JP2004219405A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒーター等の回復手段を特に必要とすることなく、可逆的に且つ連続的にCO等の触媒毒ガス濃度を測定でき、また、H2O濃度の影響を受けずに触媒毒ガス濃度を測定するガスセンサを提供することである。
【解決手段】 ガスセンサの電気回路(15)は、両電極(3)、(5)間に交流電圧を印加する交流電源(19)と、両電極(3)、(5)間の交流電圧(交流実効電圧V)を測定する交流電圧計(21)と、両電極(3)、(5)間に流れる電流(交流実効電流I)を測定する交流電流計(23)とを有する。そして、両電極(3)、(5)に交流電圧を印加し、その際に発生する交流実効電圧Vと交流実効電流Iとからインピーダンスを求める。このインピーダンスは、触媒毒ガス濃度に対応しているので、インピーダンスと触媒毒ガス濃度との関係を示すマップを利用して、インピーダンスから触媒毒ガスの濃度を求めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池において燃料ガス中のCOや含硫黄物質等の触媒毒ガス、特にCO濃度の測定に好適なガスセンサに関する。
地球規模の環境悪化が問題視される中、高効率で、クリーンな動力源として燃料電池の研究が近年盛んに行われている。その中で、燃料電池としては、低温作動、高出力密度等の利点を有するという理由から、固体高分子型燃料電池(PEFC)が期待されている。
この場合、燃料ガスとして、ガソリンや天然ガス等の改質ガスの使用が有望であるが、温度、圧力等の条件によっては改質反応過程でCOが発生するため、改質ガス中にはCOが存在することとなる。また、原料に含まれる含硫黄物質が残存することがある。COや含硫黄物質等の触媒毒は、燃料電池の燃料極触媒であるPt等を被毒してしまうため、改質ガス中のCOや含硫黄物質濃度を直接検出できるガスセンサが必要になってくる。特にCOセンサの必要性が高く、このCOセンサには、水素リッチの雰囲気中での測定が可能であることが求められる。
そこで、従来より、被検出部を被測定ガス中に配置し、2つの電極間に所定の電圧を印加して流れる電流値の変化の傾きから、CO濃度を求める一酸化炭素センサが提案されている(特許文献1参照)。
また、これとは別に、パルス法により印加電圧を変化させたときの応答電流のCO濃度による変化から、CO濃度を求めるCOガスセンサが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−099809号公報 (第2頁、第1図) 特開2001−041926号公報 (第3頁、第2図)
しかしながら、前記引用文献1の技術では、上述した様に、両電極間に流れる電流値の変化の傾きからCO濃度を求めているので、COによる電流値の変化、すなわちCO被毒による電極触媒の変化は不可逆的である。この対策として、ヒーターを用いた回復手段を有しているが、センサ構造が複雑になるといった問題がある。
また、この一酸化炭素センサにおいては、両電極間に流れる電流は2つの電極間の抵抗に依存するため、H2O濃度が変化するとセンサ出力である電流値の変化の傾きが変化する。そのため、運転条件の変化等により測定雰囲気中のH2O濃度が変化した時には、H2Oの依存性を受けてしまい、正確なCO濃度の測定が困難になるといった問題がある。
一方、前記引用文献2の技術では、CO吸着電位とCO酸化電位を交互に繰り返すことによりCO濃度を測定しているが、CO酸化電位を印加されている間はCO濃度の測定が出来ないため、連続的にCO濃度の測定ができないという問題がある。
また、この技術では、前記引用文献1と同様に、2つの電極間に流れる電流は、2つの電極間の抵抗に依存するため、被測定ガス中のH2O濃度が変化すると、センサ出力である電流値の変化の傾きが変化するという性質がある。そのため、運転条件の変化等により、被測定ガス中のH2O濃度が変化した時には、H2O濃度の影響を受けてしまい、正確なCO濃度の測定が困難になるという問題もある。
更に、この技術では、アノード電極の触媒における水素酸化反応のCO濃度による変化を、固体電解質膜中に流れる直流電流の変化から測定し、この測定結果に基づいてCO濃度を求めている。このように直流電流が固体電解質膜中を流れることで、アノード電極の触媒近傍におけるH2O濃度が低い状態となるため、COの脱離が起こりにくくなり、応答性が悪化するという問題がある。
本発明の目的は、ヒーター等の回復手段を特に必要とすることなく、可逆的に且つ連続的にCO等の触媒毒ガス濃度を測定できるガスセンサを提供することである。また、H2O濃度の影響を受けずに触媒毒ガス濃度を測定するガスセンサを提供することであり、更に、応答性の良好なガスセンサを提供することである。
(1)上記課題を解決する為に、まず請求項1の発明は、プロトン(H+)を伝導するプロトン伝導層と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気に接する第1電極及び第2電極と、を備え、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度(触媒を被毒するガスの濃度)を求めることを特徴とする。
本発明では、触媒における水素酸化反応の触媒毒ガス濃度による変化を、第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加することによって得られる両電極間のインピーダンスから測定し、測定されたインピーダンスに基づいて、CO濃度等の触媒毒ガス濃度を測定する。これにより、可逆的且つ連続的に、しかも精度良く且つ応答性良く、触媒毒ガス濃度を測定することができる。
すなわち、(プロトン伝導層を構成する)固体高分子電解質を用い、直流電流のみによりCO濃度を求める従来のガスセンサでは、直流電流を流すことにより、H2と共にH2Oも常にポンピングされてしまうため、アノード電極の触媒近傍のH2O濃度が非常に低い状態になる。また、触媒に吸着した例えばCOは、H2Oと反応することで、脱離と吸着の平衡状態に達することから、H2Oが少なくなると、被測定ガス中のCOが無くなっても直ぐにCOの脱離が起こらない。つまり、触媒における水素酸化反応のCO濃度による変化に基づき求められるCO濃度を直流電流により測定しようとすると、アノード電極の触媒付近におけるH2O濃度が低い状態となるため、COの脱離と吸着が平衡状態に達せず、応答性の悪化を引き起こしてしまう。
それに対して、本発明の様に、交流を用いて測定を行うと、各電極に極性の異なる電圧が周期的に印加されることにより、H2Oが常に触媒近傍に存在するため、触媒毒ガスの脱離と吸着が常に平衡状態となり、H2Oと反応して例えばCOの脱離が起こり、応答性の悪化を引き起こさないという効果がある。
また、触媒毒ガスによる被毒は、導入されたCO等の触媒毒ガスが、触媒上に吸着して離脱しないために起こることから、本発明の様に、触媒毒ガスが常に反応できるようにしておくことで、不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。これにより、ヒータ等の回復手段を必要とすることなく、可逆的に且つ連続的に触媒毒ガスの濃度の測定が可能である。なお、交流電圧波形としては、正弦波、三角波、方形波等が挙げられる。
(2)請求項2の発明は、プロトンを伝導するプロトン伝導層と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気から遮蔽された第1電極と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気に接する第2電極と、を備え、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とする。
本発明の様な触媒上への触媒毒ガスの脱離吸着反応を利用するガスセンサでは、電極の触媒含有量が多いと触媒毒ガスの脱離吸着サイトが多いために、触媒毒ガスの脱離と吸着の飽和平衡状態に達するまでに時間がかかり、応答性が悪くなる。また、両電極が被測定ガスに晒されるガスセンサでは、応答性は両電極のうち触媒含有量の多い電極に依存する。そのため、更に応答性を向上するためには、両電極の触媒含有量を十分少なくすることが考えられる。ところが、両電極の触媒担持量を少なくすると両電極間のインピーダンスが増加してしまい、感度とゼロ点との比であるSN比が悪化する。
そこで、本発明の様に、一方の電極(第1電極)を被測定ガス雰囲気より遮蔽してCO等の触媒毒ガスに晒されないようにすることで、被測定ガス雰囲気から遮蔽された第1電極の触媒含有量を多くすることができ、SN比の悪化を引き起こさない。また、被測定ガス雰囲気に接する第2電極の触媒含有量を少なくすることで、応答性を向上することができる。
更に、被測定ガスに接する第2電極の触媒における水素酸化反応の触媒毒ガス濃度による変化を、第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加することによって得られる両電極間のインピーダンスから測定し、測定されたインピーダンスに基づいて、CO濃度等の触媒毒ガス濃度を測定する。そのため、H2Oが常に第2電極の触媒近傍に存在するため、H2Oと反応して例えばCOの脱離が起こり、応答性の悪化を引き起こさないという効果がある。
従って、本発明によれば、SN比の低下を抑制しつつ応答性に優れたガスセンサとすることができる。
(3)請求項3の発明は、前記第1電極と第2電極との間に、前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加した状態で、前記第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求めることを特徴とする。
本発明では、第1電極を被測定ガス雰囲気から遮蔽した状態で、第1電極と第2電極との間に、第2電極に対し第1電極が高電位となるように直流電圧を印加しているので、カソード電極側(第2電極側)にプロトンを伴ったH20分子が偏向することにより、カソード電極の触媒近傍におけるH2O濃度が高い状態となる。このように、常に多くのH2Oがカソード電極である第2電極の触媒近傍に存在するので、被測定ガス中の例えばCOが無くなると触媒に吸着していたCOが直ぐに脱離できるようになり、応答性が向上する。
(4)請求項4の発明は、前記直流電圧が、1200mV以下であることを特徴とする。
本発明は、好ましい直流電圧の範囲を示している。つまり、直流電圧を、1200mVより大きい設定値にすると、第1電極上の水素濃度が低くなりすぎるため、電極に使用されているカーボンや触媒の腐食を引き起こす。そのため、インピーダンスが安定しなくなることにより、応答性が悪化する。また、ガスセンサの耐久性も悪化するため、この範囲が好ましい。
(5)請求項5の発明は、プロトンを伝導するプロトン伝導層と、被測定ガスの拡散を律速する拡散律速部と、前記拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気に連通する測定室と、前記測定室内に収容され前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第1電極と、前記測定室外にて前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第2電極と、を備え、前記第1電極と前記第2電極との間に前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加して水素又はプロトンをポンピングするとともに、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とする。
本発明では、水素又はプロトンをポンピングしながらインピーダンスを測定することにより、触媒毒ガス濃度が検出できる。つまり、本発明では、拡散律速部を設け、第1電極と第2電極と間に第2電極に対し第1電極が高電位となるように直流電圧を印加して水素又はプロトンをポンピングすることで、測定室内の水素濃度を低くしている。そのため、例えば触媒毒ガスがCOである場合には、アノード電極側(第1電極側)では、下記(A)式で示されるCOのH2Oによるシフト反応が促進されてCOが反応できる。すなわち、COを反応させるのに十分であるような第1電極と第2電極との間の直流電圧設定にすることで、(A)式に従ってCOが一定に反応でき、アノード電極(第1電極)の触媒がCOによる被毒の影響を受けることを抑制する。
そして、第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加することにより、カソード電極(第2電極)の触媒における水素酸化反応の触媒毒ガス濃度による変化を、両電極間のインピーダンスから測定する。従って、電極の触媒毒ガスによる被毒の影響を受けることなく、精度良く触媒毒ガス濃度の測定ができる。更に、プロトン伝導層に直流電圧を印加しているので、水素と共にH20をポンピングして第2電極(カソード電極)側にH2Oを偏向させることができるので、第2電極の触媒において触媒毒ガスとH2Oが常に反応でき、応答性を向上することができる。
CO+H2O→CO2+H2・・・(A)
(6)請求項6の発明は、プロトンを伝導するプロトン伝導層と、被測定ガスの拡散を律速する拡散律速部と、前記拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気に連通する測定室と、前記測定室内に収容され前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第1電極と、前記測定室外にて前記プロトン伝導層に接する電気化学的に活性な触媒を有する第2電極及び参照電極と、を備え、前記第1電極と参照電極との間の電位差が所定値となるように前記第1電極と第2電極との間に前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加する第1工程と、前記第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加して水素又はプロトンをポンピングするとともに、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピ−ダンスを求める第2工程と、を有し、該第2工程にて求めた前記インピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とする。
本発明では、第1電極と参照電極との間の電位が一定になるように、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加する工程と、第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加してインピーダンスを測定する工程とを有する。従って、前記請求項5の発明と同様な効果を奏するとともに、測定室の水素濃度が一定になった状態でインピーダンスを測定することができる様になるため、水素濃度が変化した場合でも、精度良く触媒毒ガス濃度が測定できる。
(7)請求項7の発明は、前記第2電極が前記参照電極の機能を兼ね備え、前記第2電極及び前記参照電極が一体となっていることを特徴とする。
本発明では、第2電極と参照電極とを一体にすることで、センサ構造を簡単にすることができる。
(8)請求項8の発明は、前記第1電極と参照電極との間の前記電位差が、触媒毒ガスの酸化電位以上であることを特徴とする。
本発明の様に、第1電極と参照電極との間の電位差を触媒毒ガスの酸化電位以上に設定することにより、第1電極と第2電極との間の電圧をCO等の触媒毒ガスが酸化する電圧以上にすることができる。このため、第1電極の触媒において、例えばCOが上記(A)式に従って反応できるようになり、触媒毒ガスによる不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。
(9)請求項9の発明は、前記第1電極と参照電極との間の前記電位差が、250mV以上であることを特徴とする。
本発明では、電位差を250mV以上にすることで、第1電極と第2電極との間の電圧を触媒毒ガスが酸化する電圧以上にすることができる。これにより、第1電極の触媒において触媒毒ガスが反応し、触媒毒ガスよる不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。
特に、第1電極と参照電極との間の電位差を、400mV以上にすることがより好ましい。つまり、第1電極と参照電極との間の電位差を400mV以上に設定することにより、全てのCO等の触媒毒ガスを反応させることができるので、CO等による不可逆的な被毒を起こらないようにできる。
尚、上限電位としては、測定の際に誤差を引き起こしてしまわないように、水の解離電位以下の電位設定(例えば1000mV以下)であることが好ましい。
(10)請求項10の発明は、前記第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加した状態で、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して、前記インピーダンスを求めることを特徴とする。
本発明は、第1電極と第2電極との間に印加する電圧(電源)の種類を例示したものである。つまり、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加しつつ、両電極間に交流電圧を印加してインピーダンスを測定することにより、第1電極(アノード電極)の触媒において、上記(A)式のような反応が常に起こるため、触媒毒ガスによる被毒の影響を受けることなく触媒毒ガスの濃度を求めることができる。
(11)請求項11の発明は、前記第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧が、触媒毒ガスの酸化電圧以上であることを特徴とする。
本発明のように、第1電極と第2電極と間に印加する直流電圧を触媒毒ガスの酸化電圧以上にすることで、第1電極の触媒において触媒毒ガスが反応できるため、触媒毒ガスによる不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。
(12)請求項12の発明は、前記第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧が、400mV以上であることを特徴とする。
本発明では、第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧を400mV以上にすることで、触媒毒ガスが酸化する電圧以上となり、よって、第1電極の触媒において触媒毒ガスが反応し触媒毒ガスによる不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。
特に、第1電極と第2電極との間に550mV以上の直流電圧を印加することにより、水素又はプロトンのポンピングを促進して、測定室内の水素濃度を十分に低くすることができる。これにより、全ての触媒毒ガスを反応させることが出来るようになるため、CO等による被毒の影響を受けることなく、精度良く触媒毒ガス(例えばCOガス)の濃度を測定することができる。
尚、上限電圧としては、測定の際に誤差を引き起こしてしまわないように、水の解離電圧以下の電圧設定(例えば1200mV以下)であることが好ましい。
(13)請求項13の発明は、前記第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加した状態で印加される前記交流電圧の下限値が、触媒毒ガスの酸化電圧以上であることを特徴とする。
本発明により、印加される電圧の下限値が触媒毒ガスの酸化電圧以上になっていることで、常に第1電極の触媒において触媒毒ガスが反応するため、触媒毒ガスによる被毒の影響を受けることなく精度良く触媒毒ガス(例えばCOガス)の濃度を測定することができる。
(14)請求項14の発明は、前記交流電圧の下限値が、400mV以上であることを特徴とする。
本発明では、交流電圧の下限値を400mV以上にすることで触媒毒ガスの酸化電圧以上となり、CO等による被毒を起こらないようにできる。尚、交流電圧の下限値の上限電圧としては、測定の誤差を引き起こしてしまわないように、水の解離電圧以下の電圧設定(例えば1200mV以下)であることが好ましい。
(15)請求項15の発明は、前記第1電極と第2電極との間に印加される電圧によって流れる電流が、限界電流であることを特徴とする。
本発明では、限界電流まで水素をポンピングすることによって、第1電極上の水素濃度をより低くすることができるので、上記(A)式の反応をより安定して起こすことができる。
尚、本発明において電圧を順次増加するように印加した場合に、ある値まで上昇して上限となる電流を限界電流と称し、ここでは両電極間に交流電圧を印加しているため、変化する電流値の1周期の平均電流を限界電流とする。
(16)請求項16の発明は、前記限界電流の値から、前記被測定ガス中の水素濃度を求めることを特徴とする。
水素濃度により上述した限界電流値が異なるので、限界電流値から水素濃度を測定することができる。つまり、第1電極と第2電極との間に第2電極に対し第1電極が高電位となる電圧を印加すると、第1電極上で水素はプロトンに解離され、プロトンは、プロトン伝導層を介して第2電極側へ汲み出され、再び水素となって被測定ガス雰囲気に拡散する。その時、第1電極と第2電極との間に流れる電流値(限界電流:ここでは変化する電流値の1周期の平均電流)は水素濃度に比例するため、その電流値を測定することにより、水素濃度の測定が可能になる。
(17)請求項17の発明は、前記第1電極に含有されている触媒が、前記被測定ガス中の前記触媒毒ガスを吸着し、分解、解離、又は含水素物と反応させることにより、水素又はプロトンを生じさせることができる触媒であることを特徴とする。
本発明は、触媒を例示したものである。つまり、前記触媒により、CO等の触媒毒ガスを、例えば上記(A)式のように反応させることができ、これにより、CO等による不可逆的な被毒を起こらないようにできる。
前記触媒としては、白金及び/又は金を用いることができる。この白金や金を用いることにより、高いセンサ感度を得ることができ、このうち、白金と金との合金又は混合物を用いると特にセンサ感度が高く好適である。
(18)請求項18の発明は、前記第1電極と第2電極との間に異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスに基づいて、前記被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とする。
第1電極と第2電極との間のインピーダンスは、触媒毒ガス以外のガス(例えばH2O)や温度等によっても変化する。従って、第1電極と第2電極との間のインピーダンスは、触媒毒ガスにより変化するインピーダンスZ1とその他の成分(例えばH2O)の影響によるインピーダンスZ2との和で示される。
ここで、両電極間に印加する交流電圧の周波数により、測定できるインピーダンスが異なる。例えば1Hz程度の低周波数の場合には、主として両インピーダンスZ1+Z2が測定できるが、5kHz程度の高周波数の場合は、主として一方のインピーダンスZ2のみが測定できる。
従って、例えば低周波数におけるインピーダンスZ1+Z2と高周波数におけるインピーダンスZ2との差から、触媒毒ガスの濃度のみに対応するインピーダンスZ1を求めるようにして、異なる周波数で交流電圧を印加した際に測定したインピーダンスに基づいて、H2O等による外乱を排除して、精度良く触媒毒ガスの濃度を求めることができる。
特に、燃料電池のシステムにおいては、運転条件によってH2O濃度は変化し、よって、インピーダンスは変化してしまうため、上述した外乱を排除する補正(H2O補正)を行うことが好ましい。
また、より好ましくは、低周波側で測定するインピーダンスZ1+Z2と高周波側で測定するインピーダンスZ2各々の位相角度を測定することにより、Z1+Z2とZ2それぞれの実数部分、虚数部分を求め、Z1+Z2の実数部分とZ2の実数部分の差と、更にZ1+Z2の虚数部分とZ2の虚数部分の差をそれぞれ求め、この実数部分と虚数部分の差を用いて、それぞれの2乗の和の平方根を取る演算によりインピーダンス成分を求めることで、より正確に、Z1+Z2のインピーダンスとZ2のインピーダンスの差であるZ1のインピーダンスを求めることができる。
尚、ここでは一例として差を取る場合について記述したが、Z2を用いて演算による補正を行っても良く、これに限定されるものではない。
(19)請求項19の発明は、前記異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスが、異なる2つの周波数の切り替え波形からなる交流電圧を印加して測定した2つのインピ−ダンスであることを特徴とする。
本発明では、異なる2つの周波数の切り替え波形からなる交流電圧を印加することで、1つの回路で同時に2つのインピーダンスを測定することができるため、装置を簡略化できる。
(20)請求項20の発明は、前記異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスが、異なる2つの周波数の合成波からなる交流電圧を印加して測定した2つのインピ−ダンスであることを特徴とする。
異なる2つの周波数の合成波からなる交流電圧を印加することで、前記請求項20の発明と同様に、1つの回路で同時に2つのインピーダンスを測定することができるため、装置を簡略化できる。
(21)請求項21の発明は、前記異なる2つの周波数の一方が10000〜100Hzの間にあり、もう一方が10〜0.05Hzの間にあることを特徴とする。
本発明は、上述のZ2とZ1+Z2を求めることができる周波数を例示したものであり、これらの周波数の間で測定したインピーダンスを用いることで、H2O濃度依存性が補正でき、精度良くCO等の触媒毒ガス濃度を測定できる。
尚、より好ましくは、異なる2つの周波数の一方が5kHzであり、もう一方が1Hzである。
(22)請求項22の発明は、前記第1電極と第2電極との間に印加する交流電圧が、5mV以上であることを特徴とする。
本発明は、インピーダンスを測定できる交流電圧を例示したものであり、この電圧にすることでインピーダンスを好適に測定できる。
尚、交流電圧が5〜300mVであると、感度が大きく好ましく、交流電圧が150mVであると、感度が最も大きくなるので、より好ましい。
(23)請求項23の発明は、前記第2電極に用いられている触媒が、被測定ガス中の触媒毒ガスを吸着することができる触媒であることを特徴とする。
本発明は、第2電極に使用する触媒を例示したものであり、この触媒を用いることにより、CO等の触媒毒ガスを好適に吸着でき、よって、インピーダンスが変化するため、CO等の触媒毒ガス濃度の測定が可能になる。
前記触媒として、少なくとも白金を含む触媒を採用できる。この白金を含む触媒を用いることで、CO等の触媒毒ガス濃度の好適な測定が可能となる。
(24)請求項24の発明は、前記電極に用いられている触媒の密度が、0.1μg/cm2〜10mg/cm2であることを特徴とする。
本発明は、電極に用いられている触媒の密度を例示したものである。インピーダンスを測定する本発明のセンサにおいては、触媒量を任意に変えることで、感度を変化させることができるため、任意の濃度範囲でCO等の触媒毒ガス濃度の測定が可能となる。
特に、触媒の密度が1μg/cm2〜1mg/cm2の範囲が好適である。つまり、触媒量を減少させすぎるとゼロ点が上昇し、感度とゼロ点の比であるSN比を悪化させる。また、触媒量を増加させすぎると感度が低下するため、同様にSN比が悪化する。従って、この範囲の触媒の密度にすることで、SN比を悪化させることなく、CO等の触媒毒ガス濃度の測定が可能となる。
(25)請求項25の発明は、前記触媒毒ガスが、CO又は含硫黄物質であることを特徴とする。
本発明は、ガスセンサにより、その濃度を測定できる触媒毒ガスを例示したものである。つまり、本発明のガスセンサにより、CO又は含硫黄物質(例えばH2S)のガス濃度を好適に測定することができる。
また、本発明のガスセンサは、少なくともCO等の触媒毒ガスと水素とが存在している雰囲気にて使用できる。
次に、本発明の最良の形態の例(実施例)について説明する。
本実施例では、ガスセンサとして、固体高分子型燃料電池の燃料ガスに含まれる、一酸化炭素(CO)濃度及び水素濃度の測定に用いられるガスセンサを例に挙げる。
a)まず、本実施例1(請求項1の発明に該当)の構成について、図1に基づいて説明する。尚、図1はガスセンサの長手方向の断面図である。
図1に示す様に、本実施例のガスセンサは、板状のプロトン伝導層1を挟んで、対向する形に板状の第1電極3及び第2電極5が形成され、両電極3、5は、板状の第1支持体7及び第2支持体9により挟まれている。そして、第1電極3及び第2電極5は、それぞれリード部11、13を介して電気回路15に接続され、両電極3、5間のインピーダンス測定ができるようになっている。以下各構成について説明する。
前記プロトン伝導層1としては、比較的低温で作動するものが良く、例えばフッ素系樹脂であるNafion(デュポン社の商標)等を採用できる。このプロトン伝導層1の厚みは特に規定されないが、ここではNafion117膜(商品名)を使用した。
前記第1電極3及び第2電極5としては、例えばPt等の触媒を担持したカーボンからなる多孔質電極を採用できる。また、PtブラックやPt粉末等をNafion溶液で混錬したものでも良く、Pt箔やPt板でも良い。更に、触媒成分を含む合金等でも良い。尚、この触媒は電気化学的に活性であれば良い。ここで、電気化学的に活性とは、COやH2を電気化学的に吸着し、酸化できる触媒を言う。
また、第1支持体7及び第2支持体9には、第1電極3及び第2電極5と被測定ガス雰囲気とを接するための第1空孔16及第2空孔17が設けられている。この両空孔16、17は、ガスができるだけ拡散しやすい形状が良く、例えば1つの空孔でも良いし、多数孔により形成されていても良い。更に、拡散性がよくなるようにガスの拡散流路が形成されていても良い。
前記両支持体7、9は、アルミナ等のセラミックス又は樹脂等の絶縁体が好ましいが、電気的に絶縁されていれば良く、ステンレス等の金属でも良い。プロトン伝導層1と両電極3、5は、物理的に両支持体7、9により挟み込んで接触させるだけでも良いが、ホットプレスにより接着しても良い。
尚、前記第1電極3及び第2電極5の外側(プロトン伝導層1と反対側)は、それぞれ第1支持体7及び第2支持体9により気密されて覆われており、各空孔16、17を介してのみ、被測定ガス雰囲気と接している。
また、前記電気回路15には、両電極3、5間に交流電圧を印加する交流電源19と、両電極3、5間の電位差である交流電圧(交流実効電圧V)を測定する交流電圧計21と、両電極3、5間に流れる電流(交流実効電流I)を測定する交流電流計23とが配置されている。
尚、図示しないが、本実施例では、前記交流実効電圧Vと交流実効電流Iとから、インピーダンスを算出するための電子部品(例えばマイクロコンピュータ)が用いられる。
b)次に、本実施例におけるガスセンサの測定原理について説明する。
ガスセンサを、燃料ガス中に配置すると、第1電極3及び第2電極5に到達したCO等の触媒毒ガスが、第1電極3及び第2電極5のそれぞれの触媒に吸着する。そのため、触媒上のH2をプロトンに変化させる活性サイトが、触媒毒ガスにより被覆される。
ここで、触媒毒ガスの吸着と脱離は、被測定ガス雰囲気と平衡に達し、被覆される活性サイト数は触媒毒ガスの濃度に依存する。つまり、触媒毒ガスの濃度により、触媒の活性サイトの平衡被覆率が変化するため、「H2→2H++2e-」の水素酸化反応に起因する(両電極3、5間の)インピーダンスが変化する。よって、このインピーダンスの変化を検出することにより、CO等の触媒毒ガス濃度が測定できる。
具体的には、交流電圧計21で測定した第1電極3と第2電極5と間に印加される交流実効電圧Vと、交流電流計23で測定した第1電極3と第2電極5と間に流れる交流実効電流Iとを用い、下記(B)式に従ってインピーダンス(Z)を求めることができる。
インピーダンスZ=V/I・・・(B)
そして、このインピーダンスは、触媒毒ガス濃度に対応しているので、例えばインピーダンスと触媒毒ガス(例えばCO)濃度との関係を示すマップを利用して、インピーダンスから触媒毒ガスの濃度を求めることができる。
c)次に、本実施例のガスセンサの効果について説明する。
この様に、本実施例では、上述した構造のガスセンサにおいて、両電極3、5に交流電圧を印加し、その際に発生する交流実効電圧Vと交流実効電流Iとからインピーダンスを求め、このインピーダンスに基づいて触媒ガス濃度を測定できる。
また、本実施例では、従来の様な直流電流から求めた抵抗ではなく、交流電圧を印加した際に発生するインピーダンスを利用して触媒毒ガスの濃度を求めるので、応答性に優れているという利点がある。
更に、触媒毒ガスによる被毒は、導入されたCO等の触媒毒ガスが、触媒上に吸着して離脱しないために起こることから、本発明の様に、触媒毒ガスが常に反応できるようにしておくことで、不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。これにより、ヒータ等の回復手段を必要とすることなく、可逆的に且つ連続的に触媒毒ガスの濃度の測定が可能である。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所に説明は簡略化する。
a)まず、本実施例2(請求項3の発明に該当)の構成について、図2に基づいて説明する。尚、図2はガスセンサの長手方向の断面図である。
図2に示す様に、本実施例のガスセンサは、前記実施例1と同様に、プロトン伝導層31を挟んで、対向する形に第1電極33及び第2電極35が形成され、両電極33、35は、第1支持体37及び第2支持体39により挟まれている。そして、第1電極33及び第2電極35は、それぞれリード部41、43を介して電気回路45に接続され、両電極33、35間のインピーダンス測定ができるようになっている。
特に、本実施例では、第1支持体37と電気回路45の構成が、前記実施例1と異なっている。
つまり、本実施例では、第2支持体39には、被測定ガス雰囲気と第2電極35とを連通する空孔47が設けられているが、第1支持体37には、その様な空孔は設けられておらず、第1電極33は、第1支持体37により、被測定ガスとの接触が遮断されている。
また、前記電気回路45には、両電極33、35間に交流電圧を印加する交流電源49と、両電極33、35間に(第1電極33側を+極として)直流電圧を印加する直流電源51と、両電極33、35間の交流電圧(交流実効電圧V)を測定する交流電圧計53と、両電極33、35間に流れる電流(交流実効電流I)を測定する交流電流計55とが配置されている。
b)次に、本実施例におけるガスセンサの測定原理について説明する。
ガスセンサを、燃料ガス中に配置すると、第2電極35に到達したCO等の触媒毒ガスが、第2電極35の触媒に吸着し、触媒上のH2をプロトンに変化させる活性サイトが触媒毒ガスにより被覆される。
ここで、前記実施例1と同様に、触媒毒ガスの吸着と脱離は雰囲気と平衡に達し、被覆される活性サイト数は触媒毒ガスの濃度に依存する。つまり、触媒の活性サイトの平衡被覆率が変化するため、「H2→2H++2e-」の反応に起因するインピーダンスが変化する。よって、前記式(B)を用いて、前記交流実効電圧Vと交流実効電流Iとから、インピーダンスの変化を求めることで、CO等の触媒毒ガス濃度が測定できる。
c)次に、本実施例のガスセンサの効果について説明する。
また、本実施例では、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、特に、第1電極33を被測定ガス雰囲気から遮蔽しているため、遮蔽している第1電極33の触媒含有量を多くすることができるとともに、被測定ガス雰囲気に接する第2電極35の触媒含有量を少なくすることができる。そのため、感度とゼロ点との比であるSN比の悪化を抑制しつつ応答性に優れたガスセンサとすることができる。
更に、本実施例では、第1電極33と第2電極35との間に、第1電極33を+極、第2電極35を−極とした直流電圧を印加している。これにより、常に多くのH20がカソード電極である第2電極の触媒近傍に存在するので、被測定ガス中の例えばCOが無くなると触媒に吸着していたCOが直ぐに脱離できるようになり、応答性が向上する。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な箇所に説明は簡略化する。
a)まず、本実施例3(請求項5の発明に該当)の構成について、図3に基づいて説明する。尚、図3はガスセンサの長手方向の断面図である。
図3に示す様に、本実施例のガスセンサは、前記実施例2と同様に、プロトン伝導層71を挟んで、対向する形に第1電極73及び第2電極75が形成され、両電極73、75は、第1支持体79及び第2支持体81により挟まれている。そして、第1電極73及び第2電極75は、それぞれリード部61、63を介して電気回路65に接続され、両電極73、75間インピーダンス測定ができるようになっている。
特に、本実施例では、第1支持体79の構成が、前記実施例2と大きく異なっている。
本実施例では、第1支持体79に、ガスセンサの周囲から(第1電極73が収容された)測定室83に導入される被測定ガスの拡散を律速する拡散律速孔77が設けられている。一方、第2支持体81には、前記実施例2と同様な空孔85が設けられている。そして、プロトン伝導層71を介して、第1電極73から第2電極75側にプロトン(H+)のポンピングが行われる。
また、前記電気回路65には、両電極73、75間に交流電圧を印加する交流電源89と、両電極73、75間に(第1電極73側を+極として)直流電圧を印加する直流電源87と、両電極73、75間の交流電圧(交流実効電圧V)を測定する交流電圧計91と、両電極73、75間に流れる電流(交流実効電流I及び直流電流)を測定する電流計93とが配置されている。
b)次に、本実施例におけるガスセンサの測定原理について説明する。
ガスセンサを、燃料ガス中に配置すると、拡散律速孔77を通って第1電極73に到達した水素及び触媒毒ガスは、第1電極73と第2電極75と間に電圧を印加することによりプロトンとなって、プロトン伝導層71を介して第2電極75側へ汲み出される。
従って、この際に、第1電極73と第2電極75との間の交流実効電圧Vと、第1電極73と第2電極75との間に流れる交流実効電流Iとを用い、前記式(B)に従って、プロトンを汲み出すためのインピーダンスを求める。
このプロトンをくみ出すインピーダンス成分は、CO等の触媒毒ガスの濃度によって変化するため、インピーダンス成分の変化を測定することにより、CO等の触媒毒ガス濃度を検出することができる。
尚、電圧が印加され、第1電極73上で生成しプロトン伝導層71を介して第2電極75へ汲み出されたプロトンは、第2電極75上で再び水素となって被測定ガス雰囲気に拡散する。
c)次に、本実施例のガスセンサの効果について説明する。
本実施例のガスセンサでは、上述した様に、交流電圧計91で測定した交流実効電圧Vと、電流計93で測定した交流実効電流Iとから、インピーダンスを求め、このインピーダンスから、精度良く且つ応答性良く触媒毒ガス濃度を求めることができる。
また、測定室83内に導入されたCOが、常に反応できるようにしておくことで、不可逆的な被毒を起こらなくすることができる。これにより、ヒータ等の回復の手段を必要とすることなく、可逆的に且つ連続的にCO濃度の測定が可能である。
更に、第1電極73と第2電極75との間に流れる電流が、限界電流であるので、前記(A)式の反応をより安定して起こすことができる。これにより、CO濃度を、安定して精度良く測定することができる。
その上、第1電極73と第2電極75との間に流れる限界電流は、測定室83内の水素濃度に比例するので、限界電流から、被測定ガス中の水素濃度を求めることもできる。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例3と同様な箇所に説明は簡略化する。
a)まず、本実施例4(請求項6の発明に該当)の構成について、図4に基づいて説明する。尚、図4はガスセンサの長手方向の断面図である。
図4に示す様に、本実施例のガスセンサは、前記実施例3と同様に、プロトン伝導層101、第1電極103、第2電極105、拡散律速孔107、第1支持体109、第2支持体111、測定室113、空孔115、電気回路116等を備えている。
特に本実施例では、第1電極103及び第2電極105に加えて、第1電極103を収容する測定室113の外部に、参照電極117を備えている。つまり、参照電極117は、プロトン伝導層101に接して、第2電極105とは別体に、第2支持体111側に設けられた小室118内に配置されている。
この参照電極117は、被測定ガス中の水素濃度変化による影響が小さくなるように形成されているものであり、好ましくは、参照電極117での水素濃度をより安定化させるために、参照電極117を自己生成基準極とするのが良い。その方法としては、例えば第1電極103又は第2電極105から参照電極117へ一定な微小電流を流し、流した水素ガスの一部を所定の漏出抵抗部(例えば極細な孔等) を介して外部に漏出するようにすればよい。
また、本実施例では、前記電気回路116により、直流電源119にて、第1電極103と第2電極105との間に直流電圧を印加するとともに、交流電源121により、第1電極103と第2電極105との間に交流電圧を印加し、交流電圧計123にて、第1電極103と第2電極105との間の交流実効電圧Vを測定し、電流計125にて、第1電極103と第2電極105との間に流れる交流実効電流I及び直流電流を測定する。
更に、この電気回路116には、第2電極105側に対して交流電源121側又は電流計125側に接続を切り替えるために、即ち交流電圧の印加・非印加を切り替えるために、スイッチング素子127を備えている。
そして、本実施例では、第1電極103と参照電極117との間の電位差Vsが、例えば400mV以上の一定値(例えば450mV)となるように、第1電極103と第2電極105との間に印加する直流電圧を調節する。
b)次に、本実施例のガスセンサの動作を説明する。
本実施例では、スイッチング素子127を切り替えることにより、第1の工程と第2の工程とを、規定時間毎に切り替えて、COガスの濃度を測定する。
具体的には、第1の工程として、第1電極103と参照電極117との間の電位差が、前記一定値になるように、第1電極103と第2電極105との間に限界電流が得られるような十分な直流電圧を印加し、その時に流れる電流を測定する。
つまり、本実施例では、第1電極103と参照電極117との間の電位差が一定となるように、第1電極103と第2電極105との間に印加される直流電圧を可変にできるため、被測定ガス中の温度等の変化により、第1電極103と第2電極105との間の抵抗が上昇した場合は高い直流電圧が、抵抗が低下した場合は低い直流電圧がといったように、適宜最適な直流電圧を印加する。
一方、第2の工程として、上述した最適な直流電圧を第1電極103と第2電極105との間に印加して、水素又はプロトンをポンピングしながら、交流電圧を印加して、第1電極103と第2電極105との間のインピーダンスを測定する。
従って、本実施例では、前記実施例3の効果を奏するとともに、この第1の工程と第2の工程とを交互に繰り返すことにより、外乱の影響を受けずに、測定室117内の水素濃度を一定にしながら、第1電極103と第2電極105との間のインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、精度良くCO濃度等の触媒毒ガスの濃度を検出することができる。
次に、実施例5について説明するが、前記実施例4と同様な箇所に説明は簡略化する。
a)まず、本実施例5(請求項7の発明に該当)の構成について、図5に基づいて説明する。尚、図5はガスセンサの長手方向の断面図である。
図5に示す様に、本実施例のガスセンサは、前記実施例4と同様に、プロトン伝導層131、第1電極133、第2電極135、拡散律速部137、第1支持体139、第2支持体141、測定室143、空孔145、電気回路146等を備えているが、特に、第2電極135が参照電極の機能を兼ね備え、参照電極と一体になっている点に特徴がある。
また、本実施例では、前記電気回路146によって、直流電源147にて、第1電極133と第2電極135との間に直流電圧を印加するとともに、交流電源148により、第1電極133と第2電極135との間に交流電圧を印加し、交流電圧計150にて、第1電極133と第2電極135との間の交流実効電圧Vを測定し、電流計153にて、第1電極133と第2電極135との間に流れる交流実効電流Iを測定する。
更に、この電気回路146には、第2電極135側に対して第1電極133側(A端子)又は直流電源147側(B端子)に接続を切り替えるために、第1スイッチング素子149を備えるとともに、第2電極135側(直流電源147の+側)に対して電流計153側(C端子)又は交流電源148側(D端子)に接続を切り替えるために、第2スイッチング素子151を備える。
そして、本実施例では、第1電極133と参照電極を兼ねる第2電極135との間の電位差Vsが、例えば400mV以上の一定値(例えば450mV)となるように、第1電極133と第2電極135との間に印加する直流電圧を調節する。
b)次に、本実施例のガスセンサの動作を説明する。
・第1スイッチング素子149のA端子に接続した状態で、第1電極133と第2電極135との間の電位差(Vs)を測定する。
・次に、第1スイッチング素子149を、B端子に切り替えて、第2スイッチング素子151をC端子に接続し、先に測定した第1電極133と第2電極135との間の電位差が一定値(例えば450mV)となるように、第1電極133と第2電極135との間に直流電圧を印加する。
・規定時間後、第2スイッチング素子151をD端子に切り替えて、先の直流電圧を第1電極133と第2電極135との間に印加しながら、交流電圧を印加し、上述したインピーダンスアナライザにより、第1電極133と第2電極135との間のインピーダンスを測定する。
・そして、第1電極133と第2電極135との間のインピーダンスは、被測定ガス中の触媒毒ガスの濃度に依存するので、このインピーダンスから、CO濃度等の触媒毒ガスの濃度を検出することができる。
従って、本実施例のガスセンサにより、前記実施例4と同様な効果を奏するとともに、センサの構造を簡易化できるという利点がある。

次に、本発明の効果を確認した実験例について説明する。
(実験例1)
まず、本実施例1の効果を確認するために行った実験例について説明する。
本実験例1では、前記図1に示す実施例1のガスセンサ(請求項1に該当)を用いて、CO濃度測定を行った。
具体的には、インピーダンスアナライザ(SOLARTRON製 SI 1260 IMPEDANCE / GAIN-PHASE ANALYZER)を用いて、下記条件のもとでインピーダンスの測定を行った。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0→2→5→10→20→50→100→50→20→10→5→2→0ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2 (体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:15μg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:15μg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧 :0mV
・交流電圧 :150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
その結果を図6に示す。図6から明らかな様に、センサ出力(インピーダンスZの絶対値)がCO濃度の変化に応じて変化しており、本実施例1のガスセンサを用いて、ヒーター等の回復手段を用いることなく、可逆的にCO濃度の測定が可能であることが分かる。
(実験例2)
本実験例2では、前記図2に示す実施例2のガスセンサ(請求項3に該当)を用いて、CO濃度測定を行った。
具体的には、前記インピーダンスアナライザを用いて、下記条件のもとでインピーダンスZの測定を行った。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0→2→5→10→20→50→100→50→20→10→5→2→0ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:15μg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧 :700mV
・交流電圧 :150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
その結果を図7に示す。図7から明らかな様に、センサ出力(インピーダンスZの絶対値)がCO濃度の変化に応じて変化しており、本実施例2のガスセンサを用いて、ヒーター等の回復手段を用いることなく、可逆的にCO濃度の測定が可能であることが分かる。
(実験例3)
本実験例3では、前記図2に示す実施例2のガスセンサ(請求項3に該当)を用いて、ガスセンサの応答性の実験を行った。
具体的には、下記条件にて、第1電極と第2電極との間に印加する直流電流を変更し、前記インピーダンスアナライザを用いて、インピーダンスを測定し、そのインピーダンス比を求めた。尚、インピーダンス比とは、CO=0ppmの時のインピーダンスを0にして、感度(CO=100ppmの時のインピーダンスからCO=0ppmの時のインピーダンスを引いた値)が1となるように規格化した値のことである。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0→100→0ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1μg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:15μg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:0、400、700、1000、1200mV(実施例)、-100、1500mV (比較例)、
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
その結果を図8に示す。同図は、横軸に時間をとり、縦軸にインピーダンスの比を取ったものであり、COが0ppmから100ppmに変化したときの応答特性を示している。尚、−100mVとは、第1電極側を−極とした場合である。
同図から、比較例の直流電圧が−100mVの時に、応答特性が悪化していることがわかる。これは、直流電圧が−100mVの時には、遮蔽された第1電極側へ水素がポンピングされるために、被測定ガス雰囲気に接する第2電極の触媒近傍におけるH20濃度が低い状態となり、COの脱離が起こりにくくなったことに起因する。このことより、第1電極と第2電極との間には直流電圧を印加しないか(0mV)、印加する直流電圧の設定値は第1電極側が+の電圧であることが好ましいことが分かる。
更に、比較例の直流電圧が1500mVの時にも、応答特性が大幅に悪化していることが分かる。これは、高い電圧を印加していることで第1電極上の水素濃度が低くなりすぎるため、電極に使用されているカーボンや触媒の腐食を引き起こし、インピーダンスが安定しなくなることに起因する。
このことより、本実施例のガスセンサを用いて応答性良くCO濃度が測定できる直流電圧の範囲は、0〜1200mVが好ましいことがわかる。
(実験例4)
本実験例4では、前記図3に示す実施例3のガスセンサ(請求項5に該当)を用いて、CO濃度測定を行った。
具体的には、前記インピーダンスアナライザを用いて、下記条件のもとでインピーダンスZの測定を行った。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=1000、5000、10000、15000、20000ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt-Au担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極第2電極間の設定
・直流電圧:700mV
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
その結果を図9に示す。図9より、センサ出力がCO濃度の変化に応じて変化しており、本実施例のガスセンサにより、CO濃度の測定が可能であることがわかる。
(実験例5)
本実験例5では、前記図3に示す実施例3のガスセンサ(請求項5に該当)を用いて、ガスセンサの応答性の実験を行った。
具体的には、下記条件にて、第1電極と第2電極との間に印加する直流電流を変更し、前記インピーダンスアナライザを用いて、インピーダンスを測定し、そのインピーダンス比を求めた。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=1000→5000→10000→15000→20000→
15000→10000→5000→1000ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt-Au担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:700mV
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
・データサンプリング間隔:5sec
その結果を図10に示す。図10より、センサ出力がCO濃度の変化に対して可逆的に変化していることがわかる。すなわち、実施例3のガスセンサを用いることにより、ヒーター等の回復の手段を有することなく、可逆的にCO濃度測定が可能であることがわかる。
ここで第1電極に用いた電極触媒は、PtとAuを重量比で1:1としたものであり、カーボン粉末に担持したものを用いた。添加した金は合金化処理されていても良いし、混合物として含まれていてもよい。
(実験例6)
本実験例6では、前記図3に示す実施例3のガスセンサ(請求項5に該当)を用いて、CO濃度を測定できる直流電圧設定値を確認した。
具体的には、下記条件にて、第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧(Vp)を変更し、その際に両電極間に流れる電流(Ip)を測定した。尚、ここでは、交流電圧は印加しなかった。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0、20000ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・印加電圧Vp:0〜1000mV(100mV/min sweep印加)
・第1電極の電極触媒:Pt-Au担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
その結果を図11及び図12に示す。両図は、横軸には印加電圧Vpをとり、縦軸は流れた電流値Ipをとったものである。
両図から、CO=0ppmの時には、Vp=100mVから電流値(Ip)は一定(限界電流)となっているが、CO=20000ppmの時には、電流値が低く(限界電流に到らず)、COの被毒を受けていることがわかる。しかし、Vpが400mV以上の領域において電流値は上昇しはじめ、Vp=550mV以上の領域では、CO=20000ppm共存時でも限界電流になっていることがわかる。
従って、この実験から、図11に示す様に、直流電圧を400mV以上にすることで、前記(A)式に従ってCOが酸化し始めることが分かり、被毒の影響を受けずに安定してCO濃度の測定ができることが分かる。更に、図12に示す様に、直流電圧を550mV以上に設定することで、前記(A)式に従ってCOは全て反応できるため、COの被毒を受けることなく、安定してCO濃度の測定を行うことができることが分かる。
(実験例7)
本実験例7では、前記図4に示す実施例4のガスセンサ(請求項6に該当)を用いて、安定してCO濃度を測定できる参照電極と第1電極との間の設定電位を確認した。
具体的には、下記条件にて、参照電極と第1電極と間に生じる電位差(Vs)をモニタしながら、第1電極と第2電極と間に印加する直流電圧(Vp)を変化させた時に、第1電極と第2電極との間に流れる直流電流(Ip)を測定した。尚、ここでは、交流電圧は印加しなかった。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0、20000ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・印加電圧Vp:0〜1000mV(100mV/min sweep印加)
・第1電極の電極触媒:Pt-Au担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
前記測定結果を図13及び図14に示す。両図から、CO=0ppmの時には、Vs=100mVから電流値(Ip)は一定(限界電流)となっているが、CO=20000ppmの時には、電流値が低く(限界電流に到らず)、COの被毒を受けていることがわかる。
しかし、Vs=250mV以上の領域(COを酸化できる領域:図13参照)で、電流値は上昇し始め、Vs=400mV以上の領域(被毒を受けずに安定して測定できる領域:図14参照)では、CO=20000ppm共存時でも、限界電流になっていることがわかる。
従って、この実験例から、設定電圧Vsを250mV以上にすることで、前記(A)式に従ってCOが酸化し始めることが分かり、被毒の影響を受けずに安定してCO濃度の測定ができることが分かる。
更に、図14に示すように、設定電圧Vsを400mV以上に設定することで、前記(A)式に従ってCOは全て反応できるため、COの被毒を受けることなく、安定してCO濃度の測定を行うことができることが分かる。
(実験例8)
本実験例8は、前記図3に示す実施例3のガスセンサ(請求項5に該当)を用い、そのCO濃度の測定の際に、CO濃度の補正を行ったものである。
このCO濃度測定の補正とは、被測定ガス中のH2O濃度が運転状態によって変化し、変化したH2O濃度によって前記インピーダンス(特にプロトン伝導層の内部インピーダンス)が変化するので、このH2O濃度による影響を排除するために行うものである。
ここでは、下記条件にて、インピーダンスの測定を行った。即ち、印加する交流電圧の周波数を、異なる周波数(下記(1)の1Hzと(2)の5kHz)に設定して、それぞれのインピーダンスを測定した。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=1000、5000、10000、15000、20000ppm
・その他のガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=15、20、25、30、35%、
残部N2(体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt-Au担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
≪(1)インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:700mV
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
前記測定結果を図15に示す。図15から、各H2O濃度においてインピーダンス(従ってセンサ出力)はCO濃度に応じて変化するので、各H2O濃度においてCO濃度測定が可能であることが分かる。
しかし、単に1Hzのデータのみでは、H2O濃度によってセンサ出力が変化するので、CO濃度測定において、H2O濃度の依存性を受けてしまう。従って、下記の様に、更に、測定周波数を変更して、プロトン伝導層の内部インピーダンス(第1電極と第2電極間のインピーダンス)を測定した。
≪(2)インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:700mV
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:5kHz
その結果を、下記表1に示す。尚、表1では、各周波数のインピーダンスの差も示している。
Figure 2004219405
この表1に示す様に、1Hzで測定した第1電極と第2電極との間のインピーダンス(Z1Hz)のみを用いてCO濃度測定を行う場合には、H2O濃度の影響を受けてしまうが、1Hzで測定した第1電極と第2電極との間のインピーダンス(Z1Hz)と5kHzで測定したプロトン伝導層の内部インピーダンス(Z5kHz)との差ΔZは、CO濃度に対応した値となることが分かる。
よって、CO濃度測定の際に、前記インピーダンスの差ΔZを用いることにより、H2O濃度の依存性を受けずに、精度良くCO濃度の測定を行うことができることが分かる。
ここで、異なる2つの周波数の切り替え波形からなる交流によりインピーダンスを測定する下記a)、b)の2種の方法について記述する。
a)図16の上図に示す様に、電気回路にて、センサに対してスイッチの切り替えにより、1Hzの低周波と5kHzの高周波の切り替え波形(図16の下図参照)を作成し、それぞれの周波数を印加した時の電流値を、IV変換回路にて電圧に変換し、その低周波側のボトムピークと高周波側のボトムピークをホールドし、この値からそれぞれのインピーダンスを算出する。
そして、低周波側、高周波側それぞれのインピーダンスを用いて、所定の演算を行うことにより、前記インピーダンスの差ΔZを求め、そのΔZに対応したCO濃度を求めることにより、H2O濃度補正されたセンサ出力が得られる。
b)また、図17の上図に示す様に、1Hzの低周波と5kHzの高周波の合成波、即ち、1Hzの低周波交流電圧に5kHzの高周波交流電圧を重畳した合成波(図17の下図参照)を作成し、その合成波を印加した時の電流値を、IV変換回路にて電圧に変換し、それぞれローパスフィルタと、ハイパスフィルタを通して分離した低周波側のボトムピークと高周波側のボトムピークをホールドし、この値からそれぞれのインピーダンスを算出する。
そして、低周波側、高周波側それぞれのインピーダンスを用いて、所定の演算を行うことにより、前記インピーダンスの差ΔZを求め、そのΔZに対応したCO濃度を求めることにより、H2O濃度補正されたセンサ出力が得られる。
(実験例9)
本実験例9は、前記図2に示す実施例2のガスセンサ(請求項2に該当)において、H2O濃度補正を行うための上述した2つの周波数の確認を行った。
具体的には、下記条件にて、前記インピーダンスアナライザを用い、測定周波数を変更し、その際のCO=100ppmのインピーダンスを求めるとともに、CO=100ppmのインピーダンスとCO=0ppmのインピーダンスとの差を、感度として求めたものである。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0、100ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2 (体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:0.015mg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧 :700mV
・交流電圧 :150mV(実効値)
・測定周波数:1000000〜0.1Hz
図18及び図19に測定結果のグラフを示す。図18は横軸に測定周波数をとり、縦軸に100ppm時の感度をとったものであり、図19は横軸に測定周波数をとり、縦軸に100ppm時のインピーダンスをとったものである。
図18から、異なる周波数のうち、H2O濃度補正を行うための低周波側の好ましい周波数が分かる。つまり、同図から、周波数が10Hz以下の領域において、感度が得られていることがわかる。すなわち、本実施例のガスセンサでは、CO濃度を測定するための周波数は10Hz以下であることが好ましいことがわかる。更に、周波数が低すぎるとサンプリング時間が長くなってしまい応答性が悪化してしまうことを考慮すると、10Hz〜0.05Hzが好ましい。より好ましくは1Hzが良い。
一方、図19から、異なる周波数のうち、H2O濃度補正を行うための高周波側の好ましい周波数が分かる。つまり、同図から、100Hz以上の周波数においてインピーダンスは変化していないことがわかる。すなわち、100Hz以上の周波数を用いることでプロトン伝導層のインピーダンスを測定することができ、H2O濃度の補正を行うことが可能になることが分かる。更に、この周波数は100000Hz〜100Hzが好ましい。より好ましくは5kHzがよい。
(実験例10)
本実験例10は、前記図2に示す実施例2のガスセンサ(請求項2に該当)において、インピーダンスを測定するための交流電圧を定めたものである。
具体的には、下記条件で、異なる交流電圧で測定した時の100ppm投入時の感度(CO=100ppmのインピーダンスとCO=0ppmのインピーダンスの差)を求めた。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0、100ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2 (体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:0.015mg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:0mV
・交流電圧:5、10、100、150、200、300、500mV(実効値)
・測定周波数:1Hz
その結果を図20に記す。図20から明らかな様に、5mV以上でインピーダンスが測定できることがわかる。特に、感度は大きい方が好ましいことから、交流電圧は5mV〜300mVが好ましい。更には最も感度が大きくなる交流電圧である150mVが好ましい。
(実験例11)
本実験例11は、前記図2に示す実施例2のガスセンサ(請求項2に該当)において、
第2電極の触媒量を変化させたときの感度特性を評価したものである。
具体的には、下記条件にて、前記インピーダンスアナライザを用い、1Hzのインピーダンスと5kHzのインピーダンスの差を感度として求めた。
≪測定条件≫
・ガス組成:CO=0、10、20、50、100、200、500、1000、2000、10000、20000ppm
・その他ガス組成:H2=35%、CO2=15%、H2O=25%、残部N2 (体積%)
・ガス温度:80℃
・ガス流量:10L/min
・第1電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒 触媒密度:1mg/cm2
・第2電極の電極触媒:Pt担持カーボン触媒
触媒密度:1.5μg/cm2 、15μg/cm2、150μg/cm2、1mg/cm2
≪インピーダンスアナライザ≫
第1電極、第2電極間の設定
・直流電圧:700mV
・交流電圧:150mV(実効値)
・測定周波数:1Hz、5kHz
図21に測定結果を示す。図21から明らかな様に、触媒量が1mg/cm2では、10〜100ppmの範囲でほとんどインピーダンスに変化はないが、触媒量を減少させるにつれて、10〜100ppmの低濃度のCOに対してインピーダンスが変化することが分かる。すなわち、感度を示すようになっていることが分かる。
更に、触媒量によって感度を示す濃度領域が変化していることが分かる。すなわち、触媒量を変化させることで感度特性が変化することが分かる。この結果より、センサの電極の触媒量を変化させることで、測定できるCO濃度の範囲を可変できることが分かる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、第1電極等に用いる電極触媒は、被測定ガス中の触媒毒ガスを吸着し、分解又は解離又は含水素物と反応させることにより水素又はプロトンを生じることができる触媒であればよく、前記実施例や実験例に限定されるものではない。
また、本発明では、ヒータ等の回復手段を必ずしも必要としないが、より性能の向上を図るために、ヒータ等の回復手段を設けてもよい。
実施例1のガスセンサを破断して示す説明図である。 実施例2のガスセンサを破断して示す説明図である。 実施例3のガスセンサを破断して示す説明図である。 実施例4のガスセンサを破断して示す説明図である。 実施例5のガスセンサを破断して示す説明図である。 実験例1のCO濃度の変化に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例2のCO濃度の変化に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例3のCO濃度の変化に対するインピーダンス比の時間的変化を示すグラフである。 実験例4のCO濃度の変化に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例5のCO濃度の変化に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例6の直流電圧Vpと直流電流Ipとの関係を示すグラフである。 実験例6の直流電圧Vpと直流電流Ipとの関係を示すグラフである。 実験例7の設定電圧Vsと直流電流Ipとの関係を示すグラフである。 実験例8の設定電圧Vsと直流電流Ipとの関係を示すグラフである。 実験例8のCO濃度の変化に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 異なる周波数を用いる場合のブロック図及び合成波形である。 異なる周波数を用いる場合の他のブロック図及び合成波形である。 実験例9の測定周波数と感度との関係を示すグラフである。 実験例9の測定周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。 実験例10の交流電圧と感度との関係を示すグラフである。 実験例11のCO濃度とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1、31、71、101、131…プロトン伝導層
3、33、73、103、133…第1電極
5、35、75、105、135…第2電極
15、45、65、116、146…電気回路
16、17、47、85、115、145…空孔
77、107、137…拡散律速孔
19、49、89、121、148…交流電源
51、87、119、147…直流電源
117…参照電極

Claims (25)

  1. プロトンを伝導するプロトン伝導層と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気に接する第1電極及び第2電極と、
    を備え、
    前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とするガスセンサ。
  2. プロトンを伝導するプロトン伝導層と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気から遮蔽された第1電極と、前記プロトン伝導層に接して設けられ且つ電気化学的に活性な触媒を有し且つ被測定ガス雰囲気に接する第2電極と、
    を備え、
    前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とするガスセンサ。
  3. 前記第1電極と第2電極との間に、前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加した状態で、前記第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求めることを特徴とする前記請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記直流電圧が、1200mV以下であることを特徴とする前記請求項3に記載のガスセンサ。
  5. プロトンを伝導するプロトン伝導層と、被測定ガスの拡散を律速する拡散律速部と、前記拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気に連通する測定室と、前記測定室内に収容され前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第1電極と、前記測定室外にて前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第2電極と、
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極との間に前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加して水素又はプロトンをポンピングするとともに、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピーダンスを求め、そのインピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とするガスセンサ。
  6. プロトンを伝導するプロトン伝導層と、被測定ガスの拡散を律速する拡散律速部と、前記拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気に連通する測定室と、前記測定室内に収容され前記プロトン伝導層に接するとともに電気化学的に活性な触媒を有する第1電極と、前記測定室外にて前記プロトン伝導層に接する電気化学的に活性な触媒を有する第2電極及び参照電極と、
    を備え、
    前記第1電極と参照電極との間の電位差が所定値となるように前記第1電極と第2電極との間に前記第2電極に対し前記第1電極が高電位となるように直流電圧を印加する第1工程と、前記第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加して水素又はプロトンをポンピングするとともに、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して当該第1電極と第2電極との間のインピ−ダンスを求める第2工程と、を有し、該第2工程にて求めた前記インピーダンスに基づいて被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とするガスセンサ。
  7. 前記第2電極が前記参照電極の機能を兼ね備え、前記第2電極及び前記参照電極が一体となっていることを特徴とする前記請求項6に記載のガスセンサ。
  8. 前記第1電極と参照電極との間の前記電位差が、触媒毒ガスの酸化電位以上であることを特徴とする前記請求項6又は7に記載のガスセンサ。
  9. 前記第1電極と参照電極との間の前記電位差が、250mV以上であることを特徴とする前記請求項8に記載のガスセンサ。
  10. 前記第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加した状態で、前記第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加して、前記インピーダンスを求めることを特徴とする前記請求項5〜9のいずれかに記載のガスセンサ。
  11. 前記第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧が、触媒毒ガスの酸化電圧以上であることを特徴とする前記請求項10に記載のガスセンサ。
  12. 前記第1電極と第2電極との間に印加する直流電圧が、400mV以上であることを特徴とする前記請求項11に記載のガスセンサ。
  13. 前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加した状態で印加される前記交流電圧の下限値が、触媒毒ガスの酸化電圧以上であることを特徴とする前記請求項11又は12に記載のガスセンサ。
  14. 前記交流電圧の下限値が、400mV以上であることを特徴とする前記請求項13に記載のガスセンサ。
  15. 前記第1電極と第2電極との間に印加される電圧によって流れる電流が、限界電流であることを特徴とする前記請求項5〜14のいずれかに記載のガスセンサ。
  16. 前記限界電流の値から、前記被測定ガス中の水素濃度を求めることを特徴とする前記請求項15に記載のガスセンサ。
  17. 前記第1電極に含有されている触媒が、前記被測定ガス中の前記触媒毒ガスを吸着し、分解、解離、又は含水素物と反応させることにより、水素又はプロトンを生じさせることができる触媒であることを特徴とする前記請求項5〜16のいずれかに記載のガスセンサ。
  18. 前記第1電極と第2電極との間に異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスに基づいて、前記被測定ガス中の触媒毒ガス濃度を求めることを特徴とする前記請求項1〜17のいずれかに記載のガスセンサ。
  19. 前記異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスが、異なる2つの周波数の切り替え波形からなる交流電圧を印加して測定した2つのインピ−ダンスであることを特徴とする前記請求項18に記載のガスセンサ。
  20. 前記異なる周波数の交流電圧を印加して求めたインピーダンスが、異なる2つの周波数の合成波からなる交流電圧を印加して測定した2つのインピ−ダンスであることを特徴とする前記請求項18に記載のガスセンサ。
  21. 前記異なる2つの周波数の一方が10000〜100Hzの間にあり、もう一方が10〜0.05Hzの間にあることを特徴とする前記請求項19又は20のいずれかに記載のガスセンサ。
  22. 前記第1電極と第2電極との間に印加する交流電圧が、5mV以上であることを特徴とする前記請求項1〜21のいずれかに記載のガスセンサ。
  23. 前記第2電極に用いられている触媒が、被測定ガス中の触媒毒ガスを吸着することができる触媒であることを特徴とする前記請求項1〜22のいずれかに記載のガスセンサ。
  24. 前記電極に用いられている触媒の密度が、0.1μg/cm2〜10mg/cm2であることを特徴とする前記請求項1〜23のいずれかに記載のガスセンサ。
  25. 前記触媒毒ガスが、CO又は含硫黄物質であることを特徴とする前記請求項1〜24のいずれかに記載のガスセンサ。
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