JP2004217556A - 1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造法 - Google Patents
1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造法 Download PDFInfo
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Abstract
【目的】従来法に比べて、1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類を安全かつ安価に製造できる方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1)
【化1】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物と一般式(2)
【化2】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表される化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる、一般式(3)
【化3】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表される化合物の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】一般式(1)
【化1】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物と一般式(2)
【化2】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表される化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる、一般式(3)
【化3】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表される化合物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、医薬および農薬等の中間体として有用な1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造方法として、いくつかの方法が知られている。例えば、2−ベンズイミダゾロンとヨウ化メチルをターシャリーブトキシカリウムの存在下にDMF溶媒中で反応させて製造する方法がある(特許文献1および特許文献2)。この方法は 高価なヨウ化メチルとターシャリーブトキシカリウムを使用するために経済的ではない。また、2−ベンズイミダゾロンと尿素をneatで 140−145℃という条件で反応させて製造する方法がある(非特許文献1)。しかし、この方法は反応条件が過酷であること、また収率も65.5%と低く、効率的ではない。
【0003】
さらに、1,1′−カルボニルジイミダゾールとオルトフェニレンジアミンを反応させて得られた2−ベンズイミダゾロンを水素化ナトリウムの存在下にヨウ化メチルと反応させる1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの製造方法が知られている(特許文献3)。この方法も高価な1,1′−カルボニルジイミダゾールを使用する点および、水素化ナトリウムを使用すること等のため工業的ではない。
【0004】
オルトフェニレンジアミンとジメチルカーボネートを酢酸鉛または酢酸錫の存在下に200℃で20時間反応させてワンポットで殆ど定量的に1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンが得られるとの報告もある(非特許文献2)が、この方法の難点は 重金属を含む触媒の使用が環境面から好ましくないこと また高温、高圧での長時間反応であり、高価な高圧反応装置が必要であることである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−322984号公報
【特許文献2】
特開平2001−288119号公報
【特許文献3】
特開平4−243865号公報
【非特許文献1】
Tetrahedron 56(2000)p.9949−p.9955
【非特許文献2】
Journal of Catalysis197,p.91−p.97(2001)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、従来法に比べて、1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類を安全かつ安価に製造できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2−ベンズイミダゾロンとジメチル硫酸とを水酸化ナトリウムの存在下、水溶媒中で反応させることにより1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンが高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(1) 一般式(1)
【0008】
【化8】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物と一般式(2)
【0009】
【化9】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表される化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる、一般式(3)
【0010】
【化10】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表される 化合物の製造方法であり、
(2) 一般式(1)で表される化合物が2−ベンズイミダゾロンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである前記(1)記載の方法であり、
(3) 一般式(4)
【0011】
【化11】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物とホスゲンとを水溶媒中で反応させて得られる一般式(1)
【0012】
【化12】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物を単離せずに、該一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)
【0013】
【化13】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表わされる化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる一般式(3)
【0014】
【化14】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表わされる化合物の製造方法であり、
(4) 一般式(4)で表される化合物がオルトフェニレンジアミンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである前記(3)記載の方法であり、
(5) 一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させるに際し、アルカリ金属の水酸化物の水溶液として20〜50重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、かつ該水溶液を一般式(1)で表わされる化合物に対して10〜30重量倍用い、反応温度を50〜110℃で行う前記(1)〜前記(4)のいずれか一項に記載の方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる一般式(1)で表わされる化合物としては、例えば、2−ベンズイミダゾロン、5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン、2−ベンズイミダゾロン、5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。これらのなかでも2−ベンズイミダゾロンは合成が容易であり好ましい。
【0016】
一般式(1)で表わされる化合物は、一般式(4)で表わされる化合物を原料とし、米国特許第5003079号明細書に記載された方法およびこれに準じた方法を用いて製造することができる。すなわち、一般式(4)で表わされる化合物とホスゲンを水溶媒中で反応液のpH6〜12に調整しつつ反応させることにより製造することができる。一般式(1)で表わされる化合物である2−ベンズイミダゾロンを製造するに際して、一般式(4)で表わされる化合物であるオルトフェニレンジアミンとホスゲンとの水溶媒中での反応を反応液のpHを2.7〜3.3に調整することにより、2−ベンズイミダゾロンを収率よく得ることもできる。
【0017】
上記の反応で生成した一般式(1)で表わされる化合物は、反応終了後冷却し、反応混合物中に析出している結晶を濾過して単離した後、洗浄し、乾燥して、または乾燥せずに次の反応に使用することができるが、該反応混合物から一般式(1)で表わされる化合物を単離せずに一般式(2)で表わされる化合物との反応に使用することができる。後者の方法は製造プロセスの簡略化に有効である。本発明に用いられる一般式(2)で表わされる化合物は、ジメチル硫酸またはジエチル硫酸である。これらのなかでもジメチル硫酸は安価に入手し易く好ましい。
【0018】
本発明に用いられるアルカリ金属の水酸化物の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどの水溶液が挙げられる。これらのなかでも水酸化ナトリウムの水溶液は安価に入手し易く好ましい。
【0019】
本発明においては、一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる。
【0020】
反応に用いる一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物の使用量は、一般式(1)で表わされる化合物1モルに対して一般式(2)で表わされる化合物を2〜2.5モルの範囲で用いれば十分である。後処理を考慮すれば一般式(1)で表わされる化合物1モルに対して一般式(2)で表わされる化合物を2〜2.2モル使用するのが好ましい。
【0021】
アルカリ金属の水酸化物の水溶液は、一般式(1)で表わされる化合物に対して10〜30重量倍の量を用いることができるが、15〜25重量倍の量を用いるのが好ましい。10重量倍以上の量を用いることは、攪拌効率の点で好ましく、30重量倍以下の量を使用することはコストの点で好ましい。
【0022】
アルカリ金属の水酸化物の水溶液中におけるアルカリ金属の水酸化物の濃度は、20〜50重量%の範囲であるが、25〜40重量%が好ましい。アルカリ金属の水酸化物の濃度が20%以上であると反応収率の点で好ましく、50%以下であると操作性の面で好ましい。
【0023】
上記の反応により一般式(3)で表わされる化合物が得られる。一般式(3)で表される化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。
【0024】
一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させて一般式(3)で表わされる化合物を製造する際の反応温度、反応圧力等の反応条件については、使用する化合物に応じてその条件を適宜決めることができる。通常、反応温度は50℃〜反応混合物の沸騰温度であり、反応圧力は大気圧である。
【0025】
一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させるに際して、一般式(2)で表わされる化合物は、通常、一般式(1)で表わされる化合物とアルカリ金属の水酸化物の水溶液を含む混合物に一般式(2)で表わされる化合物を添加する方法が一般的である。特にこの方法は、一般式(4)で表わされる化合物とホスゲンを水溶媒中で反応させて得られる一般式(1)で表わされる化合物を単離せずに、該一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させて一般式(3)で表わされる化合物を製造する場合に有利である。
【0026】
アルカリ金属の水酸化物の存在下での一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物との反応は発熱反応であるため、一般式(2)で表わされる化合物と一般式(1)で表わされる化合物を一気に反応させると反応を制御することが困難となる場合が多い。そのため、一般式(2)で表わされる化合物は、少量づつを一般式(1)で表わされる化合物と反応させるのが好ましい。
【0027】
上記の反応は、一般式(1)で表わされる化合物および一般式(3)で表わされる化合物の水に対する溶解度が小さいため、反応の開始から終了まで不均一な状態で進行するが、攪拌が十分行われれば一般式(3)で表わされる化合物を収率よく得ることができる。
【0028】
反応の経時変化は、反応混合物からその一部を取り出してHPLC分析することにより追跡することができる。
【0029】
反応終了後、一般式(3)で表わされる化合物を反応混合物から回収する。一般式(3)で表わされる化合物の回収方法としては、例えば、反応混合物に一般式(3)で表わされる化合物を溶解し、かつ水に不溶な有機溶媒、例えば芳香族系炭化水素等を加えて一般式(3)で表わされる化合物を該有機溶媒に抽出し、一般式(3)で表わされる化合物を含む有機層を乾燥、濃縮し、濃縮後の濃縮液に一般式(3)で表わされる化合物を溶解しにくい有機溶媒を添加して一般式(3)で表わされる化合物を結晶化させた後、該結晶を回収する方法等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノンの分析は液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」と略記する。)によった。次に分析条件を示す。
【0031】
分離カラム; ODS系
溶離液;アセトニトリル:水:85%燐酸 =250:750:1 (vol/vol)
流量; 1ml/分
UV検出波長; 254nm
【0032】
合成例1 2−ベンズイミダゾロンの合成
1L 反応フラスコに水361gと36%塩酸の52.2gを入れ攪拌しながら次にオルトフェニレンジアミン 55.2gを装入し 溶解させた。この溶液にホスゲンガス52.1gを80分間かけて吹き込んだ。ホスゲンガス吹き込みの間、25%水酸化ナトリウム253.1gを滴下しながら反応マスのpHを2.7〜3.3の間に保持、また反応温度は30〜40℃に保持した。吹き込み終了後、窒素ガスを吹き込み 残存ホスゲンガスを除去した後、濾過、水洗、乾燥と行ない純度100%の2−ベンズイミダゾロン 67.28g(オルトフェニレンジアミンに対する収率98.4%)を得た。
【0033】
実施例1 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
小型反応容器に 合成例1 で得た 2−ベンズイミダゾロンの2.00g(0.0149mol)と35%水酸化ナトリウム水溶液30gを装入し、攪拌しながら容器の内容物を84℃まで昇温した。該内容物を激しく攪拌しながら、ジメチル硫酸4.14g(0.0328mol)を10分間で滴下した。滴下中の内容物の温度は84 〜98℃であった。ジメチル硫酸を滴下後さらに84〜98℃で1時間攪拌した後、得られた反応混合物を60℃まで冷却し、これにトルエン20gと水20gを添加して攪拌した。攪拌後静置し、分離したトルエン層を回収した。トルエン層の一部をHPLCで分析を行ない1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン 2.341g(0.0144mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 96.9%)が生成していたことを確認した。
【0034】
実施例2 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
ジメチル硫酸を滴下中の内容物の温度を98〜107℃に、滴下終了後の攪拌中の反応混合物の温度を98〜105℃に変更した以外は、実施例1と同様に行った。反応混合物をHPLC分析した結果、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン2.320g(0.0143mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 96%)が生成していたことを確認した。
【0035】
実施例3 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
ジメチル硫酸を滴下中の温度を31〜33℃に、滴下終了後の攪拌中の反応混合物の温度を40〜50℃に変更した以外は実施例1と同様に行なった。分析の結果から 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン0.598g(0.0037mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 24.7%)が生成していることを確認した。
【0036】
実施例4 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
13.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を使用した以外は実施例1 と同様に行った。分析の結果、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン0.904g(0.0056mol、 2−ベンズイミダゾロンに対する収率 37.3%)が生成していることを確認した。
【0037】
実施例5 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
合成例1と同様に反応を行なって得たホスゲンガスを除去した反応マスの一部、58.4g(2−ベンズイミダゾロン 5.0g、0.0372mol含有)に水酸化ナトリウム31gを装入し溶解させた。58℃まで昇温して、激しく攪拌しながらこれにジメチル硫酸10.35g(0.0821mol)を0.5時間かけて滴下した。次いで、60℃で1.5時間攪拌した後、トルエン55gと水80gを装入して抽出、分液操作を行ないトルエン層58.83gを得た。トルエン層を分析した結果、1,3−ジメチル−2−ベンゾイミダゾリノン5.353g(0.033mol、 2−ベンズイミダゾロンに対する収率88.5%)が生成していることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、安価なジアルキル硫酸およびアルカリ金属の水酸化物を用いて容易にかつ高収率で1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類を得ることができる。
【発明が属する技術分野】
本発明は、医薬および農薬等の中間体として有用な1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類の製造方法として、いくつかの方法が知られている。例えば、2−ベンズイミダゾロンとヨウ化メチルをターシャリーブトキシカリウムの存在下にDMF溶媒中で反応させて製造する方法がある(特許文献1および特許文献2)。この方法は 高価なヨウ化メチルとターシャリーブトキシカリウムを使用するために経済的ではない。また、2−ベンズイミダゾロンと尿素をneatで 140−145℃という条件で反応させて製造する方法がある(非特許文献1)。しかし、この方法は反応条件が過酷であること、また収率も65.5%と低く、効率的ではない。
【0003】
さらに、1,1′−カルボニルジイミダゾールとオルトフェニレンジアミンを反応させて得られた2−ベンズイミダゾロンを水素化ナトリウムの存在下にヨウ化メチルと反応させる1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの製造方法が知られている(特許文献3)。この方法も高価な1,1′−カルボニルジイミダゾールを使用する点および、水素化ナトリウムを使用すること等のため工業的ではない。
【0004】
オルトフェニレンジアミンとジメチルカーボネートを酢酸鉛または酢酸錫の存在下に200℃で20時間反応させてワンポットで殆ど定量的に1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンが得られるとの報告もある(非特許文献2)が、この方法の難点は 重金属を含む触媒の使用が環境面から好ましくないこと また高温、高圧での長時間反応であり、高価な高圧反応装置が必要であることである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−322984号公報
【特許文献2】
特開平2001−288119号公報
【特許文献3】
特開平4−243865号公報
【非特許文献1】
Tetrahedron 56(2000)p.9949−p.9955
【非特許文献2】
Journal of Catalysis197,p.91−p.97(2001)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、従来法に比べて、1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類を安全かつ安価に製造できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2−ベンズイミダゾロンとジメチル硫酸とを水酸化ナトリウムの存在下、水溶媒中で反応させることにより1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンが高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(1) 一般式(1)
【0008】
【化8】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物と一般式(2)
【0009】
【化9】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表される化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる、一般式(3)
【0010】
【化10】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表される 化合物の製造方法であり、
(2) 一般式(1)で表される化合物が2−ベンズイミダゾロンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである前記(1)記載の方法であり、
(3) 一般式(4)
【0011】
【化11】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物とホスゲンとを水溶媒中で反応させて得られる一般式(1)
【0012】
【化12】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示す。)で表される化合物を単離せずに、該一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)
【0013】
【化13】
(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)で表わされる化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる一般式(3)
【0014】
【化14】
(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェノキシ基、ニトロ基を示し、R3はメチル基または エチル基を示す。)で表わされる化合物の製造方法であり、
(4) 一般式(4)で表される化合物がオルトフェニレンジアミンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである前記(3)記載の方法であり、
(5) 一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させるに際し、アルカリ金属の水酸化物の水溶液として20〜50重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、かつ該水溶液を一般式(1)で表わされる化合物に対して10〜30重量倍用い、反応温度を50〜110℃で行う前記(1)〜前記(4)のいずれか一項に記載の方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる一般式(1)で表わされる化合物としては、例えば、2−ベンズイミダゾロン、5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン、2−ベンズイミダゾロン、5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。これらのなかでも2−ベンズイミダゾロンは合成が容易であり好ましい。
【0016】
一般式(1)で表わされる化合物は、一般式(4)で表わされる化合物を原料とし、米国特許第5003079号明細書に記載された方法およびこれに準じた方法を用いて製造することができる。すなわち、一般式(4)で表わされる化合物とホスゲンを水溶媒中で反応液のpH6〜12に調整しつつ反応させることにより製造することができる。一般式(1)で表わされる化合物である2−ベンズイミダゾロンを製造するに際して、一般式(4)で表わされる化合物であるオルトフェニレンジアミンとホスゲンとの水溶媒中での反応を反応液のpHを2.7〜3.3に調整することにより、2−ベンズイミダゾロンを収率よく得ることもできる。
【0017】
上記の反応で生成した一般式(1)で表わされる化合物は、反応終了後冷却し、反応混合物中に析出している結晶を濾過して単離した後、洗浄し、乾燥して、または乾燥せずに次の反応に使用することができるが、該反応混合物から一般式(1)で表わされる化合物を単離せずに一般式(2)で表わされる化合物との反応に使用することができる。後者の方法は製造プロセスの簡略化に有効である。本発明に用いられる一般式(2)で表わされる化合物は、ジメチル硫酸またはジエチル硫酸である。これらのなかでもジメチル硫酸は安価に入手し易く好ましい。
【0018】
本発明に用いられるアルカリ金属の水酸化物の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどの水溶液が挙げられる。これらのなかでも水酸化ナトリウムの水溶液は安価に入手し易く好ましい。
【0019】
本発明においては、一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを、アルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させる。
【0020】
反応に用いる一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物の使用量は、一般式(1)で表わされる化合物1モルに対して一般式(2)で表わされる化合物を2〜2.5モルの範囲で用いれば十分である。後処理を考慮すれば一般式(1)で表わされる化合物1モルに対して一般式(2)で表わされる化合物を2〜2.2モル使用するのが好ましい。
【0021】
アルカリ金属の水酸化物の水溶液は、一般式(1)で表わされる化合物に対して10〜30重量倍の量を用いることができるが、15〜25重量倍の量を用いるのが好ましい。10重量倍以上の量を用いることは、攪拌効率の点で好ましく、30重量倍以下の量を使用することはコストの点で好ましい。
【0022】
アルカリ金属の水酸化物の水溶液中におけるアルカリ金属の水酸化物の濃度は、20〜50重量%の範囲であるが、25〜40重量%が好ましい。アルカリ金属の水酸化物の濃度が20%以上であると反応収率の点で好ましく、50%以下であると操作性の面で好ましい。
【0023】
上記の反応により一般式(3)で表わされる化合物が得られる。一般式(3)で表される化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジメチル−5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−ニトロ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−メトキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−メチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−クロル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−ブロム−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−トリフルオロメチル−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−フェノキシ−2−ベンズイミダゾロン、1,3−ジエチル−5−フェニル−2−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。
【0024】
一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させて一般式(3)で表わされる化合物を製造する際の反応温度、反応圧力等の反応条件については、使用する化合物に応じてその条件を適宜決めることができる。通常、反応温度は50℃〜反応混合物の沸騰温度であり、反応圧力は大気圧である。
【0025】
一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させるに際して、一般式(2)で表わされる化合物は、通常、一般式(1)で表わされる化合物とアルカリ金属の水酸化物の水溶液を含む混合物に一般式(2)で表わされる化合物を添加する方法が一般的である。特にこの方法は、一般式(4)で表わされる化合物とホスゲンを水溶媒中で反応させて得られる一般式(1)で表わされる化合物を単離せずに、該一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させて一般式(3)で表わされる化合物を製造する場合に有利である。
【0026】
アルカリ金属の水酸化物の存在下での一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物との反応は発熱反応であるため、一般式(2)で表わされる化合物と一般式(1)で表わされる化合物を一気に反応させると反応を制御することが困難となる場合が多い。そのため、一般式(2)で表わされる化合物は、少量づつを一般式(1)で表わされる化合物と反応させるのが好ましい。
【0027】
上記の反応は、一般式(1)で表わされる化合物および一般式(3)で表わされる化合物の水に対する溶解度が小さいため、反応の開始から終了まで不均一な状態で進行するが、攪拌が十分行われれば一般式(3)で表わされる化合物を収率よく得ることができる。
【0028】
反応の経時変化は、反応混合物からその一部を取り出してHPLC分析することにより追跡することができる。
【0029】
反応終了後、一般式(3)で表わされる化合物を反応混合物から回収する。一般式(3)で表わされる化合物の回収方法としては、例えば、反応混合物に一般式(3)で表わされる化合物を溶解し、かつ水に不溶な有機溶媒、例えば芳香族系炭化水素等を加えて一般式(3)で表わされる化合物を該有機溶媒に抽出し、一般式(3)で表わされる化合物を含む有機層を乾燥、濃縮し、濃縮後の濃縮液に一般式(3)で表わされる化合物を溶解しにくい有機溶媒を添加して一般式(3)で表わされる化合物を結晶化させた後、該結晶を回収する方法等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノンの分析は液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」と略記する。)によった。次に分析条件を示す。
【0031】
分離カラム; ODS系
溶離液;アセトニトリル:水:85%燐酸 =250:750:1 (vol/vol)
流量; 1ml/分
UV検出波長; 254nm
【0032】
合成例1 2−ベンズイミダゾロンの合成
1L 反応フラスコに水361gと36%塩酸の52.2gを入れ攪拌しながら次にオルトフェニレンジアミン 55.2gを装入し 溶解させた。この溶液にホスゲンガス52.1gを80分間かけて吹き込んだ。ホスゲンガス吹き込みの間、25%水酸化ナトリウム253.1gを滴下しながら反応マスのpHを2.7〜3.3の間に保持、また反応温度は30〜40℃に保持した。吹き込み終了後、窒素ガスを吹き込み 残存ホスゲンガスを除去した後、濾過、水洗、乾燥と行ない純度100%の2−ベンズイミダゾロン 67.28g(オルトフェニレンジアミンに対する収率98.4%)を得た。
【0033】
実施例1 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
小型反応容器に 合成例1 で得た 2−ベンズイミダゾロンの2.00g(0.0149mol)と35%水酸化ナトリウム水溶液30gを装入し、攪拌しながら容器の内容物を84℃まで昇温した。該内容物を激しく攪拌しながら、ジメチル硫酸4.14g(0.0328mol)を10分間で滴下した。滴下中の内容物の温度は84 〜98℃であった。ジメチル硫酸を滴下後さらに84〜98℃で1時間攪拌した後、得られた反応混合物を60℃まで冷却し、これにトルエン20gと水20gを添加して攪拌した。攪拌後静置し、分離したトルエン層を回収した。トルエン層の一部をHPLCで分析を行ない1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン 2.341g(0.0144mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 96.9%)が生成していたことを確認した。
【0034】
実施例2 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
ジメチル硫酸を滴下中の内容物の温度を98〜107℃に、滴下終了後の攪拌中の反応混合物の温度を98〜105℃に変更した以外は、実施例1と同様に行った。反応混合物をHPLC分析した結果、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン2.320g(0.0143mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 96%)が生成していたことを確認した。
【0035】
実施例3 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
ジメチル硫酸を滴下中の温度を31〜33℃に、滴下終了後の攪拌中の反応混合物の温度を40〜50℃に変更した以外は実施例1と同様に行なった。分析の結果から 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン0.598g(0.0037mol、2−ベンズイミダゾロンに対する収率 24.7%)が生成していることを確認した。
【0036】
実施例4 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
13.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を使用した以外は実施例1 と同様に行った。分析の結果、1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノン0.904g(0.0056mol、 2−ベンズイミダゾロンに対する収率 37.3%)が生成していることを確認した。
【0037】
実施例5 1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンの合成
合成例1と同様に反応を行なって得たホスゲンガスを除去した反応マスの一部、58.4g(2−ベンズイミダゾロン 5.0g、0.0372mol含有)に水酸化ナトリウム31gを装入し溶解させた。58℃まで昇温して、激しく攪拌しながらこれにジメチル硫酸10.35g(0.0821mol)を0.5時間かけて滴下した。次いで、60℃で1.5時間攪拌した後、トルエン55gと水80gを装入して抽出、分液操作を行ないトルエン層58.83gを得た。トルエン層を分析した結果、1,3−ジメチル−2−ベンゾイミダゾリノン5.353g(0.033mol、 2−ベンズイミダゾロンに対する収率88.5%)が生成していることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、安価なジアルキル硫酸およびアルカリ金属の水酸化物を用いて容易にかつ高収率で1,3−ジアルキル−2−ベンズイミダゾリノン類を得ることができる。
Claims (5)
- 一般式(1)で表される化合物が2−ベンズイミダゾロンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである請求項1記載の方法
- 一般式(4)
- 一般式(4)で表される化合物がオルトフェニレンジアミンであり、一般式(3)で表される化合物が1,3−ジメチル−2−ベンズイミダゾリノンである請求項3記載の方法
- 一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とをアルカリ金属の水酸化物の水溶液中で反応させるに際し、アルカリ金属の水酸化物の水溶液として20〜50重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、かつ該水溶液を一般式(1)で表わされる化合物に対して10〜30重量倍用い、反応温度を50〜110℃で行う請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
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-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003005871A patent/JP2004217556A/ja active Pending
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