JP2004231946A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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亨枝 坂本
Yuichi Nishikoji
祐一 西小路
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奈穗 村上
Masaki Hayashi
政毅 林
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Abstract

【課題】 二軸性の光学的異方性を有し、かつ、耐久性に優れるポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】 イミド化率98〜100%のポリイミドの溶液をプラスチック基材上に塗布し、さらに前記溶液を乾燥させてポリイミド被膜を形成する。そして、前記ポリイミド被膜がnx>ny>nzとなるように前記プラスチック基材ごと延伸する。ただし、nxおよびnyは、平面内において屈折率が最大となる方向およびそれに垂直な方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率である。ポリイミドはフッ素系ポリイミドが光透過性および溶解度に優れ好ましく、重量平均分子量50000〜180000であることが好ましい。また、大気圧1atm、大気温度25℃の測定条件における前記ポリイミド溶液の溶媒の溶解度パラメータが17〜22の範囲であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリイミドは、熱安定性がきわめて高い等の優れた物性を有しているため、フィルム、各種成形材料、接着剤等の多様な用途に使用されている物質である(例えば、特許文献1〜4等参照)。特に、フッ素系ポリイミドは、フィルム等に加工した際の光透過性に優れており、光学材料用に適している(例えば、特許文献1〜3等参照)。より高性能な光学フィルムを得るため、ポリイミドフィルムの光学的異方性の制御や、光学特性および耐久性等の向上についての研究が盛んに行なわれており、優れた特性を有するポリイミドフィルムが必要とされている。特に、二軸性の光学的異方性を有するポリイミドフィルムは有用な光学材料となり得るが、十分な耐久性を有するものはいまだ開示されていない。
特許第2688698号公報
米国特許第5344916号明細書
特開2000−190385号公報
特開2002−60620号公報
したがって、本発明の目的は、二軸性の光学的異方性を有し、かつ耐久性に優れるポリイミドフィルムを提供することである。
前記課題を解決するために、本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドのイミド化率が98〜100%の範囲であり、かつ、下記式(1)の光学特性条件を満たすポリイミドフィルムである。ただし、式(1)中、nx、nyおよびnzは、それぞれ前記ポリイミドフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸とは、前記ポリイミドフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。なお、式(1)において、nx、nyおよびnzはすべて同一波長で測定することは言うまでもない。

nx>ny>nz (1)
本発明によれば、二軸性の光学的異方性を有し、かつ、耐久性に優れるポリイミドフィルムを提供することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(ポリイミドおよびその製造方法)
まず、本発明のポリイミドフィルムに用いるポリイミドおよびその製造方法について説明する。
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドのイミド化率が98〜100%の範囲であることにより、長期保存時の安定性、耐湿性、耐熱性等に優れる。
本発明のポリイミドフィルムに用いるポリイミドは、イミド化率が98〜100%の範囲であれば特に限定されないが、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000−511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物、すなわち、下記式(I)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
Figure 2004231946
前記式(I)中、R11〜R14は、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R11〜R14は、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
前記式(I)中、Zは、例えば、C620の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記式(II)で表される基である。
Figure 2004231946
前記式(II)中、Z’は、例えば、共有結合、C(R15)2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C25)2基、または、NR16基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、1から10までの整数を表す。R15は、それぞれ独立に、水素またはC(R173である。R16は、水素、炭素原子数1〜約20のアルキル基、またはC620アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。R17は、それぞれ独立に、水素、フッ素、または塩素である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基があげられる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C110のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基があげられる。
この他にも、例えば、特表平8−511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(III)または(IV)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(V)で示されるポリイミド等があげられる。なお、下記式(V)のポリイミドは、下記式(III)のホモポリマーの好ましい形態である。
Figure 2004231946
Figure 2004231946
Figure 2004231946
前記一般式(III)〜(V)中、GおよびG’は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、および、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記式(III)および式(V)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素があげられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0から3までの整数である。
前記式(III)〜(V)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基があげられる。また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基があげられる。fは、0から4までの整数であり、gおよびhは、それぞれ0から3および1から3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
前記式(IV)中、R18およびR19は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R18およびR19は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記式(V)中、M1およびM2は、同一であるかまたは異なり、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーがあげられる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物があげられる。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
前記ピロメリト酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、3,6−ジフェニルピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリト酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリト酸二無水物等があげられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2′−ジブロモ−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ジクロロ−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6−トリフルオロ−3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−2,2−ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4′−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−[4,4′−イソプロピリデン−ジ(p−フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N−(3,4−ジカルボキシフェニル)−N−メチルアミン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等があげられる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2′−ビス(トリハロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンがあげられる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o−、m−およびp−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼンおよび1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等があげられる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2′−ジアミノベンゾフェノン、および3,3′−ジアミノベンゾフェノン等があげられる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノナフタレン、および1,5−ジアミノナフタレン等があげられる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、および2,4−ジアミノ−S−トリアジン等があげられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(9−フルオレニリデン)-ジアニリン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2',5,5'−テトラクロロベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等があげられる。
また、本発明のポリイミドフィルムに用いるポリイミドは、分子中にフッ素原子を含むポリイミド、すなわち、いわゆるフッ素系ポリイミドが好ましい。フッ素系ポリイミドはポリイミドの中でも特に光透過性が優れており、さらに、各種有機溶媒に対する溶解度が比較的高いためフィルムに加工しやすいからである。
前記フッ素系ポリイミドは、下記一般式(VI)で表されるカルボン酸二無水物と下記一般式(VII)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸をさらにイミド化して得られるポリイミドであることが、光透過性および溶解度がさらに優れるためより好ましい。
Figure 2004231946
ただし、式(VI)および(VII)中、
1は、任意にフッ素置換されたメチレン基もしくはイソプロピリデン基(すなわち、C(CH3)2基)であるか、または存在せず、
2は、任意にフッ素置換されたメチレン基もしくはイソプロピリデン基(すなわち、C(CH3)2基)であるか、または存在せず、
3〜R10は、それぞれ水素または任意にフッ素置換されたメチル基であり、同一でも異なっていても良く、
1〜R10のうち少なくとも一つはフッ素を含む基であり、
pおよびqはそれぞれ0から3までのいずれかの整数であり、p=0のときはqは1から3までのいずれかの整数である。
前記式(VI)および(VII)は以下の条件を満たすことがさらに好ましい。すなわち、
1は、ヘキサフルオロイソプロピリデン基(すなわち、C(CF3)2基)であるか、または存在せず、
2は、ヘキサフルオロイソプロピリデン基(すなわち、C(CF3)2基)であるか、または存在せず、
3〜R10は、それぞれ水素またはトリフルオロメチル基であり、同一でも異なっていても良く、
1〜R10のうち少なくとも一つはフッ素を含む基であることがさらに好ましい。
前記フッ素系ポリイミドにおいて、前記一般式(VI)で表されるカルボン酸二無水物が、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物(下記式(VIII)で表される化合物)であり、前記一般式(VII)で表されるジアミンが、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(下記式(IX)で表される化合物)であることが特に好ましい。このポリイミドは、前記ポリイミドの中でも光透過性および各種有機溶媒に対する溶解度が特に高い。
Figure 2004231946
本発明のポリイミドフィルムに用いるポリイミドの製造方法は特に限定されないが、例えば、いわゆる熱イミド化や化学イミド化と呼ばれる方法を用いて製造することができる。
前記熱イミド化は、例えば米国特許第5344916号明細書の記載に従って行なうことができる。すなわち、まず、フラスコ中に前記カルボン酸二無水物と前記ジアミンとを等モル量投入し、さらに高沸点溶媒を添加して室温で攪拌し、混合溶液を調製する。このとき、ポリイミドの生成を促進させるための触媒を同時に混合することが好ましい。前記高沸点溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、α−クロロナフタレン等の芳香族系溶媒や、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒や、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒を使用することができる。これら溶媒は単独で使用しても二種類以上混合して使用しても良い。前記触媒としては、例えば、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸や、イソキノリン等の芳香族アミンを使用することができる。
次に、前記溶液を加熱攪拌して反応を進行させると、前記カルボン酸二無水物と前記ジアミンとが縮合してポリアミック酸を生じ、さらにポリイミドを生じる。この時の反応温度は例えば150〜250℃、反応時間は例えば2〜8時間である。反応温度や反応時間が足りないと重合度やイミド化率が低くなるので、重合およびイミド化が十分に進行するまで加熱攪拌する。この方法により、98〜100%という高いイミド化率を達成することが可能である。
なお、前記触媒を添加する代わりに、前記高沸点溶媒として水と共沸する溶媒を使用し、反応の際に生成する水を共沸により反応系外に効率的に除去して反応を促進させても良い。前記水と共沸する高沸点溶媒としては、例えば、o−ジクロロベンゼン、N−シクロヘキシルピロリドン、キシレン等が使用可能である。
反応が終了したらポリイミドを単離する。この方法は特に限定されないが、例えば、いわゆる再沈殿法が好ましい。すなわち、まず、前記混合溶液を室温に冷却する。このときポリイミドがゲル状となって析出することがあるので、必要に応じ適切な溶媒、例えばアセトン等で希釈するか、または適宜な温度、例えば40〜50℃に加温する等の手段により、ポリイミドをいったん完全に溶解させる。逆に、前記混合溶液の濃度が薄すぎるようであれば、いったん濃縮した後室温に冷却しても良い。次に、大量のアルコールや低級炭化水素等を準備し、激しく攪拌しながら、室温に冷却した前記混合溶液を少しずつ添加してポリイミドを析出させる。これを濾取し、乾燥すると、目的物の粉末が得られる。以上のようにして前記熱イミド化によるポリイミド合成を行なうことができる。
前記化学イミド化は、例えば特開2002−60620号公報の記載に従って行なうことができる。すなわち、まず、フラスコ中に前記カルボン酸二無水物と前記ジアミンとを等モル量投入し、さらにDMAc(ジメチルアセトアミド)を添加しながら室温で攪拌して完全に溶解させる。次に、この溶液を必要に応じて加熱または冷却しながら攪拌し、ポリアミック酸を生成させる。このときの反応温度は例えば0〜80℃、反応時間は例えば3〜24時間である。
そして、イミド化剤と脱水剤とを、それぞれ前記カルボン酸二無水物または前記ジアミンのモル量に対し二倍モル量以上添加し、さらに攪拌して、イミド化を進行させる。前記イミド化剤としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の4級アミンを用いることができる。前記脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等を使用することができるが、コスト等の点から無水酢酸が好ましい。このときの反応温度は例えば0〜100℃、反応時間は例えば3〜24時間である。反応温度や反応時間が足りないとイミド化率が低くなるので、イミド化が十分に進行するまで反応させる。この方法によっても98〜100%という高いイミド化率を達成することが可能である。
反応が終了したら、前記熱イミド化と同様、再沈殿法等により目的のポリイミドを単離する。以上のようにして前記化学イミド化によるポリイミド合成を行なうことができる。
上記のようにして合成したポリイミドは、イミド化率が高いことにより長期保存時の安定性に優れ、粉末状のままで長期間保存することが可能である。さらに、イミド化率が高いことにより、極性の高くない溶媒にも比較的溶けやすいという利点もある。ポリイミドは、一般に高極性溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等)以外には溶けにくいため、その溶液をプラスチック基材等に塗布すると、前記高極性溶媒が基材を浸食してしまうおそれがある。しかし、極性の高くない溶媒を用いることができればそのおそれがないため加工しやすい。
なお、本発明のポリイミドフィルムは、前記ポリイミドの重量平均分子量が50000〜180000の範囲であることが好ましい。前記重量平均分子量が50000以上であれば破断強度に優れ、180000以下であれば溶液とした際に粘度が高くなり過ぎず、塗工が容易である。適正な重量平均分子量を有するポリイミドを得る方法は特に限定されず、例えば、前記熱イミド化および前記化学イミド化のどちらの方法を用いても良い。しかし、前記化学イミド化の方がより透明性の高いポリイミドが得やすいためより好ましい。なお、イミド化の際、前記ポリイミドの重量平均分子量が高くなり過ぎることを防止するために、モノカルボン酸やモノアミン等の末端封止剤を適宜使用しても良い。
本発明のポリイミドフィルムにおける前記破断強度は、引張速度5m/min、試験片幅10mm、およびチャック間距離50mmの測定条件で100N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは105N/mm2以上、特に好ましくは110N/mm2以上である。前記破段強度の上限は特に限定されないが、例えば150N/mm2以下である。
(ポリイミドフィルムの製造方法および使用形態)
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法および使用形態について説明する。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は特に限定されないが、例えば、下記工程(A)および(B)を含む本発明の製造方法によって製造することができる。
(A) イミド化率98〜100%のポリイミドの溶液をプラスチック基材上に塗布し、さらに前記溶液を乾燥させてポリイミド被膜を形成する工程。
(B) 前記ポリイミド被膜を、前記式(1)を満たすように前記プラスチック基材ごと延伸する工程。
本発明の製造方法において、使用するポリイミドはイミド化率が98〜100%である以外は特に限定されないが、好ましいものは前記の通りである。延伸条件は特に限定されず、一軸延伸でも二軸延伸でも良い。前記式(1)を満たすためには通常は一軸延伸で十分であるが、二軸延伸を用いても良い。また、具体的な延伸方法も特に限定されず、公知の方法を適宜使用することができるが、例えば、ロール法縦延伸、テンター横延伸等が使用可能である。
本発明の製造方法において、前記ポリイミド溶液の溶媒は、単一でも二種類以上を混合したものでも良いが、大気圧1atm、大気温度25℃の測定条件における溶解度パラメータが17〜22の範囲であることが好ましい。ただし、前記溶解度パラメータは、下記式(2)で表される値δであり、式(2)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記溶媒のモル蒸発熱およびモル体積である。

δ=(ΔH/V)1/2 (2)

なお、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」第4版(4th Edition)、ワイリー・インターサイエンス(WILEY-INTERSCIENCE)に、各種溶媒の溶解度パラメータのデータが記載されている。
前記溶解度パラメータが22以下であれば、プラスチック基材が溶媒で浸食されにくいため、ポリイミドフィルム表面の平滑性が優れ、さらに光学用途に適する。また、延伸時、プラスチック基材の断裂も起こりにくい。また、ポリイミドの溶解性はその化学構造により異なるが、前記溶解度パラメータが17以上であれば、有機溶媒に難溶性の構造を持つポリイミドであっても比較的溶解しやすい。前記溶解度パラメータは、より好ましくは17.1〜21.5、特に好ましくは17.2〜21.3である。
前記工程(A)においてポリイミド溶液を乾燥させるときの温度は、200℃以下であることが、前記プラスチック基材が溶融等の変化を起こしにくいため好ましい。前記乾燥温度は、より好ましくは180℃以下、特に好ましくは160℃以下である。前記乾燥温度の下限は特に限定されないが、ポリイミドフィルムの生産効率等の観点から50℃以上が好ましい。
前記ポリイミド溶液の溶媒は、例えば、エステル、ケトンおよびエーテルからなる群から選択される少なくとも一種類の溶媒を含むことが好ましい。また、前記エステルが、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチルおよびカプロラクトンからなる群から選択される少なくとも一種類を含み、前記ケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも一種類を含み、前記エーテルが、メチルエーテル(ジメチルエーテル)、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびトリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種類を含むことがより好ましい。
前記プラスチック基材は特に限定されないが、延伸し易さの観点から熱可塑性樹脂が好ましい。また、単一のプラスチックからなるものでも二種類以上のプラスチックを併用しても良く、例えば、樹脂組成物の混合押出品等が使用できる。前記プラスチック基材は、例えば、ポリエステル、セルロースエステル、ポリオレフィン、置換ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリスルホンからなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
なお、本発明において「置換ポリオレフィン」とは、側鎖中にヘテロ元素(炭素および水素のどちらでもない元素)を含むポリオレフィンを言う。置換ポリオレフィンの具体例としては、置換または非置換のイミド結合を含むポリオレフィンや、置換または非置換フェニル基とシアノ基とを含むポリオレフィン等がある。前記置換または非置換のイミド結合を含むポリオレフィンとしては、例えばイソブテン・N−メチルマレイミド共重合体等があり、前記置換または非置換フェニル基とシアノ基とを含むポリオレフィンとしては、例えばアクリロニトリル・スチレン共重合体等がある。
また、「ポリカーボネート」という語は、ビスフェノールAと炭酸誘導体とを共重合させて得られる構造のポリマー(すなわち、ビスフェノールAのポリ炭酸エステル)を意味する場合と、主鎖にカーボネート結合を含む重合体全般を総称する場合とがあるが、本発明では後者である。
前記プラスチック基材において、前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、テレフタル酸1,4-シクロヘキサンジメチレン、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記セルロースエステルが、トリアセチルセルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロースからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記ポリオレフィンが、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記置換ポリオレフィンが、イソブテン・N−メチルマレイミド共重合体およびアクリロニトリル・スチレン共重合体のうち少なくとも一方を含み、前記ポリカーボネートが、ビスフェノールAのポリ炭酸エステル、ビスフェノールC(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1,1−ジクロロエチレン)のポリ炭酸エステル、アルキリデンビスフェノールのポリ炭酸エステル、およびシクロアルキリデンビスフェノールのポリ炭酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記ポリスルホンが、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンおよびビスフェノールAポリスルホンからなる群から選択される少なくとも一つを含むことがより好ましい。
前記プラスチック基材の好ましい具体例は多数あるが、例えば、イソブテン・N−メチルマレイミド共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含む樹脂組成物からなるフィルムが好ましい。
本発明の製造方法により製造したポリイミドフィルムは、前記プラスチック基材と一体となったまま光学フィルムに使用しても良いが、前記プラスチック基材と分離した後使用しても良い。前記プラスチック基材と前記ポリイミドフィルムを分離する方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにすれば良い。すなわち、別途ガラス基板またはプラスチック基板等を準備し、その上に接着剤等を塗布し、その塗布面と前記ポリイミドフィルムとを密着させ、前記プラスチック基材を前記ポリイミドフィルムから剥離する(この操作を「転写」と呼ぶことがある)。なお、前記ポリイミドフィルムと前記プラスチック基材とを一体として光学フィルムに使用する場合は、前記プラスチック基材は光透過性に優れたものが好ましい。具体的には、波長400〜700nmの光の透過率が90%以上であることが好ましく、波長300〜800nmの光の透過率が90%以上であることがより好ましい。前記光透過率の上限は特に限定されないが、高い程光学フィルムの機能の観点から有利であり、理想的には100%である。
本発明の光学フィルムは、本発明のポリイミドフィルムからなるポリイミド層を含むことにより、優れた光学特性を有する。また、本発明の光学素子は、その片面または両面に本発明のポリイミドフィルムまたは前記本発明の光学フィルムが積層されている光学素子であるが、それ以外の構成要素については特に限定されず、任意の構成要素を一つまたは複数含んでいて良い。以下、前記構成要素の具体例について説明する。
本発明の光学素子における前記構成要素としては、例えば偏光子(偏光フィルム)がある。前記偏光子は特に限定されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光子の厚みは、例えば1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
また、前記偏光子は、その片面または両面に保護層が設けられ、偏光板として用いられることが好ましい。前記保護層は特に限定されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
その他、前記保護層の材質として、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基とシアノ基とを有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
また、前記保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に前記保護層に起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。ただし、この場合、前記位相差値(Rth)は下記式(3)で表されるものとする。

Rth=[{(nx’+ny’)/2}−nz’]×d (3)

式中、nx’、ny’およびnz’は、それぞれ前記保護層におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸とは、前記保護層の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。dは、前記保護層の厚みを示す。
また、前記保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコティック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム(商品名)」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
なお、前記本発明の製造方法により製造したポリイミドフィルムを前記プラスチック基材と一体で使用する場合、前記プラスチック基材を偏光子の保護層とすることもできる。
前記保護層の厚みは、特に限定されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、例えば500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。
前記保護層は、例えば、偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光子に前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に限定されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、前記保護層そのものとして使用することもでき、また、前記保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
また、前記偏光板は、さらにその他の光学層、例えば反射板、半透過反射板、輝度向上フィルム等を含んでいても良い。これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。以下に、このような一体型偏光板について説明する。
まず、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。前記反射型偏光板は、前記偏光子および保護層にさらに反射板が、前記半透過反射型偏光板は、前記偏光子および保護層にさらに半透過反射板が、それぞれ積層されている。
前記反射型偏光板は、例えば、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、前記偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記保護層のような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過型偏光板は、例えば、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
次に、前記偏光子および保護層にさらに輝度向上フィルムが積層された偏光板の一例を説明する。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D-BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用でき、例えば、前記コレステリック液晶の選択反射といわゆるλ/4板との組み合わせを利用した輝度向上フィルムが好ましい。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。その他、前記輝度向上フィルムとしては、偏光方向による異方性散乱を利用した散乱フィルムや、いわゆるワイヤーグリッド型偏光子と呼ばれるものがあげられる。
本発明の光学素子の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法によって製造できるが、例えば、前記ポリイミドフィルム、偏光子、保護層等の各構成要素を適宜積層させて製造することができる。積層方法も特に限定されないが、前記各構成要素を粘着剤や接着剤等の層を介して積層させる方法によって製造できる。なお、本発明では「接着剤」と「粘着剤」とに明確な区別はないが、接着剤の中で被接着物どうしの剥離や再接着が比較的容易であるものを便宜上「粘着剤」と呼ぶ。前記粘着剤や接着剤等の種類は特に限定されず、前記各構成要素の材質等によって適宜決定できるが、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。また、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前述のような粘着剤や接着剤等は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。また、前記接着剤や粘着剤は、感圧性であっても良い。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光子や保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着層の厚みは、特に限定されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。
また、場合によっては、接着剤や粘着剤を用いる代わりに、ある構成要素上に別の構成要素を塗工等により直接形成して積層させることができる。例えば、本発明のポリイミドフィルムを偏光子に積層させる場合、前記ポリイミドフィルムとプラスチック基材との積層体を準備し、転写により前記ポリイミドフィルムのみを前記偏光子上に接着しても良いし、前記偏光子上に本発明のポリイミドフィルムを直接塗工して形成しても良い。
以上のような本発明の光学素子を形成する偏光子、保護層、光学層、粘着剤層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
本発明の光学素子は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、液晶セル表面等に各構成要素を順次別個に積層する方式によっても製造できる。しかし、あらかじめ前記各構成要素を積層し、本発明の光学素子とした後に液晶表示装置等の製造に供する方が、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点があるため好ましい。
本発明の光学素子は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、その外側の片面または両面に、前記のような粘着剤層や接着剤層をさらに有していることが好ましい。前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記光学素子の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層等でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層等であってもよい。このように前記光学素子に設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着剤層等を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。前記フィルムの材質は特に限定されないが、例えば、前記保護層と同様のものを使用することができる。
本発明の光学素子の使用方法は特に限定されないが、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
本発明の画像表示装置は、前記本発明のポリイミドフィルム、前記本発明の光学フィルム、および前記本発明の光学素子のうち少なくとも一つを含むことにより、画像表示性能に優れる。これ以外には、本発明の画像表示装置は特に限定されず、その製造方法、構造、使用方法等は任意であり、従来公知の形態を適宜適用することができる。
本発明の画像表示装置の種類は特に限定されないが、例えば液晶表示装置が好ましい。例えば、本発明の光学フィルムや光学素子を液晶セルの片側または両側に配置して液晶パネルとし、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置に用いることができる。液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、任意で選択でき、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。
前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に限定されず、従来公知の材料があげられる。
また、本発明のポリイミドフィルム、光学フィルム、または光学素子は液晶セルの片面に設けても両面に設けても良く、液晶セルの両面に前記光学素子等の部材を設ける場合、それらは同じ種類のものでもよいし、異なっていてもよい。さらに、液晶表示装置の製造に際しては、例えば、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適当な部品を、適当な位置に1層または2層以上配置することができる。
本発明の液晶表示装置における液晶パネルの構造は特に限定されないが、例えば、液晶セル、本発明のポリイミドフィルム、偏光子および保護層を含み、前記液晶セルの一方の面に前記ポリイミドフィルム、前記偏光子および前記保護層がこの順序で積層されていることが好ましい。また、前記本発明のポリイミドフィルムがプラスチック基材上に形成されている場合、その配置は特に限定されないが、例えば、前記ポリイミドフィルム側が前記液晶セルに面しており、前記プラスチック基材側が前記偏光子に面している配置があげられる。
本発明の液晶表示装置がさらに光源を含む場合、その光源は特に限定されないが、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
さらに、本発明のポリイミドフィルム、光学フィルムおよび光学素子は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等の自発光型表示装置にも使用できる。自発光型フラットディスプレイに使用する場合は、例えば、本発明のポリイミドフィルムの面内位相差値をλ/4にすることで、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとして利用できる。
以下に、本発明のエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置について説明する。本発明のEL表示装置は、本発明のポリイミドフィルム、光学フィルムまたは光学素子を有する表示装置であり、このEL表示装置は、有機EL表示装置および無機EL表示装置のいずれでもよい。
近年、EL表示装置においても、黒状態における電極からの反射防止として、例えば、偏光子や偏光板等の光学フィルムをλ/4板とともに使用することが提案されている。本発明のポリイミドフィルム、光学フィルムおよび光学素子は、特に、EL層から直線偏光、円偏光もしくは楕円偏光のいずれかの偏光が発光されている場合、または、正面方向に自然光を発光していても斜め方向の出射光が部分偏光している場合等に非常に有用である。
まず、一般的な有機EL表示装置について説明する。前記有機EL表示装置は、一般に、透明基板上に、透明電極(陽極)、有機発光層および金属電極(陰極)がこの順序で積層された発光体(有機EL発光体)を含む。前記有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、また、前記正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体等、種々の組み合わせがあげられる。
このような有機EL表示装置の発光原理は以下の通りである。すなわち、前記陽極と陰極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、前記正孔と電子とが再結合することによってエネルギーが生じる。そして、そのエネルギーによって蛍光物質が励起され、前記蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。前記正孔と電子との再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要なため、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成された透明電極が陽極として使用される。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に、仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。これは、前記有機発光層においても、透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過させるためである。その結果、非発光時に、前記透明基板の表面から入射して、前記透明電極と有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へ出る。このため、外部から視認した際に、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
本発明の有機EL表示装置は、例えば、前記透明電極の表面に本発明のポリイミドフィルム、光学フィルムまたは光学素子が配置されることが好ましい。この構成を有することにより、外界の反射を抑え、視認性向上が可能である等の効果を示す有機EL表示装置となる。例えば、前記ポリイミドフィルムおよび偏光板を含む本発明の光学素子は、外部から入射して前記金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって前記金属電極の鏡面を外部から視認させない等の効果がある。特に、本発明のポリイミドフィルムが1/4波長板であり、かつ、前記偏光板と前記ポリイミドフィルムとの偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、前記偏光板によって直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、前記ポリイミドフィルムによって、一般に楕円偏光となるが、特に前記ポリイミドフィルムが1/4波長板であり、しかも前記角がπ/4の場合には、円偏光となる。
この円偏光は、例えば、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び、有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、前記位相差フィルムで再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているため、前記偏光板を透過できず、その結果、前述のように、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができるのである。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。しかし、本発明はこれに限定されない。
(測定条件等)
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物はクラリアントジャパン株式会社製のものを用い、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルは和歌山精化工業株式会社製のものを用いた。それ以外の化学薬品はすべて和光純薬工業株式会社から購入した。1HNMR測定には日本電子株式会社製LA400(商品名)を用い、IR測定にはJASCO株式会社製FT/IR−230(商品名)を用いた。1HNMRでは、11ppm付近のピークをポリアミック酸のNH由来、7.0〜8.5ppmのピークをポリアミック酸およびポリイミドの芳香環由来とみなして解析した。IRでは、1730cm-1付近のピークをイミド結合中の
C=O二重結合由来、1687cm-1付近のピークをアミド結合中のC=O二重結合由来、1537cm-1付近のピークをアミド結合中のN−H単結合由来とみなして解析した。重量平均分子量Mwは、東ソー株式会社製HLC−8120GPC(商品名)を用いて測定した。測定対象ポリマーはDMF(ジメチルホルムアミド)に溶かして0.1重量%溶液に調製した後測定し、溶離液はDMFを用いた。測定後、ポリスチレン標準換算により、Mwおよび数平均分子量Mnを算出した。屈折率nx、nyおよびnzは、王子精機社製KOBRA21ADH(商品名)を用いて波長590nmにおける複屈折率Δnを測定し、その測定値から定法により計算した。破断強度は、島津製作所株式会社製オートグラフAG−10KNI(商品名)を用いて測定した。イミド化率は、1HNMR測定における11ppm付近のピークの積分値をX、7.0〜8.5ppmのピークの積分値をYとし、下記式(4)により算出した。ただし、式(4)においてAはイミド化率である。

A(%)=((Y−6X)/Y)×100 (4)
まず、ポリイミドを合成した。すなわち、まず、500mLセパラブルフラスコに攪拌装置、デーンスターク、窒素導入管、温度計および冷却管を取り付けた反応器と、オイルバスとを準備した。次に、前記フラスコ内に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物17.77g(40mmol)および2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル12.81g(40mmol)を投入し、さらに、600rpmの速度で攪拌しながら、イソキノリン2.58g(20mmol)をm−クレゾール275.21gに溶解させた溶液を加えた。そのまま室温で1時間攪拌すると、前記フラスコの内容物は均一な溶液になった。次に、攪拌速度を300rpmに変え、オイルバスの油温を180℃に設定して前記フラスコを浸し、フラスコ内温度を175〜180℃の範囲に保った。そのまま加熱攪拌を続けると、前記内容物は次第に黄色溶液となった。3時間後、加熱および攪拌を停止し、放冷して室温に戻すと、ポリマーがゲル状となって析出した。
次に、イソプロピルアルコール2Lを準備し、5000rpmで攪拌した。一方、前記フラスコの内容物を別の容器にあけ、アセトンを加えてポリイミドの濃度が7重量%となるように調整し、攪拌して前記ゲルを完全に溶解させた。これを、前記イソプロピルアルコール中に攪拌を続けながら少しずつ加えると、粉末が析出した。この粉末を濾取し、1.5Lのイソプロピルアルコール中に投入して再び5000rpmで5分間攪拌することにより洗浄した。さらにもう一度同様の操作を繰り返して洗浄した後、前記粉末を再び濾取した。これを60℃の熱風循環乾燥機で48時間予備乾燥した後、150℃で7時間乾燥すると、目的のポリイミドが白色粉末として得られた(収率85%)。
次に、このポリイミドを用いてポリイミドフィルムを製造した。すなわち、まず、前記ポリイミドをシクロペンタノン(溶解度パラメータ21.3)に溶解させ、20重量%溶液を調製した。一方、厚さ70μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルムを準備し、これを基材とした。この基材上に前記ポリイミド溶液を塗布して130℃で5分間乾燥し、厚さ6μmのポリイミド被膜を形成した。そして、この被膜を、基材ごと150℃で10%一軸延伸し、前記基材上に積層された目的のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムは透明で平滑であり、また、厚さは5μmであった。なお、「10%一軸延伸した」とは、延伸方向のフィルム長さが、延伸後において延伸前の110%となったことを意味する。
まず、ポリイミドを合成した。すなわち、まず、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物を160℃で6時間乾燥した後乾燥機内で80℃まで徐冷し、その後デシケーターボックス内で保存することにより予備乾燥した。次に、よく乾燥させた3Lセパラブルフラスコにシリカゲル管、攪拌装置および温度計を取り付けた反応器と、オイルバスとを準備した。このフラスコ内に、前記2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物75.52g(170mmol)と、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル54.44g(170mmol)とを投入した。これを400rpmで攪拌しながらDMAc(脱水グレード)519.84gを加え、フラスコの内容物が均一な溶液になるまで攪拌を続けた。続いて、オイルバスを用いて容器内温度が20〜60℃の範囲になるように調整しながらさらに20時間攪拌を続け、反応させてポリアミック酸を生成させた。このとき、反応の進行に伴い粘度が増加し、高速での攪拌は困難になるので、それに応じ攪拌速度を徐々に低下させた。20時間攪拌後、反応系温度を室温に戻し、DMAc 649.8gを加えてポリマー濃度が10重量%となるように調整した。さらに、ピリジン32.27g(408mmol)、続いて無水酢酸41.65g(408mmol)を、それぞれ約10分間かけて滴下し、そのまま室温で攪拌して反応させ、イミド化を行なった。反応の進行状況はIRで追跡し、1537cm-1付近のピークが消失するまで攪拌を続けた。10時間後、前記ピークの消失が確認されたので攪拌を止め、反応終了とした。
次に、イソプロピルアルコール20Lを準備し、5000rpmで攪拌した。一方、前記フラスコの内容物を別の容器にあけ、アセトン700gを加えてポリイミドの濃度が6.5重量%となるように調整した。これを、前記イソプロピルアルコール中に攪拌を続けながら少しずつ加えると、粉末が析出した。この粉末を濾取し、15Lのイソプロピルアルコール中に投入して再び5000rpmで5分間攪拌することにより洗浄した。これを再び濾取し、60℃の熱風循環乾燥機で48時間予備乾燥した後、150℃で7時間乾燥すると、目的のポリイミドが白色粉末として得られた(収率93%)。
さらに、このポリイミド粉末を用い、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは透明で平滑であり、また、厚さは5μmであった。
まず、実施例1と同様にしてポリイミド粉末を合成した。次に、シクロペンタノンに代えてメチルイソブチルケトン(溶解度パラメータ17.2)を用いる以外は実施例1と同様にして20重量%ポリイミド溶液を調製し、以下実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは透明で平滑であり、また、厚さは5μmであった。
まず、実施例1と同様にしてポリイミド粉末を合成した。次に、シクロペンタノンに代えて酢酸エチル(溶解度パラメータ18.6)を用いる以外は実施例1と同様にして20重量%ポリイミド溶液を調製し、以下実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは透明で平滑であり、厚さは5μmであった。
まず、実施例1と同様にしてポリイミド粉末を合成した。次に、シクロペンタノンに代えてN−メチルピロリドン(溶解度パラメータ23.1)を用いる以外は実施例1と同様にして20重量%ポリイミド溶液を調製し、以下実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィルムの厚さは5μmであった。
(比較例)
イソキノリンを加えないことと、加熱後の攪拌時間が2時間であること以外は実施例1と同様にしてポリイミド粉末を合成した(収率88%)。さらに、得られたポリイミド粉末を用い、実施例1および2と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィルムの厚さは5μmであった。
(参考例)
ピリジンと無水酢酸を加えた後、2時間で反応を終了させる以外は実施例2と同様にしてポリイミド粉末を合成した(収率90%)。
(ポリイミドの物性)
実施例1〜5、比較例および参考例で合成したポリイミド粉末の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnおよびイミド化率を測定した。結果を下記表1にまとめて示す。
[表1]
Mw Mn Mw/Mn イミド化率
実施例1 62500 20000 3.1 100%
実施例2 136000 41000 3.3 100%
比較例 35000 12000 2.9 72.6%
参考例 68700 18600 3.7 79.5%
(※実施例3〜5のポリイミド粉末については実施例1と同様である。)
なお、これらポリイミド粉末を常温、常圧で1年間保存後に分子量を再測定したところ、分子量の変化率は、実施例1〜5のポリイミドにおいては10%未満であり、比較例のポリイミドは−45%、参考例のポリイミドは−40%であった。これらの結果から、イミド化率が低いと長期保存安定性が低くなることが分かる。
(ポリイミドフィルムの屈折率異方性)
実施例1〜5および比較例のポリイミドフィルムについて、それぞれ複屈折率を測定した。
測定に先立ち、まず、各ポリイミドフィルムをガラス基板上に転写し、ガラス基板とポリイミドフィルムとを含む積層体(以下「ガラス・ポリイミド積層体」と呼ぶ)を得た。すなわち、まず、ガラス基板を準備し、その上に接着剤(日東電工株式会社製アクリル粘着剤)を塗布した。さらに、その塗布面とポリイミドフィルムとを密着させ、前記TACフィルム製基材を前記ポリイミドフィルムから剥離して目的のガラス・ポリイミド積層体を得た。
前記ガラス・ポリイミド積層体を用いて各ポリイミドフィルムの複屈折率を測定し、測定結果から、面方向の主屈折率nxおよびnyと、厚さ方向の屈折率nzとを算出した。結果を下記表2にまとめて示す。なお、nx、nyおよびnzの定義については前記式(1)の通りである。
[表2]
nx ny nz
実施例1 1.56078 1.54778 1.51649
実施例2 1.56507 1.55757 1.50796
実施例3 1.56078 1.54778 1.51649
実施例4 1.56078 1.54778 1.51649
実施例5 1.56078 1.54778 1.51649
比較例 1.56103 1.55777 1.51332
表2から分かる通り、実施例1〜5および比較例のポリイミドフィルムはいずれもnx>ny>nzの関係を満たし、二軸性の光学的異方性を有していた。なお、これらの外観を観察したところ、実施例1〜4のものは透明性および平滑性が特に優れていることが分かった。
(長期保存安定性)
実施例1〜5および比較例のポリイミドフィルムをそれぞれ含むガラス・ポリイミド積層体を前記と同様にして製造した。これを100℃の乾燥機中で1000時間保存し、ポリイミドフィルムの長期保存安定性を評価したところ、比較例のポリイミドフィルムにクラックが発生し、もはや実用に耐えなくなった。
(破断強度)
実施例1〜5および比較例のポリイミドフィルムについて、引張速度5m/min、試験片幅10mm、およびチャック間距離50mmの測定条件における破断強度をそれぞれ測定した。
測定に先立ち、各ポリイミドフィルムを前記TAC基材から分離した。すなわち、ガラス基板の代わりにPET基板を用いる以外は前記ガラス・ポリイミド積層体と同様にして各ポリイミドフィルムをPET基板上に転写し、その後、前記PET基板上からポリイミドフィルムのみを剥離した。そして、剥離したポリイミドフィルムを用いて前記測定条件による破断強度を測定した。結果を下記表3にまとめて示す。
[表3]
破断強度(N/mm 2
実施例1 110
実施例2 130
実施例3 110
実施例4 110
実施例5 110
比較例 80
表3から分かる通り、実施例1〜5のポリイミドフィルムは破断強度が特に高く、いずれも100N/mm2を超えていた。
以上説明した通り、本発明によれば、二軸性の光学的異方性を有し、かつ、耐久性に優れるポリイミドフィルムを提供することができる。本発明の光学フィルムおよび光学素子は、本発明のポリイミドフィルムからなるポリイミド層を含むことにより、優れた光学特性を有する。さらに、本発明の画像表示素子は、本発明のポリイミドフィルムを含むことにより、画像表示性能に優れる。

Claims (17)

  1. ポリイミドのイミド化率が98〜100%の範囲であり、かつ、下記式(1)の光学特性条件を満たすポリイミドフィルム。ただし、式(1)中、nx、nyおよびnzは、それぞれ前記ポリイミドフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸とは、前記ポリイミドフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。

    nx>ny>nz (1)
  2. 前記ポリイミドが、分子中にフッ素原子を含むポリイミドである請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 前記ポリイミドが、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物と2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルとを反応させて得られるポリアミック酸をさらにイミド化して得られるポリイミドである請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  4. 前記ポリイミドの重量平均分子量が50000〜180000の範囲である請求項1から3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  5. 引張速度5m/min、試験片幅10mm、およびチャック間距離50mmの測定条件における破断強度が100N/mm2以上である請求項1から4のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドフィルムからなるポリイミド層を含む光学フィルム。
  7. その片面または両面に請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドフィルムまたは請求項6に記載の光学フィルムが積層された光学素子。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドフィルム、請求項6に記載の光学フィルム、および請求項7に記載の光学素子のうち少なくとも一つを含む画像表示装置。
  9. 下記工程(A)および(B)を含む請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
    (A) イミド化率98〜100%のポリイミドの溶液をプラスチック基材上に塗布し、さらに前記溶液を乾燥させてポリイミド被膜を形成する工程。
    (B) 前記ポリイミド被膜を、前記式(1)を満たすように前記プラスチック基材ごと延伸する工程。
  10. 前記ポリイミドが、分子中にフッ素原子を含むポリイミドである請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記ポリイミドが、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物と2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルとを反応させて得られるポリアミック酸をさらにイミド化して得られるポリイミドである請求項9に記載の製造方法。
  12. 大気圧1atm、大気温度25℃の測定条件における前記ポリイミド溶液の溶媒の溶解度パラメータが17〜22の範囲である請求項9から11のいずれかに記載の製造方法。ただし、前記溶解度パラメータは、下記式(2)で表される値δであり、式(2)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記溶媒のモル蒸発熱およびモル体積である。

    δ=(ΔH/V)1/2 (2)
  13. 前記工程(A)においてポリイミド溶液を乾燥させるときの温度が200℃以下である請求項9から12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記ポリイミド溶液の溶媒が、エステル、ケトンおよびエーテルからなる群から選択される少なくとも一種類の溶媒を含む請求項9から13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記エステルが、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチルおよびカプロラクトンからなる群から選択される少なくとも一種類を含み、前記ケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも一種類を含み、前記エーテルが、メチルエーテル(ジメチルエーテル)、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびトリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種類を含む、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記プラスチック基材が、ポリエステル、セルロースエステル、ポリオレフィン、置換ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリスルホンからなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項9から15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、テレフタル酸1,4-シクロヘキサンジメチレン、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記セルロースエステルが、トリアセチルセルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロースからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記ポリオレフィンが、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記置換ポリオレフィンが、イソブテン・N−メチルマレイミド共重合体およびアクリロニトリル・スチレン共重合体のうち少なくとも一方を含み、前記ポリカーボネートが、ビスフェノールAのポリ炭酸エステル、ビスフェノールC(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1,1−ジクロロエチレン)のポリ炭酸エステル、アルキリデンビスフェノールのポリ炭酸エステル、およびシクロアルキリデンビスフェノールのポリ炭酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つを含み、前記ポリスルホンが、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンおよびビスフェノールAポリスルホンからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項16に記載の製造方法。
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