JP2004214084A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部電極の上に、画素を覆うように保護膜が設けられてなる有機EL表示装置において、上下電極の短絡部を適切に自己修復できるようにする。
【解決手段】下部電極20、発光層33を含む有機層30、上部電極40が順次積層されてなる画素50が配置され、上部電極40の上に画素50を覆うように樹脂からなる樹脂保護膜70が設けられてなる有機EL表示装置において、樹脂保護膜70はシリコン系樹脂等の構成元素として酸素を含むものであり、使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加することで上下電極20、40が短絡したときに、樹脂保護膜70が分解して酸素を含む低分子物質を放出するようになっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に関し、特に、使用時に上下電極の短絡による画素欠陥およびラインなどの表示不良を抑制した発光安定性に優れた有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示装置は、一対の電極すなわち下部電極と上部電極との間に有機EL材料からなる発光層を含む有機層を備えた画素を有するものである。その駆動は、当該画素に対して、発光時には順バイアス電圧が印加され、非発光時には逆バイアス電圧が印加されるようなパルス電圧を加えることで行う。
【0003】
このような有機EL表示装置は、自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待できる。
【0004】
しかしながら、この有機EL表示装置では、電界や熱による有機材料の変質や材料相互の拡散あるいは異物等の介在により、上下電極間の耐圧が局部的に低下した欠陥部が発生しやすく、その結果として、当該欠陥部において上下電極の短絡が発生することがある。
【0005】
この不具合の対策として、従来では、逆方向のパルス電圧(逆バイアス電圧)を加えることで電子注入電極である上部電極を陽極酸化させて自己修復させる方法(特許文献1参照)や、上部電極を飛散させて自己修復させる方法(特許文献2参照)が知られている。
【0006】
また、従来の有機EL表示装置では、下部電極、発光層を含む有機層、上部電極が順次積層されてなる画素を覆うように、上部電極の上に無機膜、樹脂膜を順に積層してなる保護膜が設けられてなるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。それによれば、保護膜によって有機層を外部の水や酸素等から保護している。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−40346号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−162637号公報(第3−6頁、第2−3図)
【0009】
【特許文献3】
特開2000−223264号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、上述した従来の自己修復方法を、上記特許文献3に記載されているような保護膜を有した有機EL表示装置に適用した例は無い。しかしながら、本発明者らの検討によれば、このような保護膜を有する有機EL表示装置においても、上記した欠陥部における上下電極の短絡が生じることがある。
【0011】
ここで、従来の自己修復方法を単純に適用したとしても、画素の上部に無機保護膜や樹脂保護膜がある場合、酸素が入り込めないため、上部電極の酸化はされない。また、上部に無機保護膜や樹脂保護膜があるため、上部電極を飛散させることもできない。そのため、上下電極の短絡部を確実に自己修復することは困難であった。
【0012】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、上部電極の上に、画素を覆うように保護膜が設けられてなる有機EL表示装置において、上下電極の短絡部を適切に自己修復できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、自己修復を行う目的で逆バイアス電圧を印加するにあたって有機層の耐圧に着目し且つ樹脂保護膜の構成を工夫することで、自己修復作用を有効に発現できることがわかった。
【0014】
有機層の耐圧は、次のように定義した。基本的には、使用時の電圧印加条件における有機層の耐圧とした。有機層の耐圧は、有機EL表示装置の原理から、逆バイアス電圧印加時の耐圧である。そして、その有機層の耐圧は逆バイアス電圧の印加方法に依存する。
【0015】
そこで、その耐圧の評価においては、実際に駆動する場合のデューティ比、周波数などによって規定されるパルス幅と同一の状態で測定した電圧に基づいて、逆バイアス電圧の設定を行うべきである。
【0016】
このようなことから、有機層の耐圧の評価は、所定のデューティ比やパルス幅を持つパルス電圧を画素に印加し、順方向に電流を流すことで発光させつつ、非発光時には逆バイアス電圧を印加するという使用時の電圧印加条件にて行った(図3参照)。
【0017】
この操作において、順方向の電流は一定(つまり発光輝度はほぼ一定)のままで、逆バイアスの電圧を増加ながら、発光しなくなる逆バイアス電圧を耐圧とする。逆バイアス電圧の変え方は、各電圧毎に5秒以上1分以下の保持をしながら、数Vづつ上げていく方法とした(図4参照)。
【0018】
このようにして、逆バイアス電圧を上昇させていくと、保護膜が無い場合には、画素中の上部電極の一部もしくは全部が飛散する。このときの逆バイアス電圧の値を有機層の耐圧として定義する。この方法によれば、使用時の電圧印加条件における有機層の耐圧としてほぼ一定の値が得られる。
【0019】
本発明は、上記したような有機層の耐圧を有機EL表示装置において求め、それを利用することで創出されたものである。
【0020】
すなわち、請求項1に記載の発明では、下部電極(20)、発光層(33)を含む有機層(30)、上部電極(40)が順次積層されてなる画素(50)が配置され、上部電極の上に、画素を覆うように樹脂からなる樹脂保護膜(70)が設けられてなる有機EL表示装置において、樹脂保護膜は、構成元素として酸素を含むものであり、使用時の電圧印加条件における有機層の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加することで下部電極と上部電極とが短絡したときに、樹脂保護膜は分解して酸素を含む低分子物質を放出するようになっていることを特徴とする。
【0021】
画素の欠陥部では、耐圧が低下しているため、有機層の耐圧以下の逆バイアス電圧によって上下電極が短絡する。このとき、短絡により生じる熱等によって樹脂保護膜が分解するので、その下に位置する上部電極や有機層も飛散することができる。
【0022】
そして、飛散によって破断した部分の上部電極は、分解した樹脂保護膜から放出される酸素を含む低分子物質によって被覆されたり酸化されたりすることにより、さらに樹脂の一部が上部電極の中に入り込み、電気的絶縁状態となる。
【0023】
その結果、上部電極が飛散した欠陥部において上下電極間が電気的にオープンになるため、それ以上、欠陥が拡がらなくなる。つまり、画素として一部欠陥は残るものの、画素の耐圧は回復し、発光可能となる。こうして自己修復が実現される。
【0024】
したがって、本発明によれば、上部電極の上に、画素を覆うように保護膜が設けられてなる有機EL表示装置において、上下電極の短絡部を適切に自己修復できる。
【0025】
ここで、このような樹脂保護膜(70)としては、シリコン系樹脂やフッ素系樹脂等を採用することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明では、樹脂保護膜(70)と上部電極(40)との間には、無機物からなる無機保護膜(60)が介在されており、無機保護膜は原子層成長法で成膜されたものであって、その膜厚が200nm以下のものであることを特徴とする。
【0027】
樹脂保護膜の成膜時において、樹脂保護膜から、溶剤や低分子有機物、水分、さらには酸素等が出てきて、これらが下地の有機層にダメージを与える場合がある。
【0028】
このような場合、本発明によれば、画素と樹脂保護膜との間に介在する無機保護膜によって、上記のダメージ物質を有機層から遮断することができる。もちろん、樹脂保護膜の成膜時に有機層にダメージが与えられることが無い場合には、無機保護膜は不要として良い。
【0029】
また、この無機保護膜は、あまり厚いと、上述した上部電極の飛散や樹脂保護膜の分解を阻害するものとなる。そのため、本発明者らの検討によれば、無機保護膜の膜厚は200nm以下に薄いものが好ましい。また、このような薄い無機保護膜を適切に成膜するには、スパッタや蒸着に比べてカバレッジ性の良い公知の原子層成長法が好ましい。
【0030】
また、請求項5に記載の発明では、上部電極(40)と樹脂保護膜(70)の間に、ガストラップ用ゲッター材(100)が挿入されていることを特徴とする。
【0031】
それによれば、外部から樹脂保護膜を透過してくる酸素を、ガストラップ用ゲッター材によってトラップすることができるので、有機層に与えるダメージをより低減でき、好ましい。
【0032】
また、請求項6に記載の発明では、樹脂保護膜(70)の上には、金属箔もしくは金属と樹脂との積層シートからなるラミネートフィルム(110)が設けられており、ラミネートフィルムによって画素(50)および樹脂保護膜が外気から遮断されていることを特徴とする。
【0033】
また、請求項7に記載の発明では、樹脂保護膜(70)に乾燥剤が混入されていることを特徴とする。
【0034】
これら請求項6、請求項7に記載の発明によれば、有機層を外部の水や酸素等から、より確実に保護することができ、好ましい。
【0035】
ところで、上記請求項1〜請求項7に記載の発明では、使用時の電圧印加条件における有機層の耐圧を指標として、自己修復するための逆バイアス電圧の値を適度な大きさに決定することができる。
【0036】
つまり、使用時において画素に印加する電圧において、非発光時に印加する逆バイアス電圧を有機層の耐圧以下の大きさにすることで、上部電極の全部が飛散してしまうような過大な逆バイアス電圧の設定を防止できる。
【0037】
また、有機層の耐圧を指標とするため、逆バイアス電圧の大きさは、その耐圧以下の大きさまでは許容される。そのため、逆バイアス電圧が小さすぎて自己修復が不十分になることも防止できる。
【0038】
ここで、有機層(30)の耐圧は、請求項8に記載の発明のように、使用時の電圧印加条件にて1分以下、駆動させたときの耐圧にすることができる。
【0039】
有機層の耐圧は、使用時間の経過に伴い低下していくが、使用時全般に渡って効果を発揮させるには、使用初期の耐圧を採用するのが良い。そのような初期的な耐圧として、使用時の電圧印加条件にて1分以下、有機EL表示装置を駆動させたときの耐圧とすることができる。
【0040】
また、請求項9に記載の発明では、逆バイアス電圧は、有機層(30)の耐圧の1/2以下であることを特徴とする。
【0041】
上記請求項1〜請求項8に記載の逆バイアス電圧においても、素子構造によっては、画素全体の上部電極(40)を飛散させる場合がある。そこで、好ましくは、逆バイアス電圧を有機層(30)の耐圧の1/2以下とすれば、素子構造にかかわらず自己修復させたい部位のみの上部電極の飛散に確実に止め得ることが実験的にわかった。
【0042】
請求項10に記載の発明では、有機層(30)の耐圧を有機層の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度は3×10V/cm以上であることを特徴とする。
【0043】
有機EL表示装置においては、有機材料の種類にかかわらず有機層の耐圧は、そのトータル厚さで定義できることがわかった。そして、本発明の有機EL表示装置としては、上記電界強度が3×10V/cm以上であるものにできる。それによれば、上記手段の効果を有効に発揮することができる。
【0044】
請求項11に記載の発明では、有機層(30)の耐圧を有機層の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度を計算する場合に有機層から導電性の有機膜を除外し、当該電界強度は3.4×10V/cm以上であることを特徴とする。
【0045】
有機EL表示装置においては、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン系の導電性材料を用いた層の厚さが、比較するパネルで異なる場合は、特にその厚さが30nm程度以上と厚くなるほど、上記電界強度が一定にならない場合がある。
【0046】
電界強度をより正確に比較する場合には、有機層から導電性の有機膜を除外した方がより好ましいことがわかった。その場合、上記請求項10に記載の電界強度を見直すと、3.4×10V/cm以上であるものにできる。
【0047】
それによれば、上記手段の効果を有効に発揮することができる。ここで重要な概念は、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン系の導電性材料は、抵抗体として寄与し、耐圧を有する半導体(絶縁体)ではないことである。
【0048】
請求項12に記載の発明では、逆バイアス電圧をVrとし、上部電極(40)の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、Xaが2.2×10V/cm以上であることを特徴とする。
【0049】
逆バイアス電圧が小さすぎたり、上部電極が厚すぎると、上部電極が飛散しにくく、自己修復しにくい。その点、逆バイアス電圧Vrと上部電極の厚さDaとの比Vr/Da=Xaを2.2×10V/cm以上とすれば、より適切に自己修復を行うことができるため(図7参照)、好ましい。
【0050】
請求項13に記載の発明では、上部電極(40)の厚さDaが100nm以下に薄くなっていることにより、Xaが2.2×10V/cm以上であることが確保されていることを特徴とする。
【0051】
上記請求項12に記載のXaの値を実現する手法として、逆バイアス電圧Vrを高くしすぎないほうが良い。つまり、上記請求項9に記載の発明のように、有機層の耐圧の1/2以下程度が好ましい。
【0052】
そのため、逆バイアス電圧を低めに設定し、上部電極の厚さDaを100nm以下に薄くすることで、上記Xaの値を実現することが好ましい。この厚さDaを100nm以下としたことは、自己修復時の上部電極の飛散形状をレーザ照射などで測定し、当該飛散形状が小さく且つ効果的に電気的にオープンになる形状となる厚さDaを調べることで決めたものである。
【0053】
請求項14に記載の発明では、逆バイアス電圧をVrとし、有機層(30)の厚さをDyとし、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとしたとき、Yaが1.2×10V/cm以上2.2×10V/cm以下であることを特徴とする。
【0054】
この比Yaの値が小さいとは、同じ逆バイアス電圧で考えると有機層の厚さDyが厚い場合を示し、比Yaの値が大きいとは有機層の厚さDyが薄い場合を示す。有機層が厚すぎると、有機層が飛散しにくいため自己修復が起きにくい。
【0055】
一方、有機層が薄すぎると、下部電極の凹凸などの影響から均一な有機層の厚さが実現できないため、有機層が飛散しすぎてしまい、表示品質の著しい低下を引き起こし、好ましくない。
【0056】
その点、逆バイアス電圧Vrと有機層の厚さDyとの比Vr/Dy=Yaを1.2×10V/cm以上2.2×10V/cm以下の範囲とすれば、より適切に自己修復を行うことができるため(図8参照)、好ましい。
【0057】
請求項15に記載の発明では、逆バイアス電圧をVrとし、導電性の有機膜を除外した有機層(30)の厚さをDy’とし、これらVrとDy’との比Vr/Dy’をYa’としたとき、Ya’が1.4×10V/cm以上2.4×10V/cm以下であることを特徴とする。
【0058】
導電性の有機膜を除外した有機層(30)の厚さDy’を用いて、上記請求項14に記載の比Vr/Dyを換算すると、本発明のような範囲となる。
【0059】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態相互において、同一部分には図中、同一符号を付してある。
【0061】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置S1の概略断面構成を示す図である。この有機EL表示装置S1は、ガラスや樹脂等の絶縁性の基板10の上に、下部電極20、発光層33を含む有機層30、および上部電極40が順次積層形成されている。
【0062】
ここで、下部電極20および上部電極40が重なっている領域50における上下電極20、40および有機層30が、画素50として形成されている。ここで、図2は、図1に示す有機EL表示装置S1の概略平面構成の一例を示す図である。
【0063】
本例では、図2に示すように、これら両電極20、40は互いに直交するストライプ形状をなし、両ストライプ状電極20、40の交差する部分が画素50となっている。そして、この画素50は、一つが0.3mm角のサイズであり、256×64のドットマトリクスを構成したものとしている。
【0064】
下部電極20は、光学的に透明なITO(Indium Tin Oxide)膜等からなる。また、本実施形態では、有機層30は、正孔注入性有機材料等からなる正孔注入層31、正孔輸送性有機材料等からなる正孔輸送層32、正孔輸送性または電子輸送性の有機材料に発光色素を含有した材料等からなる発光層33、電子輸送性有機材料からなる電子輸送層34が順次積層されてなる。
【0065】
また、上部電極40はAl等の金属膜等からなる。これら画素50を構成する各層には、通常の有機EL表示装置に採用される材料もしくは採用の可能性のある材料を適用することができる。
【0066】
このような画素構成を有する本有機EL表示装置S1においては、下部電極20を陽極、上部電極40を陰極として上下電極20、40間に電圧を印加することにより、駆動がなされる。このとき、画素50に対して発光時には順バイアス電圧が印加されて発光し、非発光時にはクロストーク等による発光を抑えるため逆バイアス電圧が印加される。
【0067】
具体的に、本例のドットマトリクスタイプの有機EL表示装置S1においては、一つの画素50に対して、図3に示すような所定のデューティ比やパルス幅を有する駆動波形のパルス電圧が印加される。順バイアス電圧(順方向パルス)の印加時には、発光層33が発光し、逆バイアス電圧(逆バイアスパルス)の印加時には、非発光状態となる。
【0068】
さらに、図1に示すように、本有機EL表示装置S1では、上部電極40の上に、画素50を覆うように無機保護膜60、樹脂保護膜70が順次積層されている。これら保護膜60、70は、上部電極40の上部及び上部電極40が形成されていない有機層30の上部において、有機層30の成膜領域よりも広い範囲を被覆しており、下地である有機層40を保護している。
【0069】
無機保護膜60は、Al2O3、SiN、SiNO、ZnS−SiO2、SiO2およびLiOから選択されたものからなり、特開20001−284042号公報に記載された原子層成長法(ALE法)やスパッタリング法、蒸着法等にて形成される。
【0070】
この無機保護膜60の膜厚は200nm以下、好ましくは数十nmであり、従来の無機保護膜が数μmであるのに対して大幅に薄いものとしている。このような薄い無機保護膜60としては、カバレッジ性の良い原子層成長法を用いて成膜されたAl2O3等を採用することが好ましい。
【0071】
樹脂保護膜70は構成元素として酸素を含むものであり、上記図3に示したような使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加することで下部電極20と上部電極40とが短絡したときに、樹脂保護膜70が分解して酸素を含む低分子物質を放出するようになっている。
【0072】
このような樹脂保護膜70としては、シリコン系樹脂やフッ素系樹脂等を採用することができ、塗布して硬化させる方法等にて形成することができる。その膜厚は0.数mm、例えば0.01mm〜0.5mmとすることができる。
【0073】
樹脂保護膜70としてシリコン系樹脂を用いる場合には、シリコンゴム、シリコンゲル、シリコンオイル等を使用することができる。また、フッ素系樹脂を用いる場合には、フッ素ゴム、フッ素ゲル、フッ素オイル等を使用することができる。
【0074】
例えば、上記したシリコン系樹脂においては、樹脂中にシロキサンを含んでおり、上下電極20、40の短絡時の熱により分解して、酸素を含む低分子物質としてのシロキサンを発生する。
【0075】
なお、樹脂保護膜70の下の無機保護膜60は、樹脂保護膜70の成膜時において発生する溶剤や低分子有機物、水分、さらには酸素等の有機層30にダメージを与える物質から、有機層30を保護するためのものである。
【0076】
つまり、画素50と樹脂保護膜70との間に介在する無機保護膜60によって、上記のダメージ物質を有機層30から遮断することができる。もちろん、樹脂保護膜70の成膜時に有機層30にダメージを与える物質が発生しなかったり、発生しても有機層30のダメージが問題にならないような場合には、無機保護膜60は無くても良い。
【0077】
また、樹脂保護膜70の上には、樹脂保護膜70およびその下部の層20〜60を収納し外気から遮断するケース80が設けられている。このケース80は金属やセラミック等からなるもので、基板10の周辺部に接着等にて固定されている。
【0078】
そして、本実施形態では、ケース80内に乾燥剤90が設けられている。この乾燥剤90は、ケース80と基板10との接着部から侵入する水分を吸収するためのものであり、例えば、酸化バリウム(BaO)や酸化カルシウム(CaO)等を用いることができる。
【0079】
また、ケース80内には、封入ガスとして窒素ガスまたは不活性ガスが充填されている。こうして、ケース80内は乾燥雰囲気となっており、有機層30に水分が侵入するのを防止できるようになっている。
【0080】
このような有機EL表示装置S1は、次のようにして製造できる。まず、スパッタリング法や真空蒸着法等を用いて、基板10の上に各層20〜40を順次形成する。次に、原子層成長法(ALE法)やスパッタリング法、蒸着法等を用いて無機保護膜60を成膜する。
【0081】
この無機保護膜60の形成においては、石英ガラス製のマスク等を用いて成膜することにより、無機保護膜60の成膜領域を、下部電極(陽極)20と上部電極(陰極)40における外部回路との接続端子部が露出されるように設定する。
【0082】
次に、無機保護膜60の上にディスペンサ等にて樹脂保護膜70を塗布し、過熱乾燥等にて硬化させる。この樹脂保護膜70の形成は、水分や酸素の雰囲気を制御した環境下にて行い、外部から樹脂保護膜70中への水分や酸素の侵入を極力抑制するようにする。
【0083】
そして、乾燥剤90が固定されたケース80を、乾燥窒素雰囲気や不活性ガス雰囲気にて、基板10に接着し、基板10上の画素50や保護膜60、70をケース80によって気密に封止する。こうして、図1に示す有機EL表示装置S1ができあがる。
【0084】
[自己修復作用]
上記図3に示すような駆動波形が、有機EL表示装置S1における使用時の電圧印加条件であり、本実施形態では、この使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、画素50が自己修復できるようになっている。
【0085】
有機層30の耐圧は、実際に駆動する場合のデューティ比、周波数などによって規定されるパルス幅と同一の状態で測定した電圧に基づいて決められる。つまり、図3に示す駆動波形において、順方向の電流は一定(つまり発光輝度はほぼ一定)のままで、逆バイアス電圧の大きさを増加ながら、発光しなくなる逆バイアス電圧を耐圧とする。
【0086】
ここで、逆バイアス電圧の変え方は、図4に示すように、各電圧毎の保持時間を5秒以上1分以下としながら、数Vづつ上げていく方法とする。また、このとき、上記図1において保護膜60、70が設けられていない素子構成のものを用いる。
【0087】
このようにして、逆バイアス電圧を上昇させていくと、画素50中の上部電極40の一部もしくは全部が飛散する。この飛散が発生したときの逆バイアス電圧の値が有機層30の耐圧として定義される。
【0088】
この方法によれば、使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧としてほぼ一定の値が得られる。限定するものではないが、本例では、順バイアス電圧を10Vに一定とし、各逆バイアス電圧において保持時間を5秒としながら、20Vから1Vづつ上昇させていくことにより、有機層30の耐圧を求めることができる。
【0089】
さらに、本例の有機EL表示装置S1では、上記図2に示したように、複数個の画素50を有するため、各画素50における有機層30の耐圧は、ある一定の分布を持っている。
【0090】
具体的には、本例において、複数個の画素50について有機層30の耐圧を調べた結果、図5に示すような分布を有するものとなった。そして、本例における有機層30の耐圧は、その平均値すなわち平均耐圧(図5では50V)としている。
【0091】
このようにして、使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧が定義された有機EL表示装置S1において、本実施形態では、当該有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加することで上下電極20、40が短絡したときに、樹脂保護膜70が分解して酸素を含む低分子物質を放出する独自の構成を採用している。
【0092】
このような独自の構成を採用することにより、本実施形態では、画素50の欠陥部の自己修復が可能となっている。この自己修復の様子について、図6を参照して述べる。
【0093】
図6は、本実施形態による自己修復の一例を模式的に示す断面図である。図6において(a)は自己修復前の画素50の状態を示し、(b)は自己修復後の画素50の状態を示す。なお、無機保護膜60は省略してある。
【0094】
画素50の欠陥部では、耐圧が低下している。そのため、上記の有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧によって上下電極20、40が短絡する。このとき、図6(b)に示すように、この短絡により生じる熱等によって、樹脂保護膜70が分解するので、その下に位置する薄い無機保護膜60や上部電極40、有機層30も飛散することができる。
【0095】
そして、飛散が発生し破断した部分の上部電極40は、分解した樹脂保護膜70から放出される酸素を含む低分子物質71によって被覆されたり酸化されたりすることにより、電気的絶縁状態となる。また、有機層30が飛散した部分には、分解した樹脂保護膜70の一部が充填される。このような様子は、断面顕微鏡観察等で確認されたものである。
【0096】
このような現象が起こる結果、上部電極40が飛散した欠陥部において上下電極20、40間が電気的にオープンになるため、それ以上、欠陥が拡がらなくなる。つまり、画素50として一部欠陥は残るものの、画素50の耐圧は回復し、発光可能となる。こうして自己修復が実現される。
【0097】
したがって、本実施形態によれば、上部電極40の上に画素50を覆うように樹脂保護膜が設けられてなる有機EL表示装置において、上下電極20、40の短絡部を適切に自己修復することができる。
【0098】
このような樹脂保護膜70の作用は、例えば、樹脂保護膜70として上述したシリコン系樹脂を用いた場合には、酸素を含む低分子物質71としてのシロキサンにより、効果的に実現される。つまり、短絡時の熱によって、飛散により破断した部分の上部電極40がシロキサン中の酸素により酸化され、さらに樹脂の一部が上部電極の中に入り込み、上下電極20、40の短絡が防止される。
【0099】
ここで、上述したように、樹脂保護膜70と上部電極40との間に介在する無機保護膜60は、必要に応じて設けられるものであるが、無機保護膜60を介在させる場合には、無機保護膜60の膜厚は200nm以下、好ましくは数十nmであることが好ましい。
【0100】
無機保護膜60が、あまり厚いと、上述した上部電極40の飛散や樹脂保護膜の分解を阻害するためである。そして、このような薄い無機保護膜60としては、カバレッジ性の良い原子層成長法を用いて成膜されたAl2O3等を採用することが好ましい。
【0101】
ちなみに、上記特許文献3に示したような従来の有機EL表示装置における保護膜では、無機保護膜が数μm程度と厚いため、上部電極の飛散が十分に行われず、自己修復が困難であった。
【0102】
また、本実施形態によれば、使用時の電圧印加条件における有機層30の耐圧を指標として、自己修復するための逆バイアス電圧の値を適度な大きさに決定することができる。
【0103】
つまり、使用時において画素50に印加する電圧において、非発光時に印加する逆バイアス電圧を有機層30の耐圧以下の大きさにすることで、上部電極40の全部が飛散してしまうような過大な逆バイアス電圧の設定を防止できる。
【0104】
また、有機層30の耐圧を指標とするため、逆バイアス電圧の大きさは、その耐圧以下の大きさまでは許容される。そのため、逆バイアス電圧が小さすぎて自己修復が不十分になることも防止できる。
【0105】
また、図4を参照して上述したが、本実施形態において、有機層30の耐圧とは、使用時の電圧印加条件にて1分以下、駆動させたときの耐圧である。つまり、上記図4における保持時間を1分以下として、有機層30の耐圧を求めたことを意味している。
【0106】
有機層30の耐圧は、使用時間の経過に伴い低下していくため、使用の初期から長期の間すなわち使用時全般に渡って効果を発揮させるには、使用初期の耐圧を採用するのが良いことは明らかである。そのような初期的な耐圧として、使用時の電圧印加条件にて1分以下、有機EL表示装置を駆動させたときの耐圧とすることができる。
【0107】
[好適手段]
次に、本実施形態における好ましい手段を挙げておく。本実施形態の有機EL表示装置S1においては、使用時の電圧印加条件における逆バイアス電圧が有機層30の耐圧の1/2以下である関係を有することが好ましい。
【0108】
有機層30の耐圧以下の逆バイアス電圧であっても、素子構造によっては、画素50全体の上部電極40を飛散させる場合がある。その点、逆バイアス電圧を有機層30の耐圧の1/2以下とすれば、素子構造にかかわらず自己修復させたい部位のみの上部電極40の飛散にとどめ得ることが確実にできる。
【0109】
さらに、上述したように、複数個の画素50間の製造ばらつきや製造ロット毎のばらつき等により、有機層30の耐圧は分布を持っているため、実際には、複数個の画素50について有機層30の耐圧を調べ、その平均耐圧を採用している。
【0110】
それに対して、逆バイアス電圧を有機層30の耐圧の1/2以下に低く抑えれば、平均値から外れた画素50において上部電極40が飛散しすぎるのを防止しやすいという利点がある。
【0111】
また、本実施形態の有機EL表示装置S1においては、有機層30の耐圧を有機層30の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度が3×10V/cm以上であるようにすることが好ましい。
【0112】
本発明者らの検討によれば、有機EL表示装置においては、有機材料の種類にかかわらず有機層30の耐圧は、そのトータル厚さで定義できることがわかった(後述の図9参照)。そして、有機EL表示装置S1としては、上記電界強度が3×10V/cm以上であるものにすることができ、それによれば、上記した本実施形態の効果を有効に発揮することができる。
【0113】
さらに好ましくは、電界強度を計算する場合に有機層30から導電性の有機膜を除外し、当該電界強度は3.4×10V/cm以上であることを特徴とする。有機層30においては、例えば正孔注入層31が銅フタロシアニン等からなる場合、この正孔注入層31が導電性の有機膜となる。
【0114】
そして、有機EL表示装置においては、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン系の導電性材料を用いた有機膜の厚さが、比較するパネルで異なる場合は、特にその厚さが30nm程度以上と厚くなるほど、上記電界強度が一定にならない場合がある。
【0115】
これは、導電性の有機膜が、有機層30における他の有機膜に比べて十分に抵抗値が小さく、電界がさほど加わらないためである。そのため、電界強度をより正確に比較する場合には、有機層から導電性の有機膜を除外した方がより好ましい。
【0116】
こうして導電性の有機膜を除外した場合、上記有機層30の耐圧を定義する電界強度を見直すと、3.4×10V/cm以上となる。そして、この電界強度によっても、上記した本実施形態の効果を有効に発揮することができる。
【0117】
また、本実施形態の有機EL表示装置S1においては、逆バイアス電圧をVrとし、上部電極40の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、Xa(=Vr/Da)の値が2.2×10V/cm以上であることが好ましい。
【0118】
逆バイアス電圧が小さすぎたり、上部電極40が厚すぎると、上部電極40が飛散しにくく、自己修復しにくい。つまり、Xa(=Vr/Da)の値が小さすぎると自己修復しにくい。
【0119】
そこで、本発明者らは、有機EL表示装置S1において、上記比Vr/Da=Xaと上下電極20、40の短絡率との関係を調べた。その結果を図7に示す。
【0120】
図7では、上下電極の短絡率は、使用時間としての耐久時間が1000時間後すなわち有機EL表示装置S1を1000時間駆動させた後において、上下電極20、40の短絡部が自己修復されなかった部分(例えばライン欠陥等)の発生率を表している。
【0121】
図7に示すように、上記比Vr/Da=Xaが2.2×10V/cm未満の場合では、上部電極40が厚すぎたり、逆バイアス電圧が小さすぎたりして上部電極40の飛散が不十分であって自己修復しにくい。しかし、上記比Vr/Da=Xaを2.2×10V/cm以上とすれば、適切に自己修復できる。
【0122】
さらに、この比Xa(=Vr/Da)を2.2×10V/cm以上に確保することは、上部電極40の厚さDaを100nm以下に薄くすることにより実現することが好ましい。
【0123】
これは、上記比Xaの値を実現する手法として、逆バイアス電圧Vrを高くしすぎないほうが良いためである。つまり、上述したように、なるべく有機層30の耐圧の1/2以下程度に逆バイアス電圧Vrを抑えることが好ましいためである。
【0124】
そのため、逆バイアス電圧を低めに設定し、上部電極40の厚さDaを100nm以下に薄くすることで、上記Xaの値を実現することが好ましい。この厚さDaを100nm以下としたことは、自己修復時の上部電極40の飛散形状をレーザ照射などで測定し、当該飛散形状が小さく且つ効果的に電気的にオープンになる形状となる厚さDaを調べることで決めた。
【0125】
また、本実施形態の有機EL表示装置S1においては、逆バイアス電圧をVrとし、有機層30の厚さをDyとし、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとしたとき、この比Yaが1.2×10V/cm以上2.2×10V/cm以下であることが好ましい。
【0126】
この比Yaの値が小さいとは、同じ逆バイアス電圧で考えると有機層30の厚さDyが厚い場合を示し、比Yaの値が大きいとは有機層30の厚さDyが薄い場合を示す。
【0127】
有機層30が厚すぎると、有機層30が飛散しにくいため自己修復が起きにくい。一方、有機層30が薄すぎると、下部電極20の凹凸などの影響から均一な有機層30の厚さが実現できない。そのため、有機層30が飛散しすぎてしまい、表示品質の著しい低下を引き起こし、好ましくない。
【0128】
そこで、本発明者らは、本有機EL表示装置S1において、上記比Vr/Da=Yaと上下電極20、40の短絡率との関係を調べた。その結果を図8に示す。
【0129】
図8では、上下電極の短絡率は、上記図7と同じ定義としている。図8から、上記比Vr/Da=Yaが1.2×10V/cm未満の場合では、有機層30が厚すぎたり、逆バイアス電圧が小さすぎたりして有機層30や上部電極40の飛散が不十分であり、自己修復しにくいことがわかる。
【0130】
一方、上記比Vr/Da=Yaが2.2×10V/cmよりも大きい場合では、短絡は防止されるが、有機層30が薄すぎて有機層30が飛散しすぎてしまい、表示品質の著しい低下を引き起こし、好ましくない。
【0131】
このような検討結果から、上記比Vr/Da=Yaを1.2×10V/cm以上2.2×10V/cm以下とすれば、適切に自己修復できることがわかった。
【0132】
また、本実施形態の有機EL表示装置S1においては、逆バイアス電圧をVrとし、導電性の有機膜を除外した有機層30の厚さをDy’とし、これらVrとDy’との比Vr/Dy’をYa’としたとき、このYa’が1.4×10V/cm以上2.4×10V/cm以下であることが好ましい。
【0133】
これは、上述したように、導電性の有機膜を除外した有機層30の厚さを用いることで、電界強度をより正確に比較できるためである。そして、この比Vr/Dy’=Ya’は上記比Vr/Da=Yaを換算することで容易に導出できるものである。
【0134】
次に、限定するものではないが、本実施形態について、以下の具体例を参照して、より具体的に説明することとする。
【0135】
なお、以下の具体例では、有機EL表示装置S1の特性値として、下部電極表面粗さRa(nm)、有機層厚さDy(nm)、上部電極厚さDa、逆バイアス電圧Vr(V)、有機層の耐圧Vd(V)、有機層の耐圧の電界強度Vd/Dy(V/cm)およびVd/Dy’、上記比Xa、比Ya、比Ya’を示している。
【0136】
[自己修復の具体例]
本例では、基板10はガラス基板、下部電極(陽極)20はスパッタリング法にて形成された膜厚150nm程度のITO膜であり、正孔注入性電極すなわち陽極として構成されたものとした。また、下部電極20の表面は、研磨することにより平均表面粗さRa=1.2nmにした。
【0137】
本例の有機層30は、UVオゾンによるITO表面の前処理をした後、真空チャンバーに入れ、真空蒸着法にて形成した。
【0138】
まず、正孔注入層31として、銅フタロシアニン(CuPc)を15nm成膜し、その上に正孔輸送層32として、α−ナフチル・フェニル・ベンゼンを50nm成膜した。
【0139】
その上に、発光層33として、クマリンを1%ドープしたアルミキノリノールを40nm成膜し、電子輸送層34として、アルミキノリノールを30nm程度成膜した。さらに、上部電極(陰極)40として、LiFを0.5nm、Alを80nm積層蒸着した。上部電極厚さDaは80nmとした。この場合、発光色は緑色である。
【0140】
その上に、無機保護膜60として、特開20001−284042号公報の段落0028〜0031に記載された原子層成長法(ALE法)を用いて約60nmの厚さのAl2O3膜を形成した。これにより、後工程の樹脂保護膜70の塗布・乾燥時に樹脂からの溶剤、低分子有機物や外部からの水分の侵入を遮断するようにした。
【0141】
次に、無機保護膜60の上部にシリコン樹脂からなる樹脂保護膜70を形成した。ここでは、シリコン樹脂として信越化学工業製のKE−1031(商品名)を採用した。このシリコン樹脂は硬化剤と主剤からなる2液タイプのもので、樹脂中の水分除去のため、それぞれの液を80℃で加熱脱泡し、混合した後、塗布した。
【0142】
この塗布は、水分、酸素雰囲気を制御した環境下にて、ディスペンサを用いて自動滴下する方法で行った。塗布した後、真空中で2時間加熱乾燥した。これによりできあがった樹脂保護膜の膜厚は0.01mmから0.5mmであった。
【0143】
そして、ここまでのワークを露点が−70℃である乾燥窒素雰囲気に入れ、支燃性ガスとして1%の酸素を導入した後、乾燥剤90付きのケース80を用いて封止した。こうして、本具体例の有機EL表示装置S1を作製した。
【0144】
この有機EL表示装置S1を、120Hzにて、1/64のデューティ比で駆動する場合の有機層30の耐圧Vdは、50Vであった。この有機層30の耐圧Vdは保護膜60、70を形成しない状態で求めた。
【0145】
なお、本例の有機層30の耐圧50Vは、上記図5に示す平均耐圧に相当する。この有機層30の耐圧は、有機層30の単位厚さ当たりの電界強度Vd/Dyでは3.7×10V/cmである。また、導電性の有機膜である正孔注入層31の銅フタロシアニン(CuPc)の厚さ15nmを除外した場合、当該電界強度Vd/Dy’は4.2×10V/cmである。
【0146】
駆動としては、1/64のデューティ比となるように、順方向パルス(順バイアス電圧)は定電流駆動で、初期輝度が200cd/mとなるように調整した。そのときの順方向パルスの電圧は10V程度であった。順方向パルス以外の時は、逆バイアス電圧Vrとして20Vの逆バイアスパルスを印加した。
【0147】
このとき、上記比Xa(=Vr/Da)は2.5×10V/cmであり、Ya(=Vr/Dy)は1.48×10V/cmである。また、Ya’(=Vr/Dy’)は1.7×10V/cmである。
【0148】
この有機EL表示装置S1を耐久評価したところ、80℃の高温作動でも1000時間以上、ライン欠陥等の上下電極20、40の短絡に至る不具合はまったく発生せず、自己修復が適切になされたことが確認された。また、顕微鏡観察により、上記図6に示したような樹脂保護膜70による上部電極40の不導体化等の作用が確認された。
【0149】
また、本具体例では、有機層30の耐圧として、有機層30の単位厚さ当たりの電界強度Vd/Dyが3×10V/cm以上である。図9は、本発明者らが調べた有機層30の厚さ(nm)と有機層30の平均耐圧(V)との関係を示す図であり、本具体例の電界強度もプロットしてある。
【0150】
この図9に示されるように、本発明者らの検討によれば、有機EL表示装置においては、有機材料の種類にかかわらず有機層30の耐圧は、そのトータルの厚さで定義できることがわかった。そして、3×10V/cm以上の電界強度とした本具体例にて、自己修復の効果が十分に発揮されている。
【0151】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置S2の概略断面構成を示す図である。主として、上記実施形態との相違点について述べる。
【0152】
本実施形態では、上記図1に示す有機EL表示装置において、上部電極40と樹脂保護膜70との間(本例では上部電極40と無機保護膜60との間)に、ガストラップ用ゲッター材100を挿入して配置させたものである。このゲッター材100は、金属Baを真空蒸着法にて上部電極40の上に20nm成膜したものにできる。
【0153】
それによれば、外部から樹脂保護膜70を透過してくる酸素を、このガストラップ用ゲッター材100によってトラップすることができる。そのため、有機層30に与えるダメージをより低減することができ、輝度低下を防止する効果がある。
【0154】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置S3の概略断面構成を示す図である。主として、上記実施形態との相違点について述べる。
【0155】
本実施形態では、上記図1に示す有機EL表示装置に対して、ケース80に代えて、樹脂保護膜70の上に、ラミネートフィルム110を設けたものである。そして、このラミネートフィルム110によって画素50および樹脂保護膜70が外気から遮断されている。
【0156】
ラミネートフィルム110は、金属箔からなるか、もしくは金属フィルムと樹脂フィルムとを貼り合わせた積層シートからなる。具体的には、Al箔を樹脂フィルムで挟んでなる積層シート等を採用できる。
【0157】
このラミネートフィルム110は、変形可能であるので、有機EL表示装置の表面形状に合わせて貼り合わせることができる。そして、ラミネートフィルム110は、基板10に対して例えばUV硬化性の接着剤120等にて固定される。
【0158】
また、図11に示す例では、ケース80に廃止に伴い、上記乾燥剤90も廃止している。そのため、ここでは、樹脂保護膜70に乾燥剤(図示せず)が混入されている。このような乾燥剤としては例えばCaHやCaO等を採用でき、樹脂に混合して塗布することで、乾燥剤入りの樹脂保護膜70を形成することができる。
【0159】
本例によれば、ラミネートフィルム110が上記ケース80の代用を行うことにより、ケース80を設けた場合と同様に、有機層30を外部の水や酸素等からより確実に保護することができる。さらに、乾燥剤入りの樹脂保護膜70とすることで、より効果を高めている。
【0160】
図12は、本実施形態の変形例としての有機EL表示装置S3’の概略断面構成を示す図である。この例では、樹脂保護膜70を乾燥剤入りのものとはせずに、ラミネートフィルム110に乾燥剤90を貼り付けた構成としている。この場合も、本実施形態の効果を同様に発揮することができる。
【0161】
(他の実施形態)
なお、例えば上記図1において、樹脂保護膜70の上にさらに、無機膜、樹脂膜を積層し、これらをケース80の代用として構成したものでも良い。
【0162】
また、ケース80に代えて、板状のカバープレートを樹脂保護膜70の上に配置し、このカバープレートと基板10との間を接着剤で充填した形としても良い。この場合、充填された接着剤が素子を封止するためケース80を不要にできる。
【0163】
なお、本実施形態においては、有機EL表示装置を市場へ出荷する前の時点で予め耐圧の低い個所における上下電極を短絡させるようにした。しかしながら、市場に出荷後においてユーザーの使用時に上下電極が短絡する状況になったとしても上述のメカニズムにより、その短絡部位の自己修復が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の概略断面図である。
【図2】図1に示す有機EL表示装置の概略平面構成の一例を示す図である。
【図3】有機EL表示装置における使用時の電圧印加条件としての駆動波形の一例を示す図である。
【図4】有機層の耐圧を決めるために逆バイアス電圧を上昇させていく方法を示す図である。
【図5】複数個の画素について有機層の耐圧を調べた結果による耐圧分布の一例を示す図である。
【図6】上記第1実施形態による自己修復の一例を模式的に示す断面図である。
【図7】逆バイアス電圧Vrと上部電極厚さDaとの比Va/Daと、上下電極の短絡率との関係を調べた結果を示す図である。
【図8】逆バイアス電圧Vrと有機層厚さDyとの比Vr/Dyと、上下電極の短絡率との関係を調べた結果を示す図である。
【図9】本発明者らが調べた有機層の厚さと有機層の平均耐圧との関係を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の概略断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の概略断面図である。
【図12】第3実施形態の変形例としての有機EL表示装置の概略断面図である。
【符号の説明】
20…下部電極、30…有機層、33…発光層、40…上部電極、
50…画素、60…無機保護膜、70…樹脂保護膜、
100…ガストラップ用ゲッター材、110…ラミネートフィルム。

Claims (15)

  1. 下部電極(20)、発光層(33)を含む有機層(30)、上部電極(40)が順次積層されてなる画素(50)が配置され、
    前記上部電極の上に、前記画素を覆うように樹脂からなる樹脂保護膜(70)が設けられてなる有機EL表示装置において、
    前記樹脂保護膜は、構成元素として酸素を含むものであり、
    使用時の電圧印加条件における前記有機層の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加することで前記下部電極と前記上部電極とが短絡したときに、前記樹脂保護膜は分解して酸素を含む低分子物質を放出するようになっていることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記樹脂保護膜(70)がシリコン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記樹脂保護膜(70)がフッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記樹脂保護膜(70)と前記上部電極(40)との間には、無機物からなる無機保護膜(60)が介在されており、
    前記無機保護膜は原子層成長法で成膜されたものであって、その膜厚が200nm以下のものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  5. 前記上部電極(40)と前記樹脂保護膜(70)の間に、ガストラップ用ゲッター材(100)が挿入されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  6. 前記樹脂保護膜(70)の上には、金属箔もしくは金属と樹脂との積層シートからなるラミネートフィルム(110)が設けられており、
    前記ラミネートフィルムによって前記画素(50)および前記樹脂保護膜が外気から遮断されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  7. 前記樹脂保護膜(70)に乾燥剤が混入されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  8. 前記有機層(30)の耐圧は、使用時の電圧印加条件にて1分以下、駆動させたときの耐圧であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  9. 前記逆バイアス電圧は、前記有機層(30)の耐圧の1/2以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  10. 前記有機層(30)の耐圧を前記有機層の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度は3×10V/cm以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  11. 前記有機層(30)の耐圧を前記有機層の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度を計算する場合に前記有機層から導電性の有機膜を除外し、当該電界強度は3.4×10V/cm以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  12. 前記逆バイアス電圧をVrとし、前記上部電極(40)の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、前記Xaが2.2×10V/cm以上であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  13. 前記上部電極(40)の厚さDaが100nm以下に薄くなっていることにより、前記Xaが2.2×10V/cm以上であることが確保されていることを特徴とする請求項12に記載の有機EL表示装置。
  14. 前記逆バイアス電圧をVrとし、前記有機層(30)の厚さをDyとし、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとしたとき、前記Yaが1.2×10V/cm以上2.2×10V/cm以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
  15. 前記逆バイアス電圧をVrとし、導電性の有機膜を除外した前記有機層(30)の厚さをDy’とし、これらVrとDy’との比Vr/Dy’をYa’としたとき、前記Ya’が1.4×10V/cm以上2.4×10V/cm以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載の有機EL表示装置。
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