JP2004219766A - 光通信モジュール、光通信部品、その製造方法 - Google Patents

光通信モジュール、光通信部品、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、従来の光通信モジュールが有していた光軸調整が困難で組立精度が高められないという問題点を解決し、組み立ての簡単な光通信モジュールを提供する。
【解決手段】光通信の光路上に、少なくとも第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材がこの順に配置されている光通信モジュールにおいて、第一の光学部材をもって位置合わせの基準とする。第三の光学部材は、第二の光学部材に対して接合されるのではなく、基準とした該第一の光学部材に直接接合することによって位置決めされる。簡単に、位置決め、光軸合わせが可能となり、また、位置ずれが積算される事が無く、モジュール全体での光軸ずれを少なくすることができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に用いる光通信部品、光通信モジュール、およびその製造方法に関する。
【0002】
光ファイバーを用いたデータ通信では大量の情報を高速に送受信する必要がある。
【0003】
近年、光多重通信という新しい技術が登場してさらなる高速化と大容量化が可能となっている。このような状況の中、光通信部品の需要はますます増加傾向にあり、そのコスト低減と信頼性向上が部品供給メーカーの課題となっている。
【0004】
【従来の技術】
これまで光通信部品搭載モジュールにおいては各光学部品を組み合わせて組み立てる際、各光学部品の光軸をひとつひとつ調整・整合して、樹脂や金属等で固定されてきた。しかし、この方法ではその調整に時間がかかり、製造効率上の問題があり、廉価な製品を供給できない要因となっていた。これは特に光ファイバーとそれに接続されるレンズなどの光学部品の位置合わせに高い精度を必要とされるためである。たとえば波長多重伝送方式において、ある特定の波長の信号のみを選択的に取り出す、いわゆるWDM用薄膜フィルターモジュールは入射光、透過光、反射光の3つの端子をもつ構造をしている。このモジュールは代表的な例として、図1に示すように入射光用の光ファイバー16a、反射光用の光ファイバー16b、デュアルキャピラリー14、第1コリメートレンズ11、薄膜フィルター素子13、第2コリメートレンズ12、シングルキャピラリー15、透過光用の光ファイバー16cの各光学部品で構成される。これらの部品の各々の光軸を調整・整合した状態で接着剤などで固定し、金属管内などに封止した構造をとっている。このような構造の場合、キャピラリー内部に挿入される光ファイバーのコアの中心と、コリメートレンズの焦点の位置を整合させる精度として典型値としては少なくとも±5ミクロン以内を必要とする上に、光軸の平行度も必要であり、そのため非常に高度な位置と光軸の調整の工程が必要であった。
【0005】
以上のような光軸調整の問題を解決する手段として、下記特許文献1が知られている。特許文献1には、複数のレンズを鏡筒内に位置決めする方法が開示されている。
【0006】
第一のレンズを鏡筒の受け面に当接して光軸方向に位置決めした状態で、次段の第二のレンズを第一のレンズに当接することによって、光軸方向の位置決めをしている。
【0007】
さらに、文献1の図2においては、第三のレンズを第二のレンズに当接することにより、第三のレンズの位置決めを行っている。特許文献1には、この繰り返しにより、複数のレンズの位置調整を容易に行えることが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−286987号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、例えば文献1の図2において、レンズ1とレンズ2の当接面、レンズ2とレンズ3の当接面で、それぞれ光軸のずれが生じ、モジュール全体では、それらが積算され、レンズの数が増加するに従い、そのずれは大きくなることが予想される。上述のように、光通信用モジュールにおいては、光軸合わせには高精度が要求され、特許文献1の方法では、その精度を得る事は難しい。
【0010】
また、特許文献1に開示されている光軸上に並ぶ光学部品は、レンズのみである。レンズとは異なり、薄膜フィルターなどは、その加工精度(フィルターを切り出す)により生じる厚みムラを有している場合がある。よって、2枚のレンズ間に薄膜フィルターを挟んだWDM3端子フィルターモジュールなどでは、特許文献1の方法を用いて、要求される光軸合わせの精度を得るのは不可能である。
【0011】
上述のような従来技術の問題点は、各光学部品がその配列される順序のとおりに並べられて接合されるため、各光学部品間の接着剤の厚みムラや、該光学部品自身の加工精度によるサイズムラが積算されてしまい、特にモジュールの両端部にある光学部品同士など、距離の離れた光学部品間の位置・光軸のずれが大きくなってしまう点にある。WDM3端子フィルターモジュールの例においては、各光学部品を組み立てる際、第1のコリメートレンズ、薄膜フィルター、第2のコリメートレンズをこの順に相互に接着すると、接着箇所が2箇所になり、その接着剤の厚みムラが加算され、また、該薄膜フィルターの加工精度による厚みムラが加算される分、該2つのコリメートレンズの光軸の平行度や垂直方向の位置合わせにずれが生じやすく調整が容易にできなかった。
【0012】
本発明は、以上の点により従来の光通信モジュールが有していた光軸調整が困難で組立精度が高められないという問題点を解決し、組み立ての簡単な光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光通信モジュールであって、光通信の光路上に、少なくとも第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材がこの順に配置されており、第三の光学部材が第一の光学部材に接合していることを特徴とする
光通信モジュールに関するものである。
【0014】
本発明においては、第一の光学部材をもって位置合わせの基準とする。第三の光学部材は、第二の光学部材に対して接合されるのではなく、基準とした該第一の光学部材に直接接合することによって位置決めされる。
【0015】
WDM3端子薄膜フィルターモジュールの例で説明する。このモジュールでは本発明の適用として、第1のコリメートレンズを位置合わせの基準となる「第1の光学部材」とし、第2のコリメートレンズを「第3の光学部材」とする。第1のコリメートレンズと第2のコリメートレンズは図2に例示するように、接合部21aを有する。そして該接合部21aの当接面21c同士を向かい合わせて、これらのコリメートレンズを直接接合させる。これにより該2つのレンズの位置決めを行う。少なくとも第2のコリメートレンズは薄膜フィルタ−に対して直接接合させない。このような構成にすると、第1のコリメートレンズと第2のコリメートレンズは、この2者の加工精度のみで相互の光軸の位置・平行度の調整が可能となる。
【0016】
モジュールとしての組み立ての手順としては、まずこれら第1のコリメートレンズと第2のコリメートレンズをそれぞれの当接部を接合させて組み合わせる。該接合部の当接面はそれぞれのレンズの光軸に対して高精度で垂直な平面を有するよう、金型成形ないし加工してある。そしてそれぞれの光軸が一致するようにレンズ位置を調整する。次にこれら2者のレンズの間に薄膜フィルターを配置して、光軸に対する該フィルター面の平行度などを制御して所定の特性を得られるよう調整し、接着剤などで固定する。このような工程にすることにより、簡単な組立工程を実現できる。
【0017】
このように本発明により、第三の光学部材を第一の光学部材に当接させるだけで、簡単に、位置決め、光軸合わせが可能となる。また、位置合わせの基準となる光学部材を「第一の光学部材」唯一にしておくことにより、位置ずれが積算される事が無く、モジュール全体での光軸ずれを少なくすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1の実施例として本発明をWDM用3端子フィルターモジュールに適用した例を図1を用いて説明する。
【0019】
WDM用3端子フィルターモジュールは、入射光用光ファイバー16a、透過光用光ファイバー16c、反射光用光ファイバー16b、第1のコリメートレンズ11、第2のコリメートレンズ12、薄膜フィルター13、デュアルキャピラリー14、シングルキャピラリー15の各部品で構成されている。
【0020】
入射光用光ファイバー16aには波長の異なる複数の光線が多重化されて伝送されてくる。この入射光用光ファイバー16aから出射した光は第1コリメートレンズ11に入る。該第1のコリメートレンズ11は、入射光用光ファイバー16aから出射した光を平行光に変換する働きをもつ。この平行光は薄膜フィルター13に入射する。このフィルターで所定の波長の光(λm)のみ透過して、その光は第2のコリメートレンズ12に入射する。他の光は反射されて第1のコリメートレンズ11に戻る。該第2のコリメートレンズ12を透過した光(λm)は透過光用ファイバー16cの端面に集光されて該ファイバー内に導かれる。薄膜フィルター13で反射されたほうの光は、第1のコリメートレンズ11によって反射光用光ファイバー16bの端面に集光されて該ファイバー内に導入される。
【0021】
デュアルキャピラリー14は入射光用光ファイバー16aと反射光用光ファイバー16bの2本の光ファイバーを保持する部品である。シングルキャピラリー15は透過光用光ファイバー16cを保持する部品である。各キャピラリーはジルコニアや石英など、公知の部材にて構成されたものを用いる。
【0022】
そしてこれらの部品を装填するために本実施例では図3に示すような形状のスリーブ31を用いた。このスリーブ31はステンレス金属製の管状体から加工し、後述の組み立て方法が可能な構造とした。またこのスリーブ31には後述の調整アームを通過させるためのスリット31aを設けた。また、接着剤を充填するための孔部31bおよび薄膜フィルター装填用の孔部31cを設けた。
【0023】
第1のコリメートレンズおよび第2のコリメートレンズの典型的な形状を図2に示す。
【0024】
第1のコリメートレンズおよび第2のコリメートレンズには、本発明を適用した接合部21aをレンズの外縁部に設けた。この形態のレンズを接合部一体型レンズ21と呼ぶことにする。この接合部分により、第1の光学部品である第1のコリメートレンズは、第2の光学部品である薄膜フィルターを介さずに、第3の光学部品である第2のコリメートレンズに直接接合することができる。この接合部21aは位置決め手段になっており、その略先端部の当接面21cを相互に接合することにより、組立及び軸調整の一部工程が完了する。上述のレンズは、光学ガラスを加熱し金型でプレスして成形し、レンズ本体と接合部とはそれぞれ一体的に成形した。
【0025】
該接合部の当接面21cはそれぞれ、コリメートレンズの光軸に対して、高い精度で垂直な平面を形成可能なように、金型を設計し作製した。典型値としては光軸に対して90± 0.5度以内の範囲で作製することが好適である。
【0026】
また、これら各接合部21aの長さにより、第1のコリメートレンズと、対向する第2のコリメートレンズの中心距離を規定することができる。
【0027】
次に上記本発明の各光学部品を組み立てて、WDM3端子フィルターモジュールを構成する工程について説明する。
【0028】
第1段階として、入射光用光ファイバー ― 第1のコリメートレンズ ― 第2のコリメートレンズ ― 透過光用光ファイバー の4者が低損失で結合するように位置決め・光軸調整・固定を行なう。
【0029】
まず、図4に示すように、入射光用光ファイバー16aと反射光用光ファイバー16bをデュアルキャピラリー14に挿入して接着剤等で固定し、ファイバー端面をキャピラリーの端面44ごと研磨する。その表面に同じくキャピラリー端面ごと反射防止膜45を真空製膜する。この反射防止膜は公知の構成の薄膜を用いてよい。また、透過光用光ファイバーをシングルキャピラリーに挿入して接着剤等で固定し、同様に端面研磨と反射防止膜の製膜を行なう。
【0030】
次に、上記の光ファイバー接続加工を施したデュアルキャピラリーとシングルキャピラリー、ならびに第1のコリメートレンズ、第2のコリメートレンズに各々、図5のように調整アーム52を取り付ける。この調整アームをゴニオメーターなどで保持して、各光学部品を外部から位置や角度の調整をする。
そしてデュアルキャピラリー14と第1のコリメートレンズ11の2者の調整を行なう。
【0031】
それぞれの光学部品に取り付けた調整アーム52a、52bをゴニオメーター(図示しない)により保持し、両光学部品を対向させる。そして第1のコリメートレンズ11の側から所定の波長のテスト用平行光を入射する。そして第1のコリメートレンズ11により集光された光線がデュアルキャピラリー14の入射光用のファイバー端面に集光してファイバー内に導入されるよう、ゴニオメーターで調整する。入射光用ファイバーを逆行した光線をモニターして、該テスト用平行光に対してもっとも低損失で伝播するよう位置・光軸を調整する。(第1の調整ステージ)
【0032】
また、透過光用ファイバーが接続されたシングルキャピラリーと第2のコリメートレンズも同様に位置・光軸の調整を行なう。(第2の調整ステージ)
【0033】
上述の第1の調整ステージと第2の調整ステージはそれぞれ独立の調整が完了した状態で、各調整ステージをゴニオメーターごと移動可能な構造にしておく。そして図6に示すように、該2組の光学部品([デュアルキャピラリー+第1のコリメートレンズ]と[第2のコリメートレンズとシングルキャピラリー])をスリーブの両端から、それぞれ調整された状態のままスリーブ内部へ挿入する。このとき各光学部品に取り付けられ
た調整アームは、スリーブ内部からスリットを通じて外部に伸びた形態となる。
【0034】
そしてスリーブの内部で、第1の調整ステージ上の第1のコリメートレンズの接合部と、第2の調整ステージ上の第2のコリメートレンズの接合部の当接面が相互に接合するように、第1および第2の調整ステージを移動して位置合わせをする。
【0035】
この接合部を接合するだけで第1のコリメートレンズと第2のコリメートレンズの光軸の平行度は確保される。この状態で入射光用ファイバーからテスト光を入射し、透過光用のファイバーから出射する光をモニターする。そしてテスト光に対してもっとも低損失となるように、第1調整ステージに対する、第2調整ステージの位置を図6に示すX−Y平面内で調整する。このとき薄膜フィルターの設置される位置に、該フィルターの基板と同じ屈折率を有する、擬似基板を配置するとより正確に調整ができる。
【0036】
以上のようにして調整した後、スリーブに加工した接着剤注入孔からエポキシ接着剤等を充填し、硬化させる。必要に応じて加熱しながら硬化させることも可能である。
その間もテスト光をモニターし、低損失状態を追従しつづけるとより効果的である。
【0037】
以上の工程により、入射光用ファイバー ― 第1のコリメートレンズ ― 第2のコリメートレンズ ― 透過光用ファイバー の4者が低損失で結合するような調整・組み立てが完了する。
【0038】
次に薄膜フィルターを装填する。図6に示すように、該薄膜フィルターにも調整用アームを取り付けておく。そしてスリーブの薄膜フィルター装填用の孔部を通して該薄膜フィルターを装填する。その状態でテスト光を入射用フィルターから導入し、透過光および反射光をモニターして各特性(中心波長、挿入損失、透過帯域リップル、パスバンド幅、ストップバンド幅など)が仕様をみたすような角度、位置を調整する。反射角も変化するので、反射光用光ファイバーからの反射光損失も、併せてもっとも低くなるように調整する。
【0039】
調整が完了した状態で、スリーブに加工した接着剤注入孔からエポキシ接着剤等を充填し、必要に応じて加熱しながら硬化させ薄膜フィルターを固定する。その間もテスト光をモニターし、低損失状態を追従しつづけるとより効果的である。
【0040】
接着剤が完全に硬化したら、各光学部品に取り付けた調整用アームは取り外すかまたは切断する。
【0041】
以上のような工程により、本発明の光学部品を適用したWDM3端子フィルターモジュールの調整・組み立てが完了する。組み立てが完了した本発明によるWDM3端子フィルターモジュールの断面図を図7に示す。これは図6に示すX−Z面で該モジュール中心部を切った状態を模式的に表している。
【0042】
以上の構成を採ることにより、接合部一体型レンズを対向して接合するだけで、位置決め・光軸調整作業が簡素化できた。
【0043】
スリーブ形状は、モジュールとしての完成形態にあわせて任意に構成することが可能であるが、本実施例では円柱状の光学部品に対して円筒型のスリーブを用いる構成とした。そして該スリーブの内径を各光学部品の直径と略同じサイズのものを用いる構成とした。この構造をとることにより、コリメートレンズなど各光学部品の光軸は、該光学部品の外径とスリーブの内径の設計により、しかるべき精度をもって装填時にある程度、位置決めされるようにした。
【0044】
なお、上述の各実施例ではほぼ円筒形のレンズ、キャピラリー、及び円筒形のスリーブ等、を使用したモジュールを示したが、同様の機能を奏でるものであれば、これらの形状に何等限定されるものではないのは言うまでもない。
【0045】
また、本実施例では金属のスリーブを例示したが、たとえば石英ガラスなどの透明部材を用いて構成し、接着剤として紫外線硬化型の樹脂を用いることにより、上記接着工程において接着剤の充填後、対応波長の紫外線を照射して硬化させる方法も有効である。
【0046】
本実施例では、レンズの曲面が周辺部と中心部とで曲率が異なるいわゆる非球面レンズを用いた。しかし本発明はこれに限られるものではなく、任意の形状のレンズに適用することが可能である。また、レンズの構成材料としては光学ガラス(例えば、石英ガラス、材料記号BK―7のホウケイ酸ガラス等)を用いたが、透明樹脂(例えば、エポキシ等)なども金型成形する上で適している。
【0047】
薄膜フィルターはガラス基板の上に誘電体の薄膜を真空蒸着等のプロセスで多層に積層したいわゆる薄膜フィルター素子を用いた。その製造方法は「光学薄膜」(H.A.Macleod著、小倉繁太郎等訳、日刊工業新聞社発行)に記載されている全誘電体ファブリーペローエタロン(光学路長がλ/4の高屈折率層8と低屈折率層9を対としたミラー層を複数層重ね、その上に光学路長がλ/2の整数倍のスペーサー層10を設け、その上に先のミラー層を逆転させて積層した基本構造を有する)を、結合層を介して複数積み重ねたものからなり、上記文献などに記載されている公知の技術を用いて作製した。
【0048】
接合部の形状は、位置決め・光軸調整が簡単となるように、種種の形態をとることが可能である。
【0049】
(実施例2)
本発明の第2の実施例として、図8に示すように当接面に段差を有している構造の光通信モジュールについて説明する。
【0050】
構成部品としては、第1実施例と同様に、入射用の光ファイバー、反射用の光ファイバー、該2本の光ファイバーを保持する部材であるデュアルキャピラリー、本発明を適用して接合部を設けた第1のコリメートレンズ、WDM用薄膜フィルター、透過光を収束させるためのレンズであって、本発明の適用して接合部を設けた第2のコリメートレンズ、透過用の光ファイバーからなる。
【0051】
第1の実施例との違いは、接合部の当接面に段差を施した点である。第1のコリメートレンズの接合部に凸状の段差81を設けた。また、第2のコリメートレンズの接合部には、それを受ける形状の段差82を設けた。当接面の角度は実施例1と同様に、それぞれのコリメートレンズの光軸に対して90±0.5度以内と高い精度で作製した。
【0052】
これら2者を組み合わせて接合させる。この構成にすると、実施例1の構造で得られた、2つのレンズの光軸の平行度を簡便に保持できることに加えて、該光軸に垂直な方向の位置合わせ、(上述のX−Y方向の調整)が完了ないし簡便になり、第1実施例よりさらに簡便に組立を行なうことが可能となる。
【0053】
また、第2実施例の構造においては、凹凸状の段差に限られない。たとえば該光学部品の接合面にテーパー面を有している構造を採ることにより、第2実施例と同様の効果を売ることが可能である。その構成例を図9に示す。接合面は、テーパー面91である。
【0054】
(実施例3)
第3の実施例として、第1なし第2の実施例のWDM3端子フィルターモジュールを、シリコンベンチ上に構成した例について説明する。
【0055】
シリコン単結晶にフォトレジストを塗布して所定のマスクをかけて感光させたあと、KOH溶液を用いて異方性エッチングを行いV溝(光ファイバなどを実装するための溝)や台形型溝(レンズなどの光学部品を実装するための溝)など、光学部品の位置決めが可能となる凹部を形成した。これをシリコンベンチと呼ぶ。
【0056】
本実施例は図10の(a)および(b)に示すように、シリコンベンチ101の上に入射光用の光ファイバー、反射光用の光ファイバー、本発明を適用して接合部を設けた第1のコリメートレンズ、薄膜フィルター、本発明の適用して接合部を設けた第2のコリメートレンズ、透過光用の光ファイバーを配置装着して、WDM3端子フィルターモジュールを構成した例である。接合部一体型レンズの形態としては実施例1と同様のものを用いた。
【0057】
まず、実施例1と同様に、入射光用ファイバー ― 第1のコリメートレンズ― 第2のコリメートレンズ ― 透過光用ファイバー の4者が低損失で結合するような調整・組み立てを行なうが、シリコンベンチは上述のようなリソグラフィーと異方性エッチングにより、各光学部品が配置されるV溝や台形溝を高精度で加工することが可能である。そのため、各光ファイバーはV溝102に装着すれば位置決めが完了する。第1および第2のコリメートレンズにおいては、本発明により接合部の当接面を相互に直接接合させて、台形溝103上に装着する。この構造をとると、まず、該接合部の構造により、第1のコリメートレンズと第2のコリメートレンズの光軸の平行度が保持されるとともに、各レンズの中心距離が決定される。そして台形溝103に装着することにより、各レンズの光軸の、X−Y平面内での位置が決定される。すなわち各ファイバーおよび各レンズを装着した段階で残った調整要素は 「接合部を相互に接合したコリメートレンズの組」のZ軸方向の位置のみとなり、位置決め・光軸調整のほとんどが完了する。
【0058】
これを入射光用フィルターからテスト光を入射して透過光をモニターし、損失がもっとも低くなるように、該「コリメートレンズの組」のZ軸方向の位置を調整して、各光学部品をエポキシ接着剤などで固定する。その後に薄膜フィルターを装填して、特性の調整を行なう。
以上の構成をとることにより、より簡便な位置決め・光軸調整が可能であり組立工程の簡略化が図れる。
【0059】
さらに、図10の(b)に示すような、光ファイバ端部とレンズとの距離を一定に保つ位置決め手段である凸部104を、シリコンベンチ上のレンズが装着される台形溝103内に設けると、該第1コリメートレンズの外縁部を該凸部に当接させて装着することにより、該「コリメートレンズの組」のZ軸方向の位置をも調整が完了する。すなわち各光学部品の位置決め・光軸調整工程はそれらの装填段階ですべて完了する構成とすることが可能である。
【0060】
【本発明の効果】
光通信モジュールにおいて、光通信の光路上に、少なくとも第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材がこの順に配置されており、第三の光学部材が、第一の光学部材に直接接合することにより、各光学部品の光軸の平行度や位置を容易に調整することができ、モジュール組み立て工程の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】WDM3端子薄膜フィルターモジュールの構成模式図である。
【図2】本発明の実施例による、接合部一体型レンズである。
【図3】本発明の実施例によるスリーブである。
【図4】本発明の実施例によるデュアルキャピラリー部の組立図である。
【図5】本発明の実施例によるデュアルキャピラリーと第1コリメートレンズの組立図である。
【図6】本発明の実施例によるWDM3端子薄膜フィルターモジュールの組立図である。
【図7】本発明の実施例によるWDM3端子薄膜フィルターモジュールの断面図である。
【図8】本発明の実施例によるWDM3端子薄膜フィルターモジュールの断面図である。
【図9】本発明の実施例によるWDM3端子薄膜フィルターモジュールの断面図である。
【図10】本発明の第2実施例によるWDM3端子薄膜フィルターモジュールの断面図である。
【符号の説明】
11 第1のコリメートレンズ
12 第2のコリメートレンズ
13 薄膜フィルター
14 デュアルキャピラリー
15 シングルキャピラリー
16a 入射光用光ファイバー、
16b 反射光用光ファイバー
16c 透過光用光ファイバー、
21 接合部一体型レンズ
21a 接合部
21c 当接面
31 スリーブ
31a スリット
31b 接着剤を充填するための孔部31b
31c 薄膜フィルター装填用の孔部31c
44 ファイバー端面をキャピラリーの端面
45 反射防止膜
52a 調整アーム
52b 調整アーム
81 第1のコリメートレンズの接合部に凸状の段差
82 第2のコリメートレンズの接合部の段差
91 テーパー面
101 シリコンベンチ
102 V溝
103 台形溝
104 位置決め手段である凸部

Claims (7)

  1. 光通信モジュールであって、光通信の光路上に、少なくとも第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材がこの順に配置されており、第三の光学部材が、第一の光学部材に接合していることを特徴とする光通信モジュール。
  2. 請求項1に記載の光通信モジュールであって、上記接合している面の一部又は全部がテーパー面であることを特徴とする光通信モジュール。
  3. 請求項1に記載の光通信モジュールであって、上記接合している面の一部又は全部が段差を有することを特徴とする光通信モジュール。
  4. 請求項1から3いずれか記載の光通信モジュールであって、第一の光学部材が第1のコリメートレンズであり、第二の光学部材が光学フィルターであり、第三の光学部材が第二のコリメートレンズであることを特徴とする光通信モジュール。
  5. シリコンベンチ上に、少なくとも第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材が設置されている光通信モジュールであって、光通信の光路上に、第一の光学部材、第二の光学部材、第三の光学部材がこの順に配置されており、第三の光学部材が、第一の光学部材に接合していることを特徴とする光通信モジュール。
  6. 請求項5に記載の光通信モジュールであって、上記シリコンベンチ上には、上記光学部材が設置される凹部が設けてあることを特徴とする光通信モジュール。
  7. 請求項6に記載の光通信モジュールであって、上記凹部の内部には凸部が形成されており、前記凸部と前記第一の光学部材は当接していることを特徴とする光通信モジュール。
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