JP2004194438A - 電源付き作動装置および電源付き作動装置制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャパシタの電気エネルギの有効利用を図る。
【解決手段】キャパシタ12において充電状態が長時間保たれると寿命が短くなるため、イグニッションスイッチ36がOFFにされた場合には、充電された電気エネルギが放電される。このキャパシタ12に充電されて放電される電気エネルギが、電源システム制御装置24に供給され、キャパシタユニット38の自己診断が行われる。また、自己診断後にキャパシタ12に電気エネルギが残っている場合には、キャパシタ12の電気エネルギがメインバッテリ10に供給されて、充電される。このように、放電されるキャパシタ12の電気エネルギが自己診断に利用されるのであり、有効利用を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】キャパシタ12において充電状態が長時間保たれると寿命が短くなるため、イグニッションスイッチ36がOFFにされた場合には、充電された電気エネルギが放電される。このキャパシタ12に充電されて放電される電気エネルギが、電源システム制御装置24に供給され、キャパシタユニット38の自己診断が行われる。また、自己診断後にキャパシタ12に電気エネルギが残っている場合には、キャパシタ12の電気エネルギがメインバッテリ10に供給されて、充電される。このように、放電されるキャパシタ12の電気エネルギが自己診断に利用されるのであり、有効利用を図ることができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は電源付き作動装置および電源付き作動装置を制御する制御方法に関するものであり、キャパシタに充電された電気エネルギの有効利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1〜3には電源付き作動装置が記載されている。そのうちの特許文献1には、バッテリとキャパシタとを含む電源システムを含む電源付き作動装置が記載されている。イグニッションスイッチがOFFにされた場合に、キャパシタに充電された電気エネルギがバッテリに供給されて充電される。キャパシタにおいて充電状態が長時間保たれると寿命が短くなるため、イグニッションスイッチがOFFにされた場合には、充電された電気エネルギが放電されるのであるが、その放電される電気エネルギがバッテリに供給されて充電されるのである。このようにすれば、キャパシタに充電された電気エネルギを有効に利用することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−196006号公報
【特許文献2】
特開2000−156919号公報
【特許文献3】
特開平11−257120号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、キャパシタに充電された電気エネルギのさらなる有効利用を図ることである。上記課題は、電源付き作動装置および電源付き作動装置制御方法を下記各態様に記載のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(2)項が請求項2に対応し、(6)項が請求項3に対応する。また、(7)項が請求項4に対応し、(12)項が請求項5に対応する。
【0006】
(1)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
本項に記載の電源付き作動装置においては、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、キャパシタに蓄えられた電気エネルギが自己診断に利用される。自己診断装置にキャパシタに充電された電気エネルギが供給されて、自己診断が実行されるのである。特許文献1に記載の電源システムにおいては、バッテリにおける充電可能な容量(残存充電容量)が設定容量より少ない場合等、それ以上バッテリに電気エネルギを充電することができない場合には、キャパシタに充電された電気エネルギは抵抗等において消費させて放電されることになる。それに対して、本項に記載に電源付き作動装置においては、バッテリにおける残存充電容量が設定容量より少なくても、電源システムの自己診断に利用されるため、無駄に放出される電気エネルギ量を少なくすることができる。
電源システムは、キャパシタを含む複数の電源を備えたものである。キャパシタの他の電源は、1つであっても、2つ以上であってもよい。1つ以上の電源は、モータジェネレータおよびインバータ、オルタネータ、燃料電池等の発電装置と、蓄電装置との少なくとも一方を備えたものとすることができる。蓄電装置は、化学バッテリ(以下、単にバッテリと称する)を含むものであってもキャパシタを含むものであってもよい。電源システムにキャパシタが複数含まれていることもあるのである。また、キャパシタを含む複数の電源の1つを主電源とすることができる。主電源とは、電気的作動装置に主として電気エネルギを供給するものである。主電源とは、電気的作動装置に対することばであり、これら電源システムおよび電気的作動装置を含む全体装置におけるメインの電源であるとは限らない。例えば、全体装置に複数の蓄電装置や発電装置が設けられる場合に、それらのうちの少なくとも1つであればよい。
また、複数の電源のうちの1つは、電気エネルギを長時間蓄えることによって弊害が生じることの少ないものとすることが望ましく、化学バッテリを含むものとすることが望ましい。
キャパシタは、複数のコンデンサを含むものである。キャパシタは主電源から供給される電気エネルギを蓄えるものであっても、本電源システムとは別の電源システムの電源から供給される電気エネルギを蓄えるものであってもよい。
「電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合」には、(a)電気的作動装置にその電気的作動装置本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなった場合、(b)電気的作動装置の作動・非作動を切り換えるメインスイッチがOFF(非作動)にされた場合等が該当する。
電源システムは、電気的作動装置に、それ本来の機能を発揮する作動をさせるために電気エネルギを供給する。そのため、電気的作動装置に、この本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなれば、電源システムから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなる。また、電気的作動装置のメインスイッチは、当該電源付き作動装置のメインスイッチまたは電源付き作動装置を含む全体装置のメインスイッチがOFFにされることによって、OFFにされることもある。例えば、電源付き作動装置を含む全体装置が車両である場合において、イグニッションスイッチがOFFにされた場合が該当する。
また、キャパシタに電気エネルギが供給されなくなった場合を、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合とすることもできる。キャパシタから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなれば、キャパシタにそれ以上電気エネルギを充電する必要がないからである。キャパシタに主電源から電気エネルギが供給される場合において、キャパシタと主電源との間にスイッチが設けられている場合には、このスイッチが切断状態にされる。
さらに、主電源が発電装置を有する場合において、その発電装置が停止させられる場合を、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合とすることもできる。前述のように、全体装置のメインスイッチがOFFにされた場合には、発電装置も停止させられるからである。
例えば、主電源が正常である場合に、主電源から電気的作動装置に電気エネルギが供給されるが、異常な場合に、キャパシタから供給されるようにすることができる。
「電気的作動装置に電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後」を「キャパシタに電気エネルギを充電しておく必要がなくなった後」に変えてもよい。
(2)前記自己診断装置が、前記電源システムの状態を診断する電源システム診断部を含む(1)項に記載の電源付き作動装置。
(3)前記電源システムが、前記キャパシタにおける充電・放電の状態を制御する充放電制御装置を含む(1)項または(2)項に記載の電源付き作動装置。
充放電制御装置は、例えば、キャパシタの複数のコンデンサそれぞれに対応して並列に設けられた複数のトランジスタ等を含むスイッチ部と、これらスイッチ部の状態を制御するスイッチ制御部とを含むものとすることができる。
自己診断装置は、充放電制御装置を診断するものとすることができる。自己診断装置は、充放電制御装置とは別個独立に設けられたものであっても、充放電制御装置に含まれるものであっても、共通部分を有するものであってもよい。
(4)前記電源システムが、前記電源システムから前記電気的作動装置への電気エネルギの供給状態を制御する外部供給状態制御装置を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つにに記載の電源付き作動装置。
外部供給状態制御装置は、少なくとも、前記電源システムから電気的作動装置へ電気エネルギを供給する状態と、電気エネルギを供給しない状態とに切り換え可能な切換装置と、その切換装置の状態を制御する切換装置制御部とを含むものとすることができる。切換装置は、さらに、電気的作動装置にキャパシタ以外の電源(例えば、主電源とすることができる)から電気エネルギが供給される状態と、キャパシタから供給される状態とに切り換え可能なものとすることもできる。切換装置は、電気的作動装置に主電源とキャパシタとのいずれか一方を選択的に接続するスイッチを含むものとしたり、主電源とキャパシタとの少なくとも一方の出力電圧を制御することによって、電気的作動装置に主電源とキャパシタとのいずれか一方の電気エネルギが選択的に供給されるようにするものとしたりすることができる。切換装置は、主電源が正常である場合に主電源の電気エネルギが供給される状態とされ、主電源が異常である場合にキャパシタの電気エネルギが供給される状態とされるようにすることができる。
自己診断装置は、この外部供給状態制御装置を診断するものとすることができる。
(5)前記電源システムが、前記キャパシタへの電気エネルギの供給状態を制御する内部供給状態制御装置を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
内部供給状態制御装置は、キャパシタに電気エネルギが供給可能な状態と、電気エネルギが供給されない状態とに切換可能な切換装置と、その切換装置の状態を制御する切換装置制御部とを含むものとすることができる。
キャパシタに主電源から電気エネルギが供給される場合には、切換装置は、キャパシタと主電源との間に設けられたスイッチを含むものとすることができる。また、主電源がバッテリである場合には、切換装置は、キャパシタからバッテリに電気エネルギを供給する状態をとり得るものとすることができる。自己診断装置は、この内部供給状態制御装置を診断するものとすることができる。
これら充放電制御装置、外部供給状態制御装置、内部供給状態制御装置は、それぞれ別個独立なものであっても、互いに共通部分を有するものであってもよい。例えば、制御部の一態様としてのコンピュータを共有することができる。また、外部供給状態制御装置の切換装置と内部供給状態制御装置の切換装置とを含み、これらの状態が互いに連動して切換え可能な電気回路を設け、この電気回路等を切換装置制御部とすることができる。
また、自己診断装置は、これら3つの制御装置とは別個に設けられたものであっても、これら3つの制御装置のうちの少なくとも1つと共通部分を含むものであってもよい。
自己診断装置は、これら制御装置のうちの1つを診断するものであっても、2つ以上を診断するものであってもよい。また、2つ以上を診断するものである場合には、優先順位に従って診断することができる。
【0007】
(6)前記自己診断装置が、前記電気的作動装置の状態を診断する電気的作動装置診断部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
例えば、電気的作動装置は、通常は、主電源から電気エネルギが供給されることによって作動させられ、主電源の異常時等にキャパシタから電気エネルギが供給されることによって作動させられるようにすることができる。本項に記載の電源付き作動装置においては、電気的作動装置を本来の機能を発揮する作動を行わせる必要がなくなった後に、主電源が異常であるか正常であるかとは関係なく、キャパシタに充電された電気エネルギが電気的作動装置に供給されて診断が行われる。この診断は、電気的作動装置の本来の作動が終了した後に行われる診断であるためファイナルチェックと称することができる。
電気的作動装置は、電気エネルギによって作動させられるものである。電気的作動装置は、例えば、車両の駆動装置、制動装置、駆動伝達装置、ステアリング装置、サスペンション装置等の主搭載装置としたり、オーディオ装置、エアコン装置、ワイパ装置、ドア作動装置、ライティング装置等の補機装置としたりすることができる。このように、電気的作動装置は、可動部を有するものに限らない。また、電源付き作動装置に含まれる電気的作動装置は1つであっても2つ以上であってもよい。電源システムが2つ以上の電源的作動装置に共通に設けられたものとすることができるのである。
なお、自己診断装置による診断に優先順位を設けることができる。例えば、最初に電源システムの診断が行われ、その後に、電気的作動装置の診断が行われるようにしたり、逆に、電気的作動装置の診断が行われた後に電源システムの診断が行われるようにしたりすることができる。また、電源システムの診断が行われた後にキャパシタに充電された電気エネルギの量が検出され、設定量以上残っている場合に電気的作動装置の診断が行われるようにすることができる。順番は、逆であってもよい。さらに、複数の電気的作動装置が設けられる場合には、複数の電気的作動装置の間で診断の順番を決めることもできる。また、同時に複数の装置に対して診断が行われるようにすることも不可能ではない。
(7)前記電源システムが、バッテリと、前記自己診断装置による診断が終了した後に、前記キャパシタに残っている電気エネルギの量が予め定められた設定量より多い場合に、前記キャパシタに充電された電気エネルギを前記バッテリに供給して、充電するキャパシタ放電装置とを含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
自己診断が終了した後に、キャパシタに電気エネルギが設定量より多く残っている場合には、その電気エネルギが電源システムに含まれるバッテリに供給される。バッテリは長時間電気エネルギを蓄えても、差し支えないものであるため、キャパシタに蓄えておくより、望ましい。設定量は0とすることができる。例えば、主電源をバッテリとすることができる。
【0008】
(8)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
予め定められた条件が満たされた後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
予め定められた条件として、前述のように、(a)電気的作動装置に、本来の機能を発揮させる作動をさせる必要がなくなったこと、(b)電気的作動装置と電源システムとの間のスイッチが切断状態にされたこと、(c)電源システムから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなったこと、(d)キャパシタから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなったこと、 (e)主電源と電気的作動装置とが電気的に遮断されたこと等の少なくとも1つを採用することができる。
本項に記載の電源付き作動装置には、(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(9)主電源とキャパシタとを含み、電気的作動装置に電気エネルギを供給する電源システムであって、
前記電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源システム。
本項に記載の電源システムには、(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0009】
(10)主電源とキャパシタとを含む電源システムであって、
予め定められた条件が満たされた後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源システム。
予め定められた条件として、前述のように、(a)キャパシタと、そのキャパシタに電気エネルギを供給する供給元との間のスイッチが切断状態にされたこと、(b)主電源としての蓄電装置とその蓄電装置への電気エネルギの供給元との間のスイッチが切断状態にされたこと、(c)主電源に接続された発電装置が停止させられたこと、(d)主電源としての発電装置が停止させられたこと等の少なくとも1つを採用することができる。
本項に記載の電源システムには、(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(11)主電源とキャパシタとを含む電源システムと、その電源システムから供給された電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
前記電源システムが、前記電気的作動装置に、それの本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギを前記電気的作動装置に供給するキャパシタ放電装置を含むとともに、前記電動的作動装置が、前記キャパシタ放電装置によって電気エネルギが供給された場合に、当該電気的作動装置の状態を診断する診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
本項に記載の電源付き作動装置には、(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0010】
(12)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置を制御する方法であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態の診断を行うことを特徴とする電源付き作動装置制御方法。
本項に記載の電源付き作動装置制御方法によれば、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態の診断が行われる。
本項に記載の電源付き作動装置制御方法には、(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
(13)主電源とキャパシタとを含み、電気的作動装置に電気エネルギを供給する電源システムを制御する方法であって、
前記電気的作動装置に当該電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態の診断を行うことを特徴とする電源制御方法。
本項に記載の電源制御方法には、(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である電源付き作動装置について説明する。本実施形態においては、電源システムに電気的作動装置としてのブレーキ装置が接続されている。電源システムには、ブレーキ装置以外の電気的作動装置が接続されても差し支えない。
図1において、電源システム8は、主電源としてのメインバッテリ10とキャパシタ12とを含む。メインバッテリ10とキャパシタ12とは、電力線14にによってスイッチ15を介して接続されるとともに、電力線16によってDC/DCコンバータ18を介して接続される。キャパシタ12にはメインバッテリ10の電気エネルギが供給されて充電される。DC/DCコンバータ18は、キャパシタ12の電気エネルギの電圧を昇圧してメインバッテリ10に供給する。
【0012】
本実施形態において、メインバッテリ10には発電装置19が接続される。発電装置19は、モータジェネレータ20a、インバータ20b等を含む。モータジェネレータ20aの電気エネルギがインバータ20bによって制御されて供給される。インバータ20bとメインバッテリ10との間にはスイッチ21が設けられる。
メインバッテリ10は化学バッテリとされ、例えば、鉛バッテリ、ニッケル・カドミウムバッテリ等を採用することができる。
キャパシタ12は、複数のコンデンサを含み、複数のコンデンサにメインバッテリ10から供給された電気エネルギが蓄えられる。
なお、本実施形態においては、電源システム8が、モータジェネレータ等から供給された電気エネルギを蓄える車両全体におけるメインバッテリを含むものであるが、車両全体におけるメインバッテリを含むものとすることは不可欠ではない。例えば、メインバッテリから供給された電気エネルギを蓄える補機バッテリを含むものとすることができる。また、キャパシタ12を、電源システム8に含まれるメインバッテリから供給された電気エネルギを充電するものとすることは不可欠ではなく、別のバッテリや発電装置から供給された電気エネルギを蓄えるものとすることもできる。なお、発電装置19は、オルタネータを含むものとしたり、燃料電池を含むものとしたりすることができる。上述の発電装置についても同様である。
【0013】
本電源システム8は電源システム制御装置24を含む。電源システム制御装置24は、コンピュータを主体とするものであり、記憶部24a,演算部24b,入出力部24c等を含む。電源システム制御装置24は、キャパシタ12における充放電の状態、キャパシタ12とメインバッテリ10との間の電気エネルギの供給状態、電源システム8から外部装置への電気エネルギの供給状態等を制御する。
キャパシタ12における充放電の状態は、キャパシタ12に含まれる複数のコンデンサそれぞれに対応して並列に設けられたトランジスタを含むスイッチ部等を制御することによって制御され、メインバッテリ10との間の電気エネルギの供給状態は、スイッチ15,DC/DCコンバータ18等を制御することによって制御され、電源システム8から外部装置への電気エネルギの供給状態は、スイッチ26等を制御することによって制御される。
【0014】
スイッチ26は、電源システム8とブレーキ装置28とを接続する電力線30に設けられる。スイッチ26は、メインバッテリ10の電気エネルギを供給する状態(第1状態)と、キャパシタ12の電気エネルギを供給する状態(第2状態)とに切り換え可能なものである。スイッチ26は、通常は、第1状態にあり、メインバッテリ10の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧以下に低下した場合等メインバッテリ10の異常時には、第2状態に切り換えられ、キャパシタ12の電気エネルギが供給される。
【0015】
また、電源システム制御装置24には、電力線32を介してキャパシタ12とメインバッテリ10とが接続される。電力線32のキャパシタ12より上流側の部分、すなわち、キャパシタ12とメインバッテリ10との間の部分にスイッチ34が設けられる。
スイッチ34は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態とされる。電源システム制御装置24には、主としてメインバッテリ10の電気エネルギが供給される。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされると、スイッチ34が切断状態にされることによって電源システム制御装置24がメインバッテリ10から遮断されて、キャパシタ12から電気エネルギが供給される。
【0016】
さらに、前述のスイッチ15は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態にされ、メインバッテリ10からキャパシタ12に電気エネルギが供給される。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされると切断状態にされ、メインバッテリ10がブレーキ装置28からもキャパシタ12からも遮断される。
また、前述のスイッチ21は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態にされ、メインバッテリ10にインバータ20を介してモータジェネレータ19の電気エネルギが供給される状態にされるが、イグニッションスイッチ36のOFF状態において切断状態にされ、メインバッテリ10がモータジェネレータ19から遮断される。
なお、スイッチ34,15は、電源システム制御装置24の指令に基づいて接続状態と切断状態とに切り換えられるものとする必要は必ずしもない。例えば、ハードの構成により(電気回路により)、イグニッションスイッチ36のON/OFFの切換えに連動して切り換えられるようにすることもできる。また、スイッチ21は、電源システム8とは別のシステムの指令に基づいて切り換えられるものであるが、上述の場合と同様に、ハード的にイグニッションスイッチ36と連動して切り換わるものとすることもできる。
本実施形態においては、キャパシタ12,電源システム制御装置24,複数のスイッチ15,26,34、DC/DCコンバータ18等によってキャパシタユニット38が構成される。
【0017】
ブレーキ装置28は、ブレーキECU40,図2に示すブレーキ液圧回路42等を含む。本実施形態においては、ブレーキ装置28は、車輪と一体的に回転可能なブレーキ回転体に摩擦係合部材を液圧により押し付けることによって、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含み、その液圧がブレーキ液圧制御アクチュエータ44によって制御される。
ブレーキ液圧回路42は、ブレーキペダル50に加えられた操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダ52、液圧ブレーキ54のブレーキシリンダ55、動力式液圧発生装置56、複数の電磁液圧制御弁58,60,62等を含む。電磁液圧制御弁58は、ブレーキシリンダ55とマスタシリンダ52とを連通させる状態と遮断する状態とに切り換え可能なマスタ遮断弁であり、電磁液圧制御弁60は、動力式液圧発生装置56とブレーキシリンダ55との間に設けられた保持弁であり、電磁液圧制御弁62は、ブレーキシリンダ55とリザーバ64との間に設けられた減圧弁である。動力式液圧発生装置56は、ポンプ70および電動モータ72等を含むものであり、リザーバ64に収容された作動液を汲み上げて加圧する。加圧された作動液はマスタ遮断弁58と保持弁60との間に供給される。
マスタ遮断弁58の遮断状態において、動力式液圧発生装置56の液圧により、ブレーキシリンダ55の液圧が保持弁60,減圧弁62の制御により制御されるのであり、電磁液圧制御弁58,60,62等によりブレーキ液圧制御アクチュエータ44が構成される。
【0018】
電動モータ72と電源システム8とは、図1に示すように、モータリレー80を介して電力線30,82によって接続され、ブレーキ液圧制御アクチュエータ44のソレノイドは、ソレノイドリレー84を介して電力線30,86によって接続される。ブレーキECU40は、電力線30,88によって接続される。
ブレーキECU40は、コンピュータを主体とするものであり、記憶部40a,演算部40b,入出力部40c等を含む。入出力部40cには、ブレーキスイッチ90,ブレーキ操作状態検出装置92,液圧センサ94等を含む複数のセンサやスイッチ等が接続されるとともに、前記ブレーキ制御アクチュエータ44,電動モータ72,モータリレー80,ソレノイドリレー84等が接続される。液圧センサ94は、マスタ遮断弁58と保持弁60との間の液圧を検出する。
ブレーキ装置28においては、ブレーキシリンダ55の液圧がブレーキ操作状態検出装置92によって検出されたブレーキペダル50の操作状態に応じて決まる大きさになるようにブレーキ液圧制御アクチュエータ44が制御される。
【0019】
電源システム制御装置24の入出力部24cには、イグニッションスイッチ36、電力線30のスイッチ26よりブレーキ装置28側の部分に接続された信号線102等が接続されるとともに、キャパシタ12、スイッチ26,34,15等が接続される。ブレーキECU40と電源システム制御装置24との間においては情報の通信が行われる。
【0020】
イグニッションスイッチ36がON状態にある場合には、スイッチ21,15,34が接続状態にあり、リレー80,84が接続状態にある。
電源システム8において、メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧以上である場合等メインバッテリ10が正常であるには、スイッチ26は第1状態にある。メインバッテリ10の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。メインバッテリ10の電気エネルギは、また、キャパシタ12に供給されるとともに、電源システム制御装置24にも供給される。キャパシタ12の充放電の状態は電源システム制御装置24の指令に基づいて制御される。
一方、ブレーキ装置28において、電動モータ72,ブレーキ液圧制御アクチュエータ44にはメインバッテリ10から電気エネルギが供給される。ブレーキペダル50が操作されると、ブレーキシリンダ55の液圧が、ブレーキペダル50の操作状態に応じた大きさに制御され、それによって、液圧ブレーキ54が作動させられる。
【0021】
メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧より低い場合等メインバッテリ10が異常である場合には、スイッチ26が第2状態とされる。ブレーキ装置28にはキャパシタ12の電気エネルギが供給されることによって上述の場合と同様に作動可能とされる。また、スイッチ15,34は図示する位置に保たれるが、キャパシタ12の出力電圧の方が高くなれば、電源システム制御装置24には、キャパシタ12から電気エネルギが供給される。
【0022】
イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換えられると、スイッチ15,34が切断状態に切り換えられるとともにスイッチ21が切断状態に切り換えられる。メインバッテリ10からキャパシタ12にも電源システム制御装置24にも電気エネルギが供給されることはない。また、キャパシタ12に充電された電気エネルギは放電される。充電状態が長時間保たれると、キャパシタ12の寿命が短くなる等の弊害があるからである。
【0023】
第1番目に、キャパシタ12の電気エネルギがキャパシタユニット38の診断(自己診断)に利用される。スイッチ34がOFFにされる。キャパシタ12の電気エネルギが電源システム制御装置24に供給され、電源システム制御装置24によって、自己診断が実行される。
信号線102を介して電力線30の電流が検出されつつ、スイッチ26が第1状態と第2状態とに切り換えられる。スイッチ26の第2状態において、検出された電流値が設定値以上である場合には、キャパシタ12からブレーキ装置28に電気エネルギが供給され得る状態であることがわかる。スイッチ26が正常であり、バックアップ可能な状態にあるとすることができる。
【0024】
第2番目に、ブレーキ装置28の診断に利用される。スイッチ26が第2状態に切り換えられることによって、キャパシタ12の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。スイッチ15が切断状態にあるため、メインバッテリ10からブレーキ装置28に電気エネルギが供給されることはない。ブレーキ装置28において、ブレーキECU40の診断、ブレーキ液圧制御アクチュエータ44の診断、電動モータ72の診断、ソレノイドリレー84の診断等が行われる。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされた後のブレーキペダル50が非操作状態にある状態においては、ブレーキ装置28を作動させる必要がないと考えられるため、種々の診断を実行することができる。
第3番目に、メインバッテリ10に電気エネルギが充電される。これら診断が行われた後に、キャパシタ12に電気エネルギが余っている場合には、DC/DCコンバータ18の制御により、キャパシタ12の電気エネルギの電圧が昇圧されて、メインバッテリ10に充電されるのである。この場合には、メインバッテリ10に充電可能な容量が残っていることが前提となる。
【0025】
電源システム制御装置24においては、図3のフローチャートで表されるキャパシタ放電制御プログラムが実行される。
ステップ1(以下、単にS1と略称する。他のステップについても同様とする)において、イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換わったかどうかが判定され。S2において、ブレーキスイッチ90がOFF状態にあるかどうかが判定される。ブレーキスイッチ90の状態を表す情報はブレーキECU40から供給される。
イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換わった後のOFF状態において、ブレーキスイッチ90がOFF状態にあることが検出された場合には、S3以降において、キャパシタ12に充電されて放電される電気エネルギを利用してファイナルチェックが行われる。
S3において、電源システム制御装置24にキャパシタ12の電気エネルギが供給されて、チェックが行われ、S4,5においてブレーキ装置28にキャパシタ12の電気エネルギが供給されてチェックが行われる。S4、5においては、ブレーキECU40に、ファイナルチェックを行うことの指令も出力される。
【0026】
ブレーキECU40において、図4のフローチャートで表されるファイナルチェック1プログラム、図5のフローチャートで表されるファイナルチェック2プログラムが実行される。
S4において、ファイナルチェック1指令が出力されると、ブレーキECU40において、S21における判定がYESとなり、S22において、ブレーキECU40のCPU等の診断が行われ、S23において、ソレノイドリレー84の診断が行われる。本実施形態においては、ブレーキECU40のCPUが異常であると判定され、リレー84を切断状態に切り換える指令を出力するプログラムが実行される。このリレー84を切断状態に切り換える指令が出力されて、リレー84が切断状態にあることが検出された場合(各電磁液圧制御弁58,60,62のソレノイドに電気エネルギが供給されない場合)には、リレー84が正常であるとすることができる。リレー84は、ブレーキECU40の異常時に切断されるものなのであり、この意味において、フェイルセーフリレーと称することができる。なお、リレー84のみではなく、リレー80の診断も行われるようにすることができる。
【0027】
S5において、ファイナルチェック2指令が出力されると、ブレーキECU40において、S31の判定がYESとなり、モータリレー80,ソレノイドリレー84が接続状態に切り換えられる。S32において、電動モータ72が始動させられ、マスタ遮断弁58が閉状態に切り換えられる。S33,34において設定時間内に液圧センサ94による検出液圧が設定液圧以上になるかどうかが検出される。設定時間内に設定液圧以上になれば、S35において正常であると判定され、設定液圧以上にならない場合には、S36において、マスタ遮断弁58において液漏れが生じているか電動モータ72が異常であるかのいずれかであると判定される。このように、イグニッションスイッチ36がOFF状態にあり、かつ、ブレーキペダル50が踏み込まれていない場合には、イグニッションスイッチ36のONの状態においては(ブレーキペダル50が操作されるおそれがある状態においては)行われない異常検出を行うことが可能となる。
なお、液圧センサ94による検出液圧が設定液圧以上にならない場合には、動力式液圧発生装置56の異常であるとすることもできる。
【0028】
さらに、これらの診断が終了した後に、S6において、キャパシタ12に充電されている電気エネルギの量が検出され、その電気エネルギ量が設定電気エネルギ量以上であり、かつ、メインバッテリ10の残存充電容量が設定容量以上である場合には、S7において、DC/DCコンバータ18によりキャパシタ12の電圧が昇圧されて、メインバッテリ10に電気エネルギが充電される。
【0029】
このように、本実施形態においては、イグニッションスイッチ36がOFF状態に切り換えられた後に、キャパシタ12の電気エネルギがキャパシタユニット36の診断、ブレーキ装置28の診断等に利用される。メインバッテリ10の残存充電容量が少なくても、これら診断には必ず利用されるため、その分、キャパシタ12から無駄に放電される電気エネルギの量を少なくすることができる。
【0030】
なお、電源システム8は、キャパシタ12と、それとは別の主電源とを含むものであればよいのであり、主電源の種類は問わない。また、キャパシタ12と主電源との定格電圧の大小も問わない。キャパシタの方が定格電圧が大きい場合には、DC/DCコンバータによって、キャパシタの電気エネルギの電圧が降圧されて主電源に供給されることになる。
また、スイッチは、有接点スイッチであっても無接点スイッチであってもよい。さらに、スイッチの代わりに、電気エネルギの供給状態を切り換え可能な切換装置とすることもできる。例えば、主電源の出力電圧とキャパシタの出力電圧との少なくとも一方の電圧を制御することによって、メインバッテリ10とキャパシタ12とのいずれか一方の電気エネルギが選択的に供給されるようにすることもできる。
【0031】
また、リレー80,82は、電源システム8とブレーキ装置28とを接続する接続装置の一構成要素であると考えることができ、リレー80,82の診断は、自己診断としての電源付き作動装置の接続装置の診断であると考えることもできる。
さらに、上記実施形態においては、電源システム8にブレーキ装置が接続されていたが、それに限らない。エンジン装置、駆動伝達装置、ステアリング装置、サスペンション装置等の車両の主作動装置が接続されるようにしたり、エアコン装置、オーディオ装置、ワイパー装置、ライティング装置等の補機装置が接続されるようにしたりすることもでき、これらの診断にキャパシタの電気エネルギを利用することができる。さらに、1つの電気的作動装置ではなく、複数の電気的作動装置が接続されるようにすることもできる。
また、キャパシタ12の電気エネルギは、キャパシタユニット38の自己診断に利用された後に、ブレーキ装置等の電気的作動装置の診断に利用されることなく、メインバッテリ10に供給されるようにすることもできる。キャパシタ12の電気エネルギを利用する優先順位を設けることができるのであり、その優先順位に従って、診断が行われるようにすることができる。この場合には、バッテリへの充電の優先順位を診断の優先順位より上位にすることも可能であり、バッテリに充電した残った電気エネルギによって診断が行われるようにすることもできるのである。
さらに、スイッチ21,モータジェネレータ19,インバータ20等を電源システム8の構成要素とすることもできる。
また、ブレーキ装置28は、液圧ブレーキを含むものではなく、電動モータの作動により摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回転を抑制する電動ブレーキを含むものとすることができる。この場合には、電動モータ等によって、ブレーキアクチュエータが構成される。
さらに、自己診断装置は、電源システム8と電気的作動装置との接続装置の状態を診断するものとすることができる。
【0032】
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電源付き作動装置を概念的に示す図である。
【図2】上記電源システムから供給された電気エネルギによって作動させられるブレーキ装置の回路図である。
【図3】上記電源システムのコンピュータの記憶部に記憶されたキャパシタ充放電制御プログラムを表すフローチャートである。
【図4】上記ブレーキ装置のブレーキECUの記憶部に記憶されたファイナルチェック1プログラムを表すフローチャートである。
【図5】上記ブレーキ装置のブレーキECUの記憶部に記憶されたファイナルチェック2プログラムを表すフローチャートである。
【符号の説明】
10メインバッテリ
12キャパシタ
15スイッチ
24電源システム制御装置
26スイッチ
34スイッチ
36イグニッションスイッチ
38キャパシタユニット
【発明が属する技術分野】
本発明は電源付き作動装置および電源付き作動装置を制御する制御方法に関するものであり、キャパシタに充電された電気エネルギの有効利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1〜3には電源付き作動装置が記載されている。そのうちの特許文献1には、バッテリとキャパシタとを含む電源システムを含む電源付き作動装置が記載されている。イグニッションスイッチがOFFにされた場合に、キャパシタに充電された電気エネルギがバッテリに供給されて充電される。キャパシタにおいて充電状態が長時間保たれると寿命が短くなるため、イグニッションスイッチがOFFにされた場合には、充電された電気エネルギが放電されるのであるが、その放電される電気エネルギがバッテリに供給されて充電されるのである。このようにすれば、キャパシタに充電された電気エネルギを有効に利用することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−196006号公報
【特許文献2】
特開2000−156919号公報
【特許文献3】
特開平11−257120号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、キャパシタに充電された電気エネルギのさらなる有効利用を図ることである。上記課題は、電源付き作動装置および電源付き作動装置制御方法を下記各態様に記載のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(2)項が請求項2に対応し、(6)項が請求項3に対応する。また、(7)項が請求項4に対応し、(12)項が請求項5に対応する。
【0006】
(1)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
本項に記載の電源付き作動装置においては、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、キャパシタに蓄えられた電気エネルギが自己診断に利用される。自己診断装置にキャパシタに充電された電気エネルギが供給されて、自己診断が実行されるのである。特許文献1に記載の電源システムにおいては、バッテリにおける充電可能な容量(残存充電容量)が設定容量より少ない場合等、それ以上バッテリに電気エネルギを充電することができない場合には、キャパシタに充電された電気エネルギは抵抗等において消費させて放電されることになる。それに対して、本項に記載に電源付き作動装置においては、バッテリにおける残存充電容量が設定容量より少なくても、電源システムの自己診断に利用されるため、無駄に放出される電気エネルギ量を少なくすることができる。
電源システムは、キャパシタを含む複数の電源を備えたものである。キャパシタの他の電源は、1つであっても、2つ以上であってもよい。1つ以上の電源は、モータジェネレータおよびインバータ、オルタネータ、燃料電池等の発電装置と、蓄電装置との少なくとも一方を備えたものとすることができる。蓄電装置は、化学バッテリ(以下、単にバッテリと称する)を含むものであってもキャパシタを含むものであってもよい。電源システムにキャパシタが複数含まれていることもあるのである。また、キャパシタを含む複数の電源の1つを主電源とすることができる。主電源とは、電気的作動装置に主として電気エネルギを供給するものである。主電源とは、電気的作動装置に対することばであり、これら電源システムおよび電気的作動装置を含む全体装置におけるメインの電源であるとは限らない。例えば、全体装置に複数の蓄電装置や発電装置が設けられる場合に、それらのうちの少なくとも1つであればよい。
また、複数の電源のうちの1つは、電気エネルギを長時間蓄えることによって弊害が生じることの少ないものとすることが望ましく、化学バッテリを含むものとすることが望ましい。
キャパシタは、複数のコンデンサを含むものである。キャパシタは主電源から供給される電気エネルギを蓄えるものであっても、本電源システムとは別の電源システムの電源から供給される電気エネルギを蓄えるものであってもよい。
「電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合」には、(a)電気的作動装置にその電気的作動装置本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなった場合、(b)電気的作動装置の作動・非作動を切り換えるメインスイッチがOFF(非作動)にされた場合等が該当する。
電源システムは、電気的作動装置に、それ本来の機能を発揮する作動をさせるために電気エネルギを供給する。そのため、電気的作動装置に、この本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなれば、電源システムから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなる。また、電気的作動装置のメインスイッチは、当該電源付き作動装置のメインスイッチまたは電源付き作動装置を含む全体装置のメインスイッチがOFFにされることによって、OFFにされることもある。例えば、電源付き作動装置を含む全体装置が車両である場合において、イグニッションスイッチがOFFにされた場合が該当する。
また、キャパシタに電気エネルギが供給されなくなった場合を、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合とすることもできる。キャパシタから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなれば、キャパシタにそれ以上電気エネルギを充電する必要がないからである。キャパシタに主電源から電気エネルギが供給される場合において、キャパシタと主電源との間にスイッチが設けられている場合には、このスイッチが切断状態にされる。
さらに、主電源が発電装置を有する場合において、その発電装置が停止させられる場合を、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった場合とすることもできる。前述のように、全体装置のメインスイッチがOFFにされた場合には、発電装置も停止させられるからである。
例えば、主電源が正常である場合に、主電源から電気的作動装置に電気エネルギが供給されるが、異常な場合に、キャパシタから供給されるようにすることができる。
「電気的作動装置に電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後」を「キャパシタに電気エネルギを充電しておく必要がなくなった後」に変えてもよい。
(2)前記自己診断装置が、前記電源システムの状態を診断する電源システム診断部を含む(1)項に記載の電源付き作動装置。
(3)前記電源システムが、前記キャパシタにおける充電・放電の状態を制御する充放電制御装置を含む(1)項または(2)項に記載の電源付き作動装置。
充放電制御装置は、例えば、キャパシタの複数のコンデンサそれぞれに対応して並列に設けられた複数のトランジスタ等を含むスイッチ部と、これらスイッチ部の状態を制御するスイッチ制御部とを含むものとすることができる。
自己診断装置は、充放電制御装置を診断するものとすることができる。自己診断装置は、充放電制御装置とは別個独立に設けられたものであっても、充放電制御装置に含まれるものであっても、共通部分を有するものであってもよい。
(4)前記電源システムが、前記電源システムから前記電気的作動装置への電気エネルギの供給状態を制御する外部供給状態制御装置を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つにに記載の電源付き作動装置。
外部供給状態制御装置は、少なくとも、前記電源システムから電気的作動装置へ電気エネルギを供給する状態と、電気エネルギを供給しない状態とに切り換え可能な切換装置と、その切換装置の状態を制御する切換装置制御部とを含むものとすることができる。切換装置は、さらに、電気的作動装置にキャパシタ以外の電源(例えば、主電源とすることができる)から電気エネルギが供給される状態と、キャパシタから供給される状態とに切り換え可能なものとすることもできる。切換装置は、電気的作動装置に主電源とキャパシタとのいずれか一方を選択的に接続するスイッチを含むものとしたり、主電源とキャパシタとの少なくとも一方の出力電圧を制御することによって、電気的作動装置に主電源とキャパシタとのいずれか一方の電気エネルギが選択的に供給されるようにするものとしたりすることができる。切換装置は、主電源が正常である場合に主電源の電気エネルギが供給される状態とされ、主電源が異常である場合にキャパシタの電気エネルギが供給される状態とされるようにすることができる。
自己診断装置は、この外部供給状態制御装置を診断するものとすることができる。
(5)前記電源システムが、前記キャパシタへの電気エネルギの供給状態を制御する内部供給状態制御装置を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
内部供給状態制御装置は、キャパシタに電気エネルギが供給可能な状態と、電気エネルギが供給されない状態とに切換可能な切換装置と、その切換装置の状態を制御する切換装置制御部とを含むものとすることができる。
キャパシタに主電源から電気エネルギが供給される場合には、切換装置は、キャパシタと主電源との間に設けられたスイッチを含むものとすることができる。また、主電源がバッテリである場合には、切換装置は、キャパシタからバッテリに電気エネルギを供給する状態をとり得るものとすることができる。自己診断装置は、この内部供給状態制御装置を診断するものとすることができる。
これら充放電制御装置、外部供給状態制御装置、内部供給状態制御装置は、それぞれ別個独立なものであっても、互いに共通部分を有するものであってもよい。例えば、制御部の一態様としてのコンピュータを共有することができる。また、外部供給状態制御装置の切換装置と内部供給状態制御装置の切換装置とを含み、これらの状態が互いに連動して切換え可能な電気回路を設け、この電気回路等を切換装置制御部とすることができる。
また、自己診断装置は、これら3つの制御装置とは別個に設けられたものであっても、これら3つの制御装置のうちの少なくとも1つと共通部分を含むものであってもよい。
自己診断装置は、これら制御装置のうちの1つを診断するものであっても、2つ以上を診断するものであってもよい。また、2つ以上を診断するものである場合には、優先順位に従って診断することができる。
【0007】
(6)前記自己診断装置が、前記電気的作動装置の状態を診断する電気的作動装置診断部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
例えば、電気的作動装置は、通常は、主電源から電気エネルギが供給されることによって作動させられ、主電源の異常時等にキャパシタから電気エネルギが供給されることによって作動させられるようにすることができる。本項に記載の電源付き作動装置においては、電気的作動装置を本来の機能を発揮する作動を行わせる必要がなくなった後に、主電源が異常であるか正常であるかとは関係なく、キャパシタに充電された電気エネルギが電気的作動装置に供給されて診断が行われる。この診断は、電気的作動装置の本来の作動が終了した後に行われる診断であるためファイナルチェックと称することができる。
電気的作動装置は、電気エネルギによって作動させられるものである。電気的作動装置は、例えば、車両の駆動装置、制動装置、駆動伝達装置、ステアリング装置、サスペンション装置等の主搭載装置としたり、オーディオ装置、エアコン装置、ワイパ装置、ドア作動装置、ライティング装置等の補機装置としたりすることができる。このように、電気的作動装置は、可動部を有するものに限らない。また、電源付き作動装置に含まれる電気的作動装置は1つであっても2つ以上であってもよい。電源システムが2つ以上の電源的作動装置に共通に設けられたものとすることができるのである。
なお、自己診断装置による診断に優先順位を設けることができる。例えば、最初に電源システムの診断が行われ、その後に、電気的作動装置の診断が行われるようにしたり、逆に、電気的作動装置の診断が行われた後に電源システムの診断が行われるようにしたりすることができる。また、電源システムの診断が行われた後にキャパシタに充電された電気エネルギの量が検出され、設定量以上残っている場合に電気的作動装置の診断が行われるようにすることができる。順番は、逆であってもよい。さらに、複数の電気的作動装置が設けられる場合には、複数の電気的作動装置の間で診断の順番を決めることもできる。また、同時に複数の装置に対して診断が行われるようにすることも不可能ではない。
(7)前記電源システムが、バッテリと、前記自己診断装置による診断が終了した後に、前記キャパシタに残っている電気エネルギの量が予め定められた設定量より多い場合に、前記キャパシタに充電された電気エネルギを前記バッテリに供給して、充電するキャパシタ放電装置とを含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
自己診断が終了した後に、キャパシタに電気エネルギが設定量より多く残っている場合には、その電気エネルギが電源システムに含まれるバッテリに供給される。バッテリは長時間電気エネルギを蓄えても、差し支えないものであるため、キャパシタに蓄えておくより、望ましい。設定量は0とすることができる。例えば、主電源をバッテリとすることができる。
【0008】
(8)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
予め定められた条件が満たされた後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
予め定められた条件として、前述のように、(a)電気的作動装置に、本来の機能を発揮させる作動をさせる必要がなくなったこと、(b)電気的作動装置と電源システムとの間のスイッチが切断状態にされたこと、(c)電源システムから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなったこと、(d)キャパシタから電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなったこと、 (e)主電源と電気的作動装置とが電気的に遮断されたこと等の少なくとも1つを採用することができる。
本項に記載の電源付き作動装置には、(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(9)主電源とキャパシタとを含み、電気的作動装置に電気エネルギを供給する電源システムであって、
前記電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源システム。
本項に記載の電源システムには、(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0009】
(10)主電源とキャパシタとを含む電源システムであって、
予め定められた条件が満たされた後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源システム。
予め定められた条件として、前述のように、(a)キャパシタと、そのキャパシタに電気エネルギを供給する供給元との間のスイッチが切断状態にされたこと、(b)主電源としての蓄電装置とその蓄電装置への電気エネルギの供給元との間のスイッチが切断状態にされたこと、(c)主電源に接続された発電装置が停止させられたこと、(d)主電源としての発電装置が停止させられたこと等の少なくとも1つを採用することができる。
本項に記載の電源システムには、(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(11)主電源とキャパシタとを含む電源システムと、その電源システムから供給された電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
前記電源システムが、前記電気的作動装置に、それの本来の機能を発揮する作動をさせる必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギを前記電気的作動装置に供給するキャパシタ放電装置を含むとともに、前記電動的作動装置が、前記キャパシタ放電装置によって電気エネルギが供給された場合に、当該電気的作動装置の状態を診断する診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。
本項に記載の電源付き作動装置には、(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0010】
(12)キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置を制御する方法であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態の診断を行うことを特徴とする電源付き作動装置制御方法。
本項に記載の電源付き作動装置制御方法によれば、電気的作動装置に電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態の診断が行われる。
本項に記載の電源付き作動装置制御方法には、(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
(13)主電源とキャパシタとを含み、電気的作動装置に電気エネルギを供給する電源システムを制御する方法であって、
前記電気的作動装置に当該電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源システムの状態の診断を行うことを特徴とする電源制御方法。
本項に記載の電源制御方法には、(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である電源付き作動装置について説明する。本実施形態においては、電源システムに電気的作動装置としてのブレーキ装置が接続されている。電源システムには、ブレーキ装置以外の電気的作動装置が接続されても差し支えない。
図1において、電源システム8は、主電源としてのメインバッテリ10とキャパシタ12とを含む。メインバッテリ10とキャパシタ12とは、電力線14にによってスイッチ15を介して接続されるとともに、電力線16によってDC/DCコンバータ18を介して接続される。キャパシタ12にはメインバッテリ10の電気エネルギが供給されて充電される。DC/DCコンバータ18は、キャパシタ12の電気エネルギの電圧を昇圧してメインバッテリ10に供給する。
【0012】
本実施形態において、メインバッテリ10には発電装置19が接続される。発電装置19は、モータジェネレータ20a、インバータ20b等を含む。モータジェネレータ20aの電気エネルギがインバータ20bによって制御されて供給される。インバータ20bとメインバッテリ10との間にはスイッチ21が設けられる。
メインバッテリ10は化学バッテリとされ、例えば、鉛バッテリ、ニッケル・カドミウムバッテリ等を採用することができる。
キャパシタ12は、複数のコンデンサを含み、複数のコンデンサにメインバッテリ10から供給された電気エネルギが蓄えられる。
なお、本実施形態においては、電源システム8が、モータジェネレータ等から供給された電気エネルギを蓄える車両全体におけるメインバッテリを含むものであるが、車両全体におけるメインバッテリを含むものとすることは不可欠ではない。例えば、メインバッテリから供給された電気エネルギを蓄える補機バッテリを含むものとすることができる。また、キャパシタ12を、電源システム8に含まれるメインバッテリから供給された電気エネルギを充電するものとすることは不可欠ではなく、別のバッテリや発電装置から供給された電気エネルギを蓄えるものとすることもできる。なお、発電装置19は、オルタネータを含むものとしたり、燃料電池を含むものとしたりすることができる。上述の発電装置についても同様である。
【0013】
本電源システム8は電源システム制御装置24を含む。電源システム制御装置24は、コンピュータを主体とするものであり、記憶部24a,演算部24b,入出力部24c等を含む。電源システム制御装置24は、キャパシタ12における充放電の状態、キャパシタ12とメインバッテリ10との間の電気エネルギの供給状態、電源システム8から外部装置への電気エネルギの供給状態等を制御する。
キャパシタ12における充放電の状態は、キャパシタ12に含まれる複数のコンデンサそれぞれに対応して並列に設けられたトランジスタを含むスイッチ部等を制御することによって制御され、メインバッテリ10との間の電気エネルギの供給状態は、スイッチ15,DC/DCコンバータ18等を制御することによって制御され、電源システム8から外部装置への電気エネルギの供給状態は、スイッチ26等を制御することによって制御される。
【0014】
スイッチ26は、電源システム8とブレーキ装置28とを接続する電力線30に設けられる。スイッチ26は、メインバッテリ10の電気エネルギを供給する状態(第1状態)と、キャパシタ12の電気エネルギを供給する状態(第2状態)とに切り換え可能なものである。スイッチ26は、通常は、第1状態にあり、メインバッテリ10の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧以下に低下した場合等メインバッテリ10の異常時には、第2状態に切り換えられ、キャパシタ12の電気エネルギが供給される。
【0015】
また、電源システム制御装置24には、電力線32を介してキャパシタ12とメインバッテリ10とが接続される。電力線32のキャパシタ12より上流側の部分、すなわち、キャパシタ12とメインバッテリ10との間の部分にスイッチ34が設けられる。
スイッチ34は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態とされる。電源システム制御装置24には、主としてメインバッテリ10の電気エネルギが供給される。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされると、スイッチ34が切断状態にされることによって電源システム制御装置24がメインバッテリ10から遮断されて、キャパシタ12から電気エネルギが供給される。
【0016】
さらに、前述のスイッチ15は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態にされ、メインバッテリ10からキャパシタ12に電気エネルギが供給される。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされると切断状態にされ、メインバッテリ10がブレーキ装置28からもキャパシタ12からも遮断される。
また、前述のスイッチ21は、イグニッションスイッチ36のON状態において接続状態にされ、メインバッテリ10にインバータ20を介してモータジェネレータ19の電気エネルギが供給される状態にされるが、イグニッションスイッチ36のOFF状態において切断状態にされ、メインバッテリ10がモータジェネレータ19から遮断される。
なお、スイッチ34,15は、電源システム制御装置24の指令に基づいて接続状態と切断状態とに切り換えられるものとする必要は必ずしもない。例えば、ハードの構成により(電気回路により)、イグニッションスイッチ36のON/OFFの切換えに連動して切り換えられるようにすることもできる。また、スイッチ21は、電源システム8とは別のシステムの指令に基づいて切り換えられるものであるが、上述の場合と同様に、ハード的にイグニッションスイッチ36と連動して切り換わるものとすることもできる。
本実施形態においては、キャパシタ12,電源システム制御装置24,複数のスイッチ15,26,34、DC/DCコンバータ18等によってキャパシタユニット38が構成される。
【0017】
ブレーキ装置28は、ブレーキECU40,図2に示すブレーキ液圧回路42等を含む。本実施形態においては、ブレーキ装置28は、車輪と一体的に回転可能なブレーキ回転体に摩擦係合部材を液圧により押し付けることによって、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含み、その液圧がブレーキ液圧制御アクチュエータ44によって制御される。
ブレーキ液圧回路42は、ブレーキペダル50に加えられた操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダ52、液圧ブレーキ54のブレーキシリンダ55、動力式液圧発生装置56、複数の電磁液圧制御弁58,60,62等を含む。電磁液圧制御弁58は、ブレーキシリンダ55とマスタシリンダ52とを連通させる状態と遮断する状態とに切り換え可能なマスタ遮断弁であり、電磁液圧制御弁60は、動力式液圧発生装置56とブレーキシリンダ55との間に設けられた保持弁であり、電磁液圧制御弁62は、ブレーキシリンダ55とリザーバ64との間に設けられた減圧弁である。動力式液圧発生装置56は、ポンプ70および電動モータ72等を含むものであり、リザーバ64に収容された作動液を汲み上げて加圧する。加圧された作動液はマスタ遮断弁58と保持弁60との間に供給される。
マスタ遮断弁58の遮断状態において、動力式液圧発生装置56の液圧により、ブレーキシリンダ55の液圧が保持弁60,減圧弁62の制御により制御されるのであり、電磁液圧制御弁58,60,62等によりブレーキ液圧制御アクチュエータ44が構成される。
【0018】
電動モータ72と電源システム8とは、図1に示すように、モータリレー80を介して電力線30,82によって接続され、ブレーキ液圧制御アクチュエータ44のソレノイドは、ソレノイドリレー84を介して電力線30,86によって接続される。ブレーキECU40は、電力線30,88によって接続される。
ブレーキECU40は、コンピュータを主体とするものであり、記憶部40a,演算部40b,入出力部40c等を含む。入出力部40cには、ブレーキスイッチ90,ブレーキ操作状態検出装置92,液圧センサ94等を含む複数のセンサやスイッチ等が接続されるとともに、前記ブレーキ制御アクチュエータ44,電動モータ72,モータリレー80,ソレノイドリレー84等が接続される。液圧センサ94は、マスタ遮断弁58と保持弁60との間の液圧を検出する。
ブレーキ装置28においては、ブレーキシリンダ55の液圧がブレーキ操作状態検出装置92によって検出されたブレーキペダル50の操作状態に応じて決まる大きさになるようにブレーキ液圧制御アクチュエータ44が制御される。
【0019】
電源システム制御装置24の入出力部24cには、イグニッションスイッチ36、電力線30のスイッチ26よりブレーキ装置28側の部分に接続された信号線102等が接続されるとともに、キャパシタ12、スイッチ26,34,15等が接続される。ブレーキECU40と電源システム制御装置24との間においては情報の通信が行われる。
【0020】
イグニッションスイッチ36がON状態にある場合には、スイッチ21,15,34が接続状態にあり、リレー80,84が接続状態にある。
電源システム8において、メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧以上である場合等メインバッテリ10が正常であるには、スイッチ26は第1状態にある。メインバッテリ10の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。メインバッテリ10の電気エネルギは、また、キャパシタ12に供給されるとともに、電源システム制御装置24にも供給される。キャパシタ12の充放電の状態は電源システム制御装置24の指令に基づいて制御される。
一方、ブレーキ装置28において、電動モータ72,ブレーキ液圧制御アクチュエータ44にはメインバッテリ10から電気エネルギが供給される。ブレーキペダル50が操作されると、ブレーキシリンダ55の液圧が、ブレーキペダル50の操作状態に応じた大きさに制御され、それによって、液圧ブレーキ54が作動させられる。
【0021】
メインバッテリ10の出力電圧が設定電圧より低い場合等メインバッテリ10が異常である場合には、スイッチ26が第2状態とされる。ブレーキ装置28にはキャパシタ12の電気エネルギが供給されることによって上述の場合と同様に作動可能とされる。また、スイッチ15,34は図示する位置に保たれるが、キャパシタ12の出力電圧の方が高くなれば、電源システム制御装置24には、キャパシタ12から電気エネルギが供給される。
【0022】
イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換えられると、スイッチ15,34が切断状態に切り換えられるとともにスイッチ21が切断状態に切り換えられる。メインバッテリ10からキャパシタ12にも電源システム制御装置24にも電気エネルギが供給されることはない。また、キャパシタ12に充電された電気エネルギは放電される。充電状態が長時間保たれると、キャパシタ12の寿命が短くなる等の弊害があるからである。
【0023】
第1番目に、キャパシタ12の電気エネルギがキャパシタユニット38の診断(自己診断)に利用される。スイッチ34がOFFにされる。キャパシタ12の電気エネルギが電源システム制御装置24に供給され、電源システム制御装置24によって、自己診断が実行される。
信号線102を介して電力線30の電流が検出されつつ、スイッチ26が第1状態と第2状態とに切り換えられる。スイッチ26の第2状態において、検出された電流値が設定値以上である場合には、キャパシタ12からブレーキ装置28に電気エネルギが供給され得る状態であることがわかる。スイッチ26が正常であり、バックアップ可能な状態にあるとすることができる。
【0024】
第2番目に、ブレーキ装置28の診断に利用される。スイッチ26が第2状態に切り換えられることによって、キャパシタ12の電気エネルギがブレーキ装置28に供給される。スイッチ15が切断状態にあるため、メインバッテリ10からブレーキ装置28に電気エネルギが供給されることはない。ブレーキ装置28において、ブレーキECU40の診断、ブレーキ液圧制御アクチュエータ44の診断、電動モータ72の診断、ソレノイドリレー84の診断等が行われる。イグニッションスイッチ36がOFF状態にされた後のブレーキペダル50が非操作状態にある状態においては、ブレーキ装置28を作動させる必要がないと考えられるため、種々の診断を実行することができる。
第3番目に、メインバッテリ10に電気エネルギが充電される。これら診断が行われた後に、キャパシタ12に電気エネルギが余っている場合には、DC/DCコンバータ18の制御により、キャパシタ12の電気エネルギの電圧が昇圧されて、メインバッテリ10に充電されるのである。この場合には、メインバッテリ10に充電可能な容量が残っていることが前提となる。
【0025】
電源システム制御装置24においては、図3のフローチャートで表されるキャパシタ放電制御プログラムが実行される。
ステップ1(以下、単にS1と略称する。他のステップについても同様とする)において、イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換わったかどうかが判定され。S2において、ブレーキスイッチ90がOFF状態にあるかどうかが判定される。ブレーキスイッチ90の状態を表す情報はブレーキECU40から供給される。
イグニッションスイッチ36がON状態からOFF状態に切り換わった後のOFF状態において、ブレーキスイッチ90がOFF状態にあることが検出された場合には、S3以降において、キャパシタ12に充電されて放電される電気エネルギを利用してファイナルチェックが行われる。
S3において、電源システム制御装置24にキャパシタ12の電気エネルギが供給されて、チェックが行われ、S4,5においてブレーキ装置28にキャパシタ12の電気エネルギが供給されてチェックが行われる。S4、5においては、ブレーキECU40に、ファイナルチェックを行うことの指令も出力される。
【0026】
ブレーキECU40において、図4のフローチャートで表されるファイナルチェック1プログラム、図5のフローチャートで表されるファイナルチェック2プログラムが実行される。
S4において、ファイナルチェック1指令が出力されると、ブレーキECU40において、S21における判定がYESとなり、S22において、ブレーキECU40のCPU等の診断が行われ、S23において、ソレノイドリレー84の診断が行われる。本実施形態においては、ブレーキECU40のCPUが異常であると判定され、リレー84を切断状態に切り換える指令を出力するプログラムが実行される。このリレー84を切断状態に切り換える指令が出力されて、リレー84が切断状態にあることが検出された場合(各電磁液圧制御弁58,60,62のソレノイドに電気エネルギが供給されない場合)には、リレー84が正常であるとすることができる。リレー84は、ブレーキECU40の異常時に切断されるものなのであり、この意味において、フェイルセーフリレーと称することができる。なお、リレー84のみではなく、リレー80の診断も行われるようにすることができる。
【0027】
S5において、ファイナルチェック2指令が出力されると、ブレーキECU40において、S31の判定がYESとなり、モータリレー80,ソレノイドリレー84が接続状態に切り換えられる。S32において、電動モータ72が始動させられ、マスタ遮断弁58が閉状態に切り換えられる。S33,34において設定時間内に液圧センサ94による検出液圧が設定液圧以上になるかどうかが検出される。設定時間内に設定液圧以上になれば、S35において正常であると判定され、設定液圧以上にならない場合には、S36において、マスタ遮断弁58において液漏れが生じているか電動モータ72が異常であるかのいずれかであると判定される。このように、イグニッションスイッチ36がOFF状態にあり、かつ、ブレーキペダル50が踏み込まれていない場合には、イグニッションスイッチ36のONの状態においては(ブレーキペダル50が操作されるおそれがある状態においては)行われない異常検出を行うことが可能となる。
なお、液圧センサ94による検出液圧が設定液圧以上にならない場合には、動力式液圧発生装置56の異常であるとすることもできる。
【0028】
さらに、これらの診断が終了した後に、S6において、キャパシタ12に充電されている電気エネルギの量が検出され、その電気エネルギ量が設定電気エネルギ量以上であり、かつ、メインバッテリ10の残存充電容量が設定容量以上である場合には、S7において、DC/DCコンバータ18によりキャパシタ12の電圧が昇圧されて、メインバッテリ10に電気エネルギが充電される。
【0029】
このように、本実施形態においては、イグニッションスイッチ36がOFF状態に切り換えられた後に、キャパシタ12の電気エネルギがキャパシタユニット36の診断、ブレーキ装置28の診断等に利用される。メインバッテリ10の残存充電容量が少なくても、これら診断には必ず利用されるため、その分、キャパシタ12から無駄に放電される電気エネルギの量を少なくすることができる。
【0030】
なお、電源システム8は、キャパシタ12と、それとは別の主電源とを含むものであればよいのであり、主電源の種類は問わない。また、キャパシタ12と主電源との定格電圧の大小も問わない。キャパシタの方が定格電圧が大きい場合には、DC/DCコンバータによって、キャパシタの電気エネルギの電圧が降圧されて主電源に供給されることになる。
また、スイッチは、有接点スイッチであっても無接点スイッチであってもよい。さらに、スイッチの代わりに、電気エネルギの供給状態を切り換え可能な切換装置とすることもできる。例えば、主電源の出力電圧とキャパシタの出力電圧との少なくとも一方の電圧を制御することによって、メインバッテリ10とキャパシタ12とのいずれか一方の電気エネルギが選択的に供給されるようにすることもできる。
【0031】
また、リレー80,82は、電源システム8とブレーキ装置28とを接続する接続装置の一構成要素であると考えることができ、リレー80,82の診断は、自己診断としての電源付き作動装置の接続装置の診断であると考えることもできる。
さらに、上記実施形態においては、電源システム8にブレーキ装置が接続されていたが、それに限らない。エンジン装置、駆動伝達装置、ステアリング装置、サスペンション装置等の車両の主作動装置が接続されるようにしたり、エアコン装置、オーディオ装置、ワイパー装置、ライティング装置等の補機装置が接続されるようにしたりすることもでき、これらの診断にキャパシタの電気エネルギを利用することができる。さらに、1つの電気的作動装置ではなく、複数の電気的作動装置が接続されるようにすることもできる。
また、キャパシタ12の電気エネルギは、キャパシタユニット38の自己診断に利用された後に、ブレーキ装置等の電気的作動装置の診断に利用されることなく、メインバッテリ10に供給されるようにすることもできる。キャパシタ12の電気エネルギを利用する優先順位を設けることができるのであり、その優先順位に従って、診断が行われるようにすることができる。この場合には、バッテリへの充電の優先順位を診断の優先順位より上位にすることも可能であり、バッテリに充電した残った電気エネルギによって診断が行われるようにすることもできるのである。
さらに、スイッチ21,モータジェネレータ19,インバータ20等を電源システム8の構成要素とすることもできる。
また、ブレーキ装置28は、液圧ブレーキを含むものではなく、電動モータの作動により摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回転を抑制する電動ブレーキを含むものとすることができる。この場合には、電動モータ等によって、ブレーキアクチュエータが構成される。
さらに、自己診断装置は、電源システム8と電気的作動装置との接続装置の状態を診断するものとすることができる。
【0032】
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電源付き作動装置を概念的に示す図である。
【図2】上記電源システムから供給された電気エネルギによって作動させられるブレーキ装置の回路図である。
【図3】上記電源システムのコンピュータの記憶部に記憶されたキャパシタ充放電制御プログラムを表すフローチャートである。
【図4】上記ブレーキ装置のブレーキECUの記憶部に記憶されたファイナルチェック1プログラムを表すフローチャートである。
【図5】上記ブレーキ装置のブレーキECUの記憶部に記憶されたファイナルチェック2プログラムを表すフローチャートである。
【符号の説明】
10メインバッテリ
12キャパシタ
15スイッチ
24電源システム制御装置
26スイッチ
34スイッチ
36イグニッションスイッチ
38キャパシタユニット
Claims (5)
- キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態を診断する自己診断装置を含むことを特徴とする電源付き作動装置。 - 前記自己診断装置が、前記電源システムの状態を診断する電源システム診断部を含む請求項1に記載の電源付き作動装置。
- 前記自己診断装置が、前記電気的作動装置の状態を診断する電気的作動装置診断部を含む請求項1または2に記載の電源付き作動装置。
- 前記電源システムが、バッテリと、前記自己診断装置による診断が終了した後に、前記キャパシタに残っている電気エネルギの量が予め定められた設定量より多い場合に、前記キャパシタに充電された電気エネルギを前記バッテリに供給して、充電するキャパシタ放電装置とを含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電源付き作動装置。
- キャパシタを含む複数の電源を備えた電源システムと、その電源システムからの電気エネルギにより作動させられる電気的作動装置とを含む電源付き作動装置を制御する方法であって、
前記電気的作動装置に前記電源システムから電気エネルギを供給する必要がなくなった後に、前記キャパシタに充電された電気エネルギにより、当該電源付き作動装置の状態の診断を行うことを特徴とする電源付き作動装置制御方法。
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