JP2004226545A - カラーホイールおよびこれを用いた照明光学系並びにプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストのカラーホイールを提供することを目的とする。
【課題手段】中央に開口21が形成された環状の支持部材20と、環状の支持部材20の外周部分に配置されるフィルタ部材32、34、36とを有し、フィルタ部材32、34、36の各々は、表面40、裏面42、および支持部材の中心軸に対して半径方向に延びる端面48を含む。裏面42の少なくとも一部が支持部材20に固定され、かつフィルタ部材の端面48が他のフィルタ部材の端面に接合される。
【選択図】 図1
【課題手段】中央に開口21が形成された環状の支持部材20と、環状の支持部材20の外周部分に配置されるフィルタ部材32、34、36とを有し、フィルタ部材32、34、36の各々は、表面40、裏面42、および支持部材の中心軸に対して半径方向に延びる端面48を含む。裏面42の少なくとも一部が支持部材20に固定され、かつフィルタ部材の端面48が他のフィルタ部材の端面に接合される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ等の画像形成装置において用いられるカラーホイールに関し、特に、DMD(Digital Mirror Device)等の空間光変調装置を用いたDLP(Digital Light Processing:DLPはテキサス・インスツルメンツ社の登録商標)方式のプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
DLP方式プロジェクタは、半導体ミラー素子からなるDMDに光を照射し、その変調された光を投射レンズにより拡大しスクリーン上にカラー映像を表示させるものである。本出願人により先に出願された特許文献1の図1に示すように、光源からの白色光は楕円鏡52によって反射され、その反射光はR/G/Bのカラーフィルタを配列した円盤状のカラーホール53によって順次RGB色に変えられ、DMD56を照射する。DMD56は、カラーホイール53に同期して時分割駆動され、画像データに応じて照射された光を変調し、その光は投影レンズ57を介してスクリーン58上に表示される。
【0003】
DLP方式に用いられるカラーホイールは、その外周にR/G/Bのカラーフィルタを配列し、カラーホイールに入射された光は、そこを透過することで、R、G、Bの各フィルタに応じた単色光となって出射される。カラーホイールは、例えば特許文献2に示すように、ガラス基板上にR、G、Bのフィルタを構成する物質を蒸着やスパッタリング等により堆積することで製造される。Rのフィルタを堆積する間に、G、Bのフィルタの領域はマスクされ、Gのフィルタを堆積する間に、R、Bのフィルタの領域がマスクされ、Bのフィルタを堆積する間に、R、Gのフィルタの領域がマスクされる。こうして、フィルタの数に応じた回数だけマスク工程が行われ、各フィルタがガラス基板上に堆積される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3、121、843号
【特許文献2】
特開平6−347639号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のカラーホイールには次にような課題がある。特許文献2に示すカラーホイールは、フレームやスポークを用いないという利点がある反面、蒸着やスパッタリング時にフィルタの数(例えば、R、G、Bのカラーフィルタの場合には3回)に応じたマスク工程を必要とする。このため、その製造工数が多くなり、それによりカラーホイールのコストも高くなってしまう。また、R、G、Bのカラーフィルタを配列したカラーホイールを用いて白色光の表示を行う場合、R、G、Bのカラーフィルタの各境界が利用される。カラーホイールの1回転につき、RGBの境界において、R+G、G+B、B+Rの濁りが生じるが、これを1回転全体で見ると、R+G+G+B+B+R=2RGBとなり、この境界期間を白色として利用することが可能である。しかしながら、このような方法による白色の表示では、時として十分な輝度でない場合がある。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決し、低コストのカラーホイールを提供することを目的とする。
さらに本発明は、そのような低コストのカラーホイールを利用した照明光学系およびプロジェクタを提供することを目的とする。
さらに本発明は、低コストのカラーホイールを用いてフルカラー表示と白黒表示とを選択的に表示可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
さらに本発明は、白色の輝度を向上させることが可能なカラーホイールおよびそれを用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラーホイールは、中央に開口が形成された環状の支持部材と、前記環状の支持部材の外周部分に配置される少なくとも2つのフィルタ部材とを有し、前記少なくとも2つのフィルタ部材の各々は、第1の主面と、該第1の主面に対向する第2の主面と、前記第1、第2の主面間であって前記支持部材の中心軸に対して半径方向に延びる端面とを含み、前記第2の主面の少なくとも一部が前記支持部材に固定され、かつ前記フィルタ部材の端面が他のフィルタ部材の端面に接合される。複数のカラーフィルタ部材を相互に結合し、これを支持部材上に固定することで、製造工数を簡略化し、低コストのカラーホイールを得ることができる。
【0008】
好ましくは、前記支持部材は、円周方向に形成された段差部を含み、前記フィルタ部材の第2の主面が前記段差部に位置決めされる。支持部材の段差部を利用することで、フィルタ部材の位置決めが容易になるとともに、フィルタ部材と支持部材間の接触面積が増加され、両者の結合強度を増すことができる。
【0009】
少なくとも2つのフィルタ部材は、好ましくは、所定の厚さのガラス部材を含み、前記フィルタ部材の端面は、前記ガラス部材の切断面を含むものである。ガラス部材として、光透過率が高く、耐熱性のガラスを用いることができ、それぞれのフィルタ部材に対応するガラスを予め用意し、そこから所定形状のフィルタ部材の切り出しを行い、切り出されたガラス部材の端面を相互に接合もしくは接着させる。こうすることで、均一な厚さで、かつ、所望のサイズのフィルタ部材を組み合わせることができ、従来のように、ガラス基板上にフィルタを形成するに際して蒸着やスパッタリングのためのマスク処理を行う必要がない。また、フィルタ部材はさらに、ガラス部材上にコーティング層を含むものであってもよい。この場合、各ガラス上に、例えば、R、G、Bを透過するためのカラーフィルタをコーティングしておき、ここから、それぞれのフィルタ部材の切り出しを行い、切り出された各フィルタ部材を相互に接合させるようにしてもよい。好ましくは、フィルタ部材の端面は、他のフィルタ部材の端面に接着剤を介して接合される。
【0010】
少なくとも2つのフィルタ部材は、実質的にR、G、Bの波長の光を透過するためのフィルタ部材を含む。さらに、これ以外の波長の光を透過するフィルタ部材を配置させてもよく、例えば、実質的に白色光を透過するためのフィルタ部材を含むことができる。
【0011】
さらに好ましくは、少なくとも2つのフィルタ部材の内、少なくとも1つのフィルタ部材に切り欠き部が形成され、少なくとも2つのフィルタ部材が接合されたとき、前記切り欠き部によって空洞が形成されるようにしてもよい。また、切り欠き部は、前記カラーホイールの円周方向にほぼ等しい間隔で配される。切り欠き部は、プロジェクタにおいて白黒の表示モードのときに使用することが可能である。
【0012】
本発明に係る照明光学系は、上述したカラーホイールと、カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、光源とを有し、光源からの光をカラーホイールに照射し、カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を透過させ、該透過光を用いて照明を行うものである。低コストのカラーホイールを用いることにより低コストの照明光学系を提供することができる。
【0013】
本発明に係るプロジェクタは、上述したカラーホイールと、前記カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、光源と、光変調手段と、光変調手段によって変調された光を投射する投射手段とを有し、前記光源からの光を前記カラーホイールに照射し、前記カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を前記光変調手段に照射するものである。低コストのカラーホイールを用いることにより低コストのプロジェクタを提供することができる。
【0014】
好ましくは、光変調手段は、DMDを含む。あるいは、液晶デバイスであってもよい。さらにプロジェクタは、前記カラーホイールの位置を可変する位置可変手段を含み、前記光源からの光を、前記カラーホイールの前記切り欠き部によって形成された空洞に入射させるようにしてもよい。光源からの白色光を切り欠き部を通過させることで、白黒の表示を行うことができる。白黒表示の場合には、カラーホイールによる光損失がなく、格段に明るい投射画像を提供することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は、第1の実施の形態に係るカラーホイールの構成を示す平面図、図1(b)はそのX1−X1線断面図である。カラーホイール10は、支持部材20と、支持部材20の外周に取り付けられた3つのフィルタ部材32、34、36とを含む。支持部材20は、直径d1を有し、その中央に直径d2の開口21が形成された環状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄等の金属から構成される。あるいは、これ以外にもガラス部材やプラスチック部材を用いることもできる。支持部材20の開口21には、図示しないモータのローターが結合される。カラーホイール10は、モータが回転駆動されたとき、支持部材20の中心軸を中心に回転される。
【0016】
支持部材20の表面22の外周部分にカラーフィルタ部材32、34、36が取り付けられる。本例では、フィルタ部材32は、主として赤(R)成分の波長の光を選択し、フィルタ部材34は、主として緑(G)成分の波長の光を選択し、フィルタ部材36は、主として青(B)成分の波長の光を選択する。フィルタ部材32、34、36は、例えばガラスによって構成される。ガラスは、一般に光透過率が高いために、光吸収の損失を小さくすることができ、また、耐熱性が高いためにカラーホイールへ入射される光の口径を小さくすることができる。ガラスに含まれる物質を適宜選択することで透過する光に応じたフィルタ機能を持たせることができる。
【0017】
各フィルタ部材32、34、36は、一定の板厚(本例では板厚は1mm)のガラスから所定形状に切り出される。図1に示すカラーホイール10は、支持部材20の中心軸に関して120度の内角を有する同一形状のフィルタ部材32、34、36を有している。フィルタ部材32、34、36は、表面40、裏面42、支持部材20の開口21と同心円状の内周面44および外周面46、開口21の中心軸から半径方向に延びかつ内周面44と外周面46との間の端面48を有する。
【0018】
フィルタ部材32の両端面48は、それぞれフィルタ部材34、36の端面48に接合され、フィルタ部材34、36の各端面48がそれぞれ接合され、一枚のプレート状のフィルタが形成される。そして、これらフィルタ部材32、34、36の内周面44が、開口21と同心円状に配置されるように、各フィルタ部材の裏面42の一部が支持部材20の表面22に接着剤等により固定される。このとき、フィルタ部材32、34、36の直径はd3(d3>d1)であり、その内周面44の内径がd4(d4>d2)である。d1、d2、d3、d4は、好ましくはそれぞれ、20mm、10mm、42mm、10〜15mmである。これらの値は、設計に応じて適宜選択されるものである。フィルタ部材32、34、36の裏面42と支持部材20の表面22との接合面積を大きくし、両者の接合強度を増加させるために、d2とd4の値を等しくするものであっても良い。
【0019】
本実施の形態によれば、支持部材20の外周部分に、ガラスから所定形状に切り出されたフィルタ部材を相互に接合して固定するようにしたので、従来のようにマスク工程を必要とせず、製造工数を簡略化することができ、カラーホイールのコストを低減することができる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2(a)は、第2の実施の形態に係るカラーホイールの平面図、図2(b)はそのX2−X2線断面図である。第2の実施の形態に係るカラーホイール11は、第1の実施の形態のカラーホイール10と比べて、その支持部材の構成を異にし、それ以外の構成は同様である。支持部材50は、その中央に開口51が形成されるとともに、その外周に段差部52が形成される。段差部52は、表面53から所定の高さを低くした段差面54を有し、段差面54は開口51と同心円状に一定の幅に形成されている。段差部52の段差若しくはコーナーを利用して、フィルタ部材32、34、36が接着される。段差部52を設けることにより、フィルタ部材32、34、36の内周面44が支持部材50上に適切に位置決めされ、さらに、支持部材50と各フィルタ部材32、34、36との接着面積が大きくなるためその接合強度を大きくすることができる。こうすることで、カラーホイール11が高速で回転された場合でも、その強度により耐えうることができる。
【0021】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3(a)は、第3の実施の形態に係るカラーホイールの平面図、図3(b)はフィルタ部材の構成を示す平面図である。本実施の形態に係るカラーホイール12は、その円周方向に複数の切り欠き部61、62、63を有している。例えば、切り欠き部61を形成する場合には、図3(b)に示すように、フィルタ部材36の両端面側から外周部分の片部61a、63aをカットする(図中の斜線領域)。同様に、他のフィルタ部材32、34についても片部をカットする。そして、各フィルタ部材の端面48を接合すると、その接合面に切り欠き部61、62、63が形成され、この切り欠き部が空洞領域となる。切り欠き部61、62、63は、そこに照射される光をそのまま透過させる。つまり、光源であるランプからの白色光をそのまま透過させるため、白(W)のカラーフィルタとみることができる。カラーホイール12に、積極的に白色のフィルタ領域を形成することで、白色の輝度を向上させることができる。また、このような切り欠き部61、62、63を含むカラーホイール12は、後述するように、プロジェクタにおいて白黒モードの映像を表示する場合に使用することもできる。なお、切り欠き部は、カラーホイール上に等間隔に形成することが望ましい。それは、カラーホイールが回転されるとき、カラーホイールの重さのバランスを均等に保つことで、空力特性を維持し、ノイズを低減することができるからである。しかしながら、切り欠き部は、必ずしも円周方向に等間隔にある必要はなく、また切り欠き部の数や大きさは、プロジェクタに要求される設計事項に応じて適宜変更が可能である。さらに、切り欠き部が円周方向に等間隔で配置されない場合、あるいは、各切り欠き部の大きさが異なる場合には、カラーホイールのバランスを保つために、重りを付加するようにしてもよい。重りは、金属やそれ以外のプラスチック部材を接着剤により貼り付けることができる。
【0022】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は、第4の実施の形態に係るカラーホイールの平面図である。第4の実施の形態に係るカラーホイール13は、R、G、Bのカラーフィルタ部材72、74、76に加えて、フィルタ部材72と76の間にW(白)のカラーフィルタ部材78を含む。フィルタ部材78は、白色光を透過するガラスから切り出される。カラーホイール13が1回転する毎に、フィルタ部材78に相当する期間だけ白色光を透過することができるため、白色光の輝度を従来のカラーホイールに比べてより向上させることができる。さらに、カラーホイール13は、フィルタ部材78と連続する領域に一つの切り欠き部80を含んでいる。
【0023】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は、第5の実施の形態に係るカラーホイールの断面図であり、この図は図1(b)のX1−X1線断面図に相当する。第5の実施の形態に係るカラーホイール14は、フィルタ部材92、94、96がその表面にコーティング層98を含むものである。ガラスそのものをフィルタ部材に用いる以外に、ガラス上にフィルタとしてのコーティング層が形成されたものを用意し、そこから、R、G、Bのフィルタ部材の切り出しを行い、これらを支持部材20(50)上に張り合わせ加工をする。
【0024】
次に、本発明に係るカラーホイールを適用した照明光学系を有するプロジェクタについて説明する。図6は、本発明に係るDLP方式のプロジェクタの主要な構成を示すブロック図である。プロジェクタ100は、画像信号111を入力しDMDと同じ画素数のRGBデジタル画像データに変換する前処理部110と、前処理部110からのデジタル画像データに基づきDMD150の駆動を制御するとともにランプ駆動回路130及びカラーホイール駆動部140等の制御を行う制御部120とを有する。ランプ駆動回路130は、光源としての放電ランプ160の起動及び起動後の放電ランプのAC駆動を制御する。カラーホイール駆動部140は、放電ランプ160からの光をRGBに変換させるためにカラーホイール12(ここでは図3に示す第3の実施の形態に係るカラーホイールを使用する)を回転させ、さらに、カラーホイール12を回転軸と垂直方向に移動させる移動機構を含む。位置検出センサ180は、カラーホイール12の位置を検出し、検出結果を制御部120へ出力する。DMD150は、カラーホイール12から順次RGBに変換された光によって光学系190を介して照射され、光の変調を行う。投射光学系200は、DMD150からの反射光を拡大投射しスクリーン上に画像を表示させる。
【0025】
図7に図6の光学系の詳細を示す。光源としての放電ランプ160は、回転楕円鏡161に一体に取り付けられ、例えばキセノンアークショートランプ、メタルハライドランプ、あるいは超高圧水銀ランプなどが用いられる。
【0026】
ライトトンネル162は、一定の長さを有する断面が矩形状の光伝送媒体であって、均一な光強度分布をもった光線を出射する。楕円鏡161によって反射された収束光線は、ライトトンネル162の入り口から所定の入射角で入射し、入射された光はライトトンネル内の屈折率の高い内壁を多重反射され、均一な出射光線束として出射される。ライトトンネル162から出射される光線束の出射口径は、長辺と短辺の比が4:3(あるいは16:9)である。
【0027】
カラーホイール12は、カラーホイール駆動部140によって一定速度で回転され、ライトトンネル162からの出射光がほぼ垂直に入射するような位置関係に配置される。カラーホイール12の各フィルタ部材32、34、36に入射された光は、順次R、G、Bの波長を有する光に変換(あるいは分別)される。光学系190は、コンデンサレンズ191と一対の反射鏡192を含み、カラーホイール12を透過したR、G、Bの光はコンデンサレンズ191によって平行光線に変換されDMD150を照射する。DMD150は、カラーホイール12の回転、すなわち、R、G、Bへの変換と同期するタイミングで駆動され、各画素を構成するミラーは、RGBデジタル画像データに基づきR、G、B光を反射する。DMD150によりオン状態として反射されたR、G、B光は、投射光学系200により拡大投射され、これによってスクリーン上に画像が形成される。
【0028】
カラーホイール12は、カラーホイール駆動部140によって回転されるとともに回転軸と垂直方向Vに移動可能であり、その移動は、ライトトンネル162とほぼ垂直関係を維持する。これによって、ライトトンネル162の出射光がカラーホイール12の半径方向に相対的に移動されることとなる。フルカラーの表示モード時には、ライトトンネル162からの出射光がフィルタ部材32、34、36を順次照射する位置(以下、カラーモード位置)にカラーホイール12が位置決めされ、白黒の表示モード時には、カラーホイール12の回転が停止され、ライトトンネル162からの出射光が切り欠き部61、62、63のいずれかの領域を照射する位置(以下、白黒モード位置)に位置決めされ、切り欠き部を通過した光がコンデンサレンズ191に入射される。このため、カラー映像の表示はできなくなるが、その代わりに、カラーホイールによる光損失がなく、格別に明るい白黒映像を投射することができる。このような白黒の表示モードは、例えば、色彩よりも明るさを重視し、文章等を表示する場合にメリットがある。
【0029】
位置検出センサ180は、カラーホイール12の位置を検出し、検出結果を制御部20へ送る。上述したように、制御部120は、カラーホイール12の位置に応じてこれと同期したタイミングでDMD150を制御する。さらに、制御部120は、位置検出センサ180からの位置検出結果に基づき、カラーホイール駆動部140を制御してカラーホイール12が選択された位置(カラーモード位置または白黒モード位置)へ移動される。
【0030】
カラーホイール駆動部140は、カラーホイール12を回転させるためのステッピングモータを含み、さらに、カラーホイール12を垂直方向Vに移動させるための移動機構を含む。水平移動のための駆動源としてはリニアモータ等を用いても良いし、あるいは、マニュアルによって移動させるようにしても良い。
【0031】
上記プロジェクタの例では、図3に示すカラーホイール12を用いた例を示したが、勿論これ以外の第1ないし第5の実施の態様に係るカラーホイールをプロジェクタの照明光学系に適用することもできる。図4に示すカラーホイール13を用いた場合には、フィルタ部分(W)78の期間(スポークタイム期間)を利用して白色光の表示を行うようにしてもよい。
【0032】
さらに上記実施の形態では、透過式のカラーホイールについて説明したが、反射式のカラーホイールに適用することも可能である。図8に第6の実施の形態に係るカラーホイールを示す。カラーホイール300は、Rの帯域の波長を反射するフィルタ部材302と、Gの帯域の波長を反射するフィルタ部材304と、Bの帯域の波長を反射するフィルタ部材306を有する。これらのフィルタ部材302、304、306は、ガラスから構成され、それぞれの切り出し面が接着剤にて接着され、こららのフィルタ部材が一体に組み合わされることで円柱状のカラーホイールが形成される。カラーホイール300の中央には、カラーホイールを回転駆動するためのモータのローターを結合するための開口311が形成される。カラーホイール300が回転され、その外周の反射面310に光が照射されると、その反射面310から順次R、G、Bの反射光を反射させ、この反射光をを照明光学系に利用することができる。
【0033】
さらに、カラーホイール310は、白色のフィルタ部材308を含むカラーフィルタ312を包含することも可能である。白色のフィルタ部材308は、フィルタ部材302と304との間に接合される。カラーフィルタ312の外周面に光を照射することで、R、G、B、Wの反射光を反射させることができる。これにより、白色の輝度を向上させることができる。
【0034】
以上のように本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、中央に開口が形成された環状の支持部材の外周部分に、少なくとも2つのフィルタ部材を配置させ、各フィルタ部材の端面を接合してカラーホイールを構成するようにしたので、製造工数を簡略化し、低コストのカラーホイールを得ることができる。また、そのようなカラーホイールをプロジェクタに適用することで、コストを抑えたプロジェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)はX1−X1線断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図2(a)はその平面図、図2(b)はX2−X2線断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図3(a)はその平面図、図3(b)はフィルタ部材を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るカラーホイールを示す平面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るカラーホイールの断面を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るプロジェクタの主要な構成を示すブロック図である。
【図7】図6の光学系の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るカラーホイールを示す斜視図である。
【符号の説明】
10、11、12、13、14、300:カラーホイール
20、50:支持部材
21、51:開口
48:端面
52:段差部
32、34、36、72、74、76、78:フィルタ部材
61、62、63、80:切り欠き部
100:プロジェクタ
120:制御部
140:カラーホイール駆動部
150:DMD
160:ランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ等の画像形成装置において用いられるカラーホイールに関し、特に、DMD(Digital Mirror Device)等の空間光変調装置を用いたDLP(Digital Light Processing:DLPはテキサス・インスツルメンツ社の登録商標)方式のプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
DLP方式プロジェクタは、半導体ミラー素子からなるDMDに光を照射し、その変調された光を投射レンズにより拡大しスクリーン上にカラー映像を表示させるものである。本出願人により先に出願された特許文献1の図1に示すように、光源からの白色光は楕円鏡52によって反射され、その反射光はR/G/Bのカラーフィルタを配列した円盤状のカラーホール53によって順次RGB色に変えられ、DMD56を照射する。DMD56は、カラーホイール53に同期して時分割駆動され、画像データに応じて照射された光を変調し、その光は投影レンズ57を介してスクリーン58上に表示される。
【0003】
DLP方式に用いられるカラーホイールは、その外周にR/G/Bのカラーフィルタを配列し、カラーホイールに入射された光は、そこを透過することで、R、G、Bの各フィルタに応じた単色光となって出射される。カラーホイールは、例えば特許文献2に示すように、ガラス基板上にR、G、Bのフィルタを構成する物質を蒸着やスパッタリング等により堆積することで製造される。Rのフィルタを堆積する間に、G、Bのフィルタの領域はマスクされ、Gのフィルタを堆積する間に、R、Bのフィルタの領域がマスクされ、Bのフィルタを堆積する間に、R、Gのフィルタの領域がマスクされる。こうして、フィルタの数に応じた回数だけマスク工程が行われ、各フィルタがガラス基板上に堆積される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3、121、843号
【特許文献2】
特開平6−347639号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のカラーホイールには次にような課題がある。特許文献2に示すカラーホイールは、フレームやスポークを用いないという利点がある反面、蒸着やスパッタリング時にフィルタの数(例えば、R、G、Bのカラーフィルタの場合には3回)に応じたマスク工程を必要とする。このため、その製造工数が多くなり、それによりカラーホイールのコストも高くなってしまう。また、R、G、Bのカラーフィルタを配列したカラーホイールを用いて白色光の表示を行う場合、R、G、Bのカラーフィルタの各境界が利用される。カラーホイールの1回転につき、RGBの境界において、R+G、G+B、B+Rの濁りが生じるが、これを1回転全体で見ると、R+G+G+B+B+R=2RGBとなり、この境界期間を白色として利用することが可能である。しかしながら、このような方法による白色の表示では、時として十分な輝度でない場合がある。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決し、低コストのカラーホイールを提供することを目的とする。
さらに本発明は、そのような低コストのカラーホイールを利用した照明光学系およびプロジェクタを提供することを目的とする。
さらに本発明は、低コストのカラーホイールを用いてフルカラー表示と白黒表示とを選択的に表示可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
さらに本発明は、白色の輝度を向上させることが可能なカラーホイールおよびそれを用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラーホイールは、中央に開口が形成された環状の支持部材と、前記環状の支持部材の外周部分に配置される少なくとも2つのフィルタ部材とを有し、前記少なくとも2つのフィルタ部材の各々は、第1の主面と、該第1の主面に対向する第2の主面と、前記第1、第2の主面間であって前記支持部材の中心軸に対して半径方向に延びる端面とを含み、前記第2の主面の少なくとも一部が前記支持部材に固定され、かつ前記フィルタ部材の端面が他のフィルタ部材の端面に接合される。複数のカラーフィルタ部材を相互に結合し、これを支持部材上に固定することで、製造工数を簡略化し、低コストのカラーホイールを得ることができる。
【0008】
好ましくは、前記支持部材は、円周方向に形成された段差部を含み、前記フィルタ部材の第2の主面が前記段差部に位置決めされる。支持部材の段差部を利用することで、フィルタ部材の位置決めが容易になるとともに、フィルタ部材と支持部材間の接触面積が増加され、両者の結合強度を増すことができる。
【0009】
少なくとも2つのフィルタ部材は、好ましくは、所定の厚さのガラス部材を含み、前記フィルタ部材の端面は、前記ガラス部材の切断面を含むものである。ガラス部材として、光透過率が高く、耐熱性のガラスを用いることができ、それぞれのフィルタ部材に対応するガラスを予め用意し、そこから所定形状のフィルタ部材の切り出しを行い、切り出されたガラス部材の端面を相互に接合もしくは接着させる。こうすることで、均一な厚さで、かつ、所望のサイズのフィルタ部材を組み合わせることができ、従来のように、ガラス基板上にフィルタを形成するに際して蒸着やスパッタリングのためのマスク処理を行う必要がない。また、フィルタ部材はさらに、ガラス部材上にコーティング層を含むものであってもよい。この場合、各ガラス上に、例えば、R、G、Bを透過するためのカラーフィルタをコーティングしておき、ここから、それぞれのフィルタ部材の切り出しを行い、切り出された各フィルタ部材を相互に接合させるようにしてもよい。好ましくは、フィルタ部材の端面は、他のフィルタ部材の端面に接着剤を介して接合される。
【0010】
少なくとも2つのフィルタ部材は、実質的にR、G、Bの波長の光を透過するためのフィルタ部材を含む。さらに、これ以外の波長の光を透過するフィルタ部材を配置させてもよく、例えば、実質的に白色光を透過するためのフィルタ部材を含むことができる。
【0011】
さらに好ましくは、少なくとも2つのフィルタ部材の内、少なくとも1つのフィルタ部材に切り欠き部が形成され、少なくとも2つのフィルタ部材が接合されたとき、前記切り欠き部によって空洞が形成されるようにしてもよい。また、切り欠き部は、前記カラーホイールの円周方向にほぼ等しい間隔で配される。切り欠き部は、プロジェクタにおいて白黒の表示モードのときに使用することが可能である。
【0012】
本発明に係る照明光学系は、上述したカラーホイールと、カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、光源とを有し、光源からの光をカラーホイールに照射し、カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を透過させ、該透過光を用いて照明を行うものである。低コストのカラーホイールを用いることにより低コストの照明光学系を提供することができる。
【0013】
本発明に係るプロジェクタは、上述したカラーホイールと、前記カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、光源と、光変調手段と、光変調手段によって変調された光を投射する投射手段とを有し、前記光源からの光を前記カラーホイールに照射し、前記カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を前記光変調手段に照射するものである。低コストのカラーホイールを用いることにより低コストのプロジェクタを提供することができる。
【0014】
好ましくは、光変調手段は、DMDを含む。あるいは、液晶デバイスであってもよい。さらにプロジェクタは、前記カラーホイールの位置を可変する位置可変手段を含み、前記光源からの光を、前記カラーホイールの前記切り欠き部によって形成された空洞に入射させるようにしてもよい。光源からの白色光を切り欠き部を通過させることで、白黒の表示を行うことができる。白黒表示の場合には、カラーホイールによる光損失がなく、格段に明るい投射画像を提供することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は、第1の実施の形態に係るカラーホイールの構成を示す平面図、図1(b)はそのX1−X1線断面図である。カラーホイール10は、支持部材20と、支持部材20の外周に取り付けられた3つのフィルタ部材32、34、36とを含む。支持部材20は、直径d1を有し、その中央に直径d2の開口21が形成された環状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄等の金属から構成される。あるいは、これ以外にもガラス部材やプラスチック部材を用いることもできる。支持部材20の開口21には、図示しないモータのローターが結合される。カラーホイール10は、モータが回転駆動されたとき、支持部材20の中心軸を中心に回転される。
【0016】
支持部材20の表面22の外周部分にカラーフィルタ部材32、34、36が取り付けられる。本例では、フィルタ部材32は、主として赤(R)成分の波長の光を選択し、フィルタ部材34は、主として緑(G)成分の波長の光を選択し、フィルタ部材36は、主として青(B)成分の波長の光を選択する。フィルタ部材32、34、36は、例えばガラスによって構成される。ガラスは、一般に光透過率が高いために、光吸収の損失を小さくすることができ、また、耐熱性が高いためにカラーホイールへ入射される光の口径を小さくすることができる。ガラスに含まれる物質を適宜選択することで透過する光に応じたフィルタ機能を持たせることができる。
【0017】
各フィルタ部材32、34、36は、一定の板厚(本例では板厚は1mm)のガラスから所定形状に切り出される。図1に示すカラーホイール10は、支持部材20の中心軸に関して120度の内角を有する同一形状のフィルタ部材32、34、36を有している。フィルタ部材32、34、36は、表面40、裏面42、支持部材20の開口21と同心円状の内周面44および外周面46、開口21の中心軸から半径方向に延びかつ内周面44と外周面46との間の端面48を有する。
【0018】
フィルタ部材32の両端面48は、それぞれフィルタ部材34、36の端面48に接合され、フィルタ部材34、36の各端面48がそれぞれ接合され、一枚のプレート状のフィルタが形成される。そして、これらフィルタ部材32、34、36の内周面44が、開口21と同心円状に配置されるように、各フィルタ部材の裏面42の一部が支持部材20の表面22に接着剤等により固定される。このとき、フィルタ部材32、34、36の直径はd3(d3>d1)であり、その内周面44の内径がd4(d4>d2)である。d1、d2、d3、d4は、好ましくはそれぞれ、20mm、10mm、42mm、10〜15mmである。これらの値は、設計に応じて適宜選択されるものである。フィルタ部材32、34、36の裏面42と支持部材20の表面22との接合面積を大きくし、両者の接合強度を増加させるために、d2とd4の値を等しくするものであっても良い。
【0019】
本実施の形態によれば、支持部材20の外周部分に、ガラスから所定形状に切り出されたフィルタ部材を相互に接合して固定するようにしたので、従来のようにマスク工程を必要とせず、製造工数を簡略化することができ、カラーホイールのコストを低減することができる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2(a)は、第2の実施の形態に係るカラーホイールの平面図、図2(b)はそのX2−X2線断面図である。第2の実施の形態に係るカラーホイール11は、第1の実施の形態のカラーホイール10と比べて、その支持部材の構成を異にし、それ以外の構成は同様である。支持部材50は、その中央に開口51が形成されるとともに、その外周に段差部52が形成される。段差部52は、表面53から所定の高さを低くした段差面54を有し、段差面54は開口51と同心円状に一定の幅に形成されている。段差部52の段差若しくはコーナーを利用して、フィルタ部材32、34、36が接着される。段差部52を設けることにより、フィルタ部材32、34、36の内周面44が支持部材50上に適切に位置決めされ、さらに、支持部材50と各フィルタ部材32、34、36との接着面積が大きくなるためその接合強度を大きくすることができる。こうすることで、カラーホイール11が高速で回転された場合でも、その強度により耐えうることができる。
【0021】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3(a)は、第3の実施の形態に係るカラーホイールの平面図、図3(b)はフィルタ部材の構成を示す平面図である。本実施の形態に係るカラーホイール12は、その円周方向に複数の切り欠き部61、62、63を有している。例えば、切り欠き部61を形成する場合には、図3(b)に示すように、フィルタ部材36の両端面側から外周部分の片部61a、63aをカットする(図中の斜線領域)。同様に、他のフィルタ部材32、34についても片部をカットする。そして、各フィルタ部材の端面48を接合すると、その接合面に切り欠き部61、62、63が形成され、この切り欠き部が空洞領域となる。切り欠き部61、62、63は、そこに照射される光をそのまま透過させる。つまり、光源であるランプからの白色光をそのまま透過させるため、白(W)のカラーフィルタとみることができる。カラーホイール12に、積極的に白色のフィルタ領域を形成することで、白色の輝度を向上させることができる。また、このような切り欠き部61、62、63を含むカラーホイール12は、後述するように、プロジェクタにおいて白黒モードの映像を表示する場合に使用することもできる。なお、切り欠き部は、カラーホイール上に等間隔に形成することが望ましい。それは、カラーホイールが回転されるとき、カラーホイールの重さのバランスを均等に保つことで、空力特性を維持し、ノイズを低減することができるからである。しかしながら、切り欠き部は、必ずしも円周方向に等間隔にある必要はなく、また切り欠き部の数や大きさは、プロジェクタに要求される設計事項に応じて適宜変更が可能である。さらに、切り欠き部が円周方向に等間隔で配置されない場合、あるいは、各切り欠き部の大きさが異なる場合には、カラーホイールのバランスを保つために、重りを付加するようにしてもよい。重りは、金属やそれ以外のプラスチック部材を接着剤により貼り付けることができる。
【0022】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は、第4の実施の形態に係るカラーホイールの平面図である。第4の実施の形態に係るカラーホイール13は、R、G、Bのカラーフィルタ部材72、74、76に加えて、フィルタ部材72と76の間にW(白)のカラーフィルタ部材78を含む。フィルタ部材78は、白色光を透過するガラスから切り出される。カラーホイール13が1回転する毎に、フィルタ部材78に相当する期間だけ白色光を透過することができるため、白色光の輝度を従来のカラーホイールに比べてより向上させることができる。さらに、カラーホイール13は、フィルタ部材78と連続する領域に一つの切り欠き部80を含んでいる。
【0023】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は、第5の実施の形態に係るカラーホイールの断面図であり、この図は図1(b)のX1−X1線断面図に相当する。第5の実施の形態に係るカラーホイール14は、フィルタ部材92、94、96がその表面にコーティング層98を含むものである。ガラスそのものをフィルタ部材に用いる以外に、ガラス上にフィルタとしてのコーティング層が形成されたものを用意し、そこから、R、G、Bのフィルタ部材の切り出しを行い、これらを支持部材20(50)上に張り合わせ加工をする。
【0024】
次に、本発明に係るカラーホイールを適用した照明光学系を有するプロジェクタについて説明する。図6は、本発明に係るDLP方式のプロジェクタの主要な構成を示すブロック図である。プロジェクタ100は、画像信号111を入力しDMDと同じ画素数のRGBデジタル画像データに変換する前処理部110と、前処理部110からのデジタル画像データに基づきDMD150の駆動を制御するとともにランプ駆動回路130及びカラーホイール駆動部140等の制御を行う制御部120とを有する。ランプ駆動回路130は、光源としての放電ランプ160の起動及び起動後の放電ランプのAC駆動を制御する。カラーホイール駆動部140は、放電ランプ160からの光をRGBに変換させるためにカラーホイール12(ここでは図3に示す第3の実施の形態に係るカラーホイールを使用する)を回転させ、さらに、カラーホイール12を回転軸と垂直方向に移動させる移動機構を含む。位置検出センサ180は、カラーホイール12の位置を検出し、検出結果を制御部120へ出力する。DMD150は、カラーホイール12から順次RGBに変換された光によって光学系190を介して照射され、光の変調を行う。投射光学系200は、DMD150からの反射光を拡大投射しスクリーン上に画像を表示させる。
【0025】
図7に図6の光学系の詳細を示す。光源としての放電ランプ160は、回転楕円鏡161に一体に取り付けられ、例えばキセノンアークショートランプ、メタルハライドランプ、あるいは超高圧水銀ランプなどが用いられる。
【0026】
ライトトンネル162は、一定の長さを有する断面が矩形状の光伝送媒体であって、均一な光強度分布をもった光線を出射する。楕円鏡161によって反射された収束光線は、ライトトンネル162の入り口から所定の入射角で入射し、入射された光はライトトンネル内の屈折率の高い内壁を多重反射され、均一な出射光線束として出射される。ライトトンネル162から出射される光線束の出射口径は、長辺と短辺の比が4:3(あるいは16:9)である。
【0027】
カラーホイール12は、カラーホイール駆動部140によって一定速度で回転され、ライトトンネル162からの出射光がほぼ垂直に入射するような位置関係に配置される。カラーホイール12の各フィルタ部材32、34、36に入射された光は、順次R、G、Bの波長を有する光に変換(あるいは分別)される。光学系190は、コンデンサレンズ191と一対の反射鏡192を含み、カラーホイール12を透過したR、G、Bの光はコンデンサレンズ191によって平行光線に変換されDMD150を照射する。DMD150は、カラーホイール12の回転、すなわち、R、G、Bへの変換と同期するタイミングで駆動され、各画素を構成するミラーは、RGBデジタル画像データに基づきR、G、B光を反射する。DMD150によりオン状態として反射されたR、G、B光は、投射光学系200により拡大投射され、これによってスクリーン上に画像が形成される。
【0028】
カラーホイール12は、カラーホイール駆動部140によって回転されるとともに回転軸と垂直方向Vに移動可能であり、その移動は、ライトトンネル162とほぼ垂直関係を維持する。これによって、ライトトンネル162の出射光がカラーホイール12の半径方向に相対的に移動されることとなる。フルカラーの表示モード時には、ライトトンネル162からの出射光がフィルタ部材32、34、36を順次照射する位置(以下、カラーモード位置)にカラーホイール12が位置決めされ、白黒の表示モード時には、カラーホイール12の回転が停止され、ライトトンネル162からの出射光が切り欠き部61、62、63のいずれかの領域を照射する位置(以下、白黒モード位置)に位置決めされ、切り欠き部を通過した光がコンデンサレンズ191に入射される。このため、カラー映像の表示はできなくなるが、その代わりに、カラーホイールによる光損失がなく、格別に明るい白黒映像を投射することができる。このような白黒の表示モードは、例えば、色彩よりも明るさを重視し、文章等を表示する場合にメリットがある。
【0029】
位置検出センサ180は、カラーホイール12の位置を検出し、検出結果を制御部20へ送る。上述したように、制御部120は、カラーホイール12の位置に応じてこれと同期したタイミングでDMD150を制御する。さらに、制御部120は、位置検出センサ180からの位置検出結果に基づき、カラーホイール駆動部140を制御してカラーホイール12が選択された位置(カラーモード位置または白黒モード位置)へ移動される。
【0030】
カラーホイール駆動部140は、カラーホイール12を回転させるためのステッピングモータを含み、さらに、カラーホイール12を垂直方向Vに移動させるための移動機構を含む。水平移動のための駆動源としてはリニアモータ等を用いても良いし、あるいは、マニュアルによって移動させるようにしても良い。
【0031】
上記プロジェクタの例では、図3に示すカラーホイール12を用いた例を示したが、勿論これ以外の第1ないし第5の実施の態様に係るカラーホイールをプロジェクタの照明光学系に適用することもできる。図4に示すカラーホイール13を用いた場合には、フィルタ部分(W)78の期間(スポークタイム期間)を利用して白色光の表示を行うようにしてもよい。
【0032】
さらに上記実施の形態では、透過式のカラーホイールについて説明したが、反射式のカラーホイールに適用することも可能である。図8に第6の実施の形態に係るカラーホイールを示す。カラーホイール300は、Rの帯域の波長を反射するフィルタ部材302と、Gの帯域の波長を反射するフィルタ部材304と、Bの帯域の波長を反射するフィルタ部材306を有する。これらのフィルタ部材302、304、306は、ガラスから構成され、それぞれの切り出し面が接着剤にて接着され、こららのフィルタ部材が一体に組み合わされることで円柱状のカラーホイールが形成される。カラーホイール300の中央には、カラーホイールを回転駆動するためのモータのローターを結合するための開口311が形成される。カラーホイール300が回転され、その外周の反射面310に光が照射されると、その反射面310から順次R、G、Bの反射光を反射させ、この反射光をを照明光学系に利用することができる。
【0033】
さらに、カラーホイール310は、白色のフィルタ部材308を含むカラーフィルタ312を包含することも可能である。白色のフィルタ部材308は、フィルタ部材302と304との間に接合される。カラーフィルタ312の外周面に光を照射することで、R、G、B、Wの反射光を反射させることができる。これにより、白色の輝度を向上させることができる。
【0034】
以上のように本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、中央に開口が形成された環状の支持部材の外周部分に、少なくとも2つのフィルタ部材を配置させ、各フィルタ部材の端面を接合してカラーホイールを構成するようにしたので、製造工数を簡略化し、低コストのカラーホイールを得ることができる。また、そのようなカラーホイールをプロジェクタに適用することで、コストを抑えたプロジェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)はX1−X1線断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図2(a)はその平面図、図2(b)はX2−X2線断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るカラーホイールを示す図であり、図3(a)はその平面図、図3(b)はフィルタ部材を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るカラーホイールを示す平面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るカラーホイールの断面を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るプロジェクタの主要な構成を示すブロック図である。
【図7】図6の光学系の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るカラーホイールを示す斜視図である。
【符号の説明】
10、11、12、13、14、300:カラーホイール
20、50:支持部材
21、51:開口
48:端面
52:段差部
32、34、36、72、74、76、78:フィルタ部材
61、62、63、80:切り欠き部
100:プロジェクタ
120:制御部
140:カラーホイール駆動部
150:DMD
160:ランプ
Claims (17)
- 中央に開口が形成された環状の支持部材と、前記環状の支持部材の外周部分に配置される少なくとも2つのフィルタ部材とを有し、
前記少なくとも2つのフィルタ部材の各々は、第1の主面と、該第1の主面に対向する第2の主面と、前記第1、第2の主面間であって前記支持部材の中心軸に対して半径方向に延びる端面とを含み、
前記第2の主面の少なくとも一部が前記支持部材に固定され、かつ前記フィルタ部材の端面が他のフィルタ部材の端面に接合される、カラーホイール。 - 前記支持部材は、円周方向に形成された段差部を含み、前記フィルタ部材の第2の主面が前記段差部に位置決めされる、請求項1に記載のカラーホイール。
- 前記少なくとも2つのフィルタ部材は、所定の厚さのガラス部材を含み、前記フィルタ部材の端面は、前記ガラス部材の切断面を含む、請求項1または2に記載のカラーホイール。
- 前記少なくとも2つのフィルタ部材はさらに、前記ガラス部材上にフィルタ用のコーティング層を含む、請求項3に記載のカラーホイール。
- 前記フィルタ部材の端面は、他のフィルタ部材の端面に接着剤を介して接合される、請求項1ないし4いずれかに記載のカラーホイール。
- 前記支持部材の開口は、モータの回転部材に結合される、請求項1ないし5いずれかに記載のカラーホイール。
- 前記少なくとも2つのフィルタ部材は、実質的にR、G、Bの波長の光を透過するためのフィルタ部材を含む、請求項1ないし6いずれかに記載のカラーホイール。
- 前記少なくとも2つのフィルタ部材は、実質的に白色光を透過するためのフィルタ部材を含む、請求項1ないし7いずれかに記載のカラーホイール。
- 前記少なくとも2つのフィルタ部材の内、少なくとも1つのフィルタ部材に切り欠き部が形成され、前記少なくとも2つのフィルタ部材が接合されたとき、前記切り欠き部によって空洞が形成される、請求項1ないし8いずれかに記載のカラーホイール。
- 前記切り欠き部は、前記カラーホイールの円周方向にほぼ等しい間隔で配される、請求項9に記載のカラーホイール。
- 各色毎に分割形成されたフィルタ部材を組み合わせて1つのカラーフィルタ部材を構成したことを特徴とするカラーホイール。
- 前記異なる色毎のフィルタ部材は、接着剤にて固定され一体構成されたことを特徴とする請求項11に記載のカラーホイール。
- 請求項1ないし12いずれかに記載のカラーホイールと、前記カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、
光源とを有し、
前記光源からの光を前記カラーホイールに照射し、前記カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を透過させ、該透過光を用いて照明を行う、照明光学系。 - 請求項1ないし13いずれかに記載のカラーホイールと、前記カラーホイールの前記支持部材に結合され前記カラーホイールを回転させる回転手段と、
光源と、
光変調手段と、
光変調手段によって変調された光を投射する投射手段とを有し、
前記光源からの光を前記カラーホイールに照射し、前記カラーホイールのフィルタ部材によって選択された光を前記光変調手段に照射する、プロジェクタ。 - 前記光変調手段は、DMDを含む、請求項14に記載のプロジェクタ。
- 前記プロジェクタはさらに、前記カラーホイールの位置を可変する位置可変手段を含み、前記光源からの光を、前記カラーホイールの前記切り欠き部に入射させる、請求項14に記載のプロジェクタ。
- 前記光源は、放電ランプと、放電ランプからの光を反射するリフレクタと、リフレクタからの反射光を前記カラーホイールに入射させる光伝送部材とを含む、請求項14ないし16いずれかに記載のプロジェクタ。
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