JP2004193699A - 車両用後側方監視装置及びその制御方法 - Google Patents
車両用後側方監視装置及びその制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004193699A JP2004193699A JP2002356161A JP2002356161A JP2004193699A JP 2004193699 A JP2004193699 A JP 2004193699A JP 2002356161 A JP2002356161 A JP 2002356161A JP 2002356161 A JP2002356161 A JP 2002356161A JP 2004193699 A JP2004193699 A JP 2004193699A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- adjacent
- area
- rear side
- lane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Closed-Circuit Television Systems (AREA)
Abstract
【課題】自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両を明確に区別して認識できる監視装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】CCDカメラにより自車後側方のフレーム画像が取得され(S1)、CPUにより、フレーム画像についてu−v平面が設定されて車両候補領域が抽出され(S2)、この車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式がu−v平面に投票されて最大投票値が導出され(S3,S4)、最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され(S5)、この値が最大となる車両候補領域が自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され(S6)、隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影されて隣接車両領域が存在する道路領域が判断され(S7)、その隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときには、CPUにより報知部が駆動されて警告音が発せられる(S8)。
【選択図】 図2
【解決手段】CCDカメラにより自車後側方のフレーム画像が取得され(S1)、CPUにより、フレーム画像についてu−v平面が設定されて車両候補領域が抽出され(S2)、この車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式がu−v平面に投票されて最大投票値が導出され(S3,S4)、最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され(S5)、この値が最大となる車両候補領域が自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され(S6)、隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影されて隣接車両領域が存在する道路領域が判断され(S7)、その隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときには、CPUにより報知部が駆動されて警告音が発せられる(S8)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自車の走行中に、自車に搭載した撮像手段により後側方を撮像して得られる画像を処理し、追い越し車両を認識する手法として相関演算法がある。この相関演算法は、テンプレートマッチング法とも呼ばれ、画像中に対象物の動きベクトル、つまりオプティカルフローを計算するのに利用される手法であり、例えば特許文献1にその具体的なフロー計算方法が記載されている。
【0003】
更に、そのオプティカルフローを正確に求めるようにしたものとして、特許文献2に記載の手法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−142209号公報(段落[0012]〜[0013])
【特許文献2】
特開平11−20546号公報(段落[0012]〜[0014])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の手法では、片側3車線以上の道路において、図6に示すように、自車の走行車線に隣接する車線を後方から追い越そうとする車両Aと、更にもう1車線離れた車線をそれぞれ後方から追い越そうとする車両Bがあり、これら両車両A,Bがほぼ同じ速度で追い越し、しかも両車両A,Bの画像がほぼ重なってしまったときには、それぞれのオプティカルフローがほぼ同じ大きさになるため、その重なった2つの車両A,Bの画像を1つの車両と誤認することがある。この場合、車両Bについては、自車から2車線も離れているため、車両Aに比べて追突のおそれは低いにも拘わらず、誤認による誤警報を発してしまい、ドライバに対して煩わしさを与えてしまうという問題があった。
【0006】
そのほかにも、片側4車線以上の道路において、自車の走行車線から2車線離れた車線及び3車線離れた車線を走行する車両の画像が重なったときにも同様にこれら2つの画像を1つの車両と誤認する結果、隣接車線を走行する車両ではないため、自車に急接近する車両であっても自車に追突するおそれが低いにも拘わらず、急接近して追突のおそれ有りと判断して、誤警報を多発するという不都合が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両を明確に区別して認識できる監視装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、撮像部により自車後側方を撮像し、処理部により、前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出し、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定し、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を求め、求めた前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化してその値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定し、決定した前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断することを特徴としている(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0010】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0011】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、自車後側方を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出部と、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定部と、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出部と、前記導出部による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化部と、前記正規化部により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定部と、前記決定部により決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断部とを備えていることを特徴としている(請求項2)。
【0012】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0013】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0014】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記抽出部が、前記撮像部によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴としている(請求項3)。
【0015】
このような構成によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することができる。
【0016】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記導出部が、前記抽出部により抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴としている(請求項4)。
【0017】
このような構成によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することできる。
【0018】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記判断部により当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知部を更に備えていることを特徴としている(請求項5)。
【0019】
このような構成によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときには、報知部によりその旨が報知されるため、追突のおそれのある追い越し車両の接近をドライバは確実に把握することができる。
【0020】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、撮像部により自車後側方を撮像する撮像工程と、前記撮像工程により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出工程と、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定工程と、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出工程と、前記導出工程による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化工程と、前記正規化工程により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定工程と、前記決定工程で決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断工程とを備えていることを特徴としている(請求項6)。
【0021】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0022】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0023】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記抽出工程では、前記撮像工程によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴としている(請求項7)。
【0024】
このような構成によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することができる。
【0025】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記導出工程では、前記抽出工程で抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴としている(請求項8)。
【0026】
このような構成によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することができる。
【0027】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記判断工程で当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知工程を更に備えていることを特徴としている(請求項9)。
【0028】
このような構成によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときにはその旨が報知されるため、追突のおそれのある追い越し車両の接近をドライバは確実に把握することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。但し、図1はブロック図、図2は動作説明用フローチャート、図3ないし図5は動作説明図である。
【0030】
図1に示すように、撮像部としての単眼CCDカメラ1が車両に搭載され、このCCDカメラ1により自車の後側方が撮像され、得られた各時刻毎のフレーム画像がCPU2によりRAM等から成るメモリ3に保存される。このCCDカメラ1による撮像が、本発明における撮像工程に相当する。
【0031】
そして、CPU2は、図3に示すように、CCDカメラ1による連続するフレーム画像中の同一点の動きベクトルであるオプティカルフローを規定するためのu−v平面を設定し、フレーム画像に対して所定の注視領域を設定してその注視領域における各画素の濃淡から水平方向(u方向)へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向(v方向)へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで自車後側方の車両候補領域Rを抽出し、図4に示すように、抽出した車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式をu−v平面に投票し、図5に示すように最大投票値pを導出する。
【0032】
このとき、CPU2は、抽出した車両候補領域Rのうち、走行している自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点(FOE;Focus Of Expansion)にオプティカルフローが収束するものは自車から遠ざかっていると判断できるため、無限遠点から放射される放射ライン上を発散する方向へのオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して投票を行う。こうすることで、自車の後側方から接近する車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができる。
【0033】
このようなCPU2による抽出処理が、本発明における抽出部及び抽出工程に相当し、CPU2によるu−v平面の設定処理が、本発明における設定部及び設定工程に相当し、CPU2による最大投票値の導出処理が、本発明における導出部及び導出工程に相当する。
【0034】
ところで、オプティカルフロー拘束式は、フレーム画像の各画素の輝度値の空間的微分値Ex,Ey及び時間的微分値Etにより、
Ex・u+Ey・v+Et=0
と表わされ、フレーム画像の水平方向をX軸、これに直交する方向をY軸として、Exはフレーム画像におけるある画素の明るさのX軸方向の微分値、EyはY軸方向の微分値、Etは時間方向の微分値であり、u,vはそれぞれX軸、Y軸方向の動き量であり、(u,v)がオプティカルフローである。
【0035】
更に、CPU2は、導出した最大投票値pをオプティカルフロー拘束式の本数で正規化し、正規化した値が最大となる車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定すると共に、決定した隣接車両領域を、フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した隣接車両領域が存在する道路領域、つまり投影した隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線つまり自車から2車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する。この場合の2次元投影は、決定した隣接車両領域までの距離を導出し、周知の3次元−2次元変換の演算を行えばよく、その隣接車両領域が高さのない物体として道路平面に投影されるのである。
【0036】
このようなCPU2による正規化処理が、本発明における正規化部及び正規化工程に相当し、CPU2による隣接車両領域として決定処理が、本発明における決定部及び決定工程に相当し、CPU2による判断処理が、本発明における判断部及び判断工程に相当する。
【0037】
ところで、図1に示すように、CPU2により、当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときには、ドライバに対して、例えば警告音によりその旨を報知する報知部4が設けられている。
【0038】
次に、一連の動作について図2のフローチャートを参照して説明する。いま、図2に示すように、CCDカメラ1により自車後側方が撮像されてフレーム画像が取得されると(S1)、CPU2により、取得されたフレーム画像について、オプティカルフローを規定するためのu−v平面が設定されると共に、フレーム画像に対して所定の注視領域が設定され、上記したようにして自車後側方の車両候補領域Rが抽出される(S2)。
【0039】
そして、抽出された車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式がu−v平面に投票され(S3)、その投票による最大投票値pが導出され(S4)、導出された最大投票値pがオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され(S5)、正規化された値が最大となる車両候補領域Rが、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され(S6)、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域が存在する道路領域が判断される(S7)。
【0040】
即ち、ステップS7において、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線つまり自車から2車線以上離れた車線のいずれに存在するかの判断が行われ、当該隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときには、CPU2により報知部4が駆動されてドライバに対して警告音が発せられて報知され(S8)、その後ステップS1に戻る。
【0041】
このように、CCDカメラ1により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域Rが抽出され、抽出された車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値pが導出され、その最大投票値pがオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域Rが、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0042】
従って、上記した実施形態によれば、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0043】
また、隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときだけ、その旨が報知されるため、従来のように誤認による誤警報が多発してドライバに煩わしさを与えることもない。
【0044】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0045】
例えば、上記した実施形態では、フレーム画像に対して所定の注視領域を設定してその注視領域における各画素の濃淡から水平方向(u方向)へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向(v方向)へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで自車後側方の車両候補領域を抽出するようにした場合について説明したが、車両候補領域の抽出はこれに限定されるものでないのは勿論である。
【0046】
また、上記した実施形態では、報知部4が警告音で報知する場合について説明したが、警告音以外に、報知部4をランプとしてその点灯や点滅により報知してもよく、或いは、報知部4をLCD等の表示装置により構成し、これにメッセージを表示して報知するようにしても構わない。なお、報知部4は必要に応じて設ければよく、必ずしも設けなければならないものではない。
【0047】
更に、自車に搭載すべき撮像部は、上記したCCDカメラ1に限定されるものでないのはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,2,6に記載の発明によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断されるため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することが可能になる。
【0049】
また、請求項3,7に記載の発明によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することが可能になる。
【0050】
また、請求項4,8に記載の発明によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することが可能になる。
【0051】
また、請求項5,9に記載の発明によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときにはその旨が報知されるため、ドライバは追突のおそれのある追い越し車両の接近を確実に把握することができて、安全確保のための措置を迅速にとることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明用フローチャートである。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図4】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図5】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図6】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 CCDカメラ(撮像部)
2 CPU(処理部、抽出部、設定部、導出部、正規化部、決定部、判断部)
4 報知部
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自車の走行中に、自車に搭載した撮像手段により後側方を撮像して得られる画像を処理し、追い越し車両を認識する手法として相関演算法がある。この相関演算法は、テンプレートマッチング法とも呼ばれ、画像中に対象物の動きベクトル、つまりオプティカルフローを計算するのに利用される手法であり、例えば特許文献1にその具体的なフロー計算方法が記載されている。
【0003】
更に、そのオプティカルフローを正確に求めるようにしたものとして、特許文献2に記載の手法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−142209号公報(段落[0012]〜[0013])
【特許文献2】
特開平11−20546号公報(段落[0012]〜[0014])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の手法では、片側3車線以上の道路において、図6に示すように、自車の走行車線に隣接する車線を後方から追い越そうとする車両Aと、更にもう1車線離れた車線をそれぞれ後方から追い越そうとする車両Bがあり、これら両車両A,Bがほぼ同じ速度で追い越し、しかも両車両A,Bの画像がほぼ重なってしまったときには、それぞれのオプティカルフローがほぼ同じ大きさになるため、その重なった2つの車両A,Bの画像を1つの車両と誤認することがある。この場合、車両Bについては、自車から2車線も離れているため、車両Aに比べて追突のおそれは低いにも拘わらず、誤認による誤警報を発してしまい、ドライバに対して煩わしさを与えてしまうという問題があった。
【0006】
そのほかにも、片側4車線以上の道路において、自車の走行車線から2車線離れた車線及び3車線離れた車線を走行する車両の画像が重なったときにも同様にこれら2つの画像を1つの車両と誤認する結果、隣接車線を走行する車両ではないため、自車に急接近する車両であっても自車に追突するおそれが低いにも拘わらず、急接近して追突のおそれ有りと判断して、誤警報を多発するという不都合が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両を明確に区別して認識できる監視装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、撮像部により自車後側方を撮像し、処理部により、前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出し、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定し、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を求め、求めた前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化してその値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定し、決定した前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断することを特徴としている(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0010】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0011】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、自車後側方を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出部と、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定部と、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出部と、前記導出部による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化部と、前記正規化部により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定部と、前記決定部により決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断部とを備えていることを特徴としている(請求項2)。
【0012】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0013】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0014】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記抽出部が、前記撮像部によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴としている(請求項3)。
【0015】
このような構成によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することができる。
【0016】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記導出部が、前記抽出部により抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴としている(請求項4)。
【0017】
このような構成によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することできる。
【0018】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置は、前記判断部により当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知部を更に備えていることを特徴としている(請求項5)。
【0019】
このような構成によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときには、報知部によりその旨が報知されるため、追突のおそれのある追い越し車両の接近をドライバは確実に把握することができる。
【0020】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、撮像部により自車後側方を撮像する撮像工程と、前記撮像工程により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出工程と、連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定工程と、前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出工程と、前記導出工程による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化工程と、前記正規化工程により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定工程と、前記決定工程で決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断工程とを備えていることを特徴としている(請求項6)。
【0021】
このような構成によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0022】
そのため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0023】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記抽出工程では、前記撮像工程によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴としている(請求項7)。
【0024】
このような構成によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することができる。
【0025】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記導出工程では、前記抽出工程で抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴としている(請求項8)。
【0026】
このような構成によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することができる。
【0027】
また、本発明にかかる車両用後側方監視装置の制御方法は、前記判断工程で当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知工程を更に備えていることを特徴としている(請求項9)。
【0028】
このような構成によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときにはその旨が報知されるため、追突のおそれのある追い越し車両の接近をドライバは確実に把握することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。但し、図1はブロック図、図2は動作説明用フローチャート、図3ないし図5は動作説明図である。
【0030】
図1に示すように、撮像部としての単眼CCDカメラ1が車両に搭載され、このCCDカメラ1により自車の後側方が撮像され、得られた各時刻毎のフレーム画像がCPU2によりRAM等から成るメモリ3に保存される。このCCDカメラ1による撮像が、本発明における撮像工程に相当する。
【0031】
そして、CPU2は、図3に示すように、CCDカメラ1による連続するフレーム画像中の同一点の動きベクトルであるオプティカルフローを規定するためのu−v平面を設定し、フレーム画像に対して所定の注視領域を設定してその注視領域における各画素の濃淡から水平方向(u方向)へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向(v方向)へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで自車後側方の車両候補領域Rを抽出し、図4に示すように、抽出した車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式をu−v平面に投票し、図5に示すように最大投票値pを導出する。
【0032】
このとき、CPU2は、抽出した車両候補領域Rのうち、走行している自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点(FOE;Focus Of Expansion)にオプティカルフローが収束するものは自車から遠ざかっていると判断できるため、無限遠点から放射される放射ライン上を発散する方向へのオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して投票を行う。こうすることで、自車の後側方から接近する車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができる。
【0033】
このようなCPU2による抽出処理が、本発明における抽出部及び抽出工程に相当し、CPU2によるu−v平面の設定処理が、本発明における設定部及び設定工程に相当し、CPU2による最大投票値の導出処理が、本発明における導出部及び導出工程に相当する。
【0034】
ところで、オプティカルフロー拘束式は、フレーム画像の各画素の輝度値の空間的微分値Ex,Ey及び時間的微分値Etにより、
Ex・u+Ey・v+Et=0
と表わされ、フレーム画像の水平方向をX軸、これに直交する方向をY軸として、Exはフレーム画像におけるある画素の明るさのX軸方向の微分値、EyはY軸方向の微分値、Etは時間方向の微分値であり、u,vはそれぞれX軸、Y軸方向の動き量であり、(u,v)がオプティカルフローである。
【0035】
更に、CPU2は、導出した最大投票値pをオプティカルフロー拘束式の本数で正規化し、正規化した値が最大となる車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定すると共に、決定した隣接車両領域を、フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した隣接車両領域が存在する道路領域、つまり投影した隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線つまり自車から2車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する。この場合の2次元投影は、決定した隣接車両領域までの距離を導出し、周知の3次元−2次元変換の演算を行えばよく、その隣接車両領域が高さのない物体として道路平面に投影されるのである。
【0036】
このようなCPU2による正規化処理が、本発明における正規化部及び正規化工程に相当し、CPU2による隣接車両領域として決定処理が、本発明における決定部及び決定工程に相当し、CPU2による判断処理が、本発明における判断部及び判断工程に相当する。
【0037】
ところで、図1に示すように、CPU2により、当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときには、ドライバに対して、例えば警告音によりその旨を報知する報知部4が設けられている。
【0038】
次に、一連の動作について図2のフローチャートを参照して説明する。いま、図2に示すように、CCDカメラ1により自車後側方が撮像されてフレーム画像が取得されると(S1)、CPU2により、取得されたフレーム画像について、オプティカルフローを規定するためのu−v平面が設定されると共に、フレーム画像に対して所定の注視領域が設定され、上記したようにして自車後側方の車両候補領域Rが抽出される(S2)。
【0039】
そして、抽出された車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式がu−v平面に投票され(S3)、その投票による最大投票値pが導出され(S4)、導出された最大投票値pがオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され(S5)、正規化された値が最大となる車両候補領域Rが、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され(S6)、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域が存在する道路領域が判断される(S7)。
【0040】
即ち、ステップS7において、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線つまり自車から2車線以上離れた車線のいずれに存在するかの判断が行われ、当該隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときには、CPU2により報知部4が駆動されてドライバに対して警告音が発せられて報知され(S8)、その後ステップS1に戻る。
【0041】
このように、CCDカメラ1により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域Rが抽出され、抽出された車両候補領域R内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値pが導出され、その最大投票値pがオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域Rが、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断される。
【0042】
従って、上記した実施形態によれば、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することができる。
【0043】
また、隣接車両領域が自車の隣接車線にあると判断されたときだけ、その旨が報知されるため、従来のように誤認による誤警報が多発してドライバに煩わしさを与えることもない。
【0044】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0045】
例えば、上記した実施形態では、フレーム画像に対して所定の注視領域を設定してその注視領域における各画素の濃淡から水平方向(u方向)へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向(v方向)へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで自車後側方の車両候補領域を抽出するようにした場合について説明したが、車両候補領域の抽出はこれに限定されるものでないのは勿論である。
【0046】
また、上記した実施形態では、報知部4が警告音で報知する場合について説明したが、警告音以外に、報知部4をランプとしてその点灯や点滅により報知してもよく、或いは、報知部4をLCD等の表示装置により構成し、これにメッセージを表示して報知するようにしても構わない。なお、報知部4は必要に応じて設ければよく、必ずしも設けなければならないものではない。
【0047】
更に、自車に搭載すべき撮像部は、上記したCCDカメラ1に限定されるものでないのはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,2,6に記載の発明によれば、撮像部により自車後側方が撮像され、得られたフレーム画像から車両候補領域が抽出され、抽出された車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式が、動きベクトルを規定するためのu−v平面に投票されて最大投票値が導出され、その最大投票値がオプティカルフロー拘束式の本数で正規化され、正規化された値が最大となる車両候補領域が、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定され、決定された隣接車両領域がフレーム画像における路面に2次元投影され、投影された隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線か、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかが判断されるため、自車の隣接車線を走行する追い越し車両か、自車から2車線以上離れた車線を走行する追い越し車両かを、従来のように誤認することなく明確に区別して認識することが可能になる。
【0049】
また、請求項3,7に記載の発明によれば、水平方向へのエッジヒストグラム、垂直方向へのエッジヒストグラム及び両方向へのエッジヒストグラムの積の演算によりその極大点が導出されるため、車両候補領域を確実に抽出することが可能になる。
【0050】
また、請求項4,8に記載の発明によれば、オプティカルフローが無限遠点に収束するものは自車から遠ざかるものであるため、無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択することで、接近車両に該当する可能性の高い車両候補領域に対してのみ確実に投票を行うことができ、隣接車線の追い越し車両をより高精度に区別することが可能になる。
【0051】
また、請求項5,9に記載の発明によれば、隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときにはその旨が報知されるため、ドライバは追突のおそれのある追い越し車両の接近を確実に把握することができて、安全確保のための措置を迅速にとることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明用フローチャートである。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図4】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図5】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図6】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 CCDカメラ(撮像部)
2 CPU(処理部、抽出部、設定部、導出部、正規化部、決定部、判断部)
4 報知部
Claims (9)
- 自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、
撮像部により自車後側方を撮像し、
処理部により、
前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出し、
連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定し、
前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を求め、
求めた前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化してその値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定し、
決定した前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する
ことを特徴とする車両用後側方監視装置。 - 自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置において、
自車後側方を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出部と、
連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定部と、
前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出部と、
前記導出部による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化部と、
前記正規化部により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定部と、
前記決定部により決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断部と
を備えていることを特徴とする車両用後側方監視装置。 - 前記抽出部が、前記撮像部によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴とする請求項2に記載の車両用後側方監視装置。
- 前記導出部が、前記抽出部により抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用後側方監視装置。
- 前記判断部により当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知部を更に備えていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の車両用後側方監視装置。
- 自車の後側方の画像を処理し、自車に接近する車両等を監視する車両用後側方監視装置の制御方法において、
撮像部により自車後側方を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により撮像されるフレーム画像から自車後側方の車両候補領域を抽出する抽出工程と、
連続する前記フレーム画像中の同一点の動きベクトルを規定するためのu−v平面を設定する設定工程と、
前記車両候補領域内の格子点におけるオプティカルフロー拘束式を前記u−v平面に投票して最大投票値を導出する導出工程と、
前記導出工程による前記最大投票値をオプティカルフロー拘束式の本数で正規化する正規化工程と、
前記正規化工程により正規化された値が最大となる前記車両候補領域を、自車の隣接車線を走行する隣接車両領域として決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された前記隣接車両領域を、前記フレーム画像における路面に2次元投影し、投影した前記隣接車両領域の位置から当該隣接車両領域が自車の隣接車線、或いは、もう1車線以上離れた車線のいずれに存在するかを判断する判断工程と
を備えていることを特徴とする車両用後側方監視装置の制御方法。 - 前記抽出工程では、前記撮像工程によるフレーム画像に対して所定の注視領域を設定しその注視領域における各画素の濃淡から水平方向へのエッジヒストグラム、これに直交する垂直方向へのエッジヒストグラム、及び両方向へのエッジヒストグラムの積を演算してその極大点を導出することで前記車両候補領域を抽出することを特徴とする請求項6に記載の車両用後側方監視装置の制御方法。
- 前記導出工程では、前記抽出工程により抽出された前記車両候補領域のうち、走行中の自車からの撮像方向を示す1点に対応する無限遠点から放射されるライン上を発散するオプティカルフロー拘束式を有するもののみを選択して前記投票を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の車両用後側方監視装置の制御方法。
- 前記判断工程で当該隣接車両領域が自車の隣接車線に存在すると判断されたときに、その旨を報知する報知工程を更に備えていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の車両用後側方監視装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002356161A JP2004193699A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | 車両用後側方監視装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002356161A JP2004193699A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | 車両用後側方監視装置及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004193699A true JP2004193699A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32756565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002356161A Withdrawn JP2004193699A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | 車両用後側方監視装置及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004193699A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101326943B1 (ko) | 2012-06-29 | 2013-11-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 추월차량 경고 시스템 및 추월차량 경고 방법 |
KR20160078865A (ko) * | 2014-12-24 | 2016-07-05 | 한동대학교 산학협력단 | 관심영역을 이용하여 차량의 후방 좌우 옆 차선 영역을 감지하는 방법 및 이를 이용한 차량용 영상 모니터링 시스템 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356161A patent/JP2004193699A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101326943B1 (ko) | 2012-06-29 | 2013-11-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 추월차량 경고 시스템 및 추월차량 경고 방법 |
KR20160078865A (ko) * | 2014-12-24 | 2016-07-05 | 한동대학교 산학협력단 | 관심영역을 이용하여 차량의 후방 좌우 옆 차선 영역을 감지하는 방법 및 이를 이용한 차량용 영상 모니터링 시스템 |
KR101692628B1 (ko) * | 2014-12-24 | 2017-01-04 | 한동대학교 산학협력단 | 관심영역을 이용하여 차량의 후방 좌우 옆 차선 영역을 감지하는 방법 및 이를 이용한 차량용 영상 모니터링 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10025998B1 (en) | Object detection using candidate object alignment | |
JP4203512B2 (ja) | 車両周辺監視装置 | |
US9047518B2 (en) | Method for the detection and tracking of lane markings | |
JP2022140519A (ja) | プログラム、ヘルメット着用判定システム、ヘルメット着用判定方法 | |
KR101517181B1 (ko) | 차선 이탈 경보 시스템 및 방법 | |
CN108447303B (zh) | 基于人眼视觉与机器视觉耦合的外周视野危险识别方法 | |
US20160191795A1 (en) | Method and system for presenting panoramic surround view in vehicle | |
JP4707067B2 (ja) | 障害物判別装置 | |
JP5774770B2 (ja) | 車両周辺監視装置 | |
US20070211919A1 (en) | Vehicle surroundings monitoring apparatus | |
KR101326943B1 (ko) | 추월차량 경고 시스템 및 추월차량 경고 방법 | |
US9165197B2 (en) | Vehicle surroundings monitoring apparatus | |
KR101103526B1 (ko) | 스테레오 카메라를 이용한 충돌회피 방법 | |
KR20140004291A (ko) | 전방차량 충돌 경고 시스템 및 전방차량 충돌 경고 방법 | |
JP2007249841A (ja) | 画像認識装置 | |
JP2010191793A (ja) | 警告表示装置及び警告表示方法 | |
JP2005316607A (ja) | 画像処理装置及び画像処理方法 | |
CN104239847A (zh) | 行车警示方法及车用电子装置 | |
JP2014146267A (ja) | 歩行者検出装置、運転支援装置 | |
JP2011089784A (ja) | 物体方向推定装置 | |
JP2011103058A (ja) | 誤認識防止装置 | |
US9727780B2 (en) | Pedestrian detecting system | |
JP4198542B2 (ja) | 顔有無判定装置及び顔有無判定プログラム | |
JP2008286648A (ja) | 距離計測装置、距離計測システム、距離計測方法 | |
JP4575315B2 (ja) | 物体検出装置及びその方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |