JP2004211763A - Hypoid gear device and motor with reduction gear - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食い違い軸間で回転を伝達するハイポイドギヤ装置に関する。
【0002】
また、本発明は、上記ハイポイドギヤ装置を適用した減速機付モータに関する。
【0003】
【従来の技術】
例えば、自動車等の車両に搭載されるワイパ装置やパワーウインド装置、パワーステアリング装置等には、駆動装置として減速機付モータが用いられている。減速機付モータは、モータ部と該モータ部の回転を減速して出力軸に伝達する減速部とを備えて構成されている。
【0004】
このような減速機付モータの減速部には、一般的に、食い違い軸間で回転を伝達するウォームギヤが用いられている(例えば、特許文献1参照)。このウォームギヤを用いた減速部は、モータ部の回転軸と一体に回転するウォームと、該ウォームに噛み合み合わされると共に出力軸に連結されるウォームホイールとで構成され、小型で大減速比が得られる。これにより、減速機付モータが全体として小型化されている。
【0005】
ところで、近年、減速機付モータには、さらなる小型化が要請されるようになってきている。そこで、ウォームギヤに代えて、ハイポイドギヤ装置を減速部に適用することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このようなハイポイドギヤ装置について、図22に基づいて説明する。図22(A)に平面図にて示される如く、ハイポイドギヤ装置200は、ホイールギヤ202と該ホイールギヤ202に噛み合うピニオン204とで構成されている。
【0007】
図22(B)に示される如く、ホイールギヤ202は、その軸線方向一方側において外周側が軸心側に対し凸とされており、この円環状の凸部206には多数の歯208が円環状に配置されている。すなわち、各歯208は、円環状の凸部206の軸心側及び外周側(歯すじ方向の両端部)が、それぞれ自由端とされている。さらに、各歯208は、ホイールギヤ202の軸線との直交面(ピッチ面)に沿って形成されて歯先208Aと歯底208Bとが平行であり、また軸心側の方が外周側よりも若干薄肉とされている。
【0008】
一方、ピニオン204には、歯208と噛み合う歯210が設けられている。この歯210は、円筒面(ピッチ面)に沿って形成されて歯先210Aと歯底210Bとが平行とされている。このピニオン204は、その軸線Opがこれと平行なホイールギヤ202の中心線CLと距離Eだけ離間した位置で(軸線Opを中心線CLに対しオフセットさせて)、ホイールギヤ202と噛み合っている。
【0009】
すなわち、ハイポイドギヤ装置200では、ピニオン204の軸線Opをホイールギヤ202の中心線CLと一致させると歯210と噛み合う歯208の数が少なく、距離Eが所定値以上となると歯210と歯208とが滑るだけで回転(トルク)を伝達できなくなるため、これらの範囲内で距離Eが設定されている。これにより、ハイポイドギヤ装置200は、食い違い軸間で回転を伝達する構成であり、ホイールギヤ202とピニオン204との噛み合い範囲は、図22(A)に示す各点A2、B2、C2、D2に囲まれた領域S2となる。
【0010】
このハイポイドギヤ装置200は、ウォームギヤと比較して高効率、高比出力であることにより、ウォームホイールに対しホイールギヤ202の小型化を図ることができ、またピニオンの噛み合い位置が平面視でホイールギヤ202の外周よりも内側であるため、該平面視で占める面積が一層縮小され、減速機付モータに適用されて小型軽量化を図ることが可能となっている。
【0011】
なお、以上説明したハイポイドギヤ装置200は、ホイールギヤ202のピッチ面が該ホイールギヤ202の軸線との直交面である所謂クラウンタイプのハイポイドギヤ装置であるが、ハイポイドギヤ装置には、ホイールギヤのピッチ面が円錐面とされると共に、これに対応してピニオンのピッチ面も円錐面とされた所謂テーパタイプのハイポイドギヤ装置や、ホイールギヤのピッチ面が円錐面に対し径方向の中央部で凹とされると共に、ピニオンのピッチ面が円錐面に対し軸線方向の中央部で凸されたタイプ(例えば、特許文献3参照)のものが知られている。これらのハイポイドギヤ装置についても、ホイールギヤ及びピニオンの歯の歯先と歯底とが平行(歯の深さまたは高さが一定)で、またホイールギヤを構成する各歯の歯すじ方向両端部が自由端であり、基本的な構成は上記クラウンタイプのハイポイドギヤ装置と同様である。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−145086号公報
【特許文献2】
特開平11−118001号公報
【特許文献3】
特開平11−315910号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来のハイポイドギヤ装置200では、例えば、軽量化のためにホイールギヤ202を樹脂化したり、伝達トルクを向上させたりしようとすると、ホイールギヤ202の強度不足が懸念される。この対策として、ホイールギヤ202とピニオン204との噛み合い量すなわち上記領域S2を広げて接触面積を増やすことが考えられる。
【0014】
しかしながら、上記接触面積を増やすためにピニオン204の歯210に噛み合うホイールギヤ202の歯208を増やそうとすると、上記距離Eや各歯208の歯厚が減少し、要求強度ごとにホイールギヤの材質を変えるなどしてハイポイドギヤ装置を専用設計しなければならない。また、このハイポイドギヤ装置を減速機付モータに適用する場合、距離Eが変更されるとハイポイドギヤ装置を収容するハウジングの形状も変更しなければならず、専用のハウジングが必要となる。
【0015】
また、ピニオン204を軸方向に長くして上記接触面積(噛み合う歯208の数)を増やすことも考えられるが、この場合、滑りが大きくトルク伝達に殆ど寄与しない噛み合い部が主に増えるため、効率が低くなる。
【0016】
そこで、上記距離Eや歯すじ方向の設計変更を伴わずに上記接触面積を増やすために、ホイールギヤ202の歯208間を深く(歯先208Aから歯底208Bまでの深さを大きく)形成すると共に、ピニオン204の歯210を高く(歯底210Bから歯先210Aまでの高さを大きく)することが考えられる。しかしながら、この構成では、歯208の歯すじ方向直角断面視における細長比(厚みに対する深さの比)が大きくなるため、換言すれば、歯208における歯底208Bから荷重作用点までの高さが大きくなるため、ホイールギヤ202とピニオン204との接触面積が増えて荷重が分散されても、比較的薄肉である歯208のホイールギヤ202軸心側端部では十分な強度が得られない。
【0017】
さらに、上記接触面積を増やすために、ホイールギヤ202の歯208を内径側(軸心側)に延ばすことも考えられるが、ホイールギヤ202の外径を変えずに内径側のみを延ばすと、歯208が軸心側(内径側)部分で薄肉となり、前述と同様に歯208の十分な強度が得られないという問題があった。
【0018】
なお、これらの問題は、テーパタイプのハイポイドギヤ装置及び上記特許文献3に記載された構成のハイポイドギヤ装置においても、すなわち、ピッチ面の形状に依らず、ハイポイドギヤ装置200と同様に問題となる。
【0019】
本発明は、上記事実を考慮して、ホイールギヤの歯の強度が高いハイポイドギヤ装置を得ることが第1の目的である。
【0020】
また、本発明は、上記ハイポイドギヤ装置が適用され、小型化が図られる減速機付モータを得ることが第2の目的である。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の発明に係るハイポイドギヤ装置は、互いに噛み合うホイールギヤとピニオンとが食い違い軸間で回転を伝達するハイポイドギヤ装置であって、前記ホイールギヤを構成する隣り合う歯を該ホイールギヤの軸芯側の端部において結ぶ壁部を、該ホイールギヤに一体に設けた、ことを特徴としている。
【0022】
請求項1記載のハイポイドギヤ装置では、円環状に配置された多数の歯を有するホイールギヤとピニオンとが、互いに噛み合って食い違い軸間で回転を伝達する。
【0023】
ここで、ホイールギヤには、該ホイールギヤを構成する各歯における隣り合う歯を、軸心側端部において結ぶ壁部が一体に設けられているため、換言すれば、ホイールギヤを構成する全歯が上記軸心側端部において壁部を介して連続しているため、各歯の強度、特にピニオンからの荷重を受ける歯厚方向(倒れ方向)に対する強度が大幅に向上する。すなわち、ホイールギヤの各歯が、壁部によって補強されている。なお、ホイールギヤの壁部は、隣り合う歯における少なくとも深さ方向の一部を結ぶ構成であれば良い。
【0024】
これにより、上記オフセット量や歯すじ方向等の設計変更を伴うことなく、伝達トルクが一定の場合にはホイールギヤの歯に作用する応力が緩和され、ホイールギヤの歯に作用する応力を維持する場合には伝達トルクを増大することが可能となる。その結果、ホイールギヤとピニオンとの接触面積を増やすために、ホイールギヤの歯数を増やしたり、ホイールギヤの歯を深くすると共にピニオンの歯を高くしたり、ホイールギヤの歯を内径側に延ばしたりすることが可能となる。
【0025】
このように、請求項1記載のハイポイドギヤ装置では、ホイールギヤの歯の強度が高い。
【0026】
請求項2記載の発明に係るハイポイドギヤ装置は、請求項1記載のハイポイドギヤ装置において、前記壁部を、外周面から前記歯が連続する円筒状に形成し、前記ホイールギヤの軸心部に配置した、ことを特徴としている。
【0027】
請求項2記載のハイポイドギヤ装置では、壁部がホイールギヤの軸心部に一体に設けられており、この壁部の外周面から各歯が連続して設けられている。そして、この壁部が円筒状であるため、例えば、この壁部を、ホイールギヤを回転自在に支持する支軸を挿通させたり、ホイールギヤと一体に回転する軸(出力軸等)を固定したりするボス部として機能させる(ボス部を兼ねさせる)こともできる。
【0028】
請求項3記載の発明に係るハイポイドギヤ装置は、請求項1または請求項2記載のハイポイドギヤ装置において、前記ホイールギヤを樹脂材にて構成すると共に前記ピニオンを金属材にて構成した、ことを特徴としている。
【0029】
請求項3記載のハイポイドギヤ装置では、ホイールギヤを樹脂化しているため、軽量化が図られる。特に、ピニオンに対し大型のホイールギヤ(ハイポイドギヤ装置を減速機として用いる場合、トルクを受ける負荷側の大歯車に相当する部品)が樹脂化されるため、減量効果が大きい。
【0030】
そして、上記の通り壁部によってホイールギヤの各歯が補強されているため、該ホイールギヤを樹脂化しても十分な強度が得られる。また、ピニオンは金属製であるため、強度上の問題は生じない。このため、本構成のハイポイドギヤ装置では、伝達トルクに対する十分な強度を維持しつつ、軽量化が果たされる。また、例えば、金型を用いた射出成形等の樹脂成形によって複雑な形状の(多数の歯を有する)ホイールギヤを成形することができ、該ホイールギヤの製造が容易となる。
【0031】
上記第2の目的を達成するために請求項4記載の発明に係る減速機付モータは、電機子と一体回転する回転軸及び該回転軸の一端部をラジアル方向及びスラスト方向に支持する軸受部とを有するモータ部と、前記回転軸の回転を減速して出力軸に伝達する減速部とを備えた減速機付モータであって、前記減速部は、前記ピニオンを前記回転軸に一体回転可能に設けると共に前記ホイールギヤを出力軸に連結して適用された請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のハイポイドギヤ装置である、ことを特徴としている。
【0032】
請求項4記載の減速機付モータでは、モータ部が作動して電機子が回転すると、回転軸がその一端部に設けられたピニオンと共に同軸的かつ一体に回転する。この回転は、ピニオンに噛み合うホイールギヤに減速されつつ伝達され、さらにホイールギヤに連結された出力軸から負荷側へ伝達される。
【0033】
ここで、減速部にハイポイドギヤ装置を適用しているため、ウォームギヤで減速部を構成する場合と比較して、減速機付モータの小型化が図られる。そして、このハイポイドギヤ装置が請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のハイポイドギヤ装置であるためホイールギヤの歯の強度が高く、本構成の減速機付モータは、例えばホイールギヤの樹脂化による軽量化や伝達トルクの向上を図ることが可能である。
【0034】
このように、請求項4記載の減速機付モータでは、上記ハイポイドギヤ装置が適用され、小型化が図られる。
【0035】
請求項5記載の発明に係る減速機付モータは、請求項4記載の減速機付モータにおいて、前記回転軸の長手方向中間部に前記ピニオンを設け、前記回転軸の他端側を支持する第1ラジアル軸受と、該回転軸における前記ピニオンと前記電機子の間の部分を支持する第2ラジアル軸受とを有し、かつ、前記第1ラジアル軸受及び第2ラジアル軸受のうち前記ピニオンに近接して配置される一方を転がり軸受とすると共に、他方を滑り軸受とした、ことを特徴としている。
【0036】
請求項5記載の減速機付モータでは、回転軸の長手方向中間部にピニオンが一体回転するように設けられており、このピニオンとホイールギヤとの噛み合いに依るスラスト力及びラジアル力が回転軸に作用する。この回転軸は、その電機子に対しピニオンとは反対側である一端部が、軸受部によって上記スラスト力及びラジアル力に抗してスラスト方向及びラジアル方向に支持されている。
【0037】
また、回転軸は、その他端部が第1ラジアル軸受によってラジアル方向に支持されると共に、そのピニオンと電機子との間の部分が第2ラジアル軸受によってラジアル方向に支持されている。これにより、高負荷用途においてもピニオンとホイールギヤとの確実な噛み合いが得られる。
【0038】
ここで、第1ラジアル軸受及び第2ラジアル軸受のうちピニオンに近接して配置された一方が転がり軸受とされているため、該ピニオンとホイールギヤとの噛み合い部位に近いために作用する大きなラジアル荷重が、耐荷重性の高い転がり軸受によって確実に支持される。そして、上記一方に対しピニオンから離間して配置され、支持するラジアル荷重が小さい他方のラジアル軸受を滑り軸受としているため、上記回転軸の確実な支持を維持しつつ、低コスト化が図られる。
【0039】
請求項6記載の発明に係る減速機付モータは、請求項4または請求項5記載に減速機付モータにおいて、前記出力軸は、前記ホイールギヤの軸心部を貫通して該ホイールギヤに固定され、前記出力軸の前記ホイールギヤを挟む両側に、それぞれ該出力軸をラジアル方向に支持する出力軸受部を設けた、ことを特徴としている。
【0040】
請求項6記載の減速機付モータでは、出力軸がホイールギヤの軸心部を貫通して(同軸的に)固定されており、モータ部が作動すると、該出力軸がホイールギヤと一体に回転する。
【0041】
ところで、ハイポイドギヤ装置が適用された減速部では、上記回転に伴ってホイールギヤにも主にラジアル力が作用するが、このホイールギヤに固定された出力軸が軸線方向におけるホイールギヤの両側で出力軸受部によってそれぞれラジアル方向に支持されているため、上記ラジアル力によるホイールギヤの位置や姿勢の変化が抑制される。これにより、ホイールギヤを軸方向の片側で支持する場合に懸念される、ホイールギヤの移動や姿勢変化に伴う上記軸受部や第1軸受部に対するスラスト方向の過荷重等が防止される。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置10、及びハイポイドギヤ装置10を適用した減速機付モータ30について図1乃至図8に基づいて説明する。先ず、ハイポイドギヤ装置10の構成について説明し、その後、減速機付モータ30の構成について説明する。
【0043】
図1には、第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置10のが、一部切欠いた模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、ハイポイドギヤ装置10は、ホイールギヤ12と、該ホイールギヤ12と噛み合うピニオン14とで構成されている。
【0044】
図2及び図3(B)にも示される如く、ホイールギヤ12は、略円板状に形成された円板部16を備えている。円板部16の軸心部からは、略円筒状に形成されたボス部18が同軸的かつ一体に突設されている。ボス部の内側はボス孔19とされている。このホイールギヤ12は、軸線(軸心)Og廻りに回転するようになっている。
【0045】
また、ホイールギヤ12の円板部16におけるボス部18の外側には、多数の歯20が設けられている。すなわち、ホイールギヤ12は、円環状に配置された多数の歯20を備えている。各歯20は、それぞれのホイールギヤ12軸心側の端部がボス部18の外周面18Aに至り、該ボス部18と連続している(図1の切欠き部参照)。そして、歯20の歯数は、従来のハイポイドギヤ装置200を構成するホイールギヤ202の対応する歯208の歯数よりも多く、かつ、各歯20は、できる限り内側(ボス部18との境界側)まで実質的に有効な歯形状が形成されている。
【0046】
換言すれば、各歯20は、それぞれの上記軸心側の端部において、ボス部18を介して一体に連結されている。これにより、各歯20がボス部18によって補強される構成である。そして、このボス部18が本発明における「壁部」に相当する。
【0047】
一方、各歯20におけるホイールギヤ12外周側の端部は、それぞれ自由端とされ、それぞれ上記軸心側の端部よりも歯厚が厚肉とされている。また、本第1の実施の形態では、ホイールギヤ12のピッチ面が、該ホイールギヤ12の軸線との直交面とされており、歯先20Aから歯底20Bまでの深さdが一定とされている。なお、歯底20Bにおけるボス部18側の根元部は丸められている。この深さdは、上記従来のハイポイドギヤ装置200におけるホイールギヤ202の歯208の対応する深さよりも深くされている。
【0048】
以上説明したホイールギヤ12は、樹脂成形によって円板部16、ボス部18、及び各歯20が一体に形成されている。
【0049】
ピニオン14は、歯20と噛み合う歯22を備えている。この歯22は、本第1の実施の形態では、円筒面(ピッチ面)に沿って形成されて歯先22Bと歯底22Aとが平行とされている。また、歯22は、その歯底22Aから歯先22Bまでの高さが、歯20の上記深さに対応しており、従来のピニオン204の歯210の高さよりも高くされ、かつ、歯数(条数)が多く設定されている。このピニオン14は、金属材より成り、創成歯切等によって形成されている。
【0050】
ピニオン14は、その軸線Opがこれと平行なホイールギヤ12の中心線CLと距離Eだけ離間した位置で(軸線Opを中心線CLに対しオフセットさせて)、ホイールギヤ12と噛み合っている。すなわち、ハイポイドギヤ装置10では、ピニオン14の軸線Opをホイールギヤ12の中心線CLと一致させると歯22と噛み合う歯20の数が少なく、距離Eが所定値以上となると歯22と歯20とが滑るだけで回転(トルク)を伝達できなくなるため、これらの範囲内で距離Eが設定されている。
【0051】
以上により、本第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置10は、所謂クラウンタイプのハイポイドギヤ装置であり、食い違い軸間で回転を伝達する構成である。なお、このクラウンタイプのハイポイドギヤ装置10の歯すじ曲線は、各種形状とすることができる。具体的には、例えば、図4(A)に示される外トロコイド曲線、図4(B)に示されるインボリュート曲線、図4(C)に示されるグリーソン式の円弧曲線、図4(D)に示されるゼロール歯車の円弧曲線、図4(E)に示される直線(ライネッカ式、ビルグラム式、或いはグリーソン式の円弧形を大きくしたもの)等、所望の形状を採用することができる。
【0052】
また、上記通り、ホイールギヤ12が樹脂材にて構成れると共にピニオン14が金属材にて構成されているため、本第1の実施の形態では、図5に示される如く、ホイールギヤ12の歯20をピニオン14の歯22よりも厚肉に構成している。また、歯20の矢印R2で示す回転方向を向く歯面の傾斜角α、矢印R2と歯反対向きの歯面の傾斜角βは、それぞれ10°乃至30°とされている。
【0053】
そして、本第1の実施の形態では、傾斜角αを10°とし、傾斜角βを30°としている。これは、本ハイポイドギヤ装置10が適用される減速機付モータ30が一方向回転仕様(後述)であることによる。
【0054】
以上説明したハイポイドギヤ装置10は、減速機として減速機付モータ30に適用される。以下、具体的に説明する。
【0055】
図6に一部切欠いた平面図にて示される如く、減速機付モータ30は、モータ部30Aと、該モータ部30Aに連結する減速部としてのギヤ部30Bとで構成されている。本第1の実施の形態では、減速機付モータ30は、車両に搭載されたワイパ装置を駆動するためのワイパモータとされており、一方向にのみ回転するようになっている。
【0056】
モータ部30Aはヨーク32を備えており、このヨーク32は、ギヤ部30B側の端部が開口部32Aとされており、その内部に電機子としてのアーマチャ34を収容している。また、ヨーク32の開口部32Aの外側には、アーマチャ34の軸線との直交面に沿ってギヤ部30B連結用のフランジ部32Bが延設されている。
【0057】
アーマチャ34には、回転軸としてのアーマチャシャフト36が同軸的かつ一体回転可能に固定されている。アーマチャシャフト36の長手(軸線)方向両端部は、それぞれアーマチャ34から突出している。このアーマチャシャフト36のギヤ部30Bとは反対側の一端部は、ヨーク32内で回転可能に軸支されている。
【0058】
具体的には、アーマチャシャフト36の一端部は、ヨーク32内の端部に配置されたラジアル軸受38によってラジアル方向に軸支されると共に、ヨーク32に固定されたスラスト受けプレート40との間に配設されたスラストボール42によって、スラスト方向に支持されている。ラジアル軸受38は、含油した焼結金属より成るメタル軸受とされている。
【0059】
一方、アーマチャシャフト36の他端部は、開口部32Aから、ヨーク32に連結されギヤ部30Bを構成するギヤハウジング44内へ突出している。アーマチャシャフト36のギヤハウジング44内に位置する部分は、該ギヤハウジング44内に固定配置されたラジアル軸受46によって軸支されている。
【0060】
そして、図7にも示される如く、ギヤハウジング44内には、ハイポイドギヤ装置10が収容されてギヤ部30Bを構成している。ギヤハウジング44は、略逆カップ状に形成された上ハウジング44Aと、板状に形成されたアンダカバー44Bとの接合によって構成されている。上ハウジング44Aとアンダカバー44Bとには、接合状態で互いに同軸となる位置にそれぞれ支持ボス部48A、48Bが設けられている。
【0061】
このギヤハウジング44内で、ハイポイドギヤ装置10のピニオン14は、アーマチャシャフト36の他端部に同軸的かつ一体回転可能に設けられている。ピニオン14は、アーマチャシャフト36に一体に形成されも良く、キー嵌合等によって廻り止め状態で連結されても良い。
【0062】
以上説明したアーマチャシャフト36は、ピニオン14と共に矢印R1方向に回転してホイールギヤ12を矢印R2方向に駆動(回転を伝達)する際、図6に示す矢印Sp方向のスラスト荷重を受けるようになっている。このスラスト荷重は、スラストボール42及びスラスト受けプレート40(ヨーク32)によって支持されるが、上記の通り1方向回転用途の減速機付モータ30では、これと反対側のピニオン14側ではスラスト軸受が設けられていない。
【0063】
このスラスト荷重は、減速機構としてウォームギヤを用いた場合のスラスト荷重よりも大きい。このため、上記ラジアル軸受46は、耐荷重の大きい金属製のボールベアリングとされている。すなわち、ラジアル軸受46は、インナリング46Aと、アウタリング46Bと、ボール46Cとを主要構成要素として構成されており、これらの間には適度な隙間が設定されている。そして、ラジアル軸受46は、この隙間と上記スラスト荷重とによってガタが生じないように、上ハウジング44Aに適切に取り付けられている。
【0064】
具体的には、上ハウジング44Aにおけるモータ部30Aとの接合端側には、ラジアル軸受46を収容保持するベアリング保持部44Cが設けられており、ベアリング保持部44Cの矢印Sp側開口端近傍の内縁部には、めねじであるハウジングスクリュー44Dが形成されている。また、ベアリング保持部44Cにおける上記開口端と反対側には、アウタリング46Bの端面に当接する円環状の段部44Eが設けられている。ハウジングスクリュー44Dには、ラジアル軸受46をベアリング保持部44Cに固定するための固定リングプレート47が固定されるようになっている。固定リングプレート47は、内径がアウタリング46Bの内径よりも僅かに小とされた円環状に形成されており、その外周部には、ハウジングスクリュー44Dに対応したプレートスクリュー47Aが形成されている。以下の構成は、概略の組付手順と共に説明する。
【0065】
ベアリング保持部44Cに収容されたラジアル軸受46は、そのインナリング46Aにアーマチャシャフト36が圧入固定されている。この状態で、アーマチャシャフト36の段部36Aとインナリング46Aの矢印Sp側端面とが当接している。そして、上ハウジング44A内に、その下側開口部からホイールギヤ12を収容してピニオン14と噛み合わせ、スラスト力の作用方向が矢印Sp方向となるようにする。この状態から、固定リングプレート47をハウジングスクリュー44Dにねじ込むことで、アウタリング46Bをベアリング保持部44Cにさらに圧入し、ピニオン14の歯22とホイールギヤ12の歯20とが衝突したところで固定する。この状態では、スラスト荷重が矢印Sp方向に作用しても、ラジアル軸受46内のガタが生じない。
【0066】
一方、ホイールギヤ12には、出力軸50が固定されている。具体的には、出力軸50は、長手方向の中間部に大径部50Aが設けられており、この大径部50Aの外周部にはスプラインが形成されている。一方、ホイールギヤ12のボス孔19の内周には、出力軸50のスプラインに対応するスプラインが形成されている。
【0067】
そして、このボス孔19に大径部50Aを圧入等することで、出力軸50とホイールギヤ12とが一体回転可能かつ軸方向の相対移動不能に固着されている。なお、ホイールギヤ12と出力軸50とをインサート成形することで固着しても良い。
【0068】
これにより、出力軸50は、長手方向の両端部がホイールギヤ12から突出した状態で固定されている。この出力軸50におけるホイールギヤ12の歯20が形成された側(図7の紙面上側)から突出した一端部には、負荷側システムであるワイパ装置のリンク機構(何れも図示省略)が連結される連結部50Bが設けられている。
【0069】
この出力軸50のホイールギヤ12から突出した連結部50B側の中間部は、上ハウジング44Aの支持ボス部48A内に配置されたラジアル軸受52によって軸支されている。また、出力軸50の他端部は、アンダカバー44Bの支持ボス部48B内に配置されたラジアル軸受54によって軸支されている。すなわち、出力軸50は、その固定したホイールギヤ12を挟んで長手方向の両側でラジアル方向に支持されている。ラジアル軸受52、54は、メタル軸受とされている。
【0070】
この状態で、出力軸50は、支持ボス部48Aを貫通して連結部50Bをギヤハウジング44外に突出させている。また、出力軸50のギヤハウジング44外に突出した部分には、ロックワッシャ56が嵌着されており、このロックワッシャ56によって、出力軸50に作用するスラスト力が保持され、またラジアル軸受52の脱落が阻止されている。
【0071】
このロックワッシャ56は、ウォーム減速機(ウォームギヤ)を適用した減速機付モータに用いられるロックワッシャよりも高剛性とされている。これは、一般に、ハイポイドギヤ装置10では、出力軸50に作用する矢印Sg方向のスラスト力がウォーム減速機よりも大きいことへの対応である。そして、このスラスト力に対する耐荷重性を向上するために、図7(B)に示される如く、メタル軸受であるラジアル軸受54に代えて、ボールベアリングであるラジアル軸受55を採用しても良い。この場合、ラジアル軸受55の組付を容易とするために、アンダカバー44Bの軸心部に、内縁にめねじが形成されかつラジアル軸受55の外径に対応した挿入孔44Fを設け、該挿入孔44Fを上記めねじに螺合して固定される外輪押さえ部材57によって閉塞する構造としている。この固定状態で、該輪押え部材57は、ラジアル軸受55のアウタリングの下端面に当接しており、該ラジアル軸受55のガタつきを防止している。
【0072】
なお、減速機付モータ30において、ホイールギヤ12とピニオン14とを噛み合わせる際には、アーマチャシャフト36すなわちピニオン14が、ヨーク32(ラジアル軸受38及びスラスト受けプレート40、スラストボール42)及びギヤハウジング44(ラジアル軸受46)に支持された状態で、上ハウジング44Aの開口端から該上ハウジング44A内にホイールギヤ12を挿入する。このとき、図8(A)に示される如く、ホイールギヤ12をその軸線Og方向に沿って移動する(出力軸をラジアル軸受52に挿通する)ことで、該ホイールギヤ12の歯20とピニオン14の歯22とが適正に噛み合わされる。この状態からアンダカバー44Bを上ハウジング44Aに接合すると、ラジアル軸受52、54によって出力軸50すなわちホイールギヤ12を適正に軸支するようになっている。
【0073】
なお、ピニオン14をアーマチャシャフト36の細軸部分を介して該アーマチャシャフト36の先端(他端部)に設ける図8(A)に示す構成に代えて、図8(B)に示される如く、アーマチャシャフト36の径を絞ることなくピニオン14を一体に設け、該アーマチャシャフト36の外径と歯22の歯先22Bの径とが(アーマチャシャフト36の外周と歯22の円筒形状の歯先曲面とが)一致する構成とすれば、歯22の強度が向上する。このようにアーマチャシャフト36とピニオン14とを一体的に形成するには、単に、円柱状の棒材(アーマチャシャフト36)の先端(ピニオン14)に、創成歯切等によって歯22を形成すれば良い。
【0074】
次に、本第1の実施の形態の作用を説明する。
【0075】
上記構成の減速機付モータ30では、モータ部30Aが起動されると、アーマチャシャフト36(アーマチャ34)がギヤ部30Bを構成するハイポイドギヤ装置10のピニオン14と共に軸線Op廻りに回転する。すると、ピニオン14と噛み合うホイールギヤ12が、出力軸50と共に軸線Og廻りに回転する。
【0076】
これにより、アーマチャシャフト36の回転が、ハイポイドギヤ装置10によって減速されてトルクを増幅しつつ出力軸50に伝達され、連結部50Bにリンク機構が連結されたワイパ装置が作動する。
【0077】
ここで、ハイポイドギヤ装置10では、ホイールギヤ12にボス部18が設けられており、該ボス部18がホイールギヤ12を構成する各歯20の軸心側端部を連結しているため、各歯20の強度、特にピニオン14からの荷重を受ける歯厚方向(倒れ方向)に対する強度が大幅に向上する。すなわち、ホイールギヤ12の各歯20が、ボス部18によって補強されている。
【0078】
このように、本実施の形態に係るハイポイドギヤ装置10では、ホイールギヤ12を構成する各歯20の強度が高い。
【0079】
このため、ハイポイドギヤ装置10では、ホイールギヤ12の歯20の強度を確保しつつ、従来のハイポイドギヤ装置200と比較して、ホイールギヤ12の歯20の深さを深くすると共にピニオン14の歯22の高さを高くしている。また、歯20は、その歯数が従来のハイポイドギヤ装置200を構成するホイールギヤ202の対応する歯208の歯数よりも多くされ、かつ、できる限り内側まで実質的に有効な歯形状が形成されている。これにより、ハイポイドギヤ装置10では、従来のハイポイドギヤ装置200と比較して、ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積が増大している。
【0080】
具体的には、ホイールギヤ12とピニオン14との噛み合い範囲は、図3(A)に示す各点A1、B1、C1、D1に囲まれた領域S1となる。そして、この図には、比較のために減速比、距離E、歯すじの方向、ピニオンの歯底における径(歯底面である円筒の径)、円板部16の内外径と凸部206の内外径とをそれぞれ一致させた場合における従来のハイポイドギヤ装置200の噛み合い範囲である領域S2を示している。
【0081】
この図から明らかなように、ハイポイドギヤ装置10における領域S1は、ハイポイドギヤ装置200における領域S2と比較して、A1、A2、D2、D1で囲まれる領域S3、及びB1、C1、C2、B2で囲まれる領域S4の分だけ広がっている。すなわち、領域S1は、領域S2、S3、S4を合わせた大きさとされている。
【0082】
そして、この比較によって明らかなように、上記の通り、ハイポイドギヤ装置10とハイポイドギヤ装置200とは、減速比、距離E、歯すじの方向、ピニオンの歯底における径、円板部16の内外径と凸部206の内外径とがそれぞれ一致しており、ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積の増加に伴って、歯20の深さ及び歯22の高さ(歯底面を一致させていることにより、歯先径すなわちピニオン14の外径)以外の寸法形状が変更されない。
【0083】
以上により、壁部としてのボス部18を設けることでホイールギヤ12の各歯20の強度が向上して、オフセット量である距離Eや歯すじ方向等の設計変更を伴うことなく、該ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積を増やすことができ、例えば伝達トルクが一定の場合にはホイールギヤ12の歯20に作用する応力が緩和され、ホイールギヤ12の歯20に作用する応力を維持する場合には伝達トルクを増大することが可能となる。
【0084】
そして、本第1の実施の形態では、ホイールギヤ12を樹脂化しており、ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積を増やすことで歯20に作用する応力を緩和し、従来の金属製のホイールギヤ202を備えたハイポイドギヤ装置200と同等のトルクを伝達することが可能となった。一方、ピニオン14は金属製であるため、強度上の問題は生じない。このように、ハイポイドギヤ装置10は、その性能を維持しつつ、その大型構成部品であるホイールギヤ12を樹脂化することで大幅な軽量化が図られている。
【0085】
また、ホイールギヤ12を樹脂化しているため、複雑な形状である該ホイールギヤ12を射出成形等の金型を用いた樹脂成形によって、容易に得ることが可能となった。さらに、要求強度に応じて、ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積を変更する場合でも、上記の通りホイールギヤ12の径や歯すじ方向を変更する必要がないので、金型設計が容易である。また、このように接触面積を異ならせても上記距離Eが一定であるため、該接触面積の異なるハイポイドギヤ装置10間で、ピニオン14の外径差を許容する寸法のギヤハウジング44を共用することも可能である。
【0086】
さらに、ハイポイドギヤ装置10では、出力軸50を固定するためのボス部18が各は20の軸心側端部を一体に連結する壁部を兼ねるため、換言すれば、ボス部とは別に壁部を形成する必要がないため、ホイールギヤ12の形状が簡単であり、金型の製作が容易である。また、このボス部18が各歯20を全深さに亘り連結するため、各歯20を深さ方向の一部において連結する場合と比較して各は20の強度が一層高い。
【0087】
そして、このハイポイドギヤ装置10を適用した減速機付モータ30では、ウォームギヤで減速部を構成する場合と比較して、体格の小型化が図られている。具体的には、図6及び図7に想像線にて示す外形は、ウォームギヤを適用して同等の性能を得る場合のギヤハウジングGの外形に対応しており、図6に一点鎖線で示す円はウォームホイールWの外形に対応しているが、この図から明らかなように、減速機付モータ30は、同等の性能を有するウォームギヤ適用の減速機付モータと比較して大幅に小型化されている。
【0088】
また、上記の通り、減速機付モータ30を構成するハイポイドギヤ装置10が大幅に軽量化されているため、減速機付モータ30は体格の小型化のみならず、その重量も軽量化されている。
【0089】
さらに、一方向回転用途に用いられる減速機付モータ30では、上記矢印Sp方向のスラスト荷重を生じさせる歯20と歯22との噛み合いによって、スラストボール42等によって矢印Sp方向の荷重に対し支持されているアーマチャシャフト36の軸線方向におけるホイールギヤ12とピニオン14との噛み合い位置が保持されるため、該スラストボール42側と反対側にアーマチャシャフト36のスラスト軸受を設けない構成とされている。これにより、スラスト軸受の数が少なく、またギヤハウジング44におけるスラスト軸受配設部位が不要であり、減速機付モータ30の構造が簡素化される。また、減速機付モータ30の一層の軽量化、部品点数及び組付工数の低減による低コスト化が図られる。
【0090】
さらにまた、減速機付モータ30では、ホイールギヤ12に固定された出力軸50が該ホイールギヤ12を挟む長手方向両側でそれぞれラジアル軸受52、54によって軸支されているため、ホイールギヤ12とピニオン14とが噛み合いつつ回転することに伴うラジアル荷重によってホイールギヤ12が径方向に移動したり傾いたりすることがない。これにより、ピニオン14が設けられたアーマチャシャフト36をスラスト荷重(ホイールギヤ12のラジアル方向の荷重)に抗して支持するスラストボール42やスラスト受けプレート40に過大な荷重が作用することが防止され、これらを高強度化する等の対策が不要となる。
【0091】
なお、ピニオン14側すなわちアーマチャシャフト36のラジアル荷重は、アーマチャ34を挟んで両側に位置するラジアル軸受38、46によって適性に支持されている。また、例えば、減速機付モータ30を搭載する車両側の要求等により、支持ボス部48Bを設けることができない場合等には、図9に示す如く、支持ボス部48A側のラジアル軸受52を、少なくとも2つ設けることが望ましい。
【0092】
(他の実施の形態)
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、上記第1の実施の形態または前出の部品・部分と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施の形態または前出の部品・部分と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0093】
(第2の実施の形態に係る減速機付モータ)
図10には、本発明の第2の実施の形態に係る減速機付モータ60が一部切欠いた平面図にて示されている。この図に示される如く、減速機付モータ60は、回転軸としてのアーマチャシャフト62が長手方向の両端部でラジアル方向に支持されている点で、減速機付モータ30とは異なる。以下、具体的に説明する。
【0094】
減速機付モータ60は、モータ部60Aと、該モータ部60Aに連結する減速部としてのギヤ部60Bとで構成されている。本第2の実施の形態では、減速機付モータ60は、車両に搭載されたワイパ装置を駆動するためのワイパモータとされており、一方向にのみ回転するようになっている。
【0095】
モータ部60Aは、アーマチャシャフト36に代えて、アーマチャシャフト62を備えている。アーマチャシャフト62は、一体回転可能に設けられたピニオン14よりも突出して同軸的に設けられた支軸部64を備える点でアーマチャシャフト36とは異なる。すなわち、アーマチャシャフト62の長手方向中間部にピニオン14が設けられている。この支軸部64は、アーマチャシャフト36(ピニオン14)に一体に形成されも良く、キー嵌合等によって廻り止め状態で連結されても良い。
【0096】
また、ギヤ部60Bを構成するギヤハウジング66は、ギヤハウジング44と同様に支持ボス部48A(図示省略)を有する上ハウジング66Aと支持ボス部48B(図示省略)を有するアンダカバー66Bとで構成されているが、アーマチャシャフト62の支軸部64貫通させて外部に突出させる貫通孔67設けられている点でギヤハウジング44とは異なる。上ハウジング66Aにおける貫通孔67周りの外面には、ベアリングホルダ68が固定されている。なお、アンダカバー66Bは、図7(A)または図7(B)に示すアンダカバー44Bと全く同様に構成されているが、図11には、図7(A)に対応した図を示している。
【0097】
ベアリングホルダ68は、両端開口の略筒状に形成されており、その内部にラジアル軸受69を収容している。ラジアル軸受69は、転がり軸受であるボールベアリングとされている。このラジアル軸受69は、そのインナリング69Aに支軸部64の先端が圧入固定されており、そのアウタリング69Bがベアリングホルダ68内に嵌合(圧入)固定されている。
【0098】
そして、ベアリングホルダ68の上ハウジング66Aと反対側の開口部は、円板状の外輪押え部材70によって閉塞されている。具体的には、ベアリングホルダ68の開口端近傍における内縁に形成されためねじに、外輪押え部材70の外周部に形成されたおねじが螺合することでベアリングホルダ68に固定された外輪押え部材70が、上記開口部閉塞している。
【0099】
この状態で、外輪押え部材70に設けられた環状リブ70Aが、アウタリング69Bの矢印Spと反対側の端面に当接しており、上ハウジング66Aの貫通孔67の内縁に沿って設けられた環状リブ67Aが、インナリング69Aの矢印Sp側端面に当接している。これにより、ラジアル軸受69のガタつきが防止されている。
【0100】
以上により、アーマチャシャフト62は、その長手方向の両端部において、ラジアル軸受38、69によってそれぞれラジアル方向に支持されており、かつ長手方向の中間部においてラジアル軸受46によってラジアル方向に支持されている。
【0101】
このアーマチャシャフト62の支軸部64は、この支持状態で、ホイールギヤ12の歯20が形成された円板部16上を横切るように配置されており、該ホイールギヤ12の歯20と干渉しないように、その外径が決められている。また、図11に示される如く、ホイールギヤ12のボス部18には、支軸部64と干渉しないように、外周面18Aから断面視半円状に凹んだ軸逃し凹部18Bが設けらている。
【0102】
減速機付モータ60の他の構成は、上記第1の実施の形態に係る減速機付モータ30と全く同様である。このため、本第2の実施の形態に係る減速機付モータ60によっても、減速機付モータ30と全く同様の効果が得られる。
【0103】
また、この減速機付モータ60では、アーマチャシャフト62が長手方向両端部及び中間部においてラジアル方向に支持されているため、該ラジアル方向に好適に支持される。このため、減速機付モータ60では、このアーマチャシャフト62の支軸部64がラジアル方向の変位可能に支持されているため、高負荷(例えば、通常の伝達トルクが2乃至3N・mに対し最大トルクは3倍程度ととなる)時でもホイールギヤ12とピニオン14との確実な噛み合いが得られる。
【0104】
(第3の実施の形態に係る減速機付モータ)
図12には、本発明の第3の実施の形態に係る減速機付モータ72が一部切欠いた平面図にて示されている。この図に示される如く、減速機付モータ72は、支軸部64の先端が滑り軸受であるラジアル軸受73によって支持されている点で、減速機付モータ60とは異なる。以下、具体的に説明する。
【0105】
減速機付モータ72は、モータ部72Aと、該モータ部72Aに連結する減速部としてのギヤ部72Bとで構成されている。本第3の実施の形態では、減速機付モータ72は、車両に搭載されたワイパ装置を駆動するためのワイパモータとされており、一方向にのみ回転するようになっている。
【0106】
モータ部60Aは、モータ部60Aと同様に構成されており、アーマチャシャフト62を備えている。一方、ギヤ部72Bを構成するギヤハウジング74は、ギヤハウジング44と同様に支持ボス部48A(図示省略)を有する上ハウジング74Aと支持ボス部48B(図示省略)を有するアンダカバー74Bとで構成されている。アンダカバー74Bは、アンダカバー66Bと全く同様に構成されている。
【0107】
上ハウジング74Aには、アーマチャシャフト62の支軸部64の先端が同軸的に入り込む軸受孔75Aを有するベアリング保持部75が設けられている。ベアリング保持部75の軸受孔75A内にはラジアル軸受73が保持されている。ラジアル軸受73は、上記の通り滑り軸受であり、本第3の実施の形態では、含油した焼結金属より成るメタル軸受とされている。
【0108】
減速機付モータ72の他の構成は、上記第2の実施の形態に係る減速機付モータ60と全く同様である。このため、本第2の実施の形態に係る減速機付モータ72によっても、減速機付モータ60と全く同様の効果が得られる。
【0109】
また、減速機付モータ72では、ギヤ部72B内におけるピニオン14を挟む両側において、アーマチャシャフト62がラジアル軸受46、73によってラジアル方向に支持される点で、減速機付モータ60と共通するが、これらのラジアル軸受46、73の一方がメタル軸受であることによって、減速機付モータ60よりも低コスト化が図られる。すなわち、ラジアル軸受73自体がラジアル軸受69よりも安価であるのみならず、ラジアル軸受73のベアリング保持部75への取付及びラジアル軸受73への支軸部64の挿入が容易であることにより、該ベアリング保持部75が上ハウジング74Aに一体に設けられており、部品点数及び組付工数が削減されてさらなる低コスト化が図られている。
【0110】
そして、これらのラジアル軸受46、73のうち、ホイールギヤ12に噛み合うピニオン14に近接して配置されたラジアル軸受46がボールベアリングであるため、換言すれば、ホイールギヤ12とピニオン14との噛み合いにより大きなラジアル荷重が作用する方のラジアル軸受46の耐荷重が大きいため、アーマチャシャフト62のラジアル荷重が確実に支持される。すなわち、減速機付モータ72では、大きなラジアル荷重が作用する場合でも、ホイールギヤ12とピニオン14との確実な噛み合いを維持しつつ、低コスト化が図られる。なお、さらに高負荷の用途(ワイパ装置よりも高負荷の装置に適用される場合)では、減速機付モータ60を用いることが好ましい。
【0111】
なお、本第3の実施の形態においては、上記ラジアル軸受73が本発明における「第1ラジアル軸受」に相当し、ラジアル軸受46が本発明における「第2ラジアル軸受」に相当する。
【0112】
(第4の実施の形態に係る減速機付モータ)
図13には、本発明の第4の実施の形態に係る減速機付モータ76が一部切欠いた平面図にて示されている。この図に示される如く、減速機付モータ76は、ピニオン14が、ホイールギヤ12の軸線に対しアーマチャ34とは反対側(ラジアル軸受69側)で該ホイールギヤ12と噛み合っている点で、上記減速機付モータ60、72とは異なる。以下、具体的に説明する。
【0113】
減速機付モータ76は、モータ部76Aと、該モータ部76Aに連結する減速部としてのギヤ部76Bとで構成されている。本第4の実施の形態では、減速機付モータ76は、車両に搭載されたワイパ装置を駆動するためのワイパモータとされており、一方向にのみ回転するようになっている。
【0114】
モータ部76Aは、アーマチャシャフト77を備えている。アーマチャシャフト77は、ピニオン14よりも突出する支軸部64を備える点でアーマチャシャフト62と共通するが、上記の通りピニオン14がホイールギヤ12の軸線よりもラジアル軸受69側に位置することにより、支軸部64がアーマチャシャフト62における支軸部64よりも短い。そして、アーマチャシャフト77は、ピニオン14のアーマチャ34側でホイールギヤ12の円板部16上を通過する部分が、支軸部64と略同径の連結軸部77Aとされている。
【0115】
また、図14に示される如く、ギヤ部76Bでは、ホイールギヤ12のボス部18は、組付状態において、その上端がアーマチャシャフト77(ピニオン14)の軸線の高さと略一致する高さとされており、減速機付モータ30等におけるボス部18よりも低く形成されている。そして、このボス部18における歯先20Aから上端部にかけての角部が断面視略円弧状に切欠かれた切欠き部18Cとされており、アーマチャシャフト77の連結軸部77Aと干渉しないようになっている。なお、ボス部18が、切欠き部18Cに代えて軸逃し凹部18Bを備えても良いことは言うまでもない。逆に、上記減速機付モータ60、72を構成するボス部18が、軸逃し凹部18Bに代えて切欠き部18Cを備えても良い。
【0116】
さらに、ギヤ部76Bを構成するギヤハウジング78は、ギヤハウジング44と同様に支持ボス部48A(図示省略)を有する上ハウジング78Aと支持ボス部48B(図示省略)を有するアンダカバー78Bとで構成されている。アンダカバー78Bは、アンダカバー66Bと全く同様に構成されているが、図11には、図7(B)に対応した図を示している。
【0117】
上ハウジング78Aのモータ部74A側には、ベアリング保持部44Cに代えて、ベアリング保持部78Cが設けられている。このベアリング保持部78C内には、ラジアル軸受79が収容保持されている。ラジアル軸受79は、滑り軸受であり、本第4の実施の形態では、含油した焼結金属より成るメタル軸受とされている。
【0118】
すなわち、減速機付モータ76では、減速機付モータ72と同様に、アーマチャシャフト77が、ギヤ部76B内におけるピニオン14を挟む両側において、ラジアル軸受69、79によってラジアル方向に支持されており、これらのラジアル軸受69、79のうちピニオン14に近接して配置された一方のラジアル軸受69がボールベアリングとされると共に、他方のラジアル軸受79がメタル軸受である。
【0119】
減速機付モータ72の他の構成は、上記第2の実施の形態に係る減速機付モータ60または第2の実施の形態に係る減速機付モータ72と全く同様である。このため、本第4の実施の形態に係る減速機付モータ76によっても、減速機付モータ72と全く同様の効果が得られる。
【0120】
なお、本第4の実施の形態においては、上記ラジアル軸受69が本発明における「第1ラジアル軸受」に相当し、ラジアル軸受79が本発明における「第2ラジアル軸受」に相当する。
【0121】
(第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置)
図15には、本発明の第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置80が模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、ハイポイドギヤ装置80は、軸線Og廻りに回転可能なホイールギヤ82と、該ホイールギヤ82に噛み合い軸線Op廻りに回転可能なピニオン84とで構成されている。
【0122】
ホイールギヤ82は、円環状に形成された基部86を備えており、この基部86が、ホイールギヤ12の円板部16におけるボス部18よりも径方向外側部分に相当する。この基部86には、多数の歯88が設けられている。すなわち、ホイールギヤ82は、円環状に配置された多数の歯88を備えている。
【0123】
図16(A)にも示される如く、各歯88は、軸線Ogとの直交面がピッチ面とされており、ハイポイドギヤ装置80は所謂クラウンタイプとされている。そして、各歯88は、それぞれの歯先88Aが上記ピッチ面に沿って(ピッチ面と平行に)形成されている。一方、歯88の歯底は、ホイールギヤ82軸心側の一部を除く部分がピッチ面に沿って形成された平行歯底88Bとされると共に、ホイールギヤ82軸心側の端部が歯先88Aに近接する方向に傾斜(湾曲)した傾斜歯底88Cとされている。
【0124】
この傾斜歯底88Cを形成するために***した基部86の部分が壁部90とされており、各歯88間に位置する壁部90がそれぞれ隣り合う歯88を連結することで、各歯88が一体に連結されている。これにより、歯先88Aから平行歯底88Bまでの深さdは、ホイールギヤ12における歯20の深さdと同等とされている。
【0125】
なお、壁部90の最大高さ(ホイールギヤ82の最も軸心側部分における高さ)は、歯先88Aから平行歯底88Bまでの深さよりも小とされており、該壁部90形成部位におけるピニオン84との噛み合いが可能とされている。すなわち、各歯88は、高さ方向における傾斜歯底88C側の一部で壁部90によって連結され、歯先88A側ではホイールギヤ82の軸心側においても自由端とされている。一方、各歯88のホイールギヤ82外周側の端部は、ホイールギヤ12の歯20と同様に、それぞれ全深さに亘り自由端とされている。
【0126】
図16(C)にも示される如く、ピニオン84は、歯88と噛み合う歯92を備えている。この歯92は、ハイポイドギヤ装置80が所謂クラウンタイプであることによって、軸線Op周りの円筒面がピッチ面とされている。そして、歯92の歯底92Aは上記ピッチ面と同軸の円筒面に沿って形成されている。一方、歯92の歯先は、軸線方向におけるホイールギヤ82の軸線Ogから近い方の端部を除く部分が上記ピッチ面と同軸の円筒面に沿った平行歯先92Bとされると共に、軸線Ogから近い方の端部が先端へ向けて連続的に歯高を低くするように連続的に傾斜した傾斜歯先92Cとされている。また、傾斜歯先92Cにおける先端側2条程度(平面視で軸線Opが傾斜歯底88Cを横切る部分に対応する範囲で)は、歯高が略一定とされている。
【0127】
このピニオン84は、ホイールギヤ82との噛み合い状態では、その平行歯先92Bと歯底92Aとの間の平行歯94が、ホイールギヤ82の歯先88Aと平行歯底88Bとの間の平行歯96と噛み合うと共に、その傾斜歯先92Cと歯底92Aとの間の傾斜歯98が、ホイールギヤ82の歯先88Aと傾斜歯底88Cとの間の傾斜歯100と噛み合う構成である。
【0128】
このため、歯22の歯底92Aから平行歯先92Bまでの高さが歯88の上記深さdに対応していおり(図16(B)参照)、また、ホイールギヤ82における平行歯96と傾斜歯100との深さの差(Δd)が、ピニオン84における平行歯94と傾斜歯98との高さの差(Δh)とが等しく(Δd=Δhと)されている。
【0129】
そして、ピニオン84の軸線Opと、これと平行なホイールギヤ82の中心線CLとの距離(オフセット量)E及び歯88、92の歯すじ方向は、傾斜歯100を有しない(基部86の内縁が傾斜歯底88Cと平行歯底88Bと境界部となる)仮想ホイールギヤと傾斜歯98を有しない仮想ピニオンとの距離E及び歯すじ方向とそれぞれ一致している。
【0130】
より具体的には、各歯88(平行歯96)は、平行歯96のみを有する場合のピッチ円PC(傾斜歯底88Cと平行歯底88Bと境界部とホイールギヤ12外周部との中央線)上で交差する歯すじ方向の接線Ltとホイールギヤ82の中心線CLとの為す角ψ(第1の実施の形態では図示省略)が所定値となるように、歯すじ方向が決められる。さらに、上記接線Ltと中心線CLとの交点を通るピニオン84の軸線Opと中心線CLとの為す角θが、上記角ψとの関係で歯88とは92との滑り限界に至らない範囲で、距離Eが決められる。
【0131】
そして、このように設計された仮想ホイールギヤの基部の内縁部に壁部90を延設して傾斜歯底88Cを有する傾斜歯100を形成すると共に、仮想ピニオンを軸方向に延長して傾斜歯先92Cを有する傾斜歯98を形成すれば、ハイポイドギヤ装置80が得られる。なお、本第5の実施の形態では、上記仮想ホイールギヤ、仮想ピニオンを有するハイポイドギヤ装置として、従来のハイポイドギヤ装置200を用いて設計しているが、両者の比較は後述する。
【0132】
また、ハイポイドギヤ装置80では、ホイールギヤ82の傾斜歯100と噛み合うピニオン84の傾斜歯98が形成された先端部が、平面視で基部86の内側に入り込むように配置されており、傾斜歯底88Cが傾斜歯98を受ける如くかみ合っている。すなわち、ホイールギヤ12の壁部90がピニオン84をスラスト方向及びラジアル方向(一方側)に受けるように、歯88と歯92とが噛み合う構成である。
【0133】
さらに、壁部90は、図17(A)に示される如く、ホイールギヤ82軸心側における傾斜歯底88Cの端部で切り落とされる如く形成されても良く、図17(B)に示される如く、基部86を内方に延設した部分に傾斜歯底88Cと反対向きの傾斜を有する断面視山形に形成して強度を向上させても良い。
【0134】
以上説明したハイポイドギヤ装置80のホイールギヤ82は、ホイールギヤ12と同様に樹脂成形によって一体に形成されている。一方、ピニオン84は、ピニオン14と同様に、金属材にて構成されている。また、ホイールギヤ82の歯すじ曲線は、図4(A)乃至図4(E)に示される各形状を採用することができ、歯88、92の歯厚や歯面の傾斜角は、図5に示される如くハイポイドギヤ装置10と同様に設定されている。
【0135】
また、このハイポイドギヤ装置80も減速機付モータ30、60、72、76等に適用されるが、その説明は省略する。なお、ホイールギヤ12の軸心部には、出力軸50を固定するためのボスや支軸が回転可能に挿入または挿通される軸孔等が形成されても良い。
【0136】
上記構成のハイポイドギヤ装置80は、主に減速機として用いられ、ピニオン84が軸線Op廻りに回転すると、ホイールギヤ82が減速されてトルクを増幅しつつ軸線Og廻りに回転する。
【0137】
ここで、ハイポイドギヤ装置80では、ホイールギヤ82に壁部90が設けられており、該壁部90がホイールギヤ12を構成する各歯88の軸心側端部を連結しているため、各歯88の強度、特にピニオン84からの荷重を受ける歯厚方向(倒れ方向)に対する強度が大幅に向上する。すなわち、ホイールギヤ82の各歯88が、壁部90によって補強されている。
【0138】
このように、本実施の形態に係るハイポイドギヤ装置80では、ホイールギヤ82を構成する各歯88の強度が高い。
【0139】
このため、ハイポイドギヤ装置80では、ホイールギヤ82の歯88の強度を確保しつつ、従来のハイポイドギヤ装置200と比較して、ホイールギヤ82の歯88(平行歯96)の深さdを深くすると共にピニオン84の歯92(平行歯94)の高さhを高くしている。また、歯20は、その歯数が従来のハイポイドギヤ装置200を構成するホイールギヤ202の対応する歯208の歯数よりも多くされ、かつ、できる限り内側(壁部90側)まで実質的に有効な歯形状が形成されている。
【0140】
これにより、ハイポイドギヤ装置80では、従来のハイポイドギヤ装置200と比較して、ホイールギヤ82とピニオン84との接触面積(噛み合い領域)が増大している。また、ホイールギヤ12の各平行歯96の径方向内側に延設した各傾斜歯100が、ピニオン84の傾斜歯98と噛み合うことにより、さらに接触面積が増大している。
【0141】
具体的には、ホイールギヤ82とピニオン84との噛み合い範囲は、図16(A)に示す各点A1、B1、C1、D1に囲まれた領域S1と、各点A1、B1、Xに囲まれた領域S5とを合わせた大きさとなる。そして、この図には、比較のために減速比、距離E、歯すじの方向、ピニオンの歯底における径(歯底面である円筒の径)、円板部16の内外径と凸部206の内外径とをそれぞれ一致させた場合における従来のハイポイドギヤ装置200、すなわち上記仮想ホイールギヤと仮想ピニオンとで構成された仮想ハイポイドギヤ装置の噛み合い範囲である領域S2を示している。
【0142】
この図から明らかなように、ハイポイドギヤ装置80における領域S1は、ハイポイドギヤ装置10の領域S1と全く同様であり、ハイポイドギヤ装置200における領域S2と比較して、領域S3及び領域S4の分だけ広がっており、領域S2、S3、S4を合わせた大きさとされている。
【0143】
そして、ハイポイドギヤ装置80では、従来の領域S2と全く重ならない領域S5の分だけ、さらに接触面積が増大している。このことから判るように、仮にハイポイドギヤ装置80の平行歯96の深さdをハイポイドギヤ装置200と同等としても(S3、S4をなくしても)、該ハイポイドギヤ装置200に対し領域S5の分だけ上記接触面積が増大する。
【0144】
また、上記比較の前提の通り、ハイポイドギヤ装置10とハイポイドギヤ装置200とは、減速比、距離E、歯すじの方向、ピニオンの歯底における径、円板部16の内外径と凸部206の内外径とがそれぞれ一致しており、ホイールギヤ12とピニオン14との接触面積の増加に伴って、歯20の深さ及び歯22の高さ(歯底面を一致させていることにより、歯先径すなわちピニオン84の外径)以外の寸法形状が変更されない。
【0145】
以上により、壁部90を設けることでホイールギヤ82の各歯88の強度が向上して、オフセット量である距離Eや歯すじ方向等の設計変更を伴うことなく、該ホイールギヤ82とピニオン84との接触面積を増やすことができ、またこの補強部分(傾斜歯100)においてもホイールギヤ82とピニオン84とを噛み合わせることにより、例えば伝達トルクが一定の場合にはホイールギヤ82の歯88に作用する応力が緩和され、ホイールギヤ82の歯88に作用する応力を維持する場合には伝達トルクを増大することが可能となる。
【0146】
そして、本第5の実施の形態では、ホイールギヤ82を樹脂化しており、ホイールギヤ82とピニオン84との接触面積を増やすことで歯88に作用する応力を緩和し、従来の金属製のホイールギヤ202を備えたハイポイドギヤ装置200と同等のトルクを伝達することが可能となった。一方、ピニオン84は金属製であるため、強度上の問題は生じない。このように、ハイポイドギヤ装置80は、その性能を維持しつつ、その大型構成部品であるホイールギヤ82を樹脂化することで大幅な軽量化が図られている。
【0147】
また、ホイールギヤ82を樹脂化しているため、複雑な形状である該ホイールギヤ82を射出成形等の金型を用いた樹脂成形によって、容易に得ることが可能となった。具体的には、先ず、上記仮想ホイールギヤ相当する壁部90を有しない基準ホイールギヤを創成等によって形成する。この基準ホイールギヤには、例えば、歯88の深さdに応じてホイールギヤ12またはホイールギヤ202を用いることもできる。次いで、基準ホイールギヤを用いて射出成形用の金型を形成し、さらに金型に壁部90に対応する部分を形成する。そして、この金型を用いた射出成形によってホイールギヤ82が容易に得られる。なお、ピニオン84についても、基準ピニオン(ピニオン14、204を用いることも可)からダイスの歯を起こし、このダイスを用いた転造等によって容易に得ることができる。
【0148】
さらに、要求強度に応じて、ホイールギヤ82とピニオン84との接触面積を変更する場合でも、上記の通りホイールギヤ82の径や歯すじ方向を変更する必要がないので、金型設計が容易である。また、このように接触面積を異ならせても上記距離Eが一定であるため、ハイポイドギヤ装置80を減速機付モータ30、60、72、76に適用する場合に、該接触面積の異なるハイポイドギヤ装置80間で、ピニオン84の外径差を許容する寸法のギヤハウジング44、66を共用することも可能である。
【0149】
さらにまた、ハイポイドギヤ装置80では、ホイールギヤ82の壁部90がピニオン84の傾斜歯98が噛み合う傾斜歯100の傾斜歯底88Cを構成しているため、換言すれば、補強用の壁部90がピニオン84をラジアル方向及びスラスト方向受けるように傾斜歯98と摺接するように形成されているため、減速機付モータ30等に適用された場合に、ピニオン84側の軸受構造を簡素化することが可能となる。具体的には、例えば、ピニオン84のラジアル荷重が軸線Og側に作用する回転方向の減速機付モータ30に適用された場合には、このラジアル荷重を壁部90が受けるため、ラジアル軸受46を不要とすることが可能となる。また例えば、アーマチャシャフト62の両端でスラスト荷重を支持する減速機付モータ60のような高負荷用途においても、減速機付モータ30の如くピニオン84側のスラスト軸受を不要とすることが可能となる。
【0150】
(第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置)
図18には、本発明の第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置110が模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、ハイポイドギヤ装置110は、軸線Og廻りに回転可能なホイールギヤ112と、該ホイールギヤ112に噛み合い軸線Op廻りに回転可能なピニオン114とで構成されている。
【0151】
そして、このハイポイドギヤ装置110は、ホイールギヤ112の基部116に設けられた各歯118が、ホイールギヤ112外周部に設けられた壁部120によっても連結されている点で、上記第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置80とは異なる。以下、具体的に説明する。
【0152】
図19(A)にも示される如く、ホイールギヤ112の各歯118は、それぞれの歯先118Aが軸線Ogとの直交面であるピッチ面に沿って形成されている。一方、各歯118の歯底は、歯先118Aとの間で傾斜歯100を形成する傾斜歯底88Cと、歯先118Aとの間で平行歯96を形成する平行歯底88Bと、平行歯底88Bよりもホイールギヤ112の径方向外側で歯先118Aに連続的に近接する方向に傾斜した外側傾斜歯底118Bとで構成されている。外側傾斜歯底118Bと歯先118Aとの間には、外側傾斜歯122が形成されている。
【0153】
なお、この外側傾斜歯底118Bを形成するために基部116から***した壁部120についても、図20(A)に示される如く、ホイールギヤ112軸心側における傾斜歯底88Cの端部で切り落とされる如く形成されても良く、図20(B)に示される如く、基部86の外方に延設した部分に傾斜歯底88Cと反対向きの傾斜を有する断面視山形に形成して強度を向上させても良い。また、壁部90及び壁部120の何れか一方のみを上記山形に形成しても良い。
【0154】
また、図19(C)にも示される如く、ピニオン114の歯124は、その歯底124Aが軸線Op周りの円筒面に沿って形成されている。歯124の歯先は、歯底124Aとの間で傾斜歯98を形成する傾斜歯先92Cと、歯底124Aとの間で平行歯94を形成する平行歯先92Bと、平行歯先92Bの傾斜歯先92Cとは反対側で歯高が連続的に低くなるように形成された外側傾斜歯先124Bとで構成されている。外側傾斜歯先124Bと歯底124Aとの間には、外側傾斜歯126が形成されている。この外側傾斜歯126も、傾斜歯98と同様に先端側2乃至3条程度における歯高が略一定とされている。
【0155】
以上により、ハイポイドギヤ装置110では、ホイールギヤ12、82と比較して、ホイールギヤ112の外径が壁部120(外側傾斜歯122)の設置分だけ大径化されているが、各歯118の歯すじ方向は歯20、88と一致しており、またピニオン114の軸線Opのこれと平行なホイールギヤ112の中心線CLとの距離Eもハイポイドギヤ装置10、80における距離Eと一致している。
【0156】
したがって、本構成のハイポイドギヤ装置110によっても、上記第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置80と全く同様の効果を得ることができる。なお、図19(A)に示される如く、ホイールギヤ112とピニオン114との接触面積は、各点A1、X、B1、C1、Y、Zに囲まれた領域S6となり、ホイールギヤ112の平行歯96の一部がピニオン114の外側傾斜歯126と噛み合うことにより減少した接触面積が、この外側傾斜歯126とホイールギヤ112の外側傾斜歯122との噛み合い分によって補われている。これにより、ハイポイドギヤ装置110では、接触面積の増大効果について、ハイポイドギヤ装置80と同等以上である。
【0157】
また、本構成のハイポイドギヤ装置110では、ハイポイドギヤ装置80のホイールギヤ82と全く同様に、ホイールギヤ112成形用の金型を得ることができ、この金型を用いた射出成形によってホイールギヤ112を容易に得ることができる。
【0158】
そして、本第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置110では、ホイールギヤ112の外周部において各歯118を連結する壁部120が設けられているため、ホイールギヤ112を構成する各歯118の強度が一層向上する。このため、上記の通り、歯すじ方向や距離Eを変更することなく、平行歯96の深さdを一層深くして上記接触面積を一層増大することも可能となる。
【0159】
また、ホイールギヤ112の壁部90と壁部120とが、それぞれピニオン114の傾斜歯98、外側傾斜歯126を互いに反対方向に受けるように摺接するため、換言すれば、スラスト荷重及びラジアル荷重の方向に依らず、ピニオン114がホイールギヤ112(壁部90、120)によって支持されるため、ハイポイドギヤ装置110を減速機付モータ30、60、72、76に適用した場合に、ラジアル軸受46、69、73、79、支軸部64等を不要として軸受構造を簡素化することも可能となる。さらに別言すれば、壁部90と壁部120とが、ピニオン114(アーマチャシャフト36、62)のスラスト軸受及びラジアル軸受としても機能するため、上記の如く軸受構造を簡素しても、ホイールギヤ112とピニオン114との噛み合い不良が生じたり、これらの噛み合い部位から異音が発生したりすることが防止される。
【0160】
なお、上記各実施の形態では、ホイールギヤ12、82、112を樹脂化した好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、歯20、88、118の深さ等を増大したホイールギヤ12等を金属にて構成することで、伝達トルクを向上させる(高出力のモータ部30A等を採用する)構成としても良い。
【0161】
また、上記各実施の形態では、ハイポイドギヤ装置10、80、110が所謂クラウンタイプのハイポイドギヤ装置である構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、所謂テーパタイプ(テーパ率が一定でないものを含む)のハイポイドギヤ装置等に本発明におけるボス部18、壁部90、120等を適用することができることは言うまでもない。
【0162】
さらに、上記各実施の形態では、減速機付モータ30、60、72、76がワイパモータである構成としたが、本発明はこれに限定されず、減速機付モータ30等は、例えば、パワーウインド装置や電動サンルーフ装置、パワーステアリング装置等の車両用モータや一般産業用途等、如何なる用途にも適用可能であることは言うまでもない。なお、これらの減速機付モータ60を両方向回転用途に適用する場合には、アーマチャシャフト36、62、77の両端部にスラスト軸受(スラストボール等)を設ける必要がある。
【0163】
また、本発明に係る減速機付モータは、上記第1乃至第4の実施の形態に係る減速機付モータ30、60、72、76には限定されず、各実施の形態における構成要素の一部または全部を適宜組合わせた(組み替えた)構成とすることもできる。
【0164】
さらに、ギヤ部60B、72B、76Bにおける2ヶ所でアーマチャシャフト62、77が軸支持(ラジアル方向に支持)される構成においては、一方の軸受構造をギヤハウジング66、74、78とアーマチャシャフト62、77とが直接的に滑り接触する軸受構造としても良い。
【0165】
具体的には、一例として図10に対応した図21に示す如く、変形例に係る減速機付モータ130のギヤ部130Bでは、アンダカバー66Bと共にギヤハウジング132を構成する上ハウジング132Aが、上ハウジング66Aからベアリング保持部44Cをなくした如き形状に形成されている。そして、この上ハウジング132Aの筒状部134(上記各実施の形態では説明省略)において、アーマチャシャフト62(77)を摺接可能に挿通させて該アーマチャシャフト62のラジアル荷重を支持しても良い。この構成では、ベアリング保持部44C、78C(ラジアル軸受46、79)に相当する分だけ減速機付モータ130の全長が短くなる。この減速機付モータ130の他の構成は減速機付モータ60と同じであるが、この筒状部134でアーマチャシャフト62のラジアル荷重を支持する構成を減速機付モータ72、76に適用しても良いことは言うまでもない。
【0166】
また、この構成では、筒状部134とアーマチャシャフト62との間にグリースを塗布することで、これらの滑り接触部位(熱伝達部位)での熱伝達が良くなり、ピニオン14とホイールギヤ12との噛み合いにより生じる熱が良好に放出される。特に、図21に示される如く、筒状部134がピニオン14の近傍に配置された構成では、この熱放出性が良好である。したがって、上記第1乃至第4の実施の形態に係る減速機付モータ30、60、72、76においても、この筒状部134に相当しアーマチャシャフト62、77を挿通させる部分(ベアリング保持部44C、78Cに隣接する部分)を、アーマチャシャフト62、77と滑り接触する構成とし、これらの間にグリースを塗布しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置の概略全体構成を示す模式的な平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤとピニオンとの噛み合い領域を示す図であって、(A)は概略平面図、(B)は側面方向の半断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤに適用される歯すじ曲線を示す図であって、(A)は外トロコイド曲線、(B)はインボリュート曲線、(C)はグリーソン式の円弧曲線、(D)はゼロール歯車の円弧曲線、(E)は直線をそれぞれ示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤ及びピニオンのそれぞれの歯の断面形状を示す拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る減速機付モータの概略全体構成を示す平面図である。
【図7】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る減速機付モータを構成するホイールギヤの軸受構造を示す断面図、(B)は、軸受構造の別例を示す断面図である。
【図8】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る減速機付モータを構成するピニオンに対するホイールギヤの組み付け方向を示す概念的な側面図、(B)は、ピニオンの歯形状の変形例を示す側面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る減速機付モータを構成するホイールギヤの軸受構造の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る減速機付モータの図6に対応する平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る減速機付モータの図7(A)に対応する断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る減速機付モータの図6に対応する平面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る減速機付モータの図6に対応する平面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る減速機付モータの図7(B)に対応する断面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置の概略全体構成を示す模式的な平面図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を示す図であって、(A)はホイールギヤの平面図、(B)はピニオンの軸線方向から見た噛み合い状態を示す図、(C)はピニオンを示す側面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤの壁部を示す図であって、(A)は第1の形状を示す断面図、(B)は第2の形状を示す断面図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置の概略全体構成を示す模式的な平面図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を示す図であって、(A)はホイールギヤの平面図、(B)はピニオンの軸線方向から見た噛み合い状態を示す図、(C)はピニオンを示す側面図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係るハイポイドギヤ装置を構成するホイールギヤの壁部を示す図であって、(A)は第1の形状を示す断面図、(B)は第2の形状を示す断面図である。
【図21】本発明の各実施の形態に係る減速機付モータの一変形例を示す図10に対応した平面図である。
【図22】従来のハイポイドギヤ装置の概略全体構成を示す図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
10…ハイポイドギヤ装置、12…ホイールギヤ、14…ピニオン、18…ボス部(壁部)、20…歯(ホイールギヤの歯)、30…減速機付モータ、30A…モータ部、30B…ギヤ部(減速部)、34…アーマチャ(電機子)、36…アーマチャシャフト(回転軸)、38…ラジアル軸受(軸受部)、40…スラスト受けプレート(軸受部)、42…スラストボール(軸受部)、46…ラジアル軸受(第2ラジアル軸受)、50…出力軸、52・54・55…ラジアル軸受(出力軸受部)、60・72・76・130…減速機付モータ、60A・72A・76A…モータ部、60B・72B・76B・130B…ギヤ部(減速部)、62・77…アーマチャシャフト(回転軸)、64…支軸部(回転軸)、69…ラジアル軸受(第1ラジアル軸受)、73…ラジアル軸受(第1ラジアル軸受)、79…ラジアル軸受(第2ラジアル軸受)、80・110…ハイポイドギヤ装置、82・112…ホイールギヤ、84・114…ピニオン、88、118…歯(ホイールギヤの歯)、90…壁部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a hypoid gear device that transmits rotation between staggered shafts.
[0002]
The present invention also relates to a motor with a speed reducer to which the hypoid gear device is applied.
[0003]
[Prior art]
For example, in a wiper device, a power window device, a power steering device, and the like mounted on a vehicle such as an automobile, a motor with a reduction gear is used as a drive device. The motor with a reduction gear includes a motor unit and a reduction unit that reduces the rotation of the motor unit and transmits the rotation to the output shaft.
[0004]
In general, a worm gear that transmits rotation between staggered shafts is used in a reduction unit of such a motor with a reduction gear (for example, see Patent Document 1). The reduction unit using the worm gear is composed of a worm that rotates integrally with the rotation shaft of the motor unit, and a worm wheel that is meshed with the worm and is connected to the output shaft, and is small in size and has a large reduction ratio. can get. Thereby, the motor with a reduction gear is downsized as a whole.
[0005]
By the way, in recent years, a further reduction in the size of a motor with a reduction gear has been demanded. In view of this, it has been considered to apply a hypoid gear device to the reduction unit instead of the worm gear (for example, see Patent Document 2).
[0006]
Such a hypoid gear device will be described with reference to FIG. As shown in a plan view of FIG. 22A, the
[0007]
As shown in FIG. 22 (B), the
[0008]
On the other hand, the
[0009]
That is, in the
[0010]
The
[0011]
The
[0012]
[Patent Document 1]
JP 2002-145086 A
[Patent Document 2]
JP-A-11-118001
[Patent Document 3]
JP-A-11-315910
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the conventional
[0014]
However, if it is attempted to increase the number of
[0015]
Further, it is conceivable to increase the contact area (the number of meshing teeth 208) by lengthening the
[0016]
Therefore, in order to increase the contact area without changing the design of the distance E and the direction of the tooth trace, the space between the
[0017]
Furthermore, in order to increase the contact area, it is conceivable to extend the
[0018]
These problems also occur in the tapered hypoid gear device and the hypoid gear device having the configuration described in
[0019]
SUMMARY OF THE INVENTION It is a first object of the present invention to provide a hypoid gear device having high wheel gear teeth in consideration of the above facts.
[0020]
A second object of the present invention is to obtain a motor with a reduction gear to which the above-described hypoid gear device is applied and which is reduced in size.
[0021]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the first object, a hypoid gear device according to the first aspect of the present invention is a hypoid gear device in which a wheel gear and a pinion that mesh with each other transmit a rotation between shafts, and constitute the wheel gear. A wall portion that connects adjacent teeth at an end portion of the wheel gear on the axis side is provided integrally with the wheel gear.
[0022]
In the hypoid gear device according to the first aspect, the wheel gear and the pinion having a large number of teeth arranged in an annular shape mesh with each other to transmit rotation between staggered shafts.
[0023]
Here, since the wheel gear is integrally provided with a wall portion that connects adjacent teeth of each tooth constituting the wheel gear at an axial end portion, in other words, all the wheels constituting the wheel gear are formed. Since the teeth are continuous through the wall at the axial center end, the strength of each tooth, particularly the strength in the tooth thickness direction (falling direction) under load from the pinion, is greatly improved. That is, each tooth of the wheel gear is reinforced by the wall. The wall portion of the wheel gear may be configured to connect at least a part of the adjacent teeth in the depth direction.
[0024]
Accordingly, the stress acting on the tooth of the wheel gear is reduced when the transmission torque is constant, without changing the design of the offset amount, the direction of the tooth trace, etc., and the stress acting on the tooth of the wheel gear is maintained. In this case, the transmission torque can be increased. As a result, in order to increase the contact area between the wheel gear and the pinion, the number of teeth of the wheel gear is increased, the teeth of the wheel gear are increased and the teeth of the pinion are increased, and the teeth of the wheel gear are extended to the inner diameter side. Or it becomes possible.
[0025]
Thus, in the hypoid gear device according to the first aspect, the tooth strength of the wheel gear is high.
[0026]
In the hypoid gear device according to the second aspect of the present invention, in the hypoid gear device according to the first aspect, the wall portion is formed in a cylindrical shape in which the teeth are continuous from an outer peripheral surface, and is disposed at an axial center portion of the wheel gear. , Is characterized.
[0027]
In the hypoid gear device according to the second aspect, the wall portion is provided integrally with the shaft center portion of the wheel gear, and each tooth is provided continuously from the outer peripheral surface of the wall portion. Since the wall portion is cylindrical, for example, a support shaft that rotatably supports the wheel gear is inserted through the wall portion, or a shaft (an output shaft or the like) that rotates integrally with the wheel gear is fixed. It can also be made to function as a boss part (also serving as a boss part).
[0028]
A hypoid gear device according to a third aspect of the present invention is the hypoid gear device according to the first or second aspect, wherein the wheel gear is made of a resin material and the pinion is made of a metal material. I have.
[0029]
In the hypoid gear device according to the third aspect, since the wheel gear is made of resin, the weight can be reduced. In particular, a large wheel gear (when the hypoid gear device is used as a speed reducer, a component corresponding to a large gear on the load side that receives torque) is made of resin with respect to the pinion.
[0030]
Since the teeth of the wheel gear are reinforced by the wall as described above, sufficient strength can be obtained even if the wheel gear is made of resin. Further, since the pinion is made of metal, there is no problem in strength. For this reason, in the hypoid gear device of this configuration, weight reduction is achieved while maintaining sufficient strength against the transmission torque. Further, for example, a wheel gear having a complicated shape (having a large number of teeth) can be formed by resin molding such as injection molding using a mold, and the manufacture of the wheel gear becomes easy.
[0031]
In order to achieve the second object, a motor with a reduction gear according to the invention according to
[0032]
In the motor with a speed reducer according to the fourth aspect, when the motor section operates and the armature rotates, the rotating shaft rotates coaxially and integrally with the pinion provided at one end thereof. This rotation is transmitted to the wheel gear meshing with the pinion while being reduced in speed, and further transmitted from the output shaft connected to the wheel gear to the load side.
[0033]
Here, since the hypoid gear device is applied to the reduction unit, the size of the motor with a reduction gear can be reduced as compared with the case where the reduction unit is configured by a worm gear. Since the hypoid gear device is the hypoid gear device according to any one of
[0034]
As described above, in the motor with a speed reducer according to the fourth aspect, the hypoid gear device is applied, and the size is reduced.
[0035]
A motor with a speed reducer according to a fifth aspect of the present invention is the motor with a speed reducer according to the fourth aspect, wherein the pinion is provided at an intermediate portion in the longitudinal direction of the rotary shaft, and the other end of the rotary shaft is supported. A first radial bearing, and a second radial bearing that supports a portion of the rotary shaft between the pinion and the armature, and is located near the pinion of the first radial bearing and the second radial bearing. The other is a rolling bearing and the other is a sliding bearing.
[0036]
In the motor with a reduction gear according to
[0037]
The other end of the rotating shaft is radially supported by a first radial bearing, and a portion between the pinion and the armature is radially supported by a second radial bearing. As a result, reliable engagement between the pinion and the wheel gear can be obtained even in high-load applications.
[0038]
Here, one of the first radial bearing and the second radial bearing, which is disposed close to the pinion, is a rolling bearing, so that a large radial load acting because it is close to the meshing portion between the pinion and the wheel gear. However, it is reliably supported by the rolling bearing having high load resistance. In addition, since the other radial bearing which is arranged away from the pinion and has a small radial load to support is a sliding bearing, cost reduction can be achieved while maintaining reliable support of the rotating shaft.
[0039]
According to a sixth aspect of the present invention, in the motor with a speed reducer according to the fourth or fifth aspect, the output shaft is fixed to the wheel gear through a shaft portion of the wheel gear. An output bearing portion is provided on both sides of the output shaft with the wheel gear interposed therebetween, the output bearing portion supporting the output shaft in a radial direction.
[0040]
In the motor with a speed reducer according to the sixth aspect, the output shaft is fixed (coaxially) through the shaft portion of the wheel gear, and when the motor portion operates, the output shaft rotates integrally with the wheel gear. I do.
[0041]
By the way, in the reduction unit to which the hypoid gear device is applied, a radial force mainly acts on the wheel gear with the rotation, but the output shaft fixed to the wheel gear has an output bearing on both sides of the wheel gear in the axial direction. Since each portion is supported in the radial direction, a change in the position or posture of the wheel gear due to the radial force is suppressed. This prevents an overload in the thrust direction on the bearing portion and the first bearing portion due to the movement and the change in the posture of the wheel gear, which is a concern when the wheel gear is supported on one side in the axial direction.
[0042]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(First Embodiment)
A
[0043]
FIG. 1 shows a
[0044]
As shown in FIGS. 2 and 3B, the
[0045]
A large number of
[0046]
In other words, the
[0047]
On the other hand, the end of each
[0048]
In the
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
As described above, the
[0052]
Further, as described above, since the
[0053]
In the first embodiment, the inclination angle α is set to 10 ° and the inclination angle β is set to 30 °. This is because the
[0054]
The
[0055]
As shown in a partially cutaway plan view in FIG. 6, the motor with a
[0056]
The
[0057]
An
[0058]
Specifically, one end of the
[0059]
On the other hand, the other end of the
[0060]
As shown in FIG. 7, the
[0061]
In the
[0062]
When the
[0063]
This thrust load is larger than the thrust load when a worm gear is used as the reduction mechanism. Therefore, the
[0064]
Specifically, a bearing holding portion 44C for housing and holding the
[0065]
The
[0066]
On the other hand, the
[0067]
By press-fitting the large-
[0068]
Thereby, the
[0069]
An intermediate portion of the
[0070]
In this state, the
[0071]
The
[0072]
When the
[0073]
As shown in FIG. 8B, the
[0074]
Next, the operation of the first embodiment will be described.
[0075]
In the
[0076]
As a result, the rotation of the
[0077]
Here, in the
[0078]
Thus, in the
[0079]
For this reason, in the
[0080]
Specifically, the meshing range between the
[0081]
As is clear from this figure, the region S1 in the
[0082]
As is apparent from this comparison, as described above, the
[0083]
As described above, by providing the
[0084]
In the first embodiment, the
[0085]
In addition, since the
[0086]
Further, in the
[0087]
In the motor with a
[0088]
Further, as described above, since the
[0089]
Further, in the
[0090]
Furthermore, in the
[0091]
The radial load of the
[0092]
(Other embodiments)
Next, another embodiment of the present invention will be described. Note that parts and portions that are basically the same as those in the first embodiment or the components and parts described above are given the same reference numerals as those in the first embodiment and the parts and parts described above. The description is omitted.
[0093]
(Motor with reduction gear according to second embodiment)
FIG. 10 is a plan view showing a partially
[0094]
The motor with a
[0095]
The
[0096]
Further, the
[0097]
The bearing
[0098]
The opening on the side opposite to the
[0099]
In this state, the
[0100]
As described above, the
[0101]
In this support state, the
[0102]
The other configuration of the motor with
[0103]
In addition, in the motor with
[0104]
(Motor with reduction gear according to the third embodiment)
FIG. 12 shows a partially cutaway plan view of a
[0105]
The motor with a
[0106]
The
[0107]
The
[0108]
The other configuration of the motor with
[0109]
In addition, the motor with
[0110]
And, among these
[0111]
In the third embodiment, the
[0112]
(Motor with reduction gear according to fourth embodiment)
FIG. 13 is a plan view of a partially
[0113]
The motor with
[0114]
The
[0115]
Further, as shown in FIG. 14, in the gear portion 76B, the upper end of the
[0116]
Further, the
[0117]
On the
[0118]
That is, in the motor with
[0119]
The other configuration of the motor with
[0120]
In the fourth embodiment, the
[0121]
(Hypoid Gear Device According to Fifth Embodiment)
FIG. 15 is a schematic plan view showing a
[0122]
The
[0123]
As shown in FIG. 16 (A), each
[0124]
A portion of the base 86 raised to form the inclined tooth bottom 88 </ b> C is a
[0125]
Note that the maximum height of the wall portion 90 (the height at the most axial side portion of the wheel gear 82) is smaller than the depth from the
[0126]
As shown in FIG. 16C, the
[0127]
When the
[0128]
Therefore, the height from the
[0129]
The distance (offset amount) E between the axis Op of the
[0130]
More specifically, each tooth 88 (parallel teeth 96) is a pitch circle PC (parallel center line between the
[0131]
The
[0132]
Further, in the
[0133]
Further, the
[0134]
The
[0135]
The
[0136]
The
[0137]
Here, in the
[0138]
Thus, in the
[0139]
For this reason, in the
[0140]
Thus, in the
[0141]
Specifically, the meshing range between the
[0142]
As is clear from this figure, the region S1 in the
[0143]
In the
[0144]
Further, as described above, the
[0145]
As described above, by providing the
[0146]
In the fifth embodiment, the
[0147]
In addition, since the
[0148]
Further, even when the contact area between the
[0149]
Furthermore, in the
[0150]
(Hypoid Gear Device According to Sixth Embodiment)
FIG. 18 is a schematic plan view showing a
[0151]
The
[0152]
As shown in FIG. 19A, each
[0153]
The
[0154]
Further, as shown in FIG. 19C, the
[0155]
As described above, in the
[0156]
Therefore, even with the
[0157]
Further, in the
[0158]
In the
[0159]
Further, since the
[0160]
In each of the above embodiments, the wheel gears 12, 82, 112 are preferably made of resin. However, the present invention is not limited to this. For example, the depth of the
[0161]
Further, in each of the above embodiments, the
[0162]
Further, in each of the above embodiments, the motors with
[0163]
Further, the motor with a reduction gear according to the present invention is not limited to the motors with
[0164]
Further, in a configuration in which the
[0165]
Specifically, as shown in FIG. 21 corresponding to FIG. 10 as an example, in the gear portion 130B of the motor with
[0166]
Further, in this configuration, by applying grease between the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic plan view showing a schematic overall configuration of a hypoid gear device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view of a wheel gear included in the hypoid gear device according to the first embodiment of the present invention.
FIGS. 3A and 3B are diagrams showing a meshing region between a wheel gear and a pinion constituting the hypoid gear device according to the first embodiment of the present invention, wherein FIG. 3A is a schematic plan view, and FIG. It is a half sectional view.
4A and 4B are diagrams showing tooth trace curves applied to a wheel gear constituting the hypoid gear device according to the first embodiment of the present invention, wherein FIG. 4A is an outer trochoid curve, and FIG. 4B is an involute curve. (C) is a schematic diagram showing a Gleason-type arc curve, (D) is an arc curve of a zelol gear, and (E) is a schematic diagram showing a straight line.
FIG. 5 is an enlarged view showing a sectional shape of each tooth of a wheel gear and a pinion constituting the hypoid gear device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a plan view showing a schematic overall configuration of a motor with a speed reducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7A is a sectional view showing a bearing structure of a wheel gear constituting a motor with a reduction gear according to the first embodiment of the present invention, and FIG. 7B is a sectional view showing another example of the bearing structure; FIG.
FIG. 8A is a conceptual side view showing a mounting direction of a wheel gear to a pinion constituting a motor with a reduction gear according to the first embodiment of the present invention, and FIG. It is a side view which shows the modification of a shape.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a modification of the bearing structure of the wheel gear constituting the motor with a reduction gear according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a plan view corresponding to FIG. 6 of a motor with a speed reducer according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a sectional view corresponding to FIG. 7A of a motor with a speed reducer according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a plan view corresponding to FIG. 6 of a motor with a speed reducer according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a plan view corresponding to FIG. 6 of a motor with a speed reducer according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a cross-sectional view corresponding to FIG. 7B of a motor with a speed reducer according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a schematic plan view showing a schematic overall configuration of a hypoid gear device according to a fifth embodiment of the present invention.
16A and 16B are diagrams showing a hypoid gear device according to a fifth embodiment of the present invention, wherein FIG. 16A is a plan view of a wheel gear, and FIG. 16B is a diagram showing a meshing state of the pinion as viewed from the axial direction. (C) is a side view showing the pinion.
17A and 17B are diagrams showing a wall portion of a wheel gear constituting a hypoid gear device according to a fifth embodiment of the present invention, wherein FIG. 17A is a cross-sectional view showing a first shape, and FIG. It is sectional drawing which shows the shape of No. 2.
FIG. 18 is a schematic plan view showing a schematic overall configuration of a hypoid gear device according to a sixth embodiment of the present invention.
19A and 19B are diagrams showing a hypoid gear device according to a sixth embodiment of the present invention, wherein FIG. 19A is a plan view of a wheel gear, and FIG. 19B is a diagram showing a meshing state of the pinion as viewed from the axial direction. (C) is a side view showing the pinion.
FIGS. 20A and 20B are diagrams showing a wall portion of a wheel gear constituting a hypoid gear device according to a sixth embodiment of the present invention, wherein FIG. 20A is a cross-sectional view showing a first shape, and FIG. It is sectional drawing which shows the shape of No. 2.
FIG. 21 is a plan view corresponding to FIG. 10 and showing a modification of the motor with a reduction gear according to each embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a view showing a schematic overall configuration of a conventional hypoid gear device, where (A) is a plan view and (B) is a side view.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記ホイールギヤを構成する隣り合う歯を該ホイールギヤの軸芯側の端部において結ぶ壁部を、該ホイールギヤに一体に設けた、
ことを特徴とするハイポイドギヤ装置。A hypoid gear device in which a wheel gear and a pinion that mesh with each other stagger and transmit rotation between shafts,
A wall portion that connects adjacent teeth constituting the wheel gear at an end on the axis side of the wheel gear is provided integrally with the wheel gear,
A hypoid gear device, characterized in that:
前記減速部は、前記ピニオンを前記回転軸に一体回転可能に設けると共に前記ホイールギヤを出力軸に連結して適用された請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のハイポイドギヤ装置である、
ことを特徴とする減速機付モータ。A motor unit having a rotating shaft that rotates integrally with the armature and a bearing unit that supports one end of the rotating shaft in the radial direction and the thrust direction; and a reduction unit that reduces the rotation of the rotating shaft and transmits the rotation to the output shaft. A motor with a speed reducer,
The hypoid gear device according to any one of claims 1 to 3, wherein the speed reducer is provided by providing the pinion so as to be integrally rotatable with the rotation shaft and connecting the wheel gear to an output shaft.
A motor with a speed reducer.
前記回転軸の他端側を支持する第1ラジアル軸受と、該回転軸における前記ピニオンと前記電機子の間の部分を支持する第2ラジアル軸受とを有し、
かつ、前記第1ラジアル軸受及び第2ラジアル軸受のうち前記ピニオンに近接して配置される一方を転がり軸受とすると共に、他方を滑り軸受とした、
ことを特徴とする請求項4記載の減速機付モータ。Providing the pinion at a longitudinally intermediate portion of the rotating shaft,
A first radial bearing that supports the other end of the rotating shaft, and a second radial bearing that supports a portion of the rotating shaft between the pinion and the armature,
And, one of the first radial bearing and the second radial bearing, which is disposed close to the pinion, is a rolling bearing, and the other is a sliding bearing.
The motor with a speed reducer according to claim 4, characterized in that:
前記出力軸の前記ホイールギヤを挟む両側に、それぞれ該出力軸をラジアル方向に支持する出力軸受部を設けた、
ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の減速機付モータ。The output shaft is fixed to the wheel gear through an axis of the wheel gear,
On both sides of the output shaft sandwiching the wheel gear, an output bearing portion for supporting the output shaft in the radial direction is provided.
The motor with a speed reducer according to claim 4 or 5, wherein:
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