JP2004216275A

JP2004216275A - Method of producing hydrogen separator

Info

Publication number: JP2004216275A
Application number: JP2003006616A
Authority: JP
Inventors: Yusuke Arai; 裕介新居; Shunichi Igami; 俊市伊神; Toshiki Goto; 利樹後藤; Osamu Sakai; 修酒井
Original assignee: NGK Insulators Ltd
Current assignee: NGK Insulators Ltd
Priority date: 2003-01-15
Filing date: 2003-01-15
Publication date: 2004-08-05

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hydrogen separator in which palladium is alloyed with silver, and thereby brittleness at a low temperature is improved and resistance to thermal impact is enhanced, and with which high purity hydrogen can be obtained. <P>SOLUTION: A method for producing the hydrogen separator in which a hydrogen separation membrane is formed on a porous base body comprises supporting a sol of a palladium-silver alloy previously alloyed on the surface of the porous base body and then firing the supported sol at 300-600°C to form the hydrogen separation membrane. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料ガスたる多成分混合ガスから水素のみを分離する水素分離体の製造方法、及び、炭化水素の水蒸気改質反応、シクロヘキサンの脱水素反応等を行うメンブレンリアクタの製造方法、並びに、水素分離体及びメンブレンリアクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】高純度の水素ガスを得る一方法として、ガス分離膜によって水素ガスを多成分混合ガスから分離する方法がある。そして、水素ガスを得るガス分離膜としては、ポリイミドやポリスルホン等の有機高分子膜、及び、パラジウム又はパラジウム合金等の無機化合物膜が知られているが、特に、パラジウム又はパラジウム合金のガス分離膜（以下、パラジウム薄膜ともいう）は、パラジウム又はパラジウム合金に水素を固溶して透過させる性質を利用して、極めて高純度の水素を得ることが出来る水素分離膜として知られている。
【０００３】このパラジウム薄膜は、水素の透過率を高めるために出来るだけ薄膜化する必要がある。しかし、単独では機械的強度の問題もあり、５０μｍ程度が自立膜の限界であることから、特許文献１に開示されているように、セラミックスの多孔質支持体（基体）の表面にパラジウム又はパラジウム合金を被着させ水素分離体として構成し、機械強度は支持体に持たせる方法がとられる。
【０００４】又、パラジウム薄膜は、低温でパラジウムが水素脆化するため、ひび割れ等を発生し易いという問題を有するので、特許文献２に開示されているように、一般に、耐熱性多孔質基体の表面に、化学メッキ法によりパラジウム薄膜を形成し、パラジウム薄膜上に化学メッキ法により銀薄膜を形成し、次いで、熱処理を行う製造方法を用い、パラジウムと銀とが合金化された水素分離膜を有する水素分離体として構成し、低温脆性を改善する方法がとられる。このとき、パラジウムと銀との合金化に必要な温度は６００〜１３００℃と高温であるため、使用される耐熱性多孔質基体は、そのような高温でもパラジウム及び銀と反応しない材料、例えばアルミナ等のセラミックに限定される。
【０００５】以上記した水素分離体は、長期間連続使用する用途、例えば半導体製造工程に用いられる超高純度水素製造の用に供される場合には、問題ないものであった。しかしながら、自動車用、家庭やビル等建物用、携帯電話やパソコン等の電子機器用の電源として実用化が期待される燃料電池用の水素を得るための燃料改質器では、運転・休止が繰り返しが行われ、休止状態から運転状態へ迅速に移行するために、より速く昇温することが求められる。しかし、上記従来の水素分離体では、セラミック製の耐熱性多孔質基体の耐熱衝撃性が低いことから昇温速度向上の要請に応えられない。
【０００６】例えば、原料としてメタノールを使用した場合、改質器温度は３００℃、メタンガスを使用した場合、改質器温度は５００〜６００℃であることから、水素分離膜の動作温度は３００〜６００℃が好ましい。特に燃料電池自動車用の燃料改質器として適用されるためには上記温度まで迅速に昇温する必要があり、使用される水素分離体には、少なくとも１５０℃／ｍｉｎ程度の昇温速度に耐え得る耐熱衝撃性が求められる。ところが、このような条件下では、上記従来の水素分離体を構成する多孔質基体として、上記アルミナの他、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、完全安定化ジルコニア等のセラミックを用いた場合に、ひび割れ等が発生してしまう。他方、金属多孔質基体を用いると、パラジウムと銀との合金化反応を行う際に、金属多孔質基体とパラジウム及び銀との反応も起こり、十分な水素分離機能を発現しなくなる。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭６２−２７３０３０号公報
【特許文献２】
特開平３−１４６１２２号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パラジウムと銀とが合金化され低温脆性が改善されているとともに、耐熱衝撃性に優れ、且つ、高純度の水素を得ることが出来る水素分離体を提供することにある。尚、水素分離体にかかる上記従来の問題及び課題は、水蒸気改質反応等を行うメンブレンリアクタにおいても同様に存在する。従って、本発明の他の目的は、パラジウムと銀とが合金化され低温脆性が改善されているとともに、耐熱衝撃性に優れ、且つ、例えば水素生成反応において高い転化率を実現するメンブレンリアクタを提供することにある。研究が重ねられた結果、水素分離体の製造にかかり、高温でのパラジウムと銀との合金化反応を省いて、多孔質基材とパラジウム及び銀との反応を抑制することにより、多孔質基材として耐熱衝撃性の高いものが選択可能となるとともに、水素分離機能の低下が防止され、上記目的を達成出来ることが見出された。
【０００９】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、多孔質基体上に水素分離膜が形成された水素分離体の製造方法であって、多孔質基体の表面に、予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させた後に、３００〜６００℃で焼結させて膜化し、水素分離膜を形成することを特徴とする水素分離体の製造方法が提供される。このとき、多孔質基体は、金属又は高耐熱衝撃性セラミックの多孔質体であることが好ましい。
【００１０】又、本発明によれば、多孔質基体上に水素分離膜が形成されてなる水素分離体であって、多孔質基体と水素分離膜との間に、反応抑止層として多孔質セラミック膜を有することを特徴とする水素分離体が提供される。
【００１１】更に、本発明によれば、多孔質基体上に水素分離膜が形成されたメンブレンリアクタの製造方法であって、多孔質基体の表面に、予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させた後に、３００〜６００℃で焼結させて膜化し、水素分離膜を形成することを特徴とするメンブレンリアクタの製造方法が提供される。このとき、多孔質基体は、金属又は高耐熱衝撃性セラミックの多孔質体であることが好ましい。
【００１２】尚更に、本発明によれば、多孔質基体上に水素分離膜が形成されてなるメンブレンリアクタであって、多孔質基体と水素分離膜との間に、多孔質セラミック膜を有することを特徴とするメンブレンリアクタが提供される。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【００１４】本発明に係る水素分離体の製造方法は、多孔質基体上に水素分離膜が形成された水素分離体の製造方法であり、水素分離膜の形成方法に特徴を有する方法である。本発明に係る水素分離体の製造方法において、水素分離膜は、多孔質基体の表面に、予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させた後に、３００〜６００℃で焼結させて膜化することにより形成される。こうして、多孔質基体上に水素分離膜たるパラジウム−銀合金膜が設けられた水素分離体を得ることが出来る。
【００１５】予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルとは、多孔質基体の表面に担持させるときには既に合金になっているナノメートルサイズのパラジウム−銀超微粒子を分散剤中に分散させたものを意味する。パラジウム−銀合金のゾルは、公知の方法で作製することが出来る。例えば、メカノケミカル法や有機金属化合物のゾル−ゲル反応を用いることが可能である。これらの方法は、セラミックコンデンサ等の電極用のパラジウム−銀合金の製造手段として知られている。
【００１６】多孔質基体上に担持させるときには、既にパラジウム−銀合金になっているので、熱処理はそれらを焼結させパラジウム−銀合金のゾルを膜化させるためのより低温の処理でよく６００℃以下で行う。合金化のために６００℃を超えた高温での熱処理を行う必要はない。従来より低い温度での熱処理により、多孔質基体とパラジウム及び銀との反応は抑制され、水素分離機能の低下を招来することがない。但し、３００℃未満の低温では、多孔質基体とパラジウム−銀合金膜との焼結が不十分なため好ましくない。
【００１７】本発明に係る水素分離体の製造方法では、多孔質基体は、金属又は高耐熱衝撃性セラミックの多孔質体であることが好ましい。熱処理が低温で行われるので、パラジウム及び銀との反応性に留意して多孔質基体を選定するのではなく、専ら耐熱衝撃性に着目して多孔質基体を構成する材料を決定することが可能である。限定されるものではないが、多孔質基体を構成する金属としては、例えば、ステンレス、ニッケル合金、タングステン等が挙げられる。高耐熱衝撃性セラミックとしては、窒化珪素、炭化ケイ素等を挙げることが出来る。
【００１８】又、多孔質基体と水素分離膜との間に、多孔質セラミック膜を有する態様を採用することが出来る。上記した如く、多孔質基体の表面にパラジウム−銀合金のゾルを膜化させるための熱処理は６００℃を超える高温では行わないので、多孔質基体に金属材料を用いてもパラジウム及び銀との反応は抑制される。しかし、金属と高耐熱衝撃性セラミックとを比較すれば金属の方がより低廉であるが反応し易い材料である。従って、限定されるものでないが、特に多孔質基体として金属多孔質体を用いる場合には、多孔質基体とパラジウム−銀合金膜（水素分離膜）との間に多孔質セラミック膜を介在させる態様をとることは、更に多孔質基体とパラジウム及び銀との反応を小さくするために望ましい手段である。
【００１９】上記多孔質セラミック膜を構成するセラミック材料は、高耐熱衝撃性セラミックに限定されるものではない。従来、多孔質基体として用いられているアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、完全安定化ジルコニア等を採用することが出来る。これは、膜状になっているので、高速で昇温しても亀裂等が生じ難いからである。
【００２０】上記した多孔質セラミック膜を有する態様は、本発明により提供される水素分離体を示すものである。即ち、本発明に係る水素分離体は、多孔質基体上に水素分離膜が形成されてなるものであって、多孔質基体と水素分離膜との間に多孔質セラミック膜を有することを特徴としている。多孔質セラミック膜は、１０μｍ以下であることが好ましい。より好ましくは５μｍである。これは、上記したように、より速い昇温速度でも亀裂し難く、且つ、多孔質基体とパラジウム及び銀との反応を小さくする機能を発揮し得る厚さである。尚、本発明に係る水素分離体は、本発明に係る水素分離体の製造方法によってのみ得られるものではなく、上記特徴を有していれば何れの製造方法によって作製してよい。
【００２１】以上、本発明に係る水素分離体の製造方法及び水素分離体について特徴及び効果等を説明したが、上記記載は、水素分離体のように多成分混合ガスから水素のみを拡散分離する用途ではなく、炭化水素の水蒸気改質反応、シクロヘキサンの脱水素反応等を行うメンブレンリアクタにおいても、同様の特徴を発現し同様の効果を得て同様の問題を解決する。本発明に係るメンブレンリアクタの製造方法及びメンブレンリアクタについては記載を省略する。
【００２２】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２３】（実施例１）
【００２４】先ず、ゾルを担持させた多孔質基体を得た。図１に、多孔質基体の表面に合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させる装置を示す。多孔質基体として、長さ２００ｍｍ、直径１０ｍｍ（肉厚０．５ｍｍ）のＳＵＳ３１６製の金属多孔体管１（細孔径０．１μｍ）を粉末冶金法により作製した。そして、メカノケミカル法で合金化したパラジウム７８質量％−銀２２質量％合金ナノ粒子（粒子径５ｎｍ）を分散させたゾル溶液１３を用意し、図１に示すように、槽中に入れたゾル溶液１３に金属多孔体管１を浸漬した。次いで、金属多孔体管１の一端を栓１２で閉じ、他端において栓１４で管内を気密に保ちつつポンプ１１で真空吸引し、金属多孔体管１の外表面及び金属粒子間隙にゾル溶液１３をコーティングした。乾燥させた後、ディップコート法により金属多孔体管１の外表面にゾル溶液１３をコーティングし、更に乾燥させ、これらコーティング及び乾燥を繰り返して、金属多孔体管１の外表面に所定の厚さのゾルを担持させた。
【００２５】次に、ゾルを担持させた金属多孔体管１を、アルゴンガス雰囲気中で５００℃にて８時間焼成し、ゾルを焼結させ膜化して、金属多孔体管１外表面上にパラジウム−銀合金膜が形成された水素分離体を得た。得られた水素分離体のパラジウム−銀合金膜の膜厚は３μｍであった。
【００２６】そして、得られた水素分離体（水素分離体１０とする）について、水素分離試験を行った。試験装置の概略図を図２に示す。水素分離体１０はチャンバー１７に収まり、水素分離体１０の内側と外側とはＯリング１５で完全にシールされている。原料ガスとして、窒素２５質量％−水素７５質量％の混合ガス２７を用意し、チャンバー１７を３５０℃にまで加熱した。次いで、導入管２０から水素分離体１０の外側に圧力が８００ｋＰａである混合ガス２７を１Ｎリットル／分で導入した。又、導入管１８から水素分離体１０の内側に、圧力が１００ｋＰａのアルゴンをキャリヤーガス２８として、０．１Ｎリットル／分で導入した。得られた精製ガス２９についてガスクロマトグラフィにより定量分析を行い、精製ガス２９中の水素濃度を調べたところ、９９．９％であった。
【００２７】更に、得られた水素分離体１０について、熱サイクル試験を行った。水素雰囲気中にある水素分離体１０を室温から３５０℃まで昇温速度３００℃／ｍｉｎで加熱し、次いで、降温速度３００℃／ｍｉｎで室温まで冷却した。この加熱・冷却サイクルを１サイクルとし１０００サイクル行った。その後、再び上記水素分離試験を実施したところ、精製ガス中の水素濃度は９９．９％であり、性能低下は認められなかった。
【００２８】（実施例２）
【００２９】先ず、ゾルを担持させた多孔質基体を得た。多孔質基体として、長さ２００ｍｍ、直径１０ｍｍ（肉厚０．５ｍｍ）のタングステン製の金属多孔体管（細孔径１μｍ）を粉末冶金法により作製し、更に、０．３〜０．４μｍのアルミナ粒子をディップコート法で金属多孔体管の外表面にコーティングし、アルゴンガス雰囲気中で１４００℃にて２時間焼成して、焼結させ、金属多孔体管の外表面に多孔質セラミック膜を形成した。このときの細孔径は０．１μｍであった。
【００３０】次いで、メカノケミカル法で合金化したパラジウム７８質量％−銀２２質量％合金ナノ粒子（粒子径５ｎｍ）を分散させたゾル溶液を用意し、実施例１と同様な方法で、外表面に多孔質セラミック膜が形成された金属多孔体管の更に多孔質セラミック膜の上に、所定の厚さのゾルを担持させた。
【００３１】次に、ゾルを担持させた金属多孔体管を、アルゴンガス雰囲気中で、６００℃にて８時間焼成しゾルを焼結させ膜化し、金属多孔体管外表面上にパラジウム−銀合金膜が形成され、且つ、中間層として多孔質セラミック膜を有する水素分離体を得た。尚、得られた水素分離体のパラジウム−銀合金膜の膜厚は３μｍであった。
【００３２】そして、得られた水素分離体について、チャンバーを５００℃にまで加熱した以外は実施例１に準じて、水素分離試験を行った。得られた精製ガス中の水素濃度は、９９．８％であった。
【００３３】更に、得られた水素分離体について、加熱到達温度を５００℃とした以外は実施例１に準じて、熱サイクル試験を行った。その後、再び上記水素分離試験を実施したところ、精製ガス中の水素濃度は９９．７％であり、性能低下は殆ど認められなかった。
【００３４】（比較例１）
【００３５】多孔質基体として、長さ２００ｍｍ、直径１０ｍｍ（肉厚０．５ｍｍ）のＳＵＳ３１６製の金属多孔体管（細孔径０．１μｍ）を粉末冶金法により作製した。そして、得られた金属多孔体管に洗浄、脱脂処理を施した後に、ＳｎＣｌ_２・２Ｈ_２Ｏを０．１質量％含有する０．１％塩酸水溶液に１分間浸漬させた。次いで、金属多孔体管の外表面を、ＰｄＣｌ_２を０．０１質量％含有する０．１％塩酸水溶液に１分間浸漬させた。各々の塩酸水溶液に１０回浸漬させるように、この処理を両塩酸水溶液で繰り返し、活性化処理を行った。
【００３６】次に、イオンを除去した水に、［Ｐｄ（ＮＨ_３）_４］Ｃｌ_２・Ｈ_２Ｏ（５．４ｇ／ｌ）、２Ｎａ・ＥＤＴＡ（６７．２ｇ／ｌ）、アンモニア濃度２８％のアンモニア水（６５１．３ｍｌ／ｌ）、Ｈ_２ＮＮＨ_２・Ｈ_２Ｏ（０．４６ｍｌ／ｌ）を加えた水溶液を準備し、図１に示す装置を用いゾル溶液の代わりに５０℃に温度制御した上記水溶液を槽中に入れ、活性化処理済みの金属多孔体管を浸漬した。次いで、実施例１に準じ、金属多孔体管の一端を栓で閉じ、他端において栓で管内を気密に保ちつつポンプで真空吸引し無電解（化学）メッキし、金属多孔体管の外表面に２．５μｍのパラジウム膜を形成した。更に、銀を電気メッキした後、アルゴンガス雰囲気中で、９００℃で２時間、パラジウムと銀の合金化処理を行い、水素分離体を得た。
【００３７】そして、得られた水素分離体について、実施例１に準じて、水素分離試験を行った。得られた精製ガス中の水素濃度は７５．０％であり、水素分離膜として機能していないことが確認された。又、ＳＥＭ観察及びＥＤＸ分析の結果、パラジウムと銀とを合金化する熱処理により、ＳＵＳ３１６製の金属多孔体管とパラジウム及び銀が反応していることが確認された。
【００３８】（比較例２）
【００３９】多孔質基体として、長さ２００ｍｍ、直径１０ｍｍ（肉厚１．０ｍｍ）のアルミナ製多孔体管を焼結法により作製した。そして、得られたアルミナ製多孔体管に、比較例１に準じて活性化処理を施し、又、比較例１に準じてパラジウムを無電解（化学）メッキしてアルミナ製多孔体管の外表面に２．５μｍのパラジウム膜を形成した。更に、比較例１に準じて銀を電気メッキした後、アルゴンガス雰囲気中で、９００℃で２時間、熱処理を行い、パラジウムと銀とを合金化し、水素分離体を得た。尚、得られた水素分離体のパラジウム−銀合金膜の膜厚は３μｍであった。
【００４０】そして、得られた水素分離体について、チャンバーを窒素中において１００℃／Ｈｒで３５０℃にまで加熱したことを除き、実施例１に準じて、水素分離試験を行った。得られた精製ガス中の水素濃度は９９．９％であった。
【００４１】更に、得られた水素分離体について、実施例１に準じて熱サイクル試験を行った。しかしながら、１回目の昇温時にアルミナ製多孔体管に大きなクラックが生じ使用不可能になったため、試験は中止された。
【００４２】（実施例３）
【００４３】実施例１と同様にして、ＳＵＳ３１６製の金属多孔体管の外表面上に３μｍの厚さでパラジウム−銀合金膜が形成された水素分離体１０を得た。そして、この水素分離体１０を用いて図３に示すメンブレンリアクタを作製した。
【００４４】図３に示すメンブレンリアクタは、反応容器３１内に水素生成反応用の触媒３８が充填され、触媒３８の近傍には図示されるように水素分離体１０が配設されている。入口３５から供給された原料ガス３２は、触媒３８で反応して水素３３を生成し、生成された水素３３は水素分離体１０を介して分離され、水素排出管３４を通って反応容器３１の外部に排出される。一方、排ガス３９は、触媒３８を経由して出口３６から外部に排出される。尚、シール板３７は、原料ガス３２が水素分離体１０の内側に混入しないように設けられたものである。
【００４５】このメンブレンリアクタを用いて、メタン（ＣＨ_４）の水蒸気改質反応（ＣＨ_４＋Ｈ_２Ｏ＝ＣＯ＋３Ｈ_２）を行った。先ず、反応容器３１を５００℃に加熱した。ＣＨ_４が２０体積％、Ｈ_２Ｏが８０体積％の原料ガスを入口３５から供給し、反応容器３１内の圧力を８００ｋＰａに保持するように出口３６を制御した。
【００４６】出口３６のＣＨ_４をガスクロマトグラフイーで分析して転化率を求めたところ、９０％であった。一般に、メタンの水蒸気改質反応においては、８００℃では平衡転化率が９０％超であるが、５００℃では平衡転化率は５０％程度である。水素分離体１０を有するメンブレンリアクタの適用により、上記水蒸気改質反応式の右辺のＨ_２が除去され反応が（右辺方向に）進み、より低温の５００℃でも９０％の転化率を達成出来たと考えられる。
【００４７】（比較例３）
【００４８】比較例１と同様にして、ＳＵＳ３１６製の金属多孔体管の外表面上に３μｍの厚さのパラジウム−銀合金膜の作製を実施し、水素分離体を得た。そして、水素分離体１０の代わりに得られた水素分離体を用いた以外は図３に示すメンブレンリアクタと同じメンブレンリアクタを作製した。
【００４９】そして、作製したメンブレンリアクタを用いて、実施例３に準じてメタンの水蒸気改質反応を行った。出口のＣＨ_４をガスクロマトグラフイーで分析して転化率を求めたところ、６０％であった。水素分離体が水素分離機能を十分に発揮していないためと考えられた。メンブレンリアクタから水素分離体を取り出しＳＥＭ観察及びＥＤＸ分析を行った結果、水素分離体においてパラジウムと銀とを合金化する熱処理の際に、ＳＵＳ３１６製の金属多孔体管とパラジウム及び銀が反応していることが確認された。
【００５０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、パラジウムと銀とが合金化され低温脆性が改善されているとともに、耐熱衝撃性に優れ、高純度の水素を得ることが出来る水素分離体が提供される。本発明により得られる水素分離体は、急激な昇温降温に耐えて高純度の水素を得ることが出来るので、自動車用、家庭やビル等建物用、更には携帯電話やパソコン等の電子機器用の電源として実用化が期待される燃料電池用の燃料改質器への適用が可能となり従来の水素分離体より市場が大きく拡がる。
【００５１】又、本発明によりパラジウムと銀とが合金化され低温脆性が改善されているとともに、耐熱衝撃性に優れ、低温運転時でも高い転化率を実現したメンブレンリアクタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】水素分離体の製造工程で用いられる装置を示す部分断面図である。
【図２】水素分離試験装置を示す断面図である。
【図３】メンブレンリアクタの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
１…金属多孔体管、１０…水素分離体、１１…ポンプ、１２…栓、１３…ゾル溶液、１４…栓、１５…Ｏリング、１７…チャンバー、１８…導入管、２０…導入管、２７…混合ガス、２８…キャリヤーガス、２９…精製ガス、３１…反応容器、３２…原料ガス、３３…水素、３４…水素排出管、３５…入口、３６…出口、３７…シール板、３８…触媒、３９…排ガス。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a method for producing a hydrogen separator for separating only hydrogen from a multi-component mixed gas as a raw material gas, and a membrane for performing a steam reforming reaction of hydrocarbons, a dehydrogenation reaction of cyclohexane, and the like. The present invention relates to a method for manufacturing a reactor, and a hydrogen separator and a membrane reactor.
[0002]
2. Description of the Related Art As one method of obtaining high-purity hydrogen gas, there is a method of separating hydrogen gas from a multi-component mixed gas by a gas separation membrane. As a gas separation membrane for obtaining hydrogen gas, an organic polymer membrane such as polyimide or polysulfone, and an inorganic compound membrane such as palladium or a palladium alloy are known. In particular, a palladium or palladium alloy gas separation membrane is known. (Hereinafter, also referred to as a palladium thin film) is known as a hydrogen separation membrane that can obtain extremely high-purity hydrogen by utilizing the property of dissolving and permeating hydrogen in palladium or a palladium alloy.
[0003] This palladium thin film needs to be made as thin as possible in order to increase the hydrogen permeability. However, there is a problem of mechanical strength by itself, and the limit of a self-supporting film is about 50 μm. Therefore, as disclosed in Patent Document 1, palladium or palladium is applied to the surface of a ceramic porous support (substrate). A method is adopted in which an alloy is applied to form a hydrogen separator and the support has mechanical strength.
[0004] Further, a palladium thin film has a problem that cracks and the like are easily generated due to hydrogen embrittlement of palladium at a low temperature. Therefore, as disclosed in Patent Document 2, a palladium thin film is generally used for heat-resistant porous substrates. On the surface, a palladium thin film is formed by a chemical plating method, a silver thin film is formed on the palladium thin film by a chemical plating method, and then, using a manufacturing method of performing heat treatment, a hydrogen separation membrane in which palladium and silver are alloyed is used. A method is adopted in which the hydrogen separator is configured to have low temperature brittleness. At this time, since the temperature required for alloying palladium and silver is as high as 600 to 1300 ° C., the heat-resistant porous substrate used is made of a material that does not react with palladium and silver even at such a high temperature, for example, alumina. And the like.
[0005] The hydrogen separator described above has no problem when used for long-term continuous use, for example, for production of ultra-high-purity hydrogen used in a semiconductor production process. However, in a fuel reformer for obtaining hydrogen for a fuel cell, which is expected to be put to practical use as a power source for automobiles, homes and buildings, and mobile phones and personal computers, etc. Is performed, and it is required to raise the temperature more quickly in order to quickly shift from the rest state to the operating state. However, in the above-mentioned conventional hydrogen separator, since the heat shock resistance of the ceramic heat-resistant porous substrate is low, it is not possible to meet the demand for the improvement of the heating rate.
For example, when methanol is used as a raw material, the reformer temperature is 300.degree. C., and when methane gas is used, the reformer temperature is 500 to 600.degree. 600 ° C. is preferred. Particularly, in order to be used as a fuel reformer for a fuel cell vehicle, it is necessary to rapidly raise the temperature to the above-mentioned temperature, and the hydrogen separator used withstands a temperature rising rate of at least about 150 ° C./min. The required thermal shock resistance is required. However, under such conditions, when a ceramic such as silica, silica-alumina, mullite, and fully stabilized zirconia is used as the porous substrate constituting the conventional hydrogen separator in addition to the alumina, cracks occur. Etc. will occur. On the other hand, when a metal porous substrate is used, when the alloying reaction of palladium and silver is performed, a reaction of the metal porous substrate with palladium and silver occurs, and a sufficient hydrogen separation function is not exhibited.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-62-273030 [Patent Document 2]
JP-A-3-146122
DISCLOSURE OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-mentioned conventional circumstances, and an object of the present invention is to improve the low-temperature brittleness by alloying palladium with silver. An object of the present invention is to provide a hydrogen separator having excellent thermal shock resistance and capable of obtaining high-purity hydrogen. Incidentally, the above-mentioned conventional problems and problems relating to the hydrogen separator also exist in a membrane reactor that performs a steam reforming reaction or the like. Therefore, another object of the present invention is to provide a membrane reactor in which palladium and silver are alloyed to improve low-temperature brittleness, have excellent thermal shock resistance, and realize high conversion in, for example, a hydrogen generation reaction. Is to do. As a result of repeated research, the production of hydrogen separators was started, and the alloying reaction between palladium and silver at high temperatures was omitted, and the reaction between the porous substrate and palladium and silver was suppressed. It has been found that a material having high thermal shock resistance can be selected as a material, and that the above object can be achieved by preventing a decrease in the hydrogen separation function.
[0009]
That is, according to the present invention, there is provided a method for producing a hydrogen separator in which a hydrogen separation membrane is formed on a porous substrate, wherein the surface of the porous substrate is pre-alloyed. There is provided a method for producing a hydrogen separator, comprising: carrying a sol of a palladium-silver alloy; and sintering the film at 300 to 600 ° C. to form a film to form a hydrogen separation membrane. At this time, the porous substrate is preferably a porous body of a metal or a high thermal shock resistant ceramic.
According to the present invention, there is provided a hydrogen separator having a hydrogen separation membrane formed on a porous substrate, wherein a porous ceramic is provided between the porous substrate and the hydrogen separation membrane as a reaction suppressing layer. A hydrogen separator comprising a membrane is provided.
Further, according to the present invention, there is provided a method for producing a membrane reactor in which a hydrogen separation membrane is formed on a porous substrate, wherein a sol of a pre-alloyed palladium-silver alloy is coated on the surface of the porous substrate. A method for producing a membrane reactor, comprising sintering at 300 to 600 ° C. to form a film after supporting, thereby forming a hydrogen separation membrane. At this time, the porous substrate is preferably a porous body of a metal or a high thermal shock resistant ceramic.
Still further, according to the present invention, there is provided a membrane reactor having a hydrogen separation membrane formed on a porous substrate, wherein a porous ceramic membrane is provided between the porous substrate and the hydrogen separation membrane. A membrane reactor is provided.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION Hereinafter, embodiments of the present invention will be specifically described, but the present invention should not be construed as being limited to these, and is not departed from the scope of the present invention. Various changes, modifications, and improvements can be made based on the knowledge of those skilled in the art.
The method for producing a hydrogen separator according to the present invention is a method for producing a hydrogen separator having a hydrogen separation film formed on a porous substrate, and is characterized by the method for forming a hydrogen separation film. In the method for producing a hydrogen separator according to the present invention, the hydrogen separation membrane is prepared by supporting a sol of a pre-alloyed palladium-silver alloy on the surface of the porous substrate, and then sintering at 300 to 600 ° C. It is formed by forming Thus, a hydrogen separator in which a palladium-silver alloy film as a hydrogen separation film is provided on the porous substrate can be obtained.
The pre-alloyed sol of a palladium-silver alloy is defined as a dispersion of ultra-fine nanometer-sized palladium-silver particles already dispersed in a dispersant when the sol is supported on the surface of a porous substrate. means. The sol of a palladium-silver alloy can be prepared by a known method. For example, a mechanochemical method or a sol-gel reaction of an organometallic compound can be used. These methods are known as means for producing a palladium-silver alloy for electrodes such as ceramic capacitors.
When supported on a porous substrate, since a palladium-silver alloy is already formed, a heat treatment may be performed at a lower temperature of 600 ° C. to sinter them and form a sol of the palladium-silver alloy. This is done below. It is not necessary to perform heat treatment at a high temperature exceeding 600 ° C. for alloying. By the heat treatment at a lower temperature than before, the reaction between the porous substrate and palladium and silver is suppressed, and the hydrogen separation function is not reduced. However, if the temperature is lower than 300 ° C., the sintering between the porous substrate and the palladium-silver alloy film is insufficient, which is not preferable.
In the method for producing a hydrogen separator according to the present invention, the porous substrate is preferably a porous body of a metal or a high thermal shock resistant ceramic. Since the heat treatment is performed at a low temperature, it is possible to determine the material constituting the porous substrate by focusing solely on the thermal shock resistance, instead of selecting the porous substrate in consideration of the reactivity with palladium and silver. It is. Although not limited, the metal constituting the porous substrate includes, for example, stainless steel, nickel alloy, tungsten, and the like. Examples of the high thermal shock resistant ceramic include silicon nitride and silicon carbide.
Further, an embodiment having a porous ceramic membrane between the porous substrate and the hydrogen separation membrane can be adopted. As described above, since the heat treatment for forming the sol of the palladium-silver alloy on the surface of the porous substrate is not performed at a high temperature exceeding 600 ° C., the reaction with palladium and silver can be performed even if a metal material is used for the porous substrate. Is suppressed. However, when comparing metals with high thermal shock resistant ceramics, metals are cheaper but more reactive materials. Therefore, although not limited, an embodiment in which a porous ceramic membrane is interposed between the porous substrate and the palladium-silver alloy membrane (hydrogen separation membrane), particularly when a porous metal body is used as the porous substrate. Is a desirable measure to further reduce the reaction between the porous substrate and palladium and silver.
The ceramic material constituting the porous ceramic film is not limited to a high thermal shock resistant ceramic. Conventionally, alumina, silica, silica-alumina, mullite, fully stabilized zirconia, and the like, which have been used as a porous substrate, can be employed. This is because cracks and the like are unlikely to occur even when the temperature is raised at a high speed because the film is formed.
The above embodiment having the porous ceramic membrane shows the hydrogen separator provided by the present invention. That is, the hydrogen separator according to the present invention is obtained by forming a hydrogen separation membrane on a porous substrate, and has a porous ceramic membrane between the porous substrate and the hydrogen separation membrane. I have. The porous ceramic membrane preferably has a thickness of 10 μm or less. More preferably, it is 5 μm. As described above, this is a thickness that is hardly cracked even at a higher heating rate and that can exhibit a function of reducing the reaction between the porous substrate and palladium and silver. The hydrogen separator according to the present invention is not only obtained by the method for producing a hydrogen separator according to the present invention, but may be produced by any method having the above characteristics.
The features and effects of the method for producing a hydrogen separator according to the present invention and the hydrogen separator according to the present invention have been described above. However, in the above description, only hydrogen is diffused and separated from a multi-component mixed gas like a hydrogen separator. Instead of using the same, a membrane reactor that performs a steam reforming reaction of hydrocarbons, a dehydrogenation reaction of cyclohexane, and the like also exhibits similar characteristics, obtains similar effects, and solves similar problems. The description of the method for manufacturing the membrane reactor and the membrane reactor according to the present invention is omitted.
[0022]
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
(Example 1)
First, a porous substrate carrying a sol was obtained. FIG. 1 shows an apparatus for supporting an alloyed palladium-silver alloy sol on the surface of a porous substrate. As a porous substrate, a SUS316 metal porous tube 1 (pore diameter: 0.1 μm) having a length of 200 mm and a diameter of 10 mm (wall thickness: 0.5 mm) was prepared by a powder metallurgy method. Then, a sol solution 13 in which 78% by mass of palladium alloyed by 22% by mass and 22% by mass of silver alloy nanoparticles (particle size: 5 nm) alloyed by the mechanochemical method were prepared, and as shown in FIG. The porous metal tube 1 was immersed in the solution 13. Next, one end of the porous metal tube 1 is closed with a stopper 12, and the other end of the tube is vacuum-evacuated with a pump 11 while keeping the inside of the tube airtight with a stopper 14. Was coated. After drying, the outer surface of the porous metal tube 1 is coated with the sol solution 13 by a dip coating method, and further dried, and the coating and drying are repeated, so that the outer surface of the porous metal tube 1 has a predetermined thickness. Was carried.
Next, the porous metal tube 1 supporting the sol is baked at 500 ° C. for 8 hours in an argon gas atmosphere, and the sol is sintered to form a film. A hydrogen separator on which a palladium-silver alloy film was formed was obtained. The thickness of the palladium-silver alloy film of the obtained hydrogen separator was 3 μm.
Then, a hydrogen separation test was performed on the obtained hydrogen separator (referred to as hydrogen separator 10). FIG. 2 shows a schematic diagram of the test apparatus. The hydrogen separator 10 is housed in the chamber 17, and the inside and the outside of the hydrogen separator 10 are completely sealed by the O-ring 15. A mixed gas 27 of 25% by mass of nitrogen and 75% by mass of hydrogen was prepared as a source gas, and the chamber 17 was heated to 350 ° C. Next, a mixed gas 27 having a pressure of 800 kPa was introduced from the introduction pipe 20 to the outside of the hydrogen separator 10 at a rate of 1 Nl / min. Further, argon having a pressure of 100 kPa was introduced as a carrier gas 28 into the hydrogen separator 10 from the introduction pipe 18 at a rate of 0.1 Nl / min. The obtained purified gas 29 was quantitatively analyzed by gas chromatography, and the hydrogen concentration in the purified gas 29 was determined to be 99.9%.
Further, the obtained hydrogen separator 10 was subjected to a heat cycle test. The hydrogen separator 10 in the hydrogen atmosphere was heated from room temperature to 350 ° C. at a rate of temperature increase of 300 ° C./min, and then cooled to room temperature at a rate of temperature decrease of 300 ° C./min. This heating / cooling cycle was defined as one cycle, and 1000 cycles were performed. Thereafter, when the above-mentioned hydrogen separation test was performed again, the hydrogen concentration in the purified gas was 99.9%, and no deterioration in performance was observed.
(Example 2)
First, a porous substrate carrying a sol was obtained. As a porous substrate, a tungsten metal porous body tube (pore diameter: 1 μm) having a length of 200 mm and a diameter of 10 mm (wall thickness: 0.5 mm) was prepared by a powder metallurgy method. The particles are coated on the outer surface of the porous metal tube by dip coating, baked in an argon gas atmosphere at 1400 ° C. for 2 hours, and sintered to form a porous ceramic film on the outer surface of the porous metal tube. did. At this time, the pore diameter was 0.1 μm.
Next, a sol solution in which 78% by mass of palladium alloyed by 22% by mass and 22% by mass of silver alloy nanoparticles (particle diameter: 5 nm) alloyed by the mechanochemical method were prepared, and the outer surface was prepared in the same manner as in Example 1. Further, a sol having a predetermined thickness was carried on the porous ceramic film of the porous metal tube in which the porous ceramic film was formed.
Next, the porous metal tube carrying the sol is fired at 600 ° C. for 8 hours in an argon gas atmosphere to sinter the sol to form a film, and palladium-silver is deposited on the outer surface of the porous metal tube. A hydrogen separator having an alloy film formed thereon and having a porous ceramic film as an intermediate layer was obtained. The thickness of the obtained palladium-silver alloy film of the hydrogen separator was 3 μm.
Then, the obtained hydrogen separator was subjected to a hydrogen separation test according to Example 1 except that the chamber was heated to 500 ° C. The hydrogen concentration in the obtained purified gas was 99.8%.
Further, the obtained hydrogen separator was subjected to a heat cycle test in the same manner as in Example 1 except that the temperature attained by heating was 500 ° C. Thereafter, when the above-mentioned hydrogen separation test was performed again, the hydrogen concentration in the purified gas was 99.7%, and almost no decrease in performance was observed.
(Comparative Example 1)
As a porous substrate, a SUS316 metal porous body tube (pore diameter: 0.1 μm) having a length of 200 mm and a diameter of 10 mm (wall thickness: 0.5 mm) was prepared by a powder metallurgy method. After washing and degreasing the obtained porous metal tube, the tube was immersed in a 0.1% hydrochloric acid aqueous solution containing 0.1% by mass of SnCl ₂ .2H ₂ O for 1 minute. Next, the outer surface of the porous metal tube was immersed in a 0.1% hydrochloric acid aqueous solution containing 0.01% by mass of PdCl ₂ for 1 minute. This treatment was repeated with both hydrochloric acid aqueous solutions so as to be immersed 10 times in each hydrochloric acid aqueous solution, and an activation treatment was performed.
Next, [Pd (NH ₃ ) ₄ ] Cl ₂ .H ₂ O (5.4 g / l), 2Na.EDTA (67.2 g / l), ammonia concentration 28% An aqueous solution to which ammonia water (651.3 ml / l) and H ₂ NNH ₂ .H ₂ O (0.46 ml / l) were added was prepared, and the temperature was raised to 50 ° C. using the apparatus shown in FIG. 1 instead of the sol solution. The controlled aqueous solution was put in a tank, and the activated porous metal tube was immersed. Then, according to Example 1, one end of the porous metal tube is closed with a stopper, and the other end is subjected to vacuum suction and electroless (chemical) plating with a pump while keeping the inside of the tube airtight with the stopper, and the outer surface of the porous metal tube is stopped. A 2.5 μm palladium film was formed on the substrate. Further, after silver was electroplated, alloying of palladium and silver was performed at 900 ° C. for 2 hours in an argon gas atmosphere to obtain a hydrogen separator.
Then, a hydrogen separation test was performed on the obtained hydrogen separator according to Example 1. The hydrogen concentration in the obtained purified gas was 75.0%, and it was confirmed that it did not function as a hydrogen separation membrane. In addition, as a result of SEM observation and EDX analysis, it was confirmed that palladium and silver were reacted with the SUS316 metal porous tube by heat treatment for alloying palladium and silver.
(Comparative Example 2)
As a porous substrate, a porous alumina tube having a length of 200 mm and a diameter of 10 mm (wall thickness: 1.0 mm) was prepared by a sintering method. Then, the obtained alumina porous tube was subjected to an activation treatment according to Comparative Example 1, and palladium was electrolessly (chemically) plated according to Comparative Example 1 to form an outer surface of the alumina porous tube. A 2.5 μm palladium film was formed on the substrate. Further, after electroplating silver according to Comparative Example 1, heat treatment was performed at 900 ° C. for 2 hours in an argon gas atmosphere to alloy palladium and silver, thereby obtaining a hydrogen separator. The thickness of the obtained palladium-silver alloy film of the hydrogen separator was 3 μm.
The obtained hydrogen separator was subjected to a hydrogen separation test according to Example 1, except that the chamber was heated to 350 ° C. at 100 ° C./Hr in nitrogen. The hydrogen concentration in the obtained purified gas was 99.9%.
Further, the obtained hydrogen separator was subjected to a heat cycle test according to Example 1. However, the test was stopped because a large crack occurred in the alumina porous body tube at the first temperature rise and the tube became unusable.
(Embodiment 3)
In the same manner as in Example 1, a hydrogen separator 10 having a 3 μm-thick palladium-silver alloy film formed on the outer surface of a SUS316 porous metal tube was obtained. Then, using the hydrogen separator 10, a membrane reactor shown in FIG. 3 was produced.
In the membrane reactor shown in FIG. 3, a reaction vessel 31 is filled with a catalyst 38 for a hydrogen generation reaction, and a hydrogen separator 10 is disposed near the catalyst 38 as shown in the figure. The raw material gas 32 supplied from the inlet 35 reacts with the catalyst 38 to generate hydrogen 33, and the generated hydrogen 33 is separated via the hydrogen separator 10 and passes through the hydrogen discharge pipe 34 to the reaction vessel 31. It is discharged outside. On the other hand, the exhaust gas 39 is discharged outside from the outlet 36 via the catalyst 38. The seal plate 37 is provided so that the raw material gas 32 does not enter the inside of the hydrogen separator 10.
Using this membrane reactor, a steam reforming reaction of methane (CH ₄ ) (CH ₄ + H ₂ O = CO + 3H ₂ ) was performed. First, the reaction vessel 31 was heated to 500 ° C. A source gas containing 20% by volume of CH _{4 and} 80% by volume of H ₂ O was supplied from the inlet 35, and the outlet 36 was controlled so that the pressure in the reaction vessel 31 was maintained at 800 kPa.
The conversion rate of the CH ₄ at the outlet 36 was determined by gas chromatography to be 90%. Generally, in the steam reforming reaction of methane, the equilibrium conversion at 800 ° C. exceeds 90%, but the equilibrium conversion at 500 ° C. is about 50%. The application of membrane reactor having a hydrogen separator 10, (in the right side direction) the steam reforming reaction formula of the right side is the H ₂ removal reaction proceeds, and could achieve a more 500 ° C. But 90% conversion of the low temperature Conceivable.
(Comparative Example 3)
In the same manner as in Comparative Example 1, a 3 μm-thick palladium-silver alloy film was formed on the outer surface of a SUS316 porous metal tube to obtain a hydrogen separator. Then, a membrane reactor identical to the membrane reactor shown in FIG. 3 was produced except that the obtained hydrogen separator was used instead of the hydrogen separator 10.
Then, a steam reforming reaction of methane was carried out according to Example 3 using the membrane reactor thus produced. The CH ₄ in the outlet was determined the conversion rate was analyzed by gas chromatography, was 60%. It is considered that the hydrogen separator did not sufficiently perform the hydrogen separation function. As a result of taking out the hydrogen separator from the membrane reactor and performing SEM observation and EDX analysis, during the heat treatment for alloying palladium and silver in the hydrogen separator, the metal porous tube made of SUS316 reacts with palladium and silver. Was confirmed.
[0050]
As described above, according to the present invention, palladium and silver are alloyed to improve low-temperature brittleness, and have excellent thermal shock resistance and high purity hydrogen can be obtained. An isolate is provided. The hydrogen separator obtained according to the present invention can withstand rapid temperature rise and fall to obtain high-purity hydrogen, so that it can be used for automobiles, homes, buildings, and other electronic devices such as mobile phones and personal computers. It can be applied to a fuel reformer for a fuel cell, which is expected to be put to practical use as a power source, and the market greatly expands compared to conventional hydrogen separators.
Further, according to the present invention, there is provided a membrane reactor in which palladium and silver are alloyed to improve low-temperature brittleness, have excellent thermal shock resistance, and realize high conversion even at low-temperature operation.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view illustrating an apparatus used in a manufacturing process of a hydrogen separator.
FIG. 2 is a sectional view showing a hydrogen separation test apparatus.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing an example of a membrane reactor.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Metal porous body tube, 10 ... Hydrogen separator, 11 ... Pump, 12 ... Stopper, 13 ... Sol solution, 14 ... Stopper, 15 ... O-ring, 17 ... Chamber, 18 ... Introduction pipe, 20 ... Introduction pipe, 27 ... mixed gas, 28 ... carrier gas, 29 ... purified gas, 31 ... reaction vessel, 32 ... raw material gas, 33 ... hydrogen, 34 ... hydrogen discharge pipe, 35 ... inlet, 36 ... outlet, 37 ... seal plate, 38 ... catalyst , 39 ... exhaust gas.

Claims

多孔質基体上に水素分離膜が形成された水素分離体の製造方法であって、
前記多孔質基体の表面に、予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させた後に、３００〜６００℃で焼結させて膜化し、前記水素分離膜を形成することを特徴とする水素分離体の製造方法。A method for producing a hydrogen separator in which a hydrogen separation membrane is formed on a porous substrate,
Hydrogen separation, wherein a sol of a pre-alloyed palladium-silver alloy is supported on the surface of the porous substrate, and then sintered at 300 to 600 ° C. to form a film to form the hydrogen separation membrane. How to make the body.

前記多孔質基体が、金属又は高耐熱衝撃性セラミックの多孔質体である請求項１に記載の水素分離体の製造方法。The method for producing a hydrogen separator according to claim 1, wherein the porous substrate is a porous body of a metal or a high thermal shock resistant ceramic.

多孔質基体上に水素分離膜が形成されてなる水素分離体であって、
前記多孔質基体と前記水素分離膜との間に、多孔質セラミック膜を有することを特徴とする水素分離体。A hydrogen separator having a hydrogen separation membrane formed on a porous substrate,
A hydrogen separator having a porous ceramic membrane between the porous substrate and the hydrogen separation membrane.

多孔質基体上に水素分離膜が形成されたメンブレンリアクタの製造方法であって、
前記多孔質基体の表面に、予め合金化したパラジウム−銀合金のゾルを担持させた後に、３００〜６００℃で焼結させて膜化し、前記水素分離膜を形成することを特徴とするメンブレンリアクタの製造方法。A method for producing a membrane reactor having a hydrogen separation membrane formed on a porous substrate,
A membrane reactor, wherein a sol of a pre-alloyed palladium-silver alloy is supported on the surface of the porous substrate, and then sintered at 300 to 600 ° C to form a film to form the hydrogen separation membrane. Manufacturing method.

前記多孔質基体が、金属又は高耐熱衝撃性セラミックの多孔質体である請求項４に記載のメンブレンリアクタの製造方法。The method for producing a membrane reactor according to claim 4, wherein the porous substrate is a porous body of a metal or a high thermal shock resistant ceramic.

多孔質基体上に水素分離膜が形成されてなるメンブレンリアクタであって、
前記多孔質基体と前記水素分離膜との間に、多孔質セラミック膜を有することを特徴とするメンブレンリアクタ。A membrane reactor having a hydrogen separation membrane formed on a porous substrate,
A membrane reactor comprising a porous ceramic membrane between the porous substrate and the hydrogen separation membrane.