JP2004228148A - 電極形成用塗料および該塗料を用いた電極 - Google Patents

電極形成用塗料および該塗料を用いた電極 Download PDF

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浦 則 雄 三
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Abstract

【課題】強度に優れ、また高電気容量の電気化学キャパシタを安価に得ることが可能な電極形成用塗料を提供する。
【解決手段】カーボン微粒子と、カーボン微粒子より粒径の小さい金属酸化物微粒子と、バインダーと水および/または有機溶媒とからなり、金属酸化物微粒子の平均粒子径が5〜100nmの範囲にあることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極形成用塗料。前記金属酸化物微粒子がIn、Sn、Cu、Mo、Ta、Ni、W、Mn、Sb、Ti、Zr、Co、Feからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物・複合酸化物またはこれらの混合物であり、特にSnまたはFがドーピングされた酸化インジウムである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、新規な電気化学キャパシタ用電極形成用塗料、該塗料を用いて形成された電気化学キャパシタ用電極、および該電極を用いた電気化学キャパシタに関する。
さらに詳しくは、強度が高く、高静電容量の電気化学キャパシタを製造可能な電気キャパシタ用電極形成用塗料およびその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、小型、軽量、大容量かつ急速充放電可能な蓄電デバイスが求められている。特に、電気自動車等には、従来のキャパシタや二次電池では対応できず、高性能なエネルギー貯蔵デバイスとしての電気化学キャパシタの開発が急がれている。
【0003】
従来、電気化学キャパシタとしては、高比表面積の炭素材料を電極材料として用いる電気二重層型電気化学キャパシタ(EDLC)を中心に開発が展開される一方で、高い出力密度、エネルギー密度が得られる金属酸化物系や、金属窒化物系、金属炭化物系の電気化学キャパシタにも関心が寄せられている。
高比表面積(約1000m/g)の炭素材料を電極材料とするEDLCでは、電極材料として活性炭、活性炭素繊維、カーボンブラック等が提案されている。特に、活性炭及び活性炭素繊維は、比較的大きな電気容量を発現することからEDLC用電極材料として注目されている。
【0004】
一方、金属酸化物系の電極材料としては、貴金属の酸化物である、Ru、Irの酸化物が検討されている。これら貴金属の酸化物は電気化学的な可逆性が高いために優れた充放電サイクル特性を示すことが知られている。
しかしながら、貴金属酸化物は高価であることから実用上問題があり、このため、炭素材料に貴金属酸化物を担持させたり、代わりに安価な高性能酸化物材料と炭素材料との複合化が行われている。
【0005】
Electrochem. and Solid−state Lett. Vol4, No.9, 2001, p.145−147には、炭素材料にRuO、MoOを担持した電極が報告されている。
また、電気化学キャパシタ用電極材料としてNi,V,Mo,Mn等の酸化物、或いはV,Nb、Mo,Wなどの窒化物や炭化物の超微粒子を用いて電気化学キャパシタを作製できることも報告されている。例えば、J.Electrochem.Soc., 143, 124(1996)には、多孔質NiO/Niを電気化学キャパシタ用電極材料として用いることが報告されている。また、The Electrochemical Society PV95−29, p.86 (1996)にはVゲルを用いることが報告されている。
【0006】
上記において、例えば酸化ルテニウムを3.2重量%担持したカーボン複合電極では、電気容量が約25%増加することが報告されている。また酸化モリブデンを1.4重量%担持したカーボン複合電極では、静電容量が約35%増加することが報告されている。
また、電気二重層キャパシタに用いる分極性電極の製造に導電性を有し、無機結合材としても作用する酸化インジウムまたは酸化インジウムと酸化錫との混合物を用いることが開示されている(特許文献1、特開平5−304048号公報)。具体的には、インジウムアルコキシドのアルコール溶液に活性炭微粒子を分散させ、これに触媒を加えて加水分解し、40〜60℃で加熱してゲル化を進行させ、150℃〜200℃で加熱して乾燥し、ついで400〜450℃で加熱して有機物を除去して得られる分極性電極が記載されている。
【0007】
また、上記以外にも五酸化バナジウムを炭素粉末に担持させた電気エネルギー貯蔵素子(特許文献2、特開2000−36303号公報)、水酸化ルテニウムなどの水酸化金属水和物を炭素粉末に担持させた電気エネルギー貯蔵素子(特許文献3、特開2000−36441号公報)も開示されている。さらにモリブデン化合物を多孔性炭素材料に担持させた電極材料も知られている(特許文献4、特開2002−289468号公報)。
【0008】
しかしながら、上記のように単に金属酸化物を炭素粉末の細孔内に担持させる方法は、電気容量の向上が不充分であったり、経済性に劣る等の問題がある。
本願発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、炭素粉末に担持させるのではなく、炭素粉末にそれより粒径の小さな高導電性を有する結晶性金属酸化物微粒子を混合して得られた電極は強度に優れ、この電極を用いたキャパシタは電気容量が大きく向上できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−304048号公報
【特許文献2】
特開2000−36303号公報
【特許文献3】
特開2000−36441号公報
【特許文献4】
特開2002−289468号公報
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来技術に伴う問題点を解消するためになされたものであり、電気化学キャパシタ用電極の形成に好適に使用される塗料、該塗料を用いて形成された電気化学キャパシタ用電極および該電極を用いた電気化学キャパシタを提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る電気化学キャパシタ用電極形成用塗料は、
カーボン微粒子と、カーボン微粒子より粒径の小さい金属酸化物微粒子と、バインダーと水および/または有機溶媒とからなり、
金属酸化物微粒子の平均粒子径が5〜100nmの範囲にあることを特徴とする。
【0012】
前記金属酸化物微粒子がIn、Sn、Cu、Mo、Ta、Ni、W、Mn、Sb、Ti、Zr、Co、Feからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物・複合酸化物またはこれらの混合物が好ましく、特に、SnまたはFがドーピングされた酸化インジウムが好ましい。
本発明に係る電気化学キャパシタ用電極は、前記塗料を用いて形成されてなる。
【0013】
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、先ず、本発明に係る電気化学キャパシタ用電極形成用塗料について説明する。
電気化学キャパシタ用電極形成用塗料
本発明に係る電気化学キャパシタ用電極形成用塗料は、カーボン微粒子と、金属酸化物微粒子と、バインダーと、水および/または有機溶媒とからなり、金属酸化物微粒子の平均粒子径が5〜100nmの範囲にあることを特徴とする。
【0015】
カーボン微粒子
カーボン微粒子としては、従来公知の活性炭、活性炭素繊維、カーボンアエロゲル、カーボンブラック等を用いることができる。なかでも、比表面積の高い活性炭、活性炭素繊維等は、比較的大きな電気容量を発現するので好ましい。
本発明で用いることができる活性炭及び活性炭素繊維の原料は、植物系の木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油重質油、或いはそれらを熱分解した石炭及び石油系ピッチ、石油コークス、カーボンアエロゲル、タールピッチを紡糸した繊維、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等、多種多用である。活性炭及び活性炭素繊維は、これらの原料を炭化後、賦活処理して得られるが、この賦活法は、ガス賦活法と薬品賦活法に大別される。ガス賦活法は、薬品賦活法が化学的な活性化であるのに対して、物理的な活性化とも言われ、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させて、活性炭を得るものである。薬品賦活法は、原料に賦活薬品を均一に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水及び酸化反応により活性炭を得る方法である。薬品賦活法で使用される薬品としては、塩化亜鉛、りん酸、りん酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等がある。ただし、活性炭及び活性炭素繊維の製法に関しては、特に制限はなく、何ら上記の方法に限定されるものではない。
【0016】
また、活性炭ないし活性炭素繊維の形状は、破砕、造粒、顆粒、繊維、フェルト、織物、シート状等各種の形状があるが、いずれも本発明に使用することができる。これらの活性炭ないし活性炭素繊維のうち、ガス賦活法において、ヤシ殻、石炭、又はフェノール樹脂を炭化したものを原料として得られる活性炭ないし活性炭素繊維は、比較的高い静電容量を示し、かつ工業的に大量生産可能であり、安価であるため本発明に好適である。
【0017】
粒状のカーボン微粒子を用いる場合、平均粒子径は0.005〜50μm、さらには0.01〜10μmの範囲にあることが好ましい。なお、ここでいうカーボン微粒子は一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。
平均粒子径が0.005μm未満のカーボン微粒子自体は入手が困難であり、カーボン微粒子の平均粒子径が50μmを越えると、得られる電極の強度が低下したり、カーボン微粒子が電極から脱離することがある。
【0018】
電気化学キャパシタ用電極形成用塗料中のカーボン微粒子の含有量は、得られる電極中のカーボン微粒子の含有量が60〜95重量%、さらには70〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
電極中のカーボン微粒子の含有量が60重量%未満の場合は、電気化学キャパシタの電気容量が不充分となることがある。
【0019】
電極中のカーボン微粒子の含有量が95重量%を越えると、バインダー成分の不足によって電極がもろくなり、実用に耐え得るような電極を得るのが困難となる。
金属酸化物微粒子
本発明に使用される金属酸化物微粒子としては、導電性を有するものが使用される。
【0020】
このうち、In、Sn、Cu、Mo、Ta、Ni、W、Mn、Sb、Ti、Zr、Co、Feからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物・複合酸化物またはこれらの混合物が好適である。これらにはドープ酸化物や固溶体も含む。たとえばスズドープ酸化インジウム、Fドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズなどのドープ酸化物を使用することができる。
【0021】
前述したように金属酸化物を炭素粉末の細孔内に担持させる方法は、従来より広く知られていたものの、電気容量の向上が不充分であったり、経済性に劣ったりするほか、急速な充放電特性が得られにくいという問題がある。これに対して、本発明のように炭素粒子とそれより細かい金属酸化物微粒子を使用すれば、低コストで大容量の電極材料を得ることができる。また、このような金属酸化物微粒子を含むことで得られる電極の強度および密着性を高めることができる。
【0022】
このように金属酸化物微粒子を使用すると、金属酸化物微粒子が、炭素粒子表面に均一に分散するので、炭素電極の電気二重層容量にとともに金属酸化物微粒子による疑似容量が加算され、それにより電気容量の大きいキャパシタ用の電極が得られるものと思料される。
本発明で使用される金属酸化物は、導電性を有しており、このため電極の内部抵抗を有効に下げることができるとともに、また電気化学的擬似容量に類似した電気容量の増加効果を得ることができる。
【0023】
本発明に係る金属酸化物を使用することで、電気容量を増加させる効果は、図1にも明確に示されている。図1は、炭素微粒子と各種導電性金属酸化物微粒子とバインダー(後述)とを重量比(炭素:酸化物:バインダー)、85:5:10で混合して形成された電極を使用した電気化学キャパシタの100mV/sの一定電位走査速度における電気容量を比較したものである。図1から明らかなように、炭素微粒子単独のもの同等またはそれより高い電気容量を得ることができる。
【0024】
本発明では、金属酸化物のなかでも、SnまたはFがドーピングされた酸化インジウム微粒子が好ましく、このようなSnまたはFドープ酸化インジウムは導電性が高く、大きな電気容量を有する電気化学キャパシタを得ることができる。このようなSnまたはFドープ酸化インジウムは、ドープされていない酸化インジウム、または酸化錫に比べて、さらに両者を単に混合する場合に比べて、著しく電気容量を増大させる効果が大きい。その理由は明確ではないものの、SnまたはFドープ酸化インジウムは、導電性が高く、このため電荷蓄積に寄与する機能が高いことによるものと推量される。また、図2は、電極中に各金属酸化物粒子を添加した場合の容量走査速度依存性を表すものである。いずれもバインダーを10重量%含み、かつ金属酸化物を図2に表示された量で含み、バインダー、金属酸化物微粒子およびカーボン粒子の合計量が100重量%となるにように構成されている。
【0025】
金属酸化物微粒子を添加したものは、カーボン単独からなるものに比べてキャパシタの容量も高くなっている。特に、SnまたはFドープ酸化インジウムを使用すると、高い容量走査速度であっても高いキャパシタ容量のものが得られており、急速充放電が可能であることがわかる。
酸化インジウム微粒子中のSnまたはFのドープ量は微粒子中に0.5〜16重量%、さらには1〜12重量%の範囲にあることが好ましい。
【0026】
このような金属酸化物微粒子は、カーボン微粒子より粒径が小さく平均粒子径が5〜100nm、さらには10〜50nmの範囲にあることが好ましい。
このような粒径範囲の金属酸化物粒子であれば、カーボン粒子から形成された電極の細孔内に金属酸化物微粒子が進入することもなく、カーボン粒子表面に均一に金属酸化物が分散・付着し、容量増加効果を高めることができる。この範囲内でもより粒子径の細かい方が、容量増加効果が大きい。
【0027】
金属酸化物微粒子の粒径は、前記したカーボン粒子よりも小さく、その粒径比は、(1/10000)〜(1/10)、好ましくは(1/5000)〜(1/100)の範囲にあることが望ましい。
金属酸化物微粒子の平均粒子径が5nm未満の場合は得ることが困難である。
金属酸化物微粒子の平均粒子径が100nmを越えるとカーボン微粒子の周りに均一に分散し難くなるため、電極が粗となるとともに強度が低下したり、基材との密着性が低下することがある。また、電気容量の増加が不充分となることがある。
【0028】
このような金属酸化物微粒子の製造方法としては特に制限されるものではないが、適度な導電性を有し、平均粒子径が上記範囲にあるものが得られれば従来公知の方法を採用することができる。例えば、上記金属元素の金属塩水溶液に酸またはアルカリを加えて沈殿を生成させ、必要に応じて熟成し、洗浄、乾燥した後、加熱処理することによって得ることができる。
【0029】
SnまたはFがドーピングされた酸化インジウム微粒子の場合は、例えば硝酸インジウムなどインジウム塩水溶液に、酢酸錫などの錫化合物、あるいは(フッ化錫)などフッ素化合物を加えて加水分解し、必要に応じて熟成し、洗浄、乾燥した後、加熱処理することによって得ることができる。
金属酸化物微粒子には、組成が均一であり、塗料中で高分散性に優れていることが好ましい。このためには、アンモニウムヒドロキシド水溶液に四級アンモニウム塩が溶解された水溶液に、前記したインジウム塩水溶液および錫化合物、フッ素化合物を添加して、加水分解分解し、必要に応じて熟成、洗浄、乾燥させたのち加熱処理してもよい。この方法は逆均一沈殿法と言い、より微粒子化が可能となる。
【0030】
なお、加熱処理する際の温度は概ね400〜1100℃、さらには450〜650℃の範囲にあることが好ましい。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、SnまたはFがドーピングされた酸化インジウム微粒子の結晶性が低く導電性が不充分となることがあり、このため電気容量向上効果が不充分となることがある。
【0031】
加熱処理温度が1100℃を越えると酸化インジウム微粒子が強く凝集したり、焼結したりする傾向があり、カーボン微粒子の周りに均一に分散し難くなるため電気容量が低下することがある。
このようにして得られた金属酸化物微粒子はX線回折により、高い結晶性を有している。
【0032】
得られた結晶性金属酸化物微粒子は、必要に応じて粉砕し、前記平均粒子径範囲として用いることができる。粉砕方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えばサンドミル法、ボールミル法、高圧衝突粉砕法等が挙げられる。また、この粉砕を酸、またはアルカリの存在下、湿式で処理を行うと分散性に優れた金属酸化物微粒子分散液を得ることができる。
【0033】
さらに、分散液はイオン交換樹脂法、限外濾過膜法等によって酸、アルカリ等を除去して用いることができる。また、分散媒を有機溶媒に溶媒置換して用いることもできる。
なお、本発明でいう金属酸化物粒子の平均粒子径は、(1)高温で焼成した後粉砕工程を経ないで用いる場合は、例えば上記調製工程に於いて、乾燥、焼成する前即ち、沈殿生成物粒子を洗浄する際の沈殿生成物粒子の水分散液を用い、動的光散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製:LB−500)にて測定された値である。また(2)高温で焼成した後粉砕工程を経て用いる場合は、例えば上記調製工程に於いて、乾燥、焼成した後、サンドミル等で粉砕した後の水あるいは有機溶媒分散液を用い、動的光散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製:LB−500)にて測定された値である。
【0034】
電気化学キャパシタ用電極形成用塗料中の金属酸化物微粒子の含有量は、得られる電極中の金属酸化物微粒子の含有量が0.5〜35重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。このような範囲にあれば、容量の大きいキャパシタを得ることが可能である。
電極中の金属酸化物微粒子の含有量が0.5重量%未満の場合は、キャパシタの電気容量の増加が不充分となることがある。
【0035】
電極中の金属酸化物微粒子の含有量が35重量%を越えると、カーボン微粒子の含有量が少なくなりすぎてキャパシタの電気容量が不充分となる。
金属酸化物微粒子とカーボン微粒子との重量比は、(金属酸化物/カーボン)比で、1/200〜1/2、好ましくは1/100〜1/3の範囲にあることが望ましい。
【0036】
具体的に、電極中の金属酸化物微粒子含有量を変化させたときの容量変化を、図3に、金属酸化物微粒子が、Snドーピングされた酸化インジウム微粒子(ITO)の場合を例にとって説明する。なお、図3の試料はいずれもバインダーを10重量%含み、かつITO微粒子を図3に表示された量で含み、バインダー、ITO微粒子およびカーボン粒子の合計量が100重量%となるにように構成される。
【0037】
図3から明らかなように、ITO微粒子の含有量が多くなるにつれて、容量は増大し、5重量%近傍で最大となり、カーボン単独電極に比べて著しく高い容量増加効果を示した。
また、図4は、電極中のITO微粒子含有量が0、5、10重量%における、100mV/Sの走査速度における電位(ポテンシャル)と電流との関係を示すCV曲線を示す。なおいずれもバインダーを電極中に10重量%の量で含む。図4より、炭素単独の電極に比べて、CV曲線の形状は上下に広がっており、すなわち容量が増加していることが明らかである。
【0038】
このように、電極中に、金属酸化物微粒子、特に、SnまたはFがドーピングされた酸化インジウム微粒子をカーボン粒子とともに含ませることで、このように容量が著しく増加する理由について明確ではないものの、大きなカーボン粒子表面に、均一に微細な金属酸化物微粒子が付着し、電気容量を増大するものと考えられる。またこれらの金属酸化物量が少ないと、その効果が少なく、また多すぎるとカーボン粒子全体を被覆し電気二重層容量を小さくしてしまったり、カーボン粒子表面ではなく、隙間に凝集した粒子群が存在したりして、効果が低下するものと考えられる。
【0039】
特にSnドープ、Fドープ酸化インジウム微粒子は安価に、しかも微粒子状のものを容易に、かつ制御よく製造できるので、経済性に優れ、しかも容量の高いキャパシタ用電極を形成することができる。
バインダー
つぎに、本発明に用いるバインダーとしては:ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、ポリスチレン、フェノール樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種以上を用いるのが好ましい。
【0040】
電気化学キャパシタ用電極形成用塗料中のバインダーの含有量は、得られる電極中のバインダーの含有量が5〜20重量%、さらには8〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
電極中のバインダーの含有量が5重量%未満の場合は、電極の強度が不充分となり、電極中のバインダーの含有量が20重量%を越えると、キャパシタの電気容量が低下することがある。
【0041】
有機溶媒
本発明の電気化学キャパシタ用電極形成用塗料には、必要に応じて、有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、バインダーを溶解または分散させることができ、乾燥、加熱等により容易に除去できるものであれば特に制限はなく、従来公知の有機溶媒を用いることができる。
【0042】
このような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコール、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのほかN−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
【0043】
電気化学キャパシタ用電極形成用塗料中の固形分(カーボン微粒子と金属酸化物とバインダーの合計)濃度は1〜50重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
塗料中の固形分濃度が1重量%未満の場合は、1回の塗布等では厚膜の電極の形成ができない場合があり、このため成膜回数を複数回とする必要が生じ、生産効率が低下する問題がある。
【0044】
塗料中の固形分濃度が50重量%を越えると、粘度が高くなりすぎて塗料化が困難となることがあり、得られたとしても塗布法が制限されたり、得られる電極の強度が不充分となることがある。
このような電気化学キャパシタ用電極形成用塗料は、金属酸化物微粒子の有機溶媒分散液を調製し、バインダーを必要に応じて有機溶媒とともにさらに撹拌したのち、カーボン微粒子を均一に撹拌分散させればよい。
【0045】
電極・電極の調製
本発明に係る電気化学キャパシタ用電極は、前記塗料を、例えば集電体基材上にディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、常温〜約150℃の範囲の温度で乾燥することによって得ることができる。
【0046】
集電体基材としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金、グラッシーカーボン等を用いることができる。これらは、通常シート状、フィルム状、棒状等で使用することができる。
このときの電極の厚さは1〜500μm、さらには10〜300μmの範囲にあることが好ましい。
【0047】
電極の厚さが1μm未満の場合は、キャパシタの電気容量が低下し、出力が不充分となることがある。
電極の厚さが500μmを越えると、充放電速度が低下し、例えば急速充放電が可能な高電気容量のキャパシタを得ることが困難となることがある。
また前記塗料を単に容器内充填したものであってもよい。
【0048】
前記電極を対向させ、必要に応じてセパレータなどによって両電極が接触しないように隔離し、所定の容器・缶内に載置したのち、電極間に電解液を充満させれば、電気化学キャパシタを得ることができる。1対の電極のうち、片方のみが本発明に係る電極で構成されていればよく、他方は、公知の電極を使用することもできる。また両方とも本発明に係る電極で構成されていてもよい。
【0049】
電解液としては、水溶液と有機溶液(非水電解液)のいずれも使用できる。
水溶液では、KOH、NaOH、LiOH等のアルカリ水溶液、KCl、NaCl、LiCl等の中性水溶液、HSO、HNO等の酸性水溶液が使用可能である。また電解質濃度は、電解質種、作動温度等により一概には言えないが、0.5〜3モル/リットルの範囲にあれば電気伝導度が大きくすることができるので望ましい。これらの水溶液系電解液の場合、水溶液中のプロトン(水素イオン)の電極材料への吸蔵、脱離により静電容量が発現される。
【0050】
一方、非水電解液の場合では、カチオンとしてリチウムイオンを発生するリチウム塩を溶質として用いる。リチウム塩としては、LiBF,LiClO、LiPF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiC(CFSO、LiB(C、LiCSO、LiCF1SO,LiB(C,LiN(CFSO等が例示される。また電解質としては、R、R(ただし、RはC2n+1(好ましくはn=1〜3)で示されるアルキル基である)などの第4級オニウムカチオンと、BF 、PF 、ClO 、SbF 又はCFSO のようなアニオンとを組み合わせた塩から選ばれる1種又は2種以上の物質が挙げられる。非水電解液中の溶質濃度は、リチウム塩、第4級オニウム塩を各々単独、又はこれらを混合した場合のいずれの場合でも、電気化学キャパシタの特性が十分引き出せるように、0.5〜2.0モル/リットルが好ましい。溶媒としては、特に限定するものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、及びトリメチルスルホキシドなどが例示される。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、電気キャパシタ用電極形成用塗料中に導電性に優れかつ微細な金属酸化物微粒子が含まれているために、得られる電極は(基板との密着性や)強度に優れ、また高電気容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
また従来の貴金属酸化物を使用することなく安価に電気化学キャパシタを得ることができる。
【0052】
特に、金属酸化物微粒子が、SnドープあるいはFドープ酸化インジウムの場合、電気容量を極めて大きくできるとともに、安価であり、しかも粒径の制御も容易のであるのでより好適である。こうして得られる電気化学キャパシタを用いると、各種電子機器の小型化・軽量化、大容量化をはかることが可能であり、その公表的有用性は非常に大きい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
【実施例1】
金属酸化物微粒子 (1) の調製
濃度2重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(キシダ化学(株)製)水溶液60mlにテトラプロピルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製)1.5gを添加した強アルカリ水溶液中に、硝酸インジウム(キシダ化学(株)製)6.3gと酢酸スズ(キシダ化学(株)製)0.2gを溶解した水溶液100mlを1ml/minの速度で混合水溶液のpHが11になるまで滴下した。その後、1時間撹拌した後、遠心分離を繰り返して沈殿生成物粒子を洗浄した。このときの沈殿生成物粒子の平均粒子径は44nmであった。スズドープ量は酸化物換算で、5重量%であった。
【0055】
ついで120℃で乾燥した後、600℃で3時間焼成してスズをドープした酸化インジウム(ITO)の金属酸化物微粒子(1)を調製した。
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (1) の調製
金属酸化物微粒子(1)0.65gにエタノール50gを配合し、超音波分散を行った後、N−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学(株)製)を50g混合攪拌した(分散液1)。別途、N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製:KF−ポリマーL)1.3gとを混合した溶液を分散液1に配合する。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)11.1gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(1)を調製した。
【0056】
電気キャパシタ用電極 (1) の調製
集電体基板としてニッケルシート(ニラコ(株)製:310428、20×30×0.3tmm)上に電気キャパシタ用電極形成用塗料(1)を15mm四方にロールコート法にて塗布した後、120℃で12時間乾燥して電気キャパシタ用電極(1)を調製した。電極の厚さは30μmであった。
【0057】
電気キャパシタ用電極(1)について、硬度および密着性を評価し、結果を表1に示した。
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。結果を表1に示した。
【0058】
密着性の評価
電気キャパシタ用電極(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロハンテープを接着し、ついで、セロハンテープを剥離したときに電極が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表に示した。
【0059】
残存升目の数98個以上 :◎
残存升目の数95〜97個:○
残存升目の数90〜94個:△
残存升目の数89個以下 :×
測定セル (1) の組立と電気容量の測定
上記電気キャパシタ用電極(1)を作用極(1)として用い、対極として白金板(15×20×0.1tmm)を、参照極としてAg/AgCl電極(北斗電工(株)製:HX−R2)を用い、1M−KOH水溶液を電解質溶液として測定セル(1)を組み立てた。これを用い、サイクリックボルタメトリー法(北斗電工(株)製:スタンダードボルタメトリーツール、HSV−100)により電気化学測定(10mV/s、100mV/s)を25±1℃で行い、得られたCV曲線から電気容量(F/g)を計算し、結果を表1に示した。
【0060】
【実施例2】
金属酸化物微粒子 (2) の調製
濃度2重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液60mlにテトラプロピルアンモニウムブロミド1.5gを添加した強アルカリ水溶液中に、濃度0.2mol/Lの硝酸インジウム水溶液100mlを1ml/minの速度で混合水溶液のpHが11になるまで滴下した。その後、1時間撹拌した後、遠心分離を繰り返して沈殿生成物粒子を洗浄した。このときの沈殿生成物粒子の平均粒子径は58nmであった。
【0061】
ついで120℃で乾燥した後、600℃で3時間焼成して酸化インジウムの金属酸化物微粒子(2)を調製した。
測定セル (2) の組立と電気容量の測定
実施例1において、金属酸化物微粒子(2)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極形成用塗料(2)の調製、電気キャパシタ用電極(2)の調製を行い、硬度および密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0062】
ついで測定セル(2)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表1に示した。
【0063】
【実施例3】
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (3) の調製
金属酸化物微粒子(1)0.39gにエタノール50gを配合し、超音波分散を行った後、N−メチル−2−ピロリドンを50g混合攪拌する(分散液(2))。別途、N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッカビニリデン1.3gとを混合した溶液を分散液(2)に配合する。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)11.3gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(3)を調製した。
【0064】
測定セル (3) の組立と電気容量の測定
実施例1において、電気キャパシタ用電極形成用塗料(3)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極(3)の調製を行い、ついで測定セル(3)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表1に示した。
【0065】
【実施例4】
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (4) の調製
金属酸化物微粒子(1)1.3gにエタノール50gを配合し、超音波分散を行った後、N−メチル−2−ピロリドンを50g混合攪拌した(分散液(3))。別途、N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッ化ビニリデン1.3gとを混合した溶液を分散液3に配合した。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)10.5gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(4)を調製した。
【0066】
測定セル (4) の組立と電気容量の測定
実施例1において、電気キャパシタ用電極形成用塗料(4)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極(4)の調製を行い、ついで測定セル(4)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表に示した。
【0067】
【実施例5】
金属酸化物微粒子 (3) の調製
硝酸インジウム三水和物79.7gを水686gに溶解して得られた溶液と、錫酸カリウム3水和物5.4gを濃度10重量%の水酸化カリウム溶液414gに溶解して得られた溶液とを調製し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを11に保持した。得られたスズドープ酸化インジウム水和物分散液からスズドープ酸化インジウム水和物を濾別・洗浄した後、乾燥し、次いで空気中で350℃の温度で3時間焼成し、さらに空気中で600℃の温度で2時間焼成することによりスズドープ酸化インジウム微粒子を得た。スズドープ量は、酸化物換算で8重量%であった。
【0068】
これを濃度が30重量%となるように純水に分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンドミルで、3時間粉砕してゾルを調製した。次に、このゾルをイオン交換樹脂で処理して硝酸イオンを除去し、純水を加えて、濃度20重量%のスズをドープした酸化インジウム(ITO)の金属酸化物微粒子(3)の分散液を調製した。ついで、限外濾過膜にて溶媒置換を行い、濃度20重量%の金属酸化物微粒子(3)のエタノール分散液を調製した。このときの金属酸化物微粒子(3)の平均粒子径は40nmであった。
【0069】
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (5) の調製
金属酸化物微粒子(3)のエタノール分散液3.25gにエタノール47.4gを配合し、超音波分散を行った後、N−メチル−2−ピロリドンを50g混合攪拌する(分散液(4))。別途、N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッ化ビニリデン1.3gとを混合した溶液を分散液(4)に配合した。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)11.1gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(5)を調製した。
【0070】
測定セル (5) の組立と電気容量の測定
実施例1において、電気キャパシタ用電極形成用塗料(5)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極(5)の調製を行い、ついで測定セル(5)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表1に示した。
【0071】
【実施例6】
金属酸化物微粒子 (4) の調製
塩化スズ57.7gと塩化アンチモン7.0gとをメタノール100g溶解して溶液を調製した。得られた溶液を4時間かけて、90℃、攪拌下の純水1000gに添加して加水分解を行い、生成した沈殿を濾別・洗浄し、乾燥空気中、500℃で2時間焼成してアンチモンドープの酸化スズ微粒子粉末を得た。この粉末30gを水酸化カリウム水溶液(KOHとして3.0g)70gに加え、混合液を30℃に保持しながらサンドミルで3時間粉砕してゾルを調製した。次いで、このゾルをイオン交換樹脂処理して、脱アルカリし、純水を加えて濃度20重量%のアンチモンをドープした酸化スズ(ATO)の金属酸化物微粒子(4)の分散液を調製した。
【0072】
ついで、限外濾過膜にて溶媒置換を行い、濃度20重量%の金属酸化物微粒子(4)のエタノール分散液を調製した。このときの金属酸化物微粒子(4)の平均粒子径は10nmであった。
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (6)
金属酸化物微粒子(4)のエタノール分散液3.25gにエタノール47.4gを配合し、超音波分散を行った後、N−メチル−2−ピロリドンを50g混合攪拌する(分散液(5))。別途、N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッカビニリデン1.3gとを混合した溶液を分散液(5)に配合する。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)11.1gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(6)を調製した。
【0073】
測定セル (6) の組立と電気容量の測定
実施例1において、電気キャパシタ用電極形成用塗料(6)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極(6)の調製を行い、ついで測定セル(6)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表1に示した。
【0074】
【比較例1】
電気キャパシタ用電極形成用塗料 (R1) の調製
N−メチル−2−ピロリドン1.3gとポリフッ化ビニリデン1.3gとを混合した溶液にエタノール50g、N−メチル−2−ピロリドン50gを配合する。ついで、カーボン微粒子(関西熱化学(株)製:MSP−20、平均粒子径4μm)11.8gを配合し、充分攪拌して電気キャパシタ用電極形成用塗料(R1)を調製した。
【0075】
測定セル (R1) の組立と電気容量の測定
実施例1において、電気キャパシタ用電極形成用塗料(R1)を用いた以外は同様にして電気キャパシタ用電極(R1)の調製を行い、ついで測定セル(R1)を組立て、電気化学測定を行い、得られた電気容量を表1に示した。
【0076】
【表1】
Figure 2004228148

【図面の簡単な説明】
【図1】100mV/sの一定電位走査速度における各種金属酸化物を含有した電極の電気容量を示す。
【図2】電極中に各金属酸化物粒子を添加した場合の容量走査速度依存性を表す。
【図3】電極中の金属酸化物微粒子含有量を変化させたときの容量変化を示す。
【図4】電極中のITO微粒子含有量が0、5、10重量%の場合の100mV/Sの走査速度における電位(ポテンシャル)と電流との関係を示すCV曲線を示す。

Claims (4)

  1. カーボン微粒子と、カーボン微粒子より粒径の小さい金属酸化物微粒子と、バインダーと水および/または有機溶媒とからなり、金属酸化物微粒子の平均粒子径が5〜100nmの範囲にあることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極形成用塗料。
  2. 前記金属酸化物微粒子がIn、Sn、Cu、Mo、Ta、Ni、W、Mn、Sb、Ti、Zr、Co、Feからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物・複合酸化物またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタ用電極形成用塗料。
  3. 前記金属酸化物微粒子がSnまたはFがドーピングされた酸化インジウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学キャパシタ用電極形成用塗料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学キャパシタ用電極形成用塗料を用いて形成されたことを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。
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