保存液(保存液9)は、実施例4で述べたように、100mMのTES、150mMのNaCl、および0.1ppmのNaNを含む。
【0123】
【表8】
Figure 2004233302
【0124】
ただし、表8中の2−e−4−I−3−oは2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オンを示す。
【0125】
実験結果を図7に示す。実験開始時のベースの電流値を100%として、7日間の電流値を相対値(相対電流値)でプロットした。その結果、保存液10は、安定した電流値が得られたが、比較の保存液(保存液9)では時間の経過と共に電流値が増加し、安定した電流値を得ることができなかった。
【0126】
(実施例6)
実施例1、表1の保存液1に対して、それぞれ50、100、300、500、700、1000、2000、3000mg/dlグルコースを添加し、グルコース較正液を調製した。調製後、7日間経過した時点で、この較正液を用い、実施例2のセンサにより液体試料中のグルコースの測定を行った。
【0127】
測定試料は、グルコースデヒドロゲナーゼ法による臨床検査装置で測定済みの30尿検体とした(グルコース濃度50〜3000mg/dl)。臨床検査装置による測定値と上記センサによる測定値を比較し、相関式を求めた。 なお、センサの保存液は、上記保存液1を用いた。
【0128】
測定の結果、本実施例に係るセンサの測定値の相関係数は約1.0であることが確認された。上記較正液は、経時安定性に優れることが確認された。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することにより、センサの性能を良好に維持することのできるセンサ保存液、センサ較正液が提供される。
【0130】
また本発明によれば、保存中において膜の剥離や酵素層の活性低下の起こりにくいセンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のセンサの断面を示す図である。
【図2】本実施形態に係るセンサの断面を示す図である。
【図3】実施例のセンサの安定性を示す図である。
【図4】実施例のセンサの安定性を示す図である。
【図5】実施例のセンサの安定性を示す図である。
【図6】実施例のセンサの安定性を示す図である。
【図7】実施例のセンサの安定性を示す図である。
【図8】本実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
【図9】図8の測定装置の待機状態を示す図である。
【図10】図8の測定装置を用いて尿糖の測定を行う方法を説明するための図である
【図11】本実施形態で用いることができるセンサの構成を示す図である。
【符号の説明】
3 対極
4 参照極
5 作用極
6 絶縁基板
7 結合層
8 固定化酵素層
9 制限透過層
10 電極
11 有機層
12 付着物質
17 操作ボタン
18 酵素電極
19 測定表示部
20 スタンド
21 較正液容器
22 本体
23 保存液
24 保存液容器
25 較正液
26 尿サンプル
27 水道水
28 廃水
39 センサホルダ
40 下地電極
41 金属電極
42 絶縁性フィルム
43 固定化酵素膜
44 下部保護膜
45 固定化酵素層
46 上部保護膜
47 表面保護膜
48 プレーナ型酵素センサ

Claims (14)

  1. 窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサ保存液。
  2. 前記化合物は、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジンまたはこれらの誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ保存液。
  3. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したオキソ基を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ保存液。
  4. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したハロゲン基を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のセンサ保存液。
  5. 窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサ較正液。
  6. 前記化合物は、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジンまたはこれらの誘導体であることを特徴とする請求項5に記載のセンサ較正液。
  7. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したオキソ基を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のセンサ較正液。
  8. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したハロゲン基を有することを特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載のセンサ較正液。
  9. 基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極を覆う被覆部とを有し、該被覆部が、窒素および硫黄をヘテロ原子として含むヘテロ環を有する化合物を含有することを特徴とするセンサ。
  10. 前記被覆部は、一または二以上の有機層を含む多層構造を有することを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
  11. 前記被覆部は、酵素を含むことを特徴とする請求項9または10に記載のセンサ。
  12. 前記化合物は、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジンまたはこれらの誘導体であることを特徴とする請求項9乃至11いずれかに記載のセンサ。
  13. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したオキソ基を含むことを特徴とする請求項9乃至12いずれかに記載のセンサ。
  14. 前記化合物は、前記ヘテロ環に直接結合したハロゲン基を有することを特徴とする請求項9乃至13いずれかに記載のセンサ。
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