JP2004224151A - 車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置 - Google Patents

車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置 Download PDF

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秀明 近松
Yukio Takahashi
幸雄 高橋
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Abstract

【課題】当て運転を回避することにより、乗り心地の向上し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供する。
【解決手段】地上装置1の送信部10は、制御信号S1を生成して出力する。制御信号S1は、現示情報と、速度予告情報と、ブレーキ開始点情報とを含むディジタル信号である。現示情報は、閉塞区間1Tに与えられるべき制限速度情報を含んでいる。速度予告情報は、閉塞区間1Tの前方に隣接する前方閉塞区間2Tにおける制限速度情報を含んでいる。ブレーキ開始点情報は、閉塞区間1Tと前方閉塞区間2Tとの閉塞境界において、車両速度を前方閉塞区間2Tの制限速度よりも小さくすべく、閉塞区間1T内において設定されるブレーキ開始点の情報を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両制御装置の代表的装置としては、ATC(Automatic Train Control)装置が広く知られている。例えば、特許文献1は、ATC装置を用いた車両制御装置を開示している。このATC装置は、車両が制限速度を超えると、ATCブレーキをかけて、車両の減速制御を行う。
【0003】
例えば、車両が走行している閉塞区間(以下、当該閉塞区間と称する)の制限速度が75km/hであれば、当該閉塞区間において、車両は速度75km/h以下の速度、例えば70km/hに保たれ、その走行速度で、当該閉塞区間から、その前方に隣接する前方閉塞区間に進出する。
【0004】
このとき、前方閉塞区間の制限速度が、例えば、55km/hであった場合、車両は、前方閉塞区間の制限速度を超えた速度で前方閉塞区間に進入することになる。このため、前方閉塞区間に進入した際、ATC装置は、ATCブレーキをかけて、車両の速度が55km/h以下になるように減速制御を行う。このように、前方閉塞区間の制限速度を超えた速度で、前方閉塞区間に進入する運転方法を、当て運転という。
【0005】
しかしながら、ATCブレーキをかけて車両を減速制御すると、車両が急減速し、乗り心地が損なわれるという問題が生じる。
【0006】
また、ATCブレーキが実行されることにより、車両が急減速し、車両の車輪とレールとの接触面(車輪踏面)が摩耗し、車輪のフラット化が生じる。このため、車輪のフラット化により、乗り心地の悪化、走行騒音レベルの増大等の問題が生じる。
【0007】
そこで、従来は、当該閉塞区間の制限速度が前方閉塞区間の制限速度よりも大きい場合、前方閉塞区間に進入する前に、運転士が、手動運転により、車両の速度が前方閉塞区間の制限速度以下となるように減速制御し、前方閉塞区間に進入する際、ATCブレーキがかからないように制御していた。このように、前方閉塞区間の制限速度を超えない速度で、前方閉塞区間に進入する運転方法を、くぐり抜け運転という。
【0008】
しかしながら、上述したような運転士による手動運転は、人間に頼った制御であるから、運転手の熟練度によって、乗り心地が左右されるという問題がある。
【0009】
また、熟練した運転士であっても、ブレーキをかけるタイミングを間違える場合がある。この場合、ブレーキをかけるタイミングが早ければ、必要以上に遅いスピードで当該閉塞区間を走行することになり、円滑な車両運行に支障をきたすおそれが生じる。また、ブレーキをかけるタイミングが遅ければ、前方閉塞区間に進入する際に、車両の速度が前方閉塞区間の制限速度以下にならず、ATCブレーキがかかってしまうことになる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−10402号公報 (第2−3頁、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、当て運転を回避することにより、乗り心地を向上し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの課題は、当て運転を回避することにより、車輪のフラット化を回避し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの課題は、人間に頼らない高信頼度のブレーキ制御の可能な車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することである。
【0014】
本発明の更にもう一つの課題は、ATO運転方式において、地上主体制御の拡張性の高いシステムを構築し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両制御装置用地上装置は、送信部を含む。前記送信部は、制御信号を生成して出力する。前記制御信号は、現示情報と、速度予告情報と、ブレーキ開始点情報とを含むディジタル信号である。前記現示情報は、一の閉塞区間に与えられるべき制限速度情報を含む。前記速度予告情報は、前記一の閉塞区間の前方に隣接する前方閉塞区間における制限速度情報を含む。前記ブレーキ開始点情報は、前記一の閉塞区間と前記前方閉塞区間との閉塞境界において、車両速度を前記前方閉塞区間の制限速度よりも小さくすべく、前記一の閉塞区間内において設定されるべきブレーキ開始点の情報を含む。
【0016】
本発明に係る地上装置は、車上装置と組み合わされて車両制御装置を構成する。車両制御装置において、本発明に係る地上装置は、車両走行路に沿って配置された信号伝送路に前記制御信号を供給する。
【0017】
一方、前記車上装置は、受信部と、ブレーキ制御部とを含む。前記受信部は、前記信号伝送路から前記制御信号を受信して解読し、前記ブレーキ開始点情報に基づいて、ブレーキ信号を出力する。前記ブレーキ制御部は、前記受信部から供給される前記ブレーキ信号に基づいてブレーキ制御を行う。
【0018】
ここで、地上装置の送信部から、車両走行路に沿って配置された信号伝送路に供給された制御信号には、現示情報が含まれている。現示情報は、一の閉塞区間(以下当該閉塞区間と称する)に与えられるべき制限速度情報を含むから、車上装置の受信部において、制御信号を解読し、制御信号に含まれる現示情報に基づき、当該閉塞区間内において、車両を、現示情報に応じた速度で走行させることができる。
【0019】
しかも、地上装置の送信部から、車両走行路に沿って配置された信号伝送路に供給された制御信号には、ブレーキ開始点情報が含まれている。このブレーキ開始点情報は、当該閉塞区間と前方閉塞区間との閉塞境界において、車両速度を前方閉塞区間の制限速度よりも小さくすべく、当該閉塞区間内において設定されるべきブレーキ開始点の情報を含むから、車両が閉塞境界に至る前にブレーキを開始し、車両が閉塞境界を通過する際、車両の速度を、前方閉塞区間における制限速度よりも小さくすることができる。このため、ATCブレーキ等の強力なブレーキをかける必要がなくなるので、乗り心地が向上する。
【0020】
地上装置の送信部から、車両走行路に沿って配置された信号伝送路に供給された制御信号には、速度予告情報が含まれている。速度予告情報は、当該閉塞区間の前方に隣接する前方閉塞区間における制限速度情報を含むから、前方閉塞区間における制限速度は、制御信号に含まれる速度予告情報を解読することによって得られる。したがって、車両が閉塞境界を通過する際、解読された速度予告情報と、速度発電機などによって得られた実際の車両速度とを対照することにより、車両の速度を、前方閉塞区間における制限速度よりも小さくすることができる。
【0021】
以上述べたように、ATCブレーキ等の強力なブレーキをかける必要がなくなり、車両の急減速がなくなるから、車輪のフラット化を回避することができる。しかも、適切なブレーキ信号を出力することができるので、減速タイミングが早過ぎる事態も生じない。このため、必要以上に遅いスピードで走行することにより、適切な車両運行に支障をきたすという問題を回避することができる。更に、運転士の勘に頼ることなく、適切な減速ブレーキをかけることができるから、制御の信頼性が向上する。
【0022】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る車両制御装置を示すブロック図である。図1に示した車両制御装置は、例えば、ATC装置、ATO(Automatic Train Operation)装置等を用いて構成されている。図1に示された車両制御装置は、地上装置1と、車上装置2と、軌道3とを含む。軌道3は、信号伝送路としても用いられるもので、閉塞区間1T、2Tに分かれている。
【0024】
図において、車両4は、閉塞区間1T内を矢印aで示す方向に走行しており、その意味で、閉塞区間1Tを「当該閉塞区間」と称することとする。閉塞区間2Tは、当該閉塞区間1Tの前方に配置されているので、「前方閉塞区間」と称することとする。車上装置2は、車両4上に備えられており、地上装置1は、地上に備えられている。
【0025】
地上装置1は、送信部10を含んでおり、送信部10は、制御信号S1を生成して出力する。制御信号S1は、ケーブル等を介して、信号伝送路となる軌道3に供給される。軌道3とは別に、誘導ループなどを敷設し、これを信号伝送路として用いてもよい。
【0026】
図2は、制御信号S1のデータ構造の一例を示す図である。図2において、制御信号S1は、現示情報S11と、速度予告情報S12と、ブレーキ開始点情報S13とを含むディジタル信号である。
【0027】
現示情報S11は、車両4が走行している当該閉塞区間1Tの制限速度に関する情報を含む。現示情報S11は、当該閉塞区間1Tの現示を示す多段階の速度信号である。ATC装置では、これらの速度信号は、例えば、ATC75、ATC55、ATC40、ATC25、ATC0等として表現され、それぞれが制限速度75km/h、55km/h、40km/h、25km/h、0km/hに対応する。
【0028】
速度予告情報S12は、前方閉塞区間2Tの制限速度に関する情報を含む。速度予告情報S12は、前方閉塞区間2Tの現示を示す多段階の速度信号である。
【0029】
ブレーキ開始点情報S13は、車両が前方閉塞区間2Tに進入する際、つまり、当該閉塞区間1Tと前方閉塞区間2Tとの閉塞境界において、車両速度を前方閉塞区間2Tの制限速度よりも小さくするために必要なブレーキ開始点情報を含む。
【0030】
ブレーキ開始点情報としては、例えば、当該閉塞区間1Tの始端からの距離、当該閉塞区間1Tの終端となる閉塞境界までの距離、当該閉塞区間1Tに進入してからの経過時間等を用いることができる。例えば、当該閉塞区間1Tの終端となる閉塞境界までの距離としては、30m、31m、32m、…50m等の具体的な数値とすることができる。
【0031】
再び、図1を参照して説明する。車上装置2は、受信部20と、ブレーキ制御部21と、受電器22とを含む。受電器22は、一種のアンテナ(車上子)であり、信号伝送路として用いられている軌道3から、電磁誘導結合などによって、制御信号S1を受電する。
【0032】
受信部20は、受電器22を介して、図2に示した制御信号S1が入力され、当該閉塞区間1Tの制限速度が、前方閉塞区間2Tの制限速度よりも大きい場合、ブレーキ開始点情報S13に基づいて、ブレーキ信号S2を出力する。ブレーキ信号S2は、ブレーキ制御部21に供給される。ブレーキ制御部21の出力信号はブレーキ装置23に与えられ、ブレーキ装置23により車輪24にブレーキがかけられる。
【0033】
ここで、地上装置1の送信部10から、信号伝送路となる軌道3に供給された制御信号S1には、現示情報S11が含まれている。現示情報S11は、当該閉塞区間1Tに与えられるべき制限速度情報を含むから、車上装置2の受信部20において、制御信号S1を解読し、制御信号S1に含まれる現示情報S11に基づき、当該閉塞区間1T内において、車両4を、現示情報S11に応じた速度で走行させることができる。
【0034】
しかも、地上装置1のATC送信部10から、信号伝送路を構成する軌道3に供給された制御信号S1には、ブレーキ開始点情報S13が含まれている。このブレーキ開始点情報S13は、当該閉塞区間1Tと前方閉塞区間2Tとの閉塞境界において、車両速度を前方閉塞区間2Tの制限速度よりも小さくすべく、当該閉塞区間1T内において設定されるべきブレーキ開始点の情報を含むから、車両4が閉塞境界に至る前にブレーキを開始し、車両4が閉塞境界を通過する際、車両4の速度を、前方閉塞区間における制限速度よりも小さくすることができる。このため、ATCブレーキ等の強力なブレーキをかける必要がなくなるので、乗り心地が向上する。
【0035】
地上装置1の送信部10から、信号伝送路を構成する軌道3に供給された制御信号S1には、速度予告情報S12が含まれている。速度予告情報S12は、当該閉塞区間1Tの前方に隣接する前方閉塞区間2Tにおける制限速度情報を含むから、前方閉塞区間2Tにおける制限速度は、制御信号S1に含まれる速度予告情報S12を解読することによって得られる。したがって、車両4が閉塞境界を通過する際、解読された速度予告情報S12と、速度発電機25などによって得られた実際の車両速度とを対照することにより、車両4の速度を、前方閉塞区間2Tにおける制限速度よりも小さくすることができる。
【0036】
以上述べたように、ATCブレーキ等の強力なブレーキをかける必要がなくなり、車両4の急減速がなくなるから、車輪のフラット化を回避することができる。しかも、適切なブレーキ信号を出力することができるので、減速タイミングが早過ぎる事態も生じない。このため、必要以上に遅いスピードで走行することにより、適切な車両運行に支障をきたすという問題を回避することができる。更に、運転士の勘に頼ることなく、適切な減速ブレーキをかけることができるから、制御の信頼性が向上する。
【0037】
また、上述した構成を有するから、ATO運転方式において、地上主体制御の拡張性の高いシステムを構築し得る。
【0038】
次に、図3を参照し、上述したブレーキ制御について、更に詳しく説明する。図3は車両の減速特性を示す図である。横軸は車両位置、縦軸は車両速度である。図において、実線で示す特性P1は、本実施例に係る車両制御装置を用いた場合の特性であり、破線で示すP2、P3は従来の手動運転を用いた場合の特性である。当該閉塞区間1Tは、制限速度(75km/h)に相当するATC75現示である。前方閉塞区間2Tは、制限速度(55km/h)に相当するATC55現示である。制限速度は、太線で図示されている。
【0039】
実線で示した特性P1において、車両4が当該閉塞区間1Tを走行しているとき、受信部20に制御信号S1が入力される。この制御信号S1には、現示情報S11として、制限速度75km/h、速度予告情報S12として、55km/hの速度情報、ブレーキ開始点情報S13として、当該閉塞区間1Tの終端までの距離L1の情報が含まれている。
【0040】
受信部20は、制御信号S1を解読し、当該閉塞区間1Tの制限速度が、前方閉塞区間2Tの制限速度よりも大きいことを判断し、実線で示したように、当該閉塞区間1Tの終端(閉塞境界)までの距離がL1となるタイミングで、ブレーキ信号S2を出力する。これにより、車両が前方閉塞区間2Tに進入する際、車両速度は、前方閉塞区間2Tの制限速度よりも小さくなる。車両4が閉塞境界を通過する際、車両4の速度を、前方閉塞区間2Tにおける制限速度よりも小さくするには、受信部20によって解読された速度予告情報S12と、速度発電機25(図1参照)などによって得られた実際の車両速度とを対照すればよい。その対照は、受信部20によって実行される。
【0041】
これに対し、従来のATC手動運転を用いた場合は、以下のような制御が行われる。まず、車両4が当該閉塞区間1Tを走行しているとき、運転士は、当該閉塞区間1Tの制限速度が、前方閉塞区間2Tの制限速度よりも大きいことを示す前方予告信号を確認する。そして、経験に基づいた所定タイミングで、ATCブレーキよりも弱いブレーキをかけ、車両4を徐々に減速させる。
【0042】
ところが、運転士のブレーキ操作が遅れた場合、破線で示した特性P2のように、距離L2でブレーキがかかり始め、前方閉塞区間2Tの制限速度を超えた速度で、前方閉塞区間2Tに進入する当て運転となる。したがって、前方閉塞区間2Tに進入した際、ATCブレーキがかかり、車両が急減速する。
【0043】
また、減速ブレーキ操作が早過ぎた場合は、破線で示した特性P3のように、距離L3(>L1)でブレーキがかかり始め、前方閉塞区間2Tの制限速度を超えない速度で、前方閉塞区間2Tに進入するくぐり抜け運転となるが、必要以上に遅いスピードで当該閉塞区間1Tを走行することになり、適切な車両運行に支障をきたすおそれが生じる。
【0044】
図4は制御信号S1のデータ構造の別の例を示す図である。図4は、ブレーキ開始点情報S13を、開始条件を、具体的な数値ではなく、例えば、3つの階級S、M、Lで表示する場合を示している。例えば、開始条件を当該閉塞区間1Tの終端(閉塞境界)までの距離として与える場合、階級Mは平均的な距離40mに対応させ、階級Lは距離40mよりも長い距離50mに対応させ、階級Sは距離40mよりも短い距離30mに対応させるのである。このS、M、Lという3つの階級は、2ビットで表示することが可能である。従って、制御信号S1のデータ構造をコンパクト化し、制御信号S1の処理を容易化できる。
【0045】
また、ブレーキ開始点情報S13として、S、M、L等の階級を用いることにより、例えば、通勤時間帯等の列車ダイヤの混雑時には、全ての閉塞区間をS、混雑していない時は、全ての閉塞区間をLにする等の制御を行うことも可能になる。これにより、列車ダイヤの混雑具合に対応した適切な制御が可能となる。
【0046】
更に、制御信号S1は、ディジタル信号であるから、現示情報S11と、速度予告情報S12と、ブレーキ開始点情報S13とを含み得るのであって、これがディジタル信号とすることの利点となる。アナログ信号を用いた従来技術では、このような信号構成を採用することができなかった。
【0047】
また、制御信号S1を用いることにより、適切なブレーキ信号S2を出力することができるので、当て運転を確実に回避することができる。しかも、ATCブレーキ等の強力なブレーキをかける必要がなくなるので、乗り心地が向上するとともに、車両4の急減速がなくなるから、車輪のフラット化を回避することができる。
【0048】
更に、適切なブレーキ信号S2を出力することができるので、減速タイミングが早過ぎる事態も生じない。このため、必要以上に遅いスピードで走行することにより、適切な車両運行に支障をきたすという問題を回避することができる。また、運転士の勘に頼ることなく、適切な減速ブレーキをかけることができるから、制御の信頼性が向上する。
【0049】
図5は図1〜図4に示した車両制御装置を更に具体的に示すブロック図、図6は図5に示した車両制御装置の一部を更に詳細に示すブロック図である。図5において、地上装置1は、ATC送信部10を含む。車上装置2の受信部20は、ATC車上装置201と、ATO車上装置202とを含む。ATC車上装置201及びATO車上装置202は、ブレーキ制御部21に対して、ブレーキ指令信号S3,S2を供給する。車上装置2は、手動制御部211を含んでおり、手動制御部211からブレーキ制御部21に対して、手動ブレーキ信号S4が供給される。手動制御部211は、運転士の手動操作により操作可能なブレーキノッチである。
【0050】
図6は図5に示した車上装置の更に具体的な回路構成を示す図である。図6において、ブレーキ制御部21は、ブレーキ指令信号SB1〜SB3、EBが入力され、ブレーキ指令信号SB1〜SB3、EBに応じたブレーキ力を実現する。ブレーキ指令信号EBは、非常ブレーキをかけるための信号であり、ブレーキ指令信号SB1〜SB3は、2進3ビットの通常ブレーキをかけるための信号である。
【0051】
ブレーキ指令信号SB1〜SB3は、SB1が2進の1桁目に対応し、SB2が2進の2桁目に対応し、SB3が2進の3桁目に対応し、N、B1〜B7までの8段階のブレーキ減速度を実現する。8段階のブレーキ減速度は、例えば、βを定数としたとき、N=0、B1=β×1/7、B2=β×2/7、B3=β×3/7、B4=β×4/7、B5=β×5/7、B6=β×6/7、B7=β[km/h/s]とすることができる。例えば、ブレーキ信号S2には、弱いブレーキ減速度B3が対応し、ATCブレーキ信号S3には、強いブレーキ減速度B5が対応する。
【0052】
次に、ATCによるATO時について、図5、図6に図示された車両制御装置の動作を説明する。まず、当該閉塞区間1Tの制限速度が、前方閉塞区間2Tの制限速度よりも大きいと判断した場合、ATC車上装置201は、リレー接点機構ATCABR、ATCBRを駆動し、ATO車上装置202からブレーキ信号S2を出力し得る状態にする。そして、ATO車上装置202は、リレー接点機構SB2R、SB3Rを駆動し、ブレーキ制御部21にブレーキ指令信号SB2、SB3を伝える。このブレーキ指令信号SB2、SB3は、ブレーキ信号S2である。
【0053】
また、仮に、車両4が、前方閉塞区間2Tの制限速度を超えた速度で、前方閉塞区間2Tに進入した場合、ATC車上装置201は、リレー接点機構ATCABR、ATCBRを駆動し、ATO車上装置202からブレーキ信号S2を出力し得ない状態にする。そして、ATC車上装置201は、リレー接点機構ATCBRを駆動し、ブレーキ制御部21にブレーキ指令信号SB1、SB3を伝える。このブレーキ指令信号SB1、SB3は、ATCブレーキ信号S3である。
【0054】
更に、非常時には、ATC車上装置、又は、ATO車上装置は、リレー接点機構ATCER、ATOERを駆動し、ブレーキ制御部21にブレーキ指令信号EBを伝達し、非常時動作を行う。
【0055】
ATC車上装置201は、保安上、ATO車上装置202の上位に位置付けられており、車両制御において、ATC車上装置201からの指令は、ATO車上装置202からの指令よりも優先して実行される。
【0056】
したがって、仮に、ATC車上装置201からのATCブレーキ信号S3と、ATO車上装置202からのブレーキ信号S2とが同時に出力された場合であっても、ATCブレーキ信号S3が優先して実行されるので、高度の安全性が確保されることになる。
【0057】
また、一般に、列車軌道において、カーブ地点等は、その前方、後方の閉塞区間よりも、低い制限速度に設定されている。そこで、従来は、車両を発進させる前に、低い制限速度に設定されている閉塞区間等の情報を、地上からトランスポンダなどの通信設備を使用して通信し、記憶しておき、この記憶した情報に基いて前方予告信号を出力していた。運転士は、この前方予告信号に従って、ATO運転を行い、当て運動を回避していた。このため、従来は、車両を発進させる前に、低い制限速度に設定されている閉塞区間等の情報を記憶する手間が必要になるという問題があった。
【0058】
これに対し、本実施例に係る車両制御装置は、制御信号S1を用いて制御を行うので、車両を発進させる前に、情報を記憶する手間が不要になる。
【0059】
更に、カーブ地点と同様に、工事区間等も、その前方、後方の閉塞区間よりも、低い制限速度に設定されるが、工事区間等は、カーブ地点とは異なり、偶発的に生じるものである。
【0060】
したがって、従来のように車両を発進させる前に、低い制限速度に設定されている閉塞区間等の情報を記憶する方法では、工事区間等の、偶発的に生じる情報に対応することができなかった。
【0061】
これに対し、本実施例に係る車両制御装置は、制御信号S1を用いて制御を行うので、偶発的に生じる情報に対しても、的確に対応することが可能となる。
【0062】
更に、本発明に係る車両制御装置は、車両速度検出装置を備え、当該閉塞区間1Tにおける車両速度が、前方閉塞区間2Tの制限速度を超えていない場合、ブレーキ信号S2を出力しない構成にしても良い。この場合は、前方閉塞区間2Tの制限速度を超えた速度で、前方閉塞区間2Tに進入する当て運転とは、ならないからである。
【0063】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(A)当て運転を回避することにより、乗り心地の向上し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することができる。
(B)当て運転を回避することにより、車輪のフラット化を回避し得る車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することができる。
(C)人間に頼らない、信頼性の高い車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置を提供することができる。
(D)ATO運転方式においては、地上主体制御の拡張性の高いシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両制御装置を示すブロック図である。
【図2】制御信号のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】車両の減速特性を示す図である。
【図4】制御信号のデータ構造の別の例を示す図である。
【図5】図1〜図4に示した車両制御装置を更に具体的に示すブロック図である。
【図6】図5に示した車両制御装置の一部を更に詳細に示すブロック図である。
【符号の説明】
4 車両
3 軌道
1 地上装置
2 車上装置
21 ブレーキ制御部
22 受電器
1T 当該閉塞区間
2T 前方閉塞区間
S1 制御信号
S2 ブレーキ信号

Claims (2)

  1. 送信部を含む車両制御装置用地上装置であって、
    前記送信部は、制御信号を生成して出力するものであり、
    前記制御信号は、現示情報と、速度予告情報と、ブレーキ開始点情報とを含むディジタル信号であり、
    前記現示情報は、一の閉塞区間に与えられるべき制限速度情報を含み、
    前記速度予告情報は、前記一の閉塞区間の前方に隣接する前方閉塞区間における制限速度情報を含み、
    前記ブレーキ開始点情報は、前記一の閉塞区間と前記前方閉塞区間との閉塞境界において、車両速度を前記前方閉塞区間の制限速度よりも小さくすべく、前記一の閉塞区間内において設定されるブレーキ開始点の情報を含む
    車両制御装置用地上装置。
  2. 地上装置と、信号伝送路と、車上装置とを含む車両制御装置であって、
    前記地上装置は、請求項1に記載されたものでなり、
    前記信号伝送路は、車両走行路に沿って配置され、前記地上装置から前記制御信号が供給されるものであり、
    前記車上装置は、受信部と、ブレーキ制御部とを含み、
    前記受信部は、前記信号伝送路から前記制御信号を受信して解読し、前記ブレーキ開始点情報に基づいてブレーキ信号を出力し、
    前記ブレーキ制御部は、前記受信部から供給される前記ブレーキ信号に基づいてブレーキ制御を行う
    車両制御装置。
JP2003013385A 2003-01-22 2003-01-22 車両制御装置、及び、車両制御装置用地上装置 Pending JP2004224151A (ja)

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