JP2004197153A - ダイヤモンド−金属複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイヤモンド−金属複合材料を、金属マトリックス中に、炭化物を主成分とする反応層を表面に有するダイヤモンド粒子を分散させた構造とする。該反応層は、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の炭化物を主成分とし、該金属マトリックスはAg、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上の金属からなる。上記の構造を有することにより、金属とダイヤモンドとが強固に接合され、350W/mK〜600W/mKという高熱伝導のダイヤモンド−金属複合材料となる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放熱基板として用いるダイヤモンド−金属複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の大出力化、高集積化に伴いヒートシンクに対してより高い熱伝導率が求められている。ヒートシンクとして使用される典型的な材料としてはCuがあり、これは398W/mKと比較的高い熱伝導率を有しているものの、熱膨張係数が17×10-6/Kと代表的な半導体素子のSi(3×10-6/K)、InP(4.5×10-6/K)、GaAs(5.9×10-6/K)に比べて大きな値であった。そのため接合時の冷却過程において、あるいは動作時/非動作時の熱サイクルに伴って接合界面近傍に大きな熱応力が発生するため、使用できない場合があった。
【0003】
このような場合には、W、Moといった熱膨張係数の低い材料とCuとを合金化することによって熱膨張係数を半導体素子に近づけたCuW、CuMoといった材料が用いられる。しかし、Cu以外の材料が低熱伝導率であるため、これらの合金の熱伝導率は300W/mK未満となりCuの熱伝導率の値以下に低下する。
【0004】
高熱伝導率のヒートシンクと成り得る材料としては、ダイヤモンドが挙げられる。ダイヤモンドは1000W/mK以上の高い熱伝導率を有する。しかしダイヤモンドは熱膨張係数が2.3×10-6/Kと半導体素子に比べて小さすぎ、GaAsのような比較的熱膨張係数の大きな半導体素子には対応できない。またダイヤモンドのヤング率は1050GPaと非常に大きいため、半導体素子とのロウ付け時の冷却過程において、あるいは使用時の熱サイクルにおいてヒートシンクと半導体素子との間に大きな熱応力が発生し、破壊が起き易くなるという問題がある。
【0005】
そこでダイヤモンドと金属とを組み合わせた材料をヒートシンクとして用いることが考えられる。その一つとして、ダイヤモンド粒子と金属粉末の混合粉末を加圧しながら溶融凝固させることで金属とダイヤモンド粒子とを複合化させた材料が提案されている(特許文献1参照)。しかしながらこの材料においては、金属とダイヤモンドとの濡れ性が極めて悪く、界面の密着性に乏しいために、使用する金属に対してそれほど熱伝導率は改善されていない。
【0006】
また、ダイヤモンドとAgあるいはCuといった金属との濡れ性を向上させたヒートシンクおよびその製法が提案されている(特許文献2参照)。この方法は、Ag−Cu−Ti系合金粉末とダイヤモンド粒子を混合し加圧成形した後、該合金の融点以上まで加熱することにより合金中のTiがダイヤ表面と反応しTiCを形成し、このTiCによりAgあるいはCuとダイヤモンドとの濡れ性が改善されダイヤモンド粒子と溶融金属の界面が密着するというものである(焼結法)。また、ダイヤモンド粒子とAg−Cu−Ti系合金の粉末又は板材を容器中に充填し、該合金の融点以上に加熱してダイヤモンド表面にTiC層を形成させ、さらに加熱することで該合金の一部を揮発させて多孔体とし、これにAg−Cu合金を上から含浸することで焼結法よりも高い相対密度と熱伝導率を持つダイヤモンドと金属の複合材を得ている(溶浸法)。
【0007】
この他、さらに特徴的なヒートシンクとその製法が提案されている(特許文献3参照)。基本的な製法は前記特許文献2に記載の溶浸法と同様であるが、容器中でTiCをダイヤモンド表面に形成させた後、さらに加熱し続けることで完全にAg−Cuを揮発させてダイヤモンドとTiCからなる多孔体を製造し、それに対して上からAg−Cu合金を含浸することによって、高い相対密度と熱伝導率を持つダイヤモンドと金属の複合材を得るというものである。この製造法においては、ダイヤモンド粒子がTiCにより連結されており粒子間には金属がほとんど存在していない。このような構造だと格子振動のみで熱が伝わっていくことが予想されるため、従来の材料(熱伝導に電子を介する)に対し熱伝導が大きくなる。また、機械的な密着強度も高くなる。
【0008】
しかし、上記した特許文献2、3に記載の二例のように、ダイヤモンド多孔体を製造した後に多孔体の上から溶融Ag−Cu合金を含浸した複合材における問題点として、大型の材料に均一に溶融Ag−Cu合金を浸透させて相対密度が95%以上の緻密体とすることは困難であり、製造可能な形状に制約があるということが挙げられる。
【0009】
上記二例の溶浸法では容器又は型にダイヤモンド粒子を充填した後に、炭化物形成金属を含む合金を入れて融点以上に加熱し、ダイヤモンド粒子に浸透させながら金属炭化物を形成させるという方法が用いられる。この方法では、溶融合金中の炭化物成形金属の含有量が浸透していく過程で減少するために、ダイヤモンド粒子表面に形成される反応層の厚みが変動する。その結果、反応層が最適な厚みよりも厚くなった部分では、金属炭化物の低い熱伝導率に起因して熱伝導率が低下する。また、反応層が最適な厚みよりも薄くなった部分では、界面の密着性が失われるために気孔が多数発生し、密度と熱伝導率が低下する。結果としてヒートシンク全体の密度と熱伝導率が低下する。この傾向はダイヤモンド粒子の粒径が比較的小さい場合およびヒートシンクの厚みが大きい場合にさらに顕著になる。
【0010】
また、上記の二例の溶浸法では容器又は型にダイヤモンド粒子と炭化物形成金属を含む合金を同時に入れて融点以上に加熱し、ダイヤモンド粒子表面に金属炭化物を形成させながら溶浸するという方法が用いられる。この方法では、溶融時に体積が縮小するためダイヤモンド粒子の分散状態が不均一になり、その結果、形成される金属炭化物を含む反応層の厚みが不均一となり、ヒートシンク全体の熱伝導率が低下する。この傾向はダイヤモンド粒子の粒径が比較的小さい場合およびヒートシンクの厚みが大きい場合にさらに顕著になる。
【0011】
さらに、上記の二例の溶浸法では金属炭化物を形成した後に金属の一部又は全部を揮発させて多孔体を形成し溶浸をするという方法が用いられる。この方法のように多孔体の比較的小さな隙間に金属を溶浸し緻密化することは、多孔体表面の大部分を占める金属炭化物と金属との濡れ性が悪いため困難である。そのため、100μm以下程度の比較的粒径の小さなダイヤモンド粒子を用いる場合には多孔体の空隙が小さくなるため、緻密体を得ることは困難である。また、製造するヒートシンクの厚みが大きくなる場合にも、溶浸する深さが大きくなるためヒートシンク全体を緻密体とすることは難しい。
【0012】
特許文献3記載のダイヤモンドが炭化物で連結されている構造となっているもののような場合にはヒートシンクのヤング率が非常に高くなり、前述のように半導体素子との接合界面に大きな熱応力が発生するため好ましくない。また、特許文献2において提案されている焼結法では、相対密度が低い材料しか得られない。
【0013】
さらに、上記した二例では使用するダイヤモンド粒子の粒径を60μm以上、700μm以下としているが、ダイヤモンドは硬度が高く、粒径の大きなダイヤモンド粒子を使用してヒートシンクを製造した場合、加工性が著しく損なわれ、表面の平坦度が十分に得られないという問題が発生する。その結果、半導体素子との接合時若しくは動作時の熱サイクル負荷に伴って密着性が低下し、熱伝導性が低下するため、半導体素子の動作が不安定になってしまう。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−259305号公報
【特許文献2】
特開平11−67991号公報
【特許文献3】
特開平10−223812号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は前記問題を解決し、従来よりも均一に緻密化された、熱伝導率の高いダイヤモンド−金属複合材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは従来のダイヤモンドと金属の複合材およびその製造方法における課題を解消するダイヤモンド−金属複合材料およびその製造方法を提供するべく検討した結果、前記課題は本発明の次の構成により解決することができることを見出した。
【0017】
(1)平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、該ダイヤモンド粒子の表面に形成された4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の炭化物を主成分とする反応層と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1とからなり、前記金属1によって形成されたマトリックス中に該反応層を有する各ダイヤモンド粒子が金属1によって隔てられて分散していることを特徴とするダイヤモンド−金属複合材料。
(2)室温下での熱伝導率が350W/mK〜600W/mKの範囲であることを特徴とする、上記(1)に記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(3)前記ダイヤモンド粒子が平均粒径で10μm以上、60μm未満であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のダイヤモンド−金属複合材料。
【0018】
(4)前記ダイヤモンド粒子が平均粒径で20μm以上、40μm以下であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(5)前記ダイヤモンド粒子がダイヤモンド−金属複合材料の35〜80vol%を占めることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(6)前記金属1がAg、Cuから選ばれた一種以上の金属からなることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
【0019】
(7)前記金属1がAgとCuとの合金であり、金属1中に占めるAgの割合が55vol%〜85vol%であることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(8)前記反応層が平均で0.01μm〜1.0μmの範囲の厚みでダイヤモンド粒子表面に形成されていることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(9)相対密度が95%以上であり、室温下での熱伝導率が前記金属1の熱伝導率よりも高いことを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料を用いたヒートシンク。
(11)上記(10)に記載のヒートシンクを用いた半導体デバイス。
【0020】
(12)ダイヤモンド粒子と金属と金属炭化物とからなるダイヤモンド−金属複合材料の製造方法であって、平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1の粉末と、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の粉末との混合粉末、又は、ダイヤモンド粒子と、該金属1及び該金属2の合金粉末との混合粉末を得る工程1と、該混合粉末を加圧成形する工程2と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属3の粉末を加圧成形して成形体を得る工程3と、工程2で製造した混合粉末成形体の上に工程3で得た金属3の成形体を配置する工程4と、非酸化雰囲気下において、両成形体を接触した状態に保ちながら金属1及び金属3の融点以上に加熱してダイヤモンド粒子表面に金属2の炭化物を形成するとともに、ダイヤモンド粒子間隙に溶融した金属3を無負荷で溶浸し緻密体とする工程5を含むことを特徴とする、ダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
【0021】
(13)ダイヤモンド粒子と金属と金属炭化物からなるダイヤモンド−金属複合材料の製造方法であって、平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1の粉末と、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の粉末との混合粉末、又は、ダイヤモンド粒子と、該金属1と該金属2の合金粉末との混合粉末を得る工程1と、該混合粉末を加圧成形する工程2と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属3の板材あるいは塊材を準備する工程3と、工程2で製造した混合粉末成形体の上に工程3で準備した金属3の成形体を配置する工程4と、非酸化雰囲気下において、両成形体を接触した状態に保ちながら金属1及び金属3の融点以上に加熱してダイヤモンド粒子表面に金属2の炭化物を形成するとともに、ダイヤモンド粒子間隙に溶融した金属3を無負荷で溶浸し緻密体とする工程5を含むことを特徴とする、ダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
【0022】
(14)前記ダイヤモンド粒子が平均粒径が10μm以上、60μm未満のダイヤモンド粒子であることを特徴とする、上記(12)または(13)に記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
(15)前記ダイヤモンド粒子の平均粒径が20μm以上、40μm以下であることを特徴とする、上記(14)に記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
(16)前記工程2における成形を冷間または温間で行い、その時の圧力が100〜1000MPaの範囲であることを特徴とする、上記(12)〜(15)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
(17)前記工程3において、金属3の成形体、板材又は塊材の体積が、前記工程2で製造した混合粉末成形体中に存在する気孔の総体積よりも大きいことを特徴とする、上記(12)〜(16)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
【0023】
(18)前記工程2において得られた成形体中の金属1、金属2又はその合金の粉末の融点をTm1、前記工程3において成形あるいは準備した金属3の成形体、板材あるいは塊材の融点をTm2とした場合、Tm1≧Tm2であることを特徴とする、上記(12)〜(17)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
(19)前記工程5において、加熱温度をT、金属1の融点をTm1、金属3の融点をTm2とした場合、T≧Tm1+200℃及びT≧Tm2+200℃であることを特徴とする、上記(12)〜(18)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
(20)前記工程5において、加熱時の雰囲気が0.0133Pa以下の真空、又はアルゴン、水素もしくはヘリウムを含むガス雰囲気であることを特徴とする、上記(12)〜(19)のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のダイヤモンド−金属複合材料は、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1をマトリックスとし、このマトリックス中に平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子が分散した構造となっている。ダイヤモンド粒子はそれぞれが接触しておらず、その表面に、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の炭化物とを主成分とする反応層が存在しており、これを介してマトリックス金属1とダイヤモンド粒子とが密着した構造となっている。上記の構造により、本発明のダイヤモンド−金属複合材料は相対密度を95%以上とし、室温での熱伝導率が350W/mK〜600W/mKの範囲とすることができる。
【0025】
上記本発明のダイヤモンド−金属複合材料は相対密度が少なくとも95%以上であり、さらには相対密度が98%以上であることが望ましい。ダイヤモンド−金属複合材料中に気孔が多数残存していると、メッキをする場合にメッキ液がダイヤモンド−金属複合材料中に染み込み、実装時に加熱されて膨張することでダイヤモンド−金属複合材料が変形してしまうため好ましくない。
【0026】
熱伝導性に優れたダイヤモンド−金属複合材料を得るには、ダイヤモンド粒子と複合化する金属1に関しても熱伝導率の高いAg,Cu又はそれらを基とした合金を用いることが好ましい。さらにAgとCuを合金化することにより、金属1の融点が低下するため、純金属に比べて溶融時の表面張力が低下して濡れ性が改善されるうため、ダイヤモンド粒子間隙に浸透しやすくなり、その結果、気孔の少ない緻密なダイヤモンド−金属複合材料が製造可能となる。そのため、金属1中のAgの割合は55vol%〜85vol%であることが望ましい。
【0027】
ダイヤモンド粒子の平均粒径は10μm以上、60μm未満であることが望ましく、20μm以上、40μm以下であることがさらに望ましい。ダイヤモンド粒子の粒径が大きすぎると加工性が著しく損なわれるため、加工コストが増大すると共に、ヒートシンクとしての仕様に耐えうる加工精度を得ることが非常に困難となる。また、ダイヤモンド粒子の粒径が細かすぎると、ダイヤモンド粒子と金属との界面が増大し、界面での熱伝導率ロスが大きくなるためダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率が低下し、ダイヤモンドの高熱伝導率が生かされず、ダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率は使用した金属の熱伝導率を下回ってしまう。
【0028】
このため本発明のダイヤモンド−金属複合材料においては、ダイヤモンド粒子は平均粒径で10μm以上、60μm未満であることが望ましく、20μm以上、40μm以下であることがさらに望ましい。
また、ダイヤモンド−金属複合材料中のダイヤモンド粒子の比率は、ダイヤモンド−金属複合材料の熱膨張係数を搭載時の半導体素子の熱膨張係数に合わせるために35〜80vol%とすることが望ましい。
【0029】
また、ダイヤモンド粒子と金属1との界面が十分に密着していなければ、熱伝導性に優れたダイヤモンド−金属複合材料は得られない。本発明においては、金属1が溶融し、ダイヤモンド粒子間隙に浸透するのと同時に金属2がダイヤモンド粒子表面に金属炭化物を含む反応層を形成することで密着効果が得られる。
この金属炭化物を含む反応層はダイヤモンド粒子と金属の密着性を得るために必要不可欠である反面、それ自体は熱伝導率が低いため、この反応層は界面における熱抵抗として働く。
【0030】
粒子分散型複合材料において界面で熱伝導のロスが生じる場合、熱伝導率は以下の式で求められる
【0031】
【数1】
【0032】
ここでKmはマトリックスの熱伝導率、Kdは分散粒子の熱伝導率、Vdは分散粒子の体積分率、aは分散粒子の半径である。界面における熱伝達率はhc(熱バリアコンダクタンス)で表され、この値が大きいほど熱伝導率のロスが少ないことを意味する。すなわち界面に形成される炭化物量が多くなるほどhcは小さくなり、ダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率は低下する。
【0033】
従って、反応層が多量に形成されて反応層が厚くなりすぎるとダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率が低下してしまう。
また、炭化物の形成量が少なく反応層の厚みが薄すぎるとダイヤモンド粒子表面に均一に反応層が形成されず、ダイヤモンドと金属との界面の密着性が低下して界面に気孔が多数発生するためにダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率は低下する。高熱伝導率のダイヤモンド−金属複合材料を得るためには、反応層の厚みが0.01〜1.0μmの範囲であることが望ましく、0.05〜0.3μmの範囲に制御することがさらに望ましい。反応層の厚みは使用するダイヤモンド粒子の粒径と、金属2の添加量によって決定される。
【0034】
本発明のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法は、次の工程を含んでいる。
▲1▼工程1:平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1の粉末と、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の粉末との混合粉末、又は、ダイヤモンド粒子と該金属1と該金属2の合金粉末との混合粉末を得る工程
▲2▼工程2:該混合粉末を加圧成形する工程
▲3▼工程3:Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属3の粉末を加圧成形して成形体を得る工程
▲4▼工程4:工程2で製造した混合粉末成形体の上に工程3で得た金属3の成形体を配置する工程
▲5▼工程5:非酸化雰囲気下において、両成形体を接触した状態に保ちながら金属3の融点以上に加熱してダイヤモンド粒子表面に金属2の炭化物を形成するとともに、ダイヤモンド粒子間隙に溶融した金属3を無負荷で溶浸し緻密体とする工程
【0035】
ここで、金属1及び金属3は単体である必要はなく、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znのいずれかを主成分とする金属であってもよい。また、金属2も単体である必要はなく、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種を主成分とするものであってもよい。
また、上記金属1と金属3とは同一の金属であっても良いし異なる金属であっても良い。
【0036】
また、前記の金属3の粉末を加圧成形する工程3を金属3の板材あるいは塊材を準備する工程とし、前記工程4において金属3の板材あるいは塊材を工程2で製造した混合粉末成形体の上に配置しても良い。
前記合金粉末としては、市販の活性銀ロウ(例えば70wt%Ag−28wt%Cu−2wt%Ti)のように予め合金化した粉末を用いても良い。
【0037】
前記工程2において、混合粉末を得る方法としては、金属1の粉末と金属2の粉末とダイヤモンド粒子とを混合する方法、金属1の粉末と金属2の粉末を混合してのち、これにダイヤモンド粒子を混合する方法及び金属1と金属2との合金粉末にダイヤモンド粒子を混合する方法等がある。
またこの混合粉末を成形する際には、冷間成形でも良いが、温間成形であればより密度の高い成形体が得られるため最終的な気孔率を低く抑えたい時には有効である。また、その時の圧力は100〜1000MPaの範囲で高いほど気孔率の小さい成形体が得られる。
【0038】
本発明のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法ではこの工程2における冷間または温間での加圧成形工程によりダイヤモンド−金属複合材料の最終的な形状と性能が決定される。そのため、いかなる場合においてもダイヤモンド粒子と金属1および金属2の粉末又はその合金粉末とを混合した後に、加圧成形を行うことが大きな特徴である。このようにすると成形時の体積が工程終了後まで維持されるため、従来の溶浸法に比べて材料設計が容易である。また、容器中から加工して取り出すといった工程は不要であり、ニアネット製造が可能である。
【0039】
前記工程3において、金属3の粉末加圧成形体に替えて金属3の板材あるいは塊材を用いても良い。これらの材料は同体積の粉末材と比較して表面積が小さいため、酸素含有量が少なく表面に形成される酸化物の量も少ない。そのため溶融時の表面張力が低下し濡れ性が向上する。
【0040】
前記工程4において粉末成形体の上に配置する金属3の粉末成形体あるいは板材、塊材の体積は混合粉末成形体中に存在する気孔の総体積よりも大きくしなければ溶浸時に金属が十分に溶浸されず95%以上の緻密なダイヤモンド−金属複合材料は得られない。
【0041】
工程5における加熱温度は、加熱温度をT、金属1の融点をTm1 、金属3の融点をTm2 、とした場合、金属1及び金属3の表面張力を下げて濡れ性を良くするためにT≧Tm1+200℃及びT≧Tm2+200℃の関係であることが望ましい。また、加熱時の雰囲気は0.0133Pa以上の真空下かAr,He,H2等のガス雰囲気下である必要がある。金属が酸化してしまうような雰囲気下では溶融金属の濡れ性が阻害されるため溶浸法により緻密なダイヤモンド−金属複合材料を得ることは困難である。
【0042】
上記した本発明のダイヤモンド−金属複合材料製造法では、均一に分散したダイヤモンド粒子表面において、金属2の金属炭化物が形成されるのと同時にダイヤモンド粒子の隙間を溶融した金属1、金属3が浸透し、緻密体とすることが特徴である。そのため、ダイヤと混合し成形体とする合金は、その上に配置する金属3と融点が同じであり、両者が同時に溶融状態となることが望ましい。
【0043】
さらに、凝固時に金属が大きく収縮することによって引け巣が発生し内部欠陥となる可能性があるため、成形体の上に配置する金属3の融点が成形体中の合金の融点以下であることが望ましい。上に配置する金属3の融点を低くすることにより、成形体中の合金が収縮した時にできた気孔に、溶融状態にある金属3が浸透し、より緻密なダイヤモンド−金属複合材料が得られる。
すなわち、成形体中の金属1、金属2又はその合金の粉末の融点をTm1、前記工程3において成形あるいは準備した金属3の成形体、板材あるいは塊材の融点をTm2とした場合、Tm1≧Tm2であるようにする。
【0044】
本発明のダイヤモンド−金属複合材料は高熱伝導率かつ従来のダイヤモンドヒートシンクに比べて易加工性であるため、半導体レーザーやマイクロ波素子などの発熱量の大きいデバイスに用いるヒートシンクとして最適である。
【0045】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
[実施例1]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAg−Cu合金粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ti粉末を用意した。
これらの各粉末を下記表1に示すように、ダイヤモンド粒子が70vol%、Ag−Cu合金粉末が20.0〜30.0vol%、Ti粉末が0.0〜10.0vol%となるように混合し、成形圧力800MPaで直径10mm×厚み3mmに加圧成形した。成形体の気孔率は25%前後であった。
【0047】
得られた成形体の上にAg−Cu合金を直径10mm×厚み1mmに成形したものを乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において下記表1に示す温度で2h加熱処理した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。Tiを添加しない場合はこの方法では試料が形成されなかったので黒鉛製のルツボ中に成形体を挿入し、溶製して試料を作製した。
【0048】
【表1】
【0049】
得られた各溶浸材料を厚さ2mmまで研磨して密度を測定した後、レーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0050】
測定によって得られた各溶浸材料のダイヤ含有量、密度、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率の数値を下記表2に示した。この結果から分かるように、反応層の厚みが厚くなるとAg−Cu合金とダイヤモンド粒子の密着性が改善されるため、密度が向上する。熱伝導率は反応層の厚みが0.05〜0.5μmの範囲の時に比較的高く、0.15μmで最大となる。また、融点に対して加熱温度が高いほど、溶融金属の表面張力が低下して溶浸されやすくなるため密度は向上し、気孔による熱伝導のロスが抑えられるため熱伝導率が向上する。
【0051】
【表2】
【0052】
[実施例2]
原料粉末として平均粒径が5〜100μmのダイヤモンド粒子とAg−Cu合金粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ti粉末を用意した。
これらの各粉末を下記表3に示すように、ダイヤモンド粒子が70vol%、Ag−Cu合金粉末が17.5〜29.4vol%、Ti粉末が0.6〜12.5vol%となるように混合し、成形圧力800MPaで直径20mm×厚み10mmに加圧成形した。成形体の気孔率は20から35%前後であった。
得られた成形体の上にAg−Cu合金粉末を直径20mm×厚み10mmに成形したものを乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において加熱温度1000℃で2h加熱処理した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。
【0053】
【表3】
【0054】
得られた各溶浸材料より直径10mm×厚さ2mmに切り出してレーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、直径5mm×厚み10mmに加工して密度を測定した後、作動トランス式熱膨張係数測定装置により熱膨張係数を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0055】
測定によって得られた各溶浸材料のダイヤモンド粒径、ダイヤ含有量、密度、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率の数値を下記表4に示した。この結果から分かるように、使用するダイヤモンド粒子の粒径に比例して熱伝導率は高くなる。単味金属の熱伝導率と比較するとAg:410W/mK、Cu:390W/mKであり、それらを超える高性能のヒートシンクとなるのは20μm以上のダイヤモンド粒子を使用した場合であった。
【0056】
【表4】
【0057】
[実施例3」
実施例2で作製した試料11〜18を10mm×10mm×1mmに加工し、表面にロウ付けを可能にするための金属接合層としてAu−Snを厚み3μmまで真空蒸着して表面粗さ(Ra)を測定した。そしてその上に0.3×0.3×0.1mmのGaAs製の半導体レーザー素子をAu−Sn合金ロウ材によって接合した。
【0058】
得られた各レーザー素子の飽和光出力を測定した結果を表5に示す。ヒートシンクに用いたダイヤモンド粒子の粒径が小さいほどメッキ後の表面品質は向上し、ロウ付け時にAu−Sn合金の層が均一に形成される。その結果、半導体素子との密着性が良好かつ半導体素子の均熱性が保たれるため動作時の安定性が向上し、高い飽和光出力が得られる。また、粒径を5μmまで小さくすると熱伝導率が300を切ってしまい放熱性が低下するため飽和光出力は低下してしまう。
【0059】
【表5】
【0060】
[実施例4]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAgおよびCu、Ti粉末をそれぞれ用意した。
これらの各粉末を下記表6に示すように、ダイヤモンド粒子が70vol%、Ag粉末が19.3vol%、Cu粉末が9.1vol%、Ti粉末が1.6vol%となるように混合し、成形圧力800MPaで直径10mm×厚み3mmに加圧成形し成形体とした。成形体の気孔率は25%前後であった。
【0061】
次に表6に示すように配合比の異なるAg−Cu合金の板材を用意し、直径10mm×厚み1mmの円板形に加工して成形体の上に乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において加熱温度1000℃で2h加熱処理した。成形体の金属成分の融点は780℃、金属円板の融点は約780℃〜973℃である。
【0062】
【表6】
【0063】
得られた各溶浸材料を厚さ2mmまで研磨して密度を測定した後、レーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0064】
測定によって得られたダイヤ含有量、各溶浸材料の密度、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率の値を下記表7に示した。この結果から、上に置くAg−Cu合金円板の融点が低いほど溶浸後の相対密度は高くなり、特にAg−Cu合金円板中のAg濃度が550〜85vol%の時に密度が95%以上と比較的高くなることが分かる。
【0065】
【表7】
【0066】
[実施例5]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAg−Cu合金粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ti粉末を用意した。
これらの各粉末を実施例1で示した方法において試料7の条件で直径20mm×厚み10mmの試料を作製した。溶浸後の試料はダイヤ含有量が約55vol%であった。
【0067】
また、石英容器中に混合した粉末を充填し0.0133MPa以下の高真空下において1000℃で2h加熱処理して完全に試料が形成されたのを確認した後、さらに真空中で加熱して金属成分の大部分を揮発させて直径20mm×厚み10mmの多孔体とした。多孔体の気孔率は約45%であった。
得られた多孔体を石英容器に再度挿入し、その上にAg−Cu合金を直径20mm×厚み5mmに成形した物を乗せ、1000℃で2h加熱処理してAg−Cu合金を多孔体中に溶浸した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。溶浸後の試料はダイヤ含有量が約55vol%であった。
【0068】
2種類の製法によって得られた試料の密度を測定した結果、前者は96%、後者は92%であった。また、表8に示した板厚方向の密度分布を調査した結果、前者は96%前後でほぼ一定であるのに対し、後者の試料内においては密度が変動しており、深さ方向に対して密度が低下していく傾向にあった。この結果より、多孔体の隙間にAg−Cu合金を溶浸させて緻密体とすることは困難であることが分かる。
【0069】
[実施例6]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAgおよびCu、Ti粉末をそれぞれ用意した。
これらの各粉末を下記表8に示すように、ダイヤモンド粒子が70vol%、Ag粉末が19.3vol%、Cu粉末が9.1vol%、Ti粉末が1.6vol%となるように混合し、成形圧力と成形温度を変えながら直径20mm×厚み10mmに加圧成形し成形体とした。
【0070】
得られた成形体の上にAg−Cu混合粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)を直径20mm×厚み4mmに成形した物を乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において加熱温度1000℃で2h加熱処理した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。
【0071】
【表8】
【0072】
得られた各溶浸材料より直径10mm×厚さ2mmに切り出してレーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、直径5mm×厚み10mmに加工して密度を測定した後、作動トランス式熱膨張係数測定装置により熱膨張係数を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0073】
測定によって得られた各溶浸材料のダイヤ含有量、密度、 ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率、熱膨張係数の値を下記表9に示した。この結果から分かるように、試料形成のためには100MPa以上の成形圧が必要であり、成形圧が高いほど得られた試料の密度が高くなる。これは溶浸後の試料の密度が成形体の密度に依存していることを示す。また、温間成形によって溶浸後の密度は98%まで向上する。成形密度によって溶浸材料のダイヤ含有量が決定されるため、熱膨張係数を低く抑えたいときには、温間成形が有利である。
【0074】
【表9】
【0075】
[実施例7]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAgおよびCu、Ti粉末をそれぞれ用意した。
これらの各粉末を下記表10に示すように、ダイヤモンド粒子の含有量が異なる粉末をそれぞれ混合し、成形圧力と成形温度を変えながら直径20mm×厚み10mmに加圧成形し成形体とした。
【0076】
得られた成形体の上にAg−Cu混合粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)を直径20mm×厚み4mmに成形したものを乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において加熱温度1000℃で2h加熱処理した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。試料33は加熱処理時に溶融した金属が浸み出し、健全な溶浸材料を形成することはできなかった。
【0077】
【表10】
【0078】
得られた各溶浸材料より直径10mm×厚さ2mmに切り出してレーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、直径5mm×厚み10mmに加工して密度を測定した後、作動トランス式熱膨張係数測定装置により熱膨張係数を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0079】
測定によって得られた各溶浸材料の相対密度、溶浸後のダイヤ含有量、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率、熱膨張係数の値を下記表11に示した。この結果から分かるように、健全な溶浸材料を作製可能なダイヤ含有量はダイヤモンド−金属複合材料中35〜80vol%の範囲であった。また、ダイヤ含有量の多い試料ほど熱伝導率が高く熱膨張係数が小さいことが分かる。
【0080】
【表11】
【0081】
[実施例8]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAg−Cu合金粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの各粉末をそれぞれ用意した。
これらの各粉末を下記表12に示すような比率で混合し、成形圧力800MPaで直径10mm×厚み3mmに加圧成形し成形体とした。成形体の気孔率は25%前後であった。
【0082】
得られた成形体の上にAg−Cu混合粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)を直径10mm×厚み1mmに成形した物を乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において加熱温度1000℃で2h加熱処理した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。
【0083】
【表12】
【0084】
得られた各溶浸材料を厚さ2mmまで研磨して密度を測定した後、レーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成された金属炭化物を含む反応層の厚みを測定した。
【0085】
測定によって得られた各溶浸材料の相対密度、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成される金属炭化物を含む反応層の厚み、熱伝導率を下記表13に示した。分析より、それぞれダイヤモンド粒子表面に金属炭化物の存在が確認された。いずれの場合も金属炭化物によりダイヤモンド粒子と金属の密着性が十分に得られ、単味金属と比較して高い熱伝導率が得られた。
【0086】
【表13】
【0087】
[実施例9]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAgおよびCu、Ti粉末をそれぞれ用意した。これらの各粉末を下記表14に示すように、ダイヤモンド粒子が70vol%、Ag粉末が19.3vol%、Cu粉末が9.1vol%、Ti粉末が1.6vol%となるように混合し、成形圧力800MPaで直径10mm×厚み3mmに加圧成形し成形体とした。成形体の気孔率は25%前後であった。
【0088】
次に表14に示すようにAg−Cu合金(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znの板材を用意し、直径10mm×厚み1mmの円板形に加工して成形体の上に乗せ、0.0133MPa以下の高真空下において試料50から53は加熱温度1090℃で2h、試料54から57は加熱温度900℃で2h加熱処理した。
【0089】
【表14】
【0090】
得られた各溶浸材料を厚さ2mmまで研磨して密度を測定した後、レーザーフラッシュ法によって熱伝導率を測定した。また、ダイヤモンド粒子と金属の界面を透過型電子顕微鏡で観察し、ダイヤモンド粒子表面に形成されたTiCを含む反応層の厚みを測定した。
【0091】
測定によって得られたダイヤ含有量、各溶浸材料の密度、ダイヤモンド粒子とAg−Cu合金との界面に形成されるTiCを含む反応層の厚み、熱伝導率の値を下記表15に示した。この結果から、上に置く金属円板としてAg、Cuおよびその合金以外の金属を用いた場合においても試料形成は可能であるが、金属部分の低熱伝導率が低下するため、得られたダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率も比較的低くなることが分かる。
【0092】
【表15】
【0093】
[実施例10]
実施例5で作製した試料32の表面にロウ付けを可能にするための金属接合層としてAu−Snを厚み3μmまで真空蒸着した。そしてその上に0.3×0.3×0.1mmのGaAs製の半導体レーザー素子をAu−Sn合金ロウ材によって接合した。
得られた各レーザー素子の飽和光出力を測定した結果を表16に示す。比較のためにダイヤモンドヒートシンクおよびCu−Wヒートシンクを用いた場合の結果も表16に合わせて示した。本発明のダイヤモンド粒子と金属よりなるダイヤモンド−金属複合材料は高い飽和光出力が得られた。これはダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率が高いために放熱性に優れていることと、ダイヤモンドに比べてヤング率が低いこと、熱膨張係数が半導体に近いため半導体素子に熱応力による歪みが生じにくいことによって、レーザー発生効率が高くなるためと考えられる。
【0094】
【表16】
【0095】
[実施例11]
実施例5で作製した試料32の表面にロウ付けを可能にするための金属接合層としてAu−Snを厚み3μmまで真空蒸着した。そしてその上に0.3×0.3×0.1mmのGaAs製の半導体レーザー素子をAu−Sn合金ロウ材によって接合した。
得られた各レーザー素子を力150mWで連続発振させて、半導体レーザーの温度変動から発振状態を評価した。結果を表17に示す。比較のためにダイヤモンドヒートシンクおよびCu−Wヒートシンクを用いた場合の結果も表17に合わせて示した。
【0096】
本発明の金属とダイヤよりなるダイヤモンド−金属複合材料を用いることにより、安定した発振状態が得られた。これはダイヤモンド−金属複合材料の熱伝導率が高いために放熱性に優れていることと、ダイヤモンドに比べてヤング率が低いこと、熱膨張係数が半導体に近いため半導体素子に熱応力による歪みが生じにくいことによって、半導体素子に熱応力による歪みが生じにくくなり、安定したレーザー発振状態が得られるためと考えられる。
【0097】
【表17】
【0098】
[実施例12]
原料粉末として平均粒径が40μmのダイヤモンド粒子とAg−Cu合金粉末(72wt%Ag−28wt%Cu)、Ti粉末を用意した。
これらの各粉末を実施例1で示した方法(製法1とする)において試料7の条件で直径20mm×厚み10mmの試料を作製した。溶浸後の試料はダイヤ含有量が約55vol%であった。
【0099】
また、石英容器中に混合した粉末を充填し0.0133MPa以下の高真空下において1000℃で2h加熱処理して完全に試料が形成されたのを確認した後、さらに真空中で加熱して金属成分を完全に揮発させて直径20mm×厚み10mmの多孔体とした。多孔体はダイヤモンド粒子がTiCで連結した構造となっており、その気孔率は約45%であった。
【0100】
得られた多孔体を石英容器に再度挿入し、その上にAg−Cu合金を直径20mm×厚み5mmに成形した物を乗せ、1000℃で2h加熱処理してAg−Cu合金を多孔体中に溶浸した。Ag−Cu合金の融点は約780℃である。溶浸後の試料はダイヤ含有量が約55vol%であった。(以上、製法2とする)
【0101】
2種類の製法によって得られた試料の表面にロウ付けを可能にするための金属接合層としてAu−Snを厚み3μmまで真空蒸着し、表面粗さを測定した。そしてその上に0.3×0.3×0.1mmのGaAs製の半導体レーザー素子をAu−Sn合金ロウ材によって接合した。
【0102】
得られた各レーザー素子を力150mWで連続発振させて、半導体レーザーの温度変動から発振状態を評価した。結果を表18に示す。製法1で作製したダイヤモンド−金属複合材料において安定した発振状態が得られた。これはダイヤモンド粒子が連結した構造となっていないために加工後の面精度が良好であり、半導体素子との密着性が良好であること、ヤング率が低いことによって、半導体素子に熱応力による歪みが生じにくくなり、安定したレーザー発振状態が得られるためと考えられる。
【0103】
【表18】
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、高密度且つ高熱伝導率なダイヤモンド−金属複合材料を提供できる。この高性能なダイヤモンド−金属複合材料をヒートシンクとして用いることによって半導体レーザーやマイクロ波デバイスなどの性能を最大限に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド−金属複合材料の微細構造を示す概略図である。
Claims (20)
- 平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、該ダイヤモンド粒子の表面に形成された4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の炭化物を主成分とする反応層と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1とからなり、前記金属1によって形成されたマトリックス中に該反応層を有する各ダイヤモンド粒子が金属1によって隔てられて分散していることを特徴とするダイヤモンド−金属複合材料。
- 室温下での熱伝導率が350W/mK〜600W/mKの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記ダイヤモンド粒子が平均粒径で10μm以上、60μm未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記ダイヤモンド粒子が平均粒径で20μm以上、40μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記ダイヤモンド粒子がダイヤモンド−金属複合材料の35〜80vol%を占めることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記金属1がAg、Cuから選ばれた一種以上の金属からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記金属1がAgとCuとの合金であり、金属1中に占めるAgの割合が55vol%〜85vol%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 前記反応層が平均で0.01μm〜1.0μmの範囲の厚みでダイヤモンド粒子表面に形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 相対密度が95%以上であり、室温下での熱伝導率が前記金属1の熱伝導率よりも高いことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料を用いたヒートシンク。
- 請求項10に記載のヒートシンクを用いた半導体デバイス。
- ダイヤモンド粒子と金属と金属炭化物とからなるダイヤモンド−金属複合材料の製造方法であって、平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1の粉末と、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の粉末との混合粉末、又は、ダイヤモンド粒子と、該金属1及び該金属2の合金粉末との混合粉末を得る工程1と、該混合粉末を加圧成形する工程2と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属3の粉末を加圧成形して成形体を得る工程3と、工程2で製造した混合粉末成形体の上に工程3で得た金属3の成形体を配置する工程4と、非酸化雰囲気下において、両成形体を接触した状態に保ちながら金属1及び金属3の融点以上に加熱してダイヤモンド粒子表面に金属2の炭化物を形成するとともに、ダイヤモンド粒子間隙に溶融した金属3を無負荷で溶浸し緻密体とする工程5を含むことを特徴とする、ダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- ダイヤモンド粒子と金属と金属炭化物からなるダイヤモンド−金属複合材料の製造方法であって、平均粒径が60μm未満のダイヤモンド粒子と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属1の粉末と、4a、5a及び6a族元素から選ばれた一種以上からなる金属2の粉末との混合粉末、又は、ダイヤモンド粒子と、該金属1と該金属2の合金粉末との混合粉末を得る工程1と、該混合粉末を加圧成形する工程2と、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Znより選ばれた一種以上からなる金属3の板材あるいは塊材を準備する工程3と、工程2で製造した混合粉末成形体の上に工程3で準備した金属3の成形体を配置する工程4と、非酸化雰囲気下において、両成形体を接触した状態に保ちながら金属1及び金属3の融点以上に加熱してダイヤモンド粒子表面に金属2の炭化物を形成するとともに、ダイヤモンド粒子間隙に溶融した金属3を無負荷で溶浸し緻密体とする工程5を含むことを特徴とする、ダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記ダイヤモンド粒子が平均粒径が10μm以上、60μm未満のダイヤモンド粒子であることを特徴とする、請求項12または13に記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記ダイヤモンド粒子の平均粒径が20μm以上、40μm以下であることを特徴とする、請求項14に記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記工程2における成形を冷間または温間で行い、その時の圧力が100〜1000MPaの範囲であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記工程3において、金属3の成形体、板材又は塊材の体積が、前記工程2で製造した混合粉末成形体中に存在する気孔の総体積よりも大きいことを特徴とする、請求項12〜16のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記工程2において得られた成形体中の金属1、金属2又はその合金の粉末の融点をTm1、前記工程3において成形あるいは準備した金属3の成形体、板材あるいは塊材の融点をTm2とした場合、Tm1≧Tm2であることを特徴とする、請求項12〜17のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記工程5において、加熱温度をT、金属1の融点をTm1、金属3の融点をTm2とした場合、T≧Tm1+200℃及びT≧Tm2+200℃であることを特徴とする、請求項12〜18のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
- 前記工程5において、加熱時の雰囲気が0.0133Pa以下の真空、又はアルゴン、水素もしくはヘリウムを含むガス雰囲気であることを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載のダイヤモンド−金属複合材料の製造方法。
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