JP2004191737A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体表面とクリーニングブレードとの摩擦力が過大になることを防止するとともに、クリーニング不良の発生を防止すること。クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を実現すること。
【解決手段】画像形成装置に装着されている感光体PRy〜PRkが未使用状態であることが検出されたとき、または、感光体走行サイクル数qが設定走行サイクル数q1に達した場合に、トナーバンド作成開始時判別手段C3は、摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別し、このとき、摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体PRy〜PRk表面に作成する。
【選択図】 図3
【解決手段】画像形成装置に装着されている感光体PRy〜PRkが未使用状態であることが検出されたとき、または、感光体走行サイクル数qが設定走行サイクル数q1に達した場合に、トナーバンド作成開始時判別手段C3は、摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別し、このとき、摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体PRy〜PRk表面に作成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体表面にトナー像を形成し、前記トナー像を記録シートまたは中間転写材に転写し、転写後の感光体表面の残留トナーをクリーニングブレードにより除去する電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、感光体表面と前記クリーニングブレードとの摩擦によるダメージを軽減するようにした画像形成装置に関する。
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式の画像形成装置で使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法では、感光体表面を帯電、露光して作成した静電潜像をトナー像に現像し、前記トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。転写工程を終えた感光体表面には未転写のトナー(転写残トナー)や外添剤、放電生成物が残留するため、これらを次に画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。転写残トナー等を除去するクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ等を使用する方法や弾性の有るクリーニングブレードを使用する方法等各種の方法が使用されているが、クリーニングブレードにて感光体を摺擦してトナーを掻き落とす手段が簡便で安価なことより一般的に使用されている。
【0003】
本来、前記弾性クリーニングブレードと感光体の2体間の摩擦抵抗は大きく、それだけでは弾性クリーニングブレードを滑らせることは出来ないが、トナーに添加している微粒子等がクリーニングブレードと感光体の間に介在し潤滑を担っていると考えられる。しかし感光体やクリーニングブレードを含むプロセスカートリッジが未使用状態に近い初期においては、クリーニングブレードと感光体間の微粒子の介在が安定しない為、特には摩擦力の増加する高温高湿条件下での使用や交番電界を印可する帯電ロール等の接触帯電部材を使った場合など潤滑成分の介在が不安定となり、局所的に弾性のクリーニングブレードと感光体の摩擦が大きくなる場合がある。
【0004】
その摩擦の上昇に起因しクリーニングブレードがめくれたりビビリやクリーニングエッジの欠けや摩耗などのダメージが生じたり、感光体の表面に傷が生じ、本来クリーニングしなければならないトナー、外添剤、放電生成物等の除去性能が低下し、長期に渡って安定したクリーニング性能を維持することができなくなる。
【0005】
一方、近年、この種の画像形成装置において高画質化が進み、その高画質化のための一つの方向として、重合法を使用し、トナーの小径化、球形化、粒度分布のシャープ化が進められるようになってきている。トナーの小径化により、感光体上に形成されたドットの再現性を向上させることができ、球形化することで現像性、転写性を向上させることができる。しかし、粒度分布がシャープで球形に近いトナーは従来の不定形粉砕トナーより流動性が良いためブレードのクリーニングエッジでのトナーの滞留性が悪くブレードの潤滑を安定に確保することは更に困難である。
【0006】
前記球形トナーのブレードクリーニングは困難であり、特に前記ブレードのダメージや感光体の傷が悪化すると、従来の不定形トナーと比較して顕著にクリーニング性能の悪化が生じる。このクリーニング不良が原因となりクリーニングブレード、感光体を含むプロセスカートリッジ等の長寿命化が困難なのが実情である。
前記クリーニング不良の発生を防止し、クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を図った画像形成装置としては、次の技術が従来公知である。
【0007】
【特許文献1】特開平5−188643号公報(公報第2欄第42行〜第3欄第28行)
【特許文献2】特開平11−38656号公報(公報第4頁右欄上段第1〜20行)
【特許文献3】特開平11−184106号公報(公報第4頁右欄第12〜25行)
【特許文献4】特開平11−316468号公報(公報第6頁左欄第6〜30行)
【特許文献5】特開2001−51576号公報(公報第3頁右欄第24〜44行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記球形トナーを用いた画像形成装置で感光体に潤滑材等を供給する方法が提案されている。例えば特開平5−188643号公報(特許文献1)などがある。しかしながら前記特許文献1記載の技術においても、感光体への潤滑剤供給が不足するとクリーニング不良が発生し、供給過剰では感光体へのフィルミングによる悪影響が起こり易いため、長期に渡り均一に像担持体に供給する必要があるが、設計が非常に困難である。
【0009】
また特開平11−38656号公報(特許文献2)には、感光体の傷や摩耗に有利な最表面層を有する感光体が提案され、特開平11−184106号公報(特許文献3)及び特開平11−316468号公報(特許文献4)などには、感光体の傷や摩耗に有利な電荷輸送性物質及びシロキサン系樹脂を含有する表面層を有する感光体が提案されている。
従来の感光体では表面の摩耗により有効に除去されていた放電生成物等が前記提案された感光体では、除去し難くなり特に球形トナーを用いた場合、画像密度が低い場所や非画像形成サイクルでの摩擦上昇が大きくブレードダメージが悪化する不具合がある。
【0010】
また特開2001−51576号公報(特許文献5)では膜硬度の高いシロキサン系樹脂を用いた感光体を使い有効に感光体表面の付着物を除去する手段として特定のブラシロールと弾性ゴムブレードの組み合わせが提案されているが、この方法では球形トナーを用いた場合や接触帯電部材を用いた場合、ブレードダメージを有効に回避することはできない。
本発明は、前述の事情に鑑み、感光体表面にトナー像を形成し、そのトナー像を記録シートまたは中間転写材等に転写した後、感光体表面の残留トナー像を弾性を有するクリーニングブレードにより擦り取る電子写真方式の画像形成装置において、次の記載内容(O01),(O02)を技術的課題とする。
(O01)感光体表面とクリーニングブレードとの摩擦力が過大になることを防止するとともに、クリーニング不良の発生を防止すること。
(O02)クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を実現すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0012】
(本発明)
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写するトナー像転写部材(T1y〜T1k)、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A07)画像形成装置に装着されている感光体(PRy〜PRk)が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段(C3b)を有し、未使用状態が検出されたときにトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0013】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A07)を備えた第1発明の画像形成装置では、トナー像形成装置(Uy〜Uk)の導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)の表面は、帯電部材(CRy〜CRk)により帯電される。露光装置(ROS)は前記帯電した感光体(PRy〜PRk)表面を露光して感光体(PRy〜PRk)表面に静電潜像を形成する。現像装置(Gy〜Gk)は、前記静電潜像をトナー像に現像する。
トナー像転写部材(T1y〜T1k)は、前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写する。
クリーナ(CLy〜CLk)の弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)は、前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接しており、前記転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去する。
摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、画像形成装置に装着されている感光体(PRy〜PRk)が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段(C3b)により未使用状態が検出されたときに、トナーバンド作成開始時であると判別する。
【0014】
前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに、摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する。
なお、クリーニングブレード(CBy〜CBk)のブレードエッジのダメージは主に感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)の凝着力が大きくなる初期の回転開始時と長期放置後の回転開始時に起きる。したがって、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始すると感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との摩擦接触が開始される。この場合、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始してからできるだけ早い時期に、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部にトナーを供給する必要がある。したがって、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始してから1回転するまでの間に摩擦低減用トナーバンドの作成を開始することが好ましい。
【0015】
転写バイアス制御手段(C6c)は、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないように前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像されたトナーバンドを、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤をブレードエッジに与えることによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能の維持が可能となる。
前記被転写体(B)が中間転写体(B)である場合は、前記感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドが中間転写体(被転写体)(B)への転写領域(Q3y,Q3m,Q3c,Q3k)を通過する間は転写電界を0Vまたは逆電界を印加し、中間転写体(被転写体)(B)へ転写させないよう制御する。
【0016】
したがって、感光体(PRy〜PRk)が未使用状態と判別されたときには、前記トナー像形成装置(Uy〜Uk)により感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドは、前記被転写体(B)に転写されることなく、クリーニングブレード(CBy〜CBk)との当接部に搬送される。前記当接部に搬送された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記当接部に蓄積されて、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減する。このため、感光体(PRy〜PRk)の使用開始初期において、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)とは、それらの間に過大な摩擦力が作用することが防止される。したがって、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)は、それらの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、画像形成装置は、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0017】
また、前記第1発明の画像形成装置では、平均形状指数SFが、SF100〜140の球状のトナーを用いた場合でも、感光体回転開始時に生じる急激なクリーニングブレード歪みを抑制し、さらには供給したトナーが潤滑材として感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)間に保持されるため、使用環境、画像密度に左右されず、安定したクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との潤滑が可能となり長期に渡ってクリーニング性能を維持し、さらにはクリーニングブレード(CBy〜CBk)のエッジダメージを抑制可能である。また特には比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散球形シリカを添加することにより更にブレードと感光体(PRy〜PRk)の摩擦を抑制することが可能である。
【0018】
(第2発明)
第2発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A06),(A08),(A09)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写するトナー像転写部材(T1y〜T1k)、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A08)画像形成装置(U)に装着されている感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数(p,q)を検出する感光体走行サイクル数検出手段(ME1)、
(A09)トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)を記憶する設定走行サイクル数記憶手段(C3c)を有し、前記判別の実行時に前記感光体走行サイクル数(q)が前記設定走行サイクル数(q1)に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0019】
本願明細書において、前記第2発明の用語である「感光体走行サイクル数」は、感光体(PRy〜PRk)の「使用時間」に関連する数値を意味している。したがって、前記「走行サイクル数」としては、「感光体(PRy〜PRk)の回転時間」、「感光体(PRy〜PRk)の回転数」または「画像記録枚数」等を採用することが可能である。
【0020】
(第2発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A06),(A08),(A09)を備えた第2発明の画像形成装置では、摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)の設定走行サイクル数記憶手段(C3c)は、前記感光体走行サイクル数(q)のトナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)を記憶する。また、感光体走行サイクル数検出手段(ME1)は、前記感光体走行サイクル数(q)を検出する。そして、前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、判別を実行した時に前記検出された感光体走行サイクル数(q)が前記開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する。
この第2発明では、トナーバンド作成開始時判別手段(C3)が前記トナーバンド作成開始時か否かの判別を実行した時に感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数(q)がトナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達していると判別した場合には、その度に、摩擦低減用トナーバンドが作成される。その摩擦低減用トナーバンドは、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に搬送される。そして、摩擦低減用トナーバンドのトナーは前記当接部に滞留してクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減する。したがって、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)は、それらの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、画像形成装置(U)は、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0021】
なお、前記第2発明において、前記検出された感光体走行サイクル数(q)が前記開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達する度にトナーバンド作成開始時であると判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、画像形成装置Uの電源がオンしたときのみ判別作業を実行するように構成することが可能である。その場合、電源をオンにしたときに検出された感光体走行サイクル数(q)に応じて、電源オン時に感光体(PRy〜PRk)が回転し始めてから成るべく早い時期(なるべく感光体(PRy〜PRk)が1回転するまでの間)に摩擦低減用トナーバンドの作成を開始するように構成することが可能である。
【0022】
(第3発明)
第3発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A06),(A010)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写する感光体(PRy〜PRk)表面トナー像転写部材、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A010)前記摩擦低減用トナー像の作成時には、前記帯電部材(CRy〜CRk)に帯電バイアスを印加しないように構成された帯電バイアス制御手段(C6a)。
【0023】
(第3発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A06),(A010)を備えた第3発明の画像形成装置では、帯電バイアス制御手段(C6a)は、前記摩擦低減用トナー像の作成時には、前記帯電部材(CRy〜CRk)に帯電バイアスを印加しない。このため、前記感光体(PRy〜PRk)表面に形成される摩擦低減用トナーバンドは、現像バイアスのみにより形成される。
前記感光体(PRy〜PRk)の表面滑り度を上昇させブレードエッジのダメージおよび感光体回転トルクの上昇を引き起こす1つの要因として接触型帯電部材、特にBCR(バイアスチャージロール、帯電ロール)による放電生成物の付着がある。前記第3発明では、帯電部材(CRy〜CRk)による放電ストレスを与える前に、感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との間にトナーや外添剤などの潤滑成分を介在させることで、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制ができ、クリーニング維持性確保が可能となる。
【0024】
前記第1発明〜第3発明の画像形成装置は、次の構成要件(A011)を備えることが可能である。
(A011)トナー粒子の最大周囲長をML、トナー粒子の投影面積の最大値をAとした場合にSF=100π(ML)2/4Aで表せる平均形状指数SFが100〜140であるトナー粒子を用いる前記現像装置(Gy〜Gk)。
前記平均形状指数SFが100〜140である球形トナー粒子を用いる現像装置(Gy〜Gk)は、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部からトナーがすり抜け易いので、前記当接部にトナーが滞留し難い。しかしながら、前記構成要件(A011)を備えた画像形成装置では、トナーバンド作成開始時判別手段(C3)が摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったと判別したときに、摩擦低減用トナーバンドを作成して前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部にトナーを供給して、前記当接部にトナーを滞留させることができる。したがって、前記平均形状指数SFが100〜140であるトナー粒子(球形トナー)を用いる現像装置(Gy〜Gk)を使用した場合でも、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減することができる。
すなわち、本発明は球形トナーを用いた画像形成装置(U)においても、長期に渡ってクリーニング性能を低下させることなく、使用温度環境によらず良好な感光体(PRy〜PRk)のブレードクリーニング性を確保した画像形成装置(U)を安価に提供することが可能である。また、本発明はクリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、長期間に渡って高画質を得ることができる画像形成装置を提供することが可能である。
【0025】
前記第1〜第3発明または前記構成要件(A011)を備えた画像形成装置は次の構成要件(A012)を備えることが可能である。
(A012)感光体回転方向に3mm〜106mmの長さを有する前記摩擦低減用トナーバンド。
前記画像形成装置では、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーの量は、前記摩擦低減用トナーバンドの感光体回転方向の長さと、摩擦低減用トナーバンドの画像密度とにより定まる。前記構成要件(A012)を備えた画像形成装置では、前記摩擦低減用トナーバンドの画像密度を10〜100%の範囲内で適当な値に設定し、且つ前記摩擦低減用トナーバンドの感光体回転方向の長さを、3mm〜106mmの長さの範囲内で適当な長さに設定することにより、必要な量のトナーをクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に搬送することができる。したがって、摩擦低減に必要な量のトナーを前記当接部に供給することができる。
【0026】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A011)もしくは(A012)を備えた画像形成装置は次の構成要件(A013)を備えることが可能である。
(A013)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)への転写領域(Q3y,Q3m,Q3c,Q3k)を通過する間は感光体(PRy〜PRk)と前記被転写体(B)とを非接触にして、前記被転写体(B)へ転写されないように被転写体(B)の位置を制御する被転写***置制御手段。
前記構成要件(A013)を備えた画像形成装置では、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)への転写領域を通過する間は、被転写***置制御手段は感光体(PRy〜PRk)と前記被転写体(B)とを非接触にするように被転写体(B)の位置を制御するので、感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記被転写体(B)へ転写されることなく、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給される。したがって、前記当接部にトナーを効率良く供給することができる。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像されたトナー像を、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤をブレードエッジに与えることによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能も維持が可能である。
【0027】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A012)ないし(A013)のいずれかの構成要件を備えた画像形成装置は次の構成要件(A014),(A015)を備えることが可能である。
(A014)温度または湿度を含む使用環境を検出する使用環境検出部材(SN1,SN2)、
(A015)前記使用環境検出部材(SN1,SN2)により検出された検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と前記感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する前記摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)。
【0028】
前記画像形成装置(U)の使用環境が高温、高湿の場合は、低温、低湿の場合に比較してクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との摩擦力が高くなる傾向にある。しかしながら、前記構成要件(A014),(A015)を備えた画像形成装置では、摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、使用環境検出部材(SN1,SN2)の検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と前記感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する。
【0029】
前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との摩擦上昇は特に高温高湿条件下で顕著であり、前述のように使用環境をモニターする機能を有し、その環境に応じて作成トナーバンドの回転方向幅、画像密度の少なくともいずれかを、前記未使用感光体(PRy〜PRk)の使用開始時に対して変更することで最小限のトナーバンドでクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)の潤滑を制御することが可能となる。
すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に、環境に応じて必要な量のトナーを効果的に供給することができる。
【0030】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A012)ないし(A015)のいずれかの構成要件を備えた画像形成装置は次の構成要件(A016)を備えることが可能である。
(A016)感光体の回転が行われた最新の日時から長期間経過したことを検出する長期放置状態検出手段(C3d)を有し、前記判別の実行を電源オン時に行い且つ前記判別の実行時に長期放置状態である場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0031】
クリーニングブレード(CBy〜CBk)のエッジのダメージは主に感光体(PRy〜PRk)とクリーニンクブレード(CBy〜CBk)の凝着力が大きくなる初期の回転開始時と長期放置後の回転開始時に起きる。したがって、前記構成要件(A016)を有する画像形成装置では、電源オン時に長期放置状態であると判別されたときに、回転開始時のブレードエッジダメージを抑制可能である。長期放置後は感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との間にトナーや外添剤が介在しているもののクリーニングブレード(CBy〜CBk)の圧力により双方の密着性が高くなり、結果的に初期トルクの上昇、それにともなうブレードエッジダメージの発生を促進してしまう。ここでは長期に渡り使用されなかった後で、適切な摩擦低減用トナーバンドを供給することができるので、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の画像形成装置を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の正断面図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端にプラテンガラスPGを有する画像形成装置本体(複写機)U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1と、原稿給紙トレイTG1から前記プラテンガラスPG上の複写位置(原稿読取位置)を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙トレイTG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)と、露光光学系A等を有している。
【0034】
前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG上を搬送される原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)でR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力される前記RGBの電気信号をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像がモノクロの場合は、K(黒)のみの画像データがレーザ駆動回路DLに入力される。
前記レーザ駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの各レーザ駆動回路(図示せず)を有し、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、露光装置ROSの各色の潜像書込用レーザダイオード(図示せず)に出力する。
【0035】
図1において、前記ROSの上方には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の各色のトナー像をそれぞれ形成するトナー像形成装置Uy,Um,Uc,Ukが配置されている。
露光装置ROSの前記図示しない各レーザダイオードから出射したY,M,C,KのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkは、導電性基体上に設けられた感光層を有する。
【0036】
図2はY(イエロー)のトナー像形成装置の拡大説明図である。
図1、図2において、前記Yのトナー像形成装置Uyは、回転する感光体PRyと、帯電ロール(帯電部材)CRyと,現像装置Gyと、弾性の有るクリーニングブレードCBy(図2参照)を有するクリーナCLyとを有している。
前記感光体PRyと、帯電ロール(帯電部材)CRyとはCRU(カートリッジユニット)として構成されており、部品の寿命が来たときにはCRUの交換が行われる。そして、CRU(カートリッジユニット)には不揮発性のメモリMe(図3参照)が取り付けられており、感光体PRyの回転数(走行サイクル数)をカウントして記憶したり、最新サイクル日時を記憶するメモリMe(図3参照)が装着されている。このメモリMeについては、図3により後述する。なお、画像形成装置の電源がオフの時でも前記メモリMeの記憶値は電池により保持されており、前記メモリMeのカウント値の初期値=0(ゼロ)である。
【0037】
前記現像装置Gyでは、トナー粒子の最大周囲長をML、トナー粒子の投影面積の最大値をAとした場合にSF=100π(ML)2/4Aで表せる平均形状指数SFが100〜140であるトナーが使用されている。また、前記クリーニングブレードCByはその先端部が感光体PRy表面にカウンター方向(回転方向に対向する方向)に当接した状態で、クリーナCLyの容器に固定されている。
前記トナー像形成装置Um,Uc,Uk(図1参照)はいずれも前記Yのトナー像形成装置Uyと同様に構成されており、各感光体クリーナCLm,CLc,CLkは各感光体PRm,PRc,PRkにカウンター方向に当接するクリーニングブレードCBm,CBc,CBk(図示せず)を有している。
【0038】
前記感光体PRy〜PRk表面に現像されたトナー像は、中間転写ベルト(被転写体)Bに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロール(感光体表面トナー像転写部材)T1y,T1m,T1c,T1kには、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写バイアスが印加される。
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。図2において、1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、感光体表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkにより擦り取られて、クリーニングされる。
【0039】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能なベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、アイドラロール(フリーロール)Rfおよび駆動ロール兼用のバックアップロールT2aを含むベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)により回転移動可能に支持されている。したがって、前記駆動ロール兼用のバックアップロールT2aを回転駆動する駆動装置および前記ベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)等により中間転写ベルト駆動装置すなわち、中間転写ベルトBを搬送する中間転写材搬送装置(Rt,Rw,Rf,T2a)が構成されている。
【0040】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0041】
前記ROSの下方には、給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持する左右一対のガイドレールGR、GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3の記録シート(被転写体)Sは、ピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsにより1枚ずつ分離れてから複数の搬送ロールRaによりレジロールRrに送られる。前記シート搬送ロールRaはシートガイドにより形成されたシート搬送路SHに沿って複数設けられており、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側にはレジロールRrが配置されている。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH+Ra+Rr)が構成されている。
【0042】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたカラートナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aはアースされ、2次転写ロールT2bには前記コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
【0043】
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により前記各感光体PRy〜PRk表面に形成されたトナー像を記録シートSに転写するシート転写装置(T1y〜T1k+B+T2)が構成されている。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、ベルトクリーナCLbのクリーニングブレードによりクリーニングされる。
【0044】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱ロールFhおよび加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域Q5を通過する際に加熱定着された後、排出ローラRhから排紙トレーTRhに出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0045】
前記ベルトモジュールBMの上方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各現像剤を収容する現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。
【0046】
図1において、前記画像形成装置Uは上側フレームUFと下側フレームLFとを有しており、上側フレームUFには、前記ROSおよびROSよりも上方に配置された部材(感光体PRy,PRm,PRc,PRk、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、ベルトモジュールBM等)が支持されている。
また、下側フレームLFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材(ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等)が支持されている。
【0047】
(実施の形態1の制御部の説明)
図3は本発明の画像形成装置Uの実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、温度センサSN1、湿度センサSN2、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記UIは、コピースタートキーUI1,テンキーUI2、コピー枚数入力キーUI3、表示部UI4等を備えている。
【0049】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、レーザ駆動回路DL、ベルト駆動回路DB、感光体駆動モータDy〜Dk、電源回路E、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。前記電源回路Eは現像バイアス用電源回路E1y〜E1k、帯電ロール用電源回路E2y〜E2k、1次転写ロール用電源回路E3y〜E3k、2次転写器用電源回路E4等を有している。
なお、前記CRU(カートリッジユニット)(図2参照)には、感光体走行サイクル数カウンタ(感光体走行サイクル数検出手段)ME1と、最新サイクル日時記憶メモリ(最新サイクル日時記憶手段)ME2が装着されている。
前記レーザ駆動回路D1はROS(露光装置)のレーザダイオード(図示せず)を駆動する。
前記ベルト駆動D2はベルト駆動モータMBを介して中間転写ベルトBを回転駆動する。
【0050】
ME1:感光体走行サイクル数カウンタ(感光体走行サイクル数検出手段)
感光体走行サイクル数カウンタME1は、累積カウンタME1aおよびリセットカウンタME1bを有している。
ME1a:累積カウンタ
累積カウンタME1aは、感光体PRy〜PRkが未使用状態からの感光体PRy〜PRkのそれぞれの走行サイクル数(回転数)の累積値を連続してカウントして記憶する。
ME1b:リセットカウンタ
リセットカウンタME1bは、感光体PRy〜PRkの各回転数qが設定走行サイクル数(設定回転数)q1に達したことを検出するために、各感光体PRy〜PRkの回転数qをカウントして記憶する。なお、各感光体PRy〜PRkのそれぞれの回転数(走行サイクル数)のカウント値qは設定回転数q1に達する毎にリセットされる。
【0051】
ME2:最新サイクル日時記憶メモリ(最新サイクル日時記憶手段)
最新サイクル日時記憶メモリME2は、最新サイクル日時(感光体の最新の走行サイクル終了時の日時)を記憶するメモリであり、前記最新サイクル日時は、時計機能を有するコントローラCにより、書き込まれる。
なお、本実施の形態1では、前記走行サイクル数カウンタME1および最新サイクル日時記憶メモリME2は、CRU(カートリッジユニット)に設けたが、前記ME1およびME2の機能はコントローラCに設けることも可能である。その場合、CRUが未使用状態か否かを判別するために、未使用状態では「0」が記憶され、CRUの感光体PRy〜PRkにトナーバンドが1回作成されたら「1」が書き込まれる不揮発性メモリを前記CRUに装着しておくことが可能である。
【0052】
感光体駆動モータDy〜Dkは、感光体駆動モータMy〜Mkを介して、感光体PRy〜PRk、現像ロールGy〜Gkおよび帯電ロールCRy〜CRkを回転駆動する。
前記現像バイアス電源E1y〜E1kは現像器Gy〜Gkの現像ロールGRy〜GRkに現像バイアス電圧を印加する。
前記帯電ロール用電源回路E2y〜E2kは帯電ロール(チャージロール)CRy〜CRkに帯電バイアスを印加する。
前記1次転写ロール用電源回路E3y〜E3kは1次転写ロールT1y〜T1kに1次転写バイアスを印加する。
前記2次転写器用電源回路E4は2次転写ロールT2bに2次転写電圧(シート転写電圧)を印加する。
【0053】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記各信号出力要素UI,SN1,SN2等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素DL,DB,Dy〜Dk、E等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラCの機能(制御手段)を次に説明する。
C1:レーザ駆動制御手段
レーザ駆動制御手段C1は、レーザ駆動回路D1の作動を制御することにより、ROS(露光装置のレーザダイオード(図示せず)の作動を制御する。
C2:ベルト回転制御手段
ベルト回転制御手段C2は、ベルト駆動回路D2の作動を制御することにより、ベルト駆動モータMBおよび中間転写ベルトの回転を制御する。
ROS(露光装置のレーザダイオード(図示せず)の作動を制御する。
【0054】
C3:トナーバンド作成開始時判別手段
トナーバンド作成開始時判別手段C3は、電源オン時検出手段C3a、未使用感光体検出手段C3b、設定走行サイクル記憶手段C3cを有しており、摩擦低減用トナーバンドを作成する時が来たか否かを判別する。
C3a:電源オン時検出手段
電源オン時検出手段C3aは、画像形成装置の電源がオンされた時を検出する。
C3b:未使用感光体検出手段
未使用感光体検出手段C3bは画像形成装置に装着されている感光体PRy〜PRkのそれぞれに対して、未使用状態である場合にそのことを検出する。
C3c:設定走行サイクル数記憶手段
設定走行サイクル数記憶手段C3cは、トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数q1を記憶する。前記設定走行サイクル数(設定回転数)q1は摩擦低減処理を実行する時が来たか否かを判別するのに使用される。なお、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3は、判別の実行時に後述の感光体走行サイクル数qが前記設定走行サイクル数q1に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する。
C3d:長期放置状態検出手段
長期放置状態検出手段C3dは、感光体の回転が行われた最新の日時から長期間経過(例えば、1週間以上経過)したことを検出する。長期放置状態検出手段C3dが、感光体の回転が行われた最新の日時から1週間以上経過したことを検出をした場合に、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3は、トナーバンド作成開始時であると判別する。
【0055】
C4:摩擦低減用トナーバンド作成手段
摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3が摩擦低減用トナーバンドを作成する時が来たと判別したときに摩擦低減用トナーバンドを作成する。
C5:最新サイクル日時書込手段
最新サイクル日時書込手段C5は、前記CRU(カートリッジユニット)(図2参照)に装着した最新サイクル日時記憶メモリME2に、最新サイクル日時(感光体の最新の走行サイクル終了時の日時)を書き込む。
なお、最新サイクル日時書込手段C5は、前記CRU(カートリッジユニット)に設けることも可能である。
【0056】
C6:電源回路制御手段
電源回路制御手段C6は、帯電バイアス制御手段C6a、現像バイアス制御手段C6b、1次転写バイアス制御手段C6cおよび2次転写バイアス制御手段C6d等を有している。
C6a:帯電バイアス制御手段
帯電バイアス制御手段C6aは、帯電用電源回路E1y〜E1kの動作を制御して、帯電ロールCRy〜CRkに印加する帯電用電圧または電流を制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、帯電ロールCRy〜CRkに帯電用電圧の印加を行わないように、帯電用電源回路E1y〜E1kの動作を制御する。
C6b:現像バイアス制御手段
現像バイアス制御手段C6bは、現像用電源回路E2y〜E2kの動作を制御して、現像ロールGRy〜GRkに印加する現像バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、現像ロールGRy〜GRkに現像バイアスを印加して、現像ロールGRy〜GRk表面に付着しているトナーを感光体PRy〜PRkに移動させて感光体表面に摩擦低減用トナーバンドを形成する。
【0057】
C6c:1次転写バイアス制御手段
1次転写バイアス制御手段C6cは、1次転写用電源回路E3y〜E3kの動作を制御して、1次転写ロール(感光体表面トナー像転写部材)T1y〜T1kに印加する1次転写バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、1次転写ロールT1y〜T1kに1次転写バイアスの印加を行わないように、1次転写用電源回路E3y〜E3kの動作を制御する。
C6d:2次転写バイアス制御手段
2次転写バイアス制御手段C6dは、2次転写用電源回路E4の動作を制御して、2次転写ロールT2bに印加する2次転写バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、2次転写ロールT2bに2次転写バイアスの印加を行わないように、2次転写用電源回路E4の動作を制御する。
【0058】
(フローチャートの説明)
図4は前記実施の形態1の画像形成装置の感光体回転数カウント処理のフローチャートである。図4の処理は、各感光体PRy〜PRkの各々に対して別々に行われる。図4のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図4に示す感光体回転数カウント処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図4のST1(ステップ1)において、PR(感光体)は1回転したか否か判断する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し実行する。
ST2において、p=p+1、q=q+1とする。なお、p,qは次の値である。
p:感光体(PRy〜PRk)回転数積算カウンタ(走行サイクル数カウンタ)のカウント値。
q:摩擦抵抗処理用カウンタのカウント値であり、感光体(PRy〜PRk)回転数積算カウンタ(走行サイクル数カウンタ)のカウント値。
【0059】
ST3において、P≧24000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST4に移る。
ST4において、q1=140とする。
q1は摩擦低減処理の実行時を定める設定値であり、q≧q1になると、ジョブ終了時に摩擦低減処理を実行する(図5のST28、ST29参照)。なお、q1の初期値は0である。
前記ST4の次にはST12(後述)に移る。前記ST3においてノー(N)の場合はST5に移る。
ST5において、P≧8000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST6に移る。
ST6において、q1=130とする。
前記ST6の次にはST12(後述)に移る。前記ST5においてノー(N)の場合はST7に移る。
【0060】
ST7において、P≧2000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST8に移る。
ST8において、q1=120とする。
前記ST8の次にはST12(後述)に移る。前記ST7においてノー(N)の場合はST9に移る。
ST9において、P≧500か否か判断する。イエス(Y)の場合はST10に移る。
ST10において、q1=100とする。
前記ST10の次にはST12(後述)に移る。前記ST9においてノー(N)の場合はST11に移る。
ST11において、q1=100とする。次にST12に移る。
ST12において、q(摩擦低減処理用走行サイクル数カウンタのカウント値のリセット信号有りか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST1に戻る。イエス(Y)の場合はST13に移る。
ST13において、q=0とする。次に前記ST1に戻る。
【0061】
図5は感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。図5の処理は、各感光体PRy〜PRkおよびそれをクリーニングするのクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)の各々に対して別々に行われる。図5のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図5に示す感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図5のST21(ステップ21)において、電源オン時か否か判断する。この判断は電源オン時判別フラグFLaの値が「0」か否かにより行う。前記電源オン時判別フラグFLaは初期値が「0」であるが、初期化処理を行うとFLa=「1」とされるフラグである。イエス(Y)の場合はST23にに移り、ノー(N)の場合はC22に移る。
ST22において、CRU(感光体、帯電ロール、クリーナを一体的に組み立てたカートリッジユニット、図2参照)を交換するドア(画像形成装置に設けたドア)が開状態から閉状態になったか否か判断する。ノー(N)の場合はST28に移り、イエス(Y)の場合はST23に移る。
【0062】
ST23において、感光体の回転数積算カウンタのカウント値pがp=0か否か判断する。ノー(N)の場合はST24に移り、イエス(Y)の場合はST26に移る。
ST24において、画像形成装置Uが長期放置状態(感光体が長期間回転しなかった状態)であったか否か判断する。この判断は、最新サイクル日時記憶メモリME2に記憶された日時に対して現在の日時が1週間以上経過しているか否かにより判断する。ノー(N)の場合はST26に移り、イエス(Y)の場合はST25に移る。
ST25において、第1摩擦低減処理及び初期化処理を実行する。このST25の処理の詳細は図6により後述する。次にST27に移る。
ST26において、通常の初期化処理(画像形成装置の回転部材の回転チェック、電源回路のチェック等)を実行する。次にST27に移る。
ST27において、電源オン時判別フラグFLa=「1」とする。ST27の次にST28に移る。
前記ST28においてジョブが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はST29に移る。
ST29において、q≧q1か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はST30に移る。
ST30において第2摩擦低減処理を実行する。このST30の詳細は図7により後述する。
ST31において、qのリセット信号を出力する。
次に、前記ST21に戻る。
【0063】
図6は前記ST25の処理の詳細説明図である。
図6において、ST25では、回転駆動系を回転させて、回転駆動系の回転状態のチェックを開始する(画像形成装置の初期化作業を開始する。なお、初期化作業は従来の画像形成装置で行われている種々の方法を採用することが可能である。)と同時に、第1摩擦低減処理を開始する。
第1摩擦低減処理では、回転駆動系を回転させながら次の処理を実行する。
(1)帯電バイアスは印加しない。すなわち、感光体の表面電位=0Vである。
(2)現像バイアスは印加する。前記現像バイアスは感光体表面に移動する(現像される)トナーバンドのトナー濃度が60%(面積比率)程度となるように設定する。
なお、帯電および露光をしない場合、感光体表面電位=0V、現像バイアスで現像スリーブ上に電位をもたせればおのずと電位差が発生する。あとは、現像バイアスを調整してトナーの飛ぶ量を制御することにより60%濃度のトナー像は形成可能である。現像バイアスを調整しない場合に電位差が大きいと、キャリアも一緒に飛んでしまう。
【0064】
(3)1次転写バイアスは、0V、または、逆バイアスに設定することにより、感光体表面の付着トナーが中間転写ベルトBに移動することなく、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達する(供給される)ようにする。
(4)クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達するトナーバンドの副走査方向の長さ(感光体の円周方向の長さ)が104〜106mm程度となるように、クリーニングブレードにトナーを供給する。
【0065】
また前記ST25で行う初期化処理では次の処理も実行する。
(5)定着装置のヒータの通電チェック。
(6)前記第1摩擦低減処理を実行とともに、回転駆動系の回転状態のチェック。
(7)感光体表面に、帯電、露光、現像を行って、トナー濃度検出用のトナーパッチを作成し、トナーパッチの画像濃度を検出する。
(8)検出画像濃度に応じて、画像形成装置の作動用パラメータ(帯電バイアス、電流、現像バイアス等)を設定する。
【0066】
図7は前記ST30の処理の詳細説明図である。
図7において、ST30では回転駆動系を回転させながら、次の処理を行う。なお、この図7のST30の処理は、前記図6のST25の処理から初期化処理を除いた処理(摩擦低減用トナーバンドを作成してクリーニングブレードに供給する摩擦低減処理)のみを行う。また、このST30で作成するトナーバンドの副走査方向の長さは3mm程度であり、図25の104〜106mmに比較して短く設定される。
(1)帯電バイアスは印加しない。すなわち、感光体の表面電位=0Vである。
(2)現像バイアスは印加する。前記現像バイアスは感光体表面に移動する(現像される)トナーバンドのトナー濃度が60%(面積比率)程度となるように設定する。
(3)1次転写バイアスは、0V、または、逆バイアスに設定することにより、感光体表面の付着トナーが中間転写ベルトBに移動することなく、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達する(供給される)ようにする。
(4)クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達するトナーバンドの副走査方向の長さ(感光体の円周方向の長さ)が3mm程度となるように、クリーニングブレードにトナーを供給する。
【0067】
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた実施の形態1の画像形成装置Uでは、トナー像形成装置Uy,Um,Uc,Uk(Uyのみ図2に図示)の導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。露光装置ROSは前記帯電した感光体PRy〜PRk表面を露光して感光体表面に静電潜像を形成する。現像装置Gy〜Gkは、前記静電潜像をトナー像に現像する。
感光体表面トナー像転写部材T1y,T1m,T1c,T1kは、前記感光体PRy〜PRk表面のトナー像を中間転写ベルト(被転写体)Bに転写する。
クリーナCLy〜CLkの弾性クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)は、前記感光体PRy〜PRk表面にカウンター方向(回転方向に対向する方向)に当接しており、前記転写後の感光体PRy〜PRk表面の残留トナーを除去する。
【0068】
摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段C3は、下記の(1),(2)の場合に、トナーバンド作成開始時であると判断する。
(1) 画像形成装置Uに装着されている感光体が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段C3bにより、未使用状態が検出されたとき。
(2)ジョブ終了時に、リセットカウンタME1bにより検出された感光体PRy〜PRkの走行サイクル数qが開始時判別用設定サイクル数q1に達している場合。
そして、トナーバンド作成開始時判別手段C3がトナーバンド作成開始時であると判別したとき、摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、トナー濃度60%の摩擦低減用トナーバンドを感光体PRy〜PRkの表面に作成する。
【0069】
前記摩擦低減用トナーバンドの作成時には、帯電バイアス制御手段C6aは、前記帯電ロール(帯電部材)CRy〜CRkに帯電バイアスを印加しない。このため、前記感光体PRy〜PRk表面に形成される摩擦低減用トナーバンドは、現像バイアスのみにより形成される(現像される)。
帯電ロールCRy〜CRkによる放電ストレスを与える前に、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk間にトナーや外添剤などの潤滑成分を介在させることで、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制ができ、クリーニング維持性を確保することができる。
【0070】
前記摩擦低減用トナーバンドの作成時、転写バイアス制御手段C6dは、前記クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが中間転写ベルト(被転写体)Bに転写されないように1次転写ロール(トナー像転写部材)T1y〜T1kと感光体PRy〜PRkとの間に印加する転写バイアスを制御する。すなわち転写バイアスを0(ゼロ)または逆バイアスとする。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像された像を、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤等をブレードエッジ(感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードとの当接部)に供給することによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能を維持することができる。
【0071】
前記(1)の場合(感光体PRy〜PRkが未使用の場合)は、感光体PRy〜PRkの周方向に、104〜106mmの長さのトナーバンドが形成される。このトナーバンドは、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との当接部に搬送される。このトナーバンドを形成するトナーは、前記当接部に供給されて滞留し、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との摩擦力を低減させることができる。
この(1)のように、感光体PRy〜PRkが未使用の場合には、円周方向の長さ=104〜106mmの比較的長いトナーバンドが形成されるので、前記感光体とクリーニングブレードとの当接部に十分な量のトナーを供給することができる。
【0072】
前記(2)場合、トナーバンド作成開始時判別手段C3がトナーバンド作成開始時であるか否かの判別処理を実行した時に、リセットカウンタME1bの感光体走行サイクル数qがトナーバンド作成開始時判別用設定サイクル数q1に達している場合は、感光体PRy〜PRkの周方向に、3mmの長さのトナーバンドが形成される。このトナーバンドは、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との当接部に搬送される。このトナーバンドを形成するトナーは、前記当接部に供給されて滞留し、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との摩擦力を低減させることができる。
この(2)のように、感光体PRy〜PRkが未使用ではない場合には、すでに前記感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkとの当接部にはトナーが蓄積されているため、円周方向の長さ=3mmの比較的短いトナーバンドが形成される。このため、トナーの無駄な消費をすることなく、前記感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkとの当接部に適切な量のトナーを供給することができる。
【0073】
前記(1),(2)のように、摩擦低減用トナーバンドを作成することにより、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に摩擦低減用トナーを供給することができるので、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの間の摩擦を低減することができる。したがって、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkおよび感光体PRy〜PRkの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkおよび感光体PRy〜PRkの長寿命化を達成することができるので、画像形成装置Uは、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0074】
また、本実施の形態1では、第2摩擦低減処理の実行時を定める走行サイクル数カウンタME1のリセットカウンタME1bのカウント値(感光体走行サイクル数)qの設定値(設定サイクル数)q1は、累積カウンタME1bのカウント値である感光体走行サイクル数(累積走行サイクル数)pが小さい時程小さく設定されている。このため、感光体が新しくて、感光体とクリーニングブレードとの当接部に十分トナーが蓄積していない時程、頻繁に第2摩擦低減処理を実行して潤滑剤として作用するトナーを前記当接部に供給している。また、感光体走行サイクル数pの値が大きくなる程(感光体の使用期間が長くなって、感光体とクリーニングブレードとの当接部に潤滑剤として作用するトナーが十分蓄積されてくる程)第2摩擦低減処理を実行する間隔が長くなるようになっている。
このため、潤滑剤として作用するトナーを有効に消費することができる。
【0075】
(実施の形態2)
この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。すなわち、この実施の形態2は、前記実施の形態1の図3、図5の構成の代わりに、図8、図9の構成を有し、それ以外の構成(図1、図2、図4、図6、図7に示す構成)は、前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0076】
図8は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図8において、コントローラCは、ジョブ中断要求フラグFL1およびジョブ中断中判別フラグFL2を有している。その他の点では前記実施の形態1の図3の構成と同じ構成を有している。
FL1:ジョブ中断要求フラグ
ジョブ中断要求フラグFL1は、感光体・クリーニングブレード間摩擦低減処理のプログラムが、摩擦低減処理を実行する際、ジョブ実行プログラムが実行中の画像形成動作の中断を要求する際にFL1=「1」となり、それ以外の時にはFL1=「0」となるフラグである。
FL2:ジョブ中断中判別フラグ
ジョブ中断中判別フラグFL2は、ジョブ中断要求フラグFL1=「1」になったのに応じて、ジョブ実行プログラムがジョブを中断した時にFL2=「1」となり、FL1=「0」になった(ジョブ中断要求が解除された)のに応じてジョブを再開した時にFL2=「0」となるフラグである。
【0077】
図9は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
図9において、ST21〜ST27は前記実施の形態1の図5のST21〜ST27と同一の処理を実行する。また、実施の形態1の図5のST28、ST29およびST31の代わりに次のST(ステップ)が設けられている。
(1)図5のST28の代わりに、図9の(STA28−1)および(STA28−2)が設けられている。
(2)図5のST29の代わりに、図9の(STA29−1)〜(STA29−3)が設けられている。
(3)図5のST31の代わりに、図9のSTA31′が設けられている。
図9において、ST22においてイエス(Y)の場合、およびST27の次にSTA28−1に移る。
STA28−1において、ジョブが開始されたか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はSTA28−2に移る。
STA28−2において、ジョブが終了したか否か判断する。イエス(Y)の場合は前記ST21に戻り、ノー(N)の場合はSTA29−1に移る。
【0078】
STA29−1において、q≧q1か否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA28−2に戻り、イエス(Y)の場合はSTA29−2に移る。
STA29−2においてジョブ中断要求フラグFL1=「1」とする。
次にSTA29−3においてジョブ実行中判別フラグFL2=「1」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA29−3を繰り返し実行する。
前記STA29−2において、ジョブ中断要求フラグFL1=「1」になると、ジョブ実行プログラム(このプログラムのフローチャートは図示せず)が、画像形成動作中の画像を記録シートに転写し定着して排出トレイに排出した時に、次の記録シートに対する画像形成を中断して、ジョブ中断中判別フラグFL2=「1」として、ジョブが中断していることを示す。
ジョブ中断中判別フラグFL2がFL2=「1」になると、STA29−3において、イエス(Y)となる。このと、STA30に移る。
STA30において、第2摩擦低減処理を実行する。このSTA30の処理の詳細は実施の形態1の図7で説明したとおりである。
【0079】
次にSTA31′において、次の処理を実行する。
(1)リセットカウンタME1bのカウント値(走行サイクル数)qの値をリセットする信号(リセット信号)を出力する。
(2)ジョブ中断要求フラグFL1の値をFL1=「0」とする。
次に、前記ST21に戻る。
前記STA31′において、ジョブ中断要求フラグFL1がFL1=「0」になると、ジョブ実行プログラムは中断していたジョブを再開すると同時にジョブ中断中判別フラグFL2を「0」とする。
【0080】
(実施の形態2の作用)
前記構成を備えた実施の形態2の画像形成装置では、ジョブ実行中に、q≧q1なった時に、ジョブを中断して、第2摩擦低減処理を実行する。
すなわち、前記実施の形態1では、ジョブ終了時にq≧q1か否か判断するので、第2摩擦低減処理は必ずジョブの終了時に行っていたのに対し、本実施の形態2では、ジョブの実行中であっても、ジョブを中断して第2摩擦低減処理を実行する点で、前記実施の形態1と相違している。
この実施の形態2のその他の作用は、前記実施の形態1と同様である。
【0081】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)前記実施の形態1または2において、次の構成要件(A013)を設けることが可能である。
(A013)前記摩擦低減用トナーバンドが前記中間転写ベルト(被転写体)Bへの転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを通過する間は感光体PRy〜PRkと前記被転写体Bとを非接触にして、前記被転写体Bへ転写されないように被転写体Bの位置を制御する被転写***置制御手段を設けることが可能である。
前記被転写***置制御手段としては、例えば、1次転写ロールT1y〜T1kの位置を制御する手段により構成することが可能である。すなわち、前記実施の形態1において、1次転写ロールT1y〜T1kが下方に移動した状態では中間転写ベルト(被転写体)Bが下方の感光体PRy〜PRkに押圧され、1次転写ロールT1y〜T1kが上方に移動した状態では中間転写ベルト(被転写体)Bが感光体PRy〜PRkから上方に離隔するように構成することができる。この場合には、被転写***置制御手段は、前記前記1次転写ロールT1y〜T1kを上下に移動させる手段により構成される。
【0082】
前記変更例(H01)では、摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体Bへの転写領域(1次転写領域)Q3y〜Q3kを通過する間は、被転写***置制御手段は、感光体PRy〜PRkと前記被転写体Bとを非接触にするように被転写体Bの位置を制御するので、感光体PRy〜PRk表面に形成された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記被転写体Bへ転写されずに、クリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に供給される。したがって、前記当接部にトナーを効率良く供給することができる。
【0083】
(H02)前記実施の形態1または2において、次の構成要件(A014),(A015)を設けることが可能である。
(A014)温度または湿度を含む使用環境を検出する使用環境検出部材SN1,SN2、
(A015)前記使用環境検出部材SN1,SN2により検出された検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレードCBy〜CBkと前記感光体PRy〜PRkとの当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する前記摩擦低減用トナーバンド作成手段C4。
【0084】
画像形成装置Uの使用環境が高温、高湿の場合は、低温、低湿の場合に比較してクリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの摩擦力が高くなる傾向にある。しかしながら、前記変更例(H02)では、記摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレードCBy〜CBkと前記感光体PRy〜PRkとの当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する。
前記クリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの摩擦上昇は特に高温高湿条件下で顕著であり、前述のように使用環境をモニターする機能を有し、その環境に応じて作成トナーバンドの回転方向幅、画像密度の少なくともいずれかを、前記未使用感光体PRy〜PRkの使用開始時に対して変更することで最小限のトナーバンドでクリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkの潤滑を制御することが可能となる。
【0085】
(H03)本発明は中間転写体Bを設けずに、感光体に形成されたトナー像を直接記録シートSに転写する画像形成装置に適用可能である。
(H04)本発明はカラーの画像形成装置だけでなく、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。
(H05)前記実施の形態1〜4では、光走査ユニットは、Y,M,C,Kの4色の光走査光学系が1個の基体に支持されるように構成されているが、Y,M,C,Kの各色の光走査光学系をそれぞれ別々の基体に支持する構成とすることが可能である。
(H06)帯電部材としては、帯電ロールCRの代わりに帯電ブレードを使用したり、コトロトロンのような放電式の帯電部材を使用したりすることが可能である。
【0086】
【発明の効果】
前述の本発明の加熱ロールユニットおよび画像形成装置は、下記の効果(E01)を奏することができる。
(E01)感光体表面とクリーニングブレードとの摩擦力が過大になることを防止するとともに、クリーニング不良の発生を防止することができる。
(E02)クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の正断面図である。
【図2】図2はY(イエロー)のトナー像形成装置の拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の画像形成装置Uの実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図4】図4は前記実施の形態1の画像形成装置の感光体回転数カウント処理のフローチャートである。
【図5】図5は感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
【図6】図6は前記ST25の処理の詳細説明図である。
【図7】図7は前記ST30の処理の詳細説明図である。
【図8】図8は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図9】図9は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
【符号の説明】
B…被転写体(中間転写ベルト)、
C3…トナーバンド作成開始時判別手段、
C3b…未使用感光体検出手段、
C3c…設定走行サイクル数記憶手段、
C3d…長期放置状態検出手段、
C4…摩擦低減用トナーバンド作成手段、
ME1…感光体走行サイクル数検出手段(感光体走行サイクル数カウンタ)、
C6a…帯電バイアス制御手段、
C6c…転写バイアス制御手段、
CBy〜CBk…クリーニングブレード、
CLy〜CLk…クリーナ、
CRy〜CRk…帯電部材(帯電ロール、BCR)
Gy〜Gk…現像装置、
PRy〜PRk…感光体、
p,q…感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数、
q1…トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数、
Q3y,Q3m,Q3c,Q3k…転写領域(1次転写領域)
ROS…露光装置、
SN1,SN2…使用環境検出部材、
T1y〜T1k…トナー像転写部材(1次転写ロール)、
U…画像形成装置、
Uy〜Uk…トナー像形成装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体表面にトナー像を形成し、前記トナー像を記録シートまたは中間転写材に転写し、転写後の感光体表面の残留トナーをクリーニングブレードにより除去する電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、感光体表面と前記クリーニングブレードとの摩擦によるダメージを軽減するようにした画像形成装置に関する。
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式の画像形成装置で使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法では、感光体表面を帯電、露光して作成した静電潜像をトナー像に現像し、前記トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。転写工程を終えた感光体表面には未転写のトナー(転写残トナー)や外添剤、放電生成物が残留するため、これらを次に画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。転写残トナー等を除去するクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ等を使用する方法や弾性の有るクリーニングブレードを使用する方法等各種の方法が使用されているが、クリーニングブレードにて感光体を摺擦してトナーを掻き落とす手段が簡便で安価なことより一般的に使用されている。
【0003】
本来、前記弾性クリーニングブレードと感光体の2体間の摩擦抵抗は大きく、それだけでは弾性クリーニングブレードを滑らせることは出来ないが、トナーに添加している微粒子等がクリーニングブレードと感光体の間に介在し潤滑を担っていると考えられる。しかし感光体やクリーニングブレードを含むプロセスカートリッジが未使用状態に近い初期においては、クリーニングブレードと感光体間の微粒子の介在が安定しない為、特には摩擦力の増加する高温高湿条件下での使用や交番電界を印可する帯電ロール等の接触帯電部材を使った場合など潤滑成分の介在が不安定となり、局所的に弾性のクリーニングブレードと感光体の摩擦が大きくなる場合がある。
【0004】
その摩擦の上昇に起因しクリーニングブレードがめくれたりビビリやクリーニングエッジの欠けや摩耗などのダメージが生じたり、感光体の表面に傷が生じ、本来クリーニングしなければならないトナー、外添剤、放電生成物等の除去性能が低下し、長期に渡って安定したクリーニング性能を維持することができなくなる。
【0005】
一方、近年、この種の画像形成装置において高画質化が進み、その高画質化のための一つの方向として、重合法を使用し、トナーの小径化、球形化、粒度分布のシャープ化が進められるようになってきている。トナーの小径化により、感光体上に形成されたドットの再現性を向上させることができ、球形化することで現像性、転写性を向上させることができる。しかし、粒度分布がシャープで球形に近いトナーは従来の不定形粉砕トナーより流動性が良いためブレードのクリーニングエッジでのトナーの滞留性が悪くブレードの潤滑を安定に確保することは更に困難である。
【0006】
前記球形トナーのブレードクリーニングは困難であり、特に前記ブレードのダメージや感光体の傷が悪化すると、従来の不定形トナーと比較して顕著にクリーニング性能の悪化が生じる。このクリーニング不良が原因となりクリーニングブレード、感光体を含むプロセスカートリッジ等の長寿命化が困難なのが実情である。
前記クリーニング不良の発生を防止し、クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を図った画像形成装置としては、次の技術が従来公知である。
【0007】
【特許文献1】特開平5−188643号公報(公報第2欄第42行〜第3欄第28行)
【特許文献2】特開平11−38656号公報(公報第4頁右欄上段第1〜20行)
【特許文献3】特開平11−184106号公報(公報第4頁右欄第12〜25行)
【特許文献4】特開平11−316468号公報(公報第6頁左欄第6〜30行)
【特許文献5】特開2001−51576号公報(公報第3頁右欄第24〜44行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記球形トナーを用いた画像形成装置で感光体に潤滑材等を供給する方法が提案されている。例えば特開平5−188643号公報(特許文献1)などがある。しかしながら前記特許文献1記載の技術においても、感光体への潤滑剤供給が不足するとクリーニング不良が発生し、供給過剰では感光体へのフィルミングによる悪影響が起こり易いため、長期に渡り均一に像担持体に供給する必要があるが、設計が非常に困難である。
【0009】
また特開平11−38656号公報(特許文献2)には、感光体の傷や摩耗に有利な最表面層を有する感光体が提案され、特開平11−184106号公報(特許文献3)及び特開平11−316468号公報(特許文献4)などには、感光体の傷や摩耗に有利な電荷輸送性物質及びシロキサン系樹脂を含有する表面層を有する感光体が提案されている。
従来の感光体では表面の摩耗により有効に除去されていた放電生成物等が前記提案された感光体では、除去し難くなり特に球形トナーを用いた場合、画像密度が低い場所や非画像形成サイクルでの摩擦上昇が大きくブレードダメージが悪化する不具合がある。
【0010】
また特開2001−51576号公報(特許文献5)では膜硬度の高いシロキサン系樹脂を用いた感光体を使い有効に感光体表面の付着物を除去する手段として特定のブラシロールと弾性ゴムブレードの組み合わせが提案されているが、この方法では球形トナーを用いた場合や接触帯電部材を用いた場合、ブレードダメージを有効に回避することはできない。
本発明は、前述の事情に鑑み、感光体表面にトナー像を形成し、そのトナー像を記録シートまたは中間転写材等に転写した後、感光体表面の残留トナー像を弾性を有するクリーニングブレードにより擦り取る電子写真方式の画像形成装置において、次の記載内容(O01),(O02)を技術的課題とする。
(O01)感光体表面とクリーニングブレードとの摩擦力が過大になることを防止するとともに、クリーニング不良の発生を防止すること。
(O02)クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を実現すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0012】
(本発明)
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写するトナー像転写部材(T1y〜T1k)、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A07)画像形成装置に装着されている感光体(PRy〜PRk)が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段(C3b)を有し、未使用状態が検出されたときにトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0013】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A07)を備えた第1発明の画像形成装置では、トナー像形成装置(Uy〜Uk)の導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)の表面は、帯電部材(CRy〜CRk)により帯電される。露光装置(ROS)は前記帯電した感光体(PRy〜PRk)表面を露光して感光体(PRy〜PRk)表面に静電潜像を形成する。現像装置(Gy〜Gk)は、前記静電潜像をトナー像に現像する。
トナー像転写部材(T1y〜T1k)は、前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写する。
クリーナ(CLy〜CLk)の弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)は、前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接しており、前記転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去する。
摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、画像形成装置に装着されている感光体(PRy〜PRk)が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段(C3b)により未使用状態が検出されたときに、トナーバンド作成開始時であると判別する。
【0014】
前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに、摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する。
なお、クリーニングブレード(CBy〜CBk)のブレードエッジのダメージは主に感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)の凝着力が大きくなる初期の回転開始時と長期放置後の回転開始時に起きる。したがって、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始すると感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との摩擦接触が開始される。この場合、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始してからできるだけ早い時期に、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部にトナーを供給する必要がある。したがって、前記未使用状態の感光体(PRy〜PRk)が回転を開始してから1回転するまでの間に摩擦低減用トナーバンドの作成を開始することが好ましい。
【0015】
転写バイアス制御手段(C6c)は、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないように前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像されたトナーバンドを、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤をブレードエッジに与えることによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能の維持が可能となる。
前記被転写体(B)が中間転写体(B)である場合は、前記感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドが中間転写体(被転写体)(B)への転写領域(Q3y,Q3m,Q3c,Q3k)を通過する間は転写電界を0Vまたは逆電界を印加し、中間転写体(被転写体)(B)へ転写させないよう制御する。
【0016】
したがって、感光体(PRy〜PRk)が未使用状態と判別されたときには、前記トナー像形成装置(Uy〜Uk)により感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドは、前記被転写体(B)に転写されることなく、クリーニングブレード(CBy〜CBk)との当接部に搬送される。前記当接部に搬送された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記当接部に蓄積されて、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減する。このため、感光体(PRy〜PRk)の使用開始初期において、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)とは、それらの間に過大な摩擦力が作用することが防止される。したがって、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)は、それらの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、画像形成装置は、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0017】
また、前記第1発明の画像形成装置では、平均形状指数SFが、SF100〜140の球状のトナーを用いた場合でも、感光体回転開始時に生じる急激なクリーニングブレード歪みを抑制し、さらには供給したトナーが潤滑材として感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)間に保持されるため、使用環境、画像密度に左右されず、安定したクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との潤滑が可能となり長期に渡ってクリーニング性能を維持し、さらにはクリーニングブレード(CBy〜CBk)のエッジダメージを抑制可能である。また特には比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散球形シリカを添加することにより更にブレードと感光体(PRy〜PRk)の摩擦を抑制することが可能である。
【0018】
(第2発明)
第2発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A06),(A08),(A09)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写するトナー像転写部材(T1y〜T1k)、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A08)画像形成装置(U)に装着されている感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数(p,q)を検出する感光体走行サイクル数検出手段(ME1)、
(A09)トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)を記憶する設定走行サイクル数記憶手段(C3c)を有し、前記判別の実行時に前記感光体走行サイクル数(q)が前記設定走行サイクル数(q1)に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0019】
本願明細書において、前記第2発明の用語である「感光体走行サイクル数」は、感光体(PRy〜PRk)の「使用時間」に関連する数値を意味している。したがって、前記「走行サイクル数」としては、「感光体(PRy〜PRk)の回転時間」、「感光体(PRy〜PRk)の回転数」または「画像記録枚数」等を採用することが可能である。
【0020】
(第2発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A06),(A08),(A09)を備えた第2発明の画像形成装置では、摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)の設定走行サイクル数記憶手段(C3c)は、前記感光体走行サイクル数(q)のトナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)を記憶する。また、感光体走行サイクル数検出手段(ME1)は、前記感光体走行サイクル数(q)を検出する。そして、前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、判別を実行した時に前記検出された感光体走行サイクル数(q)が前記開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する。
この第2発明では、トナーバンド作成開始時判別手段(C3)が前記トナーバンド作成開始時か否かの判別を実行した時に感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数(q)がトナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達していると判別した場合には、その度に、摩擦低減用トナーバンドが作成される。その摩擦低減用トナーバンドは、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に搬送される。そして、摩擦低減用トナーバンドのトナーは前記当接部に滞留してクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減する。したがって、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)は、それらの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、画像形成装置(U)は、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0021】
なお、前記第2発明において、前記検出された感光体走行サイクル数(q)が前記開始時判別用の設定走行サイクル数(q1)に達する度にトナーバンド作成開始時であると判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)は、画像形成装置Uの電源がオンしたときのみ判別作業を実行するように構成することが可能である。その場合、電源をオンにしたときに検出された感光体走行サイクル数(q)に応じて、電源オン時に感光体(PRy〜PRk)が回転し始めてから成るべく早い時期(なるべく感光体(PRy〜PRk)が1回転するまでの間)に摩擦低減用トナーバンドの作成を開始するように構成することが可能である。
【0022】
(第3発明)
第3発明の画像形成装置は、次の構成要件(A01)〜(A06),(A010)を備えたことを特徴とする。
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体(PRy〜PRk)と、前記感光体(PRy〜PRk)表面を帯電させる帯電部材(CRy〜CRk)と、前記帯電した前記感光体(PRy〜PRk)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置(ROS)と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置(Gy〜Gk)とを有するトナー像形成装置(Uy〜Uk)、
(A02)前記感光体(PRy〜PRk)表面のトナー像を被転写体(B)に転写する感光体(PRy〜PRk)表面トナー像転写部材、
(A03)転写後の感光体(PRy〜PRk)表面の残留トナーを除去するために前記感光体(PRy〜PRk)表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレード(CBy〜CBk)を有するクリーナ(CLy〜CLk)、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段(C3)、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体(PRy〜PRk)表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体(PRy〜PRk)との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段(C6c)、
(A010)前記摩擦低減用トナー像の作成時には、前記帯電部材(CRy〜CRk)に帯電バイアスを印加しないように構成された帯電バイアス制御手段(C6a)。
【0023】
(第3発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A06),(A010)を備えた第3発明の画像形成装置では、帯電バイアス制御手段(C6a)は、前記摩擦低減用トナー像の作成時には、前記帯電部材(CRy〜CRk)に帯電バイアスを印加しない。このため、前記感光体(PRy〜PRk)表面に形成される摩擦低減用トナーバンドは、現像バイアスのみにより形成される。
前記感光体(PRy〜PRk)の表面滑り度を上昇させブレードエッジのダメージおよび感光体回転トルクの上昇を引き起こす1つの要因として接触型帯電部材、特にBCR(バイアスチャージロール、帯電ロール)による放電生成物の付着がある。前記第3発明では、帯電部材(CRy〜CRk)による放電ストレスを与える前に、感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との間にトナーや外添剤などの潤滑成分を介在させることで、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制ができ、クリーニング維持性確保が可能となる。
【0024】
前記第1発明〜第3発明の画像形成装置は、次の構成要件(A011)を備えることが可能である。
(A011)トナー粒子の最大周囲長をML、トナー粒子の投影面積の最大値をAとした場合にSF=100π(ML)2/4Aで表せる平均形状指数SFが100〜140であるトナー粒子を用いる前記現像装置(Gy〜Gk)。
前記平均形状指数SFが100〜140である球形トナー粒子を用いる現像装置(Gy〜Gk)は、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部からトナーがすり抜け易いので、前記当接部にトナーが滞留し難い。しかしながら、前記構成要件(A011)を備えた画像形成装置では、トナーバンド作成開始時判別手段(C3)が摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったと判別したときに、摩擦低減用トナーバンドを作成して前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部にトナーを供給して、前記当接部にトナーを滞留させることができる。したがって、前記平均形状指数SFが100〜140であるトナー粒子(球形トナー)を用いる現像装置(Gy〜Gk)を使用した場合でも、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との間の摩擦を低減することができる。
すなわち、本発明は球形トナーを用いた画像形成装置(U)においても、長期に渡ってクリーニング性能を低下させることなく、使用温度環境によらず良好な感光体(PRy〜PRk)のブレードクリーニング性を確保した画像形成装置(U)を安価に提供することが可能である。また、本発明はクリーニングブレード(CBy〜CBk)および感光体(PRy〜PRk)の長寿命化を達成することができるので、長期間に渡って高画質を得ることができる画像形成装置を提供することが可能である。
【0025】
前記第1〜第3発明または前記構成要件(A011)を備えた画像形成装置は次の構成要件(A012)を備えることが可能である。
(A012)感光体回転方向に3mm〜106mmの長さを有する前記摩擦低減用トナーバンド。
前記画像形成装置では、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーの量は、前記摩擦低減用トナーバンドの感光体回転方向の長さと、摩擦低減用トナーバンドの画像密度とにより定まる。前記構成要件(A012)を備えた画像形成装置では、前記摩擦低減用トナーバンドの画像密度を10〜100%の範囲内で適当な値に設定し、且つ前記摩擦低減用トナーバンドの感光体回転方向の長さを、3mm〜106mmの長さの範囲内で適当な長さに設定することにより、必要な量のトナーをクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に搬送することができる。したがって、摩擦低減に必要な量のトナーを前記当接部に供給することができる。
【0026】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A011)もしくは(A012)を備えた画像形成装置は次の構成要件(A013)を備えることが可能である。
(A013)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)への転写領域(Q3y,Q3m,Q3c,Q3k)を通過する間は感光体(PRy〜PRk)と前記被転写体(B)とを非接触にして、前記被転写体(B)へ転写されないように被転写体(B)の位置を制御する被転写***置制御手段。
前記構成要件(A013)を備えた画像形成装置では、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体(B)への転写領域を通過する間は、被転写***置制御手段は感光体(PRy〜PRk)と前記被転写体(B)とを非接触にするように被転写体(B)の位置を制御するので、感光体(PRy〜PRk)表面に形成された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記被転写体(B)へ転写されることなく、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給される。したがって、前記当接部にトナーを効率良く供給することができる。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像されたトナー像を、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤をブレードエッジに与えることによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能も維持が可能である。
【0027】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A012)ないし(A013)のいずれかの構成要件を備えた画像形成装置は次の構成要件(A014),(A015)を備えることが可能である。
(A014)温度または湿度を含む使用環境を検出する使用環境検出部材(SN1,SN2)、
(A015)前記使用環境検出部材(SN1,SN2)により検出された検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と前記感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する前記摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)。
【0028】
前記画像形成装置(U)の使用環境が高温、高湿の場合は、低温、低湿の場合に比較してクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との摩擦力が高くなる傾向にある。しかしながら、前記構成要件(A014),(A015)を備えた画像形成装置では、摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、使用環境検出部材(SN1,SN2)の検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と前記感光体(PRy〜PRk)との当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する。
【0029】
前記クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との摩擦上昇は特に高温高湿条件下で顕著であり、前述のように使用環境をモニターする機能を有し、その環境に応じて作成トナーバンドの回転方向幅、画像密度の少なくともいずれかを、前記未使用感光体(PRy〜PRk)の使用開始時に対して変更することで最小限のトナーバンドでクリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)の潤滑を制御することが可能となる。
すなわち、クリーニングブレード(CBy〜CBk)と感光体(PRy〜PRk)との当接部に、環境に応じて必要な量のトナーを効果的に供給することができる。
【0030】
前記第1〜第3発明または、前記構成要件(A012)ないし(A015)のいずれかの構成要件を備えた画像形成装置は次の構成要件(A016)を備えることが可能である。
(A016)感光体の回転が行われた最新の日時から長期間経過したことを検出する長期放置状態検出手段(C3d)を有し、前記判別の実行を電源オン時に行い且つ前記判別の実行時に長期放置状態である場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段(C3)。
【0031】
クリーニングブレード(CBy〜CBk)のエッジのダメージは主に感光体(PRy〜PRk)とクリーニンクブレード(CBy〜CBk)の凝着力が大きくなる初期の回転開始時と長期放置後の回転開始時に起きる。したがって、前記構成要件(A016)を有する画像形成装置では、電源オン時に長期放置状態であると判別されたときに、回転開始時のブレードエッジダメージを抑制可能である。長期放置後は感光体(PRy〜PRk)とクリーニングブレード(CBy〜CBk)との間にトナーや外添剤が介在しているもののクリーニングブレード(CBy〜CBk)の圧力により双方の密着性が高くなり、結果的に初期トルクの上昇、それにともなうブレードエッジダメージの発生を促進してしまう。ここでは長期に渡り使用されなかった後で、適切な摩擦低減用トナーバンドを供給することができるので、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の画像形成装置を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の正断面図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端にプラテンガラスPGを有する画像形成装置本体(複写機)U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1と、原稿給紙トレイTG1から前記プラテンガラスPG上の複写位置(原稿読取位置)を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙トレイTG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)と、露光光学系A等を有している。
【0034】
前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG上を搬送される原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)でR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力される前記RGBの電気信号をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像がモノクロの場合は、K(黒)のみの画像データがレーザ駆動回路DLに入力される。
前記レーザ駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの各レーザ駆動回路(図示せず)を有し、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、露光装置ROSの各色の潜像書込用レーザダイオード(図示せず)に出力する。
【0035】
図1において、前記ROSの上方には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の各色のトナー像をそれぞれ形成するトナー像形成装置Uy,Um,Uc,Ukが配置されている。
露光装置ROSの前記図示しない各レーザダイオードから出射したY,M,C,KのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkは、導電性基体上に設けられた感光層を有する。
【0036】
図2はY(イエロー)のトナー像形成装置の拡大説明図である。
図1、図2において、前記Yのトナー像形成装置Uyは、回転する感光体PRyと、帯電ロール(帯電部材)CRyと,現像装置Gyと、弾性の有るクリーニングブレードCBy(図2参照)を有するクリーナCLyとを有している。
前記感光体PRyと、帯電ロール(帯電部材)CRyとはCRU(カートリッジユニット)として構成されており、部品の寿命が来たときにはCRUの交換が行われる。そして、CRU(カートリッジユニット)には不揮発性のメモリMe(図3参照)が取り付けられており、感光体PRyの回転数(走行サイクル数)をカウントして記憶したり、最新サイクル日時を記憶するメモリMe(図3参照)が装着されている。このメモリMeについては、図3により後述する。なお、画像形成装置の電源がオフの時でも前記メモリMeの記憶値は電池により保持されており、前記メモリMeのカウント値の初期値=0(ゼロ)である。
【0037】
前記現像装置Gyでは、トナー粒子の最大周囲長をML、トナー粒子の投影面積の最大値をAとした場合にSF=100π(ML)2/4Aで表せる平均形状指数SFが100〜140であるトナーが使用されている。また、前記クリーニングブレードCByはその先端部が感光体PRy表面にカウンター方向(回転方向に対向する方向)に当接した状態で、クリーナCLyの容器に固定されている。
前記トナー像形成装置Um,Uc,Uk(図1参照)はいずれも前記Yのトナー像形成装置Uyと同様に構成されており、各感光体クリーナCLm,CLc,CLkは各感光体PRm,PRc,PRkにカウンター方向に当接するクリーニングブレードCBm,CBc,CBk(図示せず)を有している。
【0038】
前記感光体PRy〜PRk表面に現像されたトナー像は、中間転写ベルト(被転写体)Bに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロール(感光体表面トナー像転写部材)T1y,T1m,T1c,T1kには、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写バイアスが印加される。
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。図2において、1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、感光体表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkにより擦り取られて、クリーニングされる。
【0039】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能なベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、アイドラロール(フリーロール)Rfおよび駆動ロール兼用のバックアップロールT2aを含むベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)により回転移動可能に支持されている。したがって、前記駆動ロール兼用のバックアップロールT2aを回転駆動する駆動装置および前記ベルト支持ロール(Rt,Rw,Rf,T2a)等により中間転写ベルト駆動装置すなわち、中間転写ベルトBを搬送する中間転写材搬送装置(Rt,Rw,Rf,T2a)が構成されている。
【0040】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0041】
前記ROSの下方には、給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持する左右一対のガイドレールGR、GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3の記録シート(被転写体)Sは、ピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsにより1枚ずつ分離れてから複数の搬送ロールRaによりレジロールRrに送られる。前記シート搬送ロールRaはシートガイドにより形成されたシート搬送路SHに沿って複数設けられており、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側にはレジロールRrが配置されている。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH+Ra+Rr)が構成されている。
【0042】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたカラートナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aはアースされ、2次転写ロールT2bには前記コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
【0043】
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により前記各感光体PRy〜PRk表面に形成されたトナー像を記録シートSに転写するシート転写装置(T1y〜T1k+B+T2)が構成されている。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、ベルトクリーナCLbのクリーニングブレードによりクリーニングされる。
【0044】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱ロールFhおよび加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域Q5を通過する際に加熱定着された後、排出ローラRhから排紙トレーTRhに出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0045】
前記ベルトモジュールBMの上方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各現像剤を収容する現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。
【0046】
図1において、前記画像形成装置Uは上側フレームUFと下側フレームLFとを有しており、上側フレームUFには、前記ROSおよびROSよりも上方に配置された部材(感光体PRy,PRm,PRc,PRk、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、ベルトモジュールBM等)が支持されている。
また、下側フレームLFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材(ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等)が支持されている。
【0047】
(実施の形態1の制御部の説明)
図3は本発明の画像形成装置Uの実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、温度センサSN1、湿度センサSN2、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記UIは、コピースタートキーUI1,テンキーUI2、コピー枚数入力キーUI3、表示部UI4等を備えている。
【0049】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、レーザ駆動回路DL、ベルト駆動回路DB、感光体駆動モータDy〜Dk、電源回路E、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。前記電源回路Eは現像バイアス用電源回路E1y〜E1k、帯電ロール用電源回路E2y〜E2k、1次転写ロール用電源回路E3y〜E3k、2次転写器用電源回路E4等を有している。
なお、前記CRU(カートリッジユニット)(図2参照)には、感光体走行サイクル数カウンタ(感光体走行サイクル数検出手段)ME1と、最新サイクル日時記憶メモリ(最新サイクル日時記憶手段)ME2が装着されている。
前記レーザ駆動回路D1はROS(露光装置)のレーザダイオード(図示せず)を駆動する。
前記ベルト駆動D2はベルト駆動モータMBを介して中間転写ベルトBを回転駆動する。
【0050】
ME1:感光体走行サイクル数カウンタ(感光体走行サイクル数検出手段)
感光体走行サイクル数カウンタME1は、累積カウンタME1aおよびリセットカウンタME1bを有している。
ME1a:累積カウンタ
累積カウンタME1aは、感光体PRy〜PRkが未使用状態からの感光体PRy〜PRkのそれぞれの走行サイクル数(回転数)の累積値を連続してカウントして記憶する。
ME1b:リセットカウンタ
リセットカウンタME1bは、感光体PRy〜PRkの各回転数qが設定走行サイクル数(設定回転数)q1に達したことを検出するために、各感光体PRy〜PRkの回転数qをカウントして記憶する。なお、各感光体PRy〜PRkのそれぞれの回転数(走行サイクル数)のカウント値qは設定回転数q1に達する毎にリセットされる。
【0051】
ME2:最新サイクル日時記憶メモリ(最新サイクル日時記憶手段)
最新サイクル日時記憶メモリME2は、最新サイクル日時(感光体の最新の走行サイクル終了時の日時)を記憶するメモリであり、前記最新サイクル日時は、時計機能を有するコントローラCにより、書き込まれる。
なお、本実施の形態1では、前記走行サイクル数カウンタME1および最新サイクル日時記憶メモリME2は、CRU(カートリッジユニット)に設けたが、前記ME1およびME2の機能はコントローラCに設けることも可能である。その場合、CRUが未使用状態か否かを判別するために、未使用状態では「0」が記憶され、CRUの感光体PRy〜PRkにトナーバンドが1回作成されたら「1」が書き込まれる不揮発性メモリを前記CRUに装着しておくことが可能である。
【0052】
感光体駆動モータDy〜Dkは、感光体駆動モータMy〜Mkを介して、感光体PRy〜PRk、現像ロールGy〜Gkおよび帯電ロールCRy〜CRkを回転駆動する。
前記現像バイアス電源E1y〜E1kは現像器Gy〜Gkの現像ロールGRy〜GRkに現像バイアス電圧を印加する。
前記帯電ロール用電源回路E2y〜E2kは帯電ロール(チャージロール)CRy〜CRkに帯電バイアスを印加する。
前記1次転写ロール用電源回路E3y〜E3kは1次転写ロールT1y〜T1kに1次転写バイアスを印加する。
前記2次転写器用電源回路E4は2次転写ロールT2bに2次転写電圧(シート転写電圧)を印加する。
【0053】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記各信号出力要素UI,SN1,SN2等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素DL,DB,Dy〜Dk、E等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラCの機能(制御手段)を次に説明する。
C1:レーザ駆動制御手段
レーザ駆動制御手段C1は、レーザ駆動回路D1の作動を制御することにより、ROS(露光装置のレーザダイオード(図示せず)の作動を制御する。
C2:ベルト回転制御手段
ベルト回転制御手段C2は、ベルト駆動回路D2の作動を制御することにより、ベルト駆動モータMBおよび中間転写ベルトの回転を制御する。
ROS(露光装置のレーザダイオード(図示せず)の作動を制御する。
【0054】
C3:トナーバンド作成開始時判別手段
トナーバンド作成開始時判別手段C3は、電源オン時検出手段C3a、未使用感光体検出手段C3b、設定走行サイクル記憶手段C3cを有しており、摩擦低減用トナーバンドを作成する時が来たか否かを判別する。
C3a:電源オン時検出手段
電源オン時検出手段C3aは、画像形成装置の電源がオンされた時を検出する。
C3b:未使用感光体検出手段
未使用感光体検出手段C3bは画像形成装置に装着されている感光体PRy〜PRkのそれぞれに対して、未使用状態である場合にそのことを検出する。
C3c:設定走行サイクル数記憶手段
設定走行サイクル数記憶手段C3cは、トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数q1を記憶する。前記設定走行サイクル数(設定回転数)q1は摩擦低減処理を実行する時が来たか否かを判別するのに使用される。なお、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3は、判別の実行時に後述の感光体走行サイクル数qが前記設定走行サイクル数q1に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する。
C3d:長期放置状態検出手段
長期放置状態検出手段C3dは、感光体の回転が行われた最新の日時から長期間経過(例えば、1週間以上経過)したことを検出する。長期放置状態検出手段C3dが、感光体の回転が行われた最新の日時から1週間以上経過したことを検出をした場合に、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3は、トナーバンド作成開始時であると判別する。
【0055】
C4:摩擦低減用トナーバンド作成手段
摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、前記トナーバンド作成開始時判別手段C3が摩擦低減用トナーバンドを作成する時が来たと判別したときに摩擦低減用トナーバンドを作成する。
C5:最新サイクル日時書込手段
最新サイクル日時書込手段C5は、前記CRU(カートリッジユニット)(図2参照)に装着した最新サイクル日時記憶メモリME2に、最新サイクル日時(感光体の最新の走行サイクル終了時の日時)を書き込む。
なお、最新サイクル日時書込手段C5は、前記CRU(カートリッジユニット)に設けることも可能である。
【0056】
C6:電源回路制御手段
電源回路制御手段C6は、帯電バイアス制御手段C6a、現像バイアス制御手段C6b、1次転写バイアス制御手段C6cおよび2次転写バイアス制御手段C6d等を有している。
C6a:帯電バイアス制御手段
帯電バイアス制御手段C6aは、帯電用電源回路E1y〜E1kの動作を制御して、帯電ロールCRy〜CRkに印加する帯電用電圧または電流を制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、帯電ロールCRy〜CRkに帯電用電圧の印加を行わないように、帯電用電源回路E1y〜E1kの動作を制御する。
C6b:現像バイアス制御手段
現像バイアス制御手段C6bは、現像用電源回路E2y〜E2kの動作を制御して、現像ロールGRy〜GRkに印加する現像バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、現像ロールGRy〜GRkに現像バイアスを印加して、現像ロールGRy〜GRk表面に付着しているトナーを感光体PRy〜PRkに移動させて感光体表面に摩擦低減用トナーバンドを形成する。
【0057】
C6c:1次転写バイアス制御手段
1次転写バイアス制御手段C6cは、1次転写用電源回路E3y〜E3kの動作を制御して、1次転写ロール(感光体表面トナー像転写部材)T1y〜T1kに印加する1次転写バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、1次転写ロールT1y〜T1kに1次転写バイアスの印加を行わないように、1次転写用電源回路E3y〜E3kの動作を制御する。
C6d:2次転写バイアス制御手段
2次転写バイアス制御手段C6dは、2次転写用電源回路E4の動作を制御して、2次転写ロールT2bに印加する2次転写バイアスを制御する。また、摩擦低減用トナーバンド作成時には、2次転写ロールT2bに2次転写バイアスの印加を行わないように、2次転写用電源回路E4の動作を制御する。
【0058】
(フローチャートの説明)
図4は前記実施の形態1の画像形成装置の感光体回転数カウント処理のフローチャートである。図4の処理は、各感光体PRy〜PRkの各々に対して別々に行われる。図4のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図4に示す感光体回転数カウント処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図4のST1(ステップ1)において、PR(感光体)は1回転したか否か判断する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し実行する。
ST2において、p=p+1、q=q+1とする。なお、p,qは次の値である。
p:感光体(PRy〜PRk)回転数積算カウンタ(走行サイクル数カウンタ)のカウント値。
q:摩擦抵抗処理用カウンタのカウント値であり、感光体(PRy〜PRk)回転数積算カウンタ(走行サイクル数カウンタ)のカウント値。
【0059】
ST3において、P≧24000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST4に移る。
ST4において、q1=140とする。
q1は摩擦低減処理の実行時を定める設定値であり、q≧q1になると、ジョブ終了時に摩擦低減処理を実行する(図5のST28、ST29参照)。なお、q1の初期値は0である。
前記ST4の次にはST12(後述)に移る。前記ST3においてノー(N)の場合はST5に移る。
ST5において、P≧8000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST6に移る。
ST6において、q1=130とする。
前記ST6の次にはST12(後述)に移る。前記ST5においてノー(N)の場合はST7に移る。
【0060】
ST7において、P≧2000か否か判断する。イエス(Y)の場合はST8に移る。
ST8において、q1=120とする。
前記ST8の次にはST12(後述)に移る。前記ST7においてノー(N)の場合はST9に移る。
ST9において、P≧500か否か判断する。イエス(Y)の場合はST10に移る。
ST10において、q1=100とする。
前記ST10の次にはST12(後述)に移る。前記ST9においてノー(N)の場合はST11に移る。
ST11において、q1=100とする。次にST12に移る。
ST12において、q(摩擦低減処理用走行サイクル数カウンタのカウント値のリセット信号有りか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST1に戻る。イエス(Y)の場合はST13に移る。
ST13において、q=0とする。次に前記ST1に戻る。
【0061】
図5は感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。図5の処理は、各感光体PRy〜PRkおよびそれをクリーニングするのクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)の各々に対して別々に行われる。図5のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図5に示す感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図5のST21(ステップ21)において、電源オン時か否か判断する。この判断は電源オン時判別フラグFLaの値が「0」か否かにより行う。前記電源オン時判別フラグFLaは初期値が「0」であるが、初期化処理を行うとFLa=「1」とされるフラグである。イエス(Y)の場合はST23にに移り、ノー(N)の場合はC22に移る。
ST22において、CRU(感光体、帯電ロール、クリーナを一体的に組み立てたカートリッジユニット、図2参照)を交換するドア(画像形成装置に設けたドア)が開状態から閉状態になったか否か判断する。ノー(N)の場合はST28に移り、イエス(Y)の場合はST23に移る。
【0062】
ST23において、感光体の回転数積算カウンタのカウント値pがp=0か否か判断する。ノー(N)の場合はST24に移り、イエス(Y)の場合はST26に移る。
ST24において、画像形成装置Uが長期放置状態(感光体が長期間回転しなかった状態)であったか否か判断する。この判断は、最新サイクル日時記憶メモリME2に記憶された日時に対して現在の日時が1週間以上経過しているか否かにより判断する。ノー(N)の場合はST26に移り、イエス(Y)の場合はST25に移る。
ST25において、第1摩擦低減処理及び初期化処理を実行する。このST25の処理の詳細は図6により後述する。次にST27に移る。
ST26において、通常の初期化処理(画像形成装置の回転部材の回転チェック、電源回路のチェック等)を実行する。次にST27に移る。
ST27において、電源オン時判別フラグFLa=「1」とする。ST27の次にST28に移る。
前記ST28においてジョブが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はST29に移る。
ST29において、q≧q1か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はST30に移る。
ST30において第2摩擦低減処理を実行する。このST30の詳細は図7により後述する。
ST31において、qのリセット信号を出力する。
次に、前記ST21に戻る。
【0063】
図6は前記ST25の処理の詳細説明図である。
図6において、ST25では、回転駆動系を回転させて、回転駆動系の回転状態のチェックを開始する(画像形成装置の初期化作業を開始する。なお、初期化作業は従来の画像形成装置で行われている種々の方法を採用することが可能である。)と同時に、第1摩擦低減処理を開始する。
第1摩擦低減処理では、回転駆動系を回転させながら次の処理を実行する。
(1)帯電バイアスは印加しない。すなわち、感光体の表面電位=0Vである。
(2)現像バイアスは印加する。前記現像バイアスは感光体表面に移動する(現像される)トナーバンドのトナー濃度が60%(面積比率)程度となるように設定する。
なお、帯電および露光をしない場合、感光体表面電位=0V、現像バイアスで現像スリーブ上に電位をもたせればおのずと電位差が発生する。あとは、現像バイアスを調整してトナーの飛ぶ量を制御することにより60%濃度のトナー像は形成可能である。現像バイアスを調整しない場合に電位差が大きいと、キャリアも一緒に飛んでしまう。
【0064】
(3)1次転写バイアスは、0V、または、逆バイアスに設定することにより、感光体表面の付着トナーが中間転写ベルトBに移動することなく、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達する(供給される)ようにする。
(4)クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達するトナーバンドの副走査方向の長さ(感光体の円周方向の長さ)が104〜106mm程度となるように、クリーニングブレードにトナーを供給する。
【0065】
また前記ST25で行う初期化処理では次の処理も実行する。
(5)定着装置のヒータの通電チェック。
(6)前記第1摩擦低減処理を実行とともに、回転駆動系の回転状態のチェック。
(7)感光体表面に、帯電、露光、現像を行って、トナー濃度検出用のトナーパッチを作成し、トナーパッチの画像濃度を検出する。
(8)検出画像濃度に応じて、画像形成装置の作動用パラメータ(帯電バイアス、電流、現像バイアス等)を設定する。
【0066】
図7は前記ST30の処理の詳細説明図である。
図7において、ST30では回転駆動系を回転させながら、次の処理を行う。なお、この図7のST30の処理は、前記図6のST25の処理から初期化処理を除いた処理(摩擦低減用トナーバンドを作成してクリーニングブレードに供給する摩擦低減処理)のみを行う。また、このST30で作成するトナーバンドの副走査方向の長さは3mm程度であり、図25の104〜106mmに比較して短く設定される。
(1)帯電バイアスは印加しない。すなわち、感光体の表面電位=0Vである。
(2)現像バイアスは印加する。前記現像バイアスは感光体表面に移動する(現像される)トナーバンドのトナー濃度が60%(面積比率)程度となるように設定する。
(3)1次転写バイアスは、0V、または、逆バイアスに設定することにより、感光体表面の付着トナーが中間転写ベルトBに移動することなく、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達する(供給される)ようにする。
(4)クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)に到達するトナーバンドの副走査方向の長さ(感光体の円周方向の長さ)が3mm程度となるように、クリーニングブレードにトナーを供給する。
【0067】
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた実施の形態1の画像形成装置Uでは、トナー像形成装置Uy,Um,Uc,Uk(Uyのみ図2に図示)の導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。露光装置ROSは前記帯電した感光体PRy〜PRk表面を露光して感光体表面に静電潜像を形成する。現像装置Gy〜Gkは、前記静電潜像をトナー像に現像する。
感光体表面トナー像転写部材T1y,T1m,T1c,T1kは、前記感光体PRy〜PRk表面のトナー像を中間転写ベルト(被転写体)Bに転写する。
クリーナCLy〜CLkの弾性クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)は、前記感光体PRy〜PRk表面にカウンター方向(回転方向に対向する方向)に当接しており、前記転写後の感光体PRy〜PRk表面の残留トナーを除去する。
【0068】
摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段C3は、下記の(1),(2)の場合に、トナーバンド作成開始時であると判断する。
(1) 画像形成装置Uに装着されている感光体が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段C3bにより、未使用状態が検出されたとき。
(2)ジョブ終了時に、リセットカウンタME1bにより検出された感光体PRy〜PRkの走行サイクル数qが開始時判別用設定サイクル数q1に達している場合。
そして、トナーバンド作成開始時判別手段C3がトナーバンド作成開始時であると判別したとき、摩擦低減用トナーバンド作成手段C4は、トナー濃度60%の摩擦低減用トナーバンドを感光体PRy〜PRkの表面に作成する。
【0069】
前記摩擦低減用トナーバンドの作成時には、帯電バイアス制御手段C6aは、前記帯電ロール(帯電部材)CRy〜CRkに帯電バイアスを印加しない。このため、前記感光体PRy〜PRk表面に形成される摩擦低減用トナーバンドは、現像バイアスのみにより形成される(現像される)。
帯電ロールCRy〜CRkによる放電ストレスを与える前に、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk間にトナーや外添剤などの潤滑成分を介在させることで、初期トルク上昇、ブレードエッジダメージの抑制ができ、クリーニング維持性を確保することができる。
【0070】
前記摩擦低減用トナーバンドの作成時、転写バイアス制御手段C6dは、前記クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが中間転写ベルト(被転写体)Bに転写されないように1次転写ロール(トナー像転写部材)T1y〜T1kと感光体PRy〜PRkとの間に印加する転写バイアスを制御する。すなわち転写バイアスを0(ゼロ)または逆バイアスとする。
ブレードエッジダメージ緩和の為に現像された像を、転写させずに、できるだけ多くのトナー、外添剤等をブレードエッジ(感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードとの当接部)に供給することによって、より高い潤滑性が生まれ、ブレードダメージも少なく高いクリーニング性能を維持することができる。
【0071】
前記(1)の場合(感光体PRy〜PRkが未使用の場合)は、感光体PRy〜PRkの周方向に、104〜106mmの長さのトナーバンドが形成される。このトナーバンドは、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との当接部に搬送される。このトナーバンドを形成するトナーは、前記当接部に供給されて滞留し、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との摩擦力を低減させることができる。
この(1)のように、感光体PRy〜PRkが未使用の場合には、円周方向の長さ=104〜106mmの比較的長いトナーバンドが形成されるので、前記感光体とクリーニングブレードとの当接部に十分な量のトナーを供給することができる。
【0072】
前記(2)場合、トナーバンド作成開始時判別手段C3がトナーバンド作成開始時であるか否かの判別処理を実行した時に、リセットカウンタME1bの感光体走行サイクル数qがトナーバンド作成開始時判別用設定サイクル数q1に達している場合は、感光体PRy〜PRkの周方向に、3mmの長さのトナーバンドが形成される。このトナーバンドは、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との当接部に搬送される。このトナーバンドを形成するトナーは、前記当接部に供給されて滞留し、感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBk(図2にCByのみ図示)との摩擦力を低減させることができる。
この(2)のように、感光体PRy〜PRkが未使用ではない場合には、すでに前記感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkとの当接部にはトナーが蓄積されているため、円周方向の長さ=3mmの比較的短いトナーバンドが形成される。このため、トナーの無駄な消費をすることなく、前記感光体PRy〜PRkとクリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkとの当接部に適切な量のトナーを供給することができる。
【0073】
前記(1),(2)のように、摩擦低減用トナーバンドを作成することにより、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に摩擦低減用トナーを供給することができるので、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkと感光体PRy〜PRkとの間の摩擦を低減することができる。したがって、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkおよび感光体PRy〜PRkの間の過大な摩擦による磨耗や破損を防止されるので、長期間に渡って高いクリーニング性能を維持することができる。すなわち、クリーニングブレードCBy,CBm,CBc,CBkおよび感光体PRy〜PRkの長寿命化を達成することができるので、画像形成装置Uは、長期間に渡って高画質を得ることができる。
【0074】
また、本実施の形態1では、第2摩擦低減処理の実行時を定める走行サイクル数カウンタME1のリセットカウンタME1bのカウント値(感光体走行サイクル数)qの設定値(設定サイクル数)q1は、累積カウンタME1bのカウント値である感光体走行サイクル数(累積走行サイクル数)pが小さい時程小さく設定されている。このため、感光体が新しくて、感光体とクリーニングブレードとの当接部に十分トナーが蓄積していない時程、頻繁に第2摩擦低減処理を実行して潤滑剤として作用するトナーを前記当接部に供給している。また、感光体走行サイクル数pの値が大きくなる程(感光体の使用期間が長くなって、感光体とクリーニングブレードとの当接部に潤滑剤として作用するトナーが十分蓄積されてくる程)第2摩擦低減処理を実行する間隔が長くなるようになっている。
このため、潤滑剤として作用するトナーを有効に消費することができる。
【0075】
(実施の形態2)
この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。すなわち、この実施の形態2は、前記実施の形態1の図3、図5の構成の代わりに、図8、図9の構成を有し、それ以外の構成(図1、図2、図4、図6、図7に示す構成)は、前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0076】
図8は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図8において、コントローラCは、ジョブ中断要求フラグFL1およびジョブ中断中判別フラグFL2を有している。その他の点では前記実施の形態1の図3の構成と同じ構成を有している。
FL1:ジョブ中断要求フラグ
ジョブ中断要求フラグFL1は、感光体・クリーニングブレード間摩擦低減処理のプログラムが、摩擦低減処理を実行する際、ジョブ実行プログラムが実行中の画像形成動作の中断を要求する際にFL1=「1」となり、それ以外の時にはFL1=「0」となるフラグである。
FL2:ジョブ中断中判別フラグ
ジョブ中断中判別フラグFL2は、ジョブ中断要求フラグFL1=「1」になったのに応じて、ジョブ実行プログラムがジョブを中断した時にFL2=「1」となり、FL1=「0」になった(ジョブ中断要求が解除された)のに応じてジョブを再開した時にFL2=「0」となるフラグである。
【0077】
図9は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
図9において、ST21〜ST27は前記実施の形態1の図5のST21〜ST27と同一の処理を実行する。また、実施の形態1の図5のST28、ST29およびST31の代わりに次のST(ステップ)が設けられている。
(1)図5のST28の代わりに、図9の(STA28−1)および(STA28−2)が設けられている。
(2)図5のST29の代わりに、図9の(STA29−1)〜(STA29−3)が設けられている。
(3)図5のST31の代わりに、図9のSTA31′が設けられている。
図9において、ST22においてイエス(Y)の場合、およびST27の次にSTA28−1に移る。
STA28−1において、ジョブが開始されたか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST21に戻り、イエス(Y)の場合はSTA28−2に移る。
STA28−2において、ジョブが終了したか否か判断する。イエス(Y)の場合は前記ST21に戻り、ノー(N)の場合はSTA29−1に移る。
【0078】
STA29−1において、q≧q1か否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA28−2に戻り、イエス(Y)の場合はSTA29−2に移る。
STA29−2においてジョブ中断要求フラグFL1=「1」とする。
次にSTA29−3においてジョブ実行中判別フラグFL2=「1」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA29−3を繰り返し実行する。
前記STA29−2において、ジョブ中断要求フラグFL1=「1」になると、ジョブ実行プログラム(このプログラムのフローチャートは図示せず)が、画像形成動作中の画像を記録シートに転写し定着して排出トレイに排出した時に、次の記録シートに対する画像形成を中断して、ジョブ中断中判別フラグFL2=「1」として、ジョブが中断していることを示す。
ジョブ中断中判別フラグFL2がFL2=「1」になると、STA29−3において、イエス(Y)となる。このと、STA30に移る。
STA30において、第2摩擦低減処理を実行する。このSTA30の処理の詳細は実施の形態1の図7で説明したとおりである。
【0079】
次にSTA31′において、次の処理を実行する。
(1)リセットカウンタME1bのカウント値(走行サイクル数)qの値をリセットする信号(リセット信号)を出力する。
(2)ジョブ中断要求フラグFL1の値をFL1=「0」とする。
次に、前記ST21に戻る。
前記STA31′において、ジョブ中断要求フラグFL1がFL1=「0」になると、ジョブ実行プログラムは中断していたジョブを再開すると同時にジョブ中断中判別フラグFL2を「0」とする。
【0080】
(実施の形態2の作用)
前記構成を備えた実施の形態2の画像形成装置では、ジョブ実行中に、q≧q1なった時に、ジョブを中断して、第2摩擦低減処理を実行する。
すなわち、前記実施の形態1では、ジョブ終了時にq≧q1か否か判断するので、第2摩擦低減処理は必ずジョブの終了時に行っていたのに対し、本実施の形態2では、ジョブの実行中であっても、ジョブを中断して第2摩擦低減処理を実行する点で、前記実施の形態1と相違している。
この実施の形態2のその他の作用は、前記実施の形態1と同様である。
【0081】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)前記実施の形態1または2において、次の構成要件(A013)を設けることが可能である。
(A013)前記摩擦低減用トナーバンドが前記中間転写ベルト(被転写体)Bへの転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを通過する間は感光体PRy〜PRkと前記被転写体Bとを非接触にして、前記被転写体Bへ転写されないように被転写体Bの位置を制御する被転写***置制御手段を設けることが可能である。
前記被転写***置制御手段としては、例えば、1次転写ロールT1y〜T1kの位置を制御する手段により構成することが可能である。すなわち、前記実施の形態1において、1次転写ロールT1y〜T1kが下方に移動した状態では中間転写ベルト(被転写体)Bが下方の感光体PRy〜PRkに押圧され、1次転写ロールT1y〜T1kが上方に移動した状態では中間転写ベルト(被転写体)Bが感光体PRy〜PRkから上方に離隔するように構成することができる。この場合には、被転写***置制御手段は、前記前記1次転写ロールT1y〜T1kを上下に移動させる手段により構成される。
【0082】
前記変更例(H01)では、摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体Bへの転写領域(1次転写領域)Q3y〜Q3kを通過する間は、被転写***置制御手段は、感光体PRy〜PRkと前記被転写体Bとを非接触にするように被転写体Bの位置を制御するので、感光体PRy〜PRk表面に形成された摩擦低減用トナーバンドのトナーは、前記被転写体Bへ転写されずに、クリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの当接部に供給される。したがって、前記当接部にトナーを効率良く供給することができる。
【0083】
(H02)前記実施の形態1または2において、次の構成要件(A014),(A015)を設けることが可能である。
(A014)温度または湿度を含む使用環境を検出する使用環境検出部材SN1,SN2、
(A015)前記使用環境検出部材SN1,SN2により検出された検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレードCBy〜CBkと前記感光体PRy〜PRkとの当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する前記摩擦低減用トナーバンド作成手段C4。
【0084】
画像形成装置Uの使用環境が高温、高湿の場合は、低温、低湿の場合に比較してクリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの摩擦力が高くなる傾向にある。しかしながら、前記変更例(H02)では、記摩擦低減用トナーバンド作成手段(C4)は、検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレードCBy〜CBkと前記感光体PRy〜PRkとの当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する。
前記クリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkとの摩擦上昇は特に高温高湿条件下で顕著であり、前述のように使用環境をモニターする機能を有し、その環境に応じて作成トナーバンドの回転方向幅、画像密度の少なくともいずれかを、前記未使用感光体PRy〜PRkの使用開始時に対して変更することで最小限のトナーバンドでクリーニングブレードCBy〜CBkと感光体PRy〜PRkの潤滑を制御することが可能となる。
【0085】
(H03)本発明は中間転写体Bを設けずに、感光体に形成されたトナー像を直接記録シートSに転写する画像形成装置に適用可能である。
(H04)本発明はカラーの画像形成装置だけでなく、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。
(H05)前記実施の形態1〜4では、光走査ユニットは、Y,M,C,Kの4色の光走査光学系が1個の基体に支持されるように構成されているが、Y,M,C,Kの各色の光走査光学系をそれぞれ別々の基体に支持する構成とすることが可能である。
(H06)帯電部材としては、帯電ロールCRの代わりに帯電ブレードを使用したり、コトロトロンのような放電式の帯電部材を使用したりすることが可能である。
【0086】
【発明の効果】
前述の本発明の加熱ロールユニットおよび画像形成装置は、下記の効果(E01)を奏することができる。
(E01)感光体表面とクリーニングブレードとの摩擦力が過大になることを防止するとともに、クリーニング不良の発生を防止することができる。
(E02)クリーニングブレード、感光体等の長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の正断面図である。
【図2】図2はY(イエロー)のトナー像形成装置の拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の画像形成装置Uの実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図4】図4は前記実施の形態1の画像形成装置の感光体回転数カウント処理のフローチャートである。
【図5】図5は感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
【図6】図6は前記ST25の処理の詳細説明図である。
【図7】図7は前記ST30の処理の詳細説明図である。
【図8】図8は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図9】図9は本発明の画像形成装置Uの実施の形態2の感光体・クリーニングブレード間の摩擦低減処理のフローチャートである。
【符号の説明】
B…被転写体(中間転写ベルト)、
C3…トナーバンド作成開始時判別手段、
C3b…未使用感光体検出手段、
C3c…設定走行サイクル数記憶手段、
C3d…長期放置状態検出手段、
C4…摩擦低減用トナーバンド作成手段、
ME1…感光体走行サイクル数検出手段(感光体走行サイクル数カウンタ)、
C6a…帯電バイアス制御手段、
C6c…転写バイアス制御手段、
CBy〜CBk…クリーニングブレード、
CLy〜CLk…クリーナ、
CRy〜CRk…帯電部材(帯電ロール、BCR)
Gy〜Gk…現像装置、
PRy〜PRk…感光体、
p,q…感光体(PRy〜PRk)の走行サイクル数、
q1…トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数、
Q3y,Q3m,Q3c,Q3k…転写領域(1次転写領域)
ROS…露光装置、
SN1,SN2…使用環境検出部材、
T1y〜T1k…トナー像転写部材(1次転写ロール)、
U…画像形成装置、
Uy〜Uk…トナー像形成装置。
Claims (8)
- 次の構成要件(A01)〜(A07)を備えた画像形成装置、
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電部材と、前記帯電した前記感光体を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置とを有するトナー像形成装置、
(A02)前記感光体表面のトナー像を被転写体に転写するトナー像転写部材、
(A03)転写後の感光体表面の残留トナーを除去するために前記感光体表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレードを有するクリーナ、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段、
(A06)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体に転写されないようにするため、前記摩擦低減用トナーバンド供給時に前記トナー像転写部材と感光体との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段、
(A07)画像形成装置に装着されている感光体が未使用状態であるか否かを検出する未使用感光体検出手段を有し、未使用状態が検出されたときにトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段。 - 次の構成要件(A01)〜(A06),(A08),(A09)を備えた画像形成装置、
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電部材と、前記帯電した前記感光体を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置とを有するトナー像形成装置、
(A02)前記感光体表面のトナー像を被転写体に転写するトナー像転写部材、
(A03)転写後の感光体表面の残留トナーを除去するために前記感光体表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレードを有するクリーナ、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段、
(A06)前記クリーニングブレードと感光体との当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体に転写されないように前記トナー像転写部材と感光体との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段、
(A08)画像形成装置に装着されている感光体の走行サイクル数を検出する感光体走行サイクル数検出手段、
(A09)トナーバンド作成開始時判別用の設定走行サイクル数を記憶する設定走行サイクル数記憶手段を有し、判別処理実行時に前記感光体走行サイクル数が前記設定走行サイクル数に達している場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段。 - 次の構成要件(A01)〜(A06),(A010)を備えた画像形成装置、
(A01)導電性基体上に設けられた感光層を有する感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電部材と、前記帯電した前記感光体を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置とを有するトナー像形成装置、
(A02)前記感光体表面のトナー像を被転写体に転写するトナー像転写部材、
(A03)転写後の感光体表面の残留トナーを除去するために前記感光体表面にカウンター方向に当接している弾性クリーニングブレードを有するクリーナ、
(A04)摩擦低減用トナーバンドの作成開始時になったか否かを判別するトナーバンド作成開始時判別手段、
(A05)前記摩擦低減用トナーバンド作成開始時になったと判別されたときに感光体軸方向に現像可能な最大幅で且つ感光体回転方向に所定の長さを有する画像密度10〜100%の摩擦低減用トナーバンドを感光体表面に作成する摩擦低減用トナーバンド作成手段、
(A06)前記クリーニングブレードと感光体との当接部に前記摩擦低減用トナーバンドを供給するため、前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体に転写されないように前記トナー像転写部材と感光体との間に印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御手段、
(A010)前記摩擦低減用トナー像の作成時には、前記帯電部材に帯電バイアスを印加しないように構成された帯電バイアス制御手段。 - 次の構成要件(A012)を備えた請求項1〜3のいずれか記載の画像形成装置、
(A011)トナー粒子の最大周囲長をML、トナー粒子の投影面積の最大値をAとした場合にSF=100π(ML)2/4Aで表せる平均形状指数SFが100〜140であるトナー粒子を用いる前記現像装置。 - 次の構成要件(A012)を備えた請求項1〜4のいずれか記載の画像形成装置、
(A012)感光体回転方向に3mm〜106mmの長さを有する前記摩擦低減用トナーバンド。 - 次の構成要件(A013)を備えた請求項1〜5のいずれか記載の画像形成装置、
(A013)前記摩擦低減用トナーバンドが前記被転写体への転写領域を通過する間は感光体と前記被転写体とを非接触にして、前記被転写体へ転写されないように被転写体の位置を制御する被転写***置制御手段。 - 次の構成要件(A014),(A015)を備えた請求項1〜6のいずれか記載の画像形成装置、
(A014)温度または湿度を含む使用環境を検出する使用環境検出部材、
(A015)前記使用環境検出部材により検出された検出温度が高温である程、または検出湿度が高湿である程、低温または低湿の場合に比較して、前記クリーニングブレードと前記感光体との当接部に供給されるトナーが多くなるように前記摩擦低減用トナーバンドを作成する前記摩擦低減用トナーバンド作成手段。 - 次の構成要件(A016)を備えた請求項1〜7のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)感光体の回転が行われた最新の日時から長期間経過したことを検出する長期放置状態検出手段を有し、前記判別の実行を電源オン時に行い且つ前記判別の実行時に長期放置状態である場合にトナーバンド作成開始時であると判別する前記トナーバンド作成開始時判別手段。
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