JP2004204739A - 排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法 Download PDF

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祐之 安井
Kuniyuki Araki
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Abstract

【課題】排ガスから有害物質を加熱することなく除去ことができる排ガス浄化システムである。
【解決手段】排ガス流路3に放電プラズマ反応部4と窒素酸化物還元触媒8とが設けられ、放電プラズマ反応部4にはフィルタ構造体7が設けられる一方、放電プラズマ反応部4には放電プラズマ発生用電源6が接続され、放電プラズマ反応部4に電界を形成するとともに放電プラズマを発生させる。そして、排ガスに含まれる粒子状物質がフィルタ構造体7の粒子状物質捕捉機能と電界の形成に伴う電気集塵的機能により捕捉され、捕捉された粒子状物質が放電プラズマの作用により燃焼処理されてフィルタの機能が再生される。また、排ガスXに含まれる窒素酸化物が酸化される一方、所要の化学種が生成され、生成された化学種および窒素酸化物還元触媒8とにより窒素酸化物を還元分解反応させることにより排ガスに含まれる窒素酸化物を低減させるように構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に使用されるエンジンから排出され、粒子状物質、窒素酸化物等の有害物質を含む排ガスから有害物質を除去して浄化する排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジン等の排ガス発生源から排出された排ガスから粒子状物質(PM;Particulate Matter)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質を浄化するための排ガス浄化装置として以下のものがある。
【0003】
PMを除去するための従来の排ガス浄化装置としては、PMを含む排ガスのガス流路にPMフィルタを設け、このPMフィルタによりPMを捕捉する装置がある。そして、PMフィルタに捕捉されたPMに含まれる炭素等の物質は加熱ヒータにて燃焼除去され、PMフィルタの機能が再生される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、NOxを除去するための従来の排ガス浄化装置としては、NOxを含む排ガスのガス流路にNOxを還元分解する三元触媒を設け、還元分解するように構成された装置がある。この三元触媒には、活性化のためにPt等の貴金属が担持される(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−062558号公報(第3頁−第5頁、図1)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−045701号公報(第3頁−第4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のPMを除去する排ガス浄化装置においては、PMフィルタに捕捉されたPMに含まれる炭素等の物質を酸素との燃焼反応により除去するため、ガスの温度が600℃程度となるように加熱する必要がある。
【0008】
一方、NOxを除去する従来の排ガス浄化装置においては、還元触媒の動作温度は通常300℃以上であり、排ガス温度が300℃以下の温度域では、触媒の活性が低く、十分なNOxの還元による分解ができない。
【0009】
従って、いずれの排ガス浄化装置においても排ガスを加熱するための外部加熱ヒータ源の追設が必要となり、逆に排ガス温度が、低温(特に200℃以下)である場合にはPMあるいはNOxを効率良く除去することができない。
【0010】
さらに、自動車等の車両に使用されるエンジンから排出される排ガスの量や排ガスに含まれるNOxおよびPMの量は走行条件や運転条件に応じて連続的に変動するため、変動に応じて効率的にNOxおよびPMの浄化を行うことが望まれる。
【0011】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、自動車等の車両に使用されるエンジンから運転条件に応じて変動して排出され、粒子状物質、窒素酸化物等の有害物質を含む排ガスから有害物質を加熱することなく低温でより効率的かつ安価に除去し、排ガスを浄化することができる排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る排ガス浄化システムは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、エンジンから排出された排ガスの排ガス流路に放電プラズマ反応部と窒素酸化物還元触媒とが設けられ、前記放電プラズマ反応部には粒子状物質捕捉機能を有するフィルタ構造体が、前記排ガスを通過可能に設けられる一方、前記放電プラズマ反応部には放電プラズマ発生用電源が接続され、この放電プラズマ発生用電源は入力信号に基づいて出力周波数および出力電圧の少なくとも一方を制御して前記放電プラズマ反応部に電界を形成するとともに放電プラズマを発生し、前記排ガスに含まれる粒子状物質が前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能と電界の形成に伴う電気集塵的機能により捕捉され、捕捉された粒子状物質が前記放電プラズマの作用により燃焼処理されて前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能が再生されるとともに、前記排ガスに含まれる窒素酸化物が酸化される一方、所要の化学種が生成され、生成された化学種および前記窒素酸化物還元触媒とにより窒素酸化物を還元分解反応させることにより前記排ガスに含まれる窒素酸化物を低減させるように構成したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る排ガス浄化方法は、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、エンジンから排出された排ガスの排ガス流路に粒子状物質捕捉機能を有するフィルタ構造体と窒素酸化物還元触媒とを設けるステップと、入力信号に基づいて出力周波数および出力電圧の少なくとも一方を制御して前記フィルタ構造体内部に電界を形成するとともに放電プラズマを発生させるステップと、前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能と電界の形成に伴う電気集塵的機能により前記排ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するステップと、捕捉された粒子状物質を前記放電プラズマの作用により燃焼処理して前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能を再生させるステップと、前記放電プラズマの作用により前記排ガスに含まれる窒素酸化物を酸化するとともに所要の化学種を生成するステップと、生成された化学種および前記窒素酸化物還元触媒とにより窒素酸化物を還元分解反応させることにより前記排ガスに含まれる窒素酸化物を低減させるステップとを備えることを特徴とする方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る排ガス浄化システムの実施の形態を示す構成図である。
【0016】
排ガス浄化システム1は、自動車等の動力源に使用されるエンジン2から排出される排ガスXが流れる排ガス流路の一例としての排ガス管3上に上流側から放電プラズマ反応部4とNOx還元触媒部5とを直列に設け、さらに放電プラズマ反応部4に放電プラズマ発生用電源6を接続した構成である。
【0017】
エンジン2の具体例としては、例えば、自動車用エンジン、車両用発電機駆動原動機や船舶推進用原動機等の車載ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジン、車両、船舶、航空機等の移動体に搭載される発電用ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジン、コージェネレーション(熱電供給)システムや発電システムに用いられる定置型ディーゼルエンジンおよびガスエンジン(ガスモータ)が挙げられる。
【0018】
そして、これらのエンジン2に燃料として例えばA重油、C重油等の重油、軽油、ガソリン、都市ガス、メタン、プロパンが使用されて粒子状物質(PM;Particulate Matter)やNOxを含む排ガスXが排出される。
【0019】
また、放電プラズマ反応部4の内部には、フィルタ構造体7が設けられる。このフィルタ構造体7は、その内部を排ガスXが流れることができるように構成され、排ガスXに含まれる有害物質であるPMを捕捉する粒子状物質捕捉機能を有する。
【0020】
フィルタ構造体7の構成例としては、任意形状の単一のフィルタ構造体7の他に、球状、円柱状、円筒状、円盤状等の形状の固体物質であるセラミックペレットを筒状あるいは箱状の容器に複数個充填して開口部を網やフィルタでパッキングした構成、繊維状物質を充填した構成、ハニカム状構造に形成された構成またはモノリス状構造に形成された構造が可能である。
【0021】
一方、放電プラズマ発生用電源6は、入力信号Yに基づいて放電プラズマ反応部4に所要の出力電力を負荷し、放電プラズマ反応部4の内部に電界を形成させるとともに所要の放電電力の放電プラズマを生成させることができる。
【0022】
そして、放電プラズマ反応部4の内部に形成された電界による電気集塵的機能とフィルタ構造体7の粒子状物質捕捉機能により排ガスXに含まれるPMをフィルタ構造体7内に捕捉させることができる。
【0023】
尚、フィルタ構造体7は比誘電率が3以上の誘電体で構成することにより、放電プラズマ反応部4に形成される電界をより強くし、電気集塵的機能とともにPMの捕捉効率を向上させることができる。
【0024】
さらに、放電プラズマ反応部4の内部には放電プラズマによりO、OH、O等の酸化ラジカルが生成され、生成された酸化ラジカルの酸化作用によりフィルタ構造体7内に捕捉されたPMが逐次COに酸化処理されてフィルタ構造体7の粒子状物質捕捉機能が再生されるように構成される。
【0025】
このとき、放電プラズマ反応部4の内部では、排ガスXに含まれるNOxのうちNOがO、OH、O等の酸化ラジカルの作用で酸化されてNOが生成される。一般的には、排ガスXに含まれるNOxのうち90vol%程度がNOである場合が多い。
【0026】
さらに、放電プラズマ反応部4の内部において、排ガスXに含まれる炭化水素が酸化ラジカルの作用で酸化されて部分酸化体[CHO]等の化学種が生成される。これらの化学種は、還元分解触媒が存在すると排ガスXに含まれるNOxと数百度以上の高温のみならず常温程度の低温においても効率的に還元反応してNOxを分解することができる。
【0027】
そこで、放電プラズマ反応部4よりも下流に設けられたNOx還元触媒部5には、放電プラズマ反応部4の内部に生成された化学種に対応したNOxを還元分解する窒素酸化物(NOx)還元触媒8が設けられる。
【0028】
図2は図1に示す排ガス浄化システム1の放電プラズマ反応部4およびNOx還元触媒部5におけるNOxの還元分解を表す図である。
【0029】
排ガスXに含まれるNOxは一般にはNOが90vol%程度を占める。さらに、排ガスXに炭化水素(CxHy)が含まれると、放電プラズマ反応部4における放電プラズマに伴い発生した酸化ラジカルの作用により、NOとCxHyとは酸化されてNOおよび部分酸化体[CHO]等の化学種が生成される。
【0030】
放電プラズマ反応部4において生成された化学種は、NOx還元触媒部5に移動して触媒反応活性種として作用する。NOx還元触媒部5において、NOと[CHO]とから有機ニトロ化合物[CHON]etcが生成される。そして、この[CHON]etcとNOx(NO/NO)とが反応して、N、COxおよびHOが生成されてNOxは還元分解される。
【0031】
NOxの還元分解触媒としては、例えばNOの副生を伴わないγ−アルミナが挙げられる。NOxの還元分解触媒として従来使用されるPt等の貴金属を担持させた三元触媒を用いるとNOxの分解において有害なNOが発生するが、γ−アルミナを使用すると、このNOの発生量を低減させることができる。
【0032】
次に、排ガス浄化システム1の放電プラズマ反応部4および放電プラズマ発生用電源6の詳細構成について説明する。
【0033】
図3は、図1に示す放電プラズマ反応部4と放電プラズマ発生用電源6の詳細構成の一例を示す図である。
【0034】
排ガスXが流れる管状の排ガス管3上には、放電プラズマ反応部4が設けられる。さらに、放電プラズマ反応部4は、例えば筒状の筒状電極10内部にブロック形状のフィルタ構造体7が設けられる一方、筒状電極10の側面には絶縁材で構成されるコネクタ11が設けられて構成される。さらに、フィルタ構造体7の内部には放電プラズマ反応部4の長手方向を向く柱状の電極棒12が設けられる。
【0035】
そして、放電プラズマ発生用電源6の一方の極、例えば高電圧極側は電気ケーブル13を介してコネクタ11に接続される。さらに、コネクタ11とフィルタ構造体7の内部の電極棒12とが電気ケーブル13を介して接続される。
【0036】
また、放電プラズマ発生用電源6の他方の極、例えば接地極側は電気ケーブル13を介して放電プラズマ反応部4の筒状電極10に接続されるとともに接地される。すなわち、筒状電極10は接地電極として機能する。
【0037】
放電プラズマ発生用電源6としては、例えば電源の一次側の入力として、AC100V、200V、400Vでφ50Hz、60Hzの交流電源あるいはDC12V、24Vのバッテリ等の直流電源が使用され、例えば電源の二次側の出力電圧として、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性)、交流状(正弦波、断続正弦波)の出力電圧のものが使用される。
【0038】
図4は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6により放電プラズマ反応部4に印加される電圧波形の一例を示す図である。
【0039】
図4において縦軸は放電プラズマ発生用電源6が出力する電圧の値、横軸は時間を示す。図4中の曲線20は放電プラズマ発生用電源6の出力電圧波形20を示す。
【0040】
図4の出力電圧波形20に示すように放電プラズマ発生用電源6からは所要の大きさの出力電圧Eが所要の出力周波数λで放電プラズマ反応部4の高電圧極側の電極棒12に印加される。放電プラズマ反応部4の電極棒12に印加される電圧は例えば数kVから数十kV程度とされる。
【0041】
放電プラズマ発生用電源6が電極棒12に印加する出力電圧Eの大きさと出力周波数λとは、入力信号Yに基づいて変更可能に設定される。すなわち、放電プラズマ発生用電源6は入力信号Yに基づいて放電プラズマ反応部4に出力する出力電圧Eと出力周波数λを制御することができる。
【0042】
このため、放電プラズマ発生用電源6から入力信号Yに基づいて出力される出力周波数λの出力電圧波形20の出力電圧Eが接地電極である筒状電極10と高電圧極側の電極棒12との間に印加されると、電極棒12から放電プラズマ反応部4の側面に向かう電界とその逆方向に向かう電界とが交互に形成される。この電界の形成に伴って筒状電極10内部のフィルタ構造体7内部には、放電プラズマ発生用電源6の出力周波数λおよび出力電圧Eに応じた放電電力で向きが交互に変化する放電プラズマが生成される。
【0043】
図5は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6において出力される出力電圧波形20の出力周波数λと放電プラズマ反応部4に生成された放電プラズマの放電電力との関係の一例を示す図である。
【0044】
図5において横軸は放電プラズマ発生用電源6の出力周波数λの値、縦軸は放電プラズマ反応部4に生成された放電プラズマの放電電力を示す。図5中の実線21は放電プラズマ発生用電源6において出力電圧Eを一定として出力周波数λを変化させたときに生成された放電プラズマの放電電力との関係を示す周波数依存性直線21である。
【0045】
尚、放電プラズマの放電電力の単位は任意単位である。
【0046】
図5に示す周波数依存性直線21から放電プラズマ発生用電源6において出力電圧Eを一定として出力周波数λを増加させると生成される放電プラズマの放電電力は直線的に増加することが分かる。
【0047】
図6は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6の出力電圧Eと生成された放電プラズマの放電電力との関係の一例を示す図である。
【0048】
図6において横軸は放電プラズマ発生用電源6の出力電圧Eの値、縦軸は放電プラズマ反応部4に生成された放電プラズマの放電電力を示す。図6中の実線22は放電プラズマ発生用電源6において出力周波数λを一定として出力電圧Eを変化させたときに生成された放電プラズマの放電電力との関係を示す電圧依存性曲線22である。
【0049】
尚、放電プラズマの放電電力の単位は任意単位である。
【0050】
図6に示す電圧依存性曲線22から放電プラズマ発生用電源6において出力周波数λを一定として出力電圧Eを増加させると生成される放電プラズマの放電電力は指数関数的に増加することが分かる。
【0051】
すなわち、放電プラズマ発生用電源6に入力される入力信号Yに基づいて例えば図5ないし図6の例に示す関係から出力電圧Eおよび出力周波数λの一方あるいは双方を制御することにより所要の放電電力の放電プラズマを放電プラズマ反応部4に生成させることができる。
【0052】
さらに放電プラズマ反応部4において放電プラズマが生成されると排ガスXとの反応により放電プラズマの放電電力に応じた量のO、OH、O等の酸化ラジカルが生成される。
【0053】
図7は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に入した放電電力と放電プラズマ反応部4において発生したOの量との関係の一例を示す図である。
【0054】
図7において横軸は、放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に入力した放電電力、縦軸は放電プラズマ反応部4において発生したOの量を示す。図7中の●印は、放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に放電電力を変化させて入力したときに放電プラズマ反応部4において発生したOの量を示し、実線23は放電プラズマ反応部4において発生するOの量の放電電力に対する依存性を示す放電電力依存性直線23である。
【0055】
尚、図7のデータは放電プラズマ反応部4における排ガスXに含まれる酸素Oの量を15vol%、温度を150℃とした場合におけるデータであり、O等のガスの量の単位は任意単位である。
【0056】
図7の●印および放電電力依存性直線23から放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に入力した放電電力を増加させると放電プラズマ反応部4において発生するOの量は直線的に増加することが分かる。
【0057】
さらに、放電プラズマ発生用電源6の出力電圧Eおよび出力周波数λの各値が異なっても放電電力が一定であれば放電プラズマ反応部4において発生するOの量はほぼ一定であることが分かる。
【0058】
放電プラズマ反応部4においてO等の酸化ラジカルが生成されると、生成された酸化ラジカルにより排ガスXに含まれるNOが酸化されてNOとなるため、排ガスXに含まれるNOの量は低減される。このため、放電プラズマ反応部4における排ガスX中のNOの低減量は酸化ラジカルの生成量に依存する。放電プラズマ反応部4における酸化ラジカルの生成量はさらに、放電プラズマ発生用電源6の放電電力に依存するため、NOの低減量も放電プラズマ発生用電源6の放電電力に依存する。
【0059】
図8は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に入した放電電力と放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量との関係の一例を示す図である。
【0060】
図8において横軸は、放電プラズマ発生用電源6から放電プラズマ反応部4に入力した放電電力、縦軸は放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量を示す。図8中の●印は、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度が200ppmである場合において放電プラズマ発生用電源6の放電電力を変化させたときのNOの低減量を示すデータであり、○印は、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度が100ppmである場合において放電プラズマ発生用電源6の放電電力を変化させたときのNOの低減量を示すデータである。
【0061】
また、図8中の実線24は、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度が200ppmである場合の各データ(●印)を結んで得られたNO低減量データ24を示し、点線25は、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度が100ppmである場合の各データ(○印)を結んで得られたNO低減量データ25を示す。
【0062】
図8中の●印および実線24によれば、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を0(Wh/Nm)から増加させた場合、放電電力の増加に伴ってNO低減量も直線的に増加するが、NO低減量が200ppmに近づくと放電電力を増加させてもNO低減量の増加量は減少することが分かる。
【0063】
同様に○印および点線25によれば、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を0(Wh/Nm)から増加させた場合、放電電力の増加に伴ってNO低減量も直線的に増加するが、NO低減量が100ppmに近づくとNO低減量の増加量は減少し、さらにNO低減量が増加して100ppmとなると放電電力を増加させてももはやNO低減量は増加しないことが分かる。
【0064】
すなわち、図7に示すように放電プラズマ発生用電源6の放電電力を増加させるとO等の酸化ラジカルの生成量が直線的に増加するため、NO低減量も直線的に増加するが、NO低減量が放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度を超えて増加することはないということが図8から分かる。
【0065】
さらに、図8から、放電プラズマ反応部4のNO低減量が、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度程度となった場合には、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を増加させても、増加させた放電電力はNOの低減には寄与せずに損失されるため、放電電力を小さくすることが望ましいことが分かる。
【0066】
一方、図8によれば、NO低減量が100ppm以下となる場合には、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度が100ppmであっても200ppmであっても同じ放電電力で同程度のNO低減量が得られることが分かる。
【0067】
このため、放電プラズマ反応部4のNO低減量が、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度よりも十分に小さい場合には、放電プラズマ反応部4の入口における排ガスX中のNOの濃度とは無関係に放電プラズマ発生用電源6からより大きい放電電力を放電プラズマ反応部4に入力することによりNO低減量を増加させることができるということが分かる。
【0068】
放電プラズマ反応部4において酸化ラジカルにより排ガスXに含まれるNOは酸化されてNOとなり、酸化されずに残ったNOとともにNOx還元触媒部5に導かれて還元分解されることによりNOxが最終的に浄化される。
【0069】
図9は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6の放電電力と放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量との関係の一例を示す図であり、図10は、図1に示す放電プラズマ発生用電源6の放電電力と排ガス浄化システム1におけるNOxの低減量との関係の一例を示す図である。
【0070】
図9において横軸は、放電プラズマ発生用電源6の放電電力、縦軸は放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量を示す。図9中の○印は、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を変化させたときの放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量を示すデータであり、実線26はNOの低減量のデータ(○印)から得られるNO低減量データ直線26である。
【0071】
また、図10において横軸は、放電プラズマ発生用電源6の放電電力、縦軸は排ガス浄化システム1におけるNOxの低減量を示す。図10中の●印は、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を変化させたときの、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解された後のNOxの低減量を示すデータであり、○印は、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解される前の例えば放電プラズマ反応部4におけるNOxの低減量を示すデータである。
【0072】
また、図10において実線27は、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解された後のNOxの低減量を示す各データ(●印)から得られるNO低減量データ直線27であり、点線28は、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解される前のNOxの低減量を示す各データ(○印)から得られるNO低減量データ直線28である。
【0073】
尚、図9および図10の各のデータ(●印、○印)およびNO低減量データ直線27、28は、排ガス温度が300℃の場合におけるデータであり、放電プラズマ発生用電源6の放電電力は、放電電力を増加させたときにNO低減量ないしNOx低減量が直線的に増加する範囲の放電電力である。
【0074】
このため、図9に示すように放電プラズマ発生用電源6の放電電力の増加に伴ってNO低減量は直線的に増加する。
【0075】
一方、図10の○印および点線で示されるNO低減量データ直線28によれば、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解される前のNOxの低減量はほぼゼロである。すなわち、放電プラズマ反応部4において酸化ラジカルの作用によりNOの量は低減されるが、NO低減量に相当する量のNOが生成されため、NOx全体の量はおおよそ同程度であることが分かる。
【0076】
さらに、図10の●印および実線で示されるNO低減量データ直線27によれば、NOx還元触媒部5においてNOxが還元分解された後のNOxの低減量は放電プラズマ発生用電源6の放電電力の増加に伴って直線的に増加している。
【0077】
すなわち、放電プラズマ反応部4におけるNO低減量を増加させることによりNOの生成量を増加させてNOxに含まれるNOの比率を増加させると、NOx還元触媒部5において還元分解されるNOxの量が増加し、NOx全体の低減量を直線的に増加させることができるということが分かる。
【0078】
従って、排ガスXに含まれるNOの量がNO低減量よりも多く、放電プラズマ発生用電源6の放電電力の増加に伴ってNO低減量が直線的に増加する場合には、放電電力の増加させてNOx低減量を増加させる一方、排ガスXに含まれるNOの量がNO低減量程度であり、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を増加させてもNO低減量およびNOx低減量が顕著に増加しない場合には放電電力を減少させることにより低出力の放電電力で効率的により多くのNOxを分解処理して排ガスXを浄化することができる。
【0079】
さらに、排ガスXに含まれるNOxあるいはNOの量に加えてその他の排ガスXの条件によっても最適な放電プラズマ発生用電源6の放電電力量は依存する。
【0080】
そこで、放電プラズマ発生用電源6には、排ガスXの条件に応じて放電電力量を制御するための入力信号Yが入力され、入力された入力信号Yに基づいて、出力電圧Eおよび出力周波数λの一方あるいは双方が制御されてより最適な放電電力が放電プラズマ反応部4に投入されるように構成される。
【0081】
次に、放電プラズマ発生用電源6に入力される入力信号Yの決定方法について説明する。
【0082】
放電プラズマ反応部4において生成される酸化ラジカルの量は、排ガスXの単位流量あたりの放電電力に比例する。このため、排ガスXの単位流量あたりの放電電力を増加させると酸化ラジカルの生成量とともにNOの低減量が増加する。排ガスXの単位流量あたりの放電電力は、排ガスXの流量と放電電力とから決まるため、最適な放電電力は排ガスXの流量に依存することとなる。
【0083】
すなわち、NOの低減量が放電プラズマ反応部4の入口におけるNOの濃度よりも十分に小さい場合には、放電電力が大きい程、排ガスXの単位流量あたりの放電電力も大きくなり、酸化ラジカルの生成量とともにNOの低減量が増加する。
【0084】
しかし、NOの低減量が放電プラズマ反応部4の入口におけるNOの濃度付近となるために必要な放電電力は排ガスXの流量が多い程大きくなる一方、排ガスXの流量が少ない程小さくなる。
【0085】
このため、排ガス流量を入力信号Yとすることにより、排ガス流量に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0086】
尚、排ガス流量は、エンジン2の回転数から求めることができる。
【0087】
図11は、エンジン2の回転数とエンジン2から排出される排ガス流量の関係の一例を示す図である。
【0088】
図11において横軸はエンジン2の回転数、縦軸はエンジン2から排出される排ガス流量を示す。図11において●印は、エンジン2の各回転数におけるエンジン2から排出された排ガス流量値を示し、実線29は各データ(●印)から得られた排ガス流量データ直線29である。
【0089】
図11の排ガス流量データ直線29に示すように、エンジン2の回転数とエンジン2から排出される排ガス流量は直線的な関係にあり、排ガス流量データ直線に基づいてエンジン2の回転数から排ガス流量を得ることができる。
【0090】
このため、排ガス流量の代わりに計測が容易なエンジン2の回転数を入力信号Yとすることにより、排ガス流量に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0091】
また、排ガス浄化システム1におけるNOxの低減率はエンジン2から排出される排ガスXの温度に依存する。
【0092】
図12は、排ガス浄化システム1において排ガスXに含まれるNOxを分解したときのNOxの低減率と排ガスXの温度の関係の一例を示す図である。
【0093】
図12において、縦軸はNOxの低減率、横軸は排ガスXの温度(℃)を示す。
【0094】
また、図12中の点線30aは、排ガス浄化システム1において放電プラズマ発生用電源6の放電電力をゼロとしたときのすなわちNOx還元触媒部5のみの作用によりNOxを分解したときのNOxの低減率と排ガスXの温度の関係を示すNOx低減曲線30aであり、各実線30b,30c,30dは排ガス浄化システム1において放電電力を各値に設定したときのすなわち放電プラズマ反応部4における放電によるNOの酸化とNOx還元触媒部5における還元を併用したときのNOxの低減率と排ガスXの温度の関係を示すNOx低減曲線30b,30c,30dである。
【0095】
尚、実線で示す各NOx低減曲線30b,30c,30dのうち、NOx低減率がより大きい値を示すNOx低減曲線30d,30cは、NOx低減率がより小さい値を示すNOx低減曲線30c,30bよりも放電プラズマ発生用電源6の放電電力を大きく設定した場合のデータである。
【0096】
図12に示すように放電プラズマ発生用電源6の各放電電力に無関係にNOx低減率は排ガス温度に依存して増加するが、放電電力が小さい程、その勾配は排ガス温度とともに増加することが分かる。一方、放電プラズマ発生用電源6の放電電力が大きくにつれて、NOx低減率は排ガス温度に依存しておおよそ直線的に増加することが分かる。
【0097】
すなわち、排ガス温度が高い程、放電プラズマ発生用電源6の各放電電力におけるNOx低減率の差が小さくなり、排ガス温度が低い程、各放電電力におけるNOx低減率の差が大きくなることが分かる。
【0098】
例えば、図12において排ガス温度が200℃付近においては、放電電力の増加に伴ってNOx低減率が顕著に増加するが、450℃付近においては、放電電力を増加させてもNOx低減率は同様な値となる。
【0099】
従って、排ガス温度が低い場合には、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を増加させることがNOx低減に効果的であるが、排ガス温度が高い場合には、放電電力を増加させてもNOx低減率への効果が少ないため、放電電力の増加を抑制するかあるいは減少させることがより効率的となることが分かる。
【0100】
このため、排ガス温度を放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、排ガス温度に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0101】
尚、排ガス温度は、エンジン回転数あるいはエンジントルクから求めることができる。
【0102】
図13は、エンジン2の速度条件とエンジン2から排出される排ガス温度の関係の一例を示す図である。
【0103】
図13において横軸は、自動車の速度を示し、縦軸はエンジン2から排出される排ガスXの温度を示す。図13中の●印は、自動車の各速度における排ガス温度のデータであり、実線31aは各排ガス温度のデータ(●印)から得られる排ガス温度直線31aである。
【0104】
図13の排ガス温度直線31aに示すように自動車の速度と排ガス温度とは直線的な関係にあることが分かる。自動車の速度はエンジン2の回転数に比例するため、エンジン2の回転数と排ガス温度とは、ほぼ直線的な関係にあることとなる。
【0105】
一方、エンジントルクを変化させると、例えばエンジントルクを大きくすると点線で示す排ガス温度直線31bが得られることが知られる。すなわち、エンジントルクを排ガス温度もおおよそ直線的な関係にあることが分かる。
【0106】
従って、エンジン回転数あるいはエンジントルクから排ガス温度を求めることができる。
【0107】
このため、排ガス温度に代えて計測が容易なエンジン回転数あるいはエンジントルクを放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、排ガス温度に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0108】
また、排ガス浄化システム1におけるNOの低減量が、放電プラズマ反応部4の入口におけるNO濃度と同等となったときには、放電プラズマ発生用電源6の放電電力の増加を抑制させることが必要である。
【0109】
このため、排ガスXに含まれるNO濃度を放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、NO濃度に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0110】
また、排ガス浄化システム1の放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量は、排ガスXに含まれるNOx還元剤であるプロピレン(C)等の炭化水素の濃度に依存する。
【0111】
図14は、排ガスXに含まれるC濃度と放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量との関係の一例を示す図である。
【0112】
図14において、横軸は排ガスXに含まれるC濃度、縦軸は放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量を示す。図14中の●印は、各C濃度におけるNO低減量のデータであり、実線32は各NO低減量のデータ(●印)から得られるNO低減量曲線32である。
【0113】
尚、各NO低減量のデータ(●印)は、放電電力を一定とし、排ガス温度を150℃、NO濃度の低減前の初期濃度を200ppmとしたときのデータである。
【0114】
図14のNO低減量曲線32に示すように排ガスXに含まれるC濃度と放電プラズマ反応部4におけるNOの低減量とは、放電電力や排ガス温度等の条件が一定であれば、比例することが分かる。
【0115】
従って、排ガスXに含まれるC濃度に応じて、NOの低減量が放電プラズマ反応部4の入口におけるNO濃度と同等となるときの放電プラズマ発生用電源6の放電電力が決まることとなる。
【0116】
すなわち、排ガスXに含まれるC濃度が大きい程、より小さい放電プラズマ発生用電源6の放電電力でNOの低減量が放電プラズマ反応部4の入口におけるNO濃度と同等となり、より小さい放電電力量において増加を抑制する必要が生じる。
【0117】
このため、排ガスXに含まれるC量等の炭化水素量を放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、NOの低減量を効率的に増加させてより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0118】
尚、エンジン2から排出される排ガスXに含まれるC等の炭化水素の量は、エンジン2に供給される空気と燃料の比率である空燃比に依存する。
【0119】
図15は、一般的なエンジン2の空燃比と排ガスXに含まれる炭化水素量の関係を示す図である。
【0120】
図15において、横軸はエンジン2の空燃比を示し、縦軸は排ガスXに含まれる炭化水素量を示す。図15中の実線33は、エンジン2の空燃比と排ガスXに含まれる炭化水素量の関係を示す炭化水素量曲線33である。
【0121】
図15に示す炭化水素量曲線33からエンジン2の空燃比が大きい程、すなわち空気に含まれる燃料が少ないリーン領域においては、排ガスXに含まれる炭化水素量は減少する。逆に、エンジン2の空燃比が小さい程、すなわち空気に含まれる燃料の量が多いリッチ領域においては、排ガスXに含まれる炭化水素量は増加する。
【0122】
図15の炭化水素量曲線33からエンジン2の空燃比が分かれば排ガスXに含まれる炭化水素量を得ることができる。
【0123】
従って、排ガスXに含まれる炭化水素量に代えてエンジン2の空燃比を放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、炭化水素量に応じたNO低減量が得られた場合に適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0124】
また、排ガス浄化システム1におけるNOxの低減率、すなわちNOの低減量は排ガスXに含まれるNOxの濃度に応じて適切な放電プラズマ発生用電源6の放電電力量が決定される。排ガスXに含まれるNOの濃度は、NOxの濃度に依存する。そして、放電プラズマ反応部4において、NO低減量が放電プラズマ反応部4の入口におけるNO濃度と同等となったときに放電プラズマ発生用電源6の放電電力の増加を抑制させる必要がある。
【0125】
従って、排ガスXに含まれるNOxの濃度を放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、NOx濃度に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0126】
尚、排ガスXに含まれるNOxの濃度は、エンジン回転数あるいはエンジントルクから求めることができる。
【0127】
図16は、エンジン2の速度条件とエンジン2から排出される排ガスXに含まれるNOx濃度の関係の一例を示す図である。
【0128】
図16において横軸は、自動車の速度を示し、縦軸はエンジン2から排出される排ガスXに含まれるNOx濃度を示す。図16中の●印は、自動車の各速度におけるNOx濃度のデータであり、実線34aは各NOx濃度のデータ(●印)から得られるNOx濃度曲線34aである。
【0129】
図16のNOx濃度曲線34aに示すように自動車の速度が増加するにつれて排ガスXに含まれるNOx濃度は増加することが分かる。自動車の速度はエンジン2の回転数に比例するため、エンジン2の回転数が分かればNOx濃度曲線34aから排ガスXに含まれるNOx濃度を求めることができる。
【0130】
一方、エンジントルクを変化させると、例えばエンジントルクを大きくすると点線で示すNOx濃度曲線34bが得られることが知られる。すなわち、エンジントルクが分かればNOx濃度曲線34bから排ガスXに含まれるNOx濃度を求めることができる。
【0131】
従って、エンジン回転数あるいはエンジントルクから排ガスXに含まれるNOx濃度を求めることができる。
【0132】
このため、排ガスXに含まれるNOx濃度に代えて計測が容易なエンジン回転数あるいはエンジントルクを放電プラズマ発生用電源6の入力信号Yとすることにより、NOx濃度に応じたより適切な放電電力を出力させるように放電プラズマ発生用電源6を制御することができる。
【0133】
尚、放電プラズマ発生用電源6に入力する入力信号Yは、エンジン2から放電プラズマ発生用電源6に直接入力する構成、別途信号入力手段を設けて、この信号入力手段から放電プラズマ発生用電源6に入力信号Yを入力する構成、あるいはエンジン2と信号入力手段の双方から入力信号Yを放電プラズマ発生用電源6に入力する構成のいずれであってもよい。
【0134】
信号入力手段から放電プラズマ発生用電源6に入力信号Yを入力する場合、排ガスXの温度を計測する温度計、排ガス流量を計測する流量計、排ガスXに含まれる所要の成分の濃度あるいは量を計測する濃度計等の各種計測装置を排ガス管3に設けることにより入力信号Yを設定することができる。
【0135】
次に排ガス浄化システム1の作用について説明する。
【0136】
エンジン2においてPMないしNOxを含む排ガスXが生成され、この排ガスXは排ガス管3を介して放電プラズマ反応部4のフィルタ構造体7の内部に導かれる。
【0137】
このとき、エンジン2のエンジン回転数あるいはエンジントルク、空燃比等のエンジン2の運転条件が入力信号Yとして放電プラズマ発生用電源6に定常的に入力される。
【0138】
そして、放電プラズマ発生用電源6はエンジン2から入力された入力信号Yに基づいて、排ガスXの浄化に最適な放電電力となるような出力電圧Eおよび出力周波数λを定常的に設定してフィルタ構造体7内に設けられた高電圧極側の電極棒12に正極性の出力電圧Eと負極性の出力電圧Eを交互に印加する。
【0139】
このため、フィルタ構造体7を覆う接地電極側の筒状電極10と高電圧極側の電極棒12との間に、電界が形成されるとともに放電プラズマが発生する。そして、フィルタ構造体7のPM捕捉機能に加え、フィルタ構造体7の内部に形成された電界による電気集塵的機能により排ガスXに含まれるPMは、フィルタ構造体7の内部に捕捉される。
【0140】
また、放電プラズマ反応部4には、放電プラズマの作用によりO、OH、O等の酸化ラジカルが生成される。そして、この酸化ラジカルの作用によりフィルタ構造体7に捕捉されたPMに含まれる炭素等の物質は逐次二酸化炭素COへ燃焼処理されて、フィルタ構造体7のPM捕捉機能は再生されるとともに、排ガスXに含まれるNOxのうちNOが酸化されてNOとなってNO濃度が低減される。
【0141】
さらに、このとき放電プラズマ発生用電源6の放電電力はエンジン2から入力された入力信号Yに基づいて、放電プラズマ反応部4内におけるNO低減量が、放電プラズマ反応部4入口におけるNO濃度と同等程度となるために必要な最小の放電電力となるように定常的に制御される。
【0142】
また、放電プラズマ反応部4の内部において、排ガスXに含まれる炭化水素が酸化ラジカルの作用で酸化されて部分酸化体[CHO]等の化学種が生成される。
【0143】
そして、排ガスXはPMを除去されかつ生成されたNO、酸化されずに残留したNOおよび化学種等の成分を含んだ状態で排ガス管3を介してNOx還元触媒部5に導かれる。
【0144】
NOx還元触媒部5には、放電プラズマ反応部4に生成された化学種に対応したNOxを還元分解する還元分解触媒が設けられているため、NOx還元触媒部5において排ガスXに含まれるNOxが還元分解され処理される。
【0145】
そして、NOx還元触媒部5においてNOxが処理されて浄化された排ガスXは排ガス浄化システム1の外部に排出される。
【0146】
すなわち排ガス浄化システム1は、排ガスXに含まれるPMを捕捉するためにフィルタ構造体7内部に電界を形成し、フィルタ構造体7のPM捕捉機能に加えて電気集塵的機能によりPMを捕捉し、かつ捕捉されたPMを温度に依存しない放電プラズマにより加熱することなく燃焼処理してフィルタ構造体7のPM捕捉機能を再生させる構成である。
【0147】
また、排ガス浄化システム1は、放電プラズマ反応部4よりも下流にNOxの還元分解触媒を具備するNOx還元触媒部5を設ける一方、放電プラズマ反応部4でNOより還元分解触媒と反応性の高いNOに変換するとともに[CHO]等の化学種を生成し、NOx還元触媒部5において排ガスXからNOxを加熱することなく還元分解して除去する構成である。
【0148】
さらにこのとき、放電プラズマ反応部4に印加される放電プラズマ発生用電源6の放電電力をエンジン2の運転状態に伴って変動する排ガスXの量、温度、成分等の条件に応じて設定された入力信号Yにより制御することにより、適切な放電電力で排ガスXを浄化させる構成である。
【0149】
排ガス浄化システム1では、排ガスXに含まれるPMをフィルタ構造体7で捕捉しかつ温度変化の影響をうけにくい放電プラズマの作用により高温のみならず低温においても継続的かつ高効率に燃焼処理することができる。
【0150】
また、排ガス浄化システム1において、排ガスXの温度あるいは成分等を測定する代わりに、測定が容易なエンジンのエンジン回転数やエンジントルクを計測することにより、より容易に入力信号を設定することができる。
【0151】
また、放電プラズマの作用で、NOxと低温においても還元反応する化学種が生成されるため、NOx還元触媒部5を設けることによりPMに加えてNOxを加熱することなく低温であっても還元分解することができる。
【0152】
さらに、排ガス浄化システム1では、放電プラズマ発生用電源6の放電電力を排ガスXの量、温度、成分等の条件に応じて設定された入力信号Yにより最適制御するため、過剰な放電電力を低減させてより適切かつ安価な放電電力で効率的に排ガスXを浄化させることができる。
【0153】
尚、排ガス浄化システム1の放電プラズマ発生用電源6の入力信号の設定方法は、排ガスXの量、温度、成分等の条件あるいはエンジンの運転条件等の条件のうち任意の条件を一定とみなして考慮せずに、任意の条件についてのみ考慮して入力信号を設定する方法としてもよい。
【0154】
また、排ガス浄化システム1の放電プラズマ反応部4において、接地電極側と高電圧極側電極の電極を置き換えてもよく、かつフィルタ構造体7、電極の形状および数は任意である。
【0155】
また、放電プラズマ反応部4に発生させる放電プラズマを、電子温度のみが高い低温プラズマとすることにより、排ガスXを加熱することなく放電プラズマを発生させることがきる。低温プラズマを使用すれば、放電プラズマ反応部4に投入する電力が放電プラズマ反応部4の内部の電子のエネルギに利用され、中性分子あるいはイオンの熱エネルギとして利用されない。このため、エネルギ損失を低減させより低出力の電力で電子を活性化させ、より多くの酸化ラジカルを生成することができる。
【0156】
また、排ガス浄化システム1においてフィルタ構造体7の材料をNOxの還元分解触媒とする構成あるいはフィルタ構造体7にNOxの還元分解触媒を担持させる構成としてもよい。
【0157】
【発明の効果】
本発明に係る排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法においては、自動車等の動力源として使用されるエンジンから運転条件に応じて変動して排出され、粒子状物質、窒素酸化物等の有害物質を含む排ガスから有害物質を加熱することなく低温でより効率的かつ低出力の電力で安価に除去し、排ガスを浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排ガス浄化システムの実施の形態を示す構成図。
【図2】図1に示す排ガス浄化システムの放電プラズマ反応部およびNOx還元触媒部におけるNOxの還元分解を表す図。
【図3】図1に示す放電プラズマ反応部と放電プラズマ発生用電源の詳細構成の一例を示す図。
【図4】図1に示す放電プラズマ発生用電源により放電プラズマ反応部に印加される電圧波形の一例を示す図。
【図5】図1に示す放電プラズマ発生用電源において出力される電圧波形の周波数と放電プラズマ反応部に生成された放電プラズマの放電電力との関係の一例を示す図。
【図6】図1に示す放電プラズマ発生用電源の出力電圧と生成された放電プラズマの放電電力との関係の一例を示す図。
【図7】図1に示す放電プラズマ発生用電源から放電プラズマ反応部に入した放電電力と放電プラズマ反応部において発生したOの量との関係の一例を示す図。
【図8】図1に示す放電プラズマ発生用電源から放電プラズマ反応部に入した放電電力と放電プラズマ反応部におけるNOの低減量との関係の一例を示す図。
【図9】図1に示す放電プラズマ発生用電源の放電電力と放電プラズマ反応部におけるNOの低減量との関係の一例を示す図。
【図10】図1に示す放電プラズマ発生用電源の放電電力と排ガス浄化システムにおけるNOxの低減量との関係の一例を示す図。
【図11】エンジンの回転数とエンジンから排出される排ガス流量の関係の一例を示す図。
【図12】排ガス浄化システムにおいて排ガスに含まれるNOxを分解したときのNOxの低減率と排ガスの温度の関係の一例を示す図。
【図13】エンジンの速度条件とエンジンから排出される排ガス温度の関係の一例を示す図。
【図14】排ガスに含まれるC濃度と放電プラズマ反応部におけるNOの低減量との関係の一例を示す図。
【図15】一般的なエンジンの空燃比と排ガスに含まれる炭化水素量の関係を示す図。
【図16】エンジンの速度条件とエンジンから排出される排ガスに含まれるNOx濃度の関係の一例を示す図。
【符号の説明】
1 排ガス浄化システム
2 エンジン
3 排ガス管
4 放電プラズマ反応部
5 NOx還元触媒部
6 放電プラズマ発生用電源
7 フィルタ構造体
8 窒素酸化物(NOx)還元触媒
10 筒状電極
11 コネクタ
12 電極棒
13 電気ケーブル
20 出力電圧波形
21 周波数依存性直線
22 電圧依存性曲線
23 放電電力依存性直線
24 NO低減量データ
25 NO低減量データ
26 NO低減量データ直線
27 NO低減量データ直線
28 NO低減量データ直線
29 排ガス流量データ直線
30a,30b,30c,30d NOx低減曲線
31a,31b 排ガス温度直線
32 NO低減量曲線
33 炭化水素量曲線
34a,34b NOx濃度曲線
X 排ガス
Y 入力信号

Claims (20)

  1. エンジンから排出された排ガスの排ガス流路に放電プラズマ反応部と窒素酸化物還元触媒とが設けられ、前記放電プラズマ反応部には粒子状物質捕捉機能を有するフィルタ構造体が、前記排ガスを通過可能に設けられる一方、前記放電プラズマ反応部には放電プラズマ発生用電源が接続され、この放電プラズマ発生用電源は入力信号に基づいて出力周波数および出力電圧の少なくとも一方を制御して前記放電プラズマ反応部に電界を形成するとともに放電プラズマを発生し、前記排ガスに含まれる粒子状物質が前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能と電界の形成に伴う電気集塵的機能により捕捉され、捕捉された粒子状物質が前記放電プラズマの作用により燃焼処理されて前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能が再生されるとともに、前記排ガスに含まれる窒素酸化物が酸化される一方、所要の化学種が生成され、生成された化学種および前記窒素酸化物還元触媒とにより窒素酸化物を還元分解反応させることにより前記排ガスに含まれる窒素酸化物を低減させるように構成したことを特徴とする排ガス浄化システム。
  2. 前記入力信号は前記排ガスの流量を含み、放電プラズマ発生用電源は前記排ガスの単位流量当たりの放電電力を、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  3. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数を含み、このエンジン回転数から前記排ガスの流量を求め、放電プラズマ発生用電源は前記排ガスの単位流量当たりの放電電力を、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  4. 前記入力信号は前記排ガスの温度を含み、放電プラズマ発生用電源は前記排ガスの温度が増加して放電電力を増加させても窒素酸化物の低減量が十分増加しない排ガスの温度となった場合には放電電力の増加を抑制あるいは放電電力を低下させるように制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  5. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数およびエンジントルクの少なくとも一方を含み、前記入力信号から前記排ガスの温度を求め、放電プラズマ発生用電源は前記排ガスの温度が増加して放電電力を増加させても窒素酸化物の低減量が十分増加しない排ガスの温度となった場合には放電電力の増加を抑制あるいは放電電力を低下させるように制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  6. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる一酸化窒素(NO)の量を含み、放電プラズマ発生用電源は前記排ガスに含まれる一酸化窒素の低減量が低減前の一酸化窒素の量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  7. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる炭化水素量とされ、放電プラズマ発生用電源は前記炭化水素量の場合において前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  8. 前記入力信号は前記エンジンの空燃比を含み、この空燃比から前記排ガスに含まれる炭化水素量を求め、放電プラズマ発生用電源は前記炭化水素量の場合において前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  9. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる窒素酸化物の量を含み、放電プラズマ発生用電源は前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  10. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数およびエンジントルクの少なくとも一方を含み、前記入力信号から前記排ガスに含まれる窒素酸化物の量を求め、放電プラズマ発生用電源は前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
  11. エンジンから排出された排ガスの排ガス流路に粒子状物質捕捉機能を有するフィルタ構造体と窒素酸化物還元触媒とを設けるステップと、入力信号に基づいて出力周波数および出力電圧の少なくとも一方を制御して前記フィルタ構造体内部に電界を形成するとともに放電プラズマを発生させるステップと、前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能と電界の形成に伴う電気集塵的機能により前記排ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するステップと、捕捉された粒子状物質を前記放電プラズマの作用により燃焼処理して前記フィルタ構造体の粒子状物質捕捉機能を再生させるステップと、前記放電プラズマの作用により前記排ガスに含まれる窒素酸化物を酸化するとともに所要の化学種を生成するステップと、生成された化学種および前記窒素酸化物還元触媒とにより窒素酸化物を還元分解反応させることにより前記排ガスに含まれる窒素酸化物を低減させるステップとを備えることを特徴とする排ガス浄化方法。
  12. 前記入力信号は前記排ガスの流量を含み、前記排ガスの単位流量当たりの放電電力を、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  13. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数を含み、このエンジン回転数から前記排ガスの流量を求め、前記排ガスの単位流量当たりの放電電力を、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  14. 前記入力信号は前記排ガスの温度を含み、前記排ガスの温度が増加して放電電力を増加させても窒素酸化物の低減量が十分増加しない排ガスの温度となった場合には放電電力の増加を抑制あるいは放電電力を低下させるように制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  15. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数およびエンジントルクの少なくとも一方を含み、前記入力信号から前記排ガスの温度を求め、前記排ガスの温度が増加して放電電力を増加させても窒素酸化物の低減量が十分増加しない排ガスの温度となった場合には放電電力の増加を抑制あるいは放電電力を低下させるように制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  16. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる一酸化窒素(NO)の量を含み、前記排ガスに含まれる一酸化窒素の低減量が低減前の一酸化窒素の量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  17. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる炭化水素量とされ、前記炭化水素量の場合において前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  18. 前記入力信号は前記エンジンの空燃比を含み、この空燃比から前記排ガスに含まれる炭化水素量を求め、求めた炭化水素量の場合において前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  19. 前記入力信号は前記排ガスに含まれる窒素酸化物の量を含み、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
  20. 前記入力信号は前記エンジンのエンジン回転数およびエンジントルクの少なくとも一方を含み、前記入力信号から前記排ガスに含まれる窒素酸化物の量を求め、前記放電プラズマ反応部での窒素酸化物である一酸化窒素(NO)低減量が低減前のNO量と同程度となるような放電電力に制御することを特徴とする請求項11記載の排ガス浄化方法。
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