JP2004184470A - 光透過拡散性に優れた合成樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方の表面に凹凸形状が形成された光透過拡散性合成樹脂成形品であって、凹凸形状の傾斜角θが20度〜60度である、前記光透過拡散性合成樹脂成形品。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ディスプレイ、照明カバーや看板などの面板や液晶ディスプレイのバックライトの光拡散板等、光線の透過性と拡散性の両者の性質を併せ持つ部材として好適な合成樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種ディスプレイ、照明カバー、看板や液晶ディスプレイのバックライトの光拡散板等は、基本機能として全面に渡って均一に明るいこと(高輝度)が求められる。近年においては、さまざまな方式のディスプレイが登場し、その画像はますます高精細化、高輝度化、大型化している。これらの各種ディスプレイ、照明カバー、看板、液晶ディスプレイ等に用いられる照明光源は、ますます高光度化が進んでいるのが現状である。これらの照明光源は画像情報を明るく照らし出すために、画像表示体の背面に配置されるのが一般的である。この場合、高光度化の進んだ照明光源のランプイメージが表示画像にそのまま映し出されるという問題があった。この問題を解消するために、面板そのものに光拡散性能の高い材料を採用したり、照明光源の前面部に、光線を散乱する部材(以下、光拡散性部材と略す)を装着する手法等が取られてきた。
【0003】
従来から、各種ディスプレイ、照明カバー、看板、液晶ディスプレイのバックライトなどの光拡散性部材は、無機系あるいは有機系の微粒子を透明合成樹脂中に分散させた合成樹脂材料を成形したものが一般に用いられている。これらの透明合成樹脂と分散させた微粒子との屈折率差により基材樹脂と分散させた微粒子との界面で光線が屈折および反射により散乱することによって光拡散性を持たせるというものである。しかしながら本技術によれば、光拡散性が向上すれば照明光源のイメージは透けなくなるが、逆に光線透過率が急激に低下して照明光源の明るさが極端に損なわれてしまい、暗い画面になってしまう弊害があった。
【0004】
この問題を解決するために、板表面に微細な凹凸を形成して光拡散性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発明によれば、表面粗さ規格における、十点平均粗さ(Rz)が10〜50μm、平均山間隔(Sm)が30〜70μmの表面粗さ形状を有することが提案されている。
表面に微細な凹凸形状を有する合成樹脂成形品を製造するには、凹凸形状の反転形状を加工した型を用いて、合成樹脂成形品表面に転写する方法が一般的である。この場合、形状を転写した合成樹脂成形品を型から脱型する工程がスムーズに行われることが工業的に生産する上で重要となる。しかしながら、上記の規定の形状では、型ガラスの表面がむしり取られたり、成形品が型ガラス側にむしり取られるなどして成形品の脱型が困難であり、凹凸形状の再現性が悪く工業的に製造することが困難であった。また光学的性能についても、液晶ディスプレイ用途等においては光拡散性能の改善の余地があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−142401号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来の問題点を克服し、成形品の脱型が容易であり繰返し成形性が優れながら、かつ光透過拡散性に優れた合成樹脂成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
光透過拡散性の優れた合成樹脂成形品を得るには、裏面に配置した点状あるいは棒状の光源から出た光が全面均一に、かつ明るく表面側に出射するのが好ましく、本発明者らは、この目的を達成するために成形品の理想的な表面モデルを考えた。すなわち、▲1▼空気層から成形品に入射する光線が成形品表面で反射する光、および成形品から空気層に出射する光線が成形品と空気層の界面で反射して戻る光はできるだけ小さくする。言い換えると、裏面に配置された光源からの光線をできるだけ多く相対する表面側に出射すること、および▲2▼光源からの光線の拡散性が高いことといった、これらの点に着目した。
【0008】
従来、表面の凹凸形状を十点平均粗さ(Rz)と平均山間隔(Sm)で規定していた(特許文献1参照)。そこで、表面の凹凸形状を第1図の如くモデル化して、形状を規定するパラメータとして山と山の平均山間隔をP、凹凸の高さ、すなわち十点平均粗さをRz、凹凸の山と谷の平坦部分の長さをaおよびb、凹凸の傾斜角をθとし、これらのパラメータについて光学的性能および鋳型からの脱型性の点から鋭意検討した結果、凹凸傾斜角θが拡散性能と全光線透過率および型からの脱型性に大きく影響することを見出した。
【0009】
そこで本発明者らは、新たな概念である凹凸の傾斜角θを導入しこれによって表されたある特定の凹凸形状を有する光透過性合成樹脂成形品が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも一方の表面に凹凸形状が形成された光透過拡散性合成樹脂成形品であって、凹凸形状の傾斜角θが20度〜60度である、前記光透過拡散性合成樹脂成形品に関する。
さらに、本発明は、凹凸形状の平均山間隔Pが5μm〜50μm、表面粗さ規格における十点平均粗さRzが3μm〜15μmである、前記光透過拡散性合成樹脂成形品に関する。
また、本発明は、Rz/Pが、0.2〜0.7である、前記光透過拡散性合成樹脂成形品に関する。
【0010】
本発明の光透過拡散性合成樹脂成形品の表面形状は、新たな概念である凹凸傾斜角θによって規定されたものであり、これを満たす表面形状は、従来と比べ寸法がファインピッチ化され、光線透過率と光拡散性能とがバランスよく向上し、かつ成形(脱型)も容易で工業生産性に優れた製品となるものである。
傾斜角θは、PとRzが同一であってもaとbの寸法によって変化し、θが大きいときは、拡散性能が向上しながら全光線透過率の低下が抑えることができる。
さらに、従来の成形品は、Rzが10μm〜50μmであり、凹凸の高さRzが大きいものであるため、型から脱型するときに、型ガラスの表面がむしり取られたり、成形品が型ガラス側にむしり取られるなどして成形品の脱型が困難であった。一方上記傾斜角を有する本発明の光透過拡散性合成樹脂成形品の好ましい態様では、Rzが3μm〜15μmと小さく、脱型性が大きく改善されたものであり、一方Pを5μm〜50μmとファインピッチ化することによって傾斜角θが小さくなるのを防止した形状である。従って、光拡散性能および光線透過率を維持しながらも、脱型性に優れたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光透過拡散性に優れた合成樹脂成形品の表面凹凸形状は、凹凸の傾斜角θが20度〜60度である。また、上記θを満たし、光透過拡散性をバランスよく向上するには、好ましくは、高さRzが3μm〜15μm、ピッチPが5μm〜50μmであり、かつRzとPの比率Rz/Pが、0.2〜0.7である。良好な光拡散性能を維持し、合成樹脂成形品を型から取出すときに、例えば型ガラスの表面がむしり取られたり、成形品が型ガラス側にむしり取られるなどして、型の破損や成形品の形状が損ねたりして品質を大きく損ねないためには、好ましくは、高さRzが5μm〜10μm、Pが5μm〜30μmで、かつRz/Pが0.25〜0.6、傾斜角θが30度〜55度である。
【0012】
本発明の合成樹脂成形品の表面に多数存在する凹凸形状は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、拡大投影器、触針式表面粗さ測定器やレーザー顕微鏡等の装置で計測することができる。
なお、従来の触針式表面粗さ測定器による凹凸の平均間隔(Sm)の測定では、形状が微細化した場合には、山谷の数の数え損ねが増え、顕微鏡による拡大観察による実際の寸法より大きい値として計測されること、数値のバラツキが極めて大きく信頼性に欠けるため現実の凹凸寸法を必ずしも現わし得ていないという問題点があった。そのため、本発明における合成樹脂成形品では、平均山間隔Pおよび傾斜角θの測定は、顕微鏡等で観察することによって行うのが好ましい。凹凸の高さ、すなわち十点平均粗さ(Rz)は、表面粗さ規格JIS B0601−1994準拠で計測した値である。
【0013】
本発明の光透過拡散性に優れた合成樹脂成形品は少なくとも1つの表面に、上記表面凹凸形状が形成されていることが必要である。光線の拡散性能を向上したり、表裏の温度差による成形品の反りを低減する必要がある場合は、表面凹凸形状を表裏2面に形成することが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる合成樹脂材料としては、光線の透過率が高く透視性に優れた材料が好ましい。例えばメタクリル樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。中でも光線透過率が高く、紫外線による着色が少ないメタクリル樹脂が特に好ましい。
メタクリル樹脂とは、メチルメタクリレート単位を主成分とする重合体であり、特に、メチルメタクリレート単独重合体、またはメチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、アクリロニトリル、無水マレイン酸、スチレンもしくはα−メチルスチレンのいずれか一つ以上との共重合体、さらにメチルメタクリレート単独重合体と上記共重合体との混合物などが用いられる。
【0015】
上記単量体は、重合開始剤を添加して板状に成形する。重合開始剤としては、油溶性の有機過酸化物やアゾ系化合物等のラジカル重合開始剤を使用することができる。
これらの重合開始剤の配合量は、基材原料に対して0.03〜0.3質量%程度が好ましい。
【0016】
さらに架橋剤を配合して鋳込み重合することによって荷重たわみ温度が高いメタクリル樹脂板が得られ、高温環境での使用や表裏の温度差が発生する用途において板の反り変形が小さい合成樹脂板を得ることができる。これは各種ディスプレイ、照明器具、看板等の部材として大変好ましい特性となる。
ここでいう架橋剤とは、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有し、前記(メタ)アクリロイル基の間に存在する原子数が10以下である単量体などが挙げられる。好ましくは、以下の式(1)〜(3)で表わされる単量体である。
MA−O−(CH2)n−O−MA …(1)
(ここでnは3〜6の整数であり、MAはメタクリロイル基を表わす。)
【0017】
【化1】
(ここでR1はH、CH3、C2H5またはCH2OHの基を、R2はH、CH3、
【化2】
(R4はH、CH3の基を表わす)、またはCH2OHの基を、R3はH、CH3の基をそれぞれ表わし、R1、R2およびR3は同時に水素ではなく、(M)Aはメタクロイル基またはアクリロイル基を表わす。)
【0018】
(M)A−O−(−CH2CH2O−)n−(M)A … (3)
(ここでnは1または2である。)
架橋剤の配合量は、最終的に得られる樹脂成形品の耐熱性および樹脂成形品中の未架橋の二重結合を有する側鎖による耐候性の劣化(黄変等)等を考慮すると、前記合成樹脂原料100重量部に対して好ましくは、2〜40重量部、さらに好ましくは2.5〜30重量部である。
【0019】
各合成樹脂には、光拡散性部材として、無機系あるいは有機系の微粒子を分散させることができる。基材である合成樹脂材料と屈折率の異なる透明微粒子が好ましく用いられ、例えば、シリコーン樹脂、無機ガラス、アクリル樹脂、スチレン樹脂、酸化チタン、シリカ、フッ素樹脂、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の微粒子が挙げられる。
拡散性部材は、種々の粒子形状、粒子寸法のものが使用できる。単独あるいは複数を併用してもよい。
拡散性部材は、光線透過率と拡散性能のバランスを考えて配合量を決めることができる。
【0020】
また、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤等を配合することもできる。これらの添加剤によって合成樹脂成形品の光線透過率を大きく低下させたり、曇価を大きく増加させない程度に添加量を決めるべきである。
本発明の合成樹脂成形品の形状は特に限定されるものではないが、平板状が好ましく用いられる。成形品の厚さに関しても特に限定されるものではなく、0.1mmから5mmの薄物から60mm程度の厚物まで良好な性能を発現することができる。
【0021】
本発明の光透過拡散性に優れた合成樹脂成形品の製造方法は、特に限定されるものではないが、鋳込重合成形、プレス成形、押出成形、射出成形等が用いられる。これらの方法は、予め凹凸形状が形成された鋳型から本発明の凹凸形状を転写せしめることにより、合成樹脂成形品の表面に凹凸形状を形成させるものである。凹凸形状の寸法再現性や架橋剤添加による耐熱性等の機能付与性の自由度の点で、ガラス板を鋳型として該鋳型内に樹脂原料を注入して重合し転写せしめた後、冷却して該鋳型から脱型する鋳込重合成形法が最も好ましい。
【0022】
本発明に用いられる凹凸形状が形成された鋳型の材質は特に限定されるものではないが、例えば無機ガラス、ステンレススチール、クロムめっきされた金属等が挙げられる。
上記鋳型に凹凸形状を形成する方法としては、特に限定するものではないが、サンドブラスト、化学エッチング、サンドブラストと化学エッチングの併用等の方法で形成することができる。
上記凹凸形状は、弗化水素酸、弗化アンモニウム、硫酸、塩酸等の薬液を種々の配合で混合し、所定の温度、浸漬時間、浸漬回数を可変することにより得られる。また、使用するガラス板の組成によっても得られる凹凸形状が異なるので注意が必要である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中の評価は下記の方法にて行なった。
(1)表面形状
形状モデル(第1図)の平均高さRzは、(株)小坂研究所製万能表面形状測定器SE−3Cを用いてJIS B0601−1994準拠で計測した。山と山の間隔(ピッチ)Pは、日本光学工業(株)製光学顕微鏡および(株)キーエンス製画像解析光学顕微鏡マイクロスコープVH−8000を用いて計測した。凹凸の傾斜角θは、キーエンス(株)製超深度形状顕微鏡(レーザー顕微鏡)VF−7500で計測した。
【0024】
(2)脱型性の評価
鋳込重合成形された合成樹脂成形板を室温まで冷却した後に、凹凸が形成された、対向する2枚の鋳型の隙間にクサビを打込んで、鋳型から成形板が剥離する状況を観察した。
4隅にクサビを1回打込んで自然に全面剥離した場合は○、鋳型を叩いたり、クサビを複数回打込んでようやく剥離した場合は△、成形板の表面の一部が鋳型側に毟られたり、反対にガラス製の鋳型が成形板側に毟られたりした場合は×とした。
【0025】
(3)光学特性
光学特性の優劣は、本発明の利用分野の性格からみて、全光線透過率τtと拡散係数Dおよびランプイメージ評価の3つで評価した。
▲1▼ 全光線透過率τt
村上色彩技術研究所(株)製ヘーズメーターHM−150型にて、 JIS K7136;2000(ISO 14782;1999)に準拠して測定した。
τtが大きいほど明るく、好ましい態様である。
▲2▼ 拡散係数 D
村上色彩技術研究所(株)製ゴニオフォトメーターGP−1R型を用いて、サンプル板(50mm×50mm)の表面に法線方向から光線を照射し、光源と反対側に配置された受光器を、サンプルの法線に対して0deg〜90degまで可変して、法線からのそれぞれの角度における透過光の強度(Iθ)を測定した。角度5degと20degと70degでの強度をそれぞれI5°、I20°、I70°とする。次に各角度毎に、Bθ(Bθ=Iθ/COSθ)を求め次式により拡散係数Dを求めた。
D=(B70+B20)/2×B5 (式)
拡散係数Dが大きい程、光線の拡散性が優れる態様である。
【0026】
▲1▼ ランプイメージ
ランプイメージ評価は、基材樹脂中に拡散微粒子を配合していない態様の場合の試験1と基材樹脂に拡散微粒子を配合分散した態様の場合の試験2の2通りで行なった。
試験1 ;供試サンプルを、40Wの蛍光灯から50mm離して配置した。該供試サンプルから約30cmの距離から供試サンプルを通して蛍光灯のイメージを肉眼で観察する。蛍光灯のイメージがぼやけて不明確な場合は○、蛍光灯のイメージが識別できれば×と評価した。
試験2 ;供試サンプルを、200W白熱電球(カバーガラスは透明)に接触させて配置した。該供試サンプルから約30cmの距離から供試サンプルを通して白熱電球のフィラメントのイメージを肉眼で観察する。フィラメントのイメージが見えない場合は◎、フィラメントのイメージがぼやけながらも識別できる場合は○、フィラメントイメージがなんとか識別できる場合は△または×とした。
【0027】
実施例1
(1)型ガラスの作製
フッ素系の酸性エッチング液に、10mm厚みのガラス板を60秒間浸した後、水洗して所望の表面形状を有する型ガラスを作製した。
(2)所望の表面形状を形成した面が内側となるように対向させ、間隙が2mmになるように、軟質塩化ビニル樹脂製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。
次に、メタクリル酸メチル部分重合体を100重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、2−(2’ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを0.03重量部、ステアリン酸を0.1重量部混合した。該シロップをガラスセル中に注入し、60℃の温水中で2時間、120℃加熱オーブン中で2時間加熱重合した。冷却後、ガラスセルを剥いで、合成樹脂成形板を得た。製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。該合成樹脂板は、蛍光灯の光源イメージが消え、また全体に白色に明るく輝くため、バックライト型照明看板用材料や意匠性ディスプレイさらには目隠し用ディスプレイとしても極めて有用であった。
【0028】
実施例2
実施例1で用いた型ガラスを用いて、所望の表面形状を形成した面が内側となるように対向させ、間隙が2mmになるように、軟質塩化ビニル樹脂製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。
次に、メタクリル酸メチル20重量部に、市販のシリコーンビーズを5重量部配合して15分間ミキサー攪拌した。その後、メタクリル酸メチル部分重合体を68.5重量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを7.0重量部、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを 0.03重量部、ステアリン酸を0.01重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.1重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.1重量部を加えて、30分間攪拌した。該シロップをガラスセル中に注入し、60℃の温水中で2時間、120℃加熱オーブン中で2時間加熱重合した。冷却後、ガラスセルを剥いで、合成樹脂成形板を得た。製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。
該合成樹脂板は、蛍光灯のバックライトイメージはほぼ完全に消えたにも係わらず、全光線透過率は高く保つことができた。高性能看板や各種ディスプレイのバックライトの光拡散板として有用である。
【0029】
実施例3〜実施例8
10mm厚みのガラス板を、フッ素系酸性エッチング液の銘柄、浸漬する時間(10〜300秒)および浸漬回数(1〜3回)を変えて、種々の表面形状を有する型ガラスを作製した。該ガラスを表面形状を形成した面が内側となるように対向させて、間隔が2mmとなるように、軟質塩化ビニル樹脂製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。実施例2と同様のシロップを該ガラスセルに注入し、実施例1と同様にして合成樹脂成形板を得た。製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。
【0030】
比較例1
10mm厚みの平滑なガラス板2枚を対向させて、間隔が2mmとなるように、軟質塩化ビニル製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。実施例1と同様のシロップを該ガラスセルに注入し、実施例1と同様にして合成樹脂成形板を得た。
製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。
【0031】
比較例2
10mm厚みの平滑なガラス板2枚を対向させて、間隔が2mmとなるように、軟質塩化ビニル製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。実施例2と同様のシロップを該ガラスセルに注入し、実施例2と同様にして合成樹脂成形板を得た。
製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。
【0032】
比較例3〜6
10mm厚みのガラス板を、フッ素系酸性エッチング液の銘柄、浸漬する時間および浸漬回数を変えて、種々の表面形状を有する型ガラスを作製した。該ガラスを表面形状を形成した面が内側となるように対向させて、間隔が2mmとなるように、軟質塩化ビニル樹脂製ガスケットを挟んでガラスセルを組み立てた。実施例2と同様のシロップを該ガラスセルに注入し、実施例1と同様にして合成樹脂成形板を得た。製板時の脱型性、表面形状、光学的性質、材料物性の評価結果を第1表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例1の本発明の合成樹脂成形板は、全光線透過率も高く、全体の明るさを保ちながら、比較例1と比べ、拡散係数も高く、蛍光灯のイメージを消すことができ、ランプイメージも良好であった。
実施例2〜8の本発明の合成樹脂成形板は、全光線透過率が高く、全体の明るさを保ちながらも、比較例2〜4に比べ、拡散係数も高く、ランプイメージも良好であった。本発明の合成樹脂成形板は、成型品の脱型性が良好であったが、比較例5および6は、鋳型からの脱型がうまくいかず、所望の表面凹凸形状の合成樹脂成形板が得られないため、その後の評価を行うことができなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の合成樹脂成形品は、拡散性能および光線透過率を高く維持しながらも、成形品の脱型性が良好であり、工業生産性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成樹脂成形板の表面凹凸形状を示す図。
Claims (3)
- 少なくとも一方の表面に凹凸形状が形成された光透過拡散性合成樹脂成形品であって、凹凸形状の傾斜角θが20度〜60度である、前記光透過拡散性合成樹脂成形品。
- 凹凸形状の平均山間隔Pが5μm〜50μm、表面粗さ規格における十点平均粗さRzが3μm〜15μmである、請求項1に記載の光透過拡散性合成樹脂成形品。
- Rz/Pが、0.2〜0.7である、請求項2に記載の光透過拡散性合成樹脂成形品。
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