JP2004232206A - 土木用シート - Google Patents

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宏宣 小徳
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Abstract

【課題】本発明は、土の拘束力と通排水機能に優れる上に、耐摩耗性に優れ、かつ、損傷を受けにくく、過大な荷重や応力に耐えうる強度を有する土木用シートを提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の土木用シートは、樹脂被覆格子状シートの少なくとも片面に透水性不織布を積層して構成された複合シートであって、該透水性不織布が長繊維不織布であり、かつ、該透水性不織布が、土に対してインターロッキング機能を有する凹凸が設けられていることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盛土・造成・道路・農業土木を含む土木工事において使用される木用シートに関し、特に軟弱な土の拘束と補強ならびに不同沈下防止に優れ、さらに通排水性にも優れた土木用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の土木用シートは、透水性を向上させる目的で短繊維不織布を用い、かつ、スクリムやメッシュシートを補強材として短繊維不織布に積層したものが実用されていた(特許文献1参照)。
【0003】
かかるメッシュシートを補強布として短繊維不織布に積層したものは、土中で鉛直応力が負荷された状態では圧縮バネ効果が低いために、圧密され易く、これに過大な引張り力がかけられた場合、該メッシュシートが緊張して、該短繊維不織布の繊維間空隙が極小化されてしまい、通排水機能が極端に低下してしまう欠点があった。
【0004】
かかる従来技術では、排水性機能は有しているものの、土や建設廃材との過度な擦過や摩擦により損傷を受けた場合、剥離したり、破断し易いので、長期にわたる耐久性と、過大な荷重や応力に対する補強材の強度が弱い欠点があった。
【0005】
したがって、過大な引張り抵抗力を得る必要がある用途や、通排水性の高い土、建設発生残土、コンクリート廃材などの粗雑な材料を用いて構築される盛土などの構造物には適さない場合があることと、軟弱な土の拘束と補強、並びに地盤の沈下防止を目的とする場合、シートの伸びが大きい従来技術では適用の限界があった。
【0006】
【特許文献1】特開2000−265453号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、土の拘束力と通排水機能に優れる上に、耐摩耗性に優れ、かつ、損傷を受けにくく、過大な荷重や応力に耐えうる強度を有する土木用シートを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の土木用シートは、樹脂被覆格子状シートの少なくとも片面に透水性不織布を積層して構成された複合シートであって、該透水性不織布が長繊維不織布であり、かつ、該透水性不織布が、土に対してインターロッキング機能を有する凹凸が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり土の拘束力と通排水機能に優れる上に、耐摩耗性に優れ、かつ、損傷を受けにくく、過大な荷重や応力に耐えうる強度を有する土木用シートについて、鋭意検討し、格子状シートに樹脂を被覆したものを使用し、かつ、長繊維からなる透水性不織布を積層し、さらに該不織布として、特定な形態を付与したものを土木用シートとして使用してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、圧縮バネ効果が高い合成繊維、たとえばポリエステル繊維からなる、平均繊度1〜22dtexの繊維で構成される長繊維不織布の表面に、立毛、好ましくはループ状の立毛を設けるか、あるいはエンボス加工するか、または孔開け貫通処理して、かかる長繊維不織布を樹脂被覆格子状シートの少なくとも片面に積層するものである。かかる特定な構造・形態の長繊維不織布と樹脂被覆格子状シートとの複合シートとすることによって、土との表面摩擦を高め、盛土や軟弱地盤の土塊拘束効果を著しく改善し得たものであり、また、土圧が負荷される環境下でも、土木用シートそのものの形態変化を抑制することができる上に、該複合シートの積層した層間に得られた空隙が水分の通排水性をも高める効果を奏し得たものである。
【0011】
ここで、本発明において、土とは、特に限定されないが、軟弱な土である場合、本発明の効果が顕著である。ここで、軟弱な土とは、地盤工学会が定める「土質試験法」に解説される土の粒度試験(JIS A1204)、土のコンシステンシー試験(JIS A1205/1206)、突き固めによる土の締め固め試験(JIS A1210)、一軸圧縮強度試験(JIS A1216)などにより判定されるものであり、例えば、高含水粘性土やシルト質土、有機質土、あるいは、これらの混成土、または、平成9年12月 財団法人 土木研究センター発刊の「発生土利用促進のための改良工法マニュアル」に解説される第1種〜第4種建設発生残土などを使用することができる。これらの軟弱な土は、一般的に、建設、土木工事用途には適さないものと考えられているが、かかる軟弱な土であっても、本発明においては、その効果が顕著に奏されるものである。
【0012】
本発明でいう不織布とは、長繊維をシート状のウェブと呼ばれる形にし、織り機や編み機を使わないで、接着剤による化学的方法、または、ニードルパンチやウォータージェットパンチによる機械的方法、または、熱的方法によって、あるいは紡糸手法によって結合させて平面形状にしたものである。
【0013】
かかる長繊維不織布の原料繊維としては、天然繊維および合成繊維のいずれでもよいが、耐腐蝕性の上から合成繊維、特にポリエステル長繊維が好ましく用いられる。
【0014】
また、本発明の透水性不織布は、排水効果を高める上で、該長繊維不織布の面内方向の透水係数が10−3 cm/s 以上であることが好ましく、さらに好ましくは10−1 cm/s 以上である透水性を有するものが使用される。
【0015】
かかる透水性不織布が、長繊維で構成されていることが重要である理由は、本発明の土木用シートが、建設発生残土、建設廃材を含む軟弱な土を拘束・補強あるいは分離するために使用されるものであるから、かかる土木用シートに接触する土砂の動きに対して、高い摩擦抵抗を発揮し、拘束・補強する軟弱な土質との摩擦・貫通力に対し、十分な貫入抵抗力を有し、土中での鉛直応力が負荷された場合でも、圧密され難く、通排水機能を保持し得ることができるほか、過大な荷重や応力に対して、シート形態を安定に維持することができる機能、すなわち高い圧縮バネ効果と引き抜き抵抗力を有するという効果を奏することができるからである。
【0016】
本発明の土木用シートは、かかる理由から長繊維不織布が使用されるものである。しかも、かかる長繊維で構成され、かつ引張り強力が10kN/m〜150kN/mの範囲にあって破断伸度をJIS L−1096に基づいて測定したとき5.0%以下、より好ましくは3.0%以下である該樹脂被覆格子状シートで挟介補強されていることが建設発生残土、建設廃材を含む軟弱な土質の安定した拘束と補強を確実に保持する条件である。さらには該長繊維不織布と該樹脂被覆格子状シートの積層性において土木用シートからの該樹脂被覆格子状シートの引き抜き強力がJIS L−1907に基づいて測定したとき、好ましくは3ton/m以上、さらに好ましくは5±0.5ton/mであるものが、土質を確実に拘束、補強し、かつ確実に土砂を保持するうえから好ましい。また、土砂の動きに対する強い摩擦抵抗を増強させるために、該長繊維不織布の平均繊度が1〜22dtexの繊維で構成されているものが好ましい。繊度が1dtex未満である場合、土の拘束と保持、あるいは土砂の動きに対する摩擦抵抗を得難く、土とは特に限定されないが水分を多く含有する土である場合、土砂が滑りやすくなる傾向にあることから好ましくなく、また、繊度が22.1dtex以上である場合、紡糸し難く製品化し難いことに加えJIS−L1906 4.7「一般長繊維不織布試験方法」に解説される剛軟度が高くなり、土との密着性や作業性を悪くしてしまうことなどから好ましくない。
【0017】
本発明の土木用シートに構成されている該透水性不織布の表面がループ状に立毛加工、あるいはエンボス加工、または孔開け処理されたものが軟弱な土を確実に拘束し、補強し、確実に土塊を拘束するうえから好ましい。
土とは特に限定されないが建設発生残土、建設廃材を含む軟弱な土の安定した拘束と補強を確立するためにかかる該透水性不織布は表面の少なくとも一部分が機械的にバッフィングされており、立毛させることが好ましい条件である。この立毛はループ状のものを含むものであっても差し支えないが、ようするにこのループ状の立毛や毛羽を有する長繊維不織布と該樹脂被覆格子状シートを積層したものが軟弱な土の安定した拘束と補強をする機能を発揮するものであり、単位面積(mm)あたり少なくとも5本以上立毛されているものが好ましい。
【0018】
さらに、かかる該透水性不織布の表面の少なくとも一部分をエンボス加工することも好ましい条件である。このエンボス加工は長繊維をシート状のウェブと呼ばれる形にし、織り機や編み機を使わないで機械的方法または、熱的方法あるいは紡糸手法によって結合させると同時に表面を凹凸処理したものである。この加工された表面の凹凸差が接触する土粒子との強い摩擦抵抗を生み、土塊拘束効果を得、建設発生残土、建設廃材を含む軟弱な土の安定した拘束と補強する機能を発揮するものであるため、表面の凹凸差は少なくとも0.3mm以上1mmの範囲内であることが好ましい。表面の凹凸差が0.3mm未満である場合、接触する土の粒子との噛み合わせ効果つまり摩擦抵抗を得難いために好ましくなく、1.1mm以上である場合、表面凹部に土粒子が入り難くこれもまた噛み合わせ効果が悪くなるために好ましくない。
【0019】
さらに、かかる該透水性不織布の少なくとも一部分に規則的配列をなす孔が開けられていることも好ましい条件である。長繊維をシート状のウェブと呼ばれる形にし、織り機や編み機を使わないで機械的方法または、熱的方法あるいは紡糸手法によって結合させて得た透水性不織布を機械的に孔開けしたものである。この規則的配列をなす孔に接触する土の粒子が入り込むことで一体化され強い摩擦抵抗を生み、土塊拘束効果を得、建設発生残土、建設廃材を含む軟弱な土の安定した拘束と補強する機能を発揮するものである。
【0020】
孔形は特に限定しないが接触する土砂との引掛かりにより引裂け易くなることから円形であることが好ましい。該有孔透水性不織布の孔の直径は少なくとも1mm〜20mmの範囲内にあることが好ましい。直径が1mm未満である場合、接触する土粒子が充填される余地に乏しいために摩擦抵抗を得難いことから好ましくなく、直径が20.1mm以上である場合、該透水性不織布からの該樹脂被覆格子状シートの引き抜き強力が低下してしまう恐れがあることから好ましくない。
【0021】
単位面積当たりに占める総開孔面積は該透水性不織布からの該樹脂被覆格子状シートの引き抜き強力を維持させる必要があることと、強い摩擦抵抗と土塊拘束効果を得るために10%以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の土木用シートに用いられる該透水性不織布は、JIS A−1218に基づいて測定したときの透水係数が、好ましくは1×10−3〜1×10cm/secの範囲にあるものが使用される。すなわち本発明の土木用シートは通排水性機能にすぐれていることが重要であり、この機能により軟弱な土の安定した拘束と効果的排水機能を有することができるのである。
【0023】
本発明の土木用シートに用いられる該透水性不織布は、JIS L−1096に基づいて測定したときの貫通抵抗力が、好ましくは30N〜1000Nの範囲にあるものが使用される。すなわち本発明の土木用シートは、土とは特に限定されないが砕石を含有する建設発生残土、鋭利な角をもつ建設廃材・砕石を含む軟弱な土である場合、該土と摩擦を得るときや、該土を封じ込める時に貫通抵抗に優れていることが重要であり、この機能により土の安定した拘束と補強をすることができるものである。該透水性不織布の貫通抵抗力が30N未満であるとき土に含まれる鋭利な角をもつ粒子や含有物によって損傷を受けやすいため好ましくなく、貫通抵抗力が1000.1N以上の場合、長繊維不織布の目付が高いために通排水性が悪くなり、剛性も高まることで土との摩擦力が低下してしまうことから好ましくない。かかる透水性不織布としては目付100〜800g/mの範囲のものが使用される。目付100g/m未満の場合、かかる貫通抵抗力を満足しないために好ましくなく、目付800.1g/m以上の場合、目付が高いために通排水性が悪くなったり、剛性も高まることで土との摩擦力が低下してしまうことから好ましくなく、施工性も悪くなることから好ましくない。
【0024】
本発明の土木用シートに用いられる該樹脂被覆格子状シートはかかる該透水性不織布の伸度と引張り強度特性を補強、補助することで土の安定した拘束と補強を得る機能を有するものであり、かかる該樹脂被覆格子状シートとして好ましくは盛土構造物、建築構造物基礎、道路路床・路盤、宅地造成、農場・圃場整備、緑地整備にかかる土の拘束と補強、または建設発生残土、建設廃材の拘束・封じ込めに適用することができ、優れた通排水機能を有し、過度な摩擦による損傷を受けにくく、過大な荷重や応力に耐えうる強度を有するものが用いられる。
【0025】
かかる樹脂被覆格子状シートは例えば、ポリエステル・ポリアミド・ポリビニルアルコール・ポリアラミド・ポリプロピレン・ポリエチレン・液晶ポリエステルなどの繊維を用いて規則的な格子状に製編織する。織物としては絡み織、模紗織、横絽構造平織りなどが好ましく用いられる。また編物としては緯糸挿入ラッセル編みが好ましく用いられる。何れの製編織方法も好ましいが、なかでも絡み織がこれに被覆する樹脂の皮膜特性および目合いの形態安定性からより好ましく用いられる。
【0026】
該絡み織により製織された格子状シートにポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂、またはフッ素系樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂またはこれらの共重合樹脂であって、これに衝撃緩衝剤や耐候剤を処方したものを好ましく用い、該格子状シートに塗布したり、浸漬したりしたのち、任意の乾燥方法にて好ましく被覆加工するのである。この合成樹脂の付着量は少なくとも該格子状シート重量の100%以上、好ましくは150%〜400%であることが皮膜特性および耐衝撃性、耐薬品性の観点から好ましい。
【0027】
かかる該格子状シートはポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートを原料とする圧延された厚手のシートに孔を空け、加熱しながら1軸または2軸方向に延伸することでシートの分子を配向させることで格子状に成形したポリマー製格子状物でもあり、好ましく用いられる。
【0028】
かかる該樹脂被覆格子状シートが、JIS L−1908に基づいて測定したときの少なくとも一方向の引張り強さが10kN/m〜150kN/mの範囲にあるものが使用される。該樹脂被覆格子状シートは該透水性不織布の伸度と引張り強度特性を補強、補助することで土の安定した拘束と補強を得る機能を有することが重要である。引張り強さが10kN/m未満である場合、土との強い摩擦抵抗と土塊拘束効果を得難いために好ましくなく、150.1kN/m以上である場合、樹脂被覆格子状シートの剛性が高くなることで土の不陸追従性や土と密着した土塊拘束性が低下することから好ましくない。
【0029】
また該樹脂被覆格子状シートは土の拘束と補強に適用することができ、過大な荷重や応力に耐えうる強度を有することと、拘束と補強に有効な目空きであることが重要である。土の粒子の多くは該透水性不織布との摩擦を得て拘束することも重要である。建設発生残土、建設廃材に含まれる、例えば粒径が10mm以上のコンクリート廃材や砕石、木片など、土木用シートを貫通あるいは破断して流出することを防ぐ必要があることから目合い寸法は小さすぎれば目詰まりを起こし通排水機能を低下させてしまうことが考えられ、大きすぎると貫通・流出することが考えられることに加え該樹脂被覆格子状シートに要求される引張り強力を満足しない場合が考えられる。従って好ましい該樹脂被覆格子状シートの目合いは縦・横共に5mm〜50mmのものがより好ましく用いられる。
【0030】
本発明の土木用シートは該透水性不織布を該樹脂被覆格子状シートの片面のみに積層したものであっても良いが、好ましくは両面に積層したものが好ましく使用される。かかる土木用シートの全体の目付は、好ましくは500〜2000g/m、さらに好ましくは500〜1500g/mであるものが、軽量で取り扱い易く、かつ、土の拘束・補強、封じ込め効果に優れた通排水機能を有する極めて実用的なシートを提供することができるので好ましい。
【0031】
本発明の土木用シートの積層方法としては、該透水性不織布と該樹脂被覆格子状シートを低融点パウダーにより接着する方法、該透水性不織布と該樹脂被覆格子状シートを重ね合わせ超音波により融着させる方法、該透水性不織布と該樹脂被覆格子状シートを重ね合わせタフティング(縫合)する方法など、何れの方法も好ましく用いられる。
【0032】
次に本発明の土木用シートを図を用いて説明する。
【0033】
図1は、路床土4の上に、良質土、砕石などからなる路盤材2、および、建設発生残土・建設廃材・軟弱土3を敷設してなる地盤構造において、該路床土4表面を、樹脂被覆格子状シートの片面に透水性不織布が積層されてなる本発明の土木用シート1で被覆した例を示す模式図である。
【0034】
なお、図1の地盤構造において、別の実施態様として、該建設発生残土・建設廃材・軟弱土3のみの全体を、該土木用シート1で被覆した態様でもよいし、また、路盤材2と軟弱土3の境界面に該土木用シート1を敷設してもよい。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
【0036】
実施例1
6dtexのポリエステル長繊維からなる目付200g/m、厚さ2.1mm、引張り強さ14.7kN/m、透水係数3.0×10−2cm/secの東レ(株)製土木用長繊維不織布「マントル D5200」(R)を透水性不織布として用い、このシートに、低融点ポリマーを積層面に付着してなる、質量700g/m、製品基準強度59kN/m、目合い20mm×20mmの東レ(株)製土木用ネット型シート「トレグリッド TG−70」(R)を重ね合わせ、熱処理することにより、両者を接着積層させて土木用シートを得た。
【0037】
この土木用シートについて、下記試験方法により、引き抜き抵抗を測定した。
【0038】
すなわち、幅5cmの土木用シートサンプルの一端から8cmまでの該透水性不織布と樹脂被覆格子状シートを剥離した後、該樹脂被覆格子状シートを切断し、残された剥離部分の該透水性不織布の2枚のみを重ね合わせて引張り試験器のチャックに取り付け狭持する。また、該サンプルの他端から8cm間での該透水性不織布と樹脂被覆格子状シートを剥離した後、該透水性不織布を切断し、その剥離して露出した樹脂被覆格子状シートのみを引張り試験器のチャックに取り付け狭持する。そして引張り試験器により引抜き抵抗を測定した。
【0039】
さらに、この土木用シートをJIS L−1096に基づいて引張り試験した。その結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
実施例1で得た土木用シートを、さらに回転ロールにサンドペーパー80番を装着したバッフィングマシンにかけて表面を立毛させた。
【0041】
得られた土木用シートの特性を表1に示す。
【0042】
引張り強伸度特性は実施例1とほぼ同等の特性結果を得た。なお、該起毛を施した土木用シートの表面毛羽本数を測定したところ平均7本/mm以上の本数を確認した。
【0043】
【表1】
Figure 2004232206
【0044】
表1から明らかなように充分な該土木用シートからの該被覆格子状シートの引き抜き強力が得られ、建設発生残土・建設廃材を含む軟弱な土の安定した拘束と補強を確実に保持することが伺え、土木用シートの引張り強度は土の粒子を確実に拘束・補強し、かつ確実に土砂を保持することが伺える。
【0045】
実施例3
テスト土槽に粘性土30%、砂質土30%、粒径10mm〜50mmの砕石40%の比率で構成される土を厚さ50cmに敷き均したものを路床とし、JISA−1222「現場CBR試験」に基づいて、路床土の支持力比を測定した後、実施例1で得た土木用シートを該路床の全面域に敷設し、該土を20cm客土して、再度路床の支持力比を測定した。
【0046】
さらに土中に敷設された土木用シートの端部を水平に引張り引抜け抵抗値を測定することで、本発明による土木用シートの補強効果と拘束力を評価した。
【0047】
評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
Figure 2004232206
【0049】
表2から明らかなように、実施例は軟弱な地盤を補強する効果があることが伺え、土中に強い引抜き抵抗と共に優れた土質の拘束力があることが伺える。
【0050】
実施例4
側壁が有孔パネルで構成されるテスト土槽Aに、粘性土を厚さ20cmに均等にしき均し、締め固め、さらに砕石20cmに均等にしき均し、締め固め、更に砂質土を含む粘性土を厚さ20cmに均等にしき均し、締め固めた。
【0051】
また、側壁が有孔パネルで構成されるテスト土槽Bに、粘性土を厚さ20cmに均等に敷き均し、締め固め、実施例1で得られた土木用シートを用い砕石を20cmの均等な厚さに封入、拘束し、更に砂質土を含む粘性土を厚さ20cmに均等に敷き均し、締め固めた。
【0052】
このテスト土槽A・Bに対し、3日間の養生期間を与えた後、高さ3mの位置に設置した散水ノズルを用いて、1時間に35mmの降雨強度で均等に連続散水し、散水後3時間までは60分毎、以降は180分毎に流出した水量を比較測定するとともに、各20cm×3層で構成される土層の沈下や層間の形態変化を目視にて確認した。
【0053】
評価結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 2004232206
【0055】
表3から明らかなように、実施例は連続的な浸透水による影響を受けず、優れた通排水機能を有していることが伺えるとともに、土を確実に拘束し各層間を安定して分離していることから、本発明による土木用シートを用いることで高機能な地盤を構築することができた。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、盛土構造物、建築構造物基礎、道路路床・路盤、宅地造成、農場・圃場整備、緑地整備などに係る土木工事において、土の拘束と補強、特に建設現場で発生する残土やコンクリートガラなどの建設廃材の拘束・封じ込め用材料として好適な材料で、かつ、高機能な土壌基盤用としても好適な材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土木用シートによって補強された基礎地盤の概念図である。
【符号の説明】
1:積層された土木用シート
2:良質土、砕石などからなる路盤材
3:建設発生残土・建設廃材・軟弱土
4:路床土

Claims (16)

  1. 樹脂被覆格子状シートの少なくとも片面に透水性不織布を積層して構成された複合シートであって、該透水性不織布が長繊維不織布であり、かつ、該透水性不織布が、土に対してインターロッキング機能を有する凹凸が設けられていることを特徴とする土木用シート。
  2. 該土に対してインターロッキング機能を有する凹凸が、下記(A)〜(C)から選ばれた少なくなくとも1種の形態である請求項1に記載の土木用シート。
    (A)該透水性不織布の表面に立毛を有するものである。
    (B)該透水性不織布の表面がエンボス加工された凹凸を有するものである。
    (C)該透水性不織布が貫通孔を有するものである。
  3. 該(A)の形態が、ループ状立毛であって、かつ、該ループ状立毛が単位面積(mm)あたり少なくとも5本以上存在するものである請求項2に記載の土木用シート。
  4. 該(B)の形態が、表面の凹凸差が少なくとも0.3mm〜1mmの範囲内にあるエンボス加工である請求項2に記載の土木用シート。
  5. 該(C)の形態が、直径が少なくとも1mm〜20mmの範囲内にある貫通孔である請求項2に記載の土木用シート。
  6. 該透水性不織布が、平均繊度1〜22dtexの繊維で構成されているものである請求項1〜5のいずれかに記載の土木用シート。
  7. 該樹脂被覆格子状シートの格子状シートが、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアラミド、ポリオレフィンおよび液晶ポリエステルから選ばれた少なくと1種の合成繊維で構成されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の土木用シート。
  8. 該樹脂被覆格子状シートの格子状シートが、孔空き圧延ポリマーシートの延伸物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の土木用シート。
  9. 該圧延ポリマーシートが、ポリプロピレン、高密度ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレートからに選ばれた少なくとも1種の合成樹脂で構成されたものである請求項8に記載の土木用シート。
  10. 該樹脂被覆格子状シートの破断伸度が5.0%以下である請求項1〜9のいずれかに記載の土木用シート。
  11. 該樹脂被覆格子状シートが、JIS L−1908に基づいて測定したときの少なくとも一方向の引張り強さが10kN/m〜150kN/mの範囲にある請求項1〜10のいずれかに記載の土木用シート。
  12. 該樹脂被覆格子状シートの格子の縦および横の目合いが、それぞれ3mm〜50mmの範囲にあるものである請求項1〜11のいずれかに記載の土木用シート。
  13. 該土木用シートからの該樹脂被覆格子状シートの引き抜き強力がJIS L−1907に基づいて測定したとき少なくとも3ton/m以上である請求項1〜12のいずれかに記載の土木用シート。
  14. 該透水性不織布が、JIS A−1218に基づいて測定したときの透水係数が1×10−3〜1×10cm/secの範囲にあるものである請求項1〜13のいずれかに記載の土木用シート。
  15. 該透水性不織布が、目付100〜800g/mの範囲である請求項1〜14のいずれかに記載の土木用シート。
  16. 該透水性不織布が、JIS L−1096に基づいて測定したときの貫通抵抗力が30N〜1000Nの範囲にあるものである請求項1〜15のいずれかに記載の土木用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015101940A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 日本植生株式会社 不織布並びにこれを用いた侵食防止材及び侵食防止方法

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