JP2004220925A - 電界放出型ディスプレイの前面板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の方法に比べて工程数が短縮され、歩留り向上が図れ、さらに材料費も低減することができ、大面積の基板に対しても均一な高さの障壁層の高さを有し、異常放電が少なく、高い信頼性を有した電界放出型ディスプレイ用の前面板、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板において、前記ブラックマトリックス層開口部が凹形形状をしており、該凹形形状開口部の内面と前記ブラックマトリックス層が導電性物質で導通されていることを特徴としている。
【選択図】 図2
【解決手段】透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板において、前記ブラックマトリックス層開口部が凹形形状をしており、該凹形形状開口部の内面と前記ブラックマトリックス層が導電性物質で導通されていることを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放出型ディスプレイに用いる前面板とその前面板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
コンピュ−タのディスプレイ端末装置や壁掛けテレビ等の方式として、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイが実用化されている。これらの平面ディスプレイの中で、電界放出型ディスプレイ(フィ−ルドエミッションディスプレイ(FED))は消費電力が小さく、高輝度、高精細で、視野角が広くて見やすいのが特徴で、一般家庭への普及が期待されている。
【0003】
一般に、電界放出型ディスプレイは、背面板と前面板より成る一対の平坦なガラス等の絶縁基板を、スペ−サ部材を介して対向に配置し、平板状の真空容器を形成した構造を有している。一方の背面板(カソ−ド基板)には、ガラス基板上に電気信号により電子を放出するマトリックス状に配置した電子放出素子(エミッタ電極)と、絶縁層を介してゲ−ト電極が設けられている。他方の前面板(アノ−ド電極)には、ガラス基板上にアノ−ド電極と、エミッタ電極から放出された電子により可視発光する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の蛍光体層が設けられており、従来より種々の改良が成されてきている。
【0004】
例えば、電界放出型ディスプレイの前面板として、外光の反射率を低減させることによりコントラストを向上し、ディスプレイとして見やすくするために、R、G、Bの各画素以外の場所を低反射材料のブラックマトリックス層で埋める方法が行われている。ブラックマトリックス層としては、低反射の酸化クロム等を真空成膜しフォトリソグラフィ法によりパタ−ン形成したもの、黒色インク層を印刷によりパタ−ン形成したもの等がある。
【0005】
また、電界放出型ディスプレイの前面板では、エミッタ電極から放出された電子の散乱や、あるいは放出電子が蛍光体を発光させる時などに生じる反射電子が、隣接する他の領域の蛍光体層に入射し、コントラストや色純度を低下させて表示画質が劣化するという問題がある。このため、例えば、電界放出型ディスプレイの前面板に、ガラスを母材としてブラックマトリックスを蛍光体膜層よりも突出させ、例えば、高さ50μmのリブ状凸部を形成し、表面全体を導電薄膜層で被覆することが行われている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、特許文献1が示すように、絶縁物であるガラス材で障壁層を形成したままでは、障壁層に電荷が蓄積し、障壁層のチャ−ジアップにより後から放出された電子が曲げられ、効率のよい表示が行えないので、導電性付与のための金属薄膜形成工程が必須となり工程が複雑になるという問題があった。
【0007】
そこで、最近では、電界放出型ディスプレイ用前面板の製造においては、ガラス基板上に真空成膜法等により形成された導電性の中間層を給電層として用いて、電気めっきにより障壁を形成する方法が行われてきている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−185673号公報(第5頁、段落0026、第1図)
【特許文献2】
特開2002−33058号公報(第8頁〜第9頁、第11図、第12図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に記載されるように、ブラックマトリックス層を設けたガラス基板上に障壁を凸部として形成する場合、障壁を感光性有機物で作製するとすれば、材料塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベーク、蛍光体層形成、導電性膜被覆の少なくとも7工程が必要であり、また、障壁を無機絶縁物でサンドブラスト法で作製するとすれば、ペースト塗布、乾燥、レジスト塗布、露光、現像、サンドブラスト、レジスト剥離、焼成、蛍光体層形成、導電性膜被覆の少なくとも10工程が必要であり、また、障壁を金属で電気めっき法で作製するとすれば、レジスト塗布、露光、現像、電気めっき、レジスト剥離、蛍光体層形成の少なくとも6工程が必要となる。いずれの作製方法も長い工程が必要で、歩留り低下、製造コスト上昇の要因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は上記のような技術課題、問題点を解消するためになされたものである。その目的は、従来の方法に比べて工程数が短縮され、歩留り向上が図れ、さらに材料費も低減することができ、大面積の基板に対しても均一な高さの障壁層の高さを有し、異常放電が少なく、高い信頼性を有した電界放出型ディスプレイの前面板およびその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板において、前記ブラックマトリックス層開口部が凹形形状をしており、該凹形形状開口部の内面と前記ブラックマトリックス層が導電性物質で導通されているようにしたものである。
【0012】
また、請求項2に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記電界放出型ディスプレイの前面板において、背面板との間の距離を規定するスペーサを備えるようにしたものである。
【0013】
請求項3に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記スペーサが前記ブラックマトリックス層に設けられた溝状開口部に挿入して保持されているようにしたものである。
【0014】
請求項4に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記導電性物質がメタルバック層であるようにしたものである。
【0015】
請求項5に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記導電性物質が透明導電膜であるようにしたものである。
【0016】
請求項6に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、前記凹形形状に蛍光体層を形成する工程と、前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を導電性物質で導通する工程と、を有するようにしたものである。
【0017】
請求項7に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を透明導電膜で導通する工程と、前記凹形形状の内面に蛍光体層を形成する工程と、を有するようにしたものである。
【0018】
請求項8に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記ブラックマトリックス層の凹形形状開口部をウェットエッチング法によって切削形成するようにしたものである。
【0019】
請求項9に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記ブラックマトリックス層が酸化クロム、酸化チタン、窒化クロム、窒化チタン、酸窒化クロム、酸窒化チタンのいずれかに1種による1層構造、もしくはクロムあるいはチタンと前記1種以上との組み合わせによる多層構造で形成され、前記ブラックマトリックス層を前記凹形形状作製時のウェットエッチングのマスクとするようにしたものである。
【0020】
請求項10に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、ブラックマトリックス層にスペーサを設ける工程を含むようにしたものである。
【0021】
請求項11に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記スペーサを設ける工程において、スペーサを前記透明基板の溝状開口部に挿入して保持する工程を含むようにしたものである。
【0022】
上述したように、本発明では、障壁層を形成するのに、障壁用材料を塗布またはめっき析出する等のアディティブ法で形成するのではなく、ガラスを母材とする透明基板を選択的に切削削除するサブトラクティブ法で形成する電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法を提供するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図2は図1のA−A線における断面図である。図3は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図4は図3のB−B線における断面図である。図5は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図6は図5のC−C線における断面図である。図7は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図8は図7のD−D線における断面図である。
【0024】
(第1の実施形態)
本発明における第1の実施形態を図1、図2に示し、第1の実施形態の製造方法を説明する工程図を図9に示す。図1、図2および図9に基づいて説明する。図1および図2に示すように、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1は、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々の凹形形状の開口部4内には赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板1はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した蛍光体層5を構成している。さらに、ブラックマトリックス層3および蛍光体層5を含む凹形形状開口部4内面に、導電性物質でメタルバック層6が形成され、凹形形状開口部4とブラックマトリックス層3とは導通している。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図1では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0025】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1を構成する透明基板2としては、従来から電界放出型ディスプレイに用いられているガラス基板、例えば液晶ディスプレイ用途やプラズマディスプレイ用途などの無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、ソーダライムガラス基板、さらには石英基板等を使用することができ、厚さは0.5mm〜3mm程度とすることができる。
【0026】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1に用いられるブラックマトリックス層3の役割は、電界放出型ディスプレイにおける画像表示時のコントラスト向上が目的であるため、透明基板側に接して低反射膜である金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物が設けられる。さらにアノード基板である前面板1全体を同電位とするための導通回路の作用を持たせるため、通常、導電性を有する金属薄膜を前記の低反射膜に積層するのが好ましい。また、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1の製造方法では、ブラックマトリックス層3の開口部を凹形形状に作製する時に、ブラックマトリックス層3をウェットエッチングのマスクとして用いて、透明基板をウェットエッチングして凹形形状にするので、ブラックマトリックス層3には耐フッ酸性の金属系薄膜が用いられる。
このようなブラックマトリックス層3としては、酸化クロム、酸化チタン、窒化物である窒化クロム、窒化チタン、酸窒化物である酸窒化クロム、酸窒化チタンのいずれかに1種による1層構造、もしくはクロムあるいはチタンと前記1種以上との組み合わせによる多層構造が用いられ、真空蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜法により、膜厚0.04μm〜0.3μm程度の範囲で形成する。例えば、酸化クロム/クロムの2層構造または酸化クロム/クロム/酸化クロムの3層構造等が挙げられる。
【0027】
ブラックマトリックス層3の凹形形状の開口部4の大きさ、形成ピッチ等は、背面板の電子放出素子の形成ピッチ、ゲート電極の形成ピッチに対応して適宜設定することができる。凹形形状の開口部4の透明基板表面からの深さは20μm〜100μmの範囲で設定することができる。なお、開口部4の形状は、図示例では長方形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、横断面形状が多角形、楕円等適宜設定することができる。
【0028】
蛍光体層5は、赤色発光性の蛍光体層5R、緑色発光性の蛍光体層5G、青色発光性の蛍光体層5Bからなり、通常用いられるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等によって、凹形形状開口部の内部に形成される。
使用する蛍光体としては特に制限はなく、従来から電界放出型表示装置に使用されている蛍光体を使用することができる。具体的には、例えば、赤色発光蛍光体として、Y2O3:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al5O12:Eu、YBO3:Eu、SnO2:Eu、ScBO3:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、GdBO3:Eu、LuBO3:Eu、Y2O2S:Eu等が用いられ、緑色発光蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LuBO3:Tb、ScBO3:Tb、Sr6Si3O3Cl4:Eu、ZnBaO4:Mn、ZnO:Zn、Gd2O2S:Tb、ZnGa2O4:Mn等が挙げられ、青色発光蛍光体として、Y2SiO5:Ce、BaMgAl14O23:Eu、CaWO4:Pb、ZnS:Ag、ZnMgO、ZnGaO4、ZnS:Ag等を用いることができる。
【0029】
本発明の第1の実施形態では、電子ビームの照射によって蛍光体層に生じる電圧チャージ現象を抑制するために、ブラックマトリックス層3上、および蛍光体層5を含む凹形形状開口部4内面に、導電性物質でメタルバック層6が形成されている。メタルバック層6を設けることにより、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層と導通されている。
【0030】
本発明の前面板を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、導電性を付与された凹形形状開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークや壁面のチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0031】
(第1の実施形態の製造方法)
第1の実施形態の製造方法を図9に基づいて説明する。ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’を形成する(図9(a))。
なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0032】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’をエッチングし、凹形形状開口部4を形成する(図9(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
【0033】
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。一般的に、ディッピング方式のウェットエッチングは基板の厚さ方向への切削量と横方向へのサイドエッチ量が同等である等方性エッチングなので、エッチング深さはブラックマトリックス層開口部4’のパターン寸法およびパターンピッチによる制限を受ける。これに対し、スプレー方式のエッチングを行なえば、サイドエッチ量よりも基板厚さ方向のエッチング量が大きくなるので、パターン寸法等によるエッチング深さの制限が小さくなるので、スプレーエッチングが好ましい。透明基板2のブラックマトリックス層周辺部のエッチングしない領域はフッ酸に耐性がある樹脂フィルム等でマスキングしたり、あるいは治具を用いて周辺部にエッチング液が当たらないようにすることで、スプレーエッチング液の影響を避けることができる。
【0034】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に、蛍光体層5Gを形成する(図9(c))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層は従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。図9では緑色発光蛍光体層5Gを例示してある。
【0035】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、蛍光体層5G形成後、蛍光体層5Gおよびブラックマトリックス層3の表面にAl等を斜め蒸着し、厚さ数nm〜数10nmのメタルバック層6を形成し、電界放出型ディスプレイの前面板1を得る(図9(d))。メタルバック層6を設けることにより、電子ビームの照射によって蛍光体層5Gに生じる電圧チャージ現象を抑制することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
本発明における第2の実施形態を図3、図4に示し、第2の実施形態の製造方法を説明する工程の一部を図10に示す。図3、図4および図10に基づいて説明する。
図3、図4および図10において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0037】
図3、および図4に示すように、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板11は、前記第1の実施形態による電界放出型ディスプレイの前面板1にスペーサ7が設けられた構造をしている。すなわち、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々のは凹形形状開口部4内にはRGB各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板11はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した構造である。さらに、ブラックマトリックス層3上に、メタルバック層6を介して、スペーサ7がスペーサ保持部材8に支えられて設置されている。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図3では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0038】
本発明の前面板11を構成する透明基板2、ブラックマトリックス層3、凹形形状4、蛍光体層5およびメタルバック層6は、第1の実施形態と同じ材料を使用し、同じ製造方法で形成できる。
【0039】
スペーサ7は、前面板と背面板との距離を規定すると共に、電界放出型ディスプレイの真空耐圧を保持する補強機能を有する。したがって、大気圧に耐え、ディスプレイ全面にわたって透明基板がベンディングしないように均一な平面性を保ち、背面板の電子放出素子(エミッタ電極)から放出される電子ビームの軌跡に影響を与えず、ガス放出が少なく真空中で安定である等の特性が求められる。このような特性の材料としてスペーサ7には、通常、ガラス、セラミックス、あるいはガラス、セラミックス表面に蒸着等で導電性金属薄膜を設けた材料が用いられる。スペーサ7の形状は、板状、棒状、十字柱状等の形状を用いることができ、その大きさ、ピッチは、ブラックマトリックス層3、蛍光体層5に応じて適宜設定することができるが、通常、ブラックマトリックス層の領域内に納まる寸法で設計される。前面板と背面板との距離を規定するスペーサ7の高さは、通常、1〜2mm程度の範囲で用いられる。
【0040】
本実施形態において、スペーサ7はスペーサ保持部材8に挟まれ、メタルバック層6、ブラックマトリックス層3を介して透明基板2上に固定されている。スペーサ保持部材8は電子によるチャージアップを防ぐために、ニッケル等の金属をパターンめっき法で形成したり、セラミックス、ガラス等に導電性を付与した材料をガラスペースト等で透明基板2上に接着してもちいられる。スペーサ保持部材8の形状、大きさは任意に設定できる。
【0041】
(第2の実施形態の製造方法)
図10に示すように、第1の実施形態で得た電界放出型ディスプレイの前面板1(図10(a))のブラックマトリックス層3上に、メタルバック層6を介して、スペーサ保持部材8を形成する。スペーサ保持部材8は、ニッケル等の金属をパターンめっき法で形成したり、セラミックス、ガラス等に導電性を付与した材料をガラスペースト等で透明基板2上に接着して形成する。スペーサ保持部材8の形状、大きさはブラックマトリックス層3上で表示に影響を与えない範囲で、任意に設定できる。
【0042】
次に、スペーサ7をスペーサ保持用支持体8に挟むことにより、第2の実施形態の電界放出型ディスプレイの前面板11を形成する(図10(b))。
【0043】
本発明の前面板11を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークやスペーサのチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0044】
(第3の実施形態)
本発明における第3の実施形態を図5、図6に示し、第3の実施形態の製造方法を説明する工程を図11およびそれに続く図12に示す。図5、図6および図11、図12に基づいて説明する。
なお、図5、図6および図11、図12において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0045】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板21は、スペーサ7が透明基板2に設けられた溝状開口部9に保持された構造をしている。すなわち、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々の凹形形状開口部4内にはRGB各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板21はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した構造となる。さらに、ブラックマトリックス層3に設けられた溝状開口部9にスペーサ7がはめ込まれて保持されている。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図3では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0046】
本発明の前面板21を構成する透明基板2、ブラックマトリックス層3、凹形形状4、蛍光体層5およびメタルバック層6は、第1の実施形態と同じ材料を使用し、同じ製造方法で形成できる。また、スペーサ7は第2の実施形態と同じ材料を使用できる。
【0047】
本発明の前面板21を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークや壁面のチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0048】
(第3の実施形態の製造方法)
第3の実施形態の製造方法を図11およびそれに続く図12に基づいて説明する。
ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’、9’を形成する(図11(a))。なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0049】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’、9’をエッチングし、凹形形状開口部4、および溝状開口部9を形成する(図11(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。また、溝状開口部9の深さは、凹形形状開口部4の深さに順じて同じ深さとなる。
【0050】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを形成する(図11(c))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層5Gは従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。
【0051】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、蛍光体層5G形成後、蛍光体層5Gおよびブラックマトリックス層3の表面にAl等を斜め蒸着し、厚さ数nm〜数10nmのメタルバック層6を形成する(図12(d))。
【0052】
次に、ブラックマトリックス層3に設けられた溝状開口部9にスペーサ7をはめ込み固定することにより電界放出型ディスプレイの前面板21が形成される(図12(e))。
【0053】
(第4の実施形態)
本発明における第4の実施形態を図7、図8に示し、第4の実施形態の製造方法を説明する工程図を図13に示す。図7、図8および図13に基づいて説明する。
なお、図7、図8および図13において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0054】
上記の実施形態1〜3では、導電性物質としてメタルバック層を設ける形態を説明したが、第4の実施形態は、図7、図8に示すように、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4を形成後に、透明導電性物質10を設けることもできる。第4の実施形態に示す電界放出型ディスプレイの前面板31は、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4を設けた後、凹形形状開口部4内面およびブラックマトリックス層3の表面に、電圧チャージ現象を抑制する導電性物質として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫等の透明導電膜10を形成し、凹形形状4の内面とブラックマトリックス層3を導通した後、次に透明導電膜10を設けた凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを形成するものである。
【0055】
本実施形態の前面板31は、実施形態2および3に示すように、ブラックマトリックス層上もしくは透明基板に設けた溝状開口部に、さらにスペーサを設けた形態とすることも可能である(図示せず)。
【0056】
(第4の実施形態の製造方法)
第4の実施形態の製造方法を図13に示して説明する。
ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’を形成する(図13(a))。なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0057】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’をエッチングし、凹形形状開口部4を形成する(図13(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。
【0058】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面および底部に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、スパッタリング、蒸着等の方法により透明導電膜10を形成する(図13(c))。
【0059】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを設け、電界放出型ディスプレイの前面板31を形成する(図13(d))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層5Gは従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。
【0060】
【実施例】
ソーダライムガラス基板上にスパッタリング法により酸化クロム膜50nmとクロム膜100nmの2層薄膜を形成して厚さ150nmの導電性のブラックマトリックス層とした。上記ブラックマトリックス層上に感光性レジストを1μmの厚さに塗布し、露光、現像してレジストパタ−ンを形成した。続いて露出したブラックマトリックス層のクロムとその下層の酸化クロムをクロムエッチャント(ザ・インクテック社製MR−E2000)にてエッチング除去し、画素用のブラックマトリックス層開口部を得た。
【0061】
次に、レジストパターンを残したままで、上記ブラックマトリックス層開口部をフッ酸水溶液でスプレーエッチングし、レジストパターンを剥離して、深さ80μmの凹形形状の開口部を形成した。
【0062】
続いて、上記のブラックマトリックス層の凹形形状開口部にスクリーン印刷法でR、G、Bの蛍光体層を形成した後、ブラックマトリックス層および蛍光体層上にAlを10nmの厚さに斜め蒸着してメタルバック層を形成し、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板を得た。
【0063】
この前面板と別途製作した背面板とを組み合わせて、電界放出型ディスプレイを作製して表示させたところ、高品質の画像が得られた。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、 本発明の前面板を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の凹形形状開口部に位置する蛍光体層に衝突して、蛍光体層を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、凹形形状開口部の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークやスペーサのチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0065】
したがって、本発明による電界放出型ディスプレイの前面板は、従来のような障壁層を形成するための工程が不要であり、さらにブラックマトリックス層をガラスエッチングのマスクとして用いるので前面板の製造工程が短縮され、歩留り向上が図れ、材料費も低減される。また、従来の障壁層の役割を透明基板が兼ねるので、構造上も強度が高い構成となり、大面積の基板に対しても均一な高さの障壁層の役割を果たし、異常放電が少なく、高い信頼性を有する。さらに、凹形形状開口部に形成された蛍光体層は、底面のみでなく周囲の壁面上にも形成されるので、蛍光体塗布面が増え、電子ビームによる発光効率が高まるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態を示す部分平面図
【図2】図1のA−A線における断面模式図
【図3】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態を示す部分平面図
【図4】図3のB−B線における断面模式図
【図5】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態を示す部分平面図
【図6】図5のC−C線における断面模式図
【図7】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態を示す部分平面図
【図8】図5のD−D線における断面模式図
【図9】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図10】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態の製造方法の一部を説明する工程図
【図11】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図12】図11に続く本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図13】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【符号の説明】
1、11、21、31 本発明の電界放出型ディスプレイの前面板
2 透明基板
3 ブラックマトリックス層
4’ ブラックマトリックス層開口部
4 ブラックマトリックス層凹形形状開口部
5 蛍光体層
5R 赤色蛍光体層
5B 青色蛍光体層
5G 緑色蛍光体層
6 メタルバック層
7 スペーサ
8 スペーサ保持部材
9 スペーサ保持用溝状開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放出型ディスプレイに用いる前面板とその前面板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
コンピュ−タのディスプレイ端末装置や壁掛けテレビ等の方式として、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイが実用化されている。これらの平面ディスプレイの中で、電界放出型ディスプレイ(フィ−ルドエミッションディスプレイ(FED))は消費電力が小さく、高輝度、高精細で、視野角が広くて見やすいのが特徴で、一般家庭への普及が期待されている。
【0003】
一般に、電界放出型ディスプレイは、背面板と前面板より成る一対の平坦なガラス等の絶縁基板を、スペ−サ部材を介して対向に配置し、平板状の真空容器を形成した構造を有している。一方の背面板(カソ−ド基板)には、ガラス基板上に電気信号により電子を放出するマトリックス状に配置した電子放出素子(エミッタ電極)と、絶縁層を介してゲ−ト電極が設けられている。他方の前面板(アノ−ド電極)には、ガラス基板上にアノ−ド電極と、エミッタ電極から放出された電子により可視発光する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の蛍光体層が設けられており、従来より種々の改良が成されてきている。
【0004】
例えば、電界放出型ディスプレイの前面板として、外光の反射率を低減させることによりコントラストを向上し、ディスプレイとして見やすくするために、R、G、Bの各画素以外の場所を低反射材料のブラックマトリックス層で埋める方法が行われている。ブラックマトリックス層としては、低反射の酸化クロム等を真空成膜しフォトリソグラフィ法によりパタ−ン形成したもの、黒色インク層を印刷によりパタ−ン形成したもの等がある。
【0005】
また、電界放出型ディスプレイの前面板では、エミッタ電極から放出された電子の散乱や、あるいは放出電子が蛍光体を発光させる時などに生じる反射電子が、隣接する他の領域の蛍光体層に入射し、コントラストや色純度を低下させて表示画質が劣化するという問題がある。このため、例えば、電界放出型ディスプレイの前面板に、ガラスを母材としてブラックマトリックスを蛍光体膜層よりも突出させ、例えば、高さ50μmのリブ状凸部を形成し、表面全体を導電薄膜層で被覆することが行われている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、特許文献1が示すように、絶縁物であるガラス材で障壁層を形成したままでは、障壁層に電荷が蓄積し、障壁層のチャ−ジアップにより後から放出された電子が曲げられ、効率のよい表示が行えないので、導電性付与のための金属薄膜形成工程が必須となり工程が複雑になるという問題があった。
【0007】
そこで、最近では、電界放出型ディスプレイ用前面板の製造においては、ガラス基板上に真空成膜法等により形成された導電性の中間層を給電層として用いて、電気めっきにより障壁を形成する方法が行われてきている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−185673号公報(第5頁、段落0026、第1図)
【特許文献2】
特開2002−33058号公報(第8頁〜第9頁、第11図、第12図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に記載されるように、ブラックマトリックス層を設けたガラス基板上に障壁を凸部として形成する場合、障壁を感光性有機物で作製するとすれば、材料塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベーク、蛍光体層形成、導電性膜被覆の少なくとも7工程が必要であり、また、障壁を無機絶縁物でサンドブラスト法で作製するとすれば、ペースト塗布、乾燥、レジスト塗布、露光、現像、サンドブラスト、レジスト剥離、焼成、蛍光体層形成、導電性膜被覆の少なくとも10工程が必要であり、また、障壁を金属で電気めっき法で作製するとすれば、レジスト塗布、露光、現像、電気めっき、レジスト剥離、蛍光体層形成の少なくとも6工程が必要となる。いずれの作製方法も長い工程が必要で、歩留り低下、製造コスト上昇の要因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は上記のような技術課題、問題点を解消するためになされたものである。その目的は、従来の方法に比べて工程数が短縮され、歩留り向上が図れ、さらに材料費も低減することができ、大面積の基板に対しても均一な高さの障壁層の高さを有し、異常放電が少なく、高い信頼性を有した電界放出型ディスプレイの前面板およびその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板において、前記ブラックマトリックス層開口部が凹形形状をしており、該凹形形状開口部の内面と前記ブラックマトリックス層が導電性物質で導通されているようにしたものである。
【0012】
また、請求項2に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記電界放出型ディスプレイの前面板において、背面板との間の距離を規定するスペーサを備えるようにしたものである。
【0013】
請求項3に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記スペーサが前記ブラックマトリックス層に設けられた溝状開口部に挿入して保持されているようにしたものである。
【0014】
請求項4に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記導電性物質がメタルバック層であるようにしたものである。
【0015】
請求項5に記載の電界放出型ディスプレイの前面板は、前記導電性物質が透明導電膜であるようにしたものである。
【0016】
請求項6に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、前記凹形形状に蛍光体層を形成する工程と、前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を導電性物質で導通する工程と、を有するようにしたものである。
【0017】
請求項7に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を透明導電膜で導通する工程と、前記凹形形状の内面に蛍光体層を形成する工程と、を有するようにしたものである。
【0018】
請求項8に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記ブラックマトリックス層の凹形形状開口部をウェットエッチング法によって切削形成するようにしたものである。
【0019】
請求項9に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記ブラックマトリックス層が酸化クロム、酸化チタン、窒化クロム、窒化チタン、酸窒化クロム、酸窒化チタンのいずれかに1種による1層構造、もしくはクロムあるいはチタンと前記1種以上との組み合わせによる多層構造で形成され、前記ブラックマトリックス層を前記凹形形状作製時のウェットエッチングのマスクとするようにしたものである。
【0020】
請求項10に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、ブラックマトリックス層にスペーサを設ける工程を含むようにしたものである。
【0021】
請求項11に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法は、前記スペーサを設ける工程において、スペーサを前記透明基板の溝状開口部に挿入して保持する工程を含むようにしたものである。
【0022】
上述したように、本発明では、障壁層を形成するのに、障壁用材料を塗布またはめっき析出する等のアディティブ法で形成するのではなく、ガラスを母材とする透明基板を選択的に切削削除するサブトラクティブ法で形成する電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法を提供するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図2は図1のA−A線における断面図である。図3は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図4は図3のB−B線における断面図である。図5は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図6は図5のC−C線における断面図である。図7は本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態を模式的に示す部分平面図であり、図8は図7のD−D線における断面図である。
【0024】
(第1の実施形態)
本発明における第1の実施形態を図1、図2に示し、第1の実施形態の製造方法を説明する工程図を図9に示す。図1、図2および図9に基づいて説明する。図1および図2に示すように、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1は、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々の凹形形状の開口部4内には赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板1はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した蛍光体層5を構成している。さらに、ブラックマトリックス層3および蛍光体層5を含む凹形形状開口部4内面に、導電性物質でメタルバック層6が形成され、凹形形状開口部4とブラックマトリックス層3とは導通している。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図1では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0025】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1を構成する透明基板2としては、従来から電界放出型ディスプレイに用いられているガラス基板、例えば液晶ディスプレイ用途やプラズマディスプレイ用途などの無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、ソーダライムガラス基板、さらには石英基板等を使用することができ、厚さは0.5mm〜3mm程度とすることができる。
【0026】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1に用いられるブラックマトリックス層3の役割は、電界放出型ディスプレイにおける画像表示時のコントラスト向上が目的であるため、透明基板側に接して低反射膜である金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物が設けられる。さらにアノード基板である前面板1全体を同電位とするための導通回路の作用を持たせるため、通常、導電性を有する金属薄膜を前記の低反射膜に積層するのが好ましい。また、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板1の製造方法では、ブラックマトリックス層3の開口部を凹形形状に作製する時に、ブラックマトリックス層3をウェットエッチングのマスクとして用いて、透明基板をウェットエッチングして凹形形状にするので、ブラックマトリックス層3には耐フッ酸性の金属系薄膜が用いられる。
このようなブラックマトリックス層3としては、酸化クロム、酸化チタン、窒化物である窒化クロム、窒化チタン、酸窒化物である酸窒化クロム、酸窒化チタンのいずれかに1種による1層構造、もしくはクロムあるいはチタンと前記1種以上との組み合わせによる多層構造が用いられ、真空蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜法により、膜厚0.04μm〜0.3μm程度の範囲で形成する。例えば、酸化クロム/クロムの2層構造または酸化クロム/クロム/酸化クロムの3層構造等が挙げられる。
【0027】
ブラックマトリックス層3の凹形形状の開口部4の大きさ、形成ピッチ等は、背面板の電子放出素子の形成ピッチ、ゲート電極の形成ピッチに対応して適宜設定することができる。凹形形状の開口部4の透明基板表面からの深さは20μm〜100μmの範囲で設定することができる。なお、開口部4の形状は、図示例では長方形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、横断面形状が多角形、楕円等適宜設定することができる。
【0028】
蛍光体層5は、赤色発光性の蛍光体層5R、緑色発光性の蛍光体層5G、青色発光性の蛍光体層5Bからなり、通常用いられるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等によって、凹形形状開口部の内部に形成される。
使用する蛍光体としては特に制限はなく、従来から電界放出型表示装置に使用されている蛍光体を使用することができる。具体的には、例えば、赤色発光蛍光体として、Y2O3:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al5O12:Eu、YBO3:Eu、SnO2:Eu、ScBO3:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、GdBO3:Eu、LuBO3:Eu、Y2O2S:Eu等が用いられ、緑色発光蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LuBO3:Tb、ScBO3:Tb、Sr6Si3O3Cl4:Eu、ZnBaO4:Mn、ZnO:Zn、Gd2O2S:Tb、ZnGa2O4:Mn等が挙げられ、青色発光蛍光体として、Y2SiO5:Ce、BaMgAl14O23:Eu、CaWO4:Pb、ZnS:Ag、ZnMgO、ZnGaO4、ZnS:Ag等を用いることができる。
【0029】
本発明の第1の実施形態では、電子ビームの照射によって蛍光体層に生じる電圧チャージ現象を抑制するために、ブラックマトリックス層3上、および蛍光体層5を含む凹形形状開口部4内面に、導電性物質でメタルバック層6が形成されている。メタルバック層6を設けることにより、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層と導通されている。
【0030】
本発明の前面板を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、導電性を付与された凹形形状開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークや壁面のチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0031】
(第1の実施形態の製造方法)
第1の実施形態の製造方法を図9に基づいて説明する。ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’を形成する(図9(a))。
なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0032】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’をエッチングし、凹形形状開口部4を形成する(図9(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
【0033】
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。一般的に、ディッピング方式のウェットエッチングは基板の厚さ方向への切削量と横方向へのサイドエッチ量が同等である等方性エッチングなので、エッチング深さはブラックマトリックス層開口部4’のパターン寸法およびパターンピッチによる制限を受ける。これに対し、スプレー方式のエッチングを行なえば、サイドエッチ量よりも基板厚さ方向のエッチング量が大きくなるので、パターン寸法等によるエッチング深さの制限が小さくなるので、スプレーエッチングが好ましい。透明基板2のブラックマトリックス層周辺部のエッチングしない領域はフッ酸に耐性がある樹脂フィルム等でマスキングしたり、あるいは治具を用いて周辺部にエッチング液が当たらないようにすることで、スプレーエッチング液の影響を避けることができる。
【0034】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に、蛍光体層5Gを形成する(図9(c))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層は従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。図9では緑色発光蛍光体層5Gを例示してある。
【0035】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、蛍光体層5G形成後、蛍光体層5Gおよびブラックマトリックス層3の表面にAl等を斜め蒸着し、厚さ数nm〜数10nmのメタルバック層6を形成し、電界放出型ディスプレイの前面板1を得る(図9(d))。メタルバック層6を設けることにより、電子ビームの照射によって蛍光体層5Gに生じる電圧チャージ現象を抑制することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
本発明における第2の実施形態を図3、図4に示し、第2の実施形態の製造方法を説明する工程の一部を図10に示す。図3、図4および図10に基づいて説明する。
図3、図4および図10において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0037】
図3、および図4に示すように、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板11は、前記第1の実施形態による電界放出型ディスプレイの前面板1にスペーサ7が設けられた構造をしている。すなわち、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々のは凹形形状開口部4内にはRGB各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板11はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した構造である。さらに、ブラックマトリックス層3上に、メタルバック層6を介して、スペーサ7がスペーサ保持部材8に支えられて設置されている。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図3では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0038】
本発明の前面板11を構成する透明基板2、ブラックマトリックス層3、凹形形状4、蛍光体層5およびメタルバック層6は、第1の実施形態と同じ材料を使用し、同じ製造方法で形成できる。
【0039】
スペーサ7は、前面板と背面板との距離を規定すると共に、電界放出型ディスプレイの真空耐圧を保持する補強機能を有する。したがって、大気圧に耐え、ディスプレイ全面にわたって透明基板がベンディングしないように均一な平面性を保ち、背面板の電子放出素子(エミッタ電極)から放出される電子ビームの軌跡に影響を与えず、ガス放出が少なく真空中で安定である等の特性が求められる。このような特性の材料としてスペーサ7には、通常、ガラス、セラミックス、あるいはガラス、セラミックス表面に蒸着等で導電性金属薄膜を設けた材料が用いられる。スペーサ7の形状は、板状、棒状、十字柱状等の形状を用いることができ、その大きさ、ピッチは、ブラックマトリックス層3、蛍光体層5に応じて適宜設定することができるが、通常、ブラックマトリックス層の領域内に納まる寸法で設計される。前面板と背面板との距離を規定するスペーサ7の高さは、通常、1〜2mm程度の範囲で用いられる。
【0040】
本実施形態において、スペーサ7はスペーサ保持部材8に挟まれ、メタルバック層6、ブラックマトリックス層3を介して透明基板2上に固定されている。スペーサ保持部材8は電子によるチャージアップを防ぐために、ニッケル等の金属をパターンめっき法で形成したり、セラミックス、ガラス等に導電性を付与した材料をガラスペースト等で透明基板2上に接着してもちいられる。スペーサ保持部材8の形状、大きさは任意に設定できる。
【0041】
(第2の実施形態の製造方法)
図10に示すように、第1の実施形態で得た電界放出型ディスプレイの前面板1(図10(a))のブラックマトリックス層3上に、メタルバック層6を介して、スペーサ保持部材8を形成する。スペーサ保持部材8は、ニッケル等の金属をパターンめっき法で形成したり、セラミックス、ガラス等に導電性を付与した材料をガラスペースト等で透明基板2上に接着して形成する。スペーサ保持部材8の形状、大きさはブラックマトリックス層3上で表示に影響を与えない範囲で、任意に設定できる。
【0042】
次に、スペーサ7をスペーサ保持用支持体8に挟むことにより、第2の実施形態の電界放出型ディスプレイの前面板11を形成する(図10(b))。
【0043】
本発明の前面板11を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークやスペーサのチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0044】
(第3の実施形態)
本発明における第3の実施形態を図5、図6に示し、第3の実施形態の製造方法を説明する工程を図11およびそれに続く図12に示す。図5、図6および図11、図12に基づいて説明する。
なお、図5、図6および図11、図12において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0045】
本発明の電界放出型ディスプレイの前面板21は、スペーサ7が透明基板2に設けられた溝状開口部9に保持された構造をしている。すなわち、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成されたブラックマトリックス層3を備え、ブラックマトリックス層3は複数の開口部4を有し、この開口部4は透明基板の表面より窪んだ凹形形状をしており、その各々の凹形形状開口部4内にはRGB各色で発光する蛍光体材料の1つが充填され、前面板21はそのRGB各色のマトリックス状の蛍光面が3つからなる組を多数配列した構造となる。さらに、ブラックマトリックス層3に設けられた溝状開口部9にスペーサ7がはめ込まれて保持されている。
なお、メタルバック層6はブラックマトリックス層3および蛍光体層5の上を覆っているが、便宜上、図3では、蛍光体層5の上のメタルバック層は除いた状態で図示している。
【0046】
本発明の前面板21を構成する透明基板2、ブラックマトリックス層3、凹形形状4、蛍光体層5およびメタルバック層6は、第1の実施形態と同じ材料を使用し、同じ製造方法で形成できる。また、スペーサ7は第2の実施形態と同じ材料を使用できる。
【0047】
本発明の前面板21を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の開口部4に位置する蛍光体層5に衝突して、蛍光体層5を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、開口部4の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークや壁面のチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0048】
(第3の実施形態の製造方法)
第3の実施形態の製造方法を図11およびそれに続く図12に基づいて説明する。
ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’、9’を形成する(図11(a))。なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0049】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’、9’をエッチングし、凹形形状開口部4、および溝状開口部9を形成する(図11(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。また、溝状開口部9の深さは、凹形形状開口部4の深さに順じて同じ深さとなる。
【0050】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを形成する(図11(c))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層5Gは従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。
【0051】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、蛍光体層5G形成後、蛍光体層5Gおよびブラックマトリックス層3の表面にAl等を斜め蒸着し、厚さ数nm〜数10nmのメタルバック層6を形成する(図12(d))。
【0052】
次に、ブラックマトリックス層3に設けられた溝状開口部9にスペーサ7をはめ込み固定することにより電界放出型ディスプレイの前面板21が形成される(図12(e))。
【0053】
(第4の実施形態)
本発明における第4の実施形態を図7、図8に示し、第4の実施形態の製造方法を説明する工程図を図13に示す。図7、図8および図13に基づいて説明する。
なお、図7、図8および図13において、図1、図2および図9と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0054】
上記の実施形態1〜3では、導電性物質としてメタルバック層を設ける形態を説明したが、第4の実施形態は、図7、図8に示すように、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4を形成後に、透明導電性物質10を設けることもできる。第4の実施形態に示す電界放出型ディスプレイの前面板31は、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4を設けた後、凹形形状開口部4内面およびブラックマトリックス層3の表面に、電圧チャージ現象を抑制する導電性物質として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫等の透明導電膜10を形成し、凹形形状4の内面とブラックマトリックス層3を導通した後、次に透明導電膜10を設けた凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを形成するものである。
【0055】
本実施形態の前面板31は、実施形態2および3に示すように、ブラックマトリックス層上もしくは透明基板に設けた溝状開口部に、さらにスペーサを設けた形態とすることも可能である(図示せず)。
【0056】
(第4の実施形態の製造方法)
第4の実施形態の製造方法を図13に示して説明する。
ガラス基板等の透明基板2上にスパッタリング、蒸着等の真空成膜法で酸化クロム等の低反射金属化合物とクロムの2層膜を、この順に設け、次にこの2層膜上にフォトリソグラフィ法により開口部を形成するためのフォトレジストパターンを形成し(図示せず)、このフォトレジストパターンに基づいて露出した2層膜をエッチング除去し、次にフォトレジストパターンを剥離して、透明基板2上にパターン化した導電性のブラックマトリックス層3と開口部4’を形成する(図13(a))。なお、フォトレジストパターンはこの段階で必ずしも剥離する必要はなく、次工程の透明基板のエッチング後に剥離してもよい。
【0057】
次にフッ酸やバッファフッ酸等のガラスのエッチング液を用いて、ブラックマトリックス層の開口部4’をエッチングし、凹形形状開口部4を形成する(図13(b))。この時、ブラックマトリックス層3の膜面に酸化クロム/クロム、窒化チタン/チタン等のフッ酸系エッチング液に耐性のある膜でブラックマトリックス層を設けておけば、新たにガラスエッチング用のマスクパターンを形成しなくても、エッチングすることが可能である。
凹形形状開口部4のエッチング部分の深さは、20μm〜100μmの範囲で設定することができる。
【0058】
次に、凹形形状開口部4の内部壁面および底部に導電性を与え、かつブラックマトリックス層3と導通を取るために、スパッタリング、蒸着等の方法により透明導電膜10を形成する(図13(c))。
【0059】
次に、ブラックマトリックス層の凹形形状開口部4に蛍光体層5Gを設け、電界放出型ディスプレイの前面板31を形成する(図13(d))。本発明において、前面板を構成する蛍光体層5Gは従来の電界放出型ディスプレイと同様の方法、材料を用いて形成できる。すなわち、従来使用されている材料と同様の赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、青色発光蛍光体層を、従来と同様の方法であるフォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法等で凹形形状開口部4内に形成することができる。
【0060】
【実施例】
ソーダライムガラス基板上にスパッタリング法により酸化クロム膜50nmとクロム膜100nmの2層薄膜を形成して厚さ150nmの導電性のブラックマトリックス層とした。上記ブラックマトリックス層上に感光性レジストを1μmの厚さに塗布し、露光、現像してレジストパタ−ンを形成した。続いて露出したブラックマトリックス層のクロムとその下層の酸化クロムをクロムエッチャント(ザ・インクテック社製MR−E2000)にてエッチング除去し、画素用のブラックマトリックス層開口部を得た。
【0061】
次に、レジストパターンを残したままで、上記ブラックマトリックス層開口部をフッ酸水溶液でスプレーエッチングし、レジストパターンを剥離して、深さ80μmの凹形形状の開口部を形成した。
【0062】
続いて、上記のブラックマトリックス層の凹形形状開口部にスクリーン印刷法でR、G、Bの蛍光体層を形成した後、ブラックマトリックス層および蛍光体層上にAlを10nmの厚さに斜め蒸着してメタルバック層を形成し、本発明の電界放出型ディスプレイの前面板を得た。
【0063】
この前面板と別途製作した背面板とを組み合わせて、電界放出型ディスプレイを作製して表示させたところ、高品質の画像が得られた。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、 本発明の前面板を用いた電界放出型ディスプレイでは、背面板から放出された電子ビームが、対応するブラックマトリックス層の凹形形状開口部に位置する蛍光体層に衝突して、蛍光体層を発光させて表示が行なわれる。この際に放出される2次電子や電子ビームの散乱電子は、凹形形状開口部の壁面で阻止、捕獲されるため、隣接するセルへのクロストークやスペーサのチャージアップ等による表示品質の低下を防ぐことができる。
【0065】
したがって、本発明による電界放出型ディスプレイの前面板は、従来のような障壁層を形成するための工程が不要であり、さらにブラックマトリックス層をガラスエッチングのマスクとして用いるので前面板の製造工程が短縮され、歩留り向上が図れ、材料費も低減される。また、従来の障壁層の役割を透明基板が兼ねるので、構造上も強度が高い構成となり、大面積の基板に対しても均一な高さの障壁層の役割を果たし、異常放電が少なく、高い信頼性を有する。さらに、凹形形状開口部に形成された蛍光体層は、底面のみでなく周囲の壁面上にも形成されるので、蛍光体塗布面が増え、電子ビームによる発光効率が高まるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態を示す部分平面図
【図2】図1のA−A線における断面模式図
【図3】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態を示す部分平面図
【図4】図3のB−B線における断面模式図
【図5】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態を示す部分平面図
【図6】図5のC−C線における断面模式図
【図7】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態を示す部分平面図
【図8】図5のD−D線における断面模式図
【図9】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第1の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図10】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第2の実施の形態の製造方法の一部を説明する工程図
【図11】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図12】図11に続く本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第3の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【図13】本発明の電界放出型ディスプレイの前面板の第4の実施の形態の製造方法を説明する工程図
【符号の説明】
1、11、21、31 本発明の電界放出型ディスプレイの前面板
2 透明基板
3 ブラックマトリックス層
4’ ブラックマトリックス層開口部
4 ブラックマトリックス層凹形形状開口部
5 蛍光体層
5R 赤色蛍光体層
5B 青色蛍光体層
5G 緑色蛍光体層
6 メタルバック層
7 スペーサ
8 スペーサ保持部材
9 スペーサ保持用溝状開口部
Claims (11)
- 透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板において、
前記ブラックマトリックス層開口部が凹形形状をしており、該凹形形状開口部の内面と前記ブラックマトリックス層が導電性物質で導通されていることを特徴とする電界放出型ディスプレイの前面板。 - 前記電界放出型ディスプレイの前面板において、背面板との間の距離を規定するスペーサを備えることを特徴とする請求項1に記載の電界放出型ディスプレイの前面板。
- 前記スペーサが前記ブラックマトリックス層に設けられた溝状開口部に挿入して保持されていることを特徴とする請求項2に記載の電界放出型ディスプレイの前面板。
- 前記導電性物質がメタルバック層であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電界放出型ディスプレイの前面板。
- 前記導電性物質が透明導電膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電界放出型ディスプレイの前面板。
- 透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、
透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、
前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、
前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、
前記凹形形状に蛍光体層を形成する工程と、
前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を導電性物質で導通する工程と、を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。 - 透明基板と、該透明基板の一方の面に形成された複数の開口部を備えるブラックマトリックス層と、該ブラックマトリックス層の開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備えた電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、
透明基板上にブラックマトリックス層を形成する工程と、
前記ブラックマトリックス層上にフォトリソグラフィ法により開口部レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、前記ブラックマトリックス層をエッチングして開口部を形成する工程と、
前記ブラックマトリックス層をマスクとして、前記ブラックマトリックス層開口部を切削して凹形形状を形成する工程と、
前記凹形形状の内面とブラックマトリックス層を透明導電膜で導通する工程と、前記凹形形状の内面に蛍光体層を形成する工程と、を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。 - 前記ブラックマトリックス層の凹形形状開口部をウェットエッチング法によって切削形成することを特徴とする請求項6もしくは7に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。
- 前記ブラックマトリックス層が酸化クロム、酸化チタン、窒化クロム、窒化チタン、酸窒化クロム、酸窒化チタンのいずれかに1種による1層構造、もしくはクロムあるいはチタンと前記1種以上との組み合わせによる多層構造で形成され、前記ブラックマトリックス層を前記凹形形状作製時のウェットエッチングのマスクとすることを特徴とする請求項8に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。
- 前記電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法において、ブラックマトリックス層にスペーサを設ける工程を含むことを特徴とする請求項6もしくは7に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。
- 前記スペーサを設ける工程において、スペーサを前記透明基板の溝状開口部に挿入して保持する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の電界放出型ディスプレイの前面板の製造方法。
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JP2006221843A (ja) * | 2005-02-08 | 2006-08-24 | Sonac Kk | 電界放射型発光素子、フラットパネルディスプレイならびに電界放射型発光素子の製造方法 |
CN101764027B (zh) * | 2008-12-24 | 2012-07-18 | 佳能株式会社 | 图像显示设备 |
-
2003
- 2003-01-15 JP JP2003007089A patent/JP2004220925A/ja not_active Withdrawn
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