JP2004226250A - 光ファイバー式変位センサーおよびそれを用いた変位制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物の形状、反射方向の変化、測定対象物との距離等にかかわらず、正確かつ高分解能で測定対象物の変位を測定する。
【解決手段】光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた2つの入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、受光量に基づいて測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。2つの入射端面は出射端面に関して対称に配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた2つの入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、受光量に基づいて測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。2つの入射端面は出射端面に関して対称に配置されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバーを用いて測定対象物の位置の変位を光学的に測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から周知の第1の光ファイバー式変位センサーは、光源と、光源からの光を導く1本以上の光ファイバーを束ねた投光ファイバー束と、測定対象物で反射した光を受け取って導く受光ファイバー束と、受光ファイバー束により導かれた光の光量を電気信号に変換する受光素子とを備えている(例えば、非特許文献1参照)。投光ファイバー束の光出射端面のまとまりと受光ファイバー束の光入射端面のまとまりは、一つにバンドルされて隣接して配置されている。これらの端面は測定対象物に相対して配設される。この光ファイバー式変位センサーの動作を説明すると、まず光が光源から出射され投光ファイバー束に誘導される。そして投光ファイバー束の光出射端面から測定対象物に照射された光は、測定対象物上で反射し、受光ファイバー束の光入射端面に入射する。光入射端面に入射する光の光量は、光入射端面と測定対象物との距離に応じて変化する。変位量と受光量は1:1で対応しているので、受光素子で受光した光量により測定対象物までの変位量を知ることができる。
【0003】
しかし第1の変位センサーでは、測定対象物が曲面である場合には正確に変位を測定できない場合がある。測定対象物での光の反射方向が変化し受光ファイバー束に入射する光量が変化するからである。
【0004】
この問題を解決するため、別の第2の光ファイバー式変位センサーが開発されている。第2の変位センサーは、受光ファイバー束を2つに分け、投光ファイバー束を中心に2つに分けた受光ファイバーを対称に配置している。これにより測定対象物が曲面であっても、測定対象物からの反射光が2組の受光ファイバー束に効率よく入射し、正確な変位を測定できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし第2の変位センサーでは、測定対象物の反射率に応じて較正作業を行わなければならない煩雑さがある。測定対象物の反射率は対象物の材質や経時変化による対象物表面の変質などに依存して異なり、表面反射率に応じて受光素子に入射する光量が変化するからである。
【0006】
この問題をさらに解決するため、さらに別の第3の光ファイバー式変位センサーが開発されている。第3の変位センサーもまた、受光ファイバー束を2つに分けている。しかし、一方の受光ファイバー束を構成するファイバー素線群と投光ファイバーを構成するファイバー素線群はランダムに束ねられて円柱状に構成されている。他方の受光ファイバー束を構成するファイバー素線群は、上述の円柱と同心円をなすように円柱の周囲に配置されている(例えば、特許文献2参照)。各受光ファイバー束に入射して誘導された反射光は、別個の受光素子で検出される。測定対象物の変位量と、各受光素子で受光する光の光量との関係をあらかじめ対応付けしておくことにより、反射率に依存しない変位量測定が可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−71812号公報
【特許文献2】
特開昭63−255607号公報
【非特許文献1】
「フォトニックセンサによる位置検出」 センサ技術 1982年2月号(vol2. No.2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の技術には、以下に示す別の問題が存在する。まず第2の変位センサーに対しては、測定対象物が円筒形状である場合に特に問題が顕著になる。具体的には、投光ファイバーからの出射光がなす直線が、円筒の軸を含む平面上にない場合(いわゆる軸ずれが生じている場合)には、測定対象物で反射する光の方向が変化する。これでは、軸ずれが生じていない場合と比較すると受光ファイバー束へ入射する光の総量が変化し、正確な変位測定ができない。
【0009】
一方第3の変位センサーでは、高分解能な測定ができない。その理由は、測定対象物と光ファイバー束との距離が所定値以下になると、距離にかかわらず2組の受光素子の受光量の比はほぼ一定となり、測定対象物との距離の変位量に対する感度が小さくなるからである。
【0010】
本発明の目的は、測定対象物の形状、反射方向の変化、測定対象物との距離等にかかわらず、正確かつ高分解能で測定対象物の変位を測定することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバー式変位センサーは、投光ファイバー束の光出射端面を長方形状とし、投光ファイバー束を対象中心に受光ファイバー束の光入射端面を長方形状に配設したことを特徴とする。また、投光ファイバー束の光出力端面と受光ファイバー束の光入射端面配置が逆になっていてもよい。これにより、測定対象物が円筒形状で、測定対象物の軸ずれにより反射光の反射方向が変化した場合でも、受光ファイバー束への入射光量が変化せず、正確に距離測定を行うことが可能となる。
【0012】
また、投光ファイバー束の光出力端面を対象中心に配設された受光ファイバー束の光入射端面について、長方形の対角線で光出力端面を2分割することで、それぞれの受光量の比の距離に対する感度が上がり、分解能を向上できる。
【0013】
具体的には以下の通りである。
【0014】
本発明による第1の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた2つの入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記2つの入射端面は前記出射端面に関して対称に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0015】
前記2つの入射端面は前記出射端面に接し、かつ前記出射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されていてもよい。
【0016】
前記受光ファイバー束は、前記2つの入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられている2つの受光素子であってもよい。
【0017】
本発明による第2の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた2つの出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、長方形状に設けられた入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記2つの出射端面は前記入射端面に関して対称に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0018】
前記2つの出射端面は前記入射端面に接し、かつ前記入射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されていてもよい。
【0019】
本発明による第3の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記第1および第2の入射端面が前記第1の出射端面に関して対称に配置されている第1の端面と、前記第2および第3の出射端面が前記第3の入射端面に関して対称に配置されている第2の端面とは接するように並列に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0020】
本発明による第4の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1の入射端面および第2の入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記第1の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第2の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されている。これにより上記目的が達成される。
【0021】
前記受光ファイバー束は、前記第1の入射端面および前記第2の入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた2つの受光素子である。そして前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した受光量を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定してもよい。
【0022】
受光ファイバー束は、前記反射光を受光する、合同な長方形状の第3の入射端面および第4の入射端面と、該第3の入射端面および該第4の入射端面の各々に対応するさらに2本の受光ファイバーを含む。そして、前記第3の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第4の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されている。前記少なくとも1つの受光素子は、4本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた4つの受光素子であって、前記第1の入射端面に対応する第1の受光素子、前記第2の入射端面に対応する第2の受光素子、前記第3の入射端面に対応する第3の受光素子、および前記第4の入射端面に対応する第4の受光素子である。前記演算回路は、前記第1の受光素子および前記第3の受光素子が検出した受光量を加算して第1の加算値を取得し、前記第2の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第2の加算値を取得し、該第1の加算値と該第2の加算値を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定する。
【0023】
前記受光ファイバー束の開口数は、前記投光ファイバー束の開口数よりも大きくてもよい。
【0024】
円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する本発明による第1の変位制御装置は、上述した第1の光ファイバー式変位センサーと、第1の光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路とを備えている。光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の加算値に基づいて、前記出射端面および入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定し、かつ、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の大小に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する。これにより上記目的が達成される。
【0025】
円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する本発明による第2の変位制御装置は、第4の光ファイバー式変位センサーと、第4の光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路とを備えている。光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記第1の加算値と前記第2の加算値を除算した除算値に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定する。そして前記第1の受光素子および前記第2の受光素子が検出した受光量を加算して第3の加算値を取得し、前記第3の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第4の加算値を取得して、前記第3の加算値および前記第4の加算値に基づいて前記出射端面および前記入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する。これにより上記目的が達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の光ファイバー式変位センサー10の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー10は、投光ファイバーを介して測定対象物58に光を照射し、その反射光を受光ファイバーに入射させる。そして受光量に応じて測定対象物58の変位量を検出する。この動作原理は、基本的に従来から知られている光ファイバー式変位センサーと同じである。
【0028】
光ファイバー式変位センサー10は、光源51と、投光ファイバー束52と、受光ファイバー束56と、受光素子57と、演算回路50とを備えている。光源51は、例えばLEDやランプ、レーザダイオード等であり、光L51を発する。図1では光源51は単一光源として示されているが、複数の光源を並べて配置してもよい。
【0029】
投光ファイバー束52は、光ファイバー素線を1本以上束ねて構成されており、光源51から出射された光L51を導波させる。投光ファイバー束52の一方の端部(近端)は、光源51に近接して配置されている。投光ファイバー束52の他方の端部(遠端)510は、測定対象物58に相対して配置され、投光ファイバー束52中を導かれた光はここから空気中に出射される。図では、光L52として示す。
【0030】
一方受光ファイバー束56は、光ファイバー素線を1本以上束ねて構成されており、測定対象物58からの反射光L53を導波させる。受光ファイバー束56の端部(遠端)は測定対象物58側において、2つに分けて設けられている。すなわち受光ファイバー束56は遠端59および511を有する。遠端59および511は、投光ファイバー束52の遠端510を中心にしてその両側に配置されている。受光ファイバー束56の遠端59および511は、測定対象物58からの反射光L53を受光する、光入射端面である。遠端59および511に入射した反射光を導波する光ファイバー束は1つに束ねられ、他方の端部(近端)にいたる。上述した投光ファイバー束52および受光ファイバー束56を構成するファイバー素線は、例えば多成分ガラスファイバー、石英ガラスファイバー、プラスティックファイバー等である。
【0031】
受光素子57は、受光量を電気信号に変換する素子であり、例えば、フォトダイオード、光電セルまたは光電子増倍管である。受光素子57は、受光ファイバー束56の近端に近接して配置され、受光ファイバー束56に誘導された光L54を受光する。
【0032】
演算回路50は、受光量に対応する受光素子57の出力に基づいて、測定対象物58の変位を測定する。
【0033】
図2は、投光ファイバー束52の光出射端面510、および、受光ファイバー束56の光入射端面59および511の正面図である。光出射端面510は光ファイバー素線66を長方形状に配列して構成されている。一方の光入射端面59および511も同様に、光ファイバー素線65および67を長方形状に配列して構成されている。光入射端面59および511は、合同である。受光ファイバー束56の光入射端面59および511は、投光ファイバー束52の光出射端面510に関して対称となるように配置されている。より詳細には、光入射端面59および511は、図2において、光出射端面510の短い方の2辺の中点を通る線に関して対称に配置されている。なお、ファイバー素線65、66および67の断面形状は必ずしも円形である必要はない。ファイバー素線1本以上の束としての光入射端面59、511および光出射端面510の形状が長方形状であればよい。例えば、光入射端面59、511および光出射端面510のそれぞれが、断面が長方形である1本の光ファイバー素線から構成されていてもよい。
【0034】
次に再び図1を参照して、本実施の形態にかかる光ファイバー式変位センサー10(図1)の動作を詳細に説明する。光源51からの光L51は投光ファイバー束中を導波し、光出射端面510から広がり角を持った光L52として出射する。光出射端面510から出射する出射光L52は測定対象物58に対して円錐形状に広がって進むため、光出射端面510と測定対象物58との距離に応じて測定対象物58での光スポットの大きさが変化する。測定対象物58から反射する光のうち、光入射端面59および511に入射する反射光L53の光量は、この光スポットの大きさに応じて変化する。そこで演算回路50は、受光量と変位量との関係を予め測定して記憶しておくことにより、受光素子57で検出した受光量に基づいて測定対象物58の変位量を測定できる。
【0035】
測定対象物58への光の照射と反射との関係をより詳しく説明する。ここでは測定対象物58(図1)は円筒形状とする。まず測定対象物58(図1)が軸ずれのないAの位置にある場合の投射位置を、図2では点線領域62として示す。また、測定対象物58がAの位置から軸ずれを起こし、Bの位置にきた場合の投射位置を、図2では実線の長円形の領域61として示す。すなわち図2は、測定対象物からの反射光が光入射端面59および511(図1)に入射する入射位置を、入射端面正面から見た図である。Aの位置から軸ずれを起こし、Bの位置にきた場合には、受光ファイバー束の光入射端面59および511に入射する各光量が変化する。具体的には、光入射端面511においては、反射光照射スポットのうち斜線領域64へ入射していた光量が減少し、光入射端面59においては、斜線領域63に入射する光量が増加する。
【0036】
円筒形状の測定対象物からの反射光が光入射端面59および511への投射するスポット形状は、光出射端面510が長方形状であることから61および62に示すように長円形状となる。よって、軸ずれの発生によりスポット位置が62から61に移動しても、受光量の増加する領域63と減少する領域64の面積は等しくなる。その結果、受光素子57に入射する光量は変化しない。以上から、測定対象物58の軸ずれが発生した場合でも、光出射端面510、光入射端面509および511に垂直な方向(図1におけるx方向)の変位量を正確に測定できる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態2を説明する。図3は、実施の形態2による光ファイバー式変位センサー30の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー30の基本的な構成および動作原理は実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
【0038】
実施の形態2が実施の形態1と相違する点は、2つの端面59および511(図1)を有する受光ファイバー束を1つにまとめるのではなく、端面136および137を有する別個の受光ファイバー束133および134を設け、ファイバー束133および134を導波した光をそれぞれ別個の受光素子139および1310で受光することにある。そして受光素子139および1310において受光した信号を、演算回路1311で加算演算する。これにより、演算結果が受光素子57(図1)での受光量と等しくなり、実施の形態1と同様の効果が得られる。またファイバー束133および134側から見た端面は、図2と同じであるため、その説明は省略する。
【0039】
(実施の形態3)
続いて実施の形態1のさらに別の変形例である実施の形態3を説明する。図4は、実施の形態3による光ファイバー式変位センサー40の構成を示す図である。
【0040】
実施の形態3が実施の形態1と相違する点は、実施の形態3では、投光ファイバー束176を2つに分け、受光ファイバー束172を分けることなく1つにしたことにある。これにより投光ファイバー束176は2つの光出射端面179および1711を有し、逆に受光ファイバー束172は1つの光入射端面1710を有することとなる。光入射端面1710は、光出射端面179および1711の間に対称中心となるように配置されている。光源171から照射された光L171は、投光ファイバー束176を通り、光L172として2つの遠端179および1711から測定対象物178に照射される。そして測定対象物178からの反射光L173は、光入射端面1710から入射して受光ファイバー束172内を導波され、光L174として受光素子177において受光される。なお図には、受光量に基づいて測定対象物178の変位を測定する演算回路を記載していないが、演算回路50(図1)と同様の演算回路を有するとする。
【0041】
図5は、投光ファイバー束176の光出射端面179および1711、および、受光ファイバー束172の光入射端面1710の正面図である。図5から理解されるように、光出射端面179および1711はそれぞれ光ファイバー素線を長方形状に配置して構成されている。一方の光入射端面1710も同様に光ファイバー素線を長方形状に配置して構成されている。光出射端面179および1711は、図5において、光出射端面510の短い方の2辺の中点を通る線に関して対称に配置されている。長円形上の点線領域71および73は、それぞれ光出射端面179および1711から出射された光が、測定対象物178(図4)の円筒軸が中心位置であるAにある場合に測定対象物68で反射した光がファイバ束上で投射する領域を示す。長円上の実線領域72および74は、測定対象物178(図4)がAの位置から軸ずれを起こしてBの位置にきた場合に、点線領域71および73がずれた後の位置を示す。
【0042】
このように構成することにより、光照射スポットのうち斜線領域175の部分に示す入射光量が減少し、斜線領域1751に示す入射光量が増加することになる。ただし光入射端面1710、光出射端面179および1711を長方形状に形成することにより、両者の光量は実質的に等しくなる。その結果、受光素子177(図4)に入射する光量は変化しない。従って、測定対象物178(図4)の軸ずれが発生した場合でも、光入射端面1710、光出射端面179および1711について垂直な方向(図4におけるx方向)の変位量を正確に測定できる。
【0043】
(実施の形態4)
以下、実施の形態1または3の変形例である実施の形態4を説明する。図6は、実施の形態4による光ファイバー式変位センサー60の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー60もまた、投光ファイバー束82および受光ファイバー束89の構成に特徴を有する。より具体的には、光ファイバー式変位センサー60では、投光ファイバー束82は複数に分けられ、その数に応じた光出射端面83、87、88を有する。同時に、受光ファイバー束89もまた複数に分けられ、その数に応じた光入射端面84、85、86を有する。そして投光ファイバー束82の光出射端面83を対称中心に受光ファイバー束89の光入射端面84および85を配設し、受光ファイバー束89の光入射端面86が対称中心となるように投光ファイバー束82の光出射端面87および88を配設している。そして端面84と87、端面83と86、端面85と88がそれぞれ隣接するように配置している。換言すれば、図2と同じ構成の端面83〜85の組と、図5と同じ構成の端面86〜88の組とが接するように並列に配置している。これらを除く構成および動作原理については実施の形態1および実施の形態3に準ずる。
【0044】
以上のように構成した場合でも、測定対象物の軸ずれの有無にかかわらず、測定対象物の変位量を正確に測定できる。なお、実施の形態2と同様に、受光ファイバー束89を1つに束ねることなく、各入射端面で受光する光をそれぞれ別の受光素子で受光し、それぞれの信号を演算回路を用いて加算演算してもよい。
【0045】
(実施の形態5)
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態5を説明する。図7は、実施の形態5による光ファイバー式変位センサー70の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー70は、測定対称物913からの反射光を受光する2つの光入射端面95および96を有している。光ファイバー式変位センサー70の主要な特徴は、光入射端面95が光出射端面94から離れる方向に光入射端面の面積の変化率が負となるように構成され、光入射端面95が光出射端面94から離れる方向に光入射端面の面積の変化率が正となるように構成されていることである。
【0046】
より具体的には、光ファイバー式変位センサー70では、複数の受光ファイバー束97および98が設けられ、受光ファイバー束97および98はそれぞれ、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面95、96を有する。光入射端面95は、光出射端面94から離れる方向に直角三角形の面積が小さくなる。すなわち光出射端面94から離れる方向に、光入射端面95の面積の変化率は負となる。一方光入射端面96は、光出射端面94から離れる方向に直角三角形の面積が大きくなる。すなわち光出射端面94から離れる方向に、光入射端面96の面積の変化率は正となる。
【0047】
基本的な構成および動作原理は実施の形態1に準ずるが、本実施の形態の例に即して説明すると、まず光入射端面95における各ファイバー素線(斜線付きの○印)は受光ファイバー束97を構成する。一方光入射端面96における各ファイバー素線(斜線付きの△印)は受光ファイバー束98を構成する。光源91から照射された光L91は投光ファイバー束93を通って光出射端面94から出射される。光L91は測定対象物913において反射し、反射したその光は、光入射端面95、96から受光ファイバー束97、98に導波され、逆側の端面99および910から光L93、L92として受光素子911、912において検出される。演算処理回路914は、受光素子911、912からの信号を取り込みこれらの加算演算を行う。なお、○印、△印等は、受光ファイバー束における各光ファイバー素線の光入射部と光出射部を対応付けるための記号であり、光ファイバー素線の断面形状をこれらの形に限定するものではない。
【0048】
実施の形態1で述べたように、ファイバー素線1本以上の束としての光出射端面94が長方形状で、光入射端面95および96が長方形を2分割した形状であればよい。例えば、光出射端面94が長方形状の断面を持つ1本の光ファイバー素線であり、光入射端面95および96の各々が長方形を2分割した形状の断面を持つ1本の光ファイバー素線であってもよい。
【0049】
以上のような構成によれば、受光素子911および912での受光量は測定対象物913(図7)と光ファイバー束との距離に応じて変化する。図8は、受光素子の受光量と、測定対象物913(図7)の変位量との関係を示すグラフである。受光素子911の受光量は曲線Aで示し、受光素子912(図7)の受光量は曲線Bで示すように変化する。グラフから理解されるように、受光素子911の受光量に対応する曲線Aは、測定対象物913との距離が増加するにつれて受光量の増加率が減少する。また、受光素子912に対応する曲線Bは、距離対象物913との距離が増大するにつれて受光量の増加率が増加する。ここで、曲線Aの値をBの値で除算すると、曲線Cが得られる。曲線Cのような、測定対象物の変位量に反比例した曲線を描き予め除算値と測定対象物の変位量とを対応づけておくことにより、変位量を測定できる。従って、両者の比が測定対象物との変位量に依存せずほぼ一定値となる光ファイバー式変位センサー(例えば、特許文献2等)と比較すると、測定対象物の反射率に依存することなく、変位量に対する感度が高い(すなわち分解能の高い)変位量測定が可能になる。
【0050】
(実施の形態6)
続いて、実施の形態5の変形例である実施の形態6を説明する。図9は、実施の形態6による光ファイバー式変位センサー90の構成を示す図である。実施の形態6が実施の形態5と相違する点は、光出射端面および光入射端面の構成にある。具体的には、受光ファイバー束119は、光ファイバー素線を束ねた、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面115と116を有する。また受光ファイバー束1110は、光ファイバー素線を束ねた、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面117および118を有する。光入射端面116および117は、光出射端面114を中心に光入射端面115および118とそれぞれ対称に配設されている。
【0051】
受光ファイバー束119は、測定対象物1115から反射した光を導波し、逆側の端面1111に近接して配設された受光素子1113へと光L112を導く。また、光入射端面116および117も同様に、各ファイバー素線は受光ファイバー束1112として一つに束ねられ、測定対象物1115から反射した光を導波し、逆側の端面1112に近接して配設された受光素子1114へと光L113を導く。受光素子1113および1114において受光した信号を、演算回路1116で加算演算する。
【0052】
演算処理回路1116は、受光素子1113および1114からの信号を取り込みこれらの演算を行う。具体的には演算回路1116は、受光素子1113で検出した受光量から受光素子1114で検出した受光量を除算し、この商と変位量を対応づけ変位量を検出する。
【0053】
以上のような構成によれば、光入射端面が光出射端面に対して対称に配置されているので、測定対象物が円筒形状で円筒軸の軸ずれが発生したときでも正確に距離を測定できる。また実施の形態5で述べたように測定対象物の反射率の変動がある場合でも、較正作業なく分解能の高い変位量測定が可能となる。
【0054】
(実施の形態7)
次に、実施の形態6の変形例である実施の形態7を説明する。図10は、実施の形態7による光ファイバー式変位センサー100の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー100は、実質的には光ファイバー式変位センサー90(図9)と配置が同じ光出射端面147および光入射端面148、149、1410、1411を有する。相違する点は、光ファイバー式変位センサー100では光入射端面148、149、1410、1411の各端面に対応して、受光ファイバー束143、144、145、146を有することである。そして受光ファイバー束143、144、145、146にさらに対応して、受光素子1412、1413、1414、1415がそれぞれ配設されている。
【0055】
以上のような構成によれば、各受光素子1412、1413、1414および1415での受光量をそれぞれα、β、γ、δとしたとき、演算回路1416が(α+δ)/(β+γ)を演算することにより、曲線Cのグラフ(図8)と同じ結果が得られる。よって実施の形態6と同様の効果が得られる。
【0056】
(実施の形態8)
実施の形態8は、これまでの実施の形態1〜7に適用可能なファイバー束の構成に関する。図11は、実施の形態8による投光ファイバー束121の開口部および受光ファイバー束120および122の構成を示す図である。基本的な構成および動作原理は実施の形態1〜7に準ずる。実施の形態8の主要な特徴は、受光ファイバー束120および122の開口数(Numerical Aperture; NA)が投光ファイバー束121の開口数NAよりも大きいことである。なお開口数NAは、光ファイバのコアから出射(又はコア内へ入射)される最大円すい状光線の頂点の角度を2θとし、光ファイバが存在する媒質の屈折率をnとするとき、n・sinθの値として得られる。
【0057】
以上のように構成することにより、受光ファイバー束121の開口数で決定される投射光の広がり角の範囲(図中点線aの範囲)よりも大きい開口数をもつ受光ファイバー束120、122を用いることで、受光可能な反射光の角の範囲(図中点線bの範囲)が大きくなる。よって、測定対象物124からの反射光を多く受光でき、測定対象物124の変位量に対する感度を高くできる。
【0058】
(実施の形態9)
実施の形態9は、1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消する変位制御装置に関する。図12は、実施の形態9による変位制御装置120の構成を示す図である。変位制御装置120は、モータ軸や放電加工機の加工軸などで利用される円筒軸151の軸ずれを変位センサーを用いて検出し、軸の位置を制御し、正常な位置に戻す。
【0059】
変位制御装置120は、光ファイバー式変位センサー30(図3)に基づいて形成されている。よって光ファイバー式変位センサー30(図3)と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。変位制御装置120の光ファイバー式変位センサー30(図3)は、演算回路1311(図3)に代えて信号処理回路152を有すること、および、制御回路153を有することである。信号処理回路152は、受光素子139および1310の信号を取り込み、円筒軸151の軸ずれを検出する。制御回路153は、円筒軸の軸中心を制御する。なお円筒軸の軸受け部に関しては図から省略した。
【0060】
以下、変位制御装置120の動作原理を説明する。変位制御装置120は、円筒軸151のx方向およびy方向の軸ずれを変位センサーにて検出し、制御回路153によりフィードバック制御を行い円筒軸151を正常な位置に戻す。
【0061】
具体的には変位制御装置120は、変位センサーを用いて実施の形態2で説明した変位測定を行い、所定位置からのx軸方向のずれ量を取得する。所定位置とは、軸が本来位置すべき正常な位置であり、予め定められている。変位測定の際には、信号処理回路152は、演算回路1311(図3)と同様の演算、すなわち受光素子139および1310における受光量を加算演算する。x軸方向のずれ量を取得すると、制御回路153は軸の位置を制御してそのずれ量を0にする。その過程においては、軸の位置が正常か否かは適宜フィードバック制御を行えばよい。
【0062】
一方変位制御装置120は、変位センサーの検出結果に基づいて、図12のy軸方向への軸ずれを検出する。y軸方向の軸ずれの検出は、受光素子139および1310の受光量の差に基づいて行えばよい。y軸方向の軸ずれが生じると、円筒軸151からの反射光の方向が変化して、受光量に差が生じるからである。信号処理回路152が受光素子139および1310の受光量差を検出すると、制御回路153はその差に基づいて、y軸方向の軸の位置を制御して両者の受光量差を0にする。その過程でも、軸の位置が正常か否かは適宜フィードバック制御を行えばよい。このような動作によりy方向の軸ずれを解消できる。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消できる。
【0064】
(実施の形態10)
実施の形態10もまた、1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消する変位制御装置に関する。図13は、実施の形態10による変位制御装置130の構成を示す図である。変位制御装置130は、モータ軸や放電加工機の加工軸などで利用される円筒軸161の軸ずれを変位センサーを用いて検出し、軸の位置を制御し、正常な位置に戻す。
【0065】
変位制御装置130が変位制御装置120(図12)と相違する点は、変位センサーとして光ファイバー式変位センサ100(図10)を採用したことである。図13では、光ファイバー式変位センサ100(図10)と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。変位制御装置130の光ファイバー式変位センサー30(図3)は、演算回路1416(図10)に代えて信号処理回路162を有し、さらに制御回路163を有している。信号処理回路162は、受光素子1412、1413、1414および1415の信号を取り込み円筒軸161の軸ずれを検知する。制御回路153は、円筒軸161の軸中心を制御する。なお円筒軸の軸受け部に関しては図から省略した。
【0066】
以下、変位制御装置130の動作原理を説明する。変位制御装置130もまた、円筒軸161のx方向およびy方向の軸ずれを変位センサーにて検出し、制御回路163によりフィードバック制御を行い円筒軸161を正常な位置に戻す。
【0067】
具体的には変位制御装置130は、変位センサーを用いて実施の形態7で説明した変位測定を行い、所定位置からのx軸方向のずれ量を取得する。具体的には円筒軸161のx方向の軸ずれに対しては、各受光素子1412、1413、1414および1415のそれぞれの受光量α、β、γおよびδとすると、演算回路162にて(α+δ)/(β+γ)の演算を行うことで軸ずれ量を検出できる。制御回路163はこの結果に基づいて円筒軸161の位置を制御し、そのずれ量を0にする。
【0068】
一方変位制御装置130は、変位センサーの検出結果に基づいて、図13のy軸方向への軸ずれを検出する。y軸方向の軸ずれの検出は、受光量(α+β)と(γ+δ)の差に基づいて行えばよい。y軸方向の軸ずれが生じると、円筒軸161からの反射方向が変化して(α+β)と(γ+δ)に差が生じるからである。信号処理回路152が(α+β)と(γ+δ)の差を検出すると、制御回路153はその差に基づいて、y軸方向の軸の位置を制御して両者の受光量差を0にする。
【0069】
以上により、本実施の形態によっても1対の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消できる。そして円筒軸の反射率が変化した場合でも較正作業は不要である。
【0070】
【発明の効果】
2つの光入射端面を合同な長方形状に設け、かつ光出射端面も長方形状に設けるとともに、2つの光入射端面が光出射端面に関して対称に配置した。これにより、測定対象物が円筒形状であっても、また円筒軸の軸ずれが発生した場合でも、正確に変位測定を行うことができる。
【0071】
第1の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第2の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成した。これにより測定対象物の反射率が変動しても高分解能な距離の測定を行うことができる。
【0072】
光ファイバー式変位センサーの演算回路が、受光素子の受光量に基づいて、出射端面および入射端面に対して垂直および平行な方向の変位を測定する。そして制御回路がその測定結果に基づいて、円筒形状の測定対称物の軸位置を所望の位置に移動する。これにより、一つのファイバー式変位センサーにより2方向の軸ずれを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図2】投光ファイバー束の光出射端面、および、受光ファイバー束の光入射端面の正面図である。
【図3】実施の形態2による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図4】実施の形態3による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図5】投光ファイバー束の光出射端面、受光ファイバー束の光入射端面の正面図である。
【図6】実施の形態4による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図7】実施の形態5による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図8】受光素子の受光量と、測定対象物変位量との関係を示すグラフである。
【図9】実施の形態6による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図10】実施の形態7による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図11】実施の形態8による投光ファイバー束の開口部および受光ファイバー束の構成を示す図である。
【図12】実施の形態9による変位制御装置の構成を示す図である。
【図13】実施の形態10による変位制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 光ファイバー式変位センサ、50 演算回路、51 光源、52 投光ファイバー束、56 受光ファイバー束、57 受光素子、58 測定対象物、59 光入射端面、510 光出射端面、511 光入射端面
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバーを用いて測定対象物の位置の変位を光学的に測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から周知の第1の光ファイバー式変位センサーは、光源と、光源からの光を導く1本以上の光ファイバーを束ねた投光ファイバー束と、測定対象物で反射した光を受け取って導く受光ファイバー束と、受光ファイバー束により導かれた光の光量を電気信号に変換する受光素子とを備えている(例えば、非特許文献1参照)。投光ファイバー束の光出射端面のまとまりと受光ファイバー束の光入射端面のまとまりは、一つにバンドルされて隣接して配置されている。これらの端面は測定対象物に相対して配設される。この光ファイバー式変位センサーの動作を説明すると、まず光が光源から出射され投光ファイバー束に誘導される。そして投光ファイバー束の光出射端面から測定対象物に照射された光は、測定対象物上で反射し、受光ファイバー束の光入射端面に入射する。光入射端面に入射する光の光量は、光入射端面と測定対象物との距離に応じて変化する。変位量と受光量は1:1で対応しているので、受光素子で受光した光量により測定対象物までの変位量を知ることができる。
【0003】
しかし第1の変位センサーでは、測定対象物が曲面である場合には正確に変位を測定できない場合がある。測定対象物での光の反射方向が変化し受光ファイバー束に入射する光量が変化するからである。
【0004】
この問題を解決するため、別の第2の光ファイバー式変位センサーが開発されている。第2の変位センサーは、受光ファイバー束を2つに分け、投光ファイバー束を中心に2つに分けた受光ファイバーを対称に配置している。これにより測定対象物が曲面であっても、測定対象物からの反射光が2組の受光ファイバー束に効率よく入射し、正確な変位を測定できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし第2の変位センサーでは、測定対象物の反射率に応じて較正作業を行わなければならない煩雑さがある。測定対象物の反射率は対象物の材質や経時変化による対象物表面の変質などに依存して異なり、表面反射率に応じて受光素子に入射する光量が変化するからである。
【0006】
この問題をさらに解決するため、さらに別の第3の光ファイバー式変位センサーが開発されている。第3の変位センサーもまた、受光ファイバー束を2つに分けている。しかし、一方の受光ファイバー束を構成するファイバー素線群と投光ファイバーを構成するファイバー素線群はランダムに束ねられて円柱状に構成されている。他方の受光ファイバー束を構成するファイバー素線群は、上述の円柱と同心円をなすように円柱の周囲に配置されている(例えば、特許文献2参照)。各受光ファイバー束に入射して誘導された反射光は、別個の受光素子で検出される。測定対象物の変位量と、各受光素子で受光する光の光量との関係をあらかじめ対応付けしておくことにより、反射率に依存しない変位量測定が可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−71812号公報
【特許文献2】
特開昭63−255607号公報
【非特許文献1】
「フォトニックセンサによる位置検出」 センサ技術 1982年2月号(vol2. No.2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の技術には、以下に示す別の問題が存在する。まず第2の変位センサーに対しては、測定対象物が円筒形状である場合に特に問題が顕著になる。具体的には、投光ファイバーからの出射光がなす直線が、円筒の軸を含む平面上にない場合(いわゆる軸ずれが生じている場合)には、測定対象物で反射する光の方向が変化する。これでは、軸ずれが生じていない場合と比較すると受光ファイバー束へ入射する光の総量が変化し、正確な変位測定ができない。
【0009】
一方第3の変位センサーでは、高分解能な測定ができない。その理由は、測定対象物と光ファイバー束との距離が所定値以下になると、距離にかかわらず2組の受光素子の受光量の比はほぼ一定となり、測定対象物との距離の変位量に対する感度が小さくなるからである。
【0010】
本発明の目的は、測定対象物の形状、反射方向の変化、測定対象物との距離等にかかわらず、正確かつ高分解能で測定対象物の変位を測定することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバー式変位センサーは、投光ファイバー束の光出射端面を長方形状とし、投光ファイバー束を対象中心に受光ファイバー束の光入射端面を長方形状に配設したことを特徴とする。また、投光ファイバー束の光出力端面と受光ファイバー束の光入射端面配置が逆になっていてもよい。これにより、測定対象物が円筒形状で、測定対象物の軸ずれにより反射光の反射方向が変化した場合でも、受光ファイバー束への入射光量が変化せず、正確に距離測定を行うことが可能となる。
【0012】
また、投光ファイバー束の光出力端面を対象中心に配設された受光ファイバー束の光入射端面について、長方形の対角線で光出力端面を2分割することで、それぞれの受光量の比の距離に対する感度が上がり、分解能を向上できる。
【0013】
具体的には以下の通りである。
【0014】
本発明による第1の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた2つの入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記2つの入射端面は前記出射端面に関して対称に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0015】
前記2つの入射端面は前記出射端面に接し、かつ前記出射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されていてもよい。
【0016】
前記受光ファイバー束は、前記2つの入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられている2つの受光素子であってもよい。
【0017】
本発明による第2の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた2つの出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、長方形状に設けられた入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記2つの出射端面は前記入射端面に関して対称に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0018】
前記2つの出射端面は前記入射端面に接し、かつ前記入射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されていてもよい。
【0019】
本発明による第3の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記第1および第2の入射端面が前記第1の出射端面に関して対称に配置されている第1の端面と、前記第2および第3の出射端面が前記第3の入射端面に関して対称に配置されている第2の端面とは接するように並列に配置されている。これにより上記目的が達成される。
【0020】
本発明による第4の光ファイバー式変位センサーは、光を発する光源と、光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1の入射端面および第2の入射端面において受光する受光ファイバー束と、受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路とを備えている。そして前記第1の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第2の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されている。これにより上記目的が達成される。
【0021】
前記受光ファイバー束は、前記第1の入射端面および前記第2の入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた2つの受光素子である。そして前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した受光量を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定してもよい。
【0022】
受光ファイバー束は、前記反射光を受光する、合同な長方形状の第3の入射端面および第4の入射端面と、該第3の入射端面および該第4の入射端面の各々に対応するさらに2本の受光ファイバーを含む。そして、前記第3の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第4の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されている。前記少なくとも1つの受光素子は、4本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた4つの受光素子であって、前記第1の入射端面に対応する第1の受光素子、前記第2の入射端面に対応する第2の受光素子、前記第3の入射端面に対応する第3の受光素子、および前記第4の入射端面に対応する第4の受光素子である。前記演算回路は、前記第1の受光素子および前記第3の受光素子が検出した受光量を加算して第1の加算値を取得し、前記第2の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第2の加算値を取得し、該第1の加算値と該第2の加算値を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定する。
【0023】
前記受光ファイバー束の開口数は、前記投光ファイバー束の開口数よりも大きくてもよい。
【0024】
円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する本発明による第1の変位制御装置は、上述した第1の光ファイバー式変位センサーと、第1の光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路とを備えている。光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の加算値に基づいて、前記出射端面および入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定し、かつ、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の大小に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する。これにより上記目的が達成される。
【0025】
円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する本発明による第2の変位制御装置は、第4の光ファイバー式変位センサーと、第4の光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路とを備えている。光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記第1の加算値と前記第2の加算値を除算した除算値に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定する。そして前記第1の受光素子および前記第2の受光素子が検出した受光量を加算して第3の加算値を取得し、前記第3の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第4の加算値を取得して、前記第3の加算値および前記第4の加算値に基づいて前記出射端面および前記入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する。これにより上記目的が達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の光ファイバー式変位センサー10の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー10は、投光ファイバーを介して測定対象物58に光を照射し、その反射光を受光ファイバーに入射させる。そして受光量に応じて測定対象物58の変位量を検出する。この動作原理は、基本的に従来から知られている光ファイバー式変位センサーと同じである。
【0028】
光ファイバー式変位センサー10は、光源51と、投光ファイバー束52と、受光ファイバー束56と、受光素子57と、演算回路50とを備えている。光源51は、例えばLEDやランプ、レーザダイオード等であり、光L51を発する。図1では光源51は単一光源として示されているが、複数の光源を並べて配置してもよい。
【0029】
投光ファイバー束52は、光ファイバー素線を1本以上束ねて構成されており、光源51から出射された光L51を導波させる。投光ファイバー束52の一方の端部(近端)は、光源51に近接して配置されている。投光ファイバー束52の他方の端部(遠端)510は、測定対象物58に相対して配置され、投光ファイバー束52中を導かれた光はここから空気中に出射される。図では、光L52として示す。
【0030】
一方受光ファイバー束56は、光ファイバー素線を1本以上束ねて構成されており、測定対象物58からの反射光L53を導波させる。受光ファイバー束56の端部(遠端)は測定対象物58側において、2つに分けて設けられている。すなわち受光ファイバー束56は遠端59および511を有する。遠端59および511は、投光ファイバー束52の遠端510を中心にしてその両側に配置されている。受光ファイバー束56の遠端59および511は、測定対象物58からの反射光L53を受光する、光入射端面である。遠端59および511に入射した反射光を導波する光ファイバー束は1つに束ねられ、他方の端部(近端)にいたる。上述した投光ファイバー束52および受光ファイバー束56を構成するファイバー素線は、例えば多成分ガラスファイバー、石英ガラスファイバー、プラスティックファイバー等である。
【0031】
受光素子57は、受光量を電気信号に変換する素子であり、例えば、フォトダイオード、光電セルまたは光電子増倍管である。受光素子57は、受光ファイバー束56の近端に近接して配置され、受光ファイバー束56に誘導された光L54を受光する。
【0032】
演算回路50は、受光量に対応する受光素子57の出力に基づいて、測定対象物58の変位を測定する。
【0033】
図2は、投光ファイバー束52の光出射端面510、および、受光ファイバー束56の光入射端面59および511の正面図である。光出射端面510は光ファイバー素線66を長方形状に配列して構成されている。一方の光入射端面59および511も同様に、光ファイバー素線65および67を長方形状に配列して構成されている。光入射端面59および511は、合同である。受光ファイバー束56の光入射端面59および511は、投光ファイバー束52の光出射端面510に関して対称となるように配置されている。より詳細には、光入射端面59および511は、図2において、光出射端面510の短い方の2辺の中点を通る線に関して対称に配置されている。なお、ファイバー素線65、66および67の断面形状は必ずしも円形である必要はない。ファイバー素線1本以上の束としての光入射端面59、511および光出射端面510の形状が長方形状であればよい。例えば、光入射端面59、511および光出射端面510のそれぞれが、断面が長方形である1本の光ファイバー素線から構成されていてもよい。
【0034】
次に再び図1を参照して、本実施の形態にかかる光ファイバー式変位センサー10(図1)の動作を詳細に説明する。光源51からの光L51は投光ファイバー束中を導波し、光出射端面510から広がり角を持った光L52として出射する。光出射端面510から出射する出射光L52は測定対象物58に対して円錐形状に広がって進むため、光出射端面510と測定対象物58との距離に応じて測定対象物58での光スポットの大きさが変化する。測定対象物58から反射する光のうち、光入射端面59および511に入射する反射光L53の光量は、この光スポットの大きさに応じて変化する。そこで演算回路50は、受光量と変位量との関係を予め測定して記憶しておくことにより、受光素子57で検出した受光量に基づいて測定対象物58の変位量を測定できる。
【0035】
測定対象物58への光の照射と反射との関係をより詳しく説明する。ここでは測定対象物58(図1)は円筒形状とする。まず測定対象物58(図1)が軸ずれのないAの位置にある場合の投射位置を、図2では点線領域62として示す。また、測定対象物58がAの位置から軸ずれを起こし、Bの位置にきた場合の投射位置を、図2では実線の長円形の領域61として示す。すなわち図2は、測定対象物からの反射光が光入射端面59および511(図1)に入射する入射位置を、入射端面正面から見た図である。Aの位置から軸ずれを起こし、Bの位置にきた場合には、受光ファイバー束の光入射端面59および511に入射する各光量が変化する。具体的には、光入射端面511においては、反射光照射スポットのうち斜線領域64へ入射していた光量が減少し、光入射端面59においては、斜線領域63に入射する光量が増加する。
【0036】
円筒形状の測定対象物からの反射光が光入射端面59および511への投射するスポット形状は、光出射端面510が長方形状であることから61および62に示すように長円形状となる。よって、軸ずれの発生によりスポット位置が62から61に移動しても、受光量の増加する領域63と減少する領域64の面積は等しくなる。その結果、受光素子57に入射する光量は変化しない。以上から、測定対象物58の軸ずれが発生した場合でも、光出射端面510、光入射端面509および511に垂直な方向(図1におけるx方向)の変位量を正確に測定できる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態2を説明する。図3は、実施の形態2による光ファイバー式変位センサー30の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー30の基本的な構成および動作原理は実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
【0038】
実施の形態2が実施の形態1と相違する点は、2つの端面59および511(図1)を有する受光ファイバー束を1つにまとめるのではなく、端面136および137を有する別個の受光ファイバー束133および134を設け、ファイバー束133および134を導波した光をそれぞれ別個の受光素子139および1310で受光することにある。そして受光素子139および1310において受光した信号を、演算回路1311で加算演算する。これにより、演算結果が受光素子57(図1)での受光量と等しくなり、実施の形態1と同様の効果が得られる。またファイバー束133および134側から見た端面は、図2と同じであるため、その説明は省略する。
【0039】
(実施の形態3)
続いて実施の形態1のさらに別の変形例である実施の形態3を説明する。図4は、実施の形態3による光ファイバー式変位センサー40の構成を示す図である。
【0040】
実施の形態3が実施の形態1と相違する点は、実施の形態3では、投光ファイバー束176を2つに分け、受光ファイバー束172を分けることなく1つにしたことにある。これにより投光ファイバー束176は2つの光出射端面179および1711を有し、逆に受光ファイバー束172は1つの光入射端面1710を有することとなる。光入射端面1710は、光出射端面179および1711の間に対称中心となるように配置されている。光源171から照射された光L171は、投光ファイバー束176を通り、光L172として2つの遠端179および1711から測定対象物178に照射される。そして測定対象物178からの反射光L173は、光入射端面1710から入射して受光ファイバー束172内を導波され、光L174として受光素子177において受光される。なお図には、受光量に基づいて測定対象物178の変位を測定する演算回路を記載していないが、演算回路50(図1)と同様の演算回路を有するとする。
【0041】
図5は、投光ファイバー束176の光出射端面179および1711、および、受光ファイバー束172の光入射端面1710の正面図である。図5から理解されるように、光出射端面179および1711はそれぞれ光ファイバー素線を長方形状に配置して構成されている。一方の光入射端面1710も同様に光ファイバー素線を長方形状に配置して構成されている。光出射端面179および1711は、図5において、光出射端面510の短い方の2辺の中点を通る線に関して対称に配置されている。長円形上の点線領域71および73は、それぞれ光出射端面179および1711から出射された光が、測定対象物178(図4)の円筒軸が中心位置であるAにある場合に測定対象物68で反射した光がファイバ束上で投射する領域を示す。長円上の実線領域72および74は、測定対象物178(図4)がAの位置から軸ずれを起こしてBの位置にきた場合に、点線領域71および73がずれた後の位置を示す。
【0042】
このように構成することにより、光照射スポットのうち斜線領域175の部分に示す入射光量が減少し、斜線領域1751に示す入射光量が増加することになる。ただし光入射端面1710、光出射端面179および1711を長方形状に形成することにより、両者の光量は実質的に等しくなる。その結果、受光素子177(図4)に入射する光量は変化しない。従って、測定対象物178(図4)の軸ずれが発生した場合でも、光入射端面1710、光出射端面179および1711について垂直な方向(図4におけるx方向)の変位量を正確に測定できる。
【0043】
(実施の形態4)
以下、実施の形態1または3の変形例である実施の形態4を説明する。図6は、実施の形態4による光ファイバー式変位センサー60の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー60もまた、投光ファイバー束82および受光ファイバー束89の構成に特徴を有する。より具体的には、光ファイバー式変位センサー60では、投光ファイバー束82は複数に分けられ、その数に応じた光出射端面83、87、88を有する。同時に、受光ファイバー束89もまた複数に分けられ、その数に応じた光入射端面84、85、86を有する。そして投光ファイバー束82の光出射端面83を対称中心に受光ファイバー束89の光入射端面84および85を配設し、受光ファイバー束89の光入射端面86が対称中心となるように投光ファイバー束82の光出射端面87および88を配設している。そして端面84と87、端面83と86、端面85と88がそれぞれ隣接するように配置している。換言すれば、図2と同じ構成の端面83〜85の組と、図5と同じ構成の端面86〜88の組とが接するように並列に配置している。これらを除く構成および動作原理については実施の形態1および実施の形態3に準ずる。
【0044】
以上のように構成した場合でも、測定対象物の軸ずれの有無にかかわらず、測定対象物の変位量を正確に測定できる。なお、実施の形態2と同様に、受光ファイバー束89を1つに束ねることなく、各入射端面で受光する光をそれぞれ別の受光素子で受光し、それぞれの信号を演算回路を用いて加算演算してもよい。
【0045】
(実施の形態5)
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態5を説明する。図7は、実施の形態5による光ファイバー式変位センサー70の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー70は、測定対称物913からの反射光を受光する2つの光入射端面95および96を有している。光ファイバー式変位センサー70の主要な特徴は、光入射端面95が光出射端面94から離れる方向に光入射端面の面積の変化率が負となるように構成され、光入射端面95が光出射端面94から離れる方向に光入射端面の面積の変化率が正となるように構成されていることである。
【0046】
より具体的には、光ファイバー式変位センサー70では、複数の受光ファイバー束97および98が設けられ、受光ファイバー束97および98はそれぞれ、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面95、96を有する。光入射端面95は、光出射端面94から離れる方向に直角三角形の面積が小さくなる。すなわち光出射端面94から離れる方向に、光入射端面95の面積の変化率は負となる。一方光入射端面96は、光出射端面94から離れる方向に直角三角形の面積が大きくなる。すなわち光出射端面94から離れる方向に、光入射端面96の面積の変化率は正となる。
【0047】
基本的な構成および動作原理は実施の形態1に準ずるが、本実施の形態の例に即して説明すると、まず光入射端面95における各ファイバー素線(斜線付きの○印)は受光ファイバー束97を構成する。一方光入射端面96における各ファイバー素線(斜線付きの△印)は受光ファイバー束98を構成する。光源91から照射された光L91は投光ファイバー束93を通って光出射端面94から出射される。光L91は測定対象物913において反射し、反射したその光は、光入射端面95、96から受光ファイバー束97、98に導波され、逆側の端面99および910から光L93、L92として受光素子911、912において検出される。演算処理回路914は、受光素子911、912からの信号を取り込みこれらの加算演算を行う。なお、○印、△印等は、受光ファイバー束における各光ファイバー素線の光入射部と光出射部を対応付けるための記号であり、光ファイバー素線の断面形状をこれらの形に限定するものではない。
【0048】
実施の形態1で述べたように、ファイバー素線1本以上の束としての光出射端面94が長方形状で、光入射端面95および96が長方形を2分割した形状であればよい。例えば、光出射端面94が長方形状の断面を持つ1本の光ファイバー素線であり、光入射端面95および96の各々が長方形を2分割した形状の断面を持つ1本の光ファイバー素線であってもよい。
【0049】
以上のような構成によれば、受光素子911および912での受光量は測定対象物913(図7)と光ファイバー束との距離に応じて変化する。図8は、受光素子の受光量と、測定対象物913(図7)の変位量との関係を示すグラフである。受光素子911の受光量は曲線Aで示し、受光素子912(図7)の受光量は曲線Bで示すように変化する。グラフから理解されるように、受光素子911の受光量に対応する曲線Aは、測定対象物913との距離が増加するにつれて受光量の増加率が減少する。また、受光素子912に対応する曲線Bは、距離対象物913との距離が増大するにつれて受光量の増加率が増加する。ここで、曲線Aの値をBの値で除算すると、曲線Cが得られる。曲線Cのような、測定対象物の変位量に反比例した曲線を描き予め除算値と測定対象物の変位量とを対応づけておくことにより、変位量を測定できる。従って、両者の比が測定対象物との変位量に依存せずほぼ一定値となる光ファイバー式変位センサー(例えば、特許文献2等)と比較すると、測定対象物の反射率に依存することなく、変位量に対する感度が高い(すなわち分解能の高い)変位量測定が可能になる。
【0050】
(実施の形態6)
続いて、実施の形態5の変形例である実施の形態6を説明する。図9は、実施の形態6による光ファイバー式変位センサー90の構成を示す図である。実施の形態6が実施の形態5と相違する点は、光出射端面および光入射端面の構成にある。具体的には、受光ファイバー束119は、光ファイバー素線を束ねた、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面115と116を有する。また受光ファイバー束1110は、光ファイバー素線を束ねた、長方形の一対角線で区切られた直角三角形状の光入射端面117および118を有する。光入射端面116および117は、光出射端面114を中心に光入射端面115および118とそれぞれ対称に配設されている。
【0051】
受光ファイバー束119は、測定対象物1115から反射した光を導波し、逆側の端面1111に近接して配設された受光素子1113へと光L112を導く。また、光入射端面116および117も同様に、各ファイバー素線は受光ファイバー束1112として一つに束ねられ、測定対象物1115から反射した光を導波し、逆側の端面1112に近接して配設された受光素子1114へと光L113を導く。受光素子1113および1114において受光した信号を、演算回路1116で加算演算する。
【0052】
演算処理回路1116は、受光素子1113および1114からの信号を取り込みこれらの演算を行う。具体的には演算回路1116は、受光素子1113で検出した受光量から受光素子1114で検出した受光量を除算し、この商と変位量を対応づけ変位量を検出する。
【0053】
以上のような構成によれば、光入射端面が光出射端面に対して対称に配置されているので、測定対象物が円筒形状で円筒軸の軸ずれが発生したときでも正確に距離を測定できる。また実施の形態5で述べたように測定対象物の反射率の変動がある場合でも、較正作業なく分解能の高い変位量測定が可能となる。
【0054】
(実施の形態7)
次に、実施の形態6の変形例である実施の形態7を説明する。図10は、実施の形態7による光ファイバー式変位センサー100の構成を示す図である。光ファイバー式変位センサー100は、実質的には光ファイバー式変位センサー90(図9)と配置が同じ光出射端面147および光入射端面148、149、1410、1411を有する。相違する点は、光ファイバー式変位センサー100では光入射端面148、149、1410、1411の各端面に対応して、受光ファイバー束143、144、145、146を有することである。そして受光ファイバー束143、144、145、146にさらに対応して、受光素子1412、1413、1414、1415がそれぞれ配設されている。
【0055】
以上のような構成によれば、各受光素子1412、1413、1414および1415での受光量をそれぞれα、β、γ、δとしたとき、演算回路1416が(α+δ)/(β+γ)を演算することにより、曲線Cのグラフ(図8)と同じ結果が得られる。よって実施の形態6と同様の効果が得られる。
【0056】
(実施の形態8)
実施の形態8は、これまでの実施の形態1〜7に適用可能なファイバー束の構成に関する。図11は、実施の形態8による投光ファイバー束121の開口部および受光ファイバー束120および122の構成を示す図である。基本的な構成および動作原理は実施の形態1〜7に準ずる。実施の形態8の主要な特徴は、受光ファイバー束120および122の開口数(Numerical Aperture; NA)が投光ファイバー束121の開口数NAよりも大きいことである。なお開口数NAは、光ファイバのコアから出射(又はコア内へ入射)される最大円すい状光線の頂点の角度を2θとし、光ファイバが存在する媒質の屈折率をnとするとき、n・sinθの値として得られる。
【0057】
以上のように構成することにより、受光ファイバー束121の開口数で決定される投射光の広がり角の範囲(図中点線aの範囲)よりも大きい開口数をもつ受光ファイバー束120、122を用いることで、受光可能な反射光の角の範囲(図中点線bの範囲)が大きくなる。よって、測定対象物124からの反射光を多く受光でき、測定対象物124の変位量に対する感度を高くできる。
【0058】
(実施の形態9)
実施の形態9は、1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消する変位制御装置に関する。図12は、実施の形態9による変位制御装置120の構成を示す図である。変位制御装置120は、モータ軸や放電加工機の加工軸などで利用される円筒軸151の軸ずれを変位センサーを用いて検出し、軸の位置を制御し、正常な位置に戻す。
【0059】
変位制御装置120は、光ファイバー式変位センサー30(図3)に基づいて形成されている。よって光ファイバー式変位センサー30(図3)と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。変位制御装置120の光ファイバー式変位センサー30(図3)は、演算回路1311(図3)に代えて信号処理回路152を有すること、および、制御回路153を有することである。信号処理回路152は、受光素子139および1310の信号を取り込み、円筒軸151の軸ずれを検出する。制御回路153は、円筒軸の軸中心を制御する。なお円筒軸の軸受け部に関しては図から省略した。
【0060】
以下、変位制御装置120の動作原理を説明する。変位制御装置120は、円筒軸151のx方向およびy方向の軸ずれを変位センサーにて検出し、制御回路153によりフィードバック制御を行い円筒軸151を正常な位置に戻す。
【0061】
具体的には変位制御装置120は、変位センサーを用いて実施の形態2で説明した変位測定を行い、所定位置からのx軸方向のずれ量を取得する。所定位置とは、軸が本来位置すべき正常な位置であり、予め定められている。変位測定の際には、信号処理回路152は、演算回路1311(図3)と同様の演算、すなわち受光素子139および1310における受光量を加算演算する。x軸方向のずれ量を取得すると、制御回路153は軸の位置を制御してそのずれ量を0にする。その過程においては、軸の位置が正常か否かは適宜フィードバック制御を行えばよい。
【0062】
一方変位制御装置120は、変位センサーの検出結果に基づいて、図12のy軸方向への軸ずれを検出する。y軸方向の軸ずれの検出は、受光素子139および1310の受光量の差に基づいて行えばよい。y軸方向の軸ずれが生じると、円筒軸151からの反射光の方向が変化して、受光量に差が生じるからである。信号処理回路152が受光素子139および1310の受光量差を検出すると、制御回路153はその差に基づいて、y軸方向の軸の位置を制御して両者の受光量差を0にする。その過程でも、軸の位置が正常か否かは適宜フィードバック制御を行えばよい。このような動作によりy方向の軸ずれを解消できる。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消できる。
【0064】
(実施の形態10)
実施の形態10もまた、1体の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消する変位制御装置に関する。図13は、実施の形態10による変位制御装置130の構成を示す図である。変位制御装置130は、モータ軸や放電加工機の加工軸などで利用される円筒軸161の軸ずれを変位センサーを用いて検出し、軸の位置を制御し、正常な位置に戻す。
【0065】
変位制御装置130が変位制御装置120(図12)と相違する点は、変位センサーとして光ファイバー式変位センサ100(図10)を採用したことである。図13では、光ファイバー式変位センサ100(図10)と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。変位制御装置130の光ファイバー式変位センサー30(図3)は、演算回路1416(図10)に代えて信号処理回路162を有し、さらに制御回路163を有している。信号処理回路162は、受光素子1412、1413、1414および1415の信号を取り込み円筒軸161の軸ずれを検知する。制御回路153は、円筒軸161の軸中心を制御する。なお円筒軸の軸受け部に関しては図から省略した。
【0066】
以下、変位制御装置130の動作原理を説明する。変位制御装置130もまた、円筒軸161のx方向およびy方向の軸ずれを変位センサーにて検出し、制御回路163によりフィードバック制御を行い円筒軸161を正常な位置に戻す。
【0067】
具体的には変位制御装置130は、変位センサーを用いて実施の形態7で説明した変位測定を行い、所定位置からのx軸方向のずれ量を取得する。具体的には円筒軸161のx方向の軸ずれに対しては、各受光素子1412、1413、1414および1415のそれぞれの受光量α、β、γおよびδとすると、演算回路162にて(α+δ)/(β+γ)の演算を行うことで軸ずれ量を検出できる。制御回路163はこの結果に基づいて円筒軸161の位置を制御し、そのずれ量を0にする。
【0068】
一方変位制御装置130は、変位センサーの検出結果に基づいて、図13のy軸方向への軸ずれを検出する。y軸方向の軸ずれの検出は、受光量(α+β)と(γ+δ)の差に基づいて行えばよい。y軸方向の軸ずれが生じると、円筒軸161からの反射方向が変化して(α+β)と(γ+δ)に差が生じるからである。信号処理回路152が(α+β)と(γ+δ)の差を検出すると、制御回路153はその差に基づいて、y軸方向の軸の位置を制御して両者の受光量差を0にする。
【0069】
以上により、本実施の形態によっても1対の変位センサーを用いて円筒軸の2方向の軸ずれを解消できる。そして円筒軸の反射率が変化した場合でも較正作業は不要である。
【0070】
【発明の効果】
2つの光入射端面を合同な長方形状に設け、かつ光出射端面も長方形状に設けるとともに、2つの光入射端面が光出射端面に関して対称に配置した。これにより、測定対象物が円筒形状であっても、また円筒軸の軸ずれが発生した場合でも、正確に変位測定を行うことができる。
【0071】
第1の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第2の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成した。これにより測定対象物の反射率が変動しても高分解能な距離の測定を行うことができる。
【0072】
光ファイバー式変位センサーの演算回路が、受光素子の受光量に基づいて、出射端面および入射端面に対して垂直および平行な方向の変位を測定する。そして制御回路がその測定結果に基づいて、円筒形状の測定対称物の軸位置を所望の位置に移動する。これにより、一つのファイバー式変位センサーにより2方向の軸ずれを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図2】投光ファイバー束の光出射端面、および、受光ファイバー束の光入射端面の正面図である。
【図3】実施の形態2による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図4】実施の形態3による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図5】投光ファイバー束の光出射端面、受光ファイバー束の光入射端面の正面図である。
【図6】実施の形態4による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図7】実施の形態5による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図8】受光素子の受光量と、測定対象物変位量との関係を示すグラフである。
【図9】実施の形態6による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図10】実施の形態7による光ファイバー式変位センサーの構成を示す図である。
【図11】実施の形態8による投光ファイバー束の開口部および受光ファイバー束の構成を示す図である。
【図12】実施の形態9による変位制御装置の構成を示す図である。
【図13】実施の形態10による変位制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 光ファイバー式変位センサ、50 演算回路、51 光源、52 投光ファイバー束、56 受光ファイバー束、57 受光素子、58 測定対象物、59 光入射端面、510 光出射端面、511 光入射端面
Claims (12)
- 光を発する光源と、
光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、
前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた2つの入射端面において受光する受光ファイバー束と、
受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、
前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路と
を備え、前記2つの入射端面が前記出射端面に関して対称に配置されている光ファイバー式変位センサー。 - 前記2つの入射端面は前記出射端面に接し、かつ前記出射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されている、請求項1に記載の光ファイバー式変位センサー。
- 前記受光ファイバー束は、前記2つの入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、
前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられている2つの受光素子である、請求項1または2に記載の光ファイバー式変位センサー。 - 光を発する光源と、
光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた2つの出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、
前記測定対象物で反射した反射光を、長方形状に設けられた入射端面において受光する受光ファイバー束と、
受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する受光素子と、
前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路と
を備え、前記2つの出射端面が前記入射端面に関して対称に配置されている光ファイバー式変位センサー。 - 前記2つの出射端面は前記入射端面に接し、かつ前記入射端面の対向する2辺の中線に関して対称に配置されている、請求項4に記載の光ファイバー式変位センサー。
- 光を発する光源と、
光源が発した前記光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、
前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1、第2および第3の入射端面において受光する受光ファイバー束と、
受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、
前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路と
を備え、前記第1および第2の入射端面が前記第1の出射端面に関して対称に配置されている第1の端面と、前記第2および第3の出射端面が前記第3の入射端面に関して対称に配置されている第2の端面とが接するように並列に配置されている光ファイバー式変位センサー。 - 光を発する光源と、
光源が発した前記光を、長方形状に設けられた出射端面から測定対象物に出射する投光ファイバー束と、
前記測定対象物で反射した反射光を、合同な長方形状に設けられた第1の入射端面および第2の入射端面において受光する受光ファイバー束と、
受光ファイバー束を伝搬した前記反射光の受光量を検出する少なくとも1つの受光素子と、
前記受光量に基づいて前記測定対象物の位置の変位を測定する演算回路と
を備え、前記第1の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第2の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されている光ファイバー式変位センサー。 - 前記受光ファイバー束は、前記第1の入射端面および前記第2の入射端面の各々に対応する2本の受光ファイバーを含み、
前記少なくとも1つの受光素子は、前記2本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた2つの受光素子であり、
前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した受光量を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定する、請求項7に記載の光ファイバー式変位センサー。 - 受光ファイバー束は、前記反射光を受光する、合同な長方形状の第3の入射端面および第4の入射端面と、該第3の入射端面および該第4の入射端面の各々に対応するさらに2本の受光ファイバーを含み、かつ、前記第3の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が負となるように構成され、前記第4の入射端面は前記出射端面から離れる方向に面積の変化率が正となるように構成されており、
前記少なくとも1つの受光素子は、4本の受光ファイバーの各々に対応して設けられた4つの受光素子であって、前記第1の入射端面に対応する第1の受光素子、前記第2の入射端面に対応する第2の受光素子、前記第3の入射端面に対応する第3の受光素子、および前記第4の入射端面に対応する第4の受光素子であり、
前記演算回路は、前記第1の受光素子および前記第3の受光素子が検出した受光量を加算して第1の加算値を取得し、前記第2の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第2の加算値を取得し、該第1の加算値と該第2の加算値を除算して、予め設定された前記測定対象物の変位量と除算値との反比例関係に基づいて、前記測定対象物の位置の変位を測定する、請求項7に記載の光ファイバー式変位センサー。 - 前記受光ファイバー束の開口数は、前記投光ファイバー束の開口数よりも大きい、請求項1〜9のいずれかに記載の光ファイバー式変位センサー。
- 円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する変位制御装置であって、
請求項3に記載の光ファイバー式変位センサーと、
前記光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路と
を備え、
光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の加算値に基づいて、前記出射端面および入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定し、かつ、前記2つの受光素子が検出した前記受光量の大小に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する、変位制御装置。 - 円筒形状の測定対称物の軸位置を制御する変位制御装置であって、
請求項9に記載の光ファイバー式変位センサーと、
前記光ファイバー式変位センサーによる前記軸位置の変位の測定結果に基づいて、前記軸位置を所望の位置に移動する制御回路と
を備え、
光ファイバー式変位センサーの前記演算回路は、前記第1の加算値と前記第2の加算値を除算した除算値に基づいて、前記出射端面および前記入射端面に対して垂直な方向の前記軸位置の変位を測定し、かつ、前記第1の受光素子および前記第2の受光素子が検出した受光量を加算して第3の加算値を取得し、前記第3の受光素子および前記第4の受光素子が検出した受光量を加算して第4の加算値を取得して、前記第3の加算値および前記第4の加算値に基づいて前記出射端面および入射端面に対して平行な方向の前記軸位置の変位を測定する、変位制御装置。
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JP2003014637A JP2004226250A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 光ファイバー式変位センサーおよびそれを用いた変位制御装置 |
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JP2003014637A JP2004226250A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 光ファイバー式変位センサーおよびそれを用いた変位制御装置 |
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WO2015125385A1 (ja) * | 2014-02-24 | 2015-08-27 | 株式会社新川 | 半導体ダイのピックアップ装置及びピックアップ方法 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003014637A patent/JP2004226250A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2015125385A1 (ja) * | 2014-02-24 | 2015-08-27 | 株式会社新川 | 半導体ダイのピックアップ装置及びピックアップ方法 |
JP2015173250A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-10-01 | 株式会社新川 | 半導体ダイのピックアップ装置及びピックアップ方法 |
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