JP2004208693A - 抗ヒアルロン酸抗体、これを含む試薬キット、抗ヒアルロン酸抗体の製造法及びヒアルロン酸の測定法 - Google Patents

抗ヒアルロン酸抗体、これを含む試薬キット、抗ヒアルロン酸抗体の製造法及びヒアルロン酸の測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】すべての分子量のヒアルロン酸を簡便かつ精度良く測定し得る抗ヒアルロン酸抗体を提供する。そして、この抗ヒアルロン酸抗体を含む試薬キット、この抗ヒアルロン酸抗体の製造方法及びヒアルロン酸の測定法を提供することである。
【解決手段】抗原を動物に免疫して製造され得る抗ヒアルロン酸抗体において、抗原が2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)であることを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体を用いる。抗ヒアルロン酸抗体がモノクローナル抗体であることが好ましい。また、2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)を動物に免疫する免疫工程を含むことを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体の製造方法を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗ヒアルロン酸抗体、これを含む試薬キット、抗ヒアルロン酸抗体の製造方法及びヒアルロン酸の測定法に関する。より詳しくは臨床検査に最適な抗ヒアルロン酸抗体、これを含む試薬キット、抗ヒアルロン酸抗体の製造方法及びヒアルロン酸の測定法に関する。
免疫測定用の抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体としては、低分子量化させたヒアルロン酸ナトリウムにヘモシアニン、ホスハチジルエタノールアミン又はホスファチジルセリンを導入して形成される共有結合体を動物に免疫して得られるモノクロナール抗体が知られている(特許文献1及び2)。また、免疫測定用の蛋白としては、ヒアルロン酸結合性蛋白(プロテオグリカン、リンクプロテイン及びヒアルロネクチン)やCD44(細胞膜貫通型蛋白質)が知られている(特許文献3及び4)。
特開平11−155566号公報 特開平9−12600号公報 特公平6−41952号公報 特開平9−229930号公報
しかし、低分子量ヒアルロン酸に対するモノクローナル抗体は、生体内に存在する高分子量(特に粘度平均分子量18万〜400万)のヒアルロン酸を測定できないという問題がある。また、ヒアルロン酸結合性蛋白質及びCD44等は、生体内に微量成分として存在するため、生体から採取したサンプルからこれらを抽出・精製してからでないと測定できないという問題がある。すなわち、本発明の目的はすべての分子量のヒアルロン酸を簡便かつ精度良く測定し得る抗ヒアルロン酸抗体、この抗体を含む試薬キット、この抗ヒアルロン酸抗体の製造方法及びヒアルロン酸の測定法を提供することである。
本発明者は上記問題を解決するため鋭意検討した結果、特定の免疫法により製造され得る抗ヒアルロン酸抗体が上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明に到達した。すなわち本発明は、抗原を動物に免疫して製造され得る抗ヒアルロン酸抗体において、抗原が2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)であることを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体、この抗体を含む試薬キット及びこのキットを用いるヒアルロン酸を定量する方法である。また、2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)を動物に免疫する免疫工程を含むことを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体の製造方法である。
本発明の抗ヒアルロン酸抗体は、すべての分子量のヒアルロン酸を簡便かつ精度良く測定し得る。そして、本発明の抗ヒアルロン酸抗体は、競合免疫測定法のみだけでなく、従来実現できなかったサンドイッチ免疫測定法が可能となった。さらに、このヒアルロン酸抗体はヒアルロン酸測定用の試薬キットに最適であり、中でも同一の抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体を含む試薬キット(サンドイッチ測定法用)は、極めて高い感度で定量することができる。従って、本発明の抗ヒアルロン酸抗体を含む試薬キットを用いて測定すると、極めて簡便かつ高精度でヒアルロン酸を定量することができる。そして、本発明の抗ヒアルロン酸抗体の製造方法は、特定の免疫方法による免疫工程を含むことにより上記の簡便かつ精度の高い測定を可能にする抗ヒアルロン酸抗体を容易に調整することができる。
本発明において、ヒアルロン酸とは、特記しない限りヒアルロン酸及びヒアルロン酸塩を意味する。ヒアルロン酸塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム塩等が含まれ、これらのうちアルカリ金属塩が好ましく、特に好ましくはナトリウム塩であるる。
免疫に用いる抗原の粘度平均分子量は、2万以上が好ましく、さらに好ましくは4万以上、特に好ましくは10万以上、最も好ましくは18万以上であり、また400万以下が好ましく、さらに好ましくは300万以下、特に好ましくは250万以下、最も好ましくは200万以下である。この範囲であると、すべての分子量のヒアルロン酸に対して反応し得る抗体が得られやすい。なお、粘度平均分子量は、バイオポリマー(Biopolymer)9,799(1970)に記載の方法に準じて測定される。すなわち、極限粘度を求め、その値を、式[h]=2.28×10-4×M0.816{ここで[h]は極限粘度(dl/g)であり、Mは粘度平均分子量である。}に代入し、粘度平均分子量を求める(以下同じ)。
また、免疫に用いる抗原の形態は液状(溶融状態及び溶解状態を含む)及び個体状(分散状態を含む)のいずれでもよいが、固体状であることが好ましい。固体状であると、すべての分子量のヒアルロン酸に対して反応し得る抗体が得られやすい。ここで、形態とは、10〜40℃における物質の状態を意味し、少なくとも免疫開始時の物質自身の状態である。固体の形状及び大きさ等は、免疫操作に支障のない範囲で自由に設定できる。形状としては、粉末状、砂状(粒状)、シート状及び繊維状等が挙げられ、好ましくは砂状である。免疫操作は、通常内径0.4〜1.2mm程度の注射針を使用するため、大きさとしては、注射針を通過する大きさが好ましく、例えば、内径0.4〜1.2mm程度の注射針を使用して免疫する場合、使用する注射針の内径に対して1/10〜1/2の体積平均粒子径が好ましく、さらに好ましくは注射針の内径の1/5〜1/3の体積平均粒子径である。なお、体積平均粒子径は、JIS Z8825−1:2001に記載された測定原理{光散乱法(25℃)}を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所製SALD−1100型)により求められる。
免疫に用いる抗原としては、以上の特性を持つものであれば限定なく使用でき、市販されているヒアルロン酸(商品名)としては、ヒアルロン酸ナトリウム塩(ブタ皮由来){生化学工業(株)製、粘度平均分子量4万〜6万}、ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来){生化学工業(株)製、粘度平均分子量80万〜120万}、ヒアルロン酸協和−HP(微生物由来){協和発酵工業(株)製、粘度平均分子量150万〜200万}、バイオヒアルロン酸ナトリウム(微生物由来){(株)資生堂製、粘度平均分子量60万〜150万}、デンカヒアルロン酸(微生物由来){電気化学工業(株)製、粘度平均分子量60万〜150万}、及びヒアルロン酸HA−Q(鶏冠由来){(株)キューピー製、粘度平均分子量50万〜120万}等が挙げられる。
この他に、へその緒を原料として、細かく砕いた後蛋白質の大部分をペプシン又はトリプシンで分解して除き、さらに残りをクロロホルム−アミルアルコールと振ってゲルとして除き、次いで、ピリジンの存在下で硫酸アンモニウムで分別沈殿を行い他の多糖類を除く(この他、酢酸ナトリウム、フェノール、トリクロロ酢酸で抽出する方法及びアルコールで沈殿させる方法等がある)。そして、アフィニティークロマトグラフィーやゲルパーミエーションクロマトグラフィー等により、好ましい粘度平均分子量範囲に分画採取することによっても得ることができる。なお、免疫に用いる抗原は、ヘモシアニン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルセリン等で修飾していない未修飾ヒアルロン酸であることが好ましい。未修飾ヒアルロン酸を用いると、すべての分子量のヒアルロン酸に対して反応し得る抗体が得られやすい。
免疫に使用される動物としては特に制限はなく、従来抗体の作成に使用されているものから適宜選択して用いることができ、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ及びウシ等が挙げられる。これらのうち、モノクローナル抗体の調整し易さ等の観点から、マウス及びラットが好ましく、さらに好ましくはマウスである。
通常、抗原を動物に免疫する場合、適当な溶媒(生理食塩水等)に溶解した後、免疫増強剤(コンプリートフロイントアジュバント等)と共に乳化し、動物の皮下や腹腔内等に投与されることが一般的である。しかし、未修飾ヒアルロン酸の場合、この方法ではヒアルロン酸溶液の粘度高いため多量の抗原を免疫できず、少量の抗原では充分な抗体価が得られにくいという問題がある。未修飾ヒアルロン酸を免疫し、効率よく抗ヒアルロン酸抗体を得るためには、免疫増強剤(コンプリートフロイントアジュバント等)及び生理食塩水等を常法により混合・乳化して作成した油中水型エマルションと、固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)とを混合・分散し、直ちに(約30分以内が好ましく、さらに好ましくは15分以内、特に好ましくは5分以内)、動物に投与することが好ましい。このように固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)を油中水型エマルションに混合した状態で動物に免疫することにより、充分な量の抗原を投与することができ、充分な抗体価を得られやすい。
免疫増強剤及び生理食塩水の使用重量比率(免疫増強剤:生理食塩水)としては通常の免疫の場合と同程度でよく、1:0.6〜1が好ましく、さらに好ましくは1:0.8〜1、特に好ましくは1:1である。また、固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)の含有量(重量%)は、免疫増強剤及び生理食塩水の合計重量に基づいて、0.01以上が好ましく、さらに好ましくは0.05以上、特に好ましくは0.1以上であり、また30以下が好ましく、さらに好ましくは20以下、特に好ましくは10以下である。
1回当たり投与する未修飾ヒアルロン酸(MH)の量としては、動物の種類や大きさ等により適宜設定できるが、動物の体重1g当たり20μg以上が好ましく、さらに好ましくは40μg以上、特に好ましくは100μg以上であり、また5mg以下が好ましく、さらに好ましくは2mg以下、特に好ましくは1mg以下である。この範囲であると、充分な抗体価を得られやすい。すなわち好ましい免疫法を例示すれば、体重60gのマウスに免疫する場合、油中水型エマルション0.2gと固体状未修飾ヒアルロン酸(MH)1.2〜300mgとを混合し、腹腔中に投与する方法等が挙げられる。免疫回数は適宜設定できるが、2週間から1ヶ月の間隔で3回以上免疫することが好ましい。2回目以降の免疫量は通常は1回目と同じでよいが、適宜上記の範囲で増減することができる。
ポリクロナール抗体を得る場合、免疫した後、常法に従って採血を行い、ポリクロナール抗体を得る。例えば免疫動物がウサギの場合、耳外側静脈を切開し血液を採取する。免疫動物がマウスの場合、尾静脈を切開し血液を採取する。いずれの場合も、得られた血液から血清を分離し、硫安塩析、イオン交換カラム等で抗体画分(通常はIgG画分)を分取することにより、ポリクローナル抗体を得る。得られたポリクロナール抗体の反応性は、例えば、酵素免疫抗体法(ELISA:enzyme-linked immunosorbent assy)で確認できる。すなわち、ヒアルロン酸を結合した不溶性担体に得られたポリクロナール抗体を反応させた後、得られたポリクロナール抗体を認識する抗体と標識物との結合体[例えば、得られた抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体がウサギ抗体の場合、ペルオキシダーゼ結合抗ウサギ抗体(ブタ)等]を反応させ、標識物を検出することにより得られたポリクロナール抗体とヒアルロン酸との反応性を確認できる。この際、不溶性担体に結合するヒアルロン酸の分子量等を変更することにより分子量等の異なるヒアルロン酸に対する反応性を確認できる。
一方、モノクローナル抗体を得る場合、免疫した動物の脾臓を採取し、これから調整される脾臓細胞を用いて常法に従って細胞融合を行い、融合細胞を調整する。そして、これらの中からヒアルロン酸と反応する抗体を産生する細胞を上述の酵素免疫抗体法で選択し、この選択された融合細胞を限界希釈法等でクローニングする。クローニングされた融合細胞をマウス腹腔内又は無血清培地で増殖させ、得られた腹水又は培養液からプロテインA等で精製することによりモノクローナル抗体を得る。モノクローナル抗体の反応性も、酵素免疫抗体法で確認できる。
本発明の抗ヒアルロン酸抗体は、以上のようにして製造され得るけれど、この方法に限定されるものではなく、以上の方法をアレンジした方法や全く異なる方法等によっても得ることができる。例えば、脾臓細胞とヒアルロン酸とを接触させて感作した後、細胞融合を行いモノクローナル抗体を作成する方法等が含まれる。本発明の抗ヒアルロン酸抗体としては、ポリクロナール抗体及びモノクロナール抗体が含まれるが、ヒアルロン酸の測定用として用いる場合、測定精度の観点から、モノクロナールが好ましい。
本発明の抗ヒアルロン酸抗体は、ヒアルロン酸測定用試薬キットの試薬として最適である。すなわち、本発明の抗ヒアルロン酸抗体を含む試薬キットを用いると、すべての分子量のヒアルロン酸を簡便かつ精度良く測定することができる。測定対象のヒアルロン酸としては、生体中に含まれる全てのヒアルロン酸が対象とでき、皮膚及び関節等の結合組織、肝臓等の臓器、並びに血液等の体液に含有するヒアルロン酸等が含まれる。これらのうち、血液等の体液に含まれるヒアルロン酸に好適であり、さらに血清中のヒアルロン酸に最適である。また、生体中のヒアルロン酸は、種々の分子量で存在することが知られており、本発明の試薬キットは全ての分子量のヒアルロン酸の測定に適用できる。これらの分子量のうち、粘度平均分子量2万以上に対して好適であり、さらに4万以上、特に10万以上、最も18万以上に対して適しており、また粘度平均分子量400万以下に対して好適であり、さらに300万以下、特に250万以下、最も200万以下に対して適している。この範囲であると、これらのヒアルロン酸に複数個の抗ヒアルロン抗体が結合できるため測定感度及び測定精度が向上しやすい。
本発明の試薬キットには、上記の抗ヒアルロン酸抗体を含めば、試薬の剤型及び試薬キットの構成等に制限はなく、例えば、抗ヒアルロン酸抗体が、不溶性担体及び/又は標識化合物と結合したかたちで試薬キットに含まれてもよく、抗ヒアルロン酸抗体単独で含まれていてもよい。すなわち本発明の試薬キットは、比朧法、ラテックス凝集法及び比濁法等のホモジニアス免疫測定法にも、不溶性担体を用いたヘテロジニアス免疫測定法にも適用できる。これらのうち、測定感度の点で、ヘテロジニアス免疫測定法用の試薬キットが好ましい。
試薬キットには、反応用緩衝液、B/F分離用緩衝液及び標準ヒアルロン酸緩衝液等を含むことができる。反応用緩衝液及びB/F分離用緩衝液としては従来免疫測定に使用される緩衝液等が使用でき、蛋白、塩及び/又は界面活性剤等を含有するリン酸緩衝液及びグッド(Good)の緩衝液等が使用できる。蛋白としては、アルブミン(牛血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、マウス血清アルブミン、オバルブミン、コナルブミン及びラクトアルブミン等)、抗体(正常ウサギIgG及び正常マウスIgG等のヒアルロン酸との結合性がない抗体)及びゼラチン等が挙げられる。塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び臭化リチウム等が挙げられる。界面活性剤としては、ソルビタンラウリン酸モノエステルエチレンオキシド付加物(商品名:ツイーン20及びツイーン40、ICIアメリカ社)等のノニオン界面活性剤等が挙げられる。標準ヒアルロン酸緩衝液は、濃度算出用の検量線を作成するために使用されるものである。そして、既知量のヒアルロン酸を反応用緩衝液及びB/F分離用緩衝液に使用される緩衝液に溶解したものである。
本発明の試薬キットには、抗ヒアルロン酸抗体と共に、配位子を含むことが好ましい。配位子としては、ヒアルロン酸と結合し得る蛋白配位子及びヒアルロン酸そのもの等が使用できる。ヒアルロン酸と結合し得る蛋白配位子としては、本発明の抗ヒアルロン酸抗体、ヒアルロン酸結合性蛋白及びCD44等が含まれる。ヒアルロン酸結合性蛋白としては、アナリティカルバイオケミストリ(Analytical Biochemistry)109,386-394,(1980)等に記載のプロテオグリカン、リンクプロテイン及びヒアルロネクチン等が挙げられる。CD44としては、特許文献4等に記載されている標準型CD44(CD44H)、CD44変異分子(CD44V)、CD44E及び可溶性CD44(sCD44)等が挙げられる。これらの配位子のうち、ヒアルロン酸と結合し得る蛋白配位子(サンドイッチ測定法用試薬キットに対応)が好ましく、さらに好ましくは本発明の抗ヒアルロン酸抗体、特に好ましくは本発明の抗ヒアルロン酸抗体(モノクロナール抗体)である。
配位子がヒアルロン酸と結合し得る蛋白配位子である場合、ヒアルロン酸の測定に際し、[抗ヒアルロン酸抗体−ヒアルロン酸−配位子]のサンドイッチ状複合体を形成し、この複合体を測定することによりヒアルロン酸を定量することができる(サンドイッチ測定法用試薬キット)。そして、この場合、高分子量(粘度平均分子量2万〜400万)のヒアルロン酸の測定に適しており、さらに粘度平均分子量10万〜250万、特に18万〜200万のヒアルロン酸の測定に最適である。
一方、配位子がヒアルロン酸そのものの場合、本発明の抗ヒアルロン酸抗体に対して、このヒアルロン酸が測定されるヒアルロン酸と競合的に反応し、抗ヒアルロン酸抗体と反応した配位子の量を測定することによりヒアルロン酸を定量することができる(競合測定法用試薬キット)。この場合、低分子量(粘度平均分子量2000〜2万)のヒアルロン酸の測定に好適である。
本発明の試薬キットにおいては、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子の少なくとも一つが標識化合物で標識されていることが好ましい。標識化合物としては従来公知のものが使用でき、ラジオアイソトープ、蛍光物質、発光物質及び酵素等が用いられる。アイソトープとしては、125I等が挙げられ、蛍光物質としてはユーロピウム錯体等が挙げられ、発光物質としてはN−メチルアクリジウムエステル等が挙げられ、酵素としては西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びβ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。これらの標識化合物のうち、酵素が好ましく、さらに好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びβ−ガラクトシダーゼ、特に好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼである。
標識化合物を抗ヒアルロン酸抗体又は配位子に標識する方法は従来公知の方法等が適用でき、「続生化学実験講座5 免疫生化学実験法」(日本生化学会編、東京化学同人、1986年発行、102〜112頁に記載の方法等が用いられ、例えば、次の(1)〜(4)の方法等が適用できる。
(1)標識化合物がアイソトープの場合、クロラミンTを酸化剤として用いて放射性ヨウ素を抗ヒアルロン酸抗体又は配位子のチロシン残基に導入する方法。
(2)標識化合物が蛍光物質の場合、フルオレセインイソチオシアネートを緩衝液中で抗ヒアルロン酸抗体又は配位子に反応させ、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子のリシン残基に結合させる方法。
(3)標識物質が発光物質の場合、商品名「アクリジニウム誘導体−I」(同人化学研究所社製)を緩衝液中で抗ヒアルロン酸抗体又は配位子に反応させ、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子のアミノ基に結合させる方法。
(4)標識物質が酵素の場合、酵素の持つアミノ基と抗ヒアルロン酸抗体又は配位子の持つチオール基をN−スクシンイミジル−6−マレイドヘキサノエート等のニ架橋性試薬で結合する方法。
本発明の試薬キットにおいて、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子の一方が水不溶性担体に結合され、他方が標識化合物で標識されていることが好ましい。すなわち、[水不溶性担体−抗ヒアルロン酸抗体−ヒアルロン酸−配位子−標識化合物]若しくは[水不溶性担体−配位子−ヒアルロン酸−抗ヒアルロン酸抗体−標識化合物](サンドイッチ測定法)又は[水不溶性担体−抗ヒアルロン酸抗体−ヒアルロン酸−標識化合物](競合測定法)等の複合体を形成するように構成することが好ましい。
水不溶性担体としては、特開平2−205774号公報に記載の担体等が使用でき、ガラス等の無機物及びポリスチレン等の有機物等が使用できる。水不溶性担体の形状は、使用する目的に合わせて自由に決定でき、真球状や円盤状のビーズ、板状や棒状のスティック、試験管、及び不織布やフィルターのストリップ等が挙げられる。これらのうち、ビーズが好ましく、さらに好ましくは真球状のビーズである。
水不溶性担体の大きさは、使用する目的に合わせて自由に決定でき、直径10mm程度の反応容器に投入できる大きさである(試験管を除く。)。ビーズの場合、直径(mm)は1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜7である。スティックの場合、長さ(mm)は2〜10が好ましく、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜7である。また、スティックの断面積(mm2)は1〜25が好ましく、さらに好ましくは2〜16、特に好ましくは3〜9である。なお、断面積とは、長軸方向に対して垂直に切断した際の切断部分の断面積を意味する。試験管の場合、長さ(mm)は5〜100が好ましく、さらに好ましくは8〜80、特に好ましくは10〜20である。また、試験管の内径(mm)は、5〜20が好ましく、さらに好ましくは6〜16、特に好ましくは8〜12である。ストリップの場合、長さ(mm)は、5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜80、特に好ましくは10〜50である。また、ストリップの幅(mm)は、1〜20が好ましく、さらに好ましくは2〜16、特に好ましくは3〜10である。
抗ヒアルロン酸抗体又は配位子を水不溶性担体に結合する方法としては、化学的に結合する方法及び物理吸着による方法の従来公知の方法等で行うことができる。化学的に結合する方法としては、水不溶性担体表面に導入されたアミノ基及びスルフヒドリル基等の官能基と、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子のアミノ基及びスルフヒドリル基等の官能基とを結合剤(グルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロサクシンイミドエステル及びo−フェニレンビスマレイミド等)で架橋する方法(米国特許第4280992号明細書及び同第3652761号明細書等)等が挙げられる。物理吸着による方法としては、水不溶性担体がポリスチレンの場合、抗ヒアルロン酸抗体又は配位子を0.001〜0.04%(W/V)含む炭酸緩衝液(pH9.0)に水不溶性担体を適当時間浸漬する方法(バイオシム・バイオフィズ・アクタ、251巻、427頁、1971年)等が挙げられる。この方法は、担体がポリスチレン以外の物質、例えばポリプロピレン、シリコン、ガラス及びセルロース等にも適用できる。
本発明の試薬キットは、競合測定法及びサンドイッチ測定法によるヒアルロン酸を定量する方法に適しており、特にサンドイッチ測定法によるヒアルロン酸を定量する方法に適している。被測定物であるヒアルロン酸は、標識化合物の量を測定することにより定量することができる。標識化合物の測定は、標識化合物の種類により従来公知の方法等で実施できる。標識化合物が蛍光物質の場合、例えば適当な波長の励起光の照射によって生じる蛍光量を光電子増倍管により定量する。標識化合物が化学発光物質の場合、例えばアクリジニウムエステルではアルカリ溶液を加えることにより生じる発光量を光電子増倍管により定量する。
標識化合物が酵素の場合、適当な基質を反応させることにより酵素活性を吸光度(吸光度測定法)、蛍光量(蛍光量測定法)又は発光量(化学発光量測定法)として測定できる。例えば、酵素がペルオキシダーゼの場合、基質としては2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)二アンモニウム(ABTS)(吸光度測定法)及びルミノール/過酸化物(化学発光量測定法)等を選択できる。酵素がアルカリフォスファターゼの場合、基質としてはp−ニトロフェニルフォスフェート(吸光度測定法)、4−メチルウンベリフェリルリン酸(4−MUP)(蛍光量測定法)及び3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・二ナトリウム(AMPPD)(化学発光量測定法)等を選択できる。吸光度は分光光度計、蛍光量及び化学発光量は光電子増倍管により定量される。これらのうち、化学発光量測定法が好ましく(すなわち、本発明の試薬キットを用いてヒアルロン酸を定量する方法としては化学発光酵素免疫測定法が好ましい。)、さらに好ましくはペルオキシダーゼとルミノール/過酸化物との組合せ又はアルカリフォスファターゼとAMPPDとの組み合わせによる化学発光量測定法である。
ルミノールとしては、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩等が含まれる。これらの金属塩としては、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)塩及びアルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩等が使用できる。これらのうち、ルミノール及びルミノールの金属塩が好ましく、さらに好ましくはルミノールの金属塩、特に好ましくはルミノールのナトリウム塩である。過酸化物としては、無機過酸化物及び有機過酸化物のいずれも使用できる。無機過酸化物としては、過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化酸、過酸化炭酸、過酸化二炭酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸カリウム、亜塩素酸、塩素酸、塩素酸ナトリウム、過塩素酸、過臭素酸、ペルオクソ硫酸及びペルオクソリン酸等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、過酢酸、過プロピオン酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリエチルアミンオキサイド、メチルジエチルアミンオキサイド及び過酸化フタロイル等が挙げられる。これらのうち、保存安定性等の観点から、無機過酸化物が好ましく、さらに好ましくは過酸化水素である。
本発明の試薬キットを用いたヒアルロン酸の定量する方法(サンドイッチ測定法)の具体例(工程1〜6)を以下に示す。
工程1.検体と、抗ヒアルロン酸抗体の結合した水不溶性担体とを反応させて反応混合物(複合体1を含む)を得る。
工程2.工程1の反応混合物から未反応物を除き(B/F分離)、複合体1を得る。
工程3.工程2で得られた複合体1と、標識化合物で標識された配位子(B)とを反応させて反応混合物(複合体2を含む)を得る。
工程4.工程3反応混合物から未反応物を除き(B/F分離)、複合体2を得る。
工程5.複合体2の標識化合物の量を測定する。
工程6.標識化合物の量を用いて、別途作成した検量線からヒアルロン酸の量を算出する。
同様に、配位子(B)がヒアルロン酸そのものの場合、本発明の試薬キットを用いたヒアルロン酸の定量する方法(競合測定法)の具体例となる。
次に、本発明のホモジニアスな測定に適用した実施形態を例示する。一定量の抗ヒアルロン酸抗体を添加した緩衝液を作成する。抗ヒアルロン酸抗体の添加量は、測定条件及び測定対象であるヒアルロン酸の濃度範囲により種々の値をとり得るが、緩衝液の容量に基づいて通常0.1〜100mg/Lの濃度である。抗ヒアルロン酸抗体を含む緩衝液の一定量と検体の一定量を混合し反応を行い、比濁法又は比朧法により定量する。比濁法の場合、反応にともない濁度の変化を分光光度計又は光電比色計で計測する。比朧法の場合、ネフェロメーターで反応にともない生じる散乱光の変化を計測する。比濁法及び比朧法ともに測定できる濃度範囲が狭く、通常高濃度(0.2mg/L以上)のヒアルロン酸を含む検体に適用される。
比濁法に用いる抗ヒアルロン酸抗体を、ラテックスなどの微粒子に結合した形態で使用することができる。ラテックス粒子と抗ヒアルロン酸抗体の結合は、前記の物理吸着法で行うことができる。ラテックスに結合した抗ヒアルロン酸抗体と検体とを緩衝液中で反応させ、濁度の変化を分光光度計又光電比色計を用いて近赤外線(通常940nm)で計測する。この方法は、ラテックスを用いない比濁法より測定可能な濃度範囲が広くなり、0.1mg/L以上の濃度範囲の測定に適用できる。
本発明のヒアルロン酸測定用キットは、すべての分子量のヒアルロン酸を簡便かつ精度良く測定し得るので、疾患診断及び治療効果の判断等に最適である。ヒアルロン酸は生体内において、硝子体、関節液及び皮膚等に広範囲に分布している。肝臓疾患、癌及び関節リウマチ等の疾患においては病変部に存在する高分子量(粘度平均分子量2万〜200万)のヒアルロン酸が滲出又は分解し、血液及び尿等の体液中のヒアルロン酸量が増加することが知られている[例えば、ヘパトロジー(Hepatology),5,638−642,1985、肝臓,32(8),767−774,1991、臨床病理,36(5),536−540,1991等]。特に血液中の高分子量のヒアルロン酸量は、関節リュウマチ、癌及び肝疾患等の病態と良く相関することが知られている。例えば、慢性関節リュウマチの場合、血清中濃度は、健常人では50ng/mL以下、非活動性の慢性リウマチ患者では50〜200ng/mL、活動性の慢性リウマチ患者では200ng/mL以上の値をとる。肝疾患の場合もほぼ同様で、健常人では50ng/mL以下、慢性肝炎患者では50〜200ng/mL、肝硬変患者では200ng/mL以上の値をとる。以上の通り、血液中の高分子量のヒアルロン酸を測定することにより、これらの疾患の診断あるいは治療効果の判断等に適用できる。
従来、高分子ヒアルロン酸の臨床での測定は、ヒアルロン酸結合性蛋白を用いたリガンド測定がほぼ独占的に行われていた。この方法では、試薬製造に際し、生体の軟骨等からヒアルロン酸結合性蛋白を精製することが必要であり、ヒアルロン酸結合性蛋白の品質及び試薬品質の安定化に工夫が必要であった。本発明の抗ヒアルロン酸抗体を使用することにより、ヒアルロン酸の新しい測定法及び安定な品質の試薬キットを提供することが可能となった。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体1の作成
1.免疫用抗原の調製
コンプリートフロイントアジュバント(ディフコ社製)1重量部と0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部をホモジナイザーで混合、乳化した。この乳化液1重量部にヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社製]4/1000重量部を攪拌棒で混合し、免疫用抗原エマルション1とした。なお、免疫用抗原エマルション1を37℃、静置状態で1時間、8時間又は24時間放置した後、エマルション1の1gに対して10mLのアセトンを加え、析出したヒアルロン酸の形状を肉眼で観察した。ヒアルロン酸ナトリウム水溶液(上記ヒアルロン酸ナトリウムを脱イオン水1mL当たり0.1mg加え溶解したもの)を同様に析出した場合、綿状沈殿が析出するが、本エマルションではいずれの時間でも、綿状沈殿は認められず砂状粒子が確認された。すなわち、ヒアルロン酸ナトリウム塩は乳化液には溶解せず、固体状で存在していることが裏付けられた。ただし、24時間放置では砂状粒子の表面に僅かに綿状沈殿が確認され、粒子表面が徐々に溶解していることが確認された。
2.マウスへの免疫
免疫抗原エマルション1を得た後、直ちに免疫用抗原エマルション1の0.2g(ヒアルロン酸ナトリウム:0.8mg)をマウス(Balb/c)3頭それぞれの腹腔内に投与した。そして1ヶ月間隔で3回同様に投与した(合計4回投与)。なお、免疫抗原エマルション1は、保存せず、それぞれ免疫直前に調整した。最初の免疫から5ヶ月後にマウスの尾静脈より血液をマウス1匹当たり0.1mL採取した。3匹の血液を混合(0.3mL)した後、遠心分離し、0.15mLの抗血清1を得た。
3.抗ヒアルロン酸抗体の精製
0.15mLの抗血清1をリン酸緩衝液(pH8.0、0.0125M)で平衡化したDEAE−セルロースカラム(体積2mL)に通し、通過液を精製された抗体を含む画分として分取した。この液を蛋白濃度10μg/mLの濃度となるようリン酸緩衝液(pH7.0、0.0125M)で希釈し、抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体1を含む緩衝液を得た。
<実施例2>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体2の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、乳化液1重量部にヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来)[生化学工業株式会社製]6/1000重量部を混合した免疫用抗原エマルション2を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体2を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にして免疫用抗原エマルション2中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例3>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体3の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、乳化液1重量部にヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来)[生化学工業株式会社製]10/1000重量部を混合した免疫用抗原エマルション3を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体3を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にして免疫用抗原エマルション3中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例4>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体4の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、乳化液1重量部にヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来)[生化学工業株式会社製]20/1000重量部を混合した免疫用抗原エマルション4を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体4を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にして免疫用抗原エマルション4中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<比較例1>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体5の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来)[生化学工業株式会社製]の1/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション5を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体5を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にしてエマルション5中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<比較例2>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体6の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来)[生化学工業株式会社製]の2/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション6を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体6を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にしてエマルション6中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<比較例3>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体7の作成
特許文献1に記載の実施例と同様の方法で低分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩を調製した。すなわち実施例1で用いたヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来、粘度平均分子量100万)0.1gを10ml酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)に溶解した。続いて終濃度が60U/mlとなるように牛睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製)を加えて、37℃で一晩消化させた。100℃で、10分間加熱して酵素を失活させた後、遠心分離により沈殿を除去した。次に1%(w/v)の濃度となるように酢酸ナトリウム(結晶)を加えてヒアルロン酸ナトリウム溶液を得た後、アセトン沈殿法により低分子量のヒアルロン酸ナトリウムを分別沈殿させた。すなわち、ヒアルロン酸ナトリウム溶液へ撹拌しながらアセトンを徐々に滴下し、沈殿1が生じたところで、沈殿1を遠心分離除去した。沈殿1を除去した上清にさらにアセトンを徐々に滴下し沈殿2を生じさせた。沈殿2の増加が認められなくなるまでアセトンを滴下した後、沈殿2を遠心分離した。沈殿2をアセトン洗浄後、真空乾燥することにより、白色粉末の低分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩を得た。このヒアルロン酸ナトリウム塩の粘度平均分子量は5500であった。
免疫用抗原エマルション1に代えて、低分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩の4/1000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション7を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体7を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にしてエマルション7中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<比較例4>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体8の作成
特許文献1に記載の実施例と同様の方法で低分子量のヒアルロン酸とヘモシアニンとの結合体を調製した。すなわち、比較例3で得た低分子量のヒアルロン酸・ナトリウム塩15mgを0.5mlの50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)に溶解後、1.0mgの水素化ホウ素ナトリウムを加えて室温(25〜30℃)で6時間反応させることにより、還元末端のN−アセチル−D−グルコサミン構造(GlcNAc)を糖アルコールとした。ついで、50mlのアセトンを加えることにより過剰の水素化ホウ素ナトリウムを室温(15〜25℃)で分解させると同時にヒアルロン酸糖アルコールを沈殿させた。このヒアルロン酸糖アルコールを比較例3と同様にしてアセトン沈殿法により分別沈澱させ、白色粉末のヒアルロン酸糖アルコールを得た。
得られたヒアルロン酸糖アルコール10mgを0.5mlのイミダゾール緩衝液(pH6.5)に溶解した後、3.0mgの過ヨウ素酸ナトリウムを加え0℃で1時間反応させることにより、安定なヒアルロン酸アルデヒドを得た。ヒアルロン酸アルデヒドは、エタノール沈殿法により分別沈澱させた。すなわちヒアルロン酸アルデヒドを含む溶液へ撹拌しながらエタノールを徐々に滴下し、沈殿1が生じたところで、沈殿1を遠心分離除去した。沈殿1を除去した上清にさらにエタノールを徐々に滴下し沈殿2を生じさせた。沈殿2の増加が認められなくなるまでエタノールを滴下した後、沈殿2を遠心分離した。沈殿2をエタノール洗浄後、真空乾燥することにより白色粉末のヒアルロン酸アルデヒドを得た。
上記方法により得られたヒアルロン酸アルデヒド1.0mg及びヘモシアニン10mg(Keyhole Limpets由来、シグマ社製)を0.4mlの蒸留水に溶解させ、室温(25〜30℃)で30分間撹拌させることによりシッフ塩基を形成させた。続いて、20mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えて室温(25〜30℃)で7時間撹拌後、5.0mgの水素化ホウ素ナトリウムを加え、一晩2〜10℃の温度下で撹拌することにより、シッフ塩基を還元した。この反応液へ撹拌しながらアセトンを徐々に滴下し、沈殿1が生じたところで、沈殿1を遠心分離除去した。沈殿除去した上清に、さらにアセトンを徐々に滴下し沈殿2を生じさせた。沈殿2の増加が認められなくなるまでアセトンを滴下した後、沈殿2を遠心分離し、低分子量のヒアルロン酸とヘモシアニンとが化学結合したヘモシアニン結合ヒアルロン酸ナトリウム塩を得た(淡赤色の粉末)。
免疫用抗原エマルション1に代えて、ヘモシアニン結合ヒアルロン酸ナトリウム塩の4/1000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション8を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体8を含む緩衝液を得た。実施例1と同様にしてエマルション8中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<抗体価の評価>
1)測定用試薬の調製
ヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量100万、ヒト臍帯由来、生化学工業株式会社製)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)に20μg/mLの濃度に溶解し、この溶液500mLに直径6.35mmポリスチレンビーズ(商品名:イムノビーズ、イムノケミカル社製)500個を浸漬し、2〜10℃で10時間放置した。その後、溶液をアスピレーターで吸引除去し、ポリスチレンビーズを0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)に浸漬して、ヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(A)とした。作成したヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(A)は使用時まで4〜10℃で保存した。
2)標識抗マウスIgG抗体液の調製
ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgGウサギ抗体(ダコ社製、商品コードP160)を0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH6.0)で2000倍に希釈し、標識抗体液とした。使用時まで−20℃で凍結保存した。
3)発色液の調製
0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.8)100mLにo−フェニレンジアミン300mg及び30重量%過酸化水素水70μLを加え溶解し、発色液を調製した。使用時まで遮光冷蔵保存した(作成当日のみ使用可能)。
4)測定操作
試験管(内径1.2cm、長さ10cm)にヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(A)1個、1重量%ウシ血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)300μL及び測定用サンプル(抗ヒアルロン酸抗体を含む緩衝液)50μLを加え、37℃、4時間静置下で反応させた。反応液をアスピレーターで吸引除去し、0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1mLを加えた後、塩化ナトリウム水溶液をアスピレーターで吸引除去することによりビーズを洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、標識抗体液300μLを加え、37℃、1時間静置下で反応させた。上述と同様にビーズの洗浄を3回行った後、発色液500μLを加え、37℃、30分間静置下で反応させた。1.5N硫酸1mLを加えて反応を停止させ、測定波長492nmで吸光度(光路長10mm)を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体1〜8をそれぞれ含む緩衝液を測定サンプルとして抗体価を評価し、その結果を表1に示した。尚、測定ブランクは非免疫マウス(正常マウス)から同様に得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を10μg/mLに希釈したものを使用した。
表1から、実施例1〜4の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体は、比較例1〜4の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体より明らかに抗体価(活性)が高いことが判る。
<実施例5>抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の作成
1.ハイブリドーマの作成
実施例4で免疫したマウス3頭から脾臓を摘出し、以下の通り常法に従い抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を作成した。尚、以下の操作は1匹毎に実施した。脾臓から脾臓細胞を採取し、RPMI1640培地で洗浄した後、脾臓細胞全量を2×107個のミエローマ細胞(P3−NS1/1−Ag4.1)と混ぜ、37℃の42.5重量%(培地の重量に対する濃度)のポリエチレングリコール4000[数平均分子量4000、(株)ナカライテスクより入手]及び7.5重量%(培地の重量に対する濃度)のジメチルスルフォキシドを含むRPMI1640培地1mL中で1分間融合させた。1分後にその細胞懸濁液をRPMI1640培地5mLで徐々に希釈した。その細胞を遠心分離し、洗浄した後、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、10重量%牛胎児血清を含むRPMI1640培地)を20mLになるように加えて、96ウエルマイクロプレートに0.2mLずつ分注して2週間培養した後、細胞が増殖したウエル中の培養上清の抗体価を測定した。抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施した。尚、測定サンプルとしては培養上清を直接用いた。
次に、ブランクの吸光度の5倍以上の吸光度を示したウエルを、抗体価の認められたウエルとし、そのウエルの細胞を限界希釈法によりクローン化した。3匹のマウスのうち、2匹から各1つづつのハイブリドーマ、すなわち抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを2つ得た。残り1匹から抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは得られなかった。
2.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体の精製
2個のハイブリドーマのうち一つを無血清培地(ASF培地104,味の素株式会社より入手)1Lで1週間培養し、培養上清を限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)で100分の1容量にそれぞれ濃縮した。これらの濃縮液を0.85重量%塩化ナトリウム含有0.02Mリン酸緩衝液pH7.0を移動相としてゲル濾過カラム(スーパーデックス200プレップカラム,ファルマシア製)にかけ、各フラクションにそれぞれ分画した。各フラクションの抗体価を測定し、ブランクの吸光度の3倍以上の吸光度を示したフラクションをプールした。尚、抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施し、測定には各フラクションを直接用いた。プールしたフラクションを限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)でタンパク濃度1mg/mLとなるよう濃縮し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS1の緩衝溶液を得た。また、2個のハイブリドーマのうち他一つについて、同様にして精製して、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体HAS2の緩衝溶液を得た。
3.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS1及びHAS2の反応性確認
表2に記載のヒアルロン酸を用いて作成したヒアルロン酸結合ビーズを使用した以外、抗ヒアルロン酸ポリクロナールの評価と同様にして、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の抗体価を評価した。これらの結果を表2に示す。ただし、測定は抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)で10μg/mLに希釈したものを用いた。また、対照として免疫していないマウスの血清より精製した抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を同様に試験した。なお、表2中の粘度平均分子量18万のヒアルロン酸ナトリウム塩は、ヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量100万、ヒト臍帯由来、生化学工業株式会社製)の1mg/mL水溶液を超音波分散機(株式会社テラオカ製、型番UH−50)で分子量が18万となるまで超音波処理することにより調製した。
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HA1及びHA2はいずれも高分子量のヒアルロン酸と結合することが判った。又、低分子量のヒアルロン酸に対しては、高分子量のヒアルロン酸より相対的に結合は弱いが、明らかに結合するることが判った。
<実施例6>試薬キット1
次の様にして、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)、緩衝溶液(第1液)、酸化剤溶液(第2液)並びに標準ヒアルロン酸ナトリウム塩溶液0,10,100及び1000から構成される試薬キット1を調整した。
1)抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体結合ビーズ(HASB1)の調製
実施例5で得た抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS1の緩衝溶液をpH9の0.1M炭酸緩衝液にHAS1の濃度が20μg/mLとなるように加えた。この溶液50mLに直径3.2mmのポリスチレンビーズ(イムノケミカル(株)製)2,000個を加え、48時間静置させて、ポリスチレンビーズに抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体HAS1を物理吸着させた。その後、緩衝溶液をアスピレーターで吸引除去し、50mLの0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液でビーズを2回洗浄し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を調製した。この抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を再度50mLの0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液に浸漬し、浸漬状態で冷蔵(2〜10℃)保存した。
2)ペルオキシダーゼ標識体の調製
西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(東洋紡製)にジャーナルオブモレキュラアンドセルイムノロジー(J.Mol.Cell.Immunol)2,191(1986)に記載の方法で、N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート{N-Succinimidyl3-(2-pyridyldithio)propionate}[商品名:SPDP、同仁化学(株)製]を反応させ、メルカプト基を導入した。メルカプト基導入ペルオキシダーゼと抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(HAS1)をジャーナルオブバイオケミストリー(J.Biochem),92,1413(1982)に記載の方法で、二架橋性試薬N−(4−マレイミドブチリルオキシ)サクシニイミド{N-(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide}[GMBS、同仁化学製]で結合し、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)を調製し、冷凍(−30℃)保存した。
3)緩衝溶液(第1液)の調製
市販ルミノールナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.18gと、4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gとを、0.1M−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5)1Lに溶解して、緩衝溶液(第1液)を調製し、測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
4)酸化剤溶液(第2液)の調製
200μlの35重量%過酸化水素水を脱イオン水1リットルに溶解して、酸化剤溶液(第2液)を調製し、測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
5)ヒアルロン酸ナトリウム塩標準溶液の調製
ヒアルロン酸・ナトリウム塩(粘度平均分子量100万、ヒト臍帯由来、生化学工業株式会社製)を0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液に0,10,100,1000ng/mLの濃度となるようにそれぞれ溶解し、ヒアルロン酸ナトリウム塩標準溶液0,10,100,1000をそれぞれ調製した。
<実施例7>試薬キット2
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)に代えて、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS2)を用いた以外実施例6と同様にして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS2)を調整した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をこのペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS2)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット2を調整した。
<実施例8>試薬キット3
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(HAS1)の代えて、ヒアルロン酸結合性蛋白(HABP;生化学工業(株)製、プロテオグリカン及びリンクプロティンを含んでいる)を用いた以外は、実施例6と同様にしてペルオキシダーゼ標識ヒアルロン酸結合性蛋白(PHABP)を調製した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をペルオキシダーゼ標識ヒアルロン酸結合性蛋白(PHABP)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット3を調整した。
<実施例9>試薬キット4
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)の代えて、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(HAS2)を使用する以外は実施例6と同様にして抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体結合ビーズ(HASB2)を調整した。そして、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体結合ビーズ(HASB2)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット4を調整した。
<実施例10>試薬キット5
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を実施例9と同様にして得た抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体結合ビーズ(HASB2)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)を実施例7と同様にして得たペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS2)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット5を調整した。
<実施例11>試薬キット6
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を実施例9と同様にして得た抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体結合ビーズ(HASB2)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)を実施例8と同様にして得たペルオキシダーゼ標識ヒアルロン酸蛋白(PHABP)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット6を調整した。
<実施例12>試薬キット7
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)の代わりに、ヒアルロン酸結合性蛋白(HABP;生化学工業(株)製)を使用する以外は実施例6と同様にしてヒアルロン酸結合性蛋白結合ビーズ(HABPB)を調整した。抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)をヒアルロン酸結合性蛋白結合ビーズ(HABPB)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット7を調整した。
<実施例13>試薬キット8
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を実施例12と同様にして得たヒアルロン酸結合性蛋白結合ビーズ(HABPB)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)を実施例7と同様にして得たペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(PHAS2)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット8を調整した。
<比較例5>試薬キット9
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB1)を実施例12と同様にして得たヒアルロン酸結合性蛋白結合ビーズ(HABPB)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)を実施例8と同様にして得たペルオキシダーゼ標識ヒアルロン酸結合性蛋白(PHABP)に代えた以外は実施例6と同様にして比較の試薬キット9を調整した。
<キットによるヒアルロン酸の定量>
試験管(内径1.0cm、長さ8.5cm)中で、ヒアルロン酸ナトリウム塩標準溶液0の50μLと、1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液300μLと、試薬キット中のビーズ1個とを37℃で、1時間静置下で反応させた。反応液をアスピレータで除去した後、生理食塩水を加てビーズを洗浄し、洗浄液をアスピレーターで除去した。次に、試薬キット中のペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸抗体(又はペルオキシターゼ標識ヒアルロン酸結合性蛋白)を1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液で蛋白濃度として1μg/mLの濃度に希釈し、標識体希釈液を調製した。この標識体希釈液300μLを、洗浄後のビーズに加え37℃、1時間静置下で反応させた。反応液をアスピレーターで除去し、生理食塩水を加えビーズを洗浄し、洗浄液をアスピレーターで除去した。洗浄後のビーズについて、酵素活性の測定を次の通り行った。
洗浄後のビーズが入った試験管をアロカ社製ルミネッセンスリーダーBLR−201型のサンプルホルダーにセットし、試薬キット中の緩衝溶液(第1液)200μL及び酸化剤溶液(第2液)200μLを加え化学発光反応を開始した。
化学発光反応の開始40秒後から10秒間の発光量(10秒間の積算値、酵素活性)を計測した。ヒアルロン酸ナトリウム塩標準溶液10、100及び1000についても同様にして発光量を測定した。実施例6〜13及び比較例5の試薬キット1〜9について発光量を測定した結果を表3に示す。
なお、表3中のカッコ内の数値はS/N比(各発光量を0ng/mLの発光量で除した値)である。
本発明の試薬キット1〜8は、比較の試薬キット9よりS/N比が高く、高感度の測定が可能なことが判った。特に同一の抗体を用いたサンドイッチ測定の試薬キット5はきわめて高感度の測定が可能であった。また、表3の結果からビーズ又は標識体にHABPを用いた場合、0ng/mLの発光量が高いことが判る。これは非特異的反応が大きいことを意味している。従って、例えばHASB2とHABPBを競合法に適用した場合、HASB2では標識ヒアルロン酸(例えば比較例4で作成したヒアルロン酸アルデヒドとペルオキシダーゼを反応させ、結合したもの)の非特異的吸着が少なく、HABPBでは多いと考えられる。非特異的吸着の多い試薬キットは競合法でも測定感度が低く、非特異的吸着の少ない試薬キットは競合法でも測定感度が高いと考えられるため、本発明の試薬キットは競合法でも高感度な測定が期待できる。
<実施例14>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体9の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]をヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体9を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ、形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例15>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体10の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部をヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]6/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体10を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ、形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例16>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体11の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部をヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]10/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体11を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ、形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例17>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体12の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部をヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]20/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体12を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ、形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<比較例6>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体13の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、ヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]の1/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション13を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体13を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、エマルション13中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<比較例7>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体14の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、ヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子)[協和発酵株式会社製]の2/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション14を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体14を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、エマルション14中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<抗体価の評価>
1)測定用試薬の調製
ヒアルロン酸ナトリウム塩(微生物由来、粘度平均分子量200万、砂状粒子、協和発酵株式会社製)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)に20μg/mLの濃度に溶解し、この溶液500mLに直径6.35mmポリスチレンビーズ(商品名:イムノビーズ、イムノケミカル社製)500個を浸漬し、2〜10℃で10時間放置した。その後、溶液をアスピレーターで吸引除去し、ポリスチレンビーズを0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)に浸漬して、ヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(B)とした。作成したヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(B)は使用時まで4〜10℃で保存した。
2)測定操作
試験管(内径1.2cm、長さ10cm)にヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(B)1個、1重量%ウシ血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)300μL及び測定用サンプル(抗ヒアルロン酸抗体を含む緩衝液)50μLを加え、37℃、4時間静置下で反応させた。反応液をアスピレーターで吸引除去し、0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1mLを加えた後、塩化ナトリウム水溶液をアスピレーターで吸引除去することによりビーズを洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、標識抗体液300μLを加え、37℃、1時間静置下で反応させた。上述と同様にビーズの洗浄を3回行った後、発色液500μLを加え、37℃、30分間静置下で反応させた。1.5N硫酸1mLを加えて反応を停止させ、測定波長492nmで吸光度(光路長10mm)を測定した。なお、標準抗体液及び発色液は上記と同じものを用いた。
実施例14〜17及び比較例6〜7で得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体9〜14をそれぞれ含む緩衝液を測定サンプルとして抗体価を評価し、その結果を表4に示した。尚、測定ブランクは非免疫マウス(正常マウス)から同様に得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を10μg/mLに希釈したものを使用した。
表4から、実施例14〜17の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体は、比較例6〜7の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体より明らかに抗体価(活性)が高いことが判る。
<粘度平均分子量18万のヒアルロン酸ナトリウム塩の作製>
ヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量100万、ヒト臍帯由来、生化学工業株式会社製)の1mg/mL水溶液を超音波分散機(株式会社テラオカ製、型番UH−50)で粘度平均分子量が18万となるまで超音波処理することにより調製した。次に粘度平均分子量が18万のヒアルロン酸ナトリウム塩の水溶液を凍結乾燥機にて乾燥することにより、固体のヒアルロン酸ナトリウム塩(砂状粒子)を調製した。
<実施例18>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体15の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]を超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万、砂状粒子)に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体15を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ、形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例19>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体16の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部を超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)6/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体16を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例20>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体17の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部を超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)10/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体17を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例21>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体18の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(人臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社]4/1000重量部を超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)20/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体18を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<比較例8>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体19の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)の1/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション19を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体19を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にしてエマルション19中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<比較例9>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体20の作成
免疫用抗原エマルション1に代えて、超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)の2/10000重量部を0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1重量部に加え、攪拌して溶解した溶液1重量部とコンプリートフロイントアジュバント1重量部を混合・乳化して調整した免疫用抗原エマルション20を用いた以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体6を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にしてエマルション20中のヒアルロン酸の形状を確認したところ、綿状沈殿の析出のみが認められ、ヒアルロン酸ナトリウム塩が乳化液に溶解していたことが裏付けられた。
<抗体価の評価>
1)測定用試薬の調製
超音波処理したヒアルロン酸ナトリウム塩(粘度平均分子量18万)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)に20μg/mLの濃度に溶解し、この溶液500mLに直径6.35mmポリスチレンビーズ(商品名:イムノビーズ、イムノケミカル社製)500個を浸漬し、2〜10℃で10時間放置した。その後、溶液をアスピレーターで吸引除去し、ポリスチレンビーズを0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)に浸漬して、ヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(C)とした。作成したヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(C)は使用時まで4〜10℃で保存した。
2)測定操作
試験管(内径1.2cm、長さ10cm)にヒアルロン酸ナトリウム塩結合ビーズ(C)1個、1重量%ウシ血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)300μL及び測定用サンプル(抗ヒアルロン酸抗体を含む緩衝液)50μLを加え、37℃、4時間静置下で反応させた。反応液をアスピレーターで吸引除去し、0.85重量%塩化ナトリウム水溶液1mLを加えた後、塩化ナトリウム水溶液をアスピレーターで吸引除去することによりビーズを洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、標識抗体液300μLを加え、37℃、1時間静置下で反応させた。上述と同様にビーズの洗浄を3回行った後、発色液500μLを加え、37℃、30分間静置下で反応させた。1.5N硫酸1mLを加えて反応を停止させ、測定波長492nmで吸光度(光路長10mm)を測定した。
実施例18〜21及び比較例8〜9で得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体15〜20をそれぞれ含む緩衝液を測定サンプルとして抗体価を評価し、その結果を表5に示した。尚、測定ブランクは非免疫マウス(正常マウス)から同様に得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を10μg/mLに希釈したものを使用した。
表5から、実施例18〜21の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体は、比較例8〜9の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体より明らかに抗体価(活性)が高いことが判る。
<実施例22>抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の作成
1.ハイブリドーマの作成
実施例17で免疫したマウス1頭及び実施例21で免疫したマウス1頭からそれぞれ脾臓を摘出し、以下の通り常法に従い抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を作成した。尚、以下の操作は1匹毎に実施した。脾臓から脾臓細胞を採取し、RPMI1640培地で洗浄した後、脾臓細胞全量を2×107個のミエローマ細胞(P3−NS1/1−Ag4.1)と混ぜ、37℃の42.5重量%(培地の重量に対する濃度)のポリエチレングリコール4000[数平均分子量4000、(株)ナカライテスクより入手]及び7.5重量%(培地の重量に対する濃度)のジメチルスルフォキシドを含むRPMI1640培地1mL中で1分間融合させた。1分後にその細胞懸濁液をRPMI1640培地5mLで徐々に希釈した。その細胞を遠心分離し、洗浄した後、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、10重量%牛胎児血清を含むRPMI1640培地)を20mLになるように加えて、96ウエルマイクロプレートに0.2mLずつ分注して2週間培養した後、細胞が増殖したウエル中の培養上清の抗体価を測定した。抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施した。尚、測定サンプルとしては培養上清を直接用いた。
次に、ブランクの吸光度の5倍以上の吸光度を示したウエルを、抗体価の認められたウエルとし、そのウエルの細胞を限界希釈法によりクローン化した。実施例17及び実施例21で免疫した各マウス1頭から各1つずつのハイブリドーマ(17及び21)、すなわち抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(17及び21)を2個得た。
2.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体の精製
実施例17で免疫して得られたハイブリドーマ(17)を無血清培地ASF培地104,味の素株式会社より入手)1Lで1週間培養し、培養上清を限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)で100分の1容量にそれぞれ濃縮した。これらの濃縮液を0.85重量%塩化ナトリウム含有0.02Mリン酸緩衝液pH7.0を移動相としてゲル濾過カラム(スーパーデックス200プレップカラム,ファルマシア製)にかけ、各フラクションにそれぞれ分画した。各フラクションの抗体価を測定し、ブランクの吸光度の3倍以上の吸光度を示したフラクションをプールした。尚、抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施し、測定には各フラクションを直接用いた。プールしたフラクションを限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)でタンパク濃度1mg/mLとなるよう濃縮し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS3の緩衝溶液を得た。
また、実施例21で免疫して得られたハイブリドーマ(21)についても、同様にして精製し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS4の緩衝液を得た。
3.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS3、HAS4の反応性確認
表5に記載のヒアルロン酸を用いて作成したヒアルロン酸結合ビーズを使用した以外、抗ヒアルロン酸ポリクロナールの評価と同様にして、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の抗体価を評価した。これらの結果を表6に示す。ただし、測定は抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)で10μg/mLに希釈したものを用いた。また、対照として免疫していないマウスの血清より精製した抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を同様に試験した。
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS3及びHAS4はいずれも高分子量のヒアルロン酸と結合することが判った。又、低分子量のヒアルロン酸に対しては、高分子量のヒアルロン酸より相対的に結合は弱いが、明らかに結合するることが判った。
<実施例23>試薬キット10
次の様にして、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体結合ビーズ(HASB3)、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS3)、緩衝溶液(第1液)、酸化剤溶液(第2液)並びに標準ヒアルロン酸ナトリウム塩溶液0,10,100及び1000から構成される試薬キットを調整した。
すなわち、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)に代えて、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS3)を用いた以外実施例6と同様にして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS3)を調整した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をこのペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS3)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット10を調整した。
<実施例24>試薬キット11
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)に代えて、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS4)を用いた以外実施例6と同様にして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS4)を調整した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をこのペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS4)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット11を調整した。
<キットによるヒアルロン酸の定量>
実施例6〜13及び比較例5の試薬キット1〜9についての発光量の測定と同様にして、実施例23及び24の試薬キット10及び11について発光量を測定し、その結果を表7に示す。

なお、表7中のカッコ内の数値はS/N比(各発光量を0ng/mLの発光量で除した値)である。
本発明の試薬キット10、11は、比較の試薬キット9よりS/N比が高く、高感度の測定が可能なことが判った。
<実施例25>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体21の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来、粘度平均分子量100万、砂状粒子)[生化学工業株式会社製]4/1000重量部を2/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体21を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<実施例26>抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体22の作成
ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒト臍帯由来、粘度平均分子量100万)[生化学工業株式会社製]4/100重量部を100/1000重量部に変更した以外、実施例1と同様にして抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体22を含む緩衝液を得た。なお、実施例1と同様にして、免疫用抗原エマルションからヒアルロン酸を析出させ形状を確認したところ、実施例1と同様の結果であった。
<抗体価の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体1〜8をそれぞれ含む緩衝液についての抗体価の評価と同様にして、実施例25又は26で得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体21又は22をそれぞれ含む緩衝液を測定サンプルとして抗体価を評価し、その結果を表8に示した。尚、測定ブランクは非免疫マウス(正常マウス)から同様に得た抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を10μg/mLに希釈したものを使用した。
表8から、実施例25及び26の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体21及び22は、比較例1及び2の抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体5及び6より明らかに抗体価(活性)が高いことが判る。
<実施例27>抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の作成
1.ハイブリドーマの作成
実施例25で免疫したマウス1頭及び実施例26で免疫したマウス1頭からそれぞれ脾臓を摘出し、以下の通り常法に従い抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を作成した。尚、以下の操作はマウス1匹毎に実施した。脾臓から脾臓細胞を採取し、RPMI1640培地で洗浄した後、脾臓細胞全量を2×107個のミエローマ細胞(P3−NS1/1−Ag4.1)と混ぜ、37℃の42.5重量%(培地の重量に対する濃度)のポリエチレングリコール4000[数平均分子量4000、(株)ナカライテスクより入手]及び7.5重量%(培地の重量に対する濃度)のジメチルスルフォキシドを含むRPMI1640培地1mL中で1分間融合させた。1分後にその細胞懸濁液をRPMI1640培地5mLで徐々に希釈した。その細胞を遠心分離し、洗浄した後、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、10重量%牛胎児血清を含むRPMI1640培地)を20mLになるように加えて、96ウエルマイクロプレートに0.2mLずつ分注して2週間培養した後、細胞が増殖したウエル中の培養上清の抗体価を測定した。抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施した。尚、測定サンプルとしては培養上清を直接用いた。
次に、ブランクの吸光度の5倍以上の吸光度を示したウエルを、抗体価の認められたウエルとし、そのウエルの細胞を限界希釈法によりクローン化した。実施例25及び実施例26で免疫した各マウス1頭から各1つずつのハイブリドーマ(25及び26)、すなわち抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(25及び26)を2個得た。
2.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体の精製
実施例25で免疫して得られたハイブリドーマ(25)を無血清培地ASF培地104,味の素株式会社より入手)1Lで1週間培養し、培養上清を限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)で100分の1容量にそれぞれ濃縮した。これらの濃縮液を0.85重量%塩化ナトリウム含有0.02Mリン酸緩衝液pH7.0を移動相としてゲル濾過カラム(スーパーデックス200プレップカラム,ファルマシア製)にかけ、各フラクションにそれぞれ分画した。各フラクションの抗体価を測定し、ブランクの吸光度の3倍以上の吸光度を示したフラクションをプールした。尚、抗体価の測定は抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体の評価に準じて実施し、測定には各フラクションを直接用いた。プールしたフラクションを限外ろ過膜(ウルトラフィルターUK−50,東洋濾紙製)でタンパク濃度1mg/mLとなるよう濃縮し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS5の緩衝溶液を得た。
また、実施例26で免疫して得られたハイブリドーマ(26)についても、同様にして精製し、抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS6の緩衝液を得た。
3.抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS5、HAS6の反応性確認
表5に記載のヒアルロン酸を用いて作成したヒアルロン酸結合ビーズを使用した以外、抗ヒアルロン酸ポリクロナールの評価と同様にして、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体の抗体価を評価した。これらの結果を表9に示す。ただし、測定は抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体を1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)で10μg/mLに希釈したものを用いた。また、対照として免疫していないマウスの血清より精製した抗ヒアルロン酸ポリクロナール抗体を同様に試験した。
抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体HAS5及びHAS6はいずれも高分子量のヒアルロン酸と結合することが判った。又、低分子量のヒアルロン酸に対しては、高分子量のヒアルロン酸より相対的に結合は弱いが、明らかに結合するることが判った。
<実施例29>試薬キット12
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)に代えて、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS5)を用いた以外実施例6と同様にして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS5)を調整した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をこのペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS5)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット12を調整した。
<実施例30>試薬キット13
抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS1)に代えて、抗ヒアルロン酸モノクロナール抗体(HAS6)を用いた以外実施例6と同様にして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS6)を調整した。そして、ペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS1)をこのペルオキシダーゼ標識抗ヒアルロン酸モノクローナル抗体(PHAS6)に代えた以外は実施例6と同様にして試薬キット13を調整した。
<キットによるヒアルロン酸の定量>
実施例6〜13及び比較例5の試薬キット1〜9についての発光量の測定と同様にして、実施例29及び30の試薬キット12及び13について発光量を測定し、その結果を表10に示す。
なお、表10中のカッコ内の数値はS/N比(各発光量を0ng/mLの発光量で除した値)である。
本発明の試薬キット12及び13は、比較の試薬キット9よりS/N比が高く、高感度の測定が可能なことが判った。

Claims (12)

  1. 抗原を動物に免疫して製造され得る抗ヒアルロン酸抗体において、抗原が2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)であることを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体。
  2. 抗原の粘度平均分子量が10万〜200万である請求項1に記載の抗ヒアルロン酸抗体。
  3. モノクローナル抗体である請求項1又は2に記載の抗ヒアルロン酸抗体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の抗ヒアルロン酸抗体を含んでなるヒアルロン酸測定用試薬キット。
  5. さらに配位子を含んでなる請求項4に記載の試薬キット。
  6. 抗ヒアルロン酸抗体及び/又は配位子が標識化合物で標識されてなる請求項5に記載の試薬キット。
  7. 抗ヒアルロン酸抗体及び配位子のうち、いずれか一方が水不溶性担体に結合又は吸着されて構成され、他方が標識化合物で標識されてなる請求項5に記載の試薬キット。
  8. 標識化合物が酵素である請求項6又は7に記載の試薬キット。
  9. 2万〜400万の粘度平均分子量を持ち、かつ固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)を動物に免疫する免疫工程を含むことを特徴とする抗ヒアルロン酸抗体の製造法。
  10. 固体状の未修飾ヒアルロン酸(MH)を油中水型エマルジョンに混合した状態で動物に免疫する免疫工程を含む請求項9に記載の製造法。
  11. 請求項4〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸測定用試薬キットを用いて、サンドイッチ法によりヒアルロン酸を定量する方法。
  12. 請求項8に記載の試薬キットを用いて、化学発光酵素免疫測定法によりヒアルロン酸を定量する方法。
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