JP2004224331A - 支持体および空気入りランフラットタイヤ - Google Patents

支持体および空気入りランフラットタイヤ Download PDF

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JP2004224331A JP2003203848A JP2003203848A JP2004224331A JP 2004224331 A JP2004224331 A JP 2004224331A JP 2003203848 A JP2003203848 A JP 2003203848A JP 2003203848 A JP2003203848 A JP 2003203848A JP 2004224331 A JP2004224331 A JP 2004224331A
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Kazuma Nakazawa
一真 中澤
Daisuke Sugio
大輔 杉生
Fumitaka Ino
文隆 井野
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Abstract

【課題】加硫接着のための多種類の金型を省略することができる支持体および空気入りランフラットタイヤを得る。
【解決手段】リム12に装着される環状の脚部28には、周方向に沿って環状のスリーブ32が埋め込まれ、ボルト34の一端が固定される。ボルト34の他端は、フランジ部30Dを貫通しており、タイヤ径方向外側でナット36に螺合されるので、支持部26のフランジ部30Dは、脚部28に固定される。脚部28と支持部26とを加硫接着せずにボルト34とナット36とにより固定することで、脚部28と支持部26とを別々に製造でき、脚部28の共用部品化が可能となる。この支持体16が配設された空気入りランフラットタイヤ10を自動車に装着して走行させると、空気入りタイヤ14の内圧低下時に支持体16が支持部26の凸部30Aで荷重を支持し、ランフラット走行が可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤがパンクした場合、その状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設される支持体および空気入りランフラットタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤでランフラット走行が可能、即ち、パンクしてタイヤ内圧が0kg/cmになっても、ある程度の距離を安心して走行が可能なタイヤ(以後、ランフラットタイヤと呼ぶ。)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、中子(支持体)を取り付けた中子タイプのランフラットタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図14に示すように、この中子(支持体)100には、金属、合成樹脂製からなる環状の支持部102と支持部102の端部と一体化されたゴム等の弾性体からなる脚部104とで構成されるものがある。この脚部104が取り付けられることで、ランフラットタイヤは走行時の走行を安定させることができるとともに、中子(支持体)100をリムへ組み付ける作業やリムから取り外す作業が容易になる。ここで、従来の中子(支持体)100は、耐久性確保のために脚部104を加硫接着で支持部102に取り付けていた。
【0004】
ところで、自動車業界では、様々な形状のホイールやタイヤが製造されている。これに対応して中子(支持体)100も多種類を準備しなくてはならないので、中子(支持体)100の金型や加工設備も多くの種類を揃えなくてはならない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−297226号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮して、加硫接着のための多種類の金型を省略することができる支持体および空気入りランフラットタイヤを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載する本発明の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され、ランフラット走行時に荷重を受ける支持部の両端に各々脚部が取り付けられる支持体であって、複数部分に分割して製作され、これらの複数部分を互いに連結する連結手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載する本発明の支持体によれば、支持部がランフラット走行時に荷重を受け、その両端には各々脚部が取り付けられている。これら支持部および一対の脚部は、複数部分に分割して製作され、連結手段がこれらの複数部分を互いに連結する。このように、複数部分に分割して製作したうえで連結手段が連結することで、加硫接着のための多種類の金型を省略することができる。
【0009】
請求項2に記載する本発明の支持体は、請求項1記載の構成において、前記連結手段が前記支持部と前記脚部とを連結する、又は、複数に分割された前記支持部を互いに連結することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載する本発明の支持体によれば、連結手段は、支持部と脚部との連結、および、複数に分割された支持部の互いの連結の少なくとも1つの連結をする。支持部と脚部とを後から連結することで、支持部と脚部とを別々に製作できる。例えば、請求項3に記載する本発明の支持体は、これに対応させることができる。また、複数に分割された支持部を互いに連結する例としては、例えば、分割された支持部の一方をインサート成形した脚部が支持体の製作に用いられるときに、分割された支持部の一方と分割された支持部の他方とを連結させる場合があり、これにより、支持体を製作することができる。例えば、請求項9に記載する本発明の支持体は、これに対応させることができる。これらのような連結をすることで、加硫接着のための多種類の金型を省略することができる。
【0011】
請求項3に記載する本発明の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され、タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備えるとともに前記接触部のタイヤ径方向内側の部分に基部を備えて前記接触部でランフラット走行時に荷重を受ける環状の支持部と、タイヤリムに装着される環状の弾性体を備え、前記支持部とは別体とされる脚部と、前記基部を前記脚部に固定する固定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載する本発明の支持体によれば、環状の脚部が、タイヤリムに装着されている。固定手段によって基部が脚部に固定されている。この支持体が配設された空気入りタイヤを自動車に装着して走行させると、空気入りタイヤの内圧低下時にタイヤ空気室内に配設された支持体が支持部の接触部で荷重を受けることによって、ランフラット走行が可能となる。このように、脚部と支持部とを加硫接着せずに固定手段によって固定することで、脚部と支持部とを別々に製造することができ、脚部の共用部品化が可能となる。
【0013】
請求項4に記載する本発明の支持体は、請求項3記載の構成において、前記脚部へ取り付けられ、前記脚部の周方向に沿って設けられる環状の高剛性部材と、前記高剛性部材と前記基部とを固定する金属固定手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載する本発明の支持体によれば、脚部には、脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、金属固定手段が高剛性部材と基部とを固定する。ここで、高剛性部材とは、金属製や硬質樹脂製などの高い剛性を備えた部材(例えば、金具など)をいい、金属固定手段とは、高剛性部材と基部とを金属を介して固定する手段であり、ボルト、リベット等のほかに溶接も含む。脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材を設け、この高剛性部材と基部とを金属固定手段が固定するので、支持部と脚部との固定が確実になる。
【0015】
請求項5に記載する本発明の支持体は、請求項3又は請求項4に記載の構成において、前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、前記固定手段が、一端が前記高剛性部材に固定され、他端が前記基部を貫通する固定ボルトと、前記基部のタイヤ径方向外側で固定ボルトへ螺合し、前記基部を前記脚部に固定するナットと、を有することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載する本発明の支持体によれば、脚部には、脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、固定ボルトの一端が固定されている。固定ボルトの他端は、基部を貫通しており、タイヤ径方向外側でナットに螺合されている。これにより、支持部の基部は、脚部に固定される。このように、単に脚部にボルトを取り付けるのではなく、脚部の周方向に沿った環状の高剛性部材を設けてこの高剛性部材に固定ボルトを固定させることで、支持部と脚部との固定が確実になる。
【0017】
請求項6に記載する本発明の支持体は、請求項3又は請求項4に記載の構成において、前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、前記固定手段が、一端が前記高剛性部材に固定され、他端が前記基部を貫通して前記基部のタイヤ径方向外側でつぶされ、前記基部を前記脚部に固定するリベットを有することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載する本発明の支持体によれば、脚部には、脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、リベットの一端が固定されている。リベットの他端は、基部を貫通しており、タイヤ径方向外側でつぶされている。これにより、支持部の基部は、脚部に固定される。このように、単に脚部にリベットを取り付けるのではなく、脚部の周方向に沿った環状の高剛性部材を設けてこの高剛性部材にリベットを固定させることで、支持部と脚部との固定が確実になる。
【0019】
請求項7に記載する本発明の支持体は、請求項5又は請求項6に記載の構成において、前記固定ボルトの引っ張り強度及び前記リベットの引っ張り強度が7000N〜70000Nであることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載する本発明の支持体によれば、固定ボルトの引っ張り強度及びリベットの引っ張り強度は7000N〜70000Nとなっている。このように、これらの引っ張り強度について、7000N未満とせずに7000N以上とすることで、固定ボルトやリベットの軸部分の十分な強度を確保できる。また、これらの引っ張り強度について、70000Nを超えずに70000N以下とすることで、固定ボルトやリベットの軸部分の太さを制限できるので、基部の貫通孔の径が大きくなることも制限でき、基部の十分な強度を確保できる。
【0021】
請求項8に記載する本発明の支持体は、請求項3から7のうちいずれか一項に記載の構成において、前記固定手段が前記支持部の周方向に間隔をおいて配設され、隣接する前記固定手段はタイヤ軸を中心としてタイヤ周方向に3度以上45度以下の角度であることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載する本発明の支持体によれば、固定手段は、支持部の周方向に間隔をおいて配設され、隣接する固定手段はタイヤ軸を中心としてタイヤ周方向に3度以上45度以下の角度となっている。このように、角度を3度未満とせずに3度以上とすることで、基部に設ける貫通孔同士が近い位置になるのを制限でき、貫通孔の過多を抑えて基部の十分な強度を確保できる。また、角度が45度を超えずに45度以下とされることで、固定手段の1点にかかる力を分散することができ、固定手段の強度を確保することができる。
【0023】
請求項9に記載する本発明の支持体は、請求項3又は請求項4に記載の構成において、前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が挿通孔を備えて取り付けられ、前記固定手段が、前記基部のタイヤ径方向外側から前記基部を貫通して前記挿通孔へ螺合する取付ボルトを有することを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載する本発明の支持体によれば、脚部には、脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられている。取付ボルトが、基部のタイヤ径方向外側から基部を貫通して高剛性部材の挿通孔へ螺合する。これにより、支持部の基部は、脚部に固定される。このように、基部と脚部とを単にボルトで取り付けるのではなく、脚部の周方向に沿った環状の高剛性部材を設けてこの高剛性部材の挿通孔に取付ボルトを螺合させることで、支持部と脚部との固定が確実になる。
【0025】
請求項10に記載する本発明の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され、ランフラット走行時に荷重を受ける環状の支持部と、タイヤリムに装着される環状の弾性体を備え、前記支持部とは別体とされる高剛性部材がインサート成形された脚部と、前記高剛性部材と前記支持部の両端側とを固定する固定手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載する本発明の支持体によれば、脚部は、高剛性部材がインサート成形されている。ここで、高剛性部材とは、金属製や硬質樹脂製などの高い剛性を備えた部材(例えば、金具など)をいう。この高剛性部材と支持部の両端側とを固定手段が固定する。高剛性部材と支持部の両側とを固定することで、支持体を形成する。結果として、加硫接着のための多種類の金型を省略することができる。また、脚部を通常のプレス金型で加硫成形でき、脚部の共用部品化が可能となる。
【0027】
請求項11に記載する本発明の支持体は、請求項10記載の構成において、タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備えて前記接触部でランフラット走行時に荷重を受ける前記支持部と、前記脚部の周方向に沿って環状に設けられる前記高剛性部材と、前記高剛性部材と前記支持部の両端側とを固定する金属固定手段と、
を有することを特徴とする。
【0028】
請求項11に記載する本発明の支持体によれば、ランフラット走行時に環状の支持部が接触部で荷重を受ける。脚部には、環状の高剛性部材が取り付けられ、金属固定手段が高剛性部材と支持部の両端側とを固定する。ここで、金属固定手段とは、高剛性部材と支持部の両側とを金属を介して固定する手段であり、ボルト、リベット等のほかに溶接も含む。これにより、脚部を通常のプレス金型で加硫成形でき、脚部の共用部品化が可能となる。また、脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材を設け、この高剛性部材と支持部の両端側とを金属固定手段が固定するので、支持部と脚部との固定が確実になる。
【0029】
請求項12に記載する本発明の支持体は、請求項10記載の構成において、前記脚部の周方向に沿って設けられ、タイヤ径方向外側へ突出した突出部を備え、ランフラット走行時に前記支持部と共に前記突出部で荷重を受ける前記高剛性部材と、前記高剛性部材の先端側と前記支持部の両端側とを固定する金属固定手段と、を有することを特徴とする。
【0030】
請求項12に記載する本発明の支持体によれば、ランフラット走行時に支持部の接触部と脚部に取り付けられた高剛性部材の突出部とで荷重を受ける。支持部の両端側と高剛性部材の先端側とは金属固定手段で固定される。ここで、金属固定手段とは、高剛性部材と支持部の両側とを金属を介して固定する手段であり、ボルト、リベット等のほかに溶接も含む。これにより、脚部の共用部品化が可能となる。
【0031】
請求項13に記載する本発明の空気入りランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を備えるタイヤと、前記タイヤを装着するタイヤサイズ装着用のリムと、前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤとともにリムに組み付けられる請求項1から12のうちいずれか一項に記載の支持体と、を有することを特徴とする。
【0032】
請求項13に記載する本発明の空気入りランフラットタイヤによれば、空気入りタイヤの内圧低下時には、空気入りタイヤの内部に配設された支持体がサイドゴム層に代わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。
【0033】
ところで、安定したランフラット走行をするためには、弾性体からなる脚部が必要となる。ここで、従来のように、この脚部を加硫接着で支持部に取り付けるのでは、このための金型が必要となる。この点につき、本発明によれば、支持部と脚部とを別々に製造した後に固定手段で固定する構成を採るため、金型を省略することができる空気入りランフラットタイヤを提供することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明における支持体および空気入りランフラットタイヤの第1の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、ランフラットタイヤ10とは、図1に示すように、一般的なホイルリム12に空気入りタイヤ14と支持体16を組み付けたものをいう。
【0035】
空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、図2に示す断面形状のものがタイヤ回転軸を中心にリング状に形成されたものであり、支持部26を備えている。支持部26は、1枚の高剛性のプレート(例えば、金属板)から成形され、径方向外側に凸となる接触部としての凸部30Aと、その間に形成された径方向内側に凸となる凹部30B、さらには凸部30Aの幅方向外側(凹部30Bと反対側)に荷重を支持するサイド部30Cが一体的に形成されている。サイド部30Cの径方向内側の部分(リム側部分)には略タイヤ回転軸方向に延在する筒状からなる基部としてのフランジ部30Dが形成されている。
【0036】
フランジ部30Dの径方向内側には、脚部28が当接している。脚部28は、ゴム等の柔軟材である弾性体からなり、図3にも示されるように、長手方向がリング状とされ、軸方向に直交する断面形状は、図1及び図2に示すように、略矩形となっている。この脚部28は、図1に示すように、支持部26の両側に設けられ、支持体16のリム組み付け時に空気入りタイヤ14の内側でリム12の外周にゴム弾性を利用して圧入等により組み付けられる。脚部28の内部には、板状の高剛性部材としての金具のスリーブ32が埋設されている。スリーブ32は、図3に示すように、脚部28の周方向に沿って環状に埋め込まれている。スリーブ32には、径方向内側から外側へボルト34が貫通している。ボルト34の頭部34Aは、スリーブ32へ溶接等で固定しても良い。このスリーブ32とボルト34とは、脚部28を製造する際に、モールドにセットしてインサート成形される。
【0037】
ボルト34の先端部34C(頭部34Aの反対側)は、脚部28の外側へ突出している。このボルト34の突出部分に対応して、図2に示すように、支持部26のフランジ部30Dには、ボルト貫通孔30Eが形成されている。このボルト貫通孔30Eをボルト34が貫通するようになっている。ボルト34の先端部34Cは、ボルト貫通孔30Eから突出しており、ナット36が締め付けられている。これにより支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。
【0038】
ここで、このボルト34の引っ張り強度は、7000N〜70000N程度となるようにするのが良く、好ましくは、9000N〜40000N程度とするのが良く、さらに好ましくは11000N〜25000N程度とするのが良い。ボルト34の引っ張り強度は、ボルト34の材質そのものが有する単位面積あたりの引っ張り強度とボルト34の太さで決まる。すなわち、ボルト34の材質そのものが有する単位面積あたりの引っ張り強度とボルト34の断面積とを掛けて一定の値以上であることが求められるので、ボルト34に単位面積あたりの引っ張り強度の強い材質を使用する場合には、ボルト34の太さはある程度細くても良く、単位面積あたりの引っ張り強度の弱い材質を使用する場合には、ボルト34の太さはある程度太くする必要がある。
【0039】
一方、スリーブ32には、ボルト34が抜けない程度のせん断強度が必要である。スリーブ32から支持部26のフランジ部30Dまでの距離Lは、2mm以上20mm以下程度とするのが良い。2mm未満では、脚部28とスリーブ32との固定強度が弱くなるためであり、20mmを超えるとスリーブ32を支点としたテコの作用により、ボルト34に加わる力が大きくなり、ボルト34が壊れやすくなるためである。
【0040】
また、図3に示すように、隣接するボルト34は、タイヤ軸Oを中心としたタイヤ周方向の角度θが3度以上45度以下程度であるのが良く、好ましくは、5度以上30度以下程度とするのが良く、さらに好ましくは8度以上15度以下程度とするのが良い。ここで、3度以上45度以下としたのは、角度θが3度未満では、フランジ部30Dにボルト貫通孔30Eを多く形成しなければならず、フランジ部30Dの強度が低下してしまうからであり、角度θが45度を超えると、ボルト34の1点にかかる力が大きくなり、破壊されやすくなるためである。
【0041】
図1に示すように、支持体16を組み付けるリム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。この実施形態における空気入りタイヤ14は、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24と、カーカス20のタイヤ軸方向外側をゴム層により覆って構成したタイヤサイド部25と、を備える。一般的なタイヤ形状であるが、本発明は各種のタイヤ形状に適用できる。
【0042】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0043】
図1に示すように、ランフラットタイヤ10では、空気入りタイヤ14の内圧が低下した場合、空気入りタイヤ14のトレッド部24を支持体16の支持部26の凸部30Aが支持してランフラット走行を可能とする。安定したランフラット走行をするためには、弾性体からなる脚部28が必要となり、この脚部28は、リム12に装着されている。図2に示すように、脚部28と支持部26のフランジ部30D表面とは、当接しており、ボルト34とナット36とによってフランジ部30Dが脚部28に固定されている。このように、脚部28と支持部26とを加硫接着せずにボルト34とナット36とによって固定することで、脚部28と支持部26とを互いに加硫接着する金型が不要となる。また、脚部28と支持部26とを別々に製造することを前提にすることで、脚部28を共用の部品にすることができ、サイズ展開が容易になる。
【0044】
図3に示すように、脚部28には、脚部28の周方向に沿って環状のスリーブ32が埋め込まれ、ボルト34の一端が固定されている。ボルト34の他端は、フランジ部30Dを貫通しており、タイヤ径方向外側でナット36に螺合されている。これにより、図2に示すように、支持部26のフランジ部30Dは、脚部28に固定される。このように、単に脚部28にボルト34を取り付けるのではなく、脚部28の周方向に沿った環状のスリーブ32を設けてこのスリーブ32にボルト34を固定させることで、ボルト34と脚部28との十分な取付強度を確保できる。
【0045】
次に、図4及び図5に基づいて、第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほぼ同様の構成であるが、図4に示すように、リベット38で支持部26を脚部29に固定する点が異なる。
【0046】
脚部29の内部にあるスリーブ32には、リベット38の一端(頭部38A)が固定されている。このリベット38の軸部38Bは、タイヤ径方向内側からスリーブ32を貫通している。このスリーブ32とリベット38とは、脚部29を製造する際に、モールドにセットしてインサート成形される。
【0047】
リベット38の先端部38C(頭部38Aの反対側)は、脚部29の外側へ突出している。このリベット38の突出部分に対応して、支持部26の基部としてのフランジ部30Dには、リベット貫通孔30Fが形成されてリベット38が貫通するようになっている。リベット38の先端部38Cは、リベット貫通孔30Fから突出しており、打ち付けられてつぶされる。これにより支持部26は、脚部29に固定され、支持部26と脚部29とが一体となることで、支持体16を形成する。なお、リベット頭部38Aはスリーブ32へ溶接等により固定していることで、リベット先端部38Cをつぶす場合の反力支持が確実になる。
【0048】
ここで、このリベット38の引っ張り強度及び配設位置(図5参照)は、第1の実施の形態のボルト34(図3参照)と同様である。また、スリーブ32のせん断強度及び配設位置は、第1の実施の形態の場合と同様である。
(試験例1)
上記第1、第2の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係るランフラットタイヤ(以下、単に試験例1という)と比較例に係るランフラットタイヤ(以下、単に比較例という)の比較試験を行った。
【0049】
試験例1は、ボルト・リベット止めで支持部を脚部に固定した。具体的には、使用するボルトは、11T、M5(引張強度は15000N)のものであり、支持部の周方向に配設されて隣接するボルトは、タイヤ軸を中心としてタイヤ周方向に20度の角度となっている。ボルトとボルトとの間には、ボルトと同程度の引っ張り強度を持つリベットを打っている。
【0050】
一方、比較例は、加硫接着で支持部に脚部を取り付け、供試体を得た。脚部の固定強度は、ボルト止めの強度と同等である。
【0051】
110km/hでタイヤの内圧を抜いた状態にて実車走行試験を実施した結果、試験例1も比較例もともに故障せずに良好にランフラット走行をした。
【0052】
次に、第3の実施形態を図6、図7に基づき説明する。第1、第2の実施形態では、金具全体が脚部の内部に埋め込まれ、これと支持部の両端側とが固定手段で固定されている場合について説明したが、第3の実施形態は、高剛性部材としての金具の一部が脚部から突き出し、突き出した金具と支持部の両端側とが固定手段で固定される場合の形態である。なお、第3の実施形態の構成は、他の構成については、第1、第2の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
図6(a)に示すように、支持部26は、径方向外側に凸となる接触部としての凸部30Aと、その間に形成された径方向内側に凸となる凹部30B、さらには凸部30Aの幅方向外側(凹部30Bと反対側)に荷重を支持するサイド部30Cが一体的に形成されている。サイド部30Cには、サイド孔部40が形成されている。サイド部30Cと重なるように、脚部28からは、高剛性部材としてのインサートリング33の一部が突き出して断面視にて略L字状となっている。インサートリング33の先端側には、貫通孔部42が形成されている。
【0054】
このサイド孔部40と貫通孔部42とをボルト34が貫通している。ボルト34の先端部34C(頭部34Aの反対側)は、貫通孔部42から突出しており、ナット36が締め付けられている。これにより、支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。
【0055】
このような構成によれば、図7に示すように、製造時に通常のプレス金型39でインサートリング33をインサート成形できるため生産効率が向上し、加硫接着での多種類の金型を省略することができる。また、支持部26(図6(a)参照)と脚部28との組み合わせを変えることで種々のサイズに対応できる。
【0056】
なお、ボルト34、ナット36を用いる代わりに、図6(b)に示すように、リベット38を用いても良い。この場合、リベット38の軸部38Bは、サイド孔部40と貫通孔部42とを貫通し、リベット38の先端部38C(頭部38Aの反対側)が貫通孔部42から突出しており、この先端部38Cが打ち付けられてつぶされる。これにより、支持部26は、脚部28に固定される。
【0057】
次に、第4の実施形態を図8に基づき説明する。第3の実施形態では、脚部から突き出したインサートリングの一部と支持部のサイド部とが固定手段で固定される場合について説明したが、第4の実施形態は、インサートリングがさらに延びてタイヤ径方向外側へ突出した突出部を備えており、その先端部と支持部の両端側とが固定手段で固定される場合の形態である。なお、第4の実施形態の構成は、他の構成については、第1〜第3の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
図8(a)に示すように、支持部26は、空気入りタイヤの内部に配設され、タイヤ径方向外側へ向けて形成された延出部30Gを備えている。支持部26の両端側には、サイド孔部40が形成されている。
【0059】
脚部28からは、インサートリング33の一部が突き出しており、突き出し部分がタイヤ径方向外側へ突出して湾曲した突出部44とされている。インサートリング33にて、突出部44よりさらに先端側には、貫通孔部42が形成されている。
【0060】
突出部44の先端側は、支持部26の両端側と重ね合わされるようになっており、サイド孔部40と貫通孔部42とをボルト34が貫通している。ボルト34の先端部34C(頭部34Aの反対側)は、貫通孔部42から突出しており、ナット36が締め付けられている。これにより、支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。このような構成によれば、加硫接着での多種類の金型を省略することができる。
【0061】
なお、ボルト34、ナット36を用いる代わりに、図8(b)に示すように、リベット38を用いても良い。この場合、リベット38の軸部38Bは、サイド孔部40と貫通孔部42とを貫通し、リベット38の先端部38C(頭部38Aの反対側)が貫通孔部42から突出しており、この先端部38Cが打ち付けられてつぶされる。これにより、支持部26は、脚部28に固定される。
【0062】
次に、第5の実施形態を図9に基づき説明する。第1、第2の実施形態では、板状の金具が脚部の内部に埋め込まれ、これと支持部の両端側とが固定手段で固定されている場合について説明したが、第5の実施形態は、高剛性部材としての金具が、脚部内に埋め込まれると共に脚部外に向かって開口し、これに支持部の両端側が挿入されて固定手段で固定される場合の形態である。なお、第5の実施形態の構成は、他の構成については、第1、第2の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
図9(a)に示すように、脚部28内には、高剛性部材としてのインサート金具35が埋め込まれている。インサート金具35は、脚部28を製造する際にモールドにセットしてインサート成形されており、脚部28からタイヤ幅方向内側に向かって開口し、断面視にて略コ字状とされている。インサート金具35にて対向する板部35A、35Bには、一対とされる貫通孔部42が形成されている。
【0064】
脚部28にて、貫通孔部42の上方には、貫通孔部42に対応して固定用孔部46が形成されている。また、インサート金具35には、支持部26のフランジ部30Dが挿入されており、フランジ部30Dには、貫通孔部42に対応してボルト貫通孔30Eが形成されている。
【0065】
図9(b)に示すように、固定用孔部46と、貫通孔部42と、ボルト貫通孔30Eとをボルト34が貫通し、螺合して締め付けるようになっている。これにより、支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。
【0066】
このような構成によれば、加硫接着での多種類の金型を省略することができ、固定も容易である。
【0067】
なお、ボルト34を用いる代わりに、図9(c)に示すように、リベット38を用いても良い。この場合、リベット38は、ブラインドリベットを用いて脚部28内に配置される。リベット38の軸部38Bは、固定用孔部46と、貫通孔部42と、リベット貫通孔30Fとを貫通し、リベット38を打つことで支持部26は、脚部28に固定される。
【0068】
次に、第6の実施形態を図10、図11に基づき説明する。第5の実施形態では、インサート金具が、脚部内に埋め込まれると共に脚部外に向かって開口し、これに支持部の両端側が挿入されて固定手段で固定される場合について説明したが、第6の実施形態は、インサート金具の一部が脚部から突き出して開口しており、これに支持部の両端側が挿入されて固定手段で固定される場合の形態である。なお、第6の実施形態の構成は、他の構成については、第5の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
図10(a)に示すように、脚部28内には、高剛性部材としてのインサート金具35がインサート成形されており、その一部が脚部28から突き出している。インサート金具35の外形は、断面視にて略L字状とされ、その凹部35Cも断面視にて略L字状とされている。脚部28より突き出した先端側には、一対とされる貫通孔部42が形成されている。
【0070】
この環状のインサート金具35は、周上において1箇所以上切断され、図11に示すように、環状の支持部26も1箇所切断されており、インサート金具35の切断箇所を入口として支持部26をその切断端部26Aより順に通すことで、支持部26をインサート金具35に係合させることができる。なお、本実施形態では、環状の支持部26の1箇所を切断しているが、2箇所以上を切断しても良い。
【0071】
図10(a)に示すように、支持部26には、貫通孔部42に対応してサイド孔部40が形成されている。この貫通孔部42と、サイド孔部40とをボルト34が貫通している。ボルト34の先端部34C(頭部34Aの反対側)は、貫通孔部42から突出しており、ナット36が締め付けられている。これにより、支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。
【0072】
このような構成によれば、加硫接着での多種類の金型を省略することができる。また、支持部26の両端側とインサート金具35との係合面積が大きくなるので、支持部26と脚部28との強固な取り付けも可能となる。
【0073】
なお、ボルト34を用いる代わりに、図10(b)に示すように、リベット38を用いても良い。この場合、リベット38の軸部38Bは、貫通孔部42と、サイド孔部40とを貫通し、リベット38の先端部38Cが打ち付けられてつぶされる。これにより、支持部26は、脚部28に固定される。
【0074】
次に、第7の実施形態を図12、図13に基づき説明する。第1の実施形態では、脚部内の金具を貫通するボルトが、脚部より突出したボルト先端部でナットに締め付けられることで、支持部が脚部に固定される場合について説明したが、第7の実施形態は、脚部内の金具に挿通孔を形成すると共に、この挿通孔に連通するボルト穴を脚部に形成し、支持部を貫通したボルトがボルト穴に挿通されて金具の挿通孔へ螺合されることで、支持部のフランジ部が脚部に固定される態様である。なお、第7の実施形態の構成は、支持部を貫通したボルトが、脚部のボルト穴および金具の挿通孔へ螺合される点が特徴であり、他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
図12には、金具のスリーブ32が埋め込まれた脚部28の断面図が示されている。図12に示すように、スリーブ32には、挿通孔32Aが形成されており、スリーブ32全体が脚部28中に埋め込まれている。脚部28におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の左端と、スリーブ32におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の左端との間の寸法M1は、1.0mm以上であることが好ましく、脚部28におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の右端と、スリーブ32におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の右端との間の寸法M2も、1.0mm以上であることが好ましい。また、スリーブ32におけるタイヤ径方向外側から脚部28のタイヤ径方向外側までの寸法M3は、0.5mm以上であることが好ましい。寸法M1、M2を1.0mm以上とし、寸法M3を0.5mm以上とすることで、脚部28やスリーブ32に特別の材料を使用しなくても、支持部26に脚部28を固定する際やランフラット走行時にスリーブ32を脚部28内に保持することができる。ここで、スリーブ32と脚部28とは、接着剤により接着されていることが好ましいが、接着剤により接着されていなくてもよい。
【0076】
また、このスリーブ32の周全体(図3参照)での引っ張り強度F1は、3920N(400kgf)≦F1≦23520N(2400kgf)となるようにするのが良く、好ましくは、7840N(800kgf)≦F1≦15680N(1600kgf)とするのが良い。ここで、スリーブ32の引っ張り強度F1は、スリーブ32の材質そのものが有する単位面積あたりの引っ張り強度とスリーブ32の断面積(図12にてスリーブ32に挿通孔32Aが形成されていない場合には、(S1×S2)の値)とを掛けた値であり、この値が上記値の範囲内となるのが良い。引っ張り強度F1を3920N以上とすることで、支持部26に脚部28を固定する際にスリーブ32が変形しにくくなり、引っ張り強度F1を23520N以下とすることで、挿通孔32Aの形成が比較的容易になる。
【0077】
スリーブ32の挿通孔32Aは、スリーブ32の幅方向(矢印W方向)に対して断面視にて垂直に形成されており、挿通孔32Aの内壁には、ネジ溝が形成されている。この挿通孔32Aに連通して脚部28にはボルト穴48が形成されている。ボルト穴48は、脚部28の加硫成形時にネジを切った形状に成形されており、タイヤ径方向外側に向かって開口している。なお、ボルト穴48には、ネジが切られていることが好ましいが、ネジが切られていなくてもよい。
【0078】
図13には、脚部28に支持部26が固定された状態が示されている。図13に示すように、支持部26のフランジ部30Dには、ボルト貫通孔30Eが形成され、ボルト貫通孔30Eをフランジ部30Dのタイヤ径方向外側から取付ボルト50が貫通する。取付ボルト50の軸部50Aは、ボルト穴48および挿通孔32Aに挿入されて螺合している。これにより支持部26は、脚部28に固定され、支持部26と脚部28とが一体となることで、支持体16を形成する。
【0079】
リング状の脚部28(図3参照)に挿入される取付ボルト50において、周上の合計の軸力(軸方向荷重)F2は、F2=(取付ボルト50の1本の軸力)×(周上の本数)で規定される。この軸力F2は、タイヤ幅方向の両側に設けられた脚部28の片側ずつそれぞれについて働く力であり、29400N(3tf)≦F2≦147000N(15tf)となるようにするのが良く、好ましくは、49000N(5tf)≦F2≦147000N(15tf)とするのが良く、さらに好ましくは、78400N(8tf)≦F2≦147000N(15tf)とするのが良い。29400N(3tf)≦F2とすることで、長距離のランフラット走行がされる場合でも、支持部26の脚部28への固定が保持される。
【0080】
脚部28の1周(図3参照)当りに挿入される取付ボルト50の本数Xは、4本≦X≦120本となるようにするのが良く、好ましくは、12本≦X≦70本とするのが良く、さらに好ましくは、24本≦X≦60本とするのが良い。4本以上の取付ボルト50でボルト穴48および挿通孔32Aへ螺合して脚部28の周上における固定箇所の間隔を小さくすることで、取付ボルト50の1本にかかる荷重を小さくし、ランフラット走行時に脚部28が無用な変形をするのを抑えることができる。また、取付ボルト50を120本以下とすることで、製作にかかる工数を一定以下にできるとともに、スリーブ32の引っ張り強度への影響も一定以下に抑えることができる。
【0081】
1本の取付ボルト50における軸力は、1周当りに挿入される取付ボルト50の本数Xとのバランスにより決まるが、各取付ボルト50は、入手が容易な点やスリーブ32の引っ張り強度F1が高い点を考慮すれば、引っ張り強度が高いものが好ましい。ここで、スリーブ32の挿通孔32Aは、この取付ボルト50に合わせて形成されるが、挿通孔32Aの周囲には、せん断強度を補強するために、カラーを配置しても良い。
(試験例2)
上記第7の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係るランフラットタイヤ(以下、単に試験例2という)のランフラット走行試験を行った。
【0082】
試験例2は、第7の実施形態と同様にボルトで支持部を脚部に固定した。具体的には、使用するボルトは、11Tの強度でM5の呼び径のものであり、ボルトの本数は、32本とした。また、挿通孔32Aおよびボルト穴48に形成されたメスネジは、M50とした。試験例2の各寸法(図12参照)は以下の通りである。
スリーブ32の厚みS1…2.3mm
スリーブ32の幅S2…10.0mm
脚部28におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の左端と、スリーブ32におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の左端との間の寸法M1…5.0mm
脚部28におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の右端と、スリーブ32におけるタイヤ幅方向(矢印W方向)の右端との間の寸法M2…5.0mm
スリーブ32におけるタイヤ径方向外側から脚部28のタイヤ径方向外側までの寸法M3…5.0mm
このように形成された試験例2に係るランフラットタイヤを乗用車に装着して1個のタイヤを空気圧ゼロ状態として80km/hでランフラット走行したところ200kmを完走した。これより、試験例2では、支持部が脚部に強固に取り付けられ、200kmのランフラット走行が可能となることが確認された。
【0083】
なお、上記の第1の実施の形態では、金具全体が脚部の内部に埋め込まれ、これにボルトやリベットが固定されている構成としているが、本発明はこれに限定されず、例えば、脚部から突き出した金具にフランジ部を溶接しても良い。
【0084】
また、上記の第1の実施の形態では、脚部にボルト頭部を埋め込んで突出したボルト先端部側をナットで締める構成としているが、これとは逆に、脚部内にナットを配置して脚部外側からこのナットへボルトを螺合する構成としても良い。
【0085】
また、上記の実施の形態では、脚部28、29は、断面矩形状としてあるが、タイヤやリムの形状に合わせて各種の断面形状が適用できる。支持部26の接触部としての凸部30Aについても、2つに限られない。
【0086】
さらに、上記の実施の形態では、略タイヤ回転軸方向に延在するフランジ部を脚部に取り付けているが、フランジ部を径方向内側に延在して脚部のサイド部分に取り付ける構成としても良い。
【0087】
さらにまた、上記の実施の形態では、高剛性部材として、金属製の部材(金具)を例に挙げて具体的に説明したが、例えば、硬質樹脂製の部材などでも良くこれに限定されない。
【0088】
なお、ボルトの頭部とナットとの位置関係やリベットの頭部と先端部との位置関係は、上記の実施の形態に限定されず、上記実施形態の逆であっても良い。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の支持体および空気入りランフラットタイヤによれば、加硫接着のための多種類の金型を省略することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の端面図である(タイヤ回転軸Oに沿った端面のうち、上側部分のみを示す。)
【図2】本発明の第1の実施形態に係る支持体の端面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る脚部について、タイヤ軸に対して直角に切断した図2の3−3断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る支持体の端面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る脚部について、タイヤ軸に対して直角に切断した図4の5−5断面図である。
【図6】(a)本発明の第3の実施形態に係る支持体の端面図である。
(b)本発明の第3の実施形態に係る支持体にて、ボルトおよびナットの代わりにリベットを用いた場合の端面図である。
【図7】プレス金型でのインサート成形を示す端面図である。
【図8】(a)本発明の第4の実施形態に係る支持体の端面図である。
(b)本発明の第4の実施形態に係る支持体にて、ボルトおよびナットの代わりにリベットを用いた場合の端面図である。
【図9】(a)本発明の第5の実施形態に係る支持体の固定前の状態を示す端面図である。
(b)本発明の第5の実施形態に係る支持体の端面図である。
(c)本発明の第5の実施形態に係る支持体にて、ボルトおよびナットの代わりにリベットを用いた場合の端面図である。
【図10】(a)本発明の第6の実施形態に係る支持体の端面図である。
(b)本発明の第6の実施形態に係る支持体にて、ボルトおよびナットの代わりにリベットを用いた場合の端面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る支持体において、支持部をインサート金具に係合させる状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る支持体において、スリーブが埋め込まれた脚部を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る支持体において、脚部に支持部が固定された状態を示す断面図である。
【図14】従来の技術に係る支持体の断面図である。
【符号の説明】
10 ランフラットタイヤ
12 リム
14 空気入りタイヤ
16 支持体
20 カーカス
24 トレッド部
25 タイヤサイド部
26 支持部
28 脚部
29 脚部
30A 凸部(接触部)
30D フランジ部(基部)
32 スリーブ(高剛性部材)
32A 挿通孔
33 インサートリング(高剛性部材)
34 ボルト(固定ボルト(固定手段(連結手段)))
35 インサート金具(高剛性部材)
36 ナット(固定手段(連結手段))
38 リベット(固定手段(連結手段))
44 突出部
50 取付ボルト(固定手段(連結手段))

Claims (13)

  1. 空気入りタイヤの内部に配設され、ランフラット走行時に荷重を受ける支持部の両端に各々脚部が取り付けられる支持体であって、
    複数部分に分割して製作され、これらの複数部分を互いに連結する連結手段を有することを特徴とする支持体。
  2. 前記連結手段が前記支持部と前記脚部とを連結する、又は、複数に分割された前記支持部を互いに連結することを特徴とする請求項1記載の支持体。
  3. 空気入りタイヤの内部に配設され、タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備えるとともに前記接触部のタイヤ径方向内側の部分に基部を備えて前記接触部でランフラット走行時に荷重を受ける環状の支持部と、
    タイヤリムに装着される環状の弾性体を備え、前記支持部とは別体とされる脚部と、
    前記基部を前記脚部に固定する固定手段と、
    を有することを特徴とする支持体。
  4. 前記脚部へ取り付けられ、前記脚部の周方向に沿って設けられる環状の高剛性部材と、
    前記高剛性部材と前記基部とを固定する金属固定手段と、
    を有することを特徴とする請求項3記載の支持体。
  5. 前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、
    前記固定手段が、
    一端が前記高剛性部材に固定され、他端が前記基部を貫通する固定ボルトと、前記基部のタイヤ径方向外側で固定ボルトへ螺合し、前記基部を前記脚部に固定するナットと、
    を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の支持体。
  6. 前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が取り付けられ、
    前記固定手段が、
    一端が前記高剛性部材に固定され、他端が前記基部を貫通して前記基部のタイヤ径方向外側でつぶされ、前記基部を前記脚部に固定するリベットを有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の支持体。
  7. 前記固定ボルトの引っ張り強度及び前記リベットの引っ張り強度が7000N〜70000Nであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の支持体。
  8. 前記固定手段が前記支持部の周方向に間隔をおいて配設され、隣接する前記固定手段はタイヤ軸を中心としてタイヤ周方向に3度以上45度以下の角度であることを特徴とする請求項3から7のうちいずれか一項に記載の支持体。
  9. 前記脚部には、前記脚部の周方向に沿って環状の高剛性部材が挿通孔を備えて取り付けられ、
    前記固定手段が、前記基部のタイヤ径方向外側から前記基部を貫通して前記挿通孔へ螺合する取付ボルトを有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の支持体。
  10. 空気入りタイヤの内部に配設され、ランフラット走行時に荷重を受ける環状の支持部と、
    タイヤリムに装着される環状の弾性体を備え、前記支持部とは別体とされる高剛性部材がインサート成形された脚部と、
    前記高剛性部材と前記支持部の両端側とを固定する固定手段と、
    を有することを特徴とする支持体。
  11. タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備えて前記接触部でランフラット走行時に荷重を受ける前記支持部と、
    前記脚部の周方向に沿って環状に設けられる前記高剛性部材と、
    前記高剛性部材と前記支持部の両端側とを固定する金属固定手段と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の支持体。
  12. 前記脚部の周方向に沿って設けられ、タイヤ径方向外側へ突出した突出部を備え、ランフラット走行時に前記支持部と共に前記突出部で荷重を受ける前記高剛性部材と、
    前記高剛性部材の先端側と前記支持部の両端側とを固定する金属固定手段と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の支持体。
  13. 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を備えるタイヤと、
    前記タイヤを装着するタイヤサイズ装着用のリムと、
    前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤとともにリムに組み付けられる請求項1から12のうちいずれか一項に記載の支持体と、
    を有することを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。
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