JP2004186729A - 撮像装置、該撮像装置の製造方法、及び該撮像装置を内蔵した携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、撮像装置における基板と撮像素子との接合部等に不具合が生じにくい構造の撮像装置を提供する。
【解決手段】開口部(10)が形成された基板(PC)と、基板の裏面側に、開口部の少なくとも一部を塞ぐように取り付けられた撮像素子(2)と、撮像素子に入射光を集光する光学部材(1)とを有する撮像装置(100)において、基板の裏面と撮像素子の表面とを離間した状態で電気的に接続する接続部材(接合部J)と、基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられる堰部材(13)と、を備え、接続部材と堰部材との間に接着剤(B)が充填されている構造とした。
【選択図】 図2
【解決手段】開口部(10)が形成された基板(PC)と、基板の裏面側に、開口部の少なくとも一部を塞ぐように取り付けられた撮像素子(2)と、撮像素子に入射光を集光する光学部材(1)とを有する撮像装置(100)において、基板の裏面と撮像素子の表面とを離間した状態で電気的に接続する接続部材(接合部J)と、基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられる堰部材(13)と、を備え、接続部材と堰部材との間に接着剤(B)が充填されている構造とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどの携帯端末に搭載可能な撮像装置、撮像装置の製造方法、及び該撮像装置を内蔵した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の小型、薄型の電子機器に搭載可能な小型で高性能の撮像装置が開発されている。かかる撮像装置には、基板に設けられた撮像素子と、この撮像素子に集光させるためのレンズ等を有する光学部材とが一体化されて備えられているものがある。
【0003】
近年、これら電子機器の更なる薄型化に伴い、撮像装置自体を薄型化するため、例えば、図10に示す撮像装置200のように、基板201に開口部201aを形成し、基板201の裏面側にその開口部201aを塞ぐように撮像素子202を備え、更に、光学部材Rを有する外枠体Cを基板PCの表面側からその開口部201aを通じて当接するように備えることにより、基板201の厚み分、光学素子OPT(光学部材R、外枠体C)の突出を抑える構成ものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上記特許文献1において、図10に示すように、基板201と撮像素子202とは、バンプ203により電気的に接続されている。バンプ接続において、基板201側の開口部201aの周囲に撮像素子202と接続されるボンディングパッドとしての回路パターン(図示省略)と、撮像素子202に設けられた入出力端子(図示省略)とを、バンプ203を介して、接合する。
このバンプ接続の接合方法としては、例えば、超音波溶着によって金属製端子同士を接合する方法の他、ACF(異方性導電性フィルム)やACP(異方性導電性ペースト)等を用いて、接触式の電気的接合を行う方法もある。
【0005】
ここで、バンプ接続されている部分以外の部分は基板201と撮像素子202とが密着されておらず、空隙部(図示省略)が形成される。この空隙部から、埃や水分等が入り込むことを防止するために、接着剤等の樹脂204等を、撮像素子202の端部の全周にわたって配置し、これにより、基板201と撮像素子202との間を封止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−292354号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮像素子202の端部の全周に沿って、基板201の裏面側と撮像素子202の表面側とに当接するように配置される樹脂204は、基板201と撮像素子202との光軸方向における固着には寄与しているが、該光軸方向と垂直な方向における固着にはあまり寄与していなかった。
従って、該光軸方向と垂直な方向に対して、荷重や衝撃が加わった場合、樹脂204は固化しているものの、その荷重などを支える箇所がないため、バンプ203を介した接合部に力が集中して接合部が破壊されたり、ずれてしまうという虞があった。
【0008】
本発明の課題は、撮像装置における基板と撮像素子との接合部等に不具合が生じにくい構造の撮像装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、開口部が形成された基板と、
前記基板の裏面側に、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように取り付けられた撮像素子と、前記撮像素子に入射光を集光する光学部材とを有する撮像装置であって、
前記基板の裏面と前記撮像素子の表面とを離間した状態で電気的に接続する接続部材と、
前記基板の裏面の前記接続部材よりも外側に、前記撮像素子の表面側に突出して設けられる堰部材と、を備え、
前記接続部材と前記堰部材との間に接着剤が充填されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、接続部材は、元々基板又は撮像素子上に設けられていた一の部材であってもよいし、基板と撮像素子の双方に設けられている複数の部材を接合したものであってもよい。
また、接着剤とは、例えば、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱・紫外線併用型接着剤等の樹脂等であるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、堰部材が基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられ、接続部材と堰部材との間に接着剤が充填されているので、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向とする。)との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。即ち、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、接続部材、即ち基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中してしまうことを防ぐことができ、基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中することにより、接続部材が壊れたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記堰部材は、前記撮像素子の側端面部よりも外側に設けられ、
前記接着剤は、前記撮像素子の側端面部と前記堰部材との間に充填されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、撮像素子の側端面部と堰部材の間に接着剤が充填されているので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び該光軸方向と垂直な方向の固着が強化される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記堰部材は、枠状部材であり、その枠内に前記撮像素子が位置するように前記基板上に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材は、枠状部材であり、その枠内に撮像素子が位置するように基板上に配置されるので、撮像素子の外周の全域に亘って接着剤を充填することができることにより、固着を強化できるとともに、複数の堰部材を設けるのに比して製造が容易となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、前記堰部材の突出方向の長さは、前記基板の裏面と前記撮像素子の裏面との間の距離よりも短いことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材の突出方向の長さは、基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離よりも短いので、接着剤を斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、前記光学部材は、前記基板の表面側から、前記開口部を通じて前記撮像素子の表面に当接するように取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、光学部材は、基板の表面側から、開口部を通じて撮像素子の表面に当接するように取り付けられているので、光学部材の寸法精度を安定させ、光学部材の合焦位置を好適な位置とし、所定の光学的機能を達成することができ、組み付け時および組み付け後に、光学部材の合焦位置に関する調整を不要とすることができる。
また、基板の開口部に対応して基板の裏面側に取り付けられた撮像素子に対し、基板の表面側からその開口部を通じて当該撮像素子の表面に当接するように、撮像素子に入射光を集光する光学部材が取り付けられているので、その撮像装置は基板の厚み分、薄く形成されることとなって、薄型化を実現できる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであるので、接着剤とを用いた基板と撮像素子との固着が好適に実行できる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法であって、
前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第1のステップと、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏側に前記撮像素子を取り付ける第2のステップと、
前記堰部材と前記接続部材との間に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第3のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記堰部材と前記接続部材との間に充填された接着剤を硬化させる第4のステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、堰部材と撮像素子とが基板に取り付けられてから、接着剤が充填されるので、堰部材により接着剤が必要ない部分にまで充填されないように堰き止められるので好適であるとともに、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第4のステップは、
前記開口部の外側から開口部を通って、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射することを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第4のステップは、開口部の外側から開口部を通って、基板と撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射するので、撮像素子の撮像領域に熱や紫外線を照射することで撮像領域を傷めることなく接着剤を硬化することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第3のステップにおける接着剤の充填と、前記第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行することを特徴とする。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第3のステップにおける接着剤の充填と、第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行するので、製造時間の短縮が図れる上、接着剤が、必要ない部分にまで流出したり、必要以上に接着剤を充填してしまうことを防ぐことができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置の製造方法であって、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏面側に前記撮像素子を取り付ける第1のステップと、
前記基板の裏面側と前記撮像素子の表面側との間の所定位置に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第2のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤を硬化させて仮止めする第3のステップと、
前記仮止めされた接着剤の上であって、かつ前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第4のステップと、
前記仮止めされた接着剤を硬化させて本止めする第5のステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、基板と撮像素子との間に接着剤を充填し、仮止めした後に堰部材を配置することができるので、接着剤の充填が容易となる。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末である。
【0031】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、小型化することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における撮像装置100の斜視図であり、図2は、図1のII−II線における同撮像装置100の一部省略断面図であり、図3は、撮像装置100の基板PCの一部省略上面図である。図4は、基板PCと撮像素子2との接合部分を説明するための一部省略拡大断面図である。図5は、撮像装置100に備えられた光学部材1の斜視図であり、図6は、同光学部材1の下面図である。図7は、図2のVII−VII線における断面図である。尚、図4は、図1〜図3と、上下逆向き方向となっている。
【0033】
図1〜図4に示されるように、撮像装置100は、開口部10が形成された基板PCと、その基板PCの裏面側から開口部10を塞ぐように備えられた撮像素子2と、基板PCの表面側から開口部10を通じて、その撮像素子2の表面である受光面に当接し、撮像素子2に集光させるための光学部材1と、この光学部材1に入射する光量を調節する絞り板3と、撮像素子2と開口部10とを覆い隠す外枠部材としての鏡枠4と、鏡枠4に備えられた遮光性を有する遮光板5と、遮光板5に支持されるフィルタ6と、遮光板5と光学部材1の間に備えられ、光学部材1を基板PC側へ押圧する押圧部材7と、光学部材1の位置決めを行うために基板PC上の所定位置に配置された位置決め電気部品8a…、及びその他基板PCに配置された電気部品8…等により構成されている。
【0034】
撮像素子2は、例えば、CMOS型イメージセンサ、CCD型イメージセンサ等からなり、矩形薄板状の撮像素子2の端部における上面が、基板PCの裏面側に取り付けられている。撮像素子2の上面中央には、画素が2次元的に配列され、撮像領域としての矩形状の光電変換部2aが形成されており、撮像素子2が基板PCの裏面に取り付けられた際、基板PCに形成された開口部10を通して、基板PCの表面側から光電変換部2aが露出するようになっている。
【0035】
また、撮像素子2の端部における上面と、基板PCの裏面側とは、電極としてのバンプ12を介して取り付けられており、撮像素子2と基板PCとはバンプ12により電気的に接続されている。
【0036】
より詳細には、図2、図4に示すように、基板PCの開口部10の内縁線部10aに沿うようにして、撮像素子2との接続部材としてのボンディングパッドBP…が配置されている。このボンディングパッドBP…は、銅、ニッケル、金、パラジウムやこれらの合金、或いはこれらの金属を積層することによって構成される。
また、撮像素子2において、光電変換部2aの外周の上記ボンディングパッドBP…と対応した位置に設けられた入出力端子(図示省略)上にバンプ12(接続部材)が設けられている。そして、このバンプ12を介して、撮像素子2の入出力端子と、基板PCのボンディングパッドBP…とが接合されることにより、撮像素子2と基板PCとが電気的に接続されている。その接合方法として、例えば、超音波溶着の他、ACF(異方性導電性フィルム)、ACP(異方性導電性ペースト)等がある。
【0037】
また、図1〜図3に示すように、基板PCの裏面側には、撮像素子2の外側を囲むように、例えば、ポリイミド製の枠状の堰部材13が設けられている。
【0038】
そして、図4に示すように、前記堰部材13と、ボンディングパッドBPとバンプ12とが接合されてなる接合部J(接続部材)との間に、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されている。
この接着剤Bは、接着部位に充填後、接着部位の加熱や、接着部位への紫外線照射、その他の手段、又はこれらを複合的に行うことにより硬化させることが可能な樹脂等であって、一般的な熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱・紫外線併用硬化型接着剤、複合硬化型接着剤等である。
より詳細には、例えば、熱及び紫外線の照射のいずれであっても硬化可能な熱・紫外線併用硬化型接着剤(樹脂)として、例えば、スリーボンド3012(登録商標)、ワールドロックNo.863(登録商標)、等が挙げられる。その他の手段としての硬化剤、硬化促進剤で硬化が促進されるとともに、紫外線照射でも硬化可能な複合硬化型接着剤としては、硬化促進剤としてスリーボンド3095(登録商標)を使用するスリーボンド3006(登録商標)等が挙げられる。
【0039】
また、図4において、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さ(堰部材13の高さ)をaとし、堰部材13の幅をbとし、堰部材13と、撮像素子2の外端部との距離の長さをcとし、基板PCと撮像素子2との間隔、即ち、接合部Jの長さをdとし、基板PCの裏面から、撮像素子2の裏面までの距離の長さをeとする。そして、図4において、堰部材の高さaは、堰部材13と撮像素子2との距離c以上であり、このcは、0.1mmよりも大きい。これは、堰部材13そのものの製造誤差や基板PC上の貼着における誤差を考慮して十分な間隔を備える為である。
また、堰部材13の高さaは、基板PCと撮像素子2との間隔である接合部Jの長さdよりも大きい。これにより、接合部Jを光軸と垂直な方向からの衝撃より防御することができる。また、堰部材13の幅bは、堰部材の高さaよりも長い。これにより、堰部材13の基板PC上の固着が安定する。また、堰部材13の高さaは、基板PCの裏面から撮像素子2の裏面までの距離の長さeよりも短いので、接着剤Bを斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0040】
そして、この接着剤Bが、堰部材13と、接合部Jとの間に充填されていることにより、外部からの埃や水分の進入を防ぐことができる防塵、防湿の機能を果たす。これに加えて、更に、基板PCと撮像素子2との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向という。)との双方において、基板PCと撮像素子2との固着強度が増す。
即ち、接着剤が接合部のみならず堰部材13とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部J、即ち基板PCと撮像素子2との電気的接合点に荷重が集中してしまい、接合点Jがずれたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0041】
また、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されていることにより、堰部材の側面のほぼ全域が接着されることとなるので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び垂直方向の固着が強化される。
【0042】
尚、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部Jの光電変換部2a側においても、基板PCと撮像素子2との間に、接着剤Bが充填されている。従って、開口部10から水分や埃が光電変換部2aや、光学部材1と撮像素子2との当接部等に進入することを防御することができるようになっている。
【0043】
上記接着剤Bの充填方法、硬化方法については後述する。
【0044】
光学部材1は、透明なプラスチック材料を素材とし、図2、図5〜図7に示されるように、管状の脚部1cと、この脚部1cに支持される凸レンズ形状のレンズ部1aとが一体的に形成されている。脚部1cは、下端に形成された4つの当接部1dと、上端周囲に形成された上脚部1eと、当接部1dと上脚部1eとの間に形成された下脚部1fとを備えている。また、脚部1cの上端を塞ぐ板状の上面部1bの中央にレンズ部1aが形成されている。そして、当接部1dは、基板PCの開口部10を通じて撮像素子2上の所定位置に当接する。
下脚部1fは、水平断面視において円の外周の2点を結ぶ線(弦)によって切り欠かれた略D字形状となっており、被嵌合部を形成している。
【0045】
また、上面部1bの上面であって、レンズ部1aの周囲には、遮光性のある素材からなり、凸レンズ部1aのFナンバーを規定する第1の絞りとしての開口3aを有する絞り板3が接着剤により固定されている。
【0046】
光学部材1の外側には、遮光性のある素材からなり外枠部材を構成する鏡枠4が配置されている。鏡枠4には、図1に示すように、角柱状の下部4aと、円筒状の上部4bとが設けられている。鏡枠4の上部4bの上端には、遮光板5が接着剤Bにより取り付けられている。遮光板5は、その中央に第2の絞りとしての開口5aを有している。遮光板5の中央の開口5aの下方に、赤外線吸収特性を有する素材からなるフィルタ6が接着剤Bにより接合されている。そして、この遮光板5とフィルタ6とでカバー部材11を構成する。
【0047】
また、下部4aの下端部4aaは、基板PC上に鏡枠4が取り付けられる際の接着部位となる箇所であって、鏡枠4の下部4aが基板PC上に当接され取り付けられる際には、下部4aの下端部4aaと、基板PCとの間に接着剤Bが充填され、固着される。
このように、基板PCと鏡枠4とカバー部材11とが密着し接合しているので、基板PCと鏡枠4とカバー部材11等に覆われる光学部材1や撮像素子2の表面は、環境外乱である埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
つまり、鏡枠4とカバー部材12とで構成される外枠部材が、光学部材1や基板PCの開口部10、撮像素子2の表面を覆うことにより、撮像装置100は、防塵、防湿の構造、光学部材1等の保護構造を有する。
【0048】
また、鏡枠4の下部4aと上部4bとの間の隔壁4cの内周面には、光学部材1の被嵌合部である下脚部1fに対応した嵌合部としてのD溝44が形成されており、図7に示されるように、このD溝44に下脚部1fが密着的に嵌合している。このような、下脚部1fとD溝44との嵌合により、光学部材1は、例えば、光学部材1のレンズ部1aの光軸を中心とした回転が防止されるように、鏡枠4に位置規制されている。
【0049】
また、光学部材1は鏡枠4に位置規制されているので、基板PCの所定位置に、例えば、後述する位置決め電気部品8に基づき、鏡枠4を位置決めして配置することにより、基板PCの所定位置に光学部材1を配置することができ、例えば、基板PCに備えられた撮像素子2の光電変換部2aの中心と、鏡枠4に嵌合された光学部材1のレンズ部1aの光軸の中心を一致させるように備えることができる。
また、光学部材1は鏡枠4に位置規制されているため、基板PCの所定位置に鏡枠4が配置され、固定された状態においては、光学部材1は所定の位置からずれにくく、例えば、光学部材1のレンズ部1aの光軸の中心と、撮像素子2の光電変換部2aの中心とが一致した状態を維持しやすい。
【0050】
図2において、光学部材1と、遮光板5との間には、例えば、コイルばねなどの弾性部材により構成された押圧部材7が配置されている。遮光板5が鏡枠4に取り付けられることで、遮光板5が押圧部材7を押圧して、押圧部材7が弾性変形する。この押圧部材7は、光学部材1を図2中において、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材1を撮像素子2に付勢する。ここで、遮光板5から下方の撮像素子2に向かう力が加わった際、押圧部材7が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は直接撮像素子2には伝達されず、撮像素子2が破損することを防ぐ効果がある。
【0051】
電気部品8…は、撮像装置100を動作させ、画像処理を行うために必要な電気部品である。このように電気部品8…が基板PC上に設けられているので、撮像装置100を一つのユニットとして様々な電子機器に搭載しやすくなる。
位置決め電気部品8a・・・は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であり、図2において、基板PC上の鏡枠4と、開口部10との間であって、鏡枠4に近接し、鏡枠4の4隅に対応して配置されている。この位置決め電気部品8a・・・は、鏡枠4を基板PC上に固着する際の固定位置の近傍にあり、鏡枠4の位置決め指標となる。なお、位置決め電気部品8aは、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等に限らず、撮像装置100に必要な電気部品であればよい。
【0052】
次に、上記撮像装置100の製造方法のうち、特に基板PCと撮像素子2との固着方法について説明を行う。
【0053】
まず、基板PCの裏面側の適所に、上述の接着剤B等を塗布し、堰部材13を貼着する。
【0054】
次いで、撮像素子2の側端面部2bと、堰部材13との間の開口した部分から接着剤Bを充填していくのと同時に、図8に示すような、例えば、電熱ヒータ等の加熱装置14(照射手段)により、該加熱装置14の二股状に形成された排出口14a、14aから加熱することにより、充填された接着剤Bを硬化させる。これにより、基板PCと撮像素子2との固着処理が完了する。尚、図8は、図4と同様に、図1〜図3と上下逆向き方向となっている。
【0055】
ここで、加熱装置14の二股状の排出口は14a、14aは、撮像素子2の表面と略平行方向から加熱できる(熱を照射できる)形状になっている。即ち、加熱装置14の二股状の排出口14a、14aは、開口部10の外側から、開口部10を通って、直接、接着剤Bが加熱することができるように配置されている。従って、光電変換部2aに対して熱を与えて傷めてしまうことがなく、好適である。また、硬化させながら接着剤Bを充填することにより接着剤Bが、光電変換部2a等の必要ない部分にまで流出したりすることを防ぐことができる。
【0056】
尚、上記加熱装置14の排出口14a…は二股状にかぎられるものではなく、複数の排出口14…を備えており、同時に複数箇所の硬化処理を実行してもよい。この場合、硬化処理の時間が短縮される上、温度、時間等が同条件で硬化できることとなって、均一的な固着が実現することとなって好適である。
【0057】
また、上記接着剤Bの硬化処理は、接着剤Bが熱硬化型接着剤以外でも、例えば、紫外線硬化型、又は熱・紫外線併用硬化型でもよい。この場合、加熱装置14に代わって、または加熱装置14と併用して紫外線照射装置(図示なし)を接着剤Bの充填位置に照射することにより、接着剤Bを硬化させる構成であってもよい。また、紫外線照射装置(図示なし)においても、加熱装置14と同様に、紫外線が光電変換部2aに当たらないような構造、例えば、紫外線の照射口が複股状で光電変換部2aと平行方向に照射可能等の構造等であってもよい。
【0058】
次に、上記撮像装置100を一例として本発明の撮像装置を搭載した携帯端末について説明する。
図9に示すように、携帯端末は、例えば、折り畳み式携帯電話機T(以下、携帯電話機Tという)であり、表示画面Dを備えたケースとしての上筐体71と、操作ボタンPを備えた下筐体72とがヒンジ73を介して連結されている。撮像装置100は、上筐体71の内表面側(表示画面Dを有する側)の表示画面Dの下方に内蔵されており、撮像装置100(光学部材1)が上筐体71の外表面から光を取り込めるものとされている。このように、携帯電話機Tに薄型化された撮像装置100を内蔵することにより、携帯電話機Tをより薄型化することができ、撮像対象との距離や、撮像環境に合わせて撮像装置100の機能を使い分けることにより、付加価値の高い携帯電話機Tとすることができる。
尚、携帯電話機Tのその他の構成要素は、公知であるため、説明を省略する。
【0059】
このように、撮像装置100において、撮像素子2が基板PCの裏面側から基板PCの開口部10を塞ぐように備えられるとともに、基板PCの表面側から開口部10を通じて、その撮像素子2の光電変換部2aに当接するように光学部材1が備えられているので、基板PCとの厚さの分、基板PC表面から垂直方向への光学部材1の突出を抑えることができる。よって、その光学部材1の突出を抑えた分、撮像装置100の厚みを薄くすることができる。
【0060】
また、堰部材13が設けられていることにより、基板PCと撮像素子2との接合部Jとの周囲に接着剤Bが充填されていることにより、外部からの埃や水分の進入を防ぐことができる防塵、防湿の機能を果たす。これに加えて、更に、基板PCと撮像素子2との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向という。)との双方において、基板PCと撮像素子2との固着強度が増す。即ち、接着剤が接合部のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部J、即ち基板PCと撮像素子2との電気的接合点に荷重が集中してしまい、接合点Jがずれたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0061】
また、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されていることにより、堰部材の側面のほぼ全域が接着されることとなるので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び垂直方向の固着が強化される。
【0062】
また、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さは、基板PCと撮像素子2との間隔よりも短いので、接着剤Bを斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0063】
また、光学部材1や、光学部材1が備えられた撮像素子2の表面は、鏡枠4とカバー部材12等の外枠部材により覆われていることにより、光学部材1や撮像素子2は、撮像装置100の外部からの埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護されるので、光学部材1や撮像素子2の状態に起因する撮像情報への影響を排除することができる。
また、光学部材1は、鏡枠4に嵌合され、位置規制されているので、鏡枠4を基板PCの所定の位置に固着することに基づき、光学部材1を基板PCや基板PCに備えられた撮像素子2に対し、所定の位置合わせを行うように備えることができるとともに、光学部材1が基板PCや基板PCに備えられた撮像素子2の所定位置からずれることを防ぐことができる。
【0064】
尚、以上の実施の形態においては、堰部材13は、ポリイミド製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、接着剤Bと同素材等であってもよい。また、基板PCは、リジット基板であってもフレキシブル基板であってもよい。尚、基板PCと堰部材13とが、例えば、ポリイミド製等の同素材からなっていてもよい。
【0065】
また、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さは上記に限定されるものではなく、例えば、基板PCの裏面側から撮像素子2の裏面側までの長さと同等であってもよい。この場合、垂直方向の固着をより強化することができる。
【0066】
また、上記基板PCと撮像素子2との固着方法における順序は上記に限定されるものではない。例えば、基板PCに撮像素子2を取り付けた後に堰部材13を取り付けてもよい。
また、例えば、基板PCの裏面側に撮像素子2を取り付け、基板PCの裏面側と撮像素子2の表面側との間の所定位置、例えば、接合部Jの周囲に、接着剤Bを充填し、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、充填された接着剤を硬化させて仮止めする。
そして、仮止めされた接着剤Bの上で、かつ基板PCの所定位置に堰部材13を配置し、仮止めされた接着剤Bを硬化させて本止めする構成であってもよい。
この場合、基板PCと撮像素子2との間に接着剤Bを充填し、仮止めした後に堰部材13を配置することができるので、接着剤13の充填が容易となる。
【0067】
また、光学部材1に形成された被嵌合部である下脚部1fは、断面略D字形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなくその他の嵌合形状であってもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、堰部材が基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられ、接続部材と堰部材との間に接着剤が充填されているので、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向とする。)との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。即ち、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、接続部材、即ち基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中してしまうことを防ぐことができ、基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中することにより、接続部材が壊れたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、撮像素子の側端面部と堰部材の間に接着剤が充填されているので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び該光軸方向と垂直な方向の固着が強化される。
【0070】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材は、枠状部材であり、その枠内に撮像素子が位置するように基板上に配置されるので、撮像素子の外周の全域に亘って接着剤を充填することができることにより、固着を強化できるとともに、複数の堰部材を設けるのに比して製造が容易となる。
【0071】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材の突出方向の長さは、基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離よりも短いので、接着剤を斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0072】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、光学部材は、基板の表面側から、開口部を通じて撮像素子の表面に当接するように取り付けられているので、光学部材の寸法精度を安定させ、光学部材の合焦位置を好適な位置とし、所定の光学的機能を達成することができ、組み付け時および組み付け後に、光学部材の合焦位置に関する調整を不要とすることができる。
また、基板の開口部に対応して基板の裏面側に取り付けられた撮像素子に対し、基板の表面側からその開口部を通じて当該撮像素子の表面に当接するように、撮像素子に入射光を集光する光学部材が取り付けられているので、その撮像装置は基板の厚み分、薄く形成されることとなって、薄型化を実現できる。
【0073】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであるので、接着剤とを用いた基板と撮像素子との固着が好適に実行できる。
【0074】
請求項7に記載の発明によれば、堰部材と撮像素子とが基板に取り付けられてから、接着剤が充填されるので、堰部材により接着剤が必要ない部分にまで充填されないように堰き止められるので好適であるとともに、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。
【0075】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第4のステップは、開口部の外側から開口部を通って、基板と撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射するので、撮像素子の撮像領域に熱や紫外線を照射することで撮像領域を傷めることなく接着剤を硬化することができる。
【0076】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第3のステップにおける接着剤の充填と、前記第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行することを特徴とする。
【0077】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第3のステップにおける接着剤の充填と、第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行するので、製造時間の短縮が図れる上、接着剤が、必要ない部分にまで流出したり、必要以上に接着剤を充填してしまうことを防ぐことができる。
【0078】
請求項10に記載の発明によれば、基板と撮像素子との間に接着剤を充填し、仮止めした後に堰部材を配置することができるので、接着剤の充填が容易となる。
【0079】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる撮像装置を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における撮像装置の一部省略断面図である。
【図3】図1の撮像装置における基板の一部省略上面図である。
【図4】基板と撮像素子との接合部分を説明するための一部省略拡大断面図である。
【図5】本発明にかかる撮像装置に備えられた光学部材の斜視図である。
【図6】図5の光学部材の下面図である。
【図7】図2のVII−VII線における断面図である。
【図8】本発明にかかる撮像装置において、接着剤を硬化させる方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明の撮像装置を搭載した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【図10】従来の撮像装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光学部材
2 撮像素子
2a 光電変換部(撮像領域)
2b 側端面部
10 開口部
12 バンプ(接続部材)
13 堰部材
14 加熱装置(照射手段)
100 撮像装置
PC 基板
BP ボンディングパッド(接続部材)
J 接合部(接続部材)
B 接着剤
T 折り畳み式携帯電話機(携帯端末)
a 堰部材の突出方向の長さ
e 基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離の長さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどの携帯端末に搭載可能な撮像装置、撮像装置の製造方法、及び該撮像装置を内蔵した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の小型、薄型の電子機器に搭載可能な小型で高性能の撮像装置が開発されている。かかる撮像装置には、基板に設けられた撮像素子と、この撮像素子に集光させるためのレンズ等を有する光学部材とが一体化されて備えられているものがある。
【0003】
近年、これら電子機器の更なる薄型化に伴い、撮像装置自体を薄型化するため、例えば、図10に示す撮像装置200のように、基板201に開口部201aを形成し、基板201の裏面側にその開口部201aを塞ぐように撮像素子202を備え、更に、光学部材Rを有する外枠体Cを基板PCの表面側からその開口部201aを通じて当接するように備えることにより、基板201の厚み分、光学素子OPT(光学部材R、外枠体C)の突出を抑える構成ものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上記特許文献1において、図10に示すように、基板201と撮像素子202とは、バンプ203により電気的に接続されている。バンプ接続において、基板201側の開口部201aの周囲に撮像素子202と接続されるボンディングパッドとしての回路パターン(図示省略)と、撮像素子202に設けられた入出力端子(図示省略)とを、バンプ203を介して、接合する。
このバンプ接続の接合方法としては、例えば、超音波溶着によって金属製端子同士を接合する方法の他、ACF(異方性導電性フィルム)やACP(異方性導電性ペースト)等を用いて、接触式の電気的接合を行う方法もある。
【0005】
ここで、バンプ接続されている部分以外の部分は基板201と撮像素子202とが密着されておらず、空隙部(図示省略)が形成される。この空隙部から、埃や水分等が入り込むことを防止するために、接着剤等の樹脂204等を、撮像素子202の端部の全周にわたって配置し、これにより、基板201と撮像素子202との間を封止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−292354号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮像素子202の端部の全周に沿って、基板201の裏面側と撮像素子202の表面側とに当接するように配置される樹脂204は、基板201と撮像素子202との光軸方向における固着には寄与しているが、該光軸方向と垂直な方向における固着にはあまり寄与していなかった。
従って、該光軸方向と垂直な方向に対して、荷重や衝撃が加わった場合、樹脂204は固化しているものの、その荷重などを支える箇所がないため、バンプ203を介した接合部に力が集中して接合部が破壊されたり、ずれてしまうという虞があった。
【0008】
本発明の課題は、撮像装置における基板と撮像素子との接合部等に不具合が生じにくい構造の撮像装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、開口部が形成された基板と、
前記基板の裏面側に、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように取り付けられた撮像素子と、前記撮像素子に入射光を集光する光学部材とを有する撮像装置であって、
前記基板の裏面と前記撮像素子の表面とを離間した状態で電気的に接続する接続部材と、
前記基板の裏面の前記接続部材よりも外側に、前記撮像素子の表面側に突出して設けられる堰部材と、を備え、
前記接続部材と前記堰部材との間に接着剤が充填されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、接続部材は、元々基板又は撮像素子上に設けられていた一の部材であってもよいし、基板と撮像素子の双方に設けられている複数の部材を接合したものであってもよい。
また、接着剤とは、例えば、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱・紫外線併用型接着剤等の樹脂等であるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、堰部材が基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられ、接続部材と堰部材との間に接着剤が充填されているので、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向とする。)との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。即ち、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、接続部材、即ち基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中してしまうことを防ぐことができ、基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中することにより、接続部材が壊れたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記堰部材は、前記撮像素子の側端面部よりも外側に設けられ、
前記接着剤は、前記撮像素子の側端面部と前記堰部材との間に充填されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、撮像素子の側端面部と堰部材の間に接着剤が充填されているので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び該光軸方向と垂直な方向の固着が強化される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記堰部材は、枠状部材であり、その枠内に前記撮像素子が位置するように前記基板上に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材は、枠状部材であり、その枠内に撮像素子が位置するように基板上に配置されるので、撮像素子の外周の全域に亘って接着剤を充填することができることにより、固着を強化できるとともに、複数の堰部材を設けるのに比して製造が容易となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、前記堰部材の突出方向の長さは、前記基板の裏面と前記撮像素子の裏面との間の距離よりも短いことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材の突出方向の長さは、基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離よりも短いので、接着剤を斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、前記光学部材は、前記基板の表面側から、前記開口部を通じて前記撮像素子の表面に当接するように取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、光学部材は、基板の表面側から、開口部を通じて撮像素子の表面に当接するように取り付けられているので、光学部材の寸法精度を安定させ、光学部材の合焦位置を好適な位置とし、所定の光学的機能を達成することができ、組み付け時および組み付け後に、光学部材の合焦位置に関する調整を不要とすることができる。
また、基板の開口部に対応して基板の裏面側に取り付けられた撮像素子に対し、基板の表面側からその開口部を通じて当該撮像素子の表面に当接するように、撮像素子に入射光を集光する光学部材が取り付けられているので、その撮像装置は基板の厚み分、薄く形成されることとなって、薄型化を実現できる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであるので、接着剤とを用いた基板と撮像素子との固着が好適に実行できる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法であって、
前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第1のステップと、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏側に前記撮像素子を取り付ける第2のステップと、
前記堰部材と前記接続部材との間に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第3のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記堰部材と前記接続部材との間に充填された接着剤を硬化させる第4のステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、堰部材と撮像素子とが基板に取り付けられてから、接着剤が充填されるので、堰部材により接着剤が必要ない部分にまで充填されないように堰き止められるので好適であるとともに、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第4のステップは、
前記開口部の外側から開口部を通って、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射することを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第4のステップは、開口部の外側から開口部を通って、基板と撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射するので、撮像素子の撮像領域に熱や紫外線を照射することで撮像領域を傷めることなく接着剤を硬化することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第3のステップにおける接着剤の充填と、前記第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行することを特徴とする。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第3のステップにおける接着剤の充填と、第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行するので、製造時間の短縮が図れる上、接着剤が、必要ない部分にまで流出したり、必要以上に接着剤を充填してしまうことを防ぐことができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置の製造方法であって、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏面側に前記撮像素子を取り付ける第1のステップと、
前記基板の裏面側と前記撮像素子の表面側との間の所定位置に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第2のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤を硬化させて仮止めする第3のステップと、
前記仮止めされた接着剤の上であって、かつ前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第4のステップと、
前記仮止めされた接着剤を硬化させて本止めする第5のステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、基板と撮像素子との間に接着剤を充填し、仮止めした後に堰部材を配置することができるので、接着剤の充填が容易となる。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末である。
【0031】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、小型化することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における撮像装置100の斜視図であり、図2は、図1のII−II線における同撮像装置100の一部省略断面図であり、図3は、撮像装置100の基板PCの一部省略上面図である。図4は、基板PCと撮像素子2との接合部分を説明するための一部省略拡大断面図である。図5は、撮像装置100に備えられた光学部材1の斜視図であり、図6は、同光学部材1の下面図である。図7は、図2のVII−VII線における断面図である。尚、図4は、図1〜図3と、上下逆向き方向となっている。
【0033】
図1〜図4に示されるように、撮像装置100は、開口部10が形成された基板PCと、その基板PCの裏面側から開口部10を塞ぐように備えられた撮像素子2と、基板PCの表面側から開口部10を通じて、その撮像素子2の表面である受光面に当接し、撮像素子2に集光させるための光学部材1と、この光学部材1に入射する光量を調節する絞り板3と、撮像素子2と開口部10とを覆い隠す外枠部材としての鏡枠4と、鏡枠4に備えられた遮光性を有する遮光板5と、遮光板5に支持されるフィルタ6と、遮光板5と光学部材1の間に備えられ、光学部材1を基板PC側へ押圧する押圧部材7と、光学部材1の位置決めを行うために基板PC上の所定位置に配置された位置決め電気部品8a…、及びその他基板PCに配置された電気部品8…等により構成されている。
【0034】
撮像素子2は、例えば、CMOS型イメージセンサ、CCD型イメージセンサ等からなり、矩形薄板状の撮像素子2の端部における上面が、基板PCの裏面側に取り付けられている。撮像素子2の上面中央には、画素が2次元的に配列され、撮像領域としての矩形状の光電変換部2aが形成されており、撮像素子2が基板PCの裏面に取り付けられた際、基板PCに形成された開口部10を通して、基板PCの表面側から光電変換部2aが露出するようになっている。
【0035】
また、撮像素子2の端部における上面と、基板PCの裏面側とは、電極としてのバンプ12を介して取り付けられており、撮像素子2と基板PCとはバンプ12により電気的に接続されている。
【0036】
より詳細には、図2、図4に示すように、基板PCの開口部10の内縁線部10aに沿うようにして、撮像素子2との接続部材としてのボンディングパッドBP…が配置されている。このボンディングパッドBP…は、銅、ニッケル、金、パラジウムやこれらの合金、或いはこれらの金属を積層することによって構成される。
また、撮像素子2において、光電変換部2aの外周の上記ボンディングパッドBP…と対応した位置に設けられた入出力端子(図示省略)上にバンプ12(接続部材)が設けられている。そして、このバンプ12を介して、撮像素子2の入出力端子と、基板PCのボンディングパッドBP…とが接合されることにより、撮像素子2と基板PCとが電気的に接続されている。その接合方法として、例えば、超音波溶着の他、ACF(異方性導電性フィルム)、ACP(異方性導電性ペースト)等がある。
【0037】
また、図1〜図3に示すように、基板PCの裏面側には、撮像素子2の外側を囲むように、例えば、ポリイミド製の枠状の堰部材13が設けられている。
【0038】
そして、図4に示すように、前記堰部材13と、ボンディングパッドBPとバンプ12とが接合されてなる接合部J(接続部材)との間に、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されている。
この接着剤Bは、接着部位に充填後、接着部位の加熱や、接着部位への紫外線照射、その他の手段、又はこれらを複合的に行うことにより硬化させることが可能な樹脂等であって、一般的な熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱・紫外線併用硬化型接着剤、複合硬化型接着剤等である。
より詳細には、例えば、熱及び紫外線の照射のいずれであっても硬化可能な熱・紫外線併用硬化型接着剤(樹脂)として、例えば、スリーボンド3012(登録商標)、ワールドロックNo.863(登録商標)、等が挙げられる。その他の手段としての硬化剤、硬化促進剤で硬化が促進されるとともに、紫外線照射でも硬化可能な複合硬化型接着剤としては、硬化促進剤としてスリーボンド3095(登録商標)を使用するスリーボンド3006(登録商標)等が挙げられる。
【0039】
また、図4において、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さ(堰部材13の高さ)をaとし、堰部材13の幅をbとし、堰部材13と、撮像素子2の外端部との距離の長さをcとし、基板PCと撮像素子2との間隔、即ち、接合部Jの長さをdとし、基板PCの裏面から、撮像素子2の裏面までの距離の長さをeとする。そして、図4において、堰部材の高さaは、堰部材13と撮像素子2との距離c以上であり、このcは、0.1mmよりも大きい。これは、堰部材13そのものの製造誤差や基板PC上の貼着における誤差を考慮して十分な間隔を備える為である。
また、堰部材13の高さaは、基板PCと撮像素子2との間隔である接合部Jの長さdよりも大きい。これにより、接合部Jを光軸と垂直な方向からの衝撃より防御することができる。また、堰部材13の幅bは、堰部材の高さaよりも長い。これにより、堰部材13の基板PC上の固着が安定する。また、堰部材13の高さaは、基板PCの裏面から撮像素子2の裏面までの距離の長さeよりも短いので、接着剤Bを斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0040】
そして、この接着剤Bが、堰部材13と、接合部Jとの間に充填されていることにより、外部からの埃や水分の進入を防ぐことができる防塵、防湿の機能を果たす。これに加えて、更に、基板PCと撮像素子2との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向という。)との双方において、基板PCと撮像素子2との固着強度が増す。
即ち、接着剤が接合部のみならず堰部材13とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部J、即ち基板PCと撮像素子2との電気的接合点に荷重が集中してしまい、接合点Jがずれたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0041】
また、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されていることにより、堰部材の側面のほぼ全域が接着されることとなるので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び垂直方向の固着が強化される。
【0042】
尚、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部Jの光電変換部2a側においても、基板PCと撮像素子2との間に、接着剤Bが充填されている。従って、開口部10から水分や埃が光電変換部2aや、光学部材1と撮像素子2との当接部等に進入することを防御することができるようになっている。
【0043】
上記接着剤Bの充填方法、硬化方法については後述する。
【0044】
光学部材1は、透明なプラスチック材料を素材とし、図2、図5〜図7に示されるように、管状の脚部1cと、この脚部1cに支持される凸レンズ形状のレンズ部1aとが一体的に形成されている。脚部1cは、下端に形成された4つの当接部1dと、上端周囲に形成された上脚部1eと、当接部1dと上脚部1eとの間に形成された下脚部1fとを備えている。また、脚部1cの上端を塞ぐ板状の上面部1bの中央にレンズ部1aが形成されている。そして、当接部1dは、基板PCの開口部10を通じて撮像素子2上の所定位置に当接する。
下脚部1fは、水平断面視において円の外周の2点を結ぶ線(弦)によって切り欠かれた略D字形状となっており、被嵌合部を形成している。
【0045】
また、上面部1bの上面であって、レンズ部1aの周囲には、遮光性のある素材からなり、凸レンズ部1aのFナンバーを規定する第1の絞りとしての開口3aを有する絞り板3が接着剤により固定されている。
【0046】
光学部材1の外側には、遮光性のある素材からなり外枠部材を構成する鏡枠4が配置されている。鏡枠4には、図1に示すように、角柱状の下部4aと、円筒状の上部4bとが設けられている。鏡枠4の上部4bの上端には、遮光板5が接着剤Bにより取り付けられている。遮光板5は、その中央に第2の絞りとしての開口5aを有している。遮光板5の中央の開口5aの下方に、赤外線吸収特性を有する素材からなるフィルタ6が接着剤Bにより接合されている。そして、この遮光板5とフィルタ6とでカバー部材11を構成する。
【0047】
また、下部4aの下端部4aaは、基板PC上に鏡枠4が取り付けられる際の接着部位となる箇所であって、鏡枠4の下部4aが基板PC上に当接され取り付けられる際には、下部4aの下端部4aaと、基板PCとの間に接着剤Bが充填され、固着される。
このように、基板PCと鏡枠4とカバー部材11とが密着し接合しているので、基板PCと鏡枠4とカバー部材11等に覆われる光学部材1や撮像素子2の表面は、環境外乱である埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
つまり、鏡枠4とカバー部材12とで構成される外枠部材が、光学部材1や基板PCの開口部10、撮像素子2の表面を覆うことにより、撮像装置100は、防塵、防湿の構造、光学部材1等の保護構造を有する。
【0048】
また、鏡枠4の下部4aと上部4bとの間の隔壁4cの内周面には、光学部材1の被嵌合部である下脚部1fに対応した嵌合部としてのD溝44が形成されており、図7に示されるように、このD溝44に下脚部1fが密着的に嵌合している。このような、下脚部1fとD溝44との嵌合により、光学部材1は、例えば、光学部材1のレンズ部1aの光軸を中心とした回転が防止されるように、鏡枠4に位置規制されている。
【0049】
また、光学部材1は鏡枠4に位置規制されているので、基板PCの所定位置に、例えば、後述する位置決め電気部品8に基づき、鏡枠4を位置決めして配置することにより、基板PCの所定位置に光学部材1を配置することができ、例えば、基板PCに備えられた撮像素子2の光電変換部2aの中心と、鏡枠4に嵌合された光学部材1のレンズ部1aの光軸の中心を一致させるように備えることができる。
また、光学部材1は鏡枠4に位置規制されているため、基板PCの所定位置に鏡枠4が配置され、固定された状態においては、光学部材1は所定の位置からずれにくく、例えば、光学部材1のレンズ部1aの光軸の中心と、撮像素子2の光電変換部2aの中心とが一致した状態を維持しやすい。
【0050】
図2において、光学部材1と、遮光板5との間には、例えば、コイルばねなどの弾性部材により構成された押圧部材7が配置されている。遮光板5が鏡枠4に取り付けられることで、遮光板5が押圧部材7を押圧して、押圧部材7が弾性変形する。この押圧部材7は、光学部材1を図2中において、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材1を撮像素子2に付勢する。ここで、遮光板5から下方の撮像素子2に向かう力が加わった際、押圧部材7が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は直接撮像素子2には伝達されず、撮像素子2が破損することを防ぐ効果がある。
【0051】
電気部品8…は、撮像装置100を動作させ、画像処理を行うために必要な電気部品である。このように電気部品8…が基板PC上に設けられているので、撮像装置100を一つのユニットとして様々な電子機器に搭載しやすくなる。
位置決め電気部品8a・・・は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であり、図2において、基板PC上の鏡枠4と、開口部10との間であって、鏡枠4に近接し、鏡枠4の4隅に対応して配置されている。この位置決め電気部品8a・・・は、鏡枠4を基板PC上に固着する際の固定位置の近傍にあり、鏡枠4の位置決め指標となる。なお、位置決め電気部品8aは、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等に限らず、撮像装置100に必要な電気部品であればよい。
【0052】
次に、上記撮像装置100の製造方法のうち、特に基板PCと撮像素子2との固着方法について説明を行う。
【0053】
まず、基板PCの裏面側の適所に、上述の接着剤B等を塗布し、堰部材13を貼着する。
【0054】
次いで、撮像素子2の側端面部2bと、堰部材13との間の開口した部分から接着剤Bを充填していくのと同時に、図8に示すような、例えば、電熱ヒータ等の加熱装置14(照射手段)により、該加熱装置14の二股状に形成された排出口14a、14aから加熱することにより、充填された接着剤Bを硬化させる。これにより、基板PCと撮像素子2との固着処理が完了する。尚、図8は、図4と同様に、図1〜図3と上下逆向き方向となっている。
【0055】
ここで、加熱装置14の二股状の排出口は14a、14aは、撮像素子2の表面と略平行方向から加熱できる(熱を照射できる)形状になっている。即ち、加熱装置14の二股状の排出口14a、14aは、開口部10の外側から、開口部10を通って、直接、接着剤Bが加熱することができるように配置されている。従って、光電変換部2aに対して熱を与えて傷めてしまうことがなく、好適である。また、硬化させながら接着剤Bを充填することにより接着剤Bが、光電変換部2a等の必要ない部分にまで流出したりすることを防ぐことができる。
【0056】
尚、上記加熱装置14の排出口14a…は二股状にかぎられるものではなく、複数の排出口14…を備えており、同時に複数箇所の硬化処理を実行してもよい。この場合、硬化処理の時間が短縮される上、温度、時間等が同条件で硬化できることとなって、均一的な固着が実現することとなって好適である。
【0057】
また、上記接着剤Bの硬化処理は、接着剤Bが熱硬化型接着剤以外でも、例えば、紫外線硬化型、又は熱・紫外線併用硬化型でもよい。この場合、加熱装置14に代わって、または加熱装置14と併用して紫外線照射装置(図示なし)を接着剤Bの充填位置に照射することにより、接着剤Bを硬化させる構成であってもよい。また、紫外線照射装置(図示なし)においても、加熱装置14と同様に、紫外線が光電変換部2aに当たらないような構造、例えば、紫外線の照射口が複股状で光電変換部2aと平行方向に照射可能等の構造等であってもよい。
【0058】
次に、上記撮像装置100を一例として本発明の撮像装置を搭載した携帯端末について説明する。
図9に示すように、携帯端末は、例えば、折り畳み式携帯電話機T(以下、携帯電話機Tという)であり、表示画面Dを備えたケースとしての上筐体71と、操作ボタンPを備えた下筐体72とがヒンジ73を介して連結されている。撮像装置100は、上筐体71の内表面側(表示画面Dを有する側)の表示画面Dの下方に内蔵されており、撮像装置100(光学部材1)が上筐体71の外表面から光を取り込めるものとされている。このように、携帯電話機Tに薄型化された撮像装置100を内蔵することにより、携帯電話機Tをより薄型化することができ、撮像対象との距離や、撮像環境に合わせて撮像装置100の機能を使い分けることにより、付加価値の高い携帯電話機Tとすることができる。
尚、携帯電話機Tのその他の構成要素は、公知であるため、説明を省略する。
【0059】
このように、撮像装置100において、撮像素子2が基板PCの裏面側から基板PCの開口部10を塞ぐように備えられるとともに、基板PCの表面側から開口部10を通じて、その撮像素子2の光電変換部2aに当接するように光学部材1が備えられているので、基板PCとの厚さの分、基板PC表面から垂直方向への光学部材1の突出を抑えることができる。よって、その光学部材1の突出を抑えた分、撮像装置100の厚みを薄くすることができる。
【0060】
また、堰部材13が設けられていることにより、基板PCと撮像素子2との接合部Jとの周囲に接着剤Bが充填されていることにより、外部からの埃や水分の進入を防ぐことができる防塵、防湿の機能を果たす。これに加えて、更に、基板PCと撮像素子2との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向という。)との双方において、基板PCと撮像素子2との固着強度が増す。即ち、接着剤が接合部のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、ボンディングパッドBPとバンプ12との接合部J、即ち基板PCと撮像素子2との電気的接合点に荷重が集中してしまい、接合点Jがずれたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0061】
また、撮像素子2の側端面部2bから堰部材13のほぼ高さ位置まで接着剤Bが充填されていることにより、堰部材の側面のほぼ全域が接着されることとなるので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び垂直方向の固着が強化される。
【0062】
また、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さは、基板PCと撮像素子2との間隔よりも短いので、接着剤Bを斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0063】
また、光学部材1や、光学部材1が備えられた撮像素子2の表面は、鏡枠4とカバー部材12等の外枠部材により覆われていることにより、光学部材1や撮像素子2は、撮像装置100の外部からの埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護されるので、光学部材1や撮像素子2の状態に起因する撮像情報への影響を排除することができる。
また、光学部材1は、鏡枠4に嵌合され、位置規制されているので、鏡枠4を基板PCの所定の位置に固着することに基づき、光学部材1を基板PCや基板PCに備えられた撮像素子2に対し、所定の位置合わせを行うように備えることができるとともに、光学部材1が基板PCや基板PCに備えられた撮像素子2の所定位置からずれることを防ぐことができる。
【0064】
尚、以上の実施の形態においては、堰部材13は、ポリイミド製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、接着剤Bと同素材等であってもよい。また、基板PCは、リジット基板であってもフレキシブル基板であってもよい。尚、基板PCと堰部材13とが、例えば、ポリイミド製等の同素材からなっていてもよい。
【0065】
また、堰部材13の撮像素子2側への突出する長さは上記に限定されるものではなく、例えば、基板PCの裏面側から撮像素子2の裏面側までの長さと同等であってもよい。この場合、垂直方向の固着をより強化することができる。
【0066】
また、上記基板PCと撮像素子2との固着方法における順序は上記に限定されるものではない。例えば、基板PCに撮像素子2を取り付けた後に堰部材13を取り付けてもよい。
また、例えば、基板PCの裏面側に撮像素子2を取り付け、基板PCの裏面側と撮像素子2の表面側との間の所定位置、例えば、接合部Jの周囲に、接着剤Bを充填し、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、充填された接着剤を硬化させて仮止めする。
そして、仮止めされた接着剤Bの上で、かつ基板PCの所定位置に堰部材13を配置し、仮止めされた接着剤Bを硬化させて本止めする構成であってもよい。
この場合、基板PCと撮像素子2との間に接着剤Bを充填し、仮止めした後に堰部材13を配置することができるので、接着剤13の充填が容易となる。
【0067】
また、光学部材1に形成された被嵌合部である下脚部1fは、断面略D字形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなくその他の嵌合形状であってもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、堰部材が基板の裏面の接続部材の外側に撮像素子の表面側に突出して設けられ、接続部材と堰部材との間に接着剤が充填されているので、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向(以下、垂直方向とする。)との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。即ち、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、垂直方向の接着強度が増加する。これにより、例えば、該垂直方向に荷重や衝撃が加わった場合でも、接続部材、即ち基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中してしまうことを防ぐことができ、基板と撮像素子との電気的接合点に荷重が集中することにより、接続部材が壊れたり、電気的接続に不具合が生じることを防止できる。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、撮像素子の側端面部と堰部材の間に接着剤が充填されているので、接着面積がより増えることとなって、光軸方向及び該光軸方向と垂直な方向の固着が強化される。
【0070】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材は、枠状部材であり、その枠内に撮像素子が位置するように基板上に配置されるので、撮像素子の外周の全域に亘って接着剤を充填することができることにより、固着を強化できるとともに、複数の堰部材を設けるのに比して製造が容易となる。
【0071】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、堰部材の突出方向の長さは、基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離よりも短いので、接着剤を斜め方向から充填することができることとなって、充填しやすい。
【0072】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、光学部材は、基板の表面側から、開口部を通じて撮像素子の表面に当接するように取り付けられているので、光学部材の寸法精度を安定させ、光学部材の合焦位置を好適な位置とし、所定の光学的機能を達成することができ、組み付け時および組み付け後に、光学部材の合焦位置に関する調整を不要とすることができる。
また、基板の開口部に対応して基板の裏面側に取り付けられた撮像素子に対し、基板の表面側からその開口部を通じて当該撮像素子の表面に当接するように、撮像素子に入射光を集光する光学部材が取り付けられているので、その撮像装置は基板の厚み分、薄く形成されることとなって、薄型化を実現できる。
【0073】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであるので、接着剤とを用いた基板と撮像素子との固着が好適に実行できる。
【0074】
請求項7に記載の発明によれば、堰部材と撮像素子とが基板に取り付けられてから、接着剤が充填されるので、堰部材により接着剤が必要ない部分にまで充填されないように堰き止められるので好適であるとともに、接着剤が接続部材のみならず堰部材とも接着されるので接着面積が増えることとなって、基板と撮像素子との光軸方向と、該光軸方向と垂直な方向との双方において、基板と撮像素子との固着強度が増す。
【0075】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第4のステップは、開口部の外側から開口部を通って、基板と撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射するので、撮像素子の撮像領域に熱や紫外線を照射することで撮像領域を傷めることなく接着剤を硬化することができる。
【0076】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第3のステップにおける接着剤の充填と、前記第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行することを特徴とする。
【0077】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第3のステップにおける接着剤の充填と、第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行するので、製造時間の短縮が図れる上、接着剤が、必要ない部分にまで流出したり、必要以上に接着剤を充填してしまうことを防ぐことができる。
【0078】
請求項10に記載の発明によれば、基板と撮像素子との間に接着剤を充填し、仮止めした後に堰部材を配置することができるので、接着剤の充填が容易となる。
【0079】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されている携帯端末は、その撮像装置に基づき、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる撮像装置を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における撮像装置の一部省略断面図である。
【図3】図1の撮像装置における基板の一部省略上面図である。
【図4】基板と撮像素子との接合部分を説明するための一部省略拡大断面図である。
【図5】本発明にかかる撮像装置に備えられた光学部材の斜視図である。
【図6】図5の光学部材の下面図である。
【図7】図2のVII−VII線における断面図である。
【図8】本発明にかかる撮像装置において、接着剤を硬化させる方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明の撮像装置を搭載した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【図10】従来の撮像装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光学部材
2 撮像素子
2a 光電変換部(撮像領域)
2b 側端面部
10 開口部
12 バンプ(接続部材)
13 堰部材
14 加熱装置(照射手段)
100 撮像装置
PC 基板
BP ボンディングパッド(接続部材)
J 接合部(接続部材)
B 接着剤
T 折り畳み式携帯電話機(携帯端末)
a 堰部材の突出方向の長さ
e 基板の裏面と撮像素子の裏面との間の距離の長さ
Claims (11)
- 開口部が形成された基板と、
前記基板の裏面側に、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように取り付けられた撮像素子と、前記撮像素子に入射光を集光する光学部材とを有する撮像装置であって、
前記基板の裏面と前記撮像素子の表面とを離間した状態で電気的に接続する接続部材と、
前記基板の裏面の前記接続部材よりも外側に、前記撮像素子の表面側に突出して設けられる堰部材と、を備え、
前記接続部材と前記堰部材との間に接着剤が充填されていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記堰部材は、前記撮像素子の側端面部よりも外側に設けられ、
前記接着剤は、前記撮像素子の側端面部と前記堰部材との間に充填されていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記堰部材は、枠状部材であり、その枠内に前記撮像素子が位置するように前記基板上に配置されることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜3に何れか一項に記載の撮像装置において、
前記堰部材の突出方向の長さは、前記基板の裏面と前記撮像素子の表面との間の距離よりも短いことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記光学部材は、前記基板の表面側から、前記開口部を通じて前記撮像素子の表面に当接するように取り付けられていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、或いは紫外線と熱の併用硬化型接着剤の何れかであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置の製造方法であって、
前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第1のステップと、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏側に前記撮像素子を取り付ける第2のステップと、
前記堰部材と前記接続部材との間に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第3のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記堰部材と前記接続部材との間に充填された接着剤を硬化させる第4のステップと、
を備えたことを特徴とする撮像装置の製造方法。 - 請求項7に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第4のステップは、
前記開口部の外側から開口部を通って、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤に対して、直接、熱又は紫外線を照射することが可能なように配置された照射手段から、熱又は紫外線を照射することを特徴とする撮像装置の製造方法。 - 請求項8に記載の撮像装置の製造方法において、
前記第3のステップにおける接着剤の充填と、前記第4のステップにおける照射手段からの熱又は紫外線の照射とを同時に実行することを特徴とする撮像装置の製造方法。 - 請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置の製造方法であって、
前記撮像素子の撮像領域が前記開口部より前記基板の表面側から露出するように、前記接続部材を介して前記基板の裏面側に前記撮像素子を取り付ける第1のステップと、
前記基板の裏面側と前記撮像素子の表面側との間の所定位置に、熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により硬化する接着剤を充填する第2のステップと、
熱及び紫外線のうち少なくとも何れか一方により、前記基板と前記撮像素子との間に充填された接着剤を硬化させて仮止めする第3のステップと、
前記仮止めされた接着剤の上であって、かつ前記基板の所定位置に前記堰部材を配置する第4のステップと、
前記仮止めされた接着剤を硬化させて本止めする第5のステップと、
を備えたことを特徴とする撮像装置の製造方法。 - 請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置がケース内に搭載されていることを特徴とする携帯端末。
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