JP2004184055A - 焼却灰の移動式溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる場所にある焼却灰を巡回して焼却灰を溶融、無害化処理可能にする移動式溶融炉を提供する。
【解決手段】焼却灰(a)をアルミ系あるいは鉄系の金属成分を含む無機系凝集剤(c)と予め反応させた焼却灰汚泥(d)を、乾燥炉(3)で約300℃以下で加熱、乾燥し、次いで約1450℃に昇温できる加熱ヒータ(6b)を付設するセラミックチューブ(6)内部で灰溶融する溶融炉(5)と、灰を直接、溶融状態で水冷するスラグ水砕槽(7)を有する灰溶融設備(1)と、排ガス(g)を無害、無臭化、低温化する排ガス処理設備(20)を車台(11)上に配設して移動可能にすると共に、あるいは加えて車載する灰溶融設備(1)に付設する高所位置の一次ホッパ(2b)に、下から上へ焼却灰汚泥(d)を供給可能の逆L字型に形成した汚泥払出装置(2)を構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、廃棄物を含む可燃物を焼却し体積を減らした焼却灰を、更に減容化する焼却灰の溶融炉に係り、特に異なる発生場所又は保管場所にある焼却灰を、それらの場所を巡回し、巡回先で灰を減容し、その時に発生するダイオキシン物質が生じない高温熱処理を可能にする移動式溶融炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車台上に廃棄物処理を行える設備を車載して、巡回先または廃棄物の回収中に処理操作する技術として、圧縮、粉砕、燃焼などで減容する開示例がある。ここで廃棄物処理には、副次的に派生する環境汚染物質を抑制する問題点をクリアすることが必要である。
熱処理時に発生するダイオキシンは、青酸カリの千倍以上の猛毒を有する混合物で、塩素ガスを結合するPCDDとPCDFの異性体類から成る焼却により発生し、600℃以下では極めて安定な物質である。特に300℃以下では灰の表面で塩化銅を触媒としてダイオキシンは生成し、一方、800℃以上では99%以上が分解すると言われる。このダイオキシンを燃焼処理して無害化する技術に、約1300℃以上の高温熱処理により焼却灰を処理する溶融固化法、還元雰囲気焼却法、300℃以下でアルミや鉄を脱ハロゲン化する工法、900℃以下あるいは300〜400℃雰囲気中で特定薬剤を反応させる特定薬剤投入法などが開示されている。
【0003】
さらに焼却灰取扱に伴う処理として、飛灰抑制または灰集塵などが求められ、灰への水撒きや電気集塵器、バッグフィルタによる灰捕集技術が適用される。あるいは飛灰抑制のために焼却灰を加湿や汚泥化してもよい。
汚泥化技術に適用できる従来技術を、図5(A)に示す図によって説明する。ここに、焼却灰aを汚濁物質a、焼却灰汚泥dを濃縮汚泥d、焼却灰前処理設備19を前処理設備19と読み替えるものとする。
汚濁物質aを、凝集反応槽9に投入し、凝集剤cを混入する溶解水b1と反応させて凝集汚泥に変える。凝集剤cには、凝集フロックが大きく沈降速度が速い有機系ないし高分子系(例、ポリアクリルアミド系)薬剤、硫酸アルミニウムなどのアルミ系やポリ硫酸第二鉄などの鉄系から成る無機系薬剤、さらに鉄系の助剤となる石灰をさす無機系薬剤がある。汚濁物質aを溶解水に溶かした凝集剤cを加えてミキサーにより攪拌、反応させ、反応生成したスラリーを凝集灰沈殿槽9aに移して所定時間滞留させ、その後に上澄み清澄水は水面より排水hし、沈殿、分離した凝集汚泥は濃縮汚泥dとして取り出す。この濃縮汚泥は次工程で脱水機によってケーキ化して減容される。濃縮汚泥を取り出すまでの工程設備を前処理設備19といい、廃水処理・用水の除濁処理、用水スラッジの濃縮などに慣用されている。
【0004】
さらに焼却灰の減容処理の従来技術として、スラグ化技術、特に熱処理時に発生する有害物質のダイオキシンを生じさせないで高温処理を行う灰溶融技術が開示されている(特開2002−181322号公報)。この開示例では、溶融化焼却灰が炉床を傷めることのない技術を示している。
この技術は、図5(B)に示すように、焼却灰溶融設備(以下、灰溶融設備という)1によって高温熱処理する。炉床を長寿命化するために、水分5%以下のアルミ成分と酸化鉄成分を含むテルミット反応剤を灰重量に対し約20重量%混合した焼却灰aを、焼却灰ホッパからプッシャによって汚泥熔融炉5に圧送し、傾斜度30度以下に形成したキャスタブル耐火物製傾斜炉床15上において、加熱バーナ16によって燃料油kを噴射し、焼却灰を直接加熱して熔融、液化したスラグを水槽へ落として急冷、固化し、スラグ排出コンベア7aにより排出する。
また前記汚泥溶融炉からの排出ガスgは、排ガス処理設備20によって温度を下げ、除湿して外気放出する。すなわち排ガス煙道14を介してガス冷却水b3によって冷却する排気冷却塔22において、排出ガス温度を急冷させ、排出ガスg中の冷却水を取り除き、随伴して運ばれた粉塵を内設するバッグフィルタで除塵する排気除湿装置23を経て、排気ブロワ8aを介して煙突17より放出する。
【0005】
ところで、廃棄物処理を車載設備によって行う公開技術には、焼却灰を溶融固化法によって処理する先行技術はない。公開技術がない理由として、車載設備に纏める場合、ダイオキシンを無害化できる高温を取り扱う溶融固化法による規模の設備を重量制限以内では構築できない、仮に構築できたとしても、溶融固化法で生成する溶融スラグを排出する際に、溶融炉の湯口が低温になって、スラグが固化し、排出口を閉鎖し易いなど、越えるべき技術的課題があった。スラグを高温のまま取り出せる前記スラグ化技術の開示はあるが、焼却灰に水分5%以下のテルミット剤を混合する前処理装置を設け、車台上に重量のあるキャスタブル耐火物製炉床を構築するなど、車載設備に纏めるには規模、重量ともに過大であり、移動式溶融炉の車台上には構築できない。
【0006】
廃棄物の焼却施設は、多くの場所で低温で行われ、施設を高温処理施設に替えるには所定期間、廃棄物の滞貨を招来する。一方、環境汚染につながるダイオキシン発生施設の放置や、埋立地の短命化は社会問題になっている。施設替えの予算は高価であり、焼却施設は余分には建設されていない。一般的に公的機関では、隣接行政区の焼却施設に、建て替え時の期間、融通し合って、焼却用廃棄物を持ち込み、焼却してもらうようにはなっていない。いわゆる灰化する究極の廃棄物減容化のためのセーフティネットは皆無であり、民間においては廃棄物処理業のための場所の確保はますます困難となり、不法投棄を増長する社会条件は高くなる傾向にある。特に廃棄物を灰化する究極の減容処理施設や無害化焼却場が増設されるような、社会整備の基盤が存在しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、開発したもので、飛灰を生じることなく乾燥している焼却灰の前処理を行い、その前処理時に残留する物質が呈示する効果を複合的に活用して、灰の溶融化を容易にし、合わせてダイオキシン無害化に寄与し、かつ高温熱処理が可能な軽量化を実現しし、溶融スラグの炉外排出時に固化閉塞を生じない溶融炉を形成して、車台上に灰溶融と排ガス処理が可能な装置を組み合わせても全体が軽量で、焼却灰処理を必要とする巡回先での焼却灰の溶融処理を解決できる、移動式溶融炉を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る焼却灰の移動式溶融炉は、焼却した廃棄物の焼却灰を、アルミ系又は鉄系の金属成分を含む無機系凝集剤と凝集反応させて得る焼却灰凝集汚泥を供給して高温下で熱分解してスラグ化する焼却灰の移動式溶融炉であって、
車台上に、焼却灰凝集汚泥を受け入れる一次ホッパと、一次ホッパから払出して焼却灰凝集汚泥を約300℃以下によって乾燥する乾燥炉と、乾燥炉からの乾燥した焼却灰凝集汚泥を一時貯留する二次ホッパを介して搬送し、約1450℃以下により溶融する汚泥溶融炉と、汚泥溶融炉が溶融して生成する焼却灰スラグを水冷するスラグ水砕槽とを配設する焼却灰溶融設備を構成し、かつ乾燥炉から排出する排ガスを無害化する排ガス処理設備に連係して構成すると共に、あるいは加えて焼却灰供給場所において、下部に設ける受入口より焼却灰凝集汚泥を上方へ、引き続き横方向へ搬送し、搬送端末において落下するバケットコンベアを内設し、逆L字型に形成、直立させた汚泥払出装置を配設し、逆L字型の水平部分下部に移動車台を移動し、停止させて、供給先の焼却灰前処理設備が払出口から払い出す焼却灰凝集汚泥を移動車台上の一次ホッパに搬送し、焼却灰溶融設備と汚泥払出装置とが連動操作可能に構成したものである。
【0009】
さらに本発明の焼却灰の移動式溶融炉は、焼却灰を無機系凝集剤と凝集反応させて得た焼却灰凝集汚泥を乾燥処理した後に搬送する汚泥溶融炉を、二次ホッパから汚泥搬送コンベアを介して乾燥汚泥を受け入れ、その内部で乾燥汚泥の溶融化を行う高温耐熱性を有するセラミックチューブと、セラミックチューブに外設する加熱ヒータとによって加熱部を構成した上で、セラミックチューブの流下下流側が下方になるように傾斜させて据え付けると共に、流下下流側に汚泥が流下するにつれて溶融温度を高めることが可能な加熱構造ないしセラミックチューブの軸方向に沿って複数の区画に分けた各区画を個別に昇温制御操作可能に形成する加熱ヒータを配設して、間接加熱による汚泥溶融化を行うものである。
【0010】
以上のように構成した本発明の焼却灰の移動式溶融炉は、焼却灰供給先が行う焼却灰前処理によって、脱ハロゲン化可能な成分、アルミ系や鉄系を含む無機系凝集剤と反応させて得た焼却灰汚泥を溶融処理対象としたので、取扱中に飛灰現象を起こさない。乾燥炉内では前記焼却灰汚泥から多量の水蒸気を発生させ、かつ汚泥溶融炉中から上昇する高温ガスによって排ガス中の酸素を希薄化するので、排ガス処理設備に誘引される過程の水蒸気リッチの排ガスは潜熱が高く、その内部は比較的高い温度によって酸素過小空気すなわち還元性に近い雰囲気下にあり、ダイオキシンが低温下でも無害化反応が進行する条件を保持する。汚泥溶融炉に搬送された焼却灰汚泥は、内在するアルミ成分ないし鉄成分がコア物質になって易溶融化傾向を発揮し、溶融処理前にテルミット反応剤を加える必要が無い。そして前記コア物質成分によって、低温状態にある汚泥溶融炉搬送以前において脱ハロゲン化工法が進み、ダイオキシンの無害化反応は、前記還元性近似の雰囲気効果に加えて複合的に作用する。汚泥溶融炉での焼却灰溶融化はセラミックチューブ下端部を溶融化の最高温度に操作できるので、スラグ流が固化することはない。そして汚泥溶融炉床を高温耐熱性のセラミックチューブにより形成したので、汚泥溶融炉が大幅に軽量化した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る焼却灰の移動式溶融炉を図によって説明する。図1は、本発明の焼却灰の移動式溶融炉を説明するもので、(A)はその全体構成を示すブロック図、(B)はその要部構成を示す側断面を含む部分側面図、図2は、本発明の実施例を説明するもので、(A)はその平面図、(B)はその側面図、図3は、同じく移動式溶融炉に付設する汚泥払出装置の実施例を説明する側面図、そして図5の(A)は、従来技術を適用する焼却灰前処理設備の処理手順を示す模式図である。
本発明の焼却灰の移動式溶融炉は、図1(A)に示すように、灰溶融設備1と排ガス処理設備20を車台11に搭載し、あるい図3に示す、焼却灰汚泥を引き取る巡回地に据え付ける汚泥払出装置2を加えて構成している。
図5(A)に示すように、ここに焼却灰凝集汚泥dとは、巡回先、すなわち焼却灰発生場所において、予め乾燥状態の焼却灰aを前記無機系凝集剤cと溶解水b1と共に凝集反応槽9で混和、反応させ、該反応槽から抜き出した凝集フロックを凝集灰沈殿槽9aに静置して沈殿させて得た沈殿汚泥であり、あるいは同様の凝集剤を溶解水に溶かした凝集剤溶解液(b1+c)を焼却灰aに噴霧ないし散布して、乾燥状態の焼却灰aを塊状、顆粒状、スラリー状などにして、「湿らせた焼却灰」に変えた焼却灰を指す。
図1(A)に示す灰溶融設備1は、焼却灰汚泥dを受け入れる一次ホッパ2bと、該一次ホッパ貯留の焼却灰汚泥dを、ここに記載しない乾燥炉搬送コンベアによって搬送して乾燥する乾燥炉3と、該乾燥炉において乾燥した焼却灰汚泥を一時貯留する二次ホッパ3aと、該二次ホッパから乾燥した焼却灰汚泥dを汚泥溶融炉搬送コンベア(以下、汚泥搬送コンベアという)4aによって搬送する汚泥溶融炉(以下、溶融炉という)5と、該溶融炉が排出する焼却灰スラグfを水冷、水砕するスラグ水砕槽7と、該スラグ水砕槽から水砕スラグfを車台外に搬出する、ここに記載しないスラグ排出コンベアとを加えて灰溶融車載設備を配設し、かつ乾燥炉3頂部に接続するガス煙道を介して排ガスを導く排ガス処理設備20を設置して、車載設備10を、車台11上に組み立てて構成する。
【0012】
図3に示すように、汚泥払出装置2は、内部空間にバケットコンベア2aを内設する角柱の側面全体を逆L字型に形成し、直立して構成するもので、該角柱の水平部下側に車載設備10が移動できるように据付け、前記角柱の両端に焼却灰汚泥の受入口24と払出口25を配設して、該車載設備が稼働するときに汚泥払出操作が連動して、前記直立角柱の下部に設ける受入口24から受け入れる焼却灰汚泥dが、前記コンベアにより揚上、搬送され、角柱水平部先端に開口する払出口25から払い出し、その下部に停止して開口する車載設備10の一時ホッパ2bに投入され、乾燥炉搬送コンベア4に搬送できるように構成している。
【0013】
図1(B)に示すように、溶融炉5は、二次ホッパ3aからの汚泥を受け入れる汚泥搬送コンベア4aを挿設し、該汚泥搬送コンベアの搬出端に、加熱ヒータ6bを付設するセラミックチューブ6を下流側が下方に位置するように傾斜させて配設し、さらに該セラミックチューブの下端開口部を、溶融物がスラグ水砕槽7へ直接、落下するように固設して構成する。セラミックチューブ6は、チューブ内部で処理する汚泥の溶融化に充分耐える高温耐熱性、構造強度を有し、前記加熱ヒータは、チューブ下端開口部を含む溶融化最終工程の下流側部分が最高の溶融温度に昇温操作可能となるように構成している。なお、図1(B)に示す加熱ヒータ6aは、ここに図示しないがセラミックチューブ6下部側に、両側面加熱部や天井面加熱部を加えたり、下方の加熱体を上方のものより密に形成したり、あるいは長さ方向にチューブ付設の加熱ヒータを複数に区分してそれぞれの加熱能力を異ならせて上方から下方にかけて高温になるように電力量を制御したりして、チューブ内部の加熱状態を制御可能に構成する。ここに、3は乾燥炉、6aは乾燥炉に付設する乾燥用ヒータ、7aがスラグ排出コンベア、そして12は車外に仮置きしたスラグ回収槽である。
【0014】
【実施例】
本発明の、焼却灰の移動式溶融炉の実施例を図によって説明する。
図2に示すように、車台11上に配設する移動式溶融炉30は、外設する汚泥払出装置2のバケットコンベア2aに整合する位置に、一次ホッパ2bを据え付け、その下部に乾燥炉搬送コンベア4が上向き搬送可能に乾燥炉3に貫通して設置される。該乾燥炉には乾燥炉搬送コンベア4下部に位置して、乾燥設定温度に保持される乾燥用加熱ヒータ6aを付設する。乾燥炉3内を搬送中に焼却灰汚泥dは保有水分を蒸発させて、二次ホッパ3aに移送し、順次、前記乾燥された汚泥を該二次ホッパ下部に配置する汚泥搬送コンベア4aから溶融炉5内にあるセラミックチューブ6管内に搬送する。該セラミックチューブに付設して抵抗加熱を加える加熱ヒータ6bがチューブ内部の焼却灰汚泥dを、設定溶解温度まで昇温し、溶融スラグ化し、セラミックチューブ6下部開口端から直接、水を張ったスラグ水砕槽7に自然落下させる。水冷した溶解スラグfは、スラグ排出コンベア7aによって車外設置のスラグ回収槽12へ搬出して集められる。ここにおいて、汚泥搬送コンベア4a内では焼却灰汚泥dは固形状を保持してセラミックチューブ6へ搬出され、溶融用の加熱ヒータ6bは、該セラミックチューブに受け入れ灰溶融が生じるまでの加熱操作を行う。ここに13は、配電盤、制御盤を兼ねた操作盤であり、乾燥炉3及び溶融炉5には、内部が異常昇圧する対策として適宜に圧力開放弁を付設して炉内圧力を設定以下になるようにしている。
【0015】
溶融炉5で生じる熱風は、ここに図示しない配管を通じて直接、及び溶融処理チューブ管内で生じた排気ガスgと共に、汚泥搬送コンベア4a、二次ホッパ3a、乾燥炉3、ガス煙道14を介して、従来手段を組み合わせて形成する排ガス処理装置21に案内される。ここで乾燥、溶融の各処理時に発生する有害物を高温熱処理して無害、無臭化した後に、強制水冷却してほぼ温度55℃以下にまで温度降下させるために、冷却水シャワーと内蔵する石灰石に、又は石灰水シャワーに排ガスを接触させて反応させる排気冷却塔22を配設し、次いで隣接する排気除湿装置23に移して排ガスから含有水分を除湿する。最後に冷却、除湿した排気ガスは排気ファン8によって外気に放出する。なお、排ガス排出管や蒸気発生箇所には適宜に重力ダンパー式開放弁を設置して暴発安全対策を処置すると共に、排ガス処理装置21に供給する冷却水は、スラグ水砕槽7との間で、循環、再使用するので、所要の補給水量は抑制される。
【0016】
このように構成した本発明の焼却灰の移動式溶融炉は、焼却灰汚泥受入から溶融スラグfの回収までを、次のように処理操作する。ここに図4は、本発明に係る焼却灰の移動式溶融炉の処理手順を示す流れ図である。まず灰前処理設備19と汚泥払出装置2を含む事前準備が完了し、焼却灰汚泥の連続供給が可能であって、本発明装置と連動可能状態にあるものとする。
制御系電源をONして(S1)、順次、温度系やレベル系のセンサを感知可能にし、計測器や各コンベアや加熱操作のタイミングを決めるタイマが作動し、各水槽に配管する給水系や排水系、あるいは排ガス処理設備20や排ガス系などに配置する各種センサが感知可能になり、次いで操作系電源をONして(S2)、各配管系に配置する電磁弁、各炉や排気系に配置する各ヒータや各搬送コンベア、及び排気ファンがタイミングをとって起動可能になる。
焼却灰汚泥dを汚泥払出装置2に投入して該汚泥を受け入れるバケットコンベア2aが搬送して(S3)、一次ホッパ2bに焼却灰汚泥dを受入れる(S4)。該ホッパの貯留量が払出レベルM1以上になると、乾燥炉搬送コンベア4がONし(S5)、順次、汚泥搬送コンベア4aをONする(S6)。焼却灰汚泥dは乾燥炉3へ汚泥搬送され(S7)、その搬送中に乾燥処理される。乾燥済の焼却灰汚泥dは二次ホッパ3aへ搬送貯留される(S8)。次いで二次ホッパの貯留汚泥は汚泥搬送コンベア4aによって溶融炉5へ搬送する(S9)。該溶融炉にて溶融した焼却灰汚泥dは、溶融スラグfに変わり、セラミックチューブ6内を流下してスラグ水砕槽7へ投入され(S10)、該スラグ水砕槽で固化、水砕化したスラグは、スラグ排出コンベア7aによって搬出し、車外へ排出する(S11)。溶融炉5の起動時操作の加熱不十分のために不完全溶融物f′が排出され、再溶融を必要とする場合には、前記したS3、S4、S8の適宜なステップに戻されて再処理される。ここに排ガス含有中の有害成分は、その無害化や無臭化のために、排ガス処理装置21に内設する加熱ヒータを約900℃に昇温操作する。なお、乾燥炉3は250℃〜350℃に、溶融炉は1100℃〜1450℃に、それぞれ昇温操作する。
【0017】
次に本発明の焼却灰の移動式溶融炉30を運転操作した実施例を説明する。含水率60%、処理量45kg−dry/hの焼却灰汚泥dを乾燥、溶融処理した。その乾燥炉3長さ1.5m、乾燥用ヒータ6aに炭化珪素系抵抗ヒータ31.4kw(加熱操作温度400℃)、スクリュコンベア送り速度3〜10rpmで操作する乾燥炉搬送コンベア4、それに前記素材から成る抵抗ヒータ21kw(加熱操作温度1450℃)の加熱ヒータ6bを付設する150φセラミックチューブ6を配設する溶融炉5、付随設備の排ガス処理装置21には前記抵抗ヒータ8kw(加熱操作温度900℃)から成る無臭化処理用の加熱ヒータを配設して構成し、4ton積みロングボディ車の車台上に本発明に係る車載設備10を搭載、構築した。この実施例において、焼却灰は、乾燥重量基準で50〜60%減量した溶融スラグになった。
排ガス処理設備からの排気ガスは、温度45℃により放出できた。その排ガス放出成分は、環境基準値を下回るダイオキシン類0.0013ng−TEQ/Nm(基準0.1)、他の放出物質値は一酸化炭素1.0volppm(基準10.以下)、ダスト濃度0.01g/Nm未満(基準0.10以下)、硫黄酸化物0.1Nm/h未満(基準0.1以下)、窒素酸化物0.7volppm(基準0.04以下)、塩化水素4.3mg/Nm(環境基準無表示物質)を示した。ここに括弧()内数値は、環境基準値を、各対象物質に示す単位によって表示し、単位再表示を省略した。
【0018】
【発明の効果】
本発明の、焼却灰の移動式溶融炉によれば、焼却灰減容処理を必要とする巡回先で、従来、焼却灰前処理には行われなかった凝集処理を加えて、アルミ系ないし鉄系から成る凝集剤を混入する焼却灰凝集汚泥に変え、該汚泥を間接加熱によって溶融化処理し、かつ排ガス処理設備を搭載して軽量化し、4ton積みロングボデイ車の車載設備に纏めて形成した技術であるので、混入凝集剤が焼却灰の溶融スラグ化を効果的にすると共に、排ガスのクリーン処理に有効に複合作用している。従って本発明装置によって、焼却灰汚泥の供給先に容易に巡回して、ダイオキシン無害化とスラグ化による減容処理ができので、焼却施設を休止して施設改善工事やメンテナンスを行ったり、埋め立て地区において焼却灰のスラグ化加工を行って処理済みの溶融灰を埋め立てることを可能にした。また巡回先焼却施設では、焼却灰溶融前処理をするために焼却灰汚泥を回収するので、その施設には飛灰問題は生じない。さらに焼却灰の減量化、廃棄物の究極の減容化のためのセーフティネット構築に寄与し、広域的にかつ機動的に廃棄物処理を行えるので、ゆとりある社会的環境基盤作りに貢献するなど、本発明による技術的、社会的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼却灰の移動式溶融炉を説明するもので、(A)はその全体構成を示すブロック図、(B)はその要部構成を示す側断面を含む部分側面図でである。
【図2】本発明の焼却灰の移動式溶融炉の実施例を説明するもので、(A)はその平面図、(B)はその側面図である。
【図3】同じく焼却灰の移動式溶融炉に付設する汚泥払出装置の実施例を説明する側面図である。
【図4】本発明に係る焼却灰の移動式溶融炉の処理手順を示す流れ図である。
【図5】従来技術とその適用技術を説明するもので、(A)は従来技術を適用する焼却灰前処理設備の処理手順を示す模式図、(B)は従来技術による灰溶融設備と排ガス処理設備を示す模式図である。
【符号の説明】
1 (焼却)灰溶融設備
2 汚泥払出装置
2a バケットコンベア
2b 一次ホッパ
3 乾燥炉
3a 二次ホッパ
4 乾燥炉搬送コンベア
4a 汚泥(溶融炉)搬送コンベア
5 汚泥溶融炉(溶融炉)
6 セラミックチューブ
6a ヒータ(乾燥用)
6b ヒータ(溶融用)
7 スラグ水砕槽
7a スラグ排出コンベア
8 排気ファン
9 (凝集)反応槽
9a (凝集灰)沈殿槽
10 車載設備
11 (移動)車台
12 スラグ回収槽
13 制御盤(配電/操作)
14 ガス煙道
15 炉床
16 加熱バーナ
17 煙突
19 (焼却)灰前処理設備
20 排ガス処理設備
21 排ガス処理装置
22 排気冷却塔
23 排気除湿装置
24 受入口(焼却灰汚泥の)
25 払出口(同上)
30 移動式溶融炉
a 焼却灰
b1 (焼却灰)溶解水
b2、b3 冷却水
c 凝集剤
d 焼却灰(凝集)汚泥
f、f′ スラグ
g 排ガス
h 排水
k 燃料(油)

Claims (2)

  1. 焼却した廃棄物の焼却灰(a)を、アルミ系又は鉄系の金属成分を含む無機系凝集剤(c)と凝集反応させて得る焼却灰凝集汚泥(d)を供給して高温下で熱分解してスラグ化する焼却灰の移動式溶融炉(30)であって、
    車台(11)上に、焼却灰凝集汚泥(a)を受け入れる一次ホッパ(2b)と、該一次ホッパから払出して前記焼却灰凝集汚泥を約300℃以下によって乾燥する乾燥炉(3)と、該乾燥炉からの乾燥した焼却灰凝集汚泥(d)を一時貯留する二次ホッパ(3a)を介して搬送し、約1450℃以下により溶融する汚泥溶融炉(5)と、該汚泥溶融炉が溶融して生成する焼却灰スラグ(f)を水冷するスラグ水砕槽(7)とを配設する焼却灰溶融設備(1)を構成し、かつ前記乾燥炉から排出する排ガス(g)を無害化する排ガス処理設備(20)に連係して構成すると共に、あるいは加えて焼却灰供給場所において、下部に設ける受入口(24)より焼却灰凝集汚泥(d)を上方へ、引き続き横方向へ搬送し、搬送端末において落下させるバケットコンベアを内設し、逆L字型に形成、直立させた汚泥払出装置(2)を配設し、逆L字型の水平部分下部に移動車台(11)を移動し、停止させて、前記供給先の焼却灰前処理設備(19)が払出口(25)より払い出す前記焼却灰凝集汚泥を該移動車台上の一次ホッパ(2b)に搬送し、焼却灰溶融設備(1)と前記汚泥払出装置とが連動操作可能に構成したことを特徴とする焼却灰の移動式溶融炉。
  2. 焼却灰(a)を無機系凝集剤と凝集反応させて得た焼却灰凝集汚泥(d)を乾燥処理した後に搬送する汚泥溶融炉(5)を、二次ホッパ(3a)から汚泥搬送コンベア(4a)を介して乾燥汚泥を受け入れ、その内部で該乾燥汚泥の溶融化を行う高温耐熱性を有するセラミックチューブ(6)と、該セラミックチューブに外設する加熱ヒータ(6b)とによって加熱部を構成した上で、セラミックチューブ(6)の流下下流側が下方になるように傾斜させて据え付けると共に、該流下下流側に汚泥が流下するにつれて溶融温度を高めることが可能な加熱構造ないしセラミックチューブ(6)の軸方向に沿って複数の区画に分けた各区画を個別に昇温制御操作可能に形成する加熱ヒータ(6b)を配設して、間接加熱による汚泥溶融化を行うことを特徴とする請求項1記載の焼却灰の移動式溶融炉。
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