JP2004182088A - 車両用メンバ部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなる車両用メンバ部品1。車両用メンバ部品1は,2枚の外側金属板22によって構成された断面略六角形のケース部12と,ケース部12の内側に配設された2枚の内側金属板23によって構成されたリーンフォース部13とを有する。リーンフォース部13の一部は,断面においてケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなる車両用メンバ部品1。車両用メンバ部品1は,2枚の外側金属板22によって構成された断面略六角形のケース部12と,ケース部12の内側に配設された2枚の内側金属板23によって構成されたリーンフォース部13とを有する。リーンフォース部13の一部は,断面においてケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,フロントサイドメンバ,クラッシュボックス等の車両用メンバ部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,車両用メンバ部品として,例えば,図27に示すごとく,複数のプレス部品をスポット溶接によって接合してなるものがある(特許文献1参照)。
該車両用メンバ部品9は,断面略矩形状の凹部911とその両側端に形成されたフランジ部912とを有する基体91と,上記凹部911の底面913に接合されたリーンフォース92と,上記凹部911を覆うように一対の上記フランジ部912にわたって接合されたクロージングパネル93とからなる。
【0003】
上記車両用メンバ部品9は,例えば,車両のフロントサイドメンバの前端部に取付けられ,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスとして用いられる。かかるクラッシュボックスには,大きな衝突エネルギを吸収できることが要求される。
【0004】
ところが,上記車両用メンバ部品9は,上記基体91とリーンフォース92とクロージングパネル93とを接合してなるが,これらの間には大きな空間94が形成されている。そのため,上記車両用メンバ部品9は,充分な強度を得ることができず,衝突エネルギ吸収性が不充分となるおそれがあるという問題がある。
【0005】
そこで,衝突エネルギ吸収性を向上すべく,図28に示すごとく,断面六角形状の中空体からなる車両用メンバ部品90や,図29に示すごとく,断面六角形状の外周壁96とその対角線上に配された中桟95とを有する車両用メンバ部品900が提案されている(特許文献2参照)。
なお,上記車両用メンバ部品90,900は,アルミ押出成形品である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−53076号公報
【特許文献2】
特開2001−124128号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記中空体からなる車両用メンバ部品90についても,充分な衝突エネルギ吸収性を得ることは困難である。
また,中桟95を有する上記車両用メンバ部品900を押出成形によって成形する場合には,製造コストが高くなるおそれがある。また,この場合,使用することができる材料が,アルミニウム等に限られてしまうという問題もある。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合してなる車両用メンバ部品であって,
2枚の外側金属板によって構成された断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板によって構成されたリーンフォース部とを有し,
かつ,上記リーンフォース部の一部は,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されていることを特徴とする車両用メンバ部品にある(請求項1)。
【0010】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記車両用メンバ部品は,上記のごとく,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合してなるため,容易かつ安価に製造することができる。また,特に上記金属板の材質が限定されることがないため,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0011】
また,上記車両用メンバ部品は,断面略六角形状のケース部を有するため,より大きな衝突エネルギを吸収することができる。更に,上記車両用メンバ部品は,上記リーンフォース部を有するため,更に大きな衝突エネルギを吸収することができる。
また,上記リーンフォース部の一部は,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。そのため,上記リーンフォース部によって,上記車両用メンバ部品を有効に補強することができ,一層衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を得ることができる。
【0012】
以上のごとく,本発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0013】
第2の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有する外側金属板を2枚成形する外側金属板成形工程と,重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有する内側金属板を2枚成形する内側金属板成形工程と,
上記一対の内側金属板における上記中央屈曲部を互いに接合する中央接合工程と,
上記一対の内側金属板における上記内側フランジ部を互いに接合する内側フランジ接合工程と,
上記内側金属板における上記内側フランジ部と上記外側金属板における外側フランジ部とを接合する外側フランジ接合工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法にある(請求項6)。
【0014】
上記製造方法においては,ハイドロフォーム成形を用いて,一度に2枚の上記内側金属板を成形して上記リーンフォース部を得ることができる。それ故,容易に,かつ生産効率よくリーンフォース部を形成し,車両用メンバ部品を製造することができる。
また,上記金属板は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0015】
そして,本製造方法を用いることにより,上記第1の発明として開示したような衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を,容易に製造することができる。
【0016】
以上のごとく,第2の発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品の製造方法を提供することができる。
【0017】
第3の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
金属板を2枚重ね合せて互いに周縁部を接合し,これを2組4枚の金属板に対して行う周縁部接合工程と,
重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持し,上記下側型面と上記上側型面とによって断面略菱形の閉空間を形成した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,上記外側金属板と上記内側金属板とによって構成されると共に菱形中空体とその両側端に形成された一対の翼部とからなる中間体を2個作製する中間体作製工程と,
上記2個の中間体におけるそれぞれ一対の上記翼部を,プレス成形することにより,該翼部の基端部から,上記内側金属板側に,互いに略平行となるように屈曲させる翼部屈曲工程と,
プレス成形された上記2個の中間体を,上記内側金属板の中央屈曲部同士を接合すると共に上記翼部の先端部同士を接合することにより合体させる合体工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法にある(請求項11)。
【0018】
上記製造方法においては,ハイドロフォーム成形とプレス成形とを併用して,上記外側金属板と内側金属板とを成形し,上記車両用メンバ部品を得ることができる。特に,上記ハイドロフォーム成形によって,上記外側金属板と内側金属板とを一度に成形することができる。それ故,容易に,かつ生産効率よく車両用メンバ部品を製造することができる。
また,上記金属板は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0019】
そして,本製造方法を用いることにより,上記第1の発明として開示したような衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を,容易に製造することができる。
【0020】
以上のごとく,第3の発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品の製造方法を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記ケース部は,断面略正六角形であることが好ましい。この場合には,上記車両用メンバ部品は,衝突エネルギをバランスよく吸収することができ,より大きな衝突エネルギを吸収できる。
また,上記金属板の材質は,例えばSPFH590などの高張力鋼板等とすることができる。
【0022】
また,上記外側金属板は,底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有し,一対の上記内側金属板は,上記中央屈曲部及び上記内側フランジ部において互いに接合されており,上記外側金属板は,上記内側金属板に対して,上記内側フランジ部と外側フランジ部とを重ね合せた部分において接合されているものとすることができる(請求項2)。
【0023】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0024】
また,上記外側金属板は,底面屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の傾斜底部と,該一対の傾斜底部における上記底面屈曲部とは反対側の側端から同一面側に屈曲した互いに略平行な一対の外側側板部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から同一面側に折返された互いに略平行な一対の内側側板部とを有し,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側側板部及び上記外側側端部の先端部において互いに接合されているものとすることができる(請求項3)。
【0025】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0026】
また,上記内側側板部及び上記外側側板部の先端部には,それぞれ外方へ屈曲した内側フランジ部及び外側フランジ部が形成されており,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側フランジ部と上記外側フランジ部において互いに接合されていてもよい(請求項4)。
この場合には,上記一対の内側金属板及び一対の外側金属板を,一層容易かつ確実に接合することができる。
【0027】
また,上記車両用メンバ部品は,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスであることが好ましい(請求項5)。
この場合には,本発明品における優れた衝突エネルギ吸収性という作用効果を,特に有効に発揮することができる。
【0028】
次に,上記第2の発明(請求項6)において,上記外側金属板は,プレス成形によって成形することが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記外側金属板を,容易かつ確実に成形することができる。
【0029】
また,上記内側金属板成形工程を行うに当り,上記2枚の金属板を挟持した上記下型と上記上型との間には,得ようとする上記リーンフォース部の外形に対応した形状を有する閉空間が形成され,その後,上記2枚の金属板の間に内圧をかけることにより,該2枚の金属板を,上記下型の下側型面及び上記上型の上側型面に押し付けるようにして成形することができる(請求項8)。
この場合には,上記リーンフォース部を一層容易かつ効率的に成形することができる。また,上記下型および上型を簡単な構造にすることができる。
【0030】
また,上記下型及び上記上型は,それぞれ,固定型と該固定型に対してスライド可能なスライド型とを有し,上記内側金属板成形工程においては,上記2枚の金属板の周縁部を上記上型の固定型と上記下型の固定型とによって挟持し,次いで,上記2枚の金属板の間に内圧をかけて上記周縁部以外の部分を互いに離れる方向へ変形させ,次いで,上記スライド型を上下からスライドさせて上記金属板を挟み込むようにして加圧することにより,該金属板を上記スライド型に形成された下側型面と上側型面に沿った形状に成形してもよい(請求項9)。
この場合にも,上記リーンフォース部を容易かつ効率的に成形することができる。
【0031】
また,上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,周縁部において上記2枚の金属板を溶接することが好ましい(請求項10)。
この場合には,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板の間に供給した高圧水が,上記周縁部から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
また,この場合,上記中央接合工程も,上記内側金属板成形工程の前に行うことが好ましい。これにより,上記中央接合工程を上記内側フランジ接合工程と連続して行うことができ,生産効率の一層の向上を図ることができるからである。
【0032】
次に,上記第3の発明(請求項11)において,上記周縁部接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,上記高圧水を供給するための給水部を除く全ての周縁部において,上記2枚の金属板を溶接することが好ましい(請求項12)。
この場合には,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板の間に供給した高圧水が,上記周縁部から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる車両用メンバ部品及びその製造方法につき,図1〜図10を用いて説明する。
上記車両用メンバ部品1は,図1に示すごとく,曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなる。
【0034】
即ち,上記車両用メンバ部品1は,2枚の外側金属板22によって構成された断面略六角形のケース部12と,該ケース部12の内側に配設された2枚の内側金属板23によって構成されたリーンフォース部13とを有する。
上記リーンフォース部13の一部は,断面において上記ケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。
【0035】
また,上記外側金属板22は,底板部221と,該底板部221の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部222と,該一対の外側斜面部222における上記底板部221とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部223とを有する。
【0036】
上記内側金属板23は,中央屈曲部231を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部232と,該中央斜面部232における上記中央屈曲部231とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部233と,該折返し斜面部233における上記中央斜面部232とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部234とを有する。
【0037】
また,一対の上記内側金属板23は,上記中央屈曲部231及び上記内側フランジ部234において互いに接合されている。上記外側金属板22は,上記内側金属板23に対して,上記内側フランジ部234と外側フランジ部223とを重ね合せた部分において接合されている。
【0038】
上記ケース部12は,断面略正六角形である。そして,上記ケース部12とリーンフォース部13との間には,断面略正角形の三角中空部14を2個形成し,上記リーンフォース部13の内側には,断面略菱形の菱形中空部15を2個形成してなる。また,上記金属板2の材質は,高張力鋼板とすることができる。
【0039】
上記車両用メンバ部品1は,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスである。該クラッシュボックス(車両用メンバ部品1)は,図2に示す車体6におけるフロントサイドメンバ61の前端部に配設されている。
【0040】
次に,本例の車両用メンバ部品1の製造方法につき,主に図3〜図10を用いて説明する。
該製造方法は,下記の外側金属板成形工程と,内側金属板成形工程と,中央接合工程と,内側フランジ接合工程と,外側フランジ接合工程とを有する。
【0041】
上記外側金属板成形工程においては,図3,図4に示すごとく,プレス成形によって,上記外側金属板22を2枚成形する。プレス成形に当っては,台形状の凹部311を有するダイス31と,上記凹部311と略同形状の先端部321を有するパンチ32と,該パンチ32の両脇に配されたパッド33とを用いる。
【0042】
そして,図3に示すごとく,上記凹部311を覆うようにダイス31の上面に金属板2を載置し,上記パッド33によって上記金属板2の両側端部251を押える。
次いで,上記パンチ32によって,上記金属板2を上記ダイス31の凹部311に絞込み,該凹部311の形状に成形する。
【0043】
上記内側金属板成形工程においては,図5に示すごとく,重ね合せた2枚の金属板2の周縁部25を,図6に示すごとく,下側型面41を有する下型4と上側型面51を有する上型5とによって挟持する。この状態で,図7,図8に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に高圧水7を注入することにより内圧をかけて,上記金属板2をそれぞれ上記下側型面41及び上記上側型面51に沿った形状にハイドロフォーム成形する。これにより,上記内側金属板23を2枚成形する。
【0044】
図6に示すごとく,上記内側金属板成形工程を行うに当り,上記2枚の金属板2を挟持した下型4と上型5との間には,得ようとする上記リーンフォース部13の外形に対応した形状を有する閉空間45が形成される。その後,図7,図8に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に内圧をかける。これにより,該2枚の金属板2を,下型4の下側型面41及び上型5の上側型面51に押し付けるようにしてハイドロフォーム成形する。
【0045】
ハイドロフォーム成形した後,上記金属板2における注水口24を含む端末部252を切断除去する。
また,上記金属板2は,厚み約2.0mmの高張力鋼板からなる。また,上記2枚の金属板2の間に,高圧水7によってかける内圧は約100〜150MPaとすることができる。
【0046】
上記中央接合工程においては,上記一対の内側金属板23における上記中央屈曲部231を互いに接合する。
上記内側フランジ接合工程においては,上記一対の内側金属板23における上記内側フランジ部234を互いに接合する。
【0047】
上記中央接合工程及び上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行う。そして,図5に示すごとく,金属板2を2枚重ね合せた状態で,上記高圧水7を供給するための給水部24を除く周縁部25及び幅方向の中央部26を溶接する。これらの溶接には,レーザ溶接,シーム溶接,アーク溶接等を用いることができる。
【0048】
外側フランジ接合工程においては,上記内側金属板23における上記内側フランジ部234と上記外側金属板22における外側フランジ部223とを接合する。
即ち,図9に示すごとく,互いに接合されハイドロフォーム成形された2枚の内側金属板23からなるリーンフォース部13を,2枚の外側金属板22によって包み込むようにして,外側フランジ部223と内側フランジ部234とを重ね合わせる。そして,図10に示すごとく,スポット溶接機71を用いて外側フランジ部223と内側フランジ部234とを溶接する。
【0049】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記車両用メンバ部品1は,上記のごとく,曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなるため,容易かつ安価に製造することができる。また,特に上記金属板2の材質が限定されることがないため,得ようとする車両用メンバ部品1の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0050】
また,上記車両用メンバ部品1は,断面略六角形状のケース部12を有するため,より大きな衝突エネルギを吸収することができる。更に,上記車両用メンバ部品1は,上記リーンフォース部13を有するため,更に大きな衝突エネルギを吸収することができる。
【0051】
また,上記リーンフォース部13の一部は,断面において上記ケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。そのため,上記リーンフォース部13によって,上記車両用メンバ部品1を有効に補強することができ,一層衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品1を得ることができる。
【0052】
また,上記車両用メンバ部品1は,クラッシュボックスであるため,本発明品における優れた衝突エネルギ吸収性という作用効果を,特に有効に発揮することができる。
【0053】
本例の製造方法においては,ハイドロフォーム成形を用いて,一度に2枚の上記内側金属板23を成形して上記リーンフォース部13を得ることができる。それ故,容易に,かつ生産効率よくリーンフォース部13を形成し,車両用メンバ部品1を製造することができる。
また,上記金属板2は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板2の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品1の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0054】
また,上記外側金属板22は,プレス成形によって成形するため,上記外側金属板22を,容易かつ確実に成形することができる。また,上記2つの外側金属板22を同形状とすることにより,同じダイス31やパンチ32等を用いることができるため,製造設備の低コスト化,生産効率の向上を図ることができる。
【0055】
また,上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,給水部24を除く全ての周縁部25において,上記2枚の金属板2を溶接する。それ故,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板2の間に供給した高圧水7が,上記周縁部25から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板2の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
【0056】
以上のごとく,本例によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供することができる。
【0057】
(実施例2)
本例は,図11〜図13に示すごとく,それぞれ,固定型42,52と該固定型42,52に対してスライド可能なスライド型43,53とを有する下型4及び上型5を用いた車両用メンバ部品の製造方法の例である。
そして,実施例1に示した内側金属板成形工程を以下のように行う。
【0058】
即ち,まず,図11に示すごとく,2枚の金属板2の周縁部25を上記上型5の固定型52と上記下型4の固定型42とによって挟持する。
次いで,図12に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に内圧をかけて上記周縁部25以外の部分を互いに離れる方向へ変形させる。
【0059】
次いで,図13に示すごとく,上記スライド型43,53を上下からスライドさせて上記金属板2を挟み込むようにして加圧する。
これにより,該金属板2を上記スライド型43,53に形成された下側型面41と上側型面51に沿った形状に成形する。
【0060】
上記スライド型43,53によって金属板2を加圧する際には,上記2枚の金属板2間の高圧水7を徐々に排出して,所定の内圧を維持しつつ金属板2の成形を行う。
本例においては,実施例1に示した中央接合工程は,内側金属板成形工程よりも後に行う。その他は,実施例1と同様である。
【0061】
この場合にも,上記リーンフォース部13を容易かつ効率的に成形することができる。その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0062】
(実施例3)
本例は,図14〜図22に示すごとく,外側金属板22と内側金属板23の形状を実施例1とは異なる形状に成形した例である。
図14に示すごとく,上記外側金属板22は,底面屈曲部224を介して互いに斜めに配された一対の傾斜底部225と,該一対の傾斜底部225における上記底面屈曲部224とは反対側の側端から同一面側に屈曲した互いに略平行な一対の外側側板部226とを有する。
【0063】
上記内側金属板23は,中央屈曲部235を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部236と,該中央斜面部236における上記中央屈曲部235とは反対側の側端から同一面側に折返された互いに略平行な一対の内側側板部237とを有する。
一対の上記内側金属板23と一対の上記外側金属板22とは,上記内側側板部237及び上記外側側端部226の先端部において互いに接合されている。
【0064】
そして,車両用メンバ部品1のリーンフォース部13の内側には,断面略正三角形の三角中空部14が形成され,上記リーンフォース部13とケース部12との間には,断面略菱形の菱形中空部15が形成されている。
【0065】
次に,上記車両用メンバ部品の製造方法につき説明する。
該製造方法は,下記の周縁部接合工程と,中間体作製工程と,翼部屈曲工程と,合体工程とを有する。
上記周縁部接合工程は,図15に示すごとく,金属板2を2枚重ね合せて互いに周縁部25を接合し,これを2組4枚の金属板2に対して行う。
【0066】
上記中間体作製工程においては,図16に示すごとく,重ね合せた2枚の金属板2の周縁部25を,下側型面41を有する下型4と上側型面51を有する上型5とによって挟持する。上記下側型面41と上記上側型面51とによって断面略菱形の閉空間45を形成した状態で,図17,図18に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に高圧水7を注入することにより内圧をかける。
【0067】
これにより,上記金属板2をそれぞれ上記下側型面41及び上記上側型面51に沿った形状にハイドロフォーム成形して,上記外側金属板22と上記内側金属板23とによって構成されると共に菱形中空体161とその両側端に形成された一対の翼部162とからなる中間体16を2個作製する。
なお,図19に示すごとく,上記中間体16における端末部252は,給水部24も含めて,レーザカット等によって切断除去する。
【0068】
翼部屈曲工程においては,上記2個の中間体16におけるそれぞれ一対の上記翼部162を,プレス成形することにより,該翼部162の基端部から,上記内側金属板23側に,互いに略平行となるように屈曲させる。
プレス成形は,図20,図21に示すごとく,菱形中空体161を載置するための中央載置面341を備えたダイ34と,該ダイ34の両脇において上下動可能な曲刃35とを用いて行う。
【0069】
即ち,図20に示すごとく,上記中間体16の菱形中空部161を,内側金属板23側を下にした状態でダイ34に載置すると共に,上方からパッド36を当接させることにより上記中間体16を保持する。このとき,上記翼部162は上記ダイ34及びパッド36から外側にはみ出した状態にある。
次いで,図21に示すごとく,上方から上記曲刃35を上記ダイ34の両脇にスライド下降させる。これにより,上記曲刃35が上記中間体16の一対の翼部162を下方に押し曲げる。
【0070】
上記合体工程においては,図22,図14に示すごとく,上記のようにプレス成形された上記2個の中間体16を,上記内側金属板23の中央屈曲部235同士を接合すると共に上記翼部162の先端部同士を接合することにより合体させる。
その他は,実施例1と同様である。
【0071】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供することができる。
その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0072】
(実施例4)
本例は,図23に示すごとく,内側側板部237及び外側側板部226の先端部に,それぞれ外方へ屈曲した内側フランジ部238及び外側フランジ部227が形成された車両用メンバ部品1の例である。
一対の上記内側金属板23と一対の上記外側金属板22とは,上記内側フランジ部238と上記外側フランジ部227において互いに接合されている。
【0073】
上記車両用メンバ部品1を製造するに当っては,実施例3に示した中間体16における翼部162を長めに形成する。そして,翼部屈曲工程においては,図24,図25に示すごとく,菱形中空部161を載置するための中央載置面341と,その両側に中央載置面341の最も低い位置と同等の高さに形成されたフランジ用型面342とを有するダイ340を用いる。そして,図25に示すごとく,上記中央載置面341に中間体16を載置すると共にパッド36により保持した状態で,曲刃35を上記フランジ用型面342に向って下降させ,上記翼部162を上記フランジ用型面342に押圧する。
【0074】
これにより,内側フランジ部238と外側フランジ部227とが形成される。
このように作製した2つの中間体16を,上記内側フランジ部238同士を重ね合せて溶接することにより接合する。
その他は,実施例3と同様である。
【0075】
この場合には,上記一対の内側金属板23及び一対の外側金属板22を,一層容易かつ確実に接合することができる。
その他,実施例3と同様の作用効果を有する。
【0076】
(実施例5)
本例においては,図26に示すごとく,実施例1,3にそれぞれ示した本発明にかかる車両用メンバ部品の衝突エネルギ吸収性につき評価した。
比較のため,従来例に示した断面六角形の中空体からなる車両用メンバ部品90(比較例1)と,断面略矩形状の車両用メンバ部品9(比較例2)とについても,同様の評価を行った。
【0077】
即ち,各車両用メンバ部品に対し,前後方向(図1,図14,図27,図28における紙面に垂直な方向)に衝突した場合に,その衝突エネルギのうち車両用メンバ部品によって吸収された吸収エネルギを測定した。その結果を,図26に示す。
【0078】
同図より明らかなごとく,比較例1の車両用メンバ部品90(図28)の吸収エネルギが約13000J程度,比較例2の車両用メンバ部品9(図27)の吸収エネルギが約10000J程度であったのに対し,実施例1の車両用メンバ部品1(図1)及び実施例3の車両用メンバ部品1(図14)は,吸収エネルギが20000Jを超えて大きかった。即ち,本発明によれば,従来品に対して吸収エネルギを大きく向上させることができることとなる。
【0079】
上記実施例1〜3においては,クラッシュボックスについての実施例を示したが,本発明は,フロントサイドメンバ,リヤサイドメンバ等,他の車両用メンバ部品に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,車両用メンバ部品の断面図。
【図2】実施例1における,車体のフロント部分の斜視図。
【図3】実施例1における,プレス成形直前の状態を示す,外側金属板成形工程の説明図。
【図4】実施例1における,プレス成形直後の状態を示す,外側金属板成形工程の説明図。
【図5】実施例1における,互いに重ね合せた2枚の金属板の斜視図。
【図6】実施例1における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図7】実施例1における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図8】実施例1における,ハイドロフォーム成形直後の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図9】実施例1における,リーンフォース部に外側金属板を接合する直前の説明図。
【図10】実施例1における,リーンフォース部に外側金属板を接合する様子を示す説明図。
【図11】実施例2における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図12】実施例2における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図13】実施例2における,スライド型によって2枚の金属板を押圧した状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図14】実施例3における,車両用メンバ部品の断面図。
【図15】実施例3における,互いに重ね合せた2枚の金属板の斜視図。
【図16】実施例3における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図17】実施例3における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図18】実施例3における,ハイドロフォーム成形直後の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図19】実施例3における,ハイドロフォーム成形により得られた中間体の斜視図。
【図20】実施例3における,プレス成形直前の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図21】実施例3における,プレス成形直後の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図22】実施例3における,2つの中間体を合体させる直前の状態を示す,合体工程の説明図。
【図23】実施例4における,車両用メンバ部品の断面図。
【図24】実施例4における,プレス成形直前の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図25】実施例4における,プレス成形直後の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図26】実施例5における,各車両用メンバ部品の吸収エネルギの測定結果を示す線図。
【図27】従来例における,車両用メンバ部品の断面図。
【図28】他の従来例における,車両用メンバ部品の断面図。
【図29】他の従来例における,中桟を有する車両用メンバ部品の断面図。
【符号の説明】
1...車両用メンバ部品,
12...ケース部,
13...リーンフォース部,
2...金属板,
22...外側金属板,
221...底板部,
222...外側斜面部,
223...外側フランジ部,
23...内側金属板,
231...中央屈曲部,
232...中央斜面部,
233...折返し斜面部,
234...内側フランジ部,
【技術分野】
本発明は,フロントサイドメンバ,クラッシュボックス等の車両用メンバ部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,車両用メンバ部品として,例えば,図27に示すごとく,複数のプレス部品をスポット溶接によって接合してなるものがある(特許文献1参照)。
該車両用メンバ部品9は,断面略矩形状の凹部911とその両側端に形成されたフランジ部912とを有する基体91と,上記凹部911の底面913に接合されたリーンフォース92と,上記凹部911を覆うように一対の上記フランジ部912にわたって接合されたクロージングパネル93とからなる。
【0003】
上記車両用メンバ部品9は,例えば,車両のフロントサイドメンバの前端部に取付けられ,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスとして用いられる。かかるクラッシュボックスには,大きな衝突エネルギを吸収できることが要求される。
【0004】
ところが,上記車両用メンバ部品9は,上記基体91とリーンフォース92とクロージングパネル93とを接合してなるが,これらの間には大きな空間94が形成されている。そのため,上記車両用メンバ部品9は,充分な強度を得ることができず,衝突エネルギ吸収性が不充分となるおそれがあるという問題がある。
【0005】
そこで,衝突エネルギ吸収性を向上すべく,図28に示すごとく,断面六角形状の中空体からなる車両用メンバ部品90や,図29に示すごとく,断面六角形状の外周壁96とその対角線上に配された中桟95とを有する車両用メンバ部品900が提案されている(特許文献2参照)。
なお,上記車両用メンバ部品90,900は,アルミ押出成形品である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−53076号公報
【特許文献2】
特開2001−124128号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記中空体からなる車両用メンバ部品90についても,充分な衝突エネルギ吸収性を得ることは困難である。
また,中桟95を有する上記車両用メンバ部品900を押出成形によって成形する場合には,製造コストが高くなるおそれがある。また,この場合,使用することができる材料が,アルミニウム等に限られてしまうという問題もある。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合してなる車両用メンバ部品であって,
2枚の外側金属板によって構成された断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板によって構成されたリーンフォース部とを有し,
かつ,上記リーンフォース部の一部は,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されていることを特徴とする車両用メンバ部品にある(請求項1)。
【0010】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記車両用メンバ部品は,上記のごとく,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合してなるため,容易かつ安価に製造することができる。また,特に上記金属板の材質が限定されることがないため,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0011】
また,上記車両用メンバ部品は,断面略六角形状のケース部を有するため,より大きな衝突エネルギを吸収することができる。更に,上記車両用メンバ部品は,上記リーンフォース部を有するため,更に大きな衝突エネルギを吸収することができる。
また,上記リーンフォース部の一部は,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。そのため,上記リーンフォース部によって,上記車両用メンバ部品を有効に補強することができ,一層衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を得ることができる。
【0012】
以上のごとく,本発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0013】
第2の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有する外側金属板を2枚成形する外側金属板成形工程と,重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有する内側金属板を2枚成形する内側金属板成形工程と,
上記一対の内側金属板における上記中央屈曲部を互いに接合する中央接合工程と,
上記一対の内側金属板における上記内側フランジ部を互いに接合する内側フランジ接合工程と,
上記内側金属板における上記内側フランジ部と上記外側金属板における外側フランジ部とを接合する外側フランジ接合工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法にある(請求項6)。
【0014】
上記製造方法においては,ハイドロフォーム成形を用いて,一度に2枚の上記内側金属板を成形して上記リーンフォース部を得ることができる。それ故,容易に,かつ生産効率よくリーンフォース部を形成し,車両用メンバ部品を製造することができる。
また,上記金属板は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0015】
そして,本製造方法を用いることにより,上記第1の発明として開示したような衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を,容易に製造することができる。
【0016】
以上のごとく,第2の発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品の製造方法を提供することができる。
【0017】
第3の発明は,曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
金属板を2枚重ね合せて互いに周縁部を接合し,これを2組4枚の金属板に対して行う周縁部接合工程と,
重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持し,上記下側型面と上記上側型面とによって断面略菱形の閉空間を形成した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,上記外側金属板と上記内側金属板とによって構成されると共に菱形中空体とその両側端に形成された一対の翼部とからなる中間体を2個作製する中間体作製工程と,
上記2個の中間体におけるそれぞれ一対の上記翼部を,プレス成形することにより,該翼部の基端部から,上記内側金属板側に,互いに略平行となるように屈曲させる翼部屈曲工程と,
プレス成形された上記2個の中間体を,上記内側金属板の中央屈曲部同士を接合すると共に上記翼部の先端部同士を接合することにより合体させる合体工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法にある(請求項11)。
【0018】
上記製造方法においては,ハイドロフォーム成形とプレス成形とを併用して,上記外側金属板と内側金属板とを成形し,上記車両用メンバ部品を得ることができる。特に,上記ハイドロフォーム成形によって,上記外側金属板と内側金属板とを一度に成形することができる。それ故,容易に,かつ生産効率よく車両用メンバ部品を製造することができる。
また,上記金属板は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0019】
そして,本製造方法を用いることにより,上記第1の発明として開示したような衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品を,容易に製造することができる。
【0020】
以上のごとく,第3の発明によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品の製造方法を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記ケース部は,断面略正六角形であることが好ましい。この場合には,上記車両用メンバ部品は,衝突エネルギをバランスよく吸収することができ,より大きな衝突エネルギを吸収できる。
また,上記金属板の材質は,例えばSPFH590などの高張力鋼板等とすることができる。
【0022】
また,上記外側金属板は,底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有し,一対の上記内側金属板は,上記中央屈曲部及び上記内側フランジ部において互いに接合されており,上記外側金属板は,上記内側金属板に対して,上記内側フランジ部と外側フランジ部とを重ね合せた部分において接合されているものとすることができる(請求項2)。
【0023】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0024】
また,上記外側金属板は,底面屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の傾斜底部と,該一対の傾斜底部における上記底面屈曲部とは反対側の側端から同一面側に屈曲した互いに略平行な一対の外側側板部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から同一面側に折返された互いに略平行な一対の内側側板部とを有し,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側側板部及び上記外側側端部の先端部において互いに接合されているものとすることができる(請求項3)。
【0025】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品を提供することができる。
【0026】
また,上記内側側板部及び上記外側側板部の先端部には,それぞれ外方へ屈曲した内側フランジ部及び外側フランジ部が形成されており,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側フランジ部と上記外側フランジ部において互いに接合されていてもよい(請求項4)。
この場合には,上記一対の内側金属板及び一対の外側金属板を,一層容易かつ確実に接合することができる。
【0027】
また,上記車両用メンバ部品は,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスであることが好ましい(請求項5)。
この場合には,本発明品における優れた衝突エネルギ吸収性という作用効果を,特に有効に発揮することができる。
【0028】
次に,上記第2の発明(請求項6)において,上記外側金属板は,プレス成形によって成形することが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記外側金属板を,容易かつ確実に成形することができる。
【0029】
また,上記内側金属板成形工程を行うに当り,上記2枚の金属板を挟持した上記下型と上記上型との間には,得ようとする上記リーンフォース部の外形に対応した形状を有する閉空間が形成され,その後,上記2枚の金属板の間に内圧をかけることにより,該2枚の金属板を,上記下型の下側型面及び上記上型の上側型面に押し付けるようにして成形することができる(請求項8)。
この場合には,上記リーンフォース部を一層容易かつ効率的に成形することができる。また,上記下型および上型を簡単な構造にすることができる。
【0030】
また,上記下型及び上記上型は,それぞれ,固定型と該固定型に対してスライド可能なスライド型とを有し,上記内側金属板成形工程においては,上記2枚の金属板の周縁部を上記上型の固定型と上記下型の固定型とによって挟持し,次いで,上記2枚の金属板の間に内圧をかけて上記周縁部以外の部分を互いに離れる方向へ変形させ,次いで,上記スライド型を上下からスライドさせて上記金属板を挟み込むようにして加圧することにより,該金属板を上記スライド型に形成された下側型面と上側型面に沿った形状に成形してもよい(請求項9)。
この場合にも,上記リーンフォース部を容易かつ効率的に成形することができる。
【0031】
また,上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,周縁部において上記2枚の金属板を溶接することが好ましい(請求項10)。
この場合には,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板の間に供給した高圧水が,上記周縁部から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
また,この場合,上記中央接合工程も,上記内側金属板成形工程の前に行うことが好ましい。これにより,上記中央接合工程を上記内側フランジ接合工程と連続して行うことができ,生産効率の一層の向上を図ることができるからである。
【0032】
次に,上記第3の発明(請求項11)において,上記周縁部接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,上記高圧水を供給するための給水部を除く全ての周縁部において,上記2枚の金属板を溶接することが好ましい(請求項12)。
この場合には,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板の間に供給した高圧水が,上記周縁部から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる車両用メンバ部品及びその製造方法につき,図1〜図10を用いて説明する。
上記車両用メンバ部品1は,図1に示すごとく,曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなる。
【0034】
即ち,上記車両用メンバ部品1は,2枚の外側金属板22によって構成された断面略六角形のケース部12と,該ケース部12の内側に配設された2枚の内側金属板23によって構成されたリーンフォース部13とを有する。
上記リーンフォース部13の一部は,断面において上記ケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。
【0035】
また,上記外側金属板22は,底板部221と,該底板部221の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部222と,該一対の外側斜面部222における上記底板部221とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部223とを有する。
【0036】
上記内側金属板23は,中央屈曲部231を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部232と,該中央斜面部232における上記中央屈曲部231とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部233と,該折返し斜面部233における上記中央斜面部232とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部234とを有する。
【0037】
また,一対の上記内側金属板23は,上記中央屈曲部231及び上記内側フランジ部234において互いに接合されている。上記外側金属板22は,上記内側金属板23に対して,上記内側フランジ部234と外側フランジ部223とを重ね合せた部分において接合されている。
【0038】
上記ケース部12は,断面略正六角形である。そして,上記ケース部12とリーンフォース部13との間には,断面略正角形の三角中空部14を2個形成し,上記リーンフォース部13の内側には,断面略菱形の菱形中空部15を2個形成してなる。また,上記金属板2の材質は,高張力鋼板とすることができる。
【0039】
上記車両用メンバ部品1は,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスである。該クラッシュボックス(車両用メンバ部品1)は,図2に示す車体6におけるフロントサイドメンバ61の前端部に配設されている。
【0040】
次に,本例の車両用メンバ部品1の製造方法につき,主に図3〜図10を用いて説明する。
該製造方法は,下記の外側金属板成形工程と,内側金属板成形工程と,中央接合工程と,内側フランジ接合工程と,外側フランジ接合工程とを有する。
【0041】
上記外側金属板成形工程においては,図3,図4に示すごとく,プレス成形によって,上記外側金属板22を2枚成形する。プレス成形に当っては,台形状の凹部311を有するダイス31と,上記凹部311と略同形状の先端部321を有するパンチ32と,該パンチ32の両脇に配されたパッド33とを用いる。
【0042】
そして,図3に示すごとく,上記凹部311を覆うようにダイス31の上面に金属板2を載置し,上記パッド33によって上記金属板2の両側端部251を押える。
次いで,上記パンチ32によって,上記金属板2を上記ダイス31の凹部311に絞込み,該凹部311の形状に成形する。
【0043】
上記内側金属板成形工程においては,図5に示すごとく,重ね合せた2枚の金属板2の周縁部25を,図6に示すごとく,下側型面41を有する下型4と上側型面51を有する上型5とによって挟持する。この状態で,図7,図8に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に高圧水7を注入することにより内圧をかけて,上記金属板2をそれぞれ上記下側型面41及び上記上側型面51に沿った形状にハイドロフォーム成形する。これにより,上記内側金属板23を2枚成形する。
【0044】
図6に示すごとく,上記内側金属板成形工程を行うに当り,上記2枚の金属板2を挟持した下型4と上型5との間には,得ようとする上記リーンフォース部13の外形に対応した形状を有する閉空間45が形成される。その後,図7,図8に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に内圧をかける。これにより,該2枚の金属板2を,下型4の下側型面41及び上型5の上側型面51に押し付けるようにしてハイドロフォーム成形する。
【0045】
ハイドロフォーム成形した後,上記金属板2における注水口24を含む端末部252を切断除去する。
また,上記金属板2は,厚み約2.0mmの高張力鋼板からなる。また,上記2枚の金属板2の間に,高圧水7によってかける内圧は約100〜150MPaとすることができる。
【0046】
上記中央接合工程においては,上記一対の内側金属板23における上記中央屈曲部231を互いに接合する。
上記内側フランジ接合工程においては,上記一対の内側金属板23における上記内側フランジ部234を互いに接合する。
【0047】
上記中央接合工程及び上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行う。そして,図5に示すごとく,金属板2を2枚重ね合せた状態で,上記高圧水7を供給するための給水部24を除く周縁部25及び幅方向の中央部26を溶接する。これらの溶接には,レーザ溶接,シーム溶接,アーク溶接等を用いることができる。
【0048】
外側フランジ接合工程においては,上記内側金属板23における上記内側フランジ部234と上記外側金属板22における外側フランジ部223とを接合する。
即ち,図9に示すごとく,互いに接合されハイドロフォーム成形された2枚の内側金属板23からなるリーンフォース部13を,2枚の外側金属板22によって包み込むようにして,外側フランジ部223と内側フランジ部234とを重ね合わせる。そして,図10に示すごとく,スポット溶接機71を用いて外側フランジ部223と内側フランジ部234とを溶接する。
【0049】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記車両用メンバ部品1は,上記のごとく,曲げ加工を施した複数の金属板2を互いに接合してなるため,容易かつ安価に製造することができる。また,特に上記金属板2の材質が限定されることがないため,得ようとする車両用メンバ部品1の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0050】
また,上記車両用メンバ部品1は,断面略六角形状のケース部12を有するため,より大きな衝突エネルギを吸収することができる。更に,上記車両用メンバ部品1は,上記リーンフォース部13を有するため,更に大きな衝突エネルギを吸収することができる。
【0051】
また,上記リーンフォース部13の一部は,断面において上記ケース部12の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されている。そのため,上記リーンフォース部13によって,上記車両用メンバ部品1を有効に補強することができ,一層衝突エネルギ吸収性に優れた車両用メンバ部品1を得ることができる。
【0052】
また,上記車両用メンバ部品1は,クラッシュボックスであるため,本発明品における優れた衝突エネルギ吸収性という作用効果を,特に有効に発揮することができる。
【0053】
本例の製造方法においては,ハイドロフォーム成形を用いて,一度に2枚の上記内側金属板23を成形して上記リーンフォース部13を得ることができる。それ故,容易に,かつ生産効率よくリーンフォース部13を形成し,車両用メンバ部品1を製造することができる。
また,上記金属板2は曲げ加工により成形するため,特に上記金属板2の材質が限定されることがない。それ故,得ようとする車両用メンバ部品1の物性,製造コスト等に応じて,所望の材料を使用することが可能となる。
【0054】
また,上記外側金属板22は,プレス成形によって成形するため,上記外側金属板22を,容易かつ確実に成形することができる。また,上記2つの外側金属板22を同形状とすることにより,同じダイス31やパンチ32等を用いることができるため,製造設備の低コスト化,生産効率の向上を図ることができる。
【0055】
また,上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,給水部24を除く全ての周縁部25において,上記2枚の金属板2を溶接する。それ故,上記ハイドロフォーム成形において,上記2枚の金属板2の間に供給した高圧水7が,上記周縁部25から漏れることを確実に防ぎ,上記2枚の金属板2の間に付与された内圧を確実に維持することができる。
【0056】
以上のごとく,本例によれば,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供することができる。
【0057】
(実施例2)
本例は,図11〜図13に示すごとく,それぞれ,固定型42,52と該固定型42,52に対してスライド可能なスライド型43,53とを有する下型4及び上型5を用いた車両用メンバ部品の製造方法の例である。
そして,実施例1に示した内側金属板成形工程を以下のように行う。
【0058】
即ち,まず,図11に示すごとく,2枚の金属板2の周縁部25を上記上型5の固定型52と上記下型4の固定型42とによって挟持する。
次いで,図12に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に内圧をかけて上記周縁部25以外の部分を互いに離れる方向へ変形させる。
【0059】
次いで,図13に示すごとく,上記スライド型43,53を上下からスライドさせて上記金属板2を挟み込むようにして加圧する。
これにより,該金属板2を上記スライド型43,53に形成された下側型面41と上側型面51に沿った形状に成形する。
【0060】
上記スライド型43,53によって金属板2を加圧する際には,上記2枚の金属板2間の高圧水7を徐々に排出して,所定の内圧を維持しつつ金属板2の成形を行う。
本例においては,実施例1に示した中央接合工程は,内側金属板成形工程よりも後に行う。その他は,実施例1と同様である。
【0061】
この場合にも,上記リーンフォース部13を容易かつ効率的に成形することができる。その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0062】
(実施例3)
本例は,図14〜図22に示すごとく,外側金属板22と内側金属板23の形状を実施例1とは異なる形状に成形した例である。
図14に示すごとく,上記外側金属板22は,底面屈曲部224を介して互いに斜めに配された一対の傾斜底部225と,該一対の傾斜底部225における上記底面屈曲部224とは反対側の側端から同一面側に屈曲した互いに略平行な一対の外側側板部226とを有する。
【0063】
上記内側金属板23は,中央屈曲部235を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部236と,該中央斜面部236における上記中央屈曲部235とは反対側の側端から同一面側に折返された互いに略平行な一対の内側側板部237とを有する。
一対の上記内側金属板23と一対の上記外側金属板22とは,上記内側側板部237及び上記外側側端部226の先端部において互いに接合されている。
【0064】
そして,車両用メンバ部品1のリーンフォース部13の内側には,断面略正三角形の三角中空部14が形成され,上記リーンフォース部13とケース部12との間には,断面略菱形の菱形中空部15が形成されている。
【0065】
次に,上記車両用メンバ部品の製造方法につき説明する。
該製造方法は,下記の周縁部接合工程と,中間体作製工程と,翼部屈曲工程と,合体工程とを有する。
上記周縁部接合工程は,図15に示すごとく,金属板2を2枚重ね合せて互いに周縁部25を接合し,これを2組4枚の金属板2に対して行う。
【0066】
上記中間体作製工程においては,図16に示すごとく,重ね合せた2枚の金属板2の周縁部25を,下側型面41を有する下型4と上側型面51を有する上型5とによって挟持する。上記下側型面41と上記上側型面51とによって断面略菱形の閉空間45を形成した状態で,図17,図18に示すごとく,上記2枚の金属板2の間に高圧水7を注入することにより内圧をかける。
【0067】
これにより,上記金属板2をそれぞれ上記下側型面41及び上記上側型面51に沿った形状にハイドロフォーム成形して,上記外側金属板22と上記内側金属板23とによって構成されると共に菱形中空体161とその両側端に形成された一対の翼部162とからなる中間体16を2個作製する。
なお,図19に示すごとく,上記中間体16における端末部252は,給水部24も含めて,レーザカット等によって切断除去する。
【0068】
翼部屈曲工程においては,上記2個の中間体16におけるそれぞれ一対の上記翼部162を,プレス成形することにより,該翼部162の基端部から,上記内側金属板23側に,互いに略平行となるように屈曲させる。
プレス成形は,図20,図21に示すごとく,菱形中空体161を載置するための中央載置面341を備えたダイ34と,該ダイ34の両脇において上下動可能な曲刃35とを用いて行う。
【0069】
即ち,図20に示すごとく,上記中間体16の菱形中空部161を,内側金属板23側を下にした状態でダイ34に載置すると共に,上方からパッド36を当接させることにより上記中間体16を保持する。このとき,上記翼部162は上記ダイ34及びパッド36から外側にはみ出した状態にある。
次いで,図21に示すごとく,上方から上記曲刃35を上記ダイ34の両脇にスライド下降させる。これにより,上記曲刃35が上記中間体16の一対の翼部162を下方に押し曲げる。
【0070】
上記合体工程においては,図22,図14に示すごとく,上記のようにプレス成形された上記2個の中間体16を,上記内側金属板23の中央屈曲部235同士を接合すると共に上記翼部162の先端部同士を接合することにより合体させる。
その他は,実施例1と同様である。
【0071】
この場合にも,衝突エネルギを充分に吸収することができ,かつ安価に製造することができる車両用メンバ部品及びその製造方法を提供することができる。
その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0072】
(実施例4)
本例は,図23に示すごとく,内側側板部237及び外側側板部226の先端部に,それぞれ外方へ屈曲した内側フランジ部238及び外側フランジ部227が形成された車両用メンバ部品1の例である。
一対の上記内側金属板23と一対の上記外側金属板22とは,上記内側フランジ部238と上記外側フランジ部227において互いに接合されている。
【0073】
上記車両用メンバ部品1を製造するに当っては,実施例3に示した中間体16における翼部162を長めに形成する。そして,翼部屈曲工程においては,図24,図25に示すごとく,菱形中空部161を載置するための中央載置面341と,その両側に中央載置面341の最も低い位置と同等の高さに形成されたフランジ用型面342とを有するダイ340を用いる。そして,図25に示すごとく,上記中央載置面341に中間体16を載置すると共にパッド36により保持した状態で,曲刃35を上記フランジ用型面342に向って下降させ,上記翼部162を上記フランジ用型面342に押圧する。
【0074】
これにより,内側フランジ部238と外側フランジ部227とが形成される。
このように作製した2つの中間体16を,上記内側フランジ部238同士を重ね合せて溶接することにより接合する。
その他は,実施例3と同様である。
【0075】
この場合には,上記一対の内側金属板23及び一対の外側金属板22を,一層容易かつ確実に接合することができる。
その他,実施例3と同様の作用効果を有する。
【0076】
(実施例5)
本例においては,図26に示すごとく,実施例1,3にそれぞれ示した本発明にかかる車両用メンバ部品の衝突エネルギ吸収性につき評価した。
比較のため,従来例に示した断面六角形の中空体からなる車両用メンバ部品90(比較例1)と,断面略矩形状の車両用メンバ部品9(比較例2)とについても,同様の評価を行った。
【0077】
即ち,各車両用メンバ部品に対し,前後方向(図1,図14,図27,図28における紙面に垂直な方向)に衝突した場合に,その衝突エネルギのうち車両用メンバ部品によって吸収された吸収エネルギを測定した。その結果を,図26に示す。
【0078】
同図より明らかなごとく,比較例1の車両用メンバ部品90(図28)の吸収エネルギが約13000J程度,比較例2の車両用メンバ部品9(図27)の吸収エネルギが約10000J程度であったのに対し,実施例1の車両用メンバ部品1(図1)及び実施例3の車両用メンバ部品1(図14)は,吸収エネルギが20000Jを超えて大きかった。即ち,本発明によれば,従来品に対して吸収エネルギを大きく向上させることができることとなる。
【0079】
上記実施例1〜3においては,クラッシュボックスについての実施例を示したが,本発明は,フロントサイドメンバ,リヤサイドメンバ等,他の車両用メンバ部品に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,車両用メンバ部品の断面図。
【図2】実施例1における,車体のフロント部分の斜視図。
【図3】実施例1における,プレス成形直前の状態を示す,外側金属板成形工程の説明図。
【図4】実施例1における,プレス成形直後の状態を示す,外側金属板成形工程の説明図。
【図5】実施例1における,互いに重ね合せた2枚の金属板の斜視図。
【図6】実施例1における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図7】実施例1における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図8】実施例1における,ハイドロフォーム成形直後の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図9】実施例1における,リーンフォース部に外側金属板を接合する直前の説明図。
【図10】実施例1における,リーンフォース部に外側金属板を接合する様子を示す説明図。
【図11】実施例2における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図12】実施例2における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図13】実施例2における,スライド型によって2枚の金属板を押圧した状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図14】実施例3における,車両用メンバ部品の断面図。
【図15】実施例3における,互いに重ね合せた2枚の金属板の斜視図。
【図16】実施例3における,ハイドロフォーム成形直前の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図17】実施例3における,ハイドロフォーム成形途中の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図18】実施例3における,ハイドロフォーム成形直後の状態を示す,内側金属板成形工程の説明図。
【図19】実施例3における,ハイドロフォーム成形により得られた中間体の斜視図。
【図20】実施例3における,プレス成形直前の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図21】実施例3における,プレス成形直後の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図22】実施例3における,2つの中間体を合体させる直前の状態を示す,合体工程の説明図。
【図23】実施例4における,車両用メンバ部品の断面図。
【図24】実施例4における,プレス成形直前の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図25】実施例4における,プレス成形直後の状態を示す,翼部屈曲工程の説明図。
【図26】実施例5における,各車両用メンバ部品の吸収エネルギの測定結果を示す線図。
【図27】従来例における,車両用メンバ部品の断面図。
【図28】他の従来例における,車両用メンバ部品の断面図。
【図29】他の従来例における,中桟を有する車両用メンバ部品の断面図。
【符号の説明】
1...車両用メンバ部品,
12...ケース部,
13...リーンフォース部,
2...金属板,
22...外側金属板,
221...底板部,
222...外側斜面部,
223...外側フランジ部,
23...内側金属板,
231...中央屈曲部,
232...中央斜面部,
233...折返し斜面部,
234...内側フランジ部,
Claims (12)
- 曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合してなる車両用メンバ部品であって,
2枚の外側金属板によって構成された断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板によって構成されたリーンフォース部とを有し,
かつ,上記リーンフォース部の一部は,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成されていることを特徴とする車両用メンバ部品。 - 請求項1において,上記外側金属板は,底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有し,一対の上記内側金属板は,上記中央屈曲部及び上記内側フランジ部において互いに接合されており,上記外側金属板は,上記内側金属板に対して,上記内側フランジ部と外側フランジ部とを重ね合せた部分において接合されていることを特徴とする車両用メンバ部品。
- 請求項1において,上記外側金属板は,底面屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の傾斜底部と,該一対の傾斜底部における上記底面屈曲部とは反対側の側端から同一面側に屈曲した互いに略平行な一対の外側側板部とを有し,上記内側金属板は,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から同一面側に折返された互いに略平行な一対の内側側板部とを有し,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側側板部及び上記外側側端部の先端部において互いに接合されていることを特徴とする車両用メンバ部品。
- 請求項3において,上記内側側板部及び上記外側側板部の先端部には,それぞれ外方へ屈曲した内側フランジ部及び外側フランジ部が形成されており,一対の上記内側金属板と一対の上記外側金属板とは,上記内側フランジ部と上記外側フランジ部において互いに接合されていることを特徴とする車両用メンバ部品。
- 請求項1〜4のいずれか1項において,上記車両用メンバ部品は,車両の衝突時における衝撃を吸収するためのクラッシュボックスであることを特徴とする車両用メンバ部品。
- 曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
底板部と,該底板部の両側端から同一面側に斜めに屈曲した一対の外側斜面部と,該一対の外側斜面部における上記底板部とは反対側の側端から外方へ屈曲した外側フランジ部とを有する外側金属板を2枚成形する外側金属板成形工程と,重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,中央屈曲部を介して互いに斜めに配された一対の中央斜面部と,該中央斜面部における上記中央屈曲部とは反対側の側端から斜めに折返された一対の折返し斜面部と,該折返し斜面部における上記中央斜面部とは反対側の側端から外方へ屈曲した内側フランジ部とを有する内側金属板を2枚成形する内側金属板成形工程と,
上記一対の内側金属板における上記中央屈曲部を互いに接合する中央接合工程と,
上記一対の内側金属板における上記内側フランジ部を互いに接合する内側フランジ接合工程と,
上記内側金属板における上記内側フランジ部と上記外側金属板における外側フランジ部とを接合する外側フランジ接合工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。 - 請求項6において,上記外側金属板は,プレス成形によって成形することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。
- 請求項6又は7において,上記内側金属板成形工程を行うに当り,上記2枚の金属板を挟持した上記下型と上記上型との間には,得ようとする上記リーンフォース部の外形に対応した形状を有する閉空間が形成され,その後,上記2枚の金属板の間に内圧をかけることにより,該2枚の金属板を,上記下型の下側型面及び上記上型の上側型面に押し付けるようにして成形することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。
- 請求項6又は7において,上記下型及び上記上型は,それぞれ,固定型と該固定型に対してスライド可能なスライド型とを有し,上記内側金属板成形工程においては,上記2枚の金属板の周縁部を上記上型の固定型と上記下型の固定型とによって挟持し,次いで,上記2枚の金属板の間に内圧をかけて上記周縁部以外の部分を互いに離れる方向へ変形させ,次いで,上記スライド型を上下からスライドさせて上記金属板を挟み込むようにして加圧することにより,該金属板を上記スライド型に形成された下側型面と上側型面に沿った形状に成形することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。
- 請求項6〜9のいずれか1項において,上記内側フランジ接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,周縁部において上記2枚の金属板を溶接することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。
- 曲げ加工を施した複数の金属板を互いに接合して,2枚の外側金属板からなる断面略六角形のケース部と,該ケース部の内側に配設された2枚の内側金属板からなるリーンフォース部とを有し,該リーンフォース部の一部が,断面において上記ケース部の略六角形の中心を通る2つの対角線に沿って形成された車両用メンバ部品を製造する方法であって,
金属板を2枚重ね合せて互いに周縁部を接合し,これを2組4枚の金属板に対して行う周縁部接合工程と,
重ね合せた2枚の金属板の周縁部を,下側型面を有する下型と上側型面を有する上型とによって挟持し,上記下側型面と上記上側型面とによって断面略菱形の閉空間を形成した状態で,上記2枚の金属板の間に高圧水を注入することにより内圧をかけて,上記金属板をそれぞれ上記下側型面及び上記上側型面に沿った形状にハイドロフォーム成形して,上記外側金属板と上記内側金属板とによって構成されると共に菱形中空体とその両側端に形成された一対の翼部とからなる中間体を2個作製する中間体作製工程と,
上記2個の中間体におけるそれぞれ一対の上記翼部を,プレス成形することにより,該翼部の基端部から,上記内側金属板側に,互いに略平行となるように屈曲させる翼部屈曲工程と,
プレス成形された上記2個の中間体を,上記内側金属板の中央屈曲部同士を接合すると共に上記翼部の先端部同士を接合することにより合体させる合体工程とを有することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。 - 請求項11において,上記周縁部接合工程は,上記内側金属板成形工程の前に行い,上記高圧水を供給するための給水部を除く全ての周縁部において,上記2枚の金属板を溶接することを特徴とする車両用メンバ部品の製造方法。
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