JP2004191190A - 核変換処理による高温発生方法及び装置 - Google Patents

核変換処理による高温発生方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性廃棄物の核変換処理の際に、放射光(又は陽子ビーム)により核変換処理をするだけでなく、核変換処理で発生する中性子により原子燃料を核***させ、かつ中性子以外に生じる陽電子等のエネルギを高温エネルギとして利用する。
【解決手段】核変換処理による高温発生装置は、原子燃料を核***させて高エネルギを発生させる炉心部10Aと、中性子及び放射光(又は陽子ビーム)の照射により放射性廃棄物の核変換処理をする第2核変換炉部10B2 及び第1核変換炉部10B1 とから成る原子炉10と、上記放射光を発生させる放射光(陽子)発生手段20と、発生した熱エネルギを外部へ伝達する冷却材循環手段30とを備え、放射光(又は陽子ビーム)で第1核変換炉部10B1 の放射性廃棄物を核変換処理し、第2核変換炉部10B2 及び炉心部10Aを駆動して高温の熱エネルギを生じさせ、第1核変換炉部10B1 で高温の熱エネルギを独立に取り出す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放射性廃棄物の核変換による核変換処理をすると共に高温状態を発生させる核変換方式の高温発生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウランやプルトニウムなどの核燃料を原子炉で使用した後の使用済核燃料には、高レベルの放射性が残存するため廃棄処分が難しく、厳重に容器内に保管した状態で地中深く埋設処理する。これら核廃棄物の処理に対しより一層の安全性及び経済性を確保する処理方法として核変換処理方法が種々提案されている。この核変換処理とは、使用済核燃料に含まれるマイナアクチノイドMA(Np、Am、Cm)及び長寿命核***生成物FPに処理を施して短寿命核種又は安定核種に変換する処理である。
【0003】
核変換処理方法として種々の方式が提案され、研究されているが、その一例として制動放射によるγ線を放射性廃棄物に照射して核変換する方法が知られている(学術誌「消滅処理研究の現状」日本原子力学会編、105頁)。この制動放射によるγ線は、タングステンやタンタルなどのターゲット物質に電子ビームを当てて成生されるが、この場合ターゲット物質の原子核とこれを取り巻く電子の系から成る原子に対して外部から電子がこの系の中に入る際に原子核−電子のなす系の電界により減速され、この減速によりエネルギが放射光に変わり発生する。
【0004】
核変換処理の他の例として、陽子ビーム又は中性子による核破砕装置の提案が行なわれており、国家プロジェクト「オメガ計画」の一環として研究され、現在建設が行なわれている(学術誌「消滅処理研究の現状」日本原子力学会編、“加速器を用いた消滅処理方法”P94〜100、1994年8月)。これは、巨大な設備であり、数キロメートルにも及ぶ巨大な加速器を建設し、これにより陽子ビームを加速して陽子を核に衝突させて核を破壊する、若しくはこの過程を通じて中性子を叩き出してこの中性子を中性子増倍法等で増倍し、増倍された中性子で核を変換するという方式のものである。又、高速の中性子を核変換に用いる専焼却(原子炉)もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電子を加速器で加速して制動放射により得られるγ線の照射による核変換方式は、電子が陽子に比べると約1/1800と軽いことに起因して設備の規模が小さくて済むという利点がある。しかし、制動放射による放射光の発生では、電子のエネルギは原子の運動エネルギ、電離エネルギ、励起エネルギなどに使われ、制動放射に使われるエネルギはその極く一部分であり、このため、制動放射により得られるγ線の発生効率は極めて低い。
【0006】
従って、このようなγ線を放射性廃棄物に照射して核変換しても、核変換に要するエネルギが核***で生じるエネルギをはるかに上まわり、経済的な意義が失われ、実用的な装置を得ることができない。又、γ線を放射性廃棄物に照射して核変換を生じさせ、核変換処理が出来たとしても、核変換に利用されるエネルギはγ線の持つエネルギの極く一部(数%程度)であり、他のエネルギはそのまま放置されることとなる。従って、核変換に利用される以外のエネルギを有効利用することも重要である。
【0007】
さらに、陽子ビームの発生装置は、巨大な加速器を必要とするため、加速器の建設だけでも数1000億円の費用が必要とされ、巨額の費用が掛かるが、γ線に代えて核破砕をして核変換処理を実施することは可能である。従って、陽子ビームを利用して核変換処理をする装置としては全体の建設費用をできるだけ安価にするためにも、極力構成がシンプルで種々の形で熱エネルギを取り出して利用し得る形態の装置に構成して経済的なものとする必要がある。
【0008】
この発明は、上記の種々の問題に留意して、放射性廃棄物の核変換処理の際に、核変換を生じさせ得るエネルギレベルの放射光又は陽子ビームにより核変換処理をするだけでなく、核変換処理で発生する中性子を利用して熱エネルギを発生させ、かつ中性子以外に生じる陽電子等のエネルギを高温エネルギとして利用し得る核変換処理による高温発生方法及び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、放射性廃棄物に放射光又は陽子ビームを照射、衝突させて核変換又は核破砕処理をし、この処理で放出される中性子を原子燃料に衝突させて核***による熱エネルギを発生させると共に、上記処理時に付随的に生じる陽電子、電子、核破片を含む粒子やX線を含む電磁波の、放射性廃棄物を囲む周辺材料との衝突、吸収に基づく高温の熱エネルギを上記核***熱エネルギとは独立に取り出すようにした核変換処理による高温発生方法としたのである。
【0010】
又、この方法を実施する装置として、放射性廃棄物を収納する第1核変換炉部を炉容器の中心に、その外側に異なる種類の放射性廃棄物を収納する第2核変換炉部を設け、さらにその外側に原子燃料管及び冷却管を配置し、これらを反射材と減速材で囲んだ炉心部を設けて原子炉を形成し、第1核変換炉部内の放射性廃棄物に放射光又は陽子ビームを炉容器外から照射、衝突させる放射光、陽子発生手段と、炉心部及び第2核変換炉部を冷却する冷却材を炉内から炉外へ循環させ炉心部及び第2核変換炉部の熱エネルギを外部へ伝達する冷却材循環手段とを備え、上記第1核変換炉部は所定の断熱性の遮蔽材で囲み、放射光又は陽子ビームを第1核変換炉部へ入射させて放射性廃棄物を核変換又は核破砕し、その際生じる高温の熱エネルギを炉容器外へ取り出す熱伝達手段を設け、核変換又は核破砕で生じる中性子を第2核変換炉部及び炉心部へ放出して異なる種類の放射性廃棄物を核変換処理し、かつ原子燃料に核***を生じさせ、核変換及び核***で生じた熱エネルギを冷却材循環手段により外部へ取り出し、第1核変換炉部からの高温の熱エネルギを冷却材循環手段とは独立に取り出すように構成した核変換処理による高温発生装置としたのである。
【0011】
上記の構成とした核変換処理による高温発生方法及び装置によれば、放射性廃棄物に対し核変換又は核破砕処理をして低放射性又は安定核種の廃棄物とすると共に、核変換又は核破砕処理の際に生じる中性子とそれ以外の陽電子等とを別々に利用して高温の熱エネルギとして独立に取り出すことができる。この場合、放射光又は陽子ビームのいずれを用いる場合も放射性廃棄物に核変換を生じさせるに要する所定以上のエネルギのものでなければならない。
【0012】
放射光を用いる場合は、通常の制動放射によるγ線ではなく、一般的なコンプトン散乱、又は特殊コンプトン散乱で生じる高エネルギかつ高光子数のγ線を用いることが前提となる。特に、特殊コンプトン散乱によるγ線は、放射光の照射、吸収で生じる核巨大共鳴で断面が増大するピーク値を含む一定範囲内の放射光エネルギのスペクトル分布値に対応して光子数がピーク値を含む一定範囲内の値に増大するようにコンプトン散乱により生じさせた光エネルギ値の放射光である。
【0013】
一般的なコンプトン散乱とは、例えば光共振器内に高光エネルギ状態に蓄積されたレーザ光に電子ビームを交差、衝突させて得られるγ線のような高輝度の放射光が得られる場合である。陽子ビームを用いる場合も、高周波加速器で所定のエネルギレベル以上に加速したものを用いることとなる。
【0014】
上記のような放射光又は陽子ビームを第1核変換炉部内の放射性廃棄物に照射又は衝突させると核変換又は核破砕され、その際中性子とそれ以外にも陽電子等の粒子、電磁波が生じる。中性子は第1核変換炉部から外へ放出され、第2核変換炉部の異なる種類の放射性廃棄物と、炉心部の原子燃料ペレットに作用する。この場合、第1核変換炉部と第2核変換炉部との間に中性子増倍手段を配設しておけば、異なる種類の放射性廃棄物を第1核変換炉部からの中性子で核変換する際に生じる中性子と共に炉心部の原子燃料に作用して核***作用を有効に生起させることができる。
【0015】
この第2核変換炉部の異なる種類の放射性廃棄物の核変換作用と原子燃料の核***とによって生じる熱エネルギは、冷却媒体に与えられて外部へ取り出されるが、この熱エネルギは実際には発電に利用される。そして、この発電エネルギはγ線発生装置又は陽子ビームの加速器を駆動するための電力として供給される。
【0016】
一方、第1核変換炉部で放射性廃棄物を核変換又は核破砕処理をする際に中性子以外に生じる陽電子、電子、核破砕物、X線などの粒子や電磁波による第1核変換炉部での加熱エネルギは極めて大きく、炉心部におけるエネルギ密度を大きく上まわる。この第1核変換炉部の熱の有効利用のため、この発明では第1核変換炉部の外側を遮蔽材で囲み、上記中性子以外の粒子、電磁波を遮蔽材に衝突、吸収させて減速し、その熱エネルギを遮蔽材内の伝熱手段へ与え、これを高温の熱エネルギとして外部に取り出して利用するものである。
【0017】
なお、炉心部でも一般の原子炉と同様に核廃棄物は生成されるが、これにより生成される核廃棄物の量は核変換炉で処理する核廃棄物量より遥かにその量は少ない。
【0018】
上記の高温の熱エネルギは、伝熱手段が冷却ガスである場合は配管を介して外部へ取り出し、例えば水素発生装置の熱源として利用する。この場合は、高温の伝熱ガスの熱エネルギは水素発生装置の反応ガスに対して配管を介して伝熱されるから間接式となる。水素発生装置に対し直接式で高温の熱エネルギを伝熱する場合は、水素発生装置を原子炉の炉容器の端に一体に形成し、伝熱手段を水素発生装置の水素発生室に突出して設けることにより熱エネルギを直接反応ガスに付与するように設計することができる。
【0019】
なお、上記高温発生装置における炉心部を省略することもできる。即ち、放射性廃棄物を収納する第1核変換炉部を炉容器の中心に、その外側に異なる種類の放射性廃棄物を収納する第2核変換炉部を設け、その外側を反射材と減速材で囲んで原子炉を形成し、第1核変換炉部内の放射性廃棄物に放射光を炉容器外から照射させる放射光発生手段と、第2核変換炉部を冷却する冷却材を炉内から炉外へ循環させ炉心部の熱エネルギを外部へ伝達する冷却材循環手段とを備え、上記第1核変換炉部は所定の断熱性の遮蔽材で囲み、放射光を第1核変換炉部へ入射させて放射性廃棄物を核変換し、その際生じる高温の熱エネルギを炉容器外へ取り出す熱伝達手段を設け、核変換で生じる中性子を第2核変換炉部へ放出して異なる種類の放射性廃棄物を核変換処理し、核変換で生じた熱エネルギを冷却材循環手段により外部へ取り出し、第1核変換炉部からの高温の熱エネルギを冷却材循環手段とは独立に取り出すように構成した核変換処理による高温発生装置とすることもできる。
【0020】
この装置では炉心部を省略したから、核廃棄物の処理をする専用の核変換処理炉として利用されることとなる。この場合、放射光又は陽子ビームを発生させる装置を駆動するのに必要な電力は、外部の電力会社から供給されることとなる。又、その作用及び利用方法は上記第2の発明の高温発生装置と同様であるが、第2核変換炉部で発生する高温の熱エネルギを発電以外に水素発生装置の熱源として利用してもよい。
【0021】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の高温発生装置の全体概略構成図である。図示のように、高温発生装置は、原子燃料の核***作用で高エネルギを発生する炉心部10Aと、放射性廃棄物の核変換又は核破砕により高温の熱エネルギを発生する核変換炉部10Bとを有する原子炉10、路外から放射性廃棄物に放射光を入射させる放射光発生手段20、及び炉心部10Aで発生する熱エネルギを高温水蒸気に変換して外部へ伝達する冷却材循環手段30を備えている。
【0022】
核変換炉部10Bは、後述するように、放射性廃棄物にγ線を照射して核変換を生じさせる第1核変換炉部10B1 と、生成もしくは増倍された中性子を放射性廃棄物に衝突させて2次核変換を生じさせる第2核変換炉部10B2 とから成る。なお、上記放射光発生手段20は後述するように、陽子ビームを発生する陽子発生装置としてもよい。
【0023】
炉心部10Aは、炉容器11の内周に反射材12、減速材13を内周に亘って設け、さらにその内側に原子燃料管14と冷却管15を交互に半径方向に多層状に設けて成り、各管路は長手方向に適宜間隔に設けた支持部材により炉容器11に取付けられている。炉心部10Aの原子燃料管14には、外部に設置された第1貯留容器1が配管1P を介して接続され、第1貯留容器1に貯留された原子燃料ペレットが送られて来る。
【0024】
原子燃料管14の端は配管1EXを介して核***で生じた放射性廃棄物を受ける廃棄物受け4に接続されている。原子燃料管14に接して設けられる冷却管15は、1次冷却水が流通する。炉容器11はステンレス鋼板を用いた耐圧容器として形成され、反射材12は中性子を反射する性質の材料が用いられ、減速材13には反射材も兼ねて水などが使用される。又、炉心部10Aのその他の構成は一般の軽水炉と同等の部材が用いられる。
【0025】
第2核変換炉部10B2 は、炉心部10Aの内側に原子燃料管14と同様なもう1種の複数の管路16を多層状に設け、さらにその内側に中性子増倍手段17の管路17P を設けて成る。上記管路16は、後述するように、第1核変換炉部10B1 に収容される放射性廃棄物とは異なる種類の廃棄物のペレットを収容する管路であり、この管路16には第2貯留容器2が配管2P を介して接続され、第2貯留容器2に貯留された上記異なる種類の廃棄物ペレットが送り込まれる。
【0026】
この管路16の端は配管2EXを介して核変換された廃棄物を受ける廃棄物受け5に接続されている。管路16の位置には原子燃料管14と同様に冷却管15が交互に設けられ、核変換による高温の熱エネルギを冷却水へ付与して外部へ取り出す。又、中性子増倍手段17の管路17P のスペースには中性子増倍金属球、又は99TC、 237Np等の核変換対象核ペレットが挿入され、これらが中性子増倍手段17を形成する。上記ペレットにはBe等の中性子増倍材又は黒鉛を含ませてもよい。
【0027】
第1核変換炉部10B1 は、炉容器11の中心に置かれた中空筒の容器19から成り、この容器19は一端が黒鉛やAl等の軽合金材を用いた窓19Wで、他端は端壁で閉じられている。図示の例の第1核変換炉部10B1 は、直径が数cm程度、長さはm級である。この第1核変換炉部10B1 へは、外部に設置された第3貯留容器3に収納されている放射性廃棄物G1 のペレットが配管3P を経由して送り込まれ、核変換処理の終った廃棄物G1 は容器19に接続されている配管3EXを経て廃棄物受け6へ排出される。
【0028】
第1核変換炉部10B1 の容器19の外側には所定半径寸法の空間スペース18sを形成するように熱絶縁材の中空状の遮蔽体18が設けられ、この空間スペース18sには図示しないガス供給手段から例えばCO2 又はHe等のガス冷却剤が供給される。このガス冷却剤は配管18P を介して導入され、配管18EXを介して外部へ排出されるが、容器19で放出される熱エネルギで高温ガスとなって排出された後、後述する水素発生装置50へ送られて水素を発生させる際の熱エネルギの供給源となる。
【0029】
遮蔽体18は両端が閉じられ、γ線の導入管22が貫通して容器19の透過窓19wに接続されている。遮蔽体18は1000℃前後の高温に耐えられる耐熱セラミックス材などの高温耐熱材が用いられる。
【0030】
上記第1貯留容器1に貯留される原子燃料ペレットは、例えばウラン 235U、238U、プルトニウムPu239 、Th232 などと黒鉛等の混合した球体である。又、第2貯留容器2に貯留される核変換対象物の放射性廃棄物ペレットは、ネプチウム 237Np、アメリシウムAm、テクネチウム99TCなどのいわゆる核***物質やマイナアクチノイド(MA)と呼ばれる長寿命核***元素である。さらに第3貯留容器3に貯留される放射性廃棄物ペレットは、ヨウ素 129Iやセシウム135Csである。これらは毒性が強く、水に溶け易く、かつ長寿命核である。
【0031】
上記原子炉10へ照射される放射光は、放射光発生手段20により伝達されるが、この発生手段20は、図1に示すようにγ線発生装置21で発生されたγ線を真空ダクト22等の光伝送部材により伝送するように構成されている。γ線発生装置21は、詳細は図示省略しているが、パルスレーザ光と電子ビームのバンチ(集群)を衝突させてγ線の放射光を発生させる特殊コンプトン散乱方式に基づく装置である。この装置により発生するγ線放射光は、次のような特性を有する。
【0032】
γ線発生装置21で発生したγ線を放射性廃棄物に照射して核変換を引き起こす場合、図6の(b)図に示すように、核変換の作用と同時にγ線によって電子−陽電子の対創生が生じる。この対創生に寄与する原子の有効断面積は大きく、数b〜10bであるが、核変換を引き起こす際の核巨大共鳴に寄与する断面積は数百mbと極めて小さい。そして、この核巨大共鳴のエネルギは中心値で14〜16MeVであり、共鳴幅は3〜4MeVである。従って、核巨大共鳴を有効に作用させるためには、核巨大共鳴の断面積が最大となる上記γ線の中心値エネルギに対応して核巨大共鳴で吸収される光子数が核変換を引き起こすのに十分なレベル以上のγ線でなければならない。
【0033】
一方、γ線の発生方式による光子数のエネルギスペクトル分布における変化について見ると、図6の(a)図において、(ハ)は制動放射による光子数の変化であるが、(イ)は特殊コンプトン散乱方式での光子数の変化、(ロ)は一般的なコンプトン散乱による光子数の変化を示す。特に(イ)の方式は、レーザ光と電子ビームの衝突において両者の粒子スピンを特定方向に向け、両者の回転方向を逆向きに与えてそのヘリシティの積が−1となるようにして発生させた場合である。この場合、図示のように、γ線の核巨大共鳴による吸収断面積が最大となるエネルギ値を含む所定領域のエネルギ中心値に対応する領域で光子数の確率分布がピークとなるように発生する。
【0034】
又、(ロ)の一般的なコンプトン散乱方式とは、例えば本発明者が先の特開平7−110400号公報で「高輝度X線又はγ線の発生方法及び装置」の発明として提案した方式のような公知のコンプトン散乱方式によりγ線を得る方式をいう。上記特許公報では、光共振器内に高エネルギ状態に光を蓄積し、その光に相対論的速度に加速した電子ビームを交差、衝突させてX線又はγ線を得る方式を提案している。
【0035】
但し、図示のグラフは制動放射、コンプトン散乱に用いられる電子ビームのエネルギを同一レベルとし、発生したγ線エネルギのスペクトル分布として見た光子数の確率分布を示す。(イ)のグラフではγ線エネルギ16MeV付近で光子数がピークとなり、従ってこの方式による光子数は制動放射方式より桁違いに大きく、一般のコンプトン散乱方式による場合の数倍以上である(実際の光子数は、1017〜1021個程度)。
【0036】
(イ)の特殊コンプトン散乱方式が最も有効であるが、(ロ)の一般のコンプトン散乱でも放射性廃棄物の核変換を発生させるに十分なレベルである。又、コンプトン散乱方式によるγ線は極めて細く、かつ殆ど広がらない。
【0037】
以上のように構成した図示の原子炉10では所定の条件で発生するγ線を放射光発生手段20から原子炉10へ伝送し、第1核変換炉部10B1 の透過窓19wから放射性廃棄物ペレットへ照射し、核変換を持続させて熱エネルギが取り出される。この場合、図示の原子炉設備では、第1核変換炉部10B1 で放射性廃棄物のヨウ素 129Iを核変換処理をすると同時に、核変換処理で発生する中性子が容器19を透過して第2核変換炉部10B2 の中性子増倍手段17に作用して中性子を増倍する。
【0038】
そして、増倍された中性子がさらにその外側の管路16に供給される放射性廃棄物ペレットに衝突することによりこれら放射性廃棄物が核変換処理されると共に、上記増倍された中性子及びMAやFDの核***処理で生じる中性子、γ線などにより炉心部10Aの原子燃料が核***を生じる。又、以上により第1核変換炉部10B1 で生じる熱エネルギは遮蔽体18内を流れるガス冷却材に与えられて外部へ取り出され、例えば後述する水素発生装置50へ送られる。
【0039】
さらに、第2核変換炉部10B2 及び炉心部10Aで発生する熱エネルギは冷却管15内を流れる超高圧下(数100kgf/cm2 )の1次冷却水に付与され、この1次冷却水が循環して配管30EXから外部へ送り出され、熱交換器31で熱エネルギが付与された水蒸気をタービン41へ送り、これにより発電機43を回転させて発電が行なわれる。使用済の水蒸気は復水器42で復水された後、熱交換器31へ戻される。
【0040】
以上のようにして熱エネルギを発生する実施形態の原子炉10は、放射性廃棄物の核変換処理をすると共に水素発生装置50等へ高温の熱エネルギを供給することを主眼とし、発電設備40へ熱エネルギを供給して発電する機能を副次的な機能としている。これは次の理由による。上記原子炉10へ放射光を送り込む放射光発生手段20によるγ線の発生は、連続ビームとして24時間持続することが機構上、機能上の制約上困難であり、不連続となることがある。
【0041】
原子炉10は、中性子の発生が停止すると直ちに停止するため、1次冷却水への熱エネルギの付与が1次的に急降下し、従ってその熱エネルギにより連続的に安定した発電機能を保持することが困難である。このため、商業用の発電設備としての利用には適さない。そこで、図示の原子炉10の熱エネルギで駆動されるタービン41、発電機43による発電設備40は、γ線発生装置を駆動するのに必要な電力を発電するのに専用のものとし、副次的な機能とするのである。
【0042】
以上の原子炉10での熱エネルギの発生作用についてさらに詳しく説明する。実施形態の原子炉設備でγ線を第1核変換炉部10B1 に照射すると、図5に示すように、放射性廃棄物のペレット中の物質に作用し、(γ、n)反応により中性子が叩き出されると同時に電子−陽電子の対創生が起こり、核変換が行われる。この場合、第3貯留容器3から送り込まれた反応ターゲットのペレット球は第1核変換炉部10B1 の左側入口から入り、数日又は数カ月照射され右側出口から出て行く。ペレット球はゆっくりと循環する。出口から排出されたペレット球は廃棄物受け6に回収される。
【0043】
なお、図示の例では核変換対象物を容器から流して循環させる方式としたが、これに代えて核変換対象物をカセット内に密封し、これを適宜交換する方式としてもよい。又、第1核変換炉部10B1 における放射性廃棄物であるヨウ素 129Iの核変換作用の際、中性子と共に陽電子、電子などの粒子とX線などの電磁波が同時に生成されるが、中性子以外のものは冷却材や遮蔽体18に当ってその内部で減速され、熱エネルギに変換されて冷却媒体に付与される。
【0044】
第1核変換炉部10B1 で核変換作用で叩き出された中性子はその直ぐ外側の中性子増倍手段である中性子増倍球に当たって中性子の増倍(n、2n)、(n、3n)の作用により中性子数は増倍される。この増倍された中性子が第2核変換炉部10B2 の異なる種類の放射性廃棄物であるマイナアクチノイドMAに作用することによりこれら廃棄物が核変換されると同時に、中性子が発生し、この中性子と上記増倍された中性子とが炉心部10Aの原子燃料ペレットに作用すると原子燃料の核物質が核***を始めて熱エネルギが発生する。この原子燃料の核***による熱エネルギの発生については公知の原理に従うものであり、詳細な説明は省略する。
【0045】
図7に上記核変換の例を示す。(a)図は 137Csの核変換、(b)図は 129Iの核変換である。(a)図の 137Csにγ線を当てると、中性子が叩き出されて 136Csに変わり、この 136Csはベータ(β)崩壊し、 136Baに変化して安定核となる。(b)図の 129Iはγ線の照射により 128Iから直ぐにβ崩壊して 128Xeに変わり安定核となる。なお、図6の核変換の例はγ線照射による核変換の例であるが、第2核変換炉部10B2 では主として中性子により核変換が行なわれ、この場合もこれに準じて同様な過程を経て核変換が行なわれ安定核種へ移行する。
【0046】
以上の第1核変換炉部10B1 と第2核変換炉部10B2 と炉心部10Aで発生する熱エネルギは、原子炉10へ入射されるγ線を発生させるに要したエネルギを1とすると、第1核変換炉部10B1 では約0.9倍、第2核変換炉部10B2 では約1.0倍、炉心部10Aでは5倍のエネルギが発生する。そして、第1、第2核変換炉部10B1 、10B2 で放射性廃棄物の核変換処理が行われると共に同時に発生する中性子を用いて炉心部10Aでの原子燃料の核***を生じさせる。
【0047】
そして、γ線の照射を停止させると直ちに中性子の供給も停止され、炉心部10Aでの核***が停止する。従って、炉心部10Aが暴走することがなく、放射性廃棄物の処理ができ、かつ高温の熱エネルギが得られる極めて安全な原子炉設備が得られる。なお、この場合、炉心部10Aの原子燃料管14へは原子燃料が未臨界状態に配置され、未臨界状態で核***作用が生起されることが前提である。
【0048】
図1の実施形態では第1核変換炉部10B1 で生じる熱エネルギを冷却剤に付与して外部へ取出す間接式の高温発生装置について示したが、図8に直接式の高温発生装置の例を示す。この例では、炉容器11は長さが延長され、容器端壁11E との間に仕切壁51が1次冷却水室11aとを仕切る仕切壁として設けられ、この仕切壁51の外側に水素発生室50sが形成されている。水素発生装置50’については後で説明する。仕切壁51は、遮蔽体18と同様、1000℃前後の高温に耐えられる耐熱セラミックス材のような高温耐熱材が用いられる。
【0049】
遮蔽体18の内側の空間スペース18s内は、単なる中空スペースであり、真空層のみであって何らガスは充填されていない。第1核変換炉部10B1 の容器19の端部には伝熱部材19aが接続され、この伝熱部材19aは仕切壁51を貫通して他端が水素発生室50sへ突出して設けられている。19bは2次伝熱部材である。伝熱部材19a、19bは熱の良導材が用いられ、1000℃前後では銅合金材、2000℃ではモリブデン含有合金材が用いられる。
【0050】
上記のように構成した直接式の高温発生装置は、原子炉10における放射性廃棄物の処理、核変換炉部、炉心部での作用は基本的に前述した間接式の高温発生装置と同じであるが、この例では第1核変換炉部10B1 で核変換作用により発生した高温の熱エネルギが伝熱部材19aを介して水素発生装置50’に伝達される点が間接式の装置とは異なる。なお、直接式であるから、遮蔽体18内へ冷却ガスを送り込む配管18P 、排出のための配管18EXは当然設けられていない。
【0051】
図9は、上述した間接式と直接式を組合わせた複合式の高温発生装置の例を示す。組合わせた複合式であるから、各部分は図2と図8の断面図と同じ構成部材を有し、説明するまでもないため、同じ部材には同じ符号を付して説明は省略する。
【0052】
以上のような原子炉10のいずれかを高温発生装置とし、この装置をその最も適する利用形態として水素発生装置50又は50’の熱エネルギ源とする場合について以下説明する。図10に間接式の高温発生装置を水素発生装置50に用いた例を示す。図10の(a)図は、反応ガスに加熱コイル53から高温エネルギを付与して分解し水素を得る反応塔50aを用いた例、(b)図は反応ガスを触媒Pd上で水と反応させて水素を得る反応塔50bを用いた例である。
【0053】
(a)図の反応塔50aでは、高温発生装置の第1核変換炉部10B1 の遮蔽体18内で発生した高温の熱エネルギを付与された高温ガスは配管52を介して反応塔50a内の加熱コイル53へ送られ、反応塔50a内で高温の熱エネルギを反応ガスに与え熱交換して冷却された冷却ガスは配管54を介して核変換炉部10B1 へ再び送り込まれる。反応塔50a内にガス入口55から送り込まれた反応ガスへの熱交換の際、反応ガスに高温の熱エネルギが与えられると、反応ガスが分解されて水素H2 が生成され、ガス出口55EXから取り出され、その後分離器(図示せず)により他のガスと水素が分離される。
【0054】
上記反応ガスとしては、バイオマス粉体から得られる炭化水素Cm n l (セルロース)に水蒸気、O2 を含ませたものであり、高温の熱エネルギとして例えば1000℃、80気圧で部分的な燃焼反応を起こし、水素を得る方法(部分酸化法)が用いられる。この方法以外にも直接バイオマス粉体を液化する方法、あるいはGAサイクルと呼ばれる化学反応プロセスに上記熱エネルギを用いることもできる。
【0055】
(b)図の反応塔50bでは、反応ガスとして同じくバイオマス粉体から得られる炭化水素Cm n l (セルロース)に水蒸気及び水を加えてガス入口55’から反応塔50bへ送り、反応塔50b内の触媒56(Pd)上で炭化水素を水と反応させ水素H2 を得る。高温ガスに含まれるCO2 ガスは水素H2 及び酸素O2 と分離器57で分離され、冷却されたCO2 ガスは第1核変換炉部10B1 へ戻され、ガス出口55EXから排出されるH2 とO2 のガスは図示しない分離器でさらに分離され、H2 が得られる(水蒸気改質法)。上記水蒸気改質法による水素生成に対し、反応ガスとして天然ガスを用いてもよい。この場合は例えば15気圧、800℃の高温の熱エネルギが用いられる。
【0056】
直接式の高温発生装置として図8に示した装置を熱エネルギ源とする水素発生装置50’は、前述したように、炉容器11の端に形成された水素発生室50sに対し、反応ガスを導入するガス入口管55と、発生した水素H2 とその他のガスを排出するガス出口管55EXとをそれぞれ備えている。この装置では反応ガスをガス入口管55から導入し、伝熱部材19aから直接高温の熱エネルギが加えられると、反応ガスが分解され水素を発生する。この場合、反応ガスはバイオマス粉から得られる炭化水素Cm n l (セルロース)あるいは天然ガスが用いられ、これらを直接分解して水素H2 を得ることとなる。
【0057】
図11は直接式の高温発生装置を用いた水素発生装置50’の変形例である。図8の例と同様に、炉容器11の端に耐熱セラミックス材の仕切壁51を置いて水素発生室50sが形成され、この水素発生室50s内に伝熱基部19Bに連結された伝熱部材19aが突出して設けられている。この伝熱部材19aは、図示のようにコイル状に形成され、水素発生室50sへは複数のガス入口管55が設けられている。伝熱基部19Bの材料も伝熱部材19aと同じである。
【0058】
又、伝熱部材19aに接続されている2次伝熱部材19a’は、先端が水素発生室50sに連通して形成された予備加熱室50’s内に挿入され、ガス入口管55から導入される反応ガスを予備加熱するようにしている。複数のガス入口管55から反応ガスが導入され、直接高温エネルギで分解され水素が得られる作用は、図8の例と同じである。
【0059】
上記各種の実施形態では高温発生装置の第1核変換炉部10B1 へ入射されるエネルギ源としてγ線を用いるとしたが、これに代えて陽子ビームを用いるようにしてもよい。この陽子ビームは、従来技術の欄で説明した大規模な高周波線形加速器を備えた陽子ビーム発生手段により得られる。この手段の大型加速器は、イオン発生器で発生させた陽子ビームを数段の高周波(RF)線型加速器で加速して1GeV以上の高エネルギ陽子を発生させることができる。
【0060】
このような高エネルギの陽子ビームを第1核変換炉部10B1 に入射させることにより玉突き的に放射性廃棄物の核破砕が生じ、このとき陽子及び中性子により核変換が生じると同時に、中性子は遮蔽体18より外方へ放出されて第2核変換炉部10B2 において異なる種類の放射性廃棄物の核変換を行なう点はγ線駆動の場合と同様である。
【0061】
なお、上記原子炉10では炉心部10Aにおいて原子燃料に中性子を作用させて高温の熱エネルギを取り出す。その結果一方では放射性廃棄物の核変換処理をしながら、他方では使用済の放射性廃棄物が発生することとなる。しかし、主目的は核廃棄物の核変換処理と、この処理で発生する高温の熱エネルギの多目的利用であるから、核廃棄物の発生量は核変換処理される核廃棄物の量を越えない範囲に設計されるものとする。
【0062】
その割合は、例えば炉心部で核燃料を使用した際に生じる核廃棄物に含まれる超長寿命核廃棄物の量が、核変換炉で核変換処理される処理量の数%程度となる割合の核燃料の使用量であり、核廃棄物処理量の機能は核燃料の使用で生じる超長寿命核廃棄物より遥かに多くなるよう設定される。又、核変換処理で発生する高温の熱エネルギの利用形態として水素発生装置への利用方法について種々説明したが、水素発生装置に限らず工業用の利用として高温の熱エネルギを必要とする装置であればどんな装置へ利用してもよいことは言うまでもない。
【0063】
さらに、上記実施形態では原子炉10には炉心部10Aを設けた例を示したが、γ線又は陽子ビームの発生装置を駆動する電力を外部から受入れることとすれば、炉心部10Aは必ずしも設けなくてもよい。従って、この場合は原子炉10は核廃棄物処理のみを行なう核廃棄物専用炉となる。この専用炉は炉心部10Aを省略すればよいから、関連する構成部分も省略されて構成されるが、その場合、第2核変換炉部10B2 は設けられているから、その冷却管15、及び外側の減速材13、反射材12は設置される。なお、第2核変換炉部10B2 で発生する高温の熱エネルギは第1実施形態のように発電に用いる以外に水素発生装置に用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の核変換処理による高温発生方法・装置では放射光又は陽子ビームを放射性廃棄物に照射、衝突させて核変換又は核破砕処理をし、このとき放出される中性子を原子燃料に当てて核***で熱エネルギを発生させ、付随して生じる粒子、電磁波が周辺材料との衝突で生じる高温の熱エネルギを核***エネルギとは独立に取り出すようにしたから、中性子による放射性廃棄物の核変換処理と核***による熱エネルギの発生だけでなく、核変換処理の際の中性子以外の入射エネルギをも高温の熱エネルギとして有効に利用することができるため、極めて効率の良いかつ経済的な核変換原子炉としての高温発生装置が得られるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の原子炉設備の全体概略構成図
【図2】同上の原子炉の縦断面図
【図3】図2の矢視III −III からの断面図
【図4】図2の断面の部分拡大図
【図5】核変換炉部の断面図
【図6】(a)γ線の光子数のエネルギスペクトル分布図
(b)γ線の核巨大共鳴断面積のエネルギスペクトル分布図
【図7】核変換の具体例の説明図
【図8】第2実施形態の原子炉の縦断面図
【図9】第3実施形態の原子炉の縦断面図
【図10】水素発生装置への利用形態(間接式)((a)図:部分酸化法、(b)図:水蒸気改質法)の説明図
【図11】水素発生装置への利用形態(直接式)の説明図
【符号の説明】
10 原子炉
10A 炉心部
10B1 第1核変換炉部
10B2 第2核変換炉部
11 炉容器
12 反射材
13 減速材
14 原子燃料管
15 冷却管
16 管炉
17 中性子増倍手段
18 遮蔽体
20 放射光発生手段
30 冷却材循環手段
31 熱交換器
40 発電設備

Claims (8)

  1. 放射性廃棄物に放射光又は陽子ビームを照射、衝突させて核変換又は核破砕処理をし、この処理で放出される中性子を原子燃料に衝突させて核***による熱エネルギを発生させると共に、上記処理時に付随的に生じる陽電子、電子、核破片を含む粒子やX線を含む電磁波の、放射性廃棄物を囲む周辺材料との衝突、吸収に基づく高温の熱エネルギを上記核***熱エネルギとは独立に取り出すようにした核変換処理による高温発生方法。
  2. 前記放射光を、放射光の照射、吸収で生じる核巨大共鳴で断面積が増大するピーク値を含む一定範囲内の放射光エネルギのスペクトル分布値に対応して光子数がピーク値を含む一定範囲内の値に増大するようにコンプトン散乱により生じさせた光エネルギ値の放射光としたことを特徴とする請求項1に記載の核変換処理による高温発生方法。
  3. 放射性廃棄物を収納する第1核変換炉部を炉容器の中心に、その外側に異なる種類の放射性廃棄物を収納する第2核変換炉部を設け、さらにその外側に原子燃料管及び冷却管を配置し、これらを反射材と減速材で囲んだ炉心部を設けて原子炉を形成し、第1核変換炉部内の放射性廃棄物に放射光を炉容器外から照射させる放射光発生手段と、炉心部及び第2核変換炉部を冷却する冷却材を炉内から炉外へ循環させ炉心部及び第2核変換炉部の熱エネルギを外部へ伝達する冷却材循環手段とを備え、上記第1核変換炉部は所定の断熱性の遮蔽材で囲み、放射光を第1核変換炉部へ入射させて放射性廃棄物を核変換し、その際生じる高温の熱エネルギを炉容器外へ取り出す熱伝達手段を設け、核変換で生じる中性子を第2核変換炉部及び炉心部へ放出して異なる種類の放射性廃棄物を核変換処理し、かつ原子燃料に核***を生じさせ、核変換及び核***で生じた熱エネルギを冷却材循環手段により外部へ取り出し、第1核変換炉部からの高温の熱エネルギを冷却材循環手段とは独立に取り出すように構成した核変換処理による高温発生装置。
  4. 放射性廃棄物を収納する第1核変換炉部を炉容器の中心に、その外側に異なる種類の放射性廃棄物を収納する第2核変換炉部を設け、その外側を反射材と減速材で囲んで原子炉を形成し、第1核変換炉部内の放射性廃棄物に放射光を炉容器外から照射させる放射光発生手段と、第2核変換炉部を冷却する冷却材を炉内から炉外へ循環させ炉心部の熱エネルギを外部へ伝達する冷却材循環手段とを備え、上記第1核変換炉部は所定の断熱性の遮蔽材で囲み、放射光を第1核変換炉部へ入射させて放射性廃棄物を核変換し、その際生じる高温の熱エネルギを炉容器外へ取り出す熱伝達手段を設け、核変換で生じる中性子を第2核変換炉部へ放出して異なる種類の放射性廃棄物を核変換処理し、核変換で生じた熱エネルギを冷却材循環手段により外部へ取り出し、第1核変換炉部からの高温の熱エネルギを冷却材循環手段とは独立に取り出すように構成した核変換処理による高温発生装置。
  5. 前記放射光発生手段を陽子ビーム発生手段とし、陽子ビームを放射性廃棄物に衝突させて核破砕による核変換をするように構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載の核変換処理による高温発生装置。
  6. 前記第1核変換炉部の外側で、第2核変換炉部との間に中性子増倍手段を設け、この中性子増倍手段が管内に中性子増倍球を収納したものから成ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の核変換処理による高温発生装置。
  7. 前記熱伝達手段が、第1核変換炉部とその遮蔽材との間の空間スペースに送り込まれる冷却ガスと、これを外部との間で循環させる配管手段とから成ることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の核変換処理による高温発生装置。
  8. 前記炉容器の端を延長し、延長部との間に仕切壁を設け、第1核変換炉部の容器端に伝熱部材を連結し、この伝熱部材を仕切壁を貫通して突出させ、仕切壁との間のスペースに高温の熱エネルギを伝達するようにしたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の核変換処理による高温発生装置。
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