JP2004211961A - 浴室空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴室11内に臨む空気の吸込口6と、浴室11内に臨む空気の吹出口7と、浴室11内の空気を屋外へ排気するための換気口8と、前記吸込口6から前記吹出口7に至る循環用通路と、前記吸込口6から前記換気口8に至る排気用通路と、浴室11内に送風又は浴室11内の空気を循環するファン24と、前記ファン24による空気流の通路を前記循環用通路と前記排気用通路との一方若しくは双方に切り替えるダンパー9と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置23と、前記循環用通路に設けられたセラミックヒータ30とを備えたことを特徴とする浴室空調装置1。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類及び浴室内を乾燥又は換気又は暖房するために使用される浴室空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、夫婦共稼ぎの増加におり夜間等を利用して洗濯物を室内にて乾かしたいとの要望が増大してきた。また冬場等寒い時期に浴槽の湯に浸かる前の浴室内が冷えており、入浴前の浴室を暖めておきたいという要望が増加してきている。
【0003】
そこで、従来から衣類及び浴室内を乾燥又は換気又は暖房するための浴室空調装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、負イオン発生手段を内蔵し、負イオンを含んだ空気を浴室内に送風するものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。負イオンは精神を安定させ、呼吸器の機能を高める効能を持つと言われている。
【0005】
一方、浴室は高温多湿の空間であり、入浴後換気を行なってもしばらくは湿気が残るため、タイルや天井にカビが生え、非衛生になりやすい。そのため、浴室の清掃時に塩素系の薬剤を散布してカビを取り除かねばならず、清掃に手間を要するだけでなく、薬剤の刺激臭で気分が悪くなるという問題があった。
【0006】
そこで、オゾン発生装置などの空間殺菌装置を浴室内に設置し、空気中に浮遊するカビの胞子を殺すことにより、タイルや天井へのカビの付着を防ぎ、カビの生えない清潔な浴室環境を実現する提案がなされている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−333153号公報
【特許文献2】
特開2002−130945号公報
【特許文献3】
特開2002−253647号公報
【特許文献4】
特開2002−333158号公報
【特許文献5】
特開2002−333162号公報
【特許文献6】
特開2002−162106号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オゾンガスは人間に有害な物質なので、オゾン発生装置は浴室に人が出入りしない時間帯を選んで運転させることが必要であり、処理後も残留オゾンガスが安全な濃度に低下するまで浴室に入室できないなど不都合な点が多々あった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、浴室内に浮遊するカビや雑菌を不活化することにより、カビの発生を抑制できる浴室空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内の空気を循環する循環用送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環用通路に設けられた熱源とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環用通路に設けられた熱源とを備えたことを特徴とする。
【0012】
そして、各種運転モードを備え、前記運転モードに応じて正負イオン又は負イオンの発生と停止を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
そして、浴室内の湿気を屋外に排気するとともに、前記熱源に通電して浴室内に温風を循環させる乾燥モードを備え、この乾燥モード実行中に前記イオン発生装置を駆動するようにしたものである。
【0014】
あるいは、人の存在を検出する人体検出手段を備え、該人体検出手段の検出結果に基づき、正負イオン又は負イオンの発生を制御するようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらには、浴室内の空気を排出中又は排出後に前記イオン発生装置を駆動して正負イオンを発生することを特徴とする。
【0016】
したがって、浴室に衣類などの洗濯物を吊るして乾燥モードを実行することにより、洗濯物が乾燥する。また、正負イオンにより浴室の外から入ってくるカビや雑菌が不活化されるので、洗濯物や浴室にカビが発生するのを防止できる。
【0017】
さらに、タイマーを備え、所定の運転モードを開始してから一定時間経過後、前記熱源への通電をすることで、省電力が図られる。
【0018】
あるいは、浴室内の湿度を検出する湿度センサーを備え、所定の運転モードの実行中、浴室内の湿度が所定の基準値以下になったとき、前記熱源への通電をオフするように制御してもよい。
【0019】
なお、前記吹出口にルーバを備えると、空気流の吹出方向を可変できて望ましいが、ルーバは空気流の吹出口に位置して設けられるため、空気流に乗って送られる正負イオンが真っ先に衝突する可能性が高い物体であると言える。空気中に発生した正負イオンは、数秒の寿命の後に自然消滅するが、それ以外にも(金属等の)物体に衝突すると消滅する性質がある。
【0020】
ルーバは風向きを変更するために用いられるものであるが、その傾きによっては空気流に大きな抵抗を与えてしまうことがあり、この場合、正負イオンとルーバとの衝突がルーバ表面の比較的広い面積で起こることになるため、衝突による正負イオン量の減衰が激しくなる。したがって、浴室内に浮遊するカビや雑菌の不活化の作用を落とさないために、浴室内へのイオン供給量を低下させないようにする必要があるが、この場合、ルーバの角度に関わらずイオン発生装置から発生する正負イオン発生量やファンの風量を常に多めに維持していると、空気抵抗の小さなルーバの傾きでは、不必要なイオン発生電力やファン駆動電力をロスしてしまうことになる。
【0021】
そこで、ルーバの角度に応じてイオン発生装置から発生するイオン発生量やファンの風量を調整することにより、ルーバの角度によらず、必要充分量の正負イオンを浴室内に供給するようにした。
【0022】
なお、浴室の壁に設置するタイプの浴室空調装置にも本発明は適用可能である。すなわち、本発明の浴室空調装置は、浴室の側壁に設けた浴室内と屋外とを連通させる開口に取り付けられ浴室内の空気を屋外へ排気するための換気ユニットと、該換気ユニットに対して浴室側に取り付けられ浴室内の空気を循環させるための循環ユニットと、該循環ユニット内に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環ユニット内に設けられた熱源とを備え、前記換気ユニットと前記循環ユニットとを個別に動作可能であることを特徴とする。
【0023】
そして、前記換気ユニットと前記循環ユニットを併用し、浴室内の湿気を屋外に排気するとともに、前記熱源に通電して浴室内に温風を循環させる乾燥モードを備え、この乾燥モード実行中に前記イオン発生装置を駆動するようにした。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る浴室空調装置の斜視図であり、図2は、浴室への取り付け状態を示す模式図である。この浴室空調装置1は、天井板2の開口部3の内部に装着する本体4と、天井板2の下方に位置するように本体4に取り付けられるパネル5とによって大略構成される。天井板2の開口部3は、パネル5が浴室11内部の浴槽12の上に位置するように形成されている。パネル5上には、人の存在を検知する人体センサー14が設けられている。
【0025】
パネル5中央には、幅の異なるスリット状の通気口が左右に並んで2つ設けられている。つまり、左側に幅の広い吸込口6が形成され、右側に幅の狭い吹出口7が形成されている。なお、図10のように、吹出口7を窓状の開口部として設け、吹出口7の幅方向に並んでルーバ10を設けてもよい。ルーバ10の傾きによって、吹出口7を通過して浴室11内に吹き出される空気の流れを所定の方向に固定したり、広範囲にスイングさせたりすることができる。
【0026】
浴槽12の隣は洗い場13であり、天井板2の洗い場13の上方に位置する部分には点検口15及び蓋16が設けられている。ドア17には通風口となるガラリ18が形成されている。浴室11の外側の壁面には浴室空調装置1のコントローラ19及び配電盤20が配置されており、コントローラ19及び配電盤20は浴室空調装置1に電力線及び制御線によりそれぞれ接続されている。また、本体4は排気ダクト21,22に接続されており、本体4にて吸引した浴室11の空気を屋外に排気できるようになっている。
【0027】
図3は、浴室空調装置1の概略断面図である。本体4内の上部左方には、水平方向に回転する軸流式のファン24が設けられている。ファン24は、本体4上面の外側に設けられたファンモータ25の軸に固定されている。さらに、本体4内は、ファンケーシングを兼ねる間仕切り部材27により、下部左方の部屋28と、上部及び右方の部屋29とに仕切られている。間仕切り部材27は、ファン24の下面と向かい合う部分が部屋27に臨む導入開口部27Aとして、パネル5の吹出口7に向かい合う部分が排出開口部27Bとしてそれぞれ筒状に形成されている。パネル5の吸込口6を介して浴室11内と部屋28とが連通し、導入開口部27Aを介して部屋28,29が連通し、排出開口部27Bの下流端に重なる吹出口7を介して部屋29と浴室11内とが連通している。部屋28はファン24の上流域、部屋29はファン24の下流域となる。
【0028】
本体4内には、吸込口6から部屋28,29を経て吹出口7へ至る循環用通路と、吸込口6から部屋28,29を経て換気口8へ至る排気用通路とが形成される。循環用通路と排気用通路との分岐部には、ファン24の空気流をどちらか一方若しくは双方に切り替えるダンパー9が設けられている。
【0029】
ここでは、循環用通路と排気用通路を切り替えるために、ダンパー9を用いたが、これに限定されない。また、加熱手段による熱源はセラミックヒータ30等の温水などにより発熱する熱交換器でもよい。例えば、図16に示す浴室空調装置1は、浴室11の側壁54に設けた浴室11内と屋外とを連通させる開口55に取り付けられ浴室11内の空気を屋外へ排気するための換気ユニット1Bと、該換気ユニット1Bに対して浴室11側に取り付けられ浴室11内の空気を循環させるための循環ユニット1Aと、該循環ユニット1A内に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置23と、前記循環ユニット1A内に設けられたセラミックヒータ30及び赤外線ヒータ52とを備え、前記換気ユニット1Bと前記循環ユニット1Aとを個別に動作可能としたものである。この構成によると、循環用通路と換気用通路を独立風路として、循環ファン24と換気ファン50を用いてそれぞれ単独で作動させることで、暖房、換気、涼風、涼風、換気を行うことができる。また、装置本体内に換気ファンと循環ファンの2つのファンを設け、各ファンを単独駆動して、独立した換気風路と循環風路に供給可能とする構成も含むものである。
【0030】
部屋29のダンパー9より下流側に位置する循環用通路、すなわち導入開口部27B内に、セラミックヒータ30等の加熱手段による熱源が設けられている。セラミックヒータ30のさらに下流側には、正負イオンを発生するイオン発生装置23が設けられている。なお、イオン発生装置23の設置位置は、セラミックヒータ30の上流側でもよい。部屋29のダンパー9よりも上流側には、湿度センサー31が設けられている。
【0031】
図6は、浴室空調装置1の制御ブロック図を示している。マイコンから成る制御部32は配電盤20に接続され電源の供給を受けて、ファン24の回転数、ダンパー9の位置、ルーバ10A,10Bの傾きやスイング、セラミックヒータ30やイオン発生装置23への通電を制御する。従って、これらの動作をコントローラ19を使って個別に制御することにより、さまざまな運転モード(空調モード)が実現される。代表的な運転モードには、暖房、換気、涼風、乾燥という4つがある。また、制御部32は時間を計測するタイマー33を内蔵しており、使用者は所定の時刻に電源が入る入タイマーと電源が切れる切タイマーを切り替えて作動させることができる。
【0032】
図7は、コントローラ19の平面図である。コントローラ19正面の上側の部分には、時刻や運転状態などの液晶表示を行う表示部34が形成されている。表示部34の下には、各種のボタンが配置されている。すなわち、停止ボタン35は運転を停止するとき、暖房ボタン36は暖房モードで浴室11を暖房するとき、乾燥ボタン37は乾燥モードで衣類を乾燥するとき、涼風ボタン38は涼風モードで扇風機として使用するとき、換気ボタン39は換気モードで浴室11を乾燥するとき、タイマーボタン40はタイマー時間を増減するときにそれぞれ使用する。また、コントローラ19正面の右下には、イオン発生装置23から正負イオンが発生しているときに点灯するクラスターイオンランプ41、イオン発生装置23から負イオンが発生しているときに点灯するマイナスイオンランプ42、イオン発生装置23の駆動が停止されているときに点灯するイオン発生停止中ランプ43が縦に並んで配置されている。これらのランプはLEDから構成されている。
【0033】
図8は、パネル5の平面図である。人体センサー14はパネル5正面の右片隅に設けられている。パネル5正面の長辺方向に沿って、イオン発生装置23から正負イオンが発生しているときに点灯するクラスターイオンランプ44、イオン発生装置23から負イオンが発生しているときに点灯するマイナスイオンランプ45、イオン発生装置23の駆動が停止されているときに点灯するイオン発生停止中ランプ46が縦に並んで配置されている。これらのランプはLEDから構成されている。
【0034】
なお、ランプの代わりに、図9のように「−」と「+」を縦に並べた図形を暗転表示可能な液晶表示部47をコントローラ19やパネル5に設け、イオン発生装置23から正負イオンが発生しているときに図9(A)のように表示し、イオン発生装置23から負イオンが発生しているときに図9(B)のように表示し、イオン発生装置23の駆動が停止されているときは図9(C)のように表示するようにしてもよい。特に、図9(A)の場合は、「干」という漢字に類似した表示にもなり、後述するように、衣類を乾燥させる乾燥モードで正負イオンを発生させることから、使用者にとっては洗濯物を「干す」という直感的な認識が得られて好ましい。
【0035】
次に、浴室空調装置1の各運転モードについて図3〜図5を参照して説明する。暖房モードは、寒い冬の時期に浴室11を入浴前に暖めておく運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図3に示すように、ダンパー9によって換気口8を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を循環用通路に切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させる。さらに、セラミックヒータ30に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。これにより、入浴前後の急激な温度変化による血圧上昇や不快感を防ぐことができる。なお、暖房モード時または、人体センサー14が人の存在を検知すると、イオン発生装置23を駆動して負イオンを発生させてもよい。このように、人体センサー14の検出結果に基づき、人の存在を検出した時に負イオンを発生することにより、浴室11内で人のリラクゼーション効果が得られる。浴室11外へ退室した場合には、空調モードに基づき、後述する乾燥モード等で正負イオンを発生していたモードであれば、再度正負イオンの発生を行うようにしている。
【0036】
また、図16のように、カーボンランプ等の遠赤外線ヒータ52を設けたものでは、赤外線ヒータ52から発せられる輻射熱を反射板53で浴室11内に反射して、入浴中に浴室11の暖房を行うようにすることもできる。入浴暖房時にイオン発生装置23から負イオンを発生させると、リラクゼーション効果を効果的に得ることができる。
【0037】
換気モードは、強力な換気機能で浴室11を乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図4に示すように、ダンパー9によって空気排出部27Aの入口を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を排気用通路に切換え、矢印Bのように浴室11内の空気を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。浴室11内の湿った空気は、屋外に排気され、浴室11内が乾燥する。なお、イオン発生装置23を任意で駆動してもよく、この場合は、正負イオンがダクト21内に送られ、ダクト21内に浮遊するカビや雑菌が不活化される、ダクト21内にカビが発生するのを防止することができる。
【0038】
涼風モードは、夏場など蒸し暑い時期の入浴中に浴室空調装置1を扇風機として使用するモードであり、このモードが選択されると制御部32は、図5に示すように、ダンパー9を中間の位置に固定してファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させるとともに、矢印Bのように一部を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。これにより、浴室11内にゆるやかに送風され、入浴者は涼むことができる。なお、人体センサー14が人の存在を検知すると、イオン発生装置23を駆動して負イオンを発生させてもよい。
【0039】
乾燥モードは、浴室11に衣類などの洗濯物を吊るして乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、上記涼風モードと同様、図5のように、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換える。さらに、セラミックヒータ30とイオン発生装置23に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。洗濯物から蒸発した水分は、屋外に排気され、洗濯物が乾燥する。また、イオン発生装置23から発生した正負イオンが浴室11内に送られ、浴室11内に浮遊するカビや雑菌が不活化されるので、浴室11や洗濯物にカビが発生するのを防止することができる。このように浴室11内の湿度の高い空気を排出し、湿度を下げながら、又は下げた後、正負イオンを発生させることにより、浴室内のカビの発生を効果的に防止することができる。
【0040】
正負イオンの発生が適切に行なえるようにセラミックヒータ30への通電を制御して、温風と正負イオン等を混ぜて浴室11内に供給することもできる。浴室11内の温度を高めた方がイオン発生量が多くなる場合は、セラミックヒータ30への通電を強にして発熱量を増やし、温度を下げた方がよい場合には、セラミックヒータ30への通電を弱にして発熱量を減らすようにすることもできる。
【0041】
また、乾燥モード実行中として、セラミックヒータ30へ通電を行っている場合に限られるものではない。イオン発生装置23がセラミックヒータ30の上流側等でセラミックヒータ30の熱の影響を受け、イオン発生の阻害と成る場合等は、本乾燥モード時又は、終了後、自動的にセラミックヒータ30の通電をオフした後、浴室11内に正負イオンを供給すべく、イオン発生装置23を作動させ、正負イオンを所定時間発生させて、ファン24を回転させることにより、セラミックヒータ30通電時の熱の影響を受けずに、正負イオンを所定時間の間、数多く発生させることもできる。その際に、浴室11内の空気の一部を排気しながら行えば湿度が高い時などは、湿度を下げることができ、より効果的である。
【0042】
乾燥モードの実行中とは、乾燥ボタン37が押されてから終了するまでの状態を意味する。この場合であっても、本乾燥モード実行中からの正負イオンの発生を行っていてもよく、セラミックヒータ30の通電をオフさせて正負イオンを発生させて熱の影響を受けずに、浴室11内へ供給できるようになっていればよい。
【0043】
また、セラミックヒータ30の影響を受けない位置にある場合については、浴室11内に供給する温風を適切な温度に制御して、供給することも可能である。
【0044】
なお、乾燥モード終了後とは、終了後すぐでなくてもよく、所定時間経過してから発生させるようにしてもよい。なお、除菌を行わない通常の乾燥モードのほかに、除菌乾燥モードとして、乾燥後に除菌運転を行うようにしてもよい。その際には、図7に設けられた除菌乾燥ボタン60が選択されると実行するようになっている。なお、乾燥モードで説明したが、他の空調モードであってもよい。ヒータ通電の制御とは発熱量の増減だけでなく、通常のオン又はオフを行うことが含まれることは当然である。
【0045】
そのほか、単独の除菌モードを設けることが可能であり、図7に記載のコントローラ19内に設けられた除菌ボタン61が選択されると、ファン24を作動させ、イオン発生装置23を駆動させることにより、正負イオンを発生させ、浴室11内に供給する。この場合、セラミックヒータ30の熱による正負イオンの消滅などを考慮するため、セラミックヒータ30等の熱源への通電を行わない。なお、浴室11内の空気の一部の排気は、湿度を下げるために行っても良いが、循環風のみとしてもよい。
【0046】
乾燥モードの制御の流れを、図10の吹出口7にルーバ10を備えた浴室空調装置1を例に説明する。図11は、乾燥モードの一例を示すフローチャートである。乾燥モードが開始されると、ステップ#1でタイマー33が作動し、ステップ#2でファン24が駆動され、ステップ#3,#4でセラミックヒータ30とイオン発生装置23に通電される。そして、ステップ#5でルーバ10がスイングするように可変制御され、正負イオンを含む空気を浴室11内の広範囲に送風する。
【0047】
このとき、ルーバ10の傾きによっては正負イオンを含む空気流に大きな抵抗を与えてしまうことがあり、この場合、正負イオンとルーバ10との衝突がルーバ10表面の比較的広い面積で起こることになるため、衝突による正負イオン量のロスが激しくなる。したがって、浴室11内に浮遊するカビや雑菌の不活化の作用を落とさないために、浴室11内へのイオン供給量を低下させないように、ルーバ10の角度(傾き)に応じてステップ#6,#7で正負イオン発生量とファン24の風量を制御する必要がある。
【0048】
図13は、ルーバ10の角度を3種類に分類して正負イオン発生量を制御する場合の概略図を示しており、図14はその制御フローチャートを示している。ステップ#31で、ルーバ10に設けられた角度センサー35がルーバ10の角度θを検出し、制御部32に出力される。制御部32は、ルーバ10の角度θが90°(図13(A)参照)のときは、正負イオンの発生量を小さくするようにイオン発生装置23の駆動を制御する(ステップ#32,#33)。また、ルーバ10の角度θが45°<θ<90°及び90°<θ<135°(図13(B)参照)の範囲のときは、正負イオンの発生量を中程度にするようにイオン発生装置23の駆動を制御する(ステップ#34,#35)。また、ルーバ10の角度θがθ≦45°及び135°≦θ(図13(C)参照)の範囲のときは、正負イオンの発生量を大きくするようにイオン発生装置23の駆動を制御する(ステップ#36)。図15は同様にしてファン24の風量を制御する場合のフローチャートを示している。
【0049】
そして、図11のステップ#8で乾燥モードが開始されてから一定時間が経過したと判断されると、ステップ#9でセラミックヒータ9の通電をオフし、ステップ#10でファン24の風量を最小にするようにファンモータ25を制御し、ステップ#11でルーバ10の傾きを一定方向に固定する。ここで、風量を最小にするようにファンモータ25を制御したが、風量を変えずにセラミックヒータ30の通電をオフするのみでもよい。正負イオンの発生は、乾燥モード開始時から行ってもよいし、所定時間経過後より発生させるようにしてもよい。
【0050】
図12は、浴室11内の湿度で、乾燥モードを制御する例を示している。いずれにしても、浴室11内の湿度が充分に低下したときは、正負イオンを含む空気を浴室11内にゆっくりと送風することで、充分な浴室11内に浮遊するカビや菌を不活化することができ、省電力と低騒音が図られる。
【0051】
上記のように、各種空調モードに応じて負イオンと正負イオンの発生又は停止の制御を行うことにより、入浴時等で負イオンよりリラクゼーション効果が得られ、乾燥時等で正負イオンにより、浴室内のカビを不活化することができるなどの複数の異なった効果を得ることができる。また、各種空調モードと連動せずに、単独でイオン発生装置を駆動して負イオン又は正負イオンを発生するようにしてもよく、空調モードと連動する場合と手動選択する場合とを選べるようにしてもよい。この場合、イオン発生スイッチを本体に設けてもよく、通常浴室外に設置されていることが多いリモコンを操作せずに、浴室内で、イオン発生装置の操作を行うことができる。
【0052】
以上の実施形態では、浴室空調装置1の運転と連動してイオン発生装置23をオン・オフさせる場合について説明したが、その他にも浴室11に既設の設備(例えば、換気扇や浴室照明)と連動してオン・オフさせる制御も考えられる。あるいは、浴室空調装置1の運転が停止された後、設定時間(例えば、1時間以上)で正負イオンを発生させ、浴室11内に供給するようにしてもよい。また、浴室11を使用する頻度の高い時間帯や使用者が設定した時間帯に自動で浴室空調装置1を運転させたりすることも可能である。この場合、日付から自動運転の動作時間や回数を可変にすると、梅雨などカビが特に発生しやすい時期に大きな効果が期待できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の浴室空調装置によると、衣類乾燥運転時に浴室内に正負イオンを供給することができる。したがって、衣類乾燥中に浴室の外から入ってくるカビが正負イオンにより不活化されるので、浴室にカビが発生するのを効果的に防止することができる。この正負イオンは人体に無害であるため、浴室に人が存在しても安心して発生させることができ、使い勝手のよい浴室空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴室空調装置の一例を示す斜視図である。
【図2】浴室に浴室空調装置を設置した様子を示す模式図である。
【図3】暖房モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図4】換気モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図5】涼風モード及び乾燥モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図6】浴室空調装置の簡単な制御ブロック図である。
【図7】コントローラの平面図である。
【図8】浴室空調装置パネルの平面図である。
【図9】イオン発生装置の駆動状態を示す液晶表示の一例であり、正負イオンの発生中(A)、負イオンの発生中(B)、イオン発生装置の停止中(C)を示している。
【図10】本発明に係る浴室空調装置の他の例を示す斜視図である。
【図11】乾燥モードの一例を示す制御フローチャートである。
【図12】乾燥モードの他の例を示す制御フローチャートである。
【図13】ルーバの傾きと空気の吹出方向を示す模式図である。
【図14】ルーバの傾きに応じたイオン発生量の制御フローチャートである。
【図15】ルーバの傾きに応じたファン風量の制御フローチャートである。
【図16】本発明に係る浴室空調装置の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 浴室空調装置
4 本体
5 パネル
6 吸込口
7 吹出口
8 換気口
9 ダンパー
10 ルーバ
11 浴室
23 イオン発生装置
30 セラミックヒータ
31 湿度センサー
Claims (14)
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内の空気を循環する循環用送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環用通路に設けられた熱源とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環用通路に設けられた熱源とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 各種運転モードを備え、前記運転モードに応じて正負イオン又は負イオンの発生と停止を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 浴室内の湿気を屋外に排気するとともに、前記熱源に通電して浴室内に温風を循環させる乾燥モードを備え、この乾燥モード実行中又は終了した後に前記イオン発生装置を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 人の存在を検出する人体検出手段を備え、該人体検出手段の検出結果に基づき、正負イオン又は負イオンの発生を制御するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 浴室内の空気を排出中又は排出後に前記イオン発生装置を駆動して正負イオンを発生することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浴室空調装置。
- タイマーを備え、所定の運転モードを開始してから一定時間経過後、前記熱源への通電をするように制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 浴室内の湿度を検出する湿度センサーを備え、所定の運転モードの実行中、浴室内の湿度が所定の基準値以下になったとき、前記熱源への通電をオフするように制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 浴室の側壁に設けた浴室内と屋外とを連通させる開口に取り付けられ浴室内の空気を屋外へ排気するための換気ユニットと、該換気ユニットに対して浴室側に取り付けられ浴室内の空気を循環させるための循環ユニットと、該循環ユニット内に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記循環ユニット内に設けられた熱源とを備え、前記換気ユニットと前記循環ユニットとを個別に動作可能であることを特徴とする浴室空調装置。
- 前記換気ユニットと前記循環ユニットを併用し、浴室内の湿気を屋外に排気するとともに、前記熱源に通電して浴室内に温風を循環させる乾燥モードを備え、この乾燥モード実行中又は終了した後に前記イオン発生装置を駆動するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の浴室空調装置。
- 暖房、換気、乾燥、涼風以外の運転モードとして、浴室内に正負イオンの発生を行う除菌モードを備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 前記吹出口にルーバを備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 前記ルーバの角度に応じて前記イオン発生素子から発生する正負イオン発生量を調整するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の浴室空調装置。
- 前記ルーバの角度に応じて前記送風機の風量を調整するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の浴室空調装置。
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