JP2004190081A - 連続めっき装置に用いられる処理ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連続めっき装置の直列に連結された各種処理部が各々が自立可能な処理ユニット構成とされる。各処理ユニットは隣接する処理ユニットとの連結及び分離を可能とする連結治具及び上下の位置を調整するアジャスタを備えている。また、これら処理ユニット60、61,62,63の直列方向の長さ寸法L0,L1,L2が予め定められた寸法とされている。めっき装置の全体設計を、処理ユニットの設計を行うことで効率的に行うことができ、また、ユニット単位でライン構成ができるため、追加削除変更などを含む工程変更が容易となる。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の浴槽を備えためっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の連続めっき装置の一例を図11に示す。図11において、環状に巡らされたチェーンコンベアCVはスプロケットSP及び支柱17に支えられた梁18に保持されており、図中の矢印方向に連続的に走行する。被めっき対象物であるワークはチェーンコンベアCVに吊り下げられて、直列に連結された各種処理部を順次通過することにより、その表面にめっき処理が連続的に行われる。めっき処理工程の例を説明する。ワークはロード部LDでワーク取付治具を介してチェーンコンベアCVに吊り下げられ、前処理部11、処理液回収部12、及び水洗部13からなる前処理工程を3段回通過してワーク表面の脱脂及び活性化が行われる。次に、めっき処理部14、処理液回収部12、及び水洗部13により、例えばNiめっきが行われ、続けてめっき処理部14、処理液回収部12、及び水洗部13により、例えばAuめっきが行われる。この後、乾燥部15によりワークが乾燥され、アンロード部ULでワークがワーク取付治具から取り外され、このワークに対するめっき処理が完了する。この後、後処理部16、処理液回収部12、及び水洗部13により、ワーク取付治具の後処理が行われ、新たなワークがロードされて、次のめっきサイクルが開始される。チェーンコンベアCVは、所定ロットのワークのめっきが完了するまで、常時複数のワークが吊り下げられた状態となり、各ワークに対して連続的にめっき処理が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなめっき装置は、従来、一品一様的なライン設計が行われており、設計工数的にも多大の負担が要求される。また、従来装置においては、一つの架台に各処理部のパーツが一体化して組み込まれており、例えば、めっき処理部、処理液回収部、及び水洗部が一体化された装置となっている。ライン構成も固定的・確定的なものであり、一旦できあがった装置に対して工程変更をする場合、装置の大改造が必要となり、容易には行うことができない。
【0004】
本発明は、上記課題を解消するものであって、ライン設計の設計工数を削減でき、また、必要に応じて工程変更を容易に行うことができる、連続めっき装置に用いられる処理ユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、直列に連結された各種処理部を順次通過してめっき処理を連続的に行う連続めっき装置に用いられる処理ユニットにおいて、前記各種処理部の各々が自立可能で、かつ、ユニット化されており、各処理部を連結及び分離可能とする連結治具を有する連続めっき装置に用いられる処理ユニットである。
【0006】
上記構成においては、めっき装置の各種処理部として自立可能で、かつ、ユニット化した処理ユニットを用いるので、めっき装置の全体設計を、処理ユニットの設計を行うことで効率的に行うことができる。また、ユニット単位でライン構成が考えられるため、各種処理部の追加削除などのレイアウト変更が容易となる。さらに、ユニット化された各処理部を連結及び分離可能とする連結治具を有するので、処理ユニット相互の一体性を確保してめっき装置を構成することができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の連続めっき装置に用いられる処理ユニットにおいて、前記各種処理部は、上下の位置を調整するアジャスタを備えているものである。
【0008】
上記構成においては、前記各種処理部は、上下の位置を調整するアジャスタを備えているので、工程変更のために各種処理部をユニット単位で追加削除などしてレイアウト変更を行う場合、処理ユニット相互の一体性を確保してめっき装置を構成することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の連続めっき装置に用いられる処理ユニットにおいて、前記各種処理部が、少なくともめっき処理部、洗浄処理部及び、処理液回収処理部を含み、これら処理部の直列方向の長さ寸法が予め定められた寸法とされているものである。この構成においては、前述同様の効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る連続めっき装置について、図面を参照して説明する。図1は短冊状(平板状)ワークの搬送機構、及びユニット化しためっき処理部のめっき槽の構造を示す。なお、連続めっき装置の全体構成は、従来の技術として説明した図11に示した連続めっき装置1と同様である。図1(a)に示す搬送レール21,チェーンガイド22及び給電レール23は、連続めっき装置を巡る環状の構造をしており、また、図1(b)に示すチェーンコンベアCVも同じく環状構造をしている。チェーンコンベアCVはスプロケットSP(図11参照)により駆動され、チェーンガイド22に挟まれてガイドされながら連続めっき装置における上方空間を走行するフレキシブルなコンベアである。このチェーンコンベアCVの下方には、ワーク取付治具30が所定間隔で固定され、また、チェーンコンベアCVと一体となって走行する。ワーク取付治具30は走行方向の左右に平板状ワークWを挟み込んで吊り下げて保持し、これを搬送する。
【0011】
このように保持搬送されるワークWは、図1(c)に示されるユニット化しためっき処理部のめっき槽40の一方の側壁からめっき槽40内に進入し、他方の側壁から退出する。めっき槽40は、進入側から前室44、めっき浴槽41、後室45を有し、めっき浴槽41の左右には側室43を有している。前室44及び後室45とめっき浴槽41の間の仕切板にはスリットSLが設けられており、ワークWはこのスリットSLを通過してめっき浴槽41に進入及び退出する。めっき浴槽41にはめっき電極Eを有するめっき液吐出ヘッド50の側壁から供給されるめっき液が充填されている。また、側室43とめっき浴槽41の間はせき板42が設けられており、めっき浴槽41内のめっき液が、このせき板42の上部を越えて側室43へと流出する。また、前記スリットSLからもめっき液が流出する。これらの流出しためっき液は後述するリザーブタンクに回収され、循環利用される。
【0012】
めっき浴槽41内構造を説明する。図2はめっき槽40の断面を示す。ワークWに対面するめっき液吐出ヘッド50の側壁には多数のめっき液吐出用の吐出孔が設けられており、またその側壁とワークWとに平行にめっき電極Eが設けられている。めっき液吐出ヘッド50の下方にはリザーブタンク(不図示)に接続された配管が設けられている。また、配管途中に設けられた送液ポンプ(不図示)によりリザーブタンクから送られてくるめっき液が吐出孔からワークWの両面に吹き付けられ、ワークWの両面には、常に、より新しいめっき液が置換供給される。
【0013】
給電について説明する。前出の図2は給電部構造を示す。ワーク取付治具30の上部側面には給電部(給電ブラシ)31が設けられており、付勢用ばね32により付勢されて給電レール23に押接されている。めっき浴槽41中のめっき電極Eと給電レール23の間には定電流電源(不図示)が接続されており、静止している給電レール23に対し、ワーク取付治具と共に走行する給電部31が給電レール23の側面を摺動することによりめっき用の電流回路が構成される。
【0014】
処理ユニットにおける処理液循環について説明する。図3はめっき液の循環構造を示す。処理ユニットの下方に設けられたリザーブタンク64に建浴(所定成分の溶液・溶媒の調合)されためっき液Fは、槽液ポンプ65により汲み上げられ、フィルタ66を経由してめっき浴槽41内に設けられためっき液吐出ヘッド50の吐出孔から吐出される。側室43及び前室と後室にオーバフローしためっき液OFは戻り配管により、下方のリザーブタンク64へと回収される。なお、めっき装置に用いられる各種処理部として上記のめっき液が循環するめっき処理部の他に、洗浄処理部や処理液回収処理部がある。これらの処理ユニットでは、例えば洗浄処理部における処理液である洗浄水は、循環して用いられる場合の他に、循環せずに排出される場合がある。したがって、これらの各種処理ユニットに対しては、上記と異なるそれぞれ最適の処理液吐出ヘッド及び配管が用いられることになる。
【0015】
次に、処理ユニットの構造及び構成について説明する。図4(a)(b)は処理ユニットの基本構成を示す。処理ユニット60は、例えば電解めっき用の処理ユニットであり、所定の高さに規格化された上中下の3段構造を有し、また、処理ユニットの幅(処理部の直列方向の長さ、ワーク走行方向の長さ)L0は、予め少数種類に限定して定められたいくつかの寸法の中から選択して決められたものである。上段にはめっき槽40、中段には電解めっき用の定電流電源67とフィルタ66aが設置される。下段には処理液リザーブタンク70と送液ポンプ65,65a、及びフィルタ66が設置される。また、下段の天板の一部は、隣接する処理ユニット間で連続することになり、作業用通路が構成される。
【0016】
また、処理ユニット60の下部には、装置の上下の位置を調整するアジャスタ80が設けられている。処理ユニット60の配置設置時に、設置床面の平坦度が隣接する処理ユニット間において異なった場合でも、めっき電極とワークとの位置精度を確保して、前記チェーンコンベアによる処理ユニット間におけるワーク搬送を行うことができる。また、処理ユニット60が隣りの処理ユニットと隣りあう側面には、ユニット化された各処理部を連結及び分離可能とする連結治具70を有している。
【0017】
連結治具について説明する。図5は隣りあう処理ユニット同士の接続部を示している。隣りあう処理ユニットの一方の架台71aには中央に雌ねじの切られた連結金具70aが設けられ、他方の架台71bには中央の孔とその左右に切られた雌ねじを有する連結金具70bが設けられている。連結金具70aの中央の雌ねじと連結金具70bの中央の孔とボルト72及びワッシャ73により架台71aと架台71bとが互いに引き寄せられて固定される。また、連結金具70bの2つの雌ねじとねじボルト74により両架台間の距離を適切な位置に離間保持することができる。
【0018】
ユニット化された処理ユニットのいくつかの例を説明する。図6乃至図9は各処理ユニットの寸法の違いと、それぞれの部品構成を示す。前出の図11に示したような連続めっき装置1の場合、装置に投入されたワークは全て同じ走行速度で搬送されて各種処理が行われる。このため、成膜するめっき膜の厚さ及び処理量(スループット)に対し、ワークが通過するめっき処理槽の長さが大きな要因となっている。また、成膜条件や成膜の種類の変更に対応するために行われる工程変更に柔軟に対応するため、ユニット化された各処理部は、例えば大中小の三段階の処理ユニットの幅を有するものとすることで、装置設計やレイアウト変更を容易化することができる。図6に示す処理ユニット60は大型のものでありユニット幅L0を有し、図7に示す処理ユニット61は中型のものでありユニット幅L1を有し、また、図8に示す処理ユニット62は小型のものでありユニット幅L2を有し、ユニット幅の大小関係はL2<L1<L0である。また、図6乃至図8に示す各処理ユニットはめっき処理用のものである。
【0019】
また、図9に示す処理ユニット63は、前記処理ユニット62と同じユニット幅L2を有する水洗洗浄処理用のものである。この処理ユニットには定電流電源は不要であり、また、処理槽403の内部構造も、例えばめっき電極が必要でないなどめっき処理用と異なった構造を有している。
【0020】
次に、上述した処理ユニットを用いて連続めっき装置を構成した場合のめっき工程変更について説明する。図10は処理ユニットのレイアウト変更及び処理ユニットの差し替えの例を示す。例えば、図10(a)に示す連続めっき装置1の処理ユニットのレイアウトでは、ユニット幅L0を有するめっき処理ユニット60(Ni2),60(Ni3)によるニッケルめっきの後、ニッケルめっき液の回収及び水洗洗浄をそれぞれユニット幅L2を有する回収処理ユニット62、洗浄処理ユニット63で行い、続いて、ユニット幅L1を有するめっき処理ユニット61(Au−st)、及びユニット幅L0を有するめっき処理ユニット60(Au1),60(Au2)による金めっきの後、金めっき液の回収をそれぞれユニット幅L2を有する回収処理ユニット62a,62b,62cにより行っている。
【0021】
上記のレイアウトにより行っていためっきの処理から、めっきの仕様変更により、例えば必要な膜厚が薄くなると共に、金めっき液の種類が変更された金めっきの処理が必要になった場合、上記の金めっき処理ユニットを使うことができなくなる。これは、めっき槽の液抜きや洗浄処理に多大の時間がかかるからである。このような時に、図10(b)に示すように、ニッケルめっきの処理ユニット60(Ni2)に続けてニッケルめっき液の回収及び水洗洗浄を行う回収処理ユニット62、洗浄処理ユニット63を配置し、続いて、ユニット幅L0を有する新たなめっき処理ユニット60(Au)を、前記めっき処理ユニット60(Ni3)と差し替えて配置する。この場合、前記めっき処理ユニット61(Au−st),60(Au1),60(Au2)は不使用とし、めっき槽にはめっき液の汲み上げ吐出を行わずにワークを素通りさせることとする。このように、処理ユニットの配置換えや差し替えにより、容易に、工程変更に対応することができる。
【0022】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。上記において、処理ユニットとしてめっき処理用及び水洗洗浄処理用の装置を図示して説明したが、処理液回収処理用の処理ユニットも同様に構成することができる。また、乾燥処理用や後処理用の処理ユニットを、前記同様に、例えばユニット幅をL0,L1,L2のいずれかとし、また、各ユニットにアジャスタ及び連結治具を設けることで、連続めっき装置を工程変更に対し柔軟な装置構成とすることができる。また、ユニット幅は上記のL0,L1,L2の3種類に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態による処理ユニットを用いる連続めっき装置のワーク搬送レール及び給電レールの断面斜視図、(b)は同装置のワーク取付治具の斜視図、(c)は同上処理ユニットにおけるめっき槽の斜視図。
【図2】同上処理ユニットにおけるめっき槽の図1(c)におけるA−A断面図。
【図3】同上処理ユニットにおける処理液循環構成図。
【図4】(a)は同上処理ユニットの側面図、(b)は同背面図。
【図5】同上処理ユニットにおける連結治具の斜視図。
【図6】同上処理ユニットの分解斜視図。
【図7】同上処理ユニットの他の例を示す分解斜視図。
【図8】同上処理ユニットのさらに他の例を示す分解斜視図。
【図9】同上処理ユニットのさらに他の例を示す分解斜視図。
【図10】(a)は同上処理ユニットを用いた連続めっき装置の平面図、(b)は同連続めっき装置において処理ユニットの組み替えを行った場合の平面図。
【図11】従来及び本発明が適用される連続めっき装置の平面図。
【符号の説明】
1 連続めっき装置
60,61,62,63 処理ユニット
70 連結治具
80 アジャスタ
L0,L1,L2,L3 ユニット幅(処理部の直列方向の長さ)
Claims (3)
- 直列に連結された各種処理部を順次通過してめっき処理を連続的に行う連続めっき装置に用いられる処理ユニットにおいて、
前記各種処理部の各々が自立可能で、かつ、ユニット化されており、各処理部を連結及び分離可能とする連結治具を有していることを特徴とする連続めっき装置に用いられる処理ユニット。 - 前記各種処理部は、上下の位置を調整するアジャスタを備えていることを特徴とする請求項1記載の連続めっき装置に用いられる処理ユニット。
- 前記各種処理部が、少なくともめっき処理部、洗浄処理部及び、処理液回収処理部を含み、これら処理部の直列方向の長さ寸法が予め定められた寸法とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の連続めっき装置に用いられる処理ユニット。
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WO2019078063A1 (ja) * | 2017-10-20 | 2019-04-25 | アルメックスPe株式会社 | 表面処理装置 |
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- 2002-12-10 JP JP2002358349A patent/JP2004190081A/ja active Pending
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