JP2004229179A - 補聴器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耳介を挟持する支持部1と、この支持部1から延出するアーム部2と、このアーム部2の先端に取り付けられ放音口3aを有すると共に外耳道の入口に位置する音出力部3からなり、支持部1が支持本体部4と保持用ねじ5とからイヤリングを構成する。支持部1にマイクロホンと補聴処理部とバッテリィを配置し、音出力部3にイヤホンを配置した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳への密閉感やこもり感をなくして快適な装用感を実現する補聴器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の補聴器では、箱形、耳かけ形や挿耳形などのいずれの場合でも、耳せんを外耳道にぴったりとフィッティングさせて使用していた。耳せんを外耳道にぴったりとフィッティングさせるのは、耳せんと外耳道の間に隙間があると音漏れによりハウリングを生じるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耳せんを外耳道にぴったりとフィッティングさせて使用すれば、ハウリングの発生を防止できるものの、装用者にとって外耳道の密閉による不快感が生じていた。
【0004】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外耳道を密閉せずに、鼓膜面と外気の通気を確保した状態で装用できる(以下、オープンフィッティングという)補聴器を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、耳介を挟持する支持部と、この支持部から延出するアーム部と、このアーム部の先端に取り付けられた放音口を有すると共に外耳道の入口に位置する音出力部からなるものである。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の補聴器において、前記支持部が支持本体部と保持用部材とからイヤリングを構成するようにした。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の補聴器において、前記支持部が支持本体部とジョイント部とからピアスを構成するようにした。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の補聴器において、前記支持部にマイクロホンと補聴処理部とバッテリィを配置し、前記音出力部にイヤホンを配置した。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1、2又は3記載の補聴器において、前記音出力部にマイクロホンと補聴処理部とバッテリィとイヤホンを配置した。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の補聴器において、前記音出力部を連続多孔質体の柔らかい弾性材で形成したカバー部材で覆うようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係るイヤリング型の補聴器の装用状態を示す斜視図、図2は本発明に係るイヤリング型の補聴器の斜視図、図3は同じく一部分解斜視図、図4は本発明に係るイヤリング型の補聴器の装用状態を示す断面図、図5は本発明に係るピアス型の補聴器の装用状態を示す斜視図、図6は本発明に係るピアス型の補聴器の斜視図、図7は同じく一部分解斜視図である。
【0012】
本発明に係るイヤリング型の補聴器は、図1、図2及び図3に示すように、耳たぶを挟持する支持部1と、支持部1から延出するアーム部2と、アーム部2の先端に取り付けられ放音口3aを有すると共に外耳道の入口に位置する音出力部3からなる。そして、支持部1は支持本体部4と保持用ねじ5とからイヤリングを構成している。
【0013】
支持本体部4は、円柱形状の本体部6と、円柱形状の電池部7と、本体部6と電池部7を連結する略U字状の連結部8からなる。
本体部6には、外部音を検出して電気信号に変換するマイクロホン9、DSP(digital signal processor)からなる補聴処理部10及び外部通信用コネクタ11が収納されている。電池部7には、バッテリィ12が収納されている。7aはバッテリィ12を覆う蓋体である。なお、本体部6にバッテリィ12を収納することもできる。
【0014】
補聴処理部10は、オープンフィッティングを可能にするアンチ・フィードバック機能(音漏れによりハウリングを阻止する機能)を有する。また、その他の補聴処理のための各種デジタル信号処理を行うことができる。
【0015】
外部通信用コネクタ11は、補聴器の補聴特性を外部から調整するために設けられたものであり、このコネクタ11に調整用外部コントロールツール(不図示)を接続し、補聴特性を外部から調整することができる。なお、補聴器と調整用外部コントロールツールとの接続は、外部通信用コネクタ11によらずに無線通信手段によってもよい。
【0016】
本体部6の耳たぶに接しない面6aには、マイクロホン9に外部音を取り入れる孔6bが開けられている。また、複数のマイクロホンを本体部6に収納して指向特性を持たせることも可能である。なお、マイクロホン9を音出力部3に配置してもよい。
そして、電池部7と連結部8の接続部に開けられたねじ孔13に、保持用ねじ5が螺合している。
【0017】
保持用ねじ5の先端には、耳たぶに当接する接触部5aが抜け止めを兼ねて形成され、保持用ねじ5の後端には、ねじ回し部5bが形成されている。本体部6と接触部5aにより耳たぶを挟持することになる。なお、保持用部材としては、保持用ねじ5の代りにスプリングで耳たぶを介して本体部6を押圧するスプリングタイプの保持用スプリングピンでもよい。
【0018】
アーム部2は、装用者の耳介の大きさに応じて変形できるように可撓性部材により形成されている。音出力部3には、補聴処理部の出力を電気音響変換するイヤホン10が収納され、放音口3aから外耳道内に音声を放音する。
【0019】
以上のように構成した本発明に係るイヤリング型の補聴器の動作について説明する。
先ず、イヤリングを耳たぶに装着するのと同様に、本体部6と保持用ねじ5の間に耳たぶを位置させた状態で、保持用ねじ5を締めて耳たぶを適度な圧力で挟持する。
【0020】
次いで、図4に示すように、アーム部2と音出力部3の姿勢を調整して音出力部3が外耳道を塞ぐことなく、放音口3aが外耳道の入口に位置するようにする。すると、外耳道の密閉による不快感を生じることのない耳への装着ができ、オープンフィッティングが可能になる。
【0021】
次に、本発明に係るピアス型の補聴器は、図5、図6及び図4に示すように、耳たぶを挟持する支持部21と、支持部21から延出するアーム部22と、アーム部22の先端に取り付けられ放音口23aを有すると共に外耳道の入口に位置する音出力部23からなる。そして、支持部21は支持本体部24とジョイント部25とからピアスを構成している。
【0022】
支持本体部24は、円柱形状の本体部26と、円柱形状の電池部27からなる。
本体部26には、外部音を検出して電気信号に変換するマイクロホン28、DSP(digital signal processor)からなる補聴処理部29及び外部通信用コネクタ30が収納されている。電池部27には、バッテリィ31が収納されている。27aはバッテリィ31を覆う蓋体である。なお、本体部26にバッテリィ31を収納することもできる。
【0023】
補聴処理部29は、オープンフィッティングを可能にするアンチ・フィードバック機能(音漏れによりハウリングを阻止する機能)を有する。また、その他の補聴処理のための各種デジタル信号処理を行うことができる。
【0024】
外部通信用コネクタ30は、補聴器の補聴特性を外部から調整するために設けられたものであり、このコネクタ30に調整用外部コントロールツール(不図示)を接続し、補聴特性を外部から調整することができる。なお、補聴器と調整用外部コントロールツールとの接続は、外部通信用コネクタ30によらずに無線通信手段によってもよい。
【0025】
本体部26の耳たぶに接しない面26aには、マイクロホンに外部音を取り入れる孔26bが開けられている。また、複数のマイクロホンを本体部26に収納して指向特性を持たせることも可能である。なお、マイクロホン28を音出力部23に配置してもよい。
【0026】
ジョイント部25は、本体部26の耳たぶに接する面26cに一端を固着したピン25aと、ピン25aを電池部27の端部に開けられた貫通孔32に嵌挿させた後に貫通孔32から突出したピン25aの先端に嵌合する止め部材25bからなる。また、ジョイント部25は、バッテリィ31と本体部26に収納されたマイクロホン28や補聴処理部29などを電気的に接続するコネクタの機能を兼ねている。
【0027】
アーム部22は、装用者の耳介の大きさに応じて変形できるように可撓性部材により形成されている。音出力部23には、補聴処理部の出力を電気音響変換するイヤホン33が収納され、放音口23aから外耳道内に音声を放音する。
【0028】
以上のように構成した本発明に係るピアス型の補聴器の動作について説明する。
先ず、ピアスを耳たぶに装着するのと同様に、本体部26の一面26cに固着したピン25aを耳たぶに開けた孔に嵌挿させ、更に耳たぶから突出したピン25aを電池部27の端部に開けられた貫通孔32に嵌挿させ、貫通孔32から突出したピン25aの先端に止め部材25bを嵌合する。
【0029】
次いで、図4に示すのと同様に、アーム部22と音出力部23の姿勢を調整して音出力部23が外耳道を塞ぐことなく、放音口23aが外耳道の入口に位置するようにする。すると、外耳道の密閉による不快感を生じることのない耳への装着ができ、オープンフィッティングが可能になる。
【0030】
本発明に係る補聴器は、通常は外耳道を密閉せずに使用するが、外耳道によって音出力部3,23を保持させる場合には通気性を確保できる連続多孔質体の柔らかい弾性材で形成したカバー部材で音出力部3,23を覆うことができる。カバー部材の外側形状は、装用者の外耳道形状に合せてオーダメイドにより形成してもよい。
【0031】
このカバー部材により、音出力部3,23を外耳道内に安定して保持させることが可能になると共に、通気性を有することによって装用者は外耳道の密閉による不快感から解放される。
【0032】
連続多孔質体の柔らかい弾性材としては、四フッ化フロロエチレン(テフロン(登録商標))の連続多孔質体(商標:Goretex)が好ましい。その他に、連続気泡ポリエチレンフォームや連続気泡軟質ウレタンフォームなどを用いることができる。
【0033】
なお、本発明の実施の形態では、本体部6,26と電池部7,27の形状を円柱形状としたが、これらの形状は三角柱、四角柱や五角柱などいずれの形状でもよく、円柱形状に限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、音出力部を外耳道で支持することなく、装用することができるので、外耳道を密閉しないオープンフィッティングが可能になり、外耳道の密閉による不快感を生じることがない。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、イヤリングの装着感覚で容易に装用することができる。また、ファッション性を重視した補聴器を構成することができる。
【0036】
請求項3に係る発明によれば、ピアスの装着感覚で容易に装用することができる。また、ファッション性を重視した補聴器を構成することができる。
【0037】
請求項4に係る発明によれば、重量バランスを配慮した補聴器を構成することができる。
【0038】
請求項5に係る発明によれば、支持部を小型化することが可能になり、よりファッション性を重視した補聴器を構成することができる。
【0039】
請求項6に係る発明によれば、通気性を確保できる連続多孔質体の柔らかい弾性材で形成したカバー部材で音出力部を覆うことにより、外耳道の密閉による不快感を感じずに音出力部を外耳道内で保持することが可能になるので、安定した装着ができると共に、オープンフィッティングと同様の装用感覚を得ることが可能になるので、快適な装用感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイヤリング型の補聴器の装用状態を示す斜視図
【図2】本発明に係るイヤリング型の補聴器の斜視図
【図3】本発明に係るイヤリング型の補聴器の一部分解斜視図
【図4】本発明に係るイヤリング型の補聴器の装用状態を示す断面図
【図5】本発明に係るピアス型の補聴器の装用状態を示す斜視図
【図6】本発明に係るピアス型の補聴器の斜視図
【図7】本発明に係るピアス型の補聴器の一部分解斜視図
【符号の説明】
1,21…支持部、2,22…アーム部、3,23…音出力部、3a,23a…放音口、4,24…支持本体部、5…保持用ねじ、25…ジョイント部。
Claims (6)
- 耳介を挟持する支持部と、この支持部から延出するアーム部と、このアーム部の先端に取り付けられた放音口を有すると共に外耳道の入口に位置する音出力部からなることを特徴とする補聴器。
- 前記支持部が支持本体部と保持用部材とからイヤリングを構成する請求項1記載の補聴器。
- 前記支持部が支持本体部とジョイント部とからピアスを構成する請求項1記載の補聴器。
- 前記支持部にマイクロホンと補聴処理部とバッテリィを配置し、前記音出力部にイヤホンを配置した請求項1、2又は3記載の補聴器。
- 前記音出力部にマイクロホンと補聴処理部とバッテリィとイヤホンを配置した請求項1、2又は3記載の補聴器。
- 前記音出力部を連続多孔質体の柔らかい弾性材で形成したカバー部材で覆う請求項1、2、3、4又は5記載の補聴器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003017172A JP2004229179A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 補聴器 |
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JP2003017172A JP2004229179A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 補聴器 |
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JP2003017172A Pending JP2004229179A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 補聴器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2003-01-27 JP JP2003017172A patent/JP2004229179A/ja active Pending
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