JP2004191103A - 整圧器および流量計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の流量を簡便に高精度かつ高いレンジアビリティで計測することができる流量計測方法およびそれに用いる整圧器を提供することにある。
【解決手段】メインガバナ30の本体31に、開口部33A,33Bとの間の領域Aに向かうようにマイクロホンが配設されている。マイクロホンは、弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルを検出してマイクロコンピュータに出力する。また、圧力センサが1次圧力を検出してマイクロコンピュータに出力する。マイクロコンピュータはマイクロホンにより検出された音波の周波数および音圧レベルと、圧力センサにより検出された1次圧力とに基づき、上流側管路10内を流れるガスの流量を演算し、その演算値が表示部に表示される。
【選択図】 図1
【解決手段】メインガバナ30の本体31に、開口部33A,33Bとの間の領域Aに向かうようにマイクロホンが配設されている。マイクロホンは、弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルを検出してマイクロコンピュータに出力する。また、圧力センサが1次圧力を検出してマイクロコンピュータに出力する。マイクロコンピュータはマイクロホンにより検出された音波の周波数および音圧レベルと、圧力センサにより検出された1次圧力とに基づき、上流側管路10内を流れるガスの流量を演算し、その演算値が表示部に表示される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ガス供給系統等に用いられる整圧器およびこれを用いた流量計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、都市ガス供給系統におけるガス導管内を流れるガスの流量を計測するには種々の流量計測装置が利用されている。流量計測装置には、大別して、いわゆる取引メータと、管理用の流量計測装置との2種類がある。管理用の流量計測装置としては、例えば、オリフィスや絞り弁によって発生させた圧力損失から流量を計測する差圧式のもの、流体に超音波などの音波をその流動方向に伝播させてその伝播時間から流量を計測するもの(例えば、特許文献1参照。)、ホイッスル式の発信装置から流体に音波を流体の流動方向に発信し、その大きさあるいは音色から流量を計測するもの(例えば、特許文献2参照)、流体に渦発生体を挿入しその渦発生体が発生するカルマン渦の発生周波数から流量を計測するカルマン渦式のもの、あるいは、整圧器(ガバナ,レギュレータ)を利用し、整圧器において予め求めた1次圧力,2次圧力,ローディング圧力あるいは弁開度等と流量との関係から流量を推定するもの(例えば、特許文献3,特許文献4参照。)がある。中でも、レイノルド式ガバナではレバーの高さ(基準点の変位)から弁開度を推定し、予め求められた弁開度と流量との相関関係から流量を推定するいわゆる光開度計(特許文献3参照)といわれるものが広く用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−255186号公報
【特許文献2】
特開平8−14958号公報
【特許文献3】
特開平8−303751号公報
【特許文献4】
特許第2501113号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の流量計測装置では種々の問題がある。例えば、高精度で流量を計測可能なものは、一般に高価であると共に、既設導管に配設する際に場合によっては配管直しが必要であり、手間と高額の工事費とを必要とする。また、配管に大規模な改造を必要としない流量計測装置は、計測精度,再現性あるいはレンジアビリティが低い。更に具体的に言えば、取引メータは、流体の体積を実際に測定するため、高精度の計測が可能であるが、高価であると共に圧力損失が大きい。また、超音波の伝播時間から流量をするものは図7に示したように、また、音の大きさあるいは音色から流量を計測するものは図8に示したように、管路110,210内を流れる流体の流動方向Xに音波を送信する送信装置120,220、および、音波を受信する受信装置130,230がそれぞれ必要となるため高価となり、特に、後者は管路210内に発信装置220を挿入するため圧力損失も生じてしまう。
【0005】
更に、光開度計は、実験室レベルでは高精度の流量推定が可能であるという報告もあるが、導管網解析システムの解析値と差異があることから、実用運用上は大きな推定誤差があると考えられる。なお、この推定誤差は次の3つの原因に起因すると考えられる。第1の原因は、整圧器の分解,調整あるいは弁閉塞時のシートへの刃先食い込み等により基準点がずれやすいことであり、第2の原因は、スリット構造による分解能に起因してレンジアビリティが低いことである。レンジアビリティが低いと、低流量領域では流量が零と推定される場合がある。実際に、最大流量が500m3 /h未満のレイノルド式ガバナも多いので、多くのレイノルド式ガバナで推定流量に大きな誤差が生じている可能性がある。第3の原因は、微妙な弁開度の変化で流量が大きく変化してしまうことである。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、流体の流量を簡便に高精度かつ高いレンジアビリティで計測することができる流量計測方法およびそれに用いる整圧器を提供することにある。
【0007】
また、第2の目的は、経済性に優れた流量計測方法およびそれに用いる整圧器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による整圧器は、上流側管路と下流側管路との間に設けられ、下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧部と、この整圧部を流体が通過することにより発生する音波を検出する音波検出手段とを備えたものであり、整圧部により圧力調整がなされると共に、整圧部を流体が通過することにより発生する音波が音波検出手段により検出される。
【0009】
整圧部は、具体的には、流体の流路を形成する本体と、この本体内に設けられた開度が変化可能な弁体とを備えており、マイクロホンなどの音波検出手段はこの本体に配設されてもよく、あるいは本体に取り外し可能な蓋体を設け、この蓋体に配設させるようにしてもよい。
【0010】
本発明による整圧器は、更に、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルに基づいて流体の流量を演算する流量演算手段を備えていてもよい。流量演算手段は、具体的には、予め求められた、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するものであり、特に、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、上記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するように構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明による流量計測方法は、上流側管路と下流側管路との間に設けられ、下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波を検出すると共に、検出した音波の音圧レベルに基づき流体の流量を演算するようにしたものである。
【0012】
本発明による流量計測方法では、整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルが検出され、その音圧レベルに基づいて流量が演算される。
【0013】
本発明による流量計測方法は、具体的には、予め求められた、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算するようにしたものであり、特に、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、上記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算するようにすることが好ましい。
【0014】
本方法においても、音圧レベルは、マイクロホン等を整圧器の本体、あるいは本体に設けられた蓋体に取り付けて検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施の形態に係る整圧器について説明する。なお、本発明の流量計測方法は本実施の形態に係る整圧器の動作等により具現化されるので、以下併せて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る整圧器の要部構成を表すものである。この整圧器は、ガス製造工場から輸送されてきたガスを減圧して需要者に供給するものであり、例えば、上流側(1次側)管路10と下流側(2次側)管路20との間にメインガバナ30を備えている。このメインガバナ30は、下流側管路20内の圧力(以下、2次圧力という。)を調整するものであり、ガスの流路を形成する本体31と、この本体31上に設けられ、後述の弁体34A,34Bの開閉に寄与するトップボール32とを備えている。本体31は、ガスを受け入れる上流側の入口部31Aとガスを排出する下流側の出口部31Bとを有し、この入口部31Aから出口部31Bまでの間にガスの流路が形成されている。本体31内には、ガスの流路を上流側と下流側とに分割する隔壁33が設けられている。この隔壁33には、一対の開口部33A,33Bが設けられ、本体31内には、また、この開口部33A,33Bを閉塞可能な一対の弁体34A,34Bが設けられている。弁体34A,34Bには弁棒35が接続されており、この弁棒35はトップボール32の図示しないダイヤフラムおよびレバー36を介して図示しないオキジャリーボールのダイヤフラムに接続されている。これにより、弁体34A,34Bは、トップボール32のダイヤフラムおよびオキジャリーボールのダイヤフラムの動きに連動し、開度が変化可能になっている。
【0018】
この整圧器は、図2に示したように、更に、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波を検出する音波検出手段としてのマイクロホン40と、上流側管路10内のガスの圧力(以下、1次圧力という。)を検出する1次圧力検出手段としての圧力センサ50と、マイクロホン40により検出された音波の周波数および音圧レベルと、圧力センサ50により検出された1次圧力とに基づき、ガスの流量を演算する流量演算手段としてのマイクロコンピュータ60と、このマイクロコンピュータ60で得られた流量を表示する表示部70とを備えている。すなわち、本実施の形態に係る整圧器は、流量計測装置としても機能するようになっている。
【0019】
マイクロホン40は、例えば図3に示したようにメインガバナ30の本体31に配設されている。より具体的には、本体31は、取り外し可能なメンテナンス用の蓋体31Cを備えており、この蓋体31Cに穴31Dを設けこの穴31Dに挿入することにより、音波を検出する検出部位が、図1に示した開口部33A,33Bとの間の領域Aに向かうように配設されている。圧力センサ50は、図1に示したように、上流側管路10の所定の位置に配設されている。
【0020】
ここで、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルとガスの流量との相関関係について説明する。通常、ガスを始めとする流体が管路内を流れると音波が発生し、その音波の音圧レベルは流体の流量の増大に伴い増大する傾向がある。その傾向は、直管よりもベンド管,レジューサあるいはチーズ等の流体の流れが変化する異形管で顕著であり、更には、流路を絞る等により圧力を減圧させた場合に特に顕著である。メインガバナ30、具体的にはメインガバナ30の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間においてもこの傾向が顕著に見られる。そこで、本発明者らは、流体として空気を用い、メインガバナ30を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルが、上流側管路10内の流体の体積流量に応じてどのように変化するかを検証した。その結果、図4に示したように、メインガバナ30を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルPと流体の流量Qとの間には相関関係があり、音圧レベルPは流量Qの増大に伴い増大し、低流量域ほどその増大の割合が大きく、微小な流量Qの違いでも音圧レベルPには大きな違いが生じることが確認された。また、音圧レベルPは同じ流量Qでも、図5に示したように1次圧力が異なると変化し、更に、図6に示したように、検出される音波の周波数Fによっても変化することが分かった。なお、図4および図5には、1,025Hz〜1,125Hzの周波数帯域における音圧レベルPを示した。
【0021】
本実施の形態では、図5に示したような周波数毎の、1次圧力と音圧レベルPと流量Qとの相関関係を予め求め、これをROM(Read Only Memory;読取り専用記憶装置)等の記憶部60A(図2)に格納させておくものである。すなわち、マイクロコンピュータ60は、記憶部60Aに格納された関係式に基づき、マイクロホン40により検出された音圧レベルPをガスの流量Qに換算するようになっている。
【0022】
次に、図1および図2を参照して、この整圧器の作用について説明する。
【0023】
この整圧器では、需要家によるガスの消費量が一定である場合には、メインガバナ30の弁体34A,34Bの開度が一定に保持され、一定量のガスが上流側管路10から下流側管路20へと送出される。
【0024】
一方、需要家によるガスの消費量の増減により2次圧力が変動すると、図示しないが、オキジャリーボール内のダイヤフラムおよびトップボール32内のダイヤフラムが上昇または下降し、それに応じて、弁体34A,34Bの開度が変化する。これにより、上流側管路10から下流側管路20へのガスの流量が調整され2次圧力が設定値に回復される。
【0025】
また、この整圧器では、図2に示したようにマイクロホン40がメインガバナ30内の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波を検出し、その検出信号をマイクロコンピュータ60に出力する。一方、圧力センサ50が1次圧力を検出し、その圧力信号をマイクロコンピュータ60に出力する。マイクロコンピュータ60は、マイクロホン40により検出された音波の周波数毎の音圧レベルPを求め、この周波数毎の音圧レベルPと、圧力センサ50により検出された1次圧力との関係に基づいてガスの流量Qを演算し、その演算値を表示部70に表示させる。
【0026】
このように本実施の形態では、マイクロホン40を備えるようにしたので、2次圧力を調整するだけでなく、マイクロホン40によりメインガバナ30の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルPを用いることにより簡便に流量計測を行うこともできる。
【0027】
また、周波数毎に予め求められた、1次圧力と、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルPと、ガスの流量Qとの相関関係に基づき、マイクロホン40により検出された音波の音圧レベルPを流量に換算するようにしたので、低流量域から高流量域の流量Qを計測することができ、特に、低流量域の流量Qを高精度に計測することができる。また、従来の光開度計のように、整圧器の分解,調整あるいは弁閉塞時のシートへの刃先食い込み等の影響を受けることがないため、より高精度に流量Qを計測することができる。すなわち、高精度かつ高いレンジアビリティでガスの流量Qを計測することができる。
【0028】
更に、マイクロホン40を取り外し可能な蓋体31Cに配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、マイクロホン40により検出された音波の周波数Fおよび音圧レベルPと、圧力センサ50により検出された1次圧力とに基づき流量Qを演算するようにしたが、特に、高精度の流量計測が要求されるものでなければ、音波検出手段により検出された音圧レベルのみに基づき流量Qを演算するようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、マイクロホン40を蓋体31Cに配設してメインガバナ30の内部から弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波を直接検出するようにしたが、蓋体ではなくフィルターなどの他の箇所に配設して検出してもよく、更には、メインガバナの外部から本体の振動による音波として検出してもよく、ガバナ室内から発生する音波として検出してもよい。
【0031】
更に、上記実施の形態では、メインガバナ30の弁体部分をガスが通過することにより発生する音波を検出するようにしたが、ガスの流量の増大に伴い音波を発生させるもの、例えば棒状部材を管路内に挿入し、そこで発生する音波を検出するようにしてもよい。
【0032】
加えて、上記実施の形態では、整圧器にマイクロコンピュータ60および表示部70を設け、整圧器においてガスの流量Qを得るようにしたが、マイクロコンピュータ60および表示部70は必ずしも設ける必要はなく、例えば、現場にパーソナルコンピュータ等を持参し、そのパーソナルコンピュータ等によりガスの流量を得るようにしてもよい。また、マイクロホンにより検出された音波や圧力センサにより検出された1次圧力をデータのまま媒体に保存し、必要に応じてパーソナルコンピュータ等において流量を得るようにしてもよい。更に、整圧器に通信手段を設置し、マイクロホンにより検出された音波や圧力センサにより検出された1次圧力の電気信号を通信網等を介して監視センター等に設置されたホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータあるいはそのホストコンピュータに電気通信回線等を介して接続されたパーソナルコンピュータ等において流量を得るようにしてもよい。このようにすれば、整圧器が設置されている場所まで出向くことなく流量を把握することができる。また、表示部に代えて、ガスの流量を印刷出力あるいは通信出力するような他の装置を用いるようにしてもよい。
【0033】
更にまた、上記実施の形態では、音波検出手段としてマイクロホン、1次圧力検出手段として圧力センサ、流量演算手段としてマイクロコンピュータをそれぞれ例に挙げて説明したが、他の音波検出手段,1次圧力検出手段および流量演算手段を用いるようにしてもよい。
【0034】
加えてまた、上記実施の形態では、本発明をレイノルド式ガバナに適用した例について説明したが、本発明は他の方式の整圧器についても適用可能である。更にまた、本発明は、ガス以外の他の流体の流量を計測する場合にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の整圧器によれば、音波検出手段を備えるようにしたので、下流側管路の圧力を調整するだけでなく、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを利用することにより、簡便に流量計測を行うこともできる。
【0036】
特に、請求項3記載の整圧器によれば、音波検出手段を整圧部に配設された取り外し可能な蓋体に配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【0037】
また、請求項4記載の整圧器によれば、更に流量演算手段を備えるようにしたので、流量計測装置としても機能する。
【0038】
更に、請求項5または請求項6に記載の整圧器によれば、予め求められた、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、より高精度に流体の流量を計測することができる。中でも、請求項6記載の整圧器によれば、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、更に高精度に流体の流量を計測することができる。
【0039】
また、請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載の流量計測方法によれば、整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波を検出すると共に、検出した音波の音圧レベルに基づき流体の流量を演算するようにしたので、簡便に流体の流量を高精度かつ高いレンジアビリティで計測することができる。
【0040】
特に、請求項8または請求項9に記載の流量計測方法によれば、予め求められた、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、より高精度に流体の流量を計測することができる。中でも、請求項9記載の流量計測方法によれば、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、更に高精度に流体の流量を計測することができる。
【0041】
また、請求項11記載の流量計測方法によれば、音波検出手段を取り外し可能な蓋体に配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る整圧器の要部構成を表す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る整圧器の構成を表すブロック図である。
【図3】図2に示したマイクロホンの配設位置を説明するための斜視図である。
【図4】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との関係を表す特性図である。
【図5】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との関係を1次圧力別に表す特性図である。
【図6】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の周波数と音圧レベルとの関係を流量別に表す特性図である。
【図7】従来の流量計測方法の概略を表す図である。
【図8】従来の他の流量計測方法の概略を表す図である。
【符号の説明】
10…上流側管路(1次側管路)、20…下流側管路(2次側管路)、30…メインガバナ、31…本体、31A…入口部、31B…出口部、31C…蓋体、31D…穴、32…トップボール、33…隔壁、33A,33B…開口部、34A,34B…弁体、35…弁棒、36…レバー、40…マイクロホン、50…圧力センサ、60…マイクロコンピュータ、70…表示部、A…領域、F…周波数、P…音圧レベル、Q…流量
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ガス供給系統等に用いられる整圧器およびこれを用いた流量計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、都市ガス供給系統におけるガス導管内を流れるガスの流量を計測するには種々の流量計測装置が利用されている。流量計測装置には、大別して、いわゆる取引メータと、管理用の流量計測装置との2種類がある。管理用の流量計測装置としては、例えば、オリフィスや絞り弁によって発生させた圧力損失から流量を計測する差圧式のもの、流体に超音波などの音波をその流動方向に伝播させてその伝播時間から流量を計測するもの(例えば、特許文献1参照。)、ホイッスル式の発信装置から流体に音波を流体の流動方向に発信し、その大きさあるいは音色から流量を計測するもの(例えば、特許文献2参照)、流体に渦発生体を挿入しその渦発生体が発生するカルマン渦の発生周波数から流量を計測するカルマン渦式のもの、あるいは、整圧器(ガバナ,レギュレータ)を利用し、整圧器において予め求めた1次圧力,2次圧力,ローディング圧力あるいは弁開度等と流量との関係から流量を推定するもの(例えば、特許文献3,特許文献4参照。)がある。中でも、レイノルド式ガバナではレバーの高さ(基準点の変位)から弁開度を推定し、予め求められた弁開度と流量との相関関係から流量を推定するいわゆる光開度計(特許文献3参照)といわれるものが広く用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−255186号公報
【特許文献2】
特開平8−14958号公報
【特許文献3】
特開平8−303751号公報
【特許文献4】
特許第2501113号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の流量計測装置では種々の問題がある。例えば、高精度で流量を計測可能なものは、一般に高価であると共に、既設導管に配設する際に場合によっては配管直しが必要であり、手間と高額の工事費とを必要とする。また、配管に大規模な改造を必要としない流量計測装置は、計測精度,再現性あるいはレンジアビリティが低い。更に具体的に言えば、取引メータは、流体の体積を実際に測定するため、高精度の計測が可能であるが、高価であると共に圧力損失が大きい。また、超音波の伝播時間から流量をするものは図7に示したように、また、音の大きさあるいは音色から流量を計測するものは図8に示したように、管路110,210内を流れる流体の流動方向Xに音波を送信する送信装置120,220、および、音波を受信する受信装置130,230がそれぞれ必要となるため高価となり、特に、後者は管路210内に発信装置220を挿入するため圧力損失も生じてしまう。
【0005】
更に、光開度計は、実験室レベルでは高精度の流量推定が可能であるという報告もあるが、導管網解析システムの解析値と差異があることから、実用運用上は大きな推定誤差があると考えられる。なお、この推定誤差は次の3つの原因に起因すると考えられる。第1の原因は、整圧器の分解,調整あるいは弁閉塞時のシートへの刃先食い込み等により基準点がずれやすいことであり、第2の原因は、スリット構造による分解能に起因してレンジアビリティが低いことである。レンジアビリティが低いと、低流量領域では流量が零と推定される場合がある。実際に、最大流量が500m3 /h未満のレイノルド式ガバナも多いので、多くのレイノルド式ガバナで推定流量に大きな誤差が生じている可能性がある。第3の原因は、微妙な弁開度の変化で流量が大きく変化してしまうことである。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、流体の流量を簡便に高精度かつ高いレンジアビリティで計測することができる流量計測方法およびそれに用いる整圧器を提供することにある。
【0007】
また、第2の目的は、経済性に優れた流量計測方法およびそれに用いる整圧器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による整圧器は、上流側管路と下流側管路との間に設けられ、下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧部と、この整圧部を流体が通過することにより発生する音波を検出する音波検出手段とを備えたものであり、整圧部により圧力調整がなされると共に、整圧部を流体が通過することにより発生する音波が音波検出手段により検出される。
【0009】
整圧部は、具体的には、流体の流路を形成する本体と、この本体内に設けられた開度が変化可能な弁体とを備えており、マイクロホンなどの音波検出手段はこの本体に配設されてもよく、あるいは本体に取り外し可能な蓋体を設け、この蓋体に配設させるようにしてもよい。
【0010】
本発明による整圧器は、更に、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルに基づいて流体の流量を演算する流量演算手段を備えていてもよい。流量演算手段は、具体的には、予め求められた、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するものであり、特に、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、上記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するように構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明による流量計測方法は、上流側管路と下流側管路との間に設けられ、下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波を検出すると共に、検出した音波の音圧レベルに基づき流体の流量を演算するようにしたものである。
【0012】
本発明による流量計測方法では、整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルが検出され、その音圧レベルに基づいて流量が演算される。
【0013】
本発明による流量計測方法は、具体的には、予め求められた、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算するようにしたものであり、特に、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、上記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算するようにすることが好ましい。
【0014】
本方法においても、音圧レベルは、マイクロホン等を整圧器の本体、あるいは本体に設けられた蓋体に取り付けて検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施の形態に係る整圧器について説明する。なお、本発明の流量計測方法は本実施の形態に係る整圧器の動作等により具現化されるので、以下併せて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る整圧器の要部構成を表すものである。この整圧器は、ガス製造工場から輸送されてきたガスを減圧して需要者に供給するものであり、例えば、上流側(1次側)管路10と下流側(2次側)管路20との間にメインガバナ30を備えている。このメインガバナ30は、下流側管路20内の圧力(以下、2次圧力という。)を調整するものであり、ガスの流路を形成する本体31と、この本体31上に設けられ、後述の弁体34A,34Bの開閉に寄与するトップボール32とを備えている。本体31は、ガスを受け入れる上流側の入口部31Aとガスを排出する下流側の出口部31Bとを有し、この入口部31Aから出口部31Bまでの間にガスの流路が形成されている。本体31内には、ガスの流路を上流側と下流側とに分割する隔壁33が設けられている。この隔壁33には、一対の開口部33A,33Bが設けられ、本体31内には、また、この開口部33A,33Bを閉塞可能な一対の弁体34A,34Bが設けられている。弁体34A,34Bには弁棒35が接続されており、この弁棒35はトップボール32の図示しないダイヤフラムおよびレバー36を介して図示しないオキジャリーボールのダイヤフラムに接続されている。これにより、弁体34A,34Bは、トップボール32のダイヤフラムおよびオキジャリーボールのダイヤフラムの動きに連動し、開度が変化可能になっている。
【0018】
この整圧器は、図2に示したように、更に、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波を検出する音波検出手段としてのマイクロホン40と、上流側管路10内のガスの圧力(以下、1次圧力という。)を検出する1次圧力検出手段としての圧力センサ50と、マイクロホン40により検出された音波の周波数および音圧レベルと、圧力センサ50により検出された1次圧力とに基づき、ガスの流量を演算する流量演算手段としてのマイクロコンピュータ60と、このマイクロコンピュータ60で得られた流量を表示する表示部70とを備えている。すなわち、本実施の形態に係る整圧器は、流量計測装置としても機能するようになっている。
【0019】
マイクロホン40は、例えば図3に示したようにメインガバナ30の本体31に配設されている。より具体的には、本体31は、取り外し可能なメンテナンス用の蓋体31Cを備えており、この蓋体31Cに穴31Dを設けこの穴31Dに挿入することにより、音波を検出する検出部位が、図1に示した開口部33A,33Bとの間の領域Aに向かうように配設されている。圧力センサ50は、図1に示したように、上流側管路10の所定の位置に配設されている。
【0020】
ここで、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルとガスの流量との相関関係について説明する。通常、ガスを始めとする流体が管路内を流れると音波が発生し、その音波の音圧レベルは流体の流量の増大に伴い増大する傾向がある。その傾向は、直管よりもベンド管,レジューサあるいはチーズ等の流体の流れが変化する異形管で顕著であり、更には、流路を絞る等により圧力を減圧させた場合に特に顕著である。メインガバナ30、具体的にはメインガバナ30の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間においてもこの傾向が顕著に見られる。そこで、本発明者らは、流体として空気を用い、メインガバナ30を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルが、上流側管路10内の流体の体積流量に応じてどのように変化するかを検証した。その結果、図4に示したように、メインガバナ30を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルPと流体の流量Qとの間には相関関係があり、音圧レベルPは流量Qの増大に伴い増大し、低流量域ほどその増大の割合が大きく、微小な流量Qの違いでも音圧レベルPには大きな違いが生じることが確認された。また、音圧レベルPは同じ流量Qでも、図5に示したように1次圧力が異なると変化し、更に、図6に示したように、検出される音波の周波数Fによっても変化することが分かった。なお、図4および図5には、1,025Hz〜1,125Hzの周波数帯域における音圧レベルPを示した。
【0021】
本実施の形態では、図5に示したような周波数毎の、1次圧力と音圧レベルPと流量Qとの相関関係を予め求め、これをROM(Read Only Memory;読取り専用記憶装置)等の記憶部60A(図2)に格納させておくものである。すなわち、マイクロコンピュータ60は、記憶部60Aに格納された関係式に基づき、マイクロホン40により検出された音圧レベルPをガスの流量Qに換算するようになっている。
【0022】
次に、図1および図2を参照して、この整圧器の作用について説明する。
【0023】
この整圧器では、需要家によるガスの消費量が一定である場合には、メインガバナ30の弁体34A,34Bの開度が一定に保持され、一定量のガスが上流側管路10から下流側管路20へと送出される。
【0024】
一方、需要家によるガスの消費量の増減により2次圧力が変動すると、図示しないが、オキジャリーボール内のダイヤフラムおよびトップボール32内のダイヤフラムが上昇または下降し、それに応じて、弁体34A,34Bの開度が変化する。これにより、上流側管路10から下流側管路20へのガスの流量が調整され2次圧力が設定値に回復される。
【0025】
また、この整圧器では、図2に示したようにマイクロホン40がメインガバナ30内の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波を検出し、その検出信号をマイクロコンピュータ60に出力する。一方、圧力センサ50が1次圧力を検出し、その圧力信号をマイクロコンピュータ60に出力する。マイクロコンピュータ60は、マイクロホン40により検出された音波の周波数毎の音圧レベルPを求め、この周波数毎の音圧レベルPと、圧力センサ50により検出された1次圧力との関係に基づいてガスの流量Qを演算し、その演算値を表示部70に表示させる。
【0026】
このように本実施の形態では、マイクロホン40を備えるようにしたので、2次圧力を調整するだけでなく、マイクロホン40によりメインガバナ30の弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルPを用いることにより簡便に流量計測を行うこともできる。
【0027】
また、周波数毎に予め求められた、1次圧力と、メインガバナ30をガスが通過することにより発生する音波の音圧レベルPと、ガスの流量Qとの相関関係に基づき、マイクロホン40により検出された音波の音圧レベルPを流量に換算するようにしたので、低流量域から高流量域の流量Qを計測することができ、特に、低流量域の流量Qを高精度に計測することができる。また、従来の光開度計のように、整圧器の分解,調整あるいは弁閉塞時のシートへの刃先食い込み等の影響を受けることがないため、より高精度に流量Qを計測することができる。すなわち、高精度かつ高いレンジアビリティでガスの流量Qを計測することができる。
【0028】
更に、マイクロホン40を取り外し可能な蓋体31Cに配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、マイクロホン40により検出された音波の周波数Fおよび音圧レベルPと、圧力センサ50により検出された1次圧力とに基づき流量Qを演算するようにしたが、特に、高精度の流量計測が要求されるものでなければ、音波検出手段により検出された音圧レベルのみに基づき流量Qを演算するようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、マイクロホン40を蓋体31Cに配設してメインガバナ30の内部から弁体34A,34Bと開口部33A,33Bとの間をガスが通過することにより発生する音波を直接検出するようにしたが、蓋体ではなくフィルターなどの他の箇所に配設して検出してもよく、更には、メインガバナの外部から本体の振動による音波として検出してもよく、ガバナ室内から発生する音波として検出してもよい。
【0031】
更に、上記実施の形態では、メインガバナ30の弁体部分をガスが通過することにより発生する音波を検出するようにしたが、ガスの流量の増大に伴い音波を発生させるもの、例えば棒状部材を管路内に挿入し、そこで発生する音波を検出するようにしてもよい。
【0032】
加えて、上記実施の形態では、整圧器にマイクロコンピュータ60および表示部70を設け、整圧器においてガスの流量Qを得るようにしたが、マイクロコンピュータ60および表示部70は必ずしも設ける必要はなく、例えば、現場にパーソナルコンピュータ等を持参し、そのパーソナルコンピュータ等によりガスの流量を得るようにしてもよい。また、マイクロホンにより検出された音波や圧力センサにより検出された1次圧力をデータのまま媒体に保存し、必要に応じてパーソナルコンピュータ等において流量を得るようにしてもよい。更に、整圧器に通信手段を設置し、マイクロホンにより検出された音波や圧力センサにより検出された1次圧力の電気信号を通信網等を介して監視センター等に設置されたホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータあるいはそのホストコンピュータに電気通信回線等を介して接続されたパーソナルコンピュータ等において流量を得るようにしてもよい。このようにすれば、整圧器が設置されている場所まで出向くことなく流量を把握することができる。また、表示部に代えて、ガスの流量を印刷出力あるいは通信出力するような他の装置を用いるようにしてもよい。
【0033】
更にまた、上記実施の形態では、音波検出手段としてマイクロホン、1次圧力検出手段として圧力センサ、流量演算手段としてマイクロコンピュータをそれぞれ例に挙げて説明したが、他の音波検出手段,1次圧力検出手段および流量演算手段を用いるようにしてもよい。
【0034】
加えてまた、上記実施の形態では、本発明をレイノルド式ガバナに適用した例について説明したが、本発明は他の方式の整圧器についても適用可能である。更にまた、本発明は、ガス以外の他の流体の流量を計測する場合にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の整圧器によれば、音波検出手段を備えるようにしたので、下流側管路の圧力を調整するだけでなく、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを利用することにより、簡便に流量計測を行うこともできる。
【0036】
特に、請求項3記載の整圧器によれば、音波検出手段を整圧部に配設された取り外し可能な蓋体に配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【0037】
また、請求項4記載の整圧器によれば、更に流量演算手段を備えるようにしたので、流量計測装置としても機能する。
【0038】
更に、請求項5または請求項6に記載の整圧器によれば、予め求められた、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、より高精度に流体の流量を計測することができる。中でも、請求項6記載の整圧器によれば、整圧部を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、更に高精度に流体の流量を計測することができる。
【0039】
また、請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載の流量計測方法によれば、整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波を検出すると共に、検出した音波の音圧レベルに基づき流体の流量を演算するようにしたので、簡便に流体の流量を高精度かつ高いレンジアビリティで計測することができる。
【0040】
特に、請求項8または請求項9に記載の流量計測方法によれば、予め求められた、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、より高精度に流体の流量を計測することができる。中でも、請求項9記載の流量計測方法によれば、整圧器を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、上流側管路内の流体の圧力と、音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するようにしたので、更に高精度に流体の流量を計測することができる。
【0041】
また、請求項11記載の流量計測方法によれば、音波検出手段を取り外し可能な蓋体に配設するようにしたので、圧力損失を発生させずに流体の流量を計測することができる。また、配管直し等の大幅な工事費が不要なため経済性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る整圧器の要部構成を表す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る整圧器の構成を表すブロック図である。
【図3】図2に示したマイクロホンの配設位置を説明するための斜視図である。
【図4】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との関係を表す特性図である。
【図5】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との関係を1次圧力別に表す特性図である。
【図6】図1に示したメインガバナを流体が通過することにより発生する音波の周波数と音圧レベルとの関係を流量別に表す特性図である。
【図7】従来の流量計測方法の概略を表す図である。
【図8】従来の他の流量計測方法の概略を表す図である。
【符号の説明】
10…上流側管路(1次側管路)、20…下流側管路(2次側管路)、30…メインガバナ、31…本体、31A…入口部、31B…出口部、31C…蓋体、31D…穴、32…トップボール、33…隔壁、33A,33B…開口部、34A,34B…弁体、35…弁棒、36…レバー、40…マイクロホン、50…圧力センサ、60…マイクロコンピュータ、70…表示部、A…領域、F…周波数、P…音圧レベル、Q…流量
Claims (11)
- 上流側管路と下流側管路との間に設けられ、前記下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧部と、
この整圧部を流体が通過することにより発生する音波を検出する音波検出手段と
を備えたことを特徴とする整圧器。 - 前記整圧部は、流体の流路を形成する本体と、この本体内に設けられた開度が変化可能な弁体とを備えており、
前記音波検出手段は前記本体に配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の整圧器。 - 前記本体は取り外し可能な蓋体を備えており、
前記音波検出手段は前記蓋体に配設されている
ことを特徴とする請求項2記載の整圧器。 - 更に、前記音波検出手段により検出された音波の音圧レベルに基づいて流体の流量を演算する流量演算手段を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の整圧器。 - 前記流量演算手段は、予め求められた、前記整圧部を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、前記音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するものである
ことを特徴とする請求項4記載の整圧器。 - 前記流量演算手段は、前記整圧部を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、前記上流側管路内の流体の圧力と、前記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、前記音波検出手段により検出された音波の音圧レベルを流量に換算するものである
ことを特徴とする請求項5記載の整圧器。 - 上流側管路と下流側管路との間に設けられ、前記下流側管路内の流体の圧力を調整する整圧器の内部を流体が通過することにより発生する音波を検出すると共に、前記検出した音波の音圧レベルに基づき流体の流量を演算する
ことを特徴とする流量計測方法。 - 予め求められた、前記整圧器を流体が通過することにより発生する音波の音圧レベルと流体の流量との相関関係に基づき、前記検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算する
ことを特徴とする請求項7記載の流量計測方法。 - 前記整圧器を流体が通過することにより発生する音波の周波数毎に予め求められた、前記上流側管路内の流体の圧力と、前記音波の音圧レベルと、流体の流量との相関関係に基づき、前記検出した音波の音圧レベルを流体の流量に換算する
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の流量計測方法。 - 前記整圧器は、流体の流路を形成する本体と、この本体内に設けられ、開度が変化可能な弁体とを備えたものであり、
音波検出手段を前記本体に配設し、前記音波検出手段により音波を検出する
ことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の流量計測方法。 - 前記整圧器は、前記本体に取り外し可能な蓋体を備えたものであり、前記蓋体に前記音波検出手段を配設させる
ことを特徴とする請求項10記載の流量計測方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071122 |