JP2004181352A - 非水液状物の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換樹脂を用いて非水液状物に含まれる金属イオン等の除去を行なう際、これらの不純物を除去して高純度な精製物を得ると共に、イオン交換樹脂からの溶出物も除去することができる非水液状物の精製方法を提供すること。
【解決手段】水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂と水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂に非水液状物を接触させる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子工業用薬液等の非水液状物中の不純物イオンを効率よく除去し、非水液状物を高純度化する非水液状物の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン交換樹脂には、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂がある。これらは更に、イオン交換基の酸性度や塩基性度の強弱から、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、及び弱塩基性陰イオン交換樹脂に分けられる。
【0003】
強酸性陽イオン交換樹脂は官能基にスルホン酸基(R−SO )を持ち、弱酸性陽イオン交換樹脂は官能基にカルボン酸基(R−COO)を持ったものなどが代表的なものとして知られている。強塩基性陰イオン交換樹脂は、第4級アンモニウム塩基(R−N)を官能基として持つものが代表的なものであり、弱塩基性陰イオン交換樹脂は、第1〜3級アミンを官能基として持つものである。また、イオン交換樹脂は、例えばスチレンとジビニルベンゼン(DVB)を、触媒と分散剤との共存下において共重合させて得られる三次元網目構造を有する共重合体に、官能基を導入して得られる。
【0004】
一方、近年電子工業用製品の高集積化が進むにつれて、製品の製造過程で使用される様々な電子工業用の薬液、溶媒及び高分子ポリマー等の非水液状物の高純度化の要求が一層高まってきている。特にこれらに含まれる金属イオンやその他のイオン性物質は、電子工業製品に多大な悪影響を及ぼすことがあるため、極力含まないことが求められている。具体的には例えば金属イオン等は10μg/l以下とするような高純度なものが要求されている。
【0005】
このような非水液状物中のイオン性不純物を除去する方法としては、溶解再沈法、蒸留法、溶媒抽出法、アルカリ中和法及びイオン交換樹脂による精製方法がある。このうち、溶解再沈法、蒸留法、溶媒抽出法及びアルカリ中和法は、μg/lレベルのイオン量とすることは困難であることから、高純度化するためには、通常イオン交換樹脂による不純物除去方法が用いられている。具体的には例えば、N−メチル−2−ピロリドンを強塩基性陰イオン交換樹脂で精製する方法(特許文献1の特開昭62−145061号公報)、金属アルコキシドを陰イオン交換樹脂で精製する方法(特許文献2の特開平10−53594号公報)及びハロゲン化第4級アンモニウム塩溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で精製する方法(特許文献3の特開2000−319233号公報)等が開示されている。
【0006】
しかし、従来のイオン交換樹脂を用いる精製方法ではイオン交換樹脂から遊離する該イオン交換樹脂製造由来の可溶性有機物が精製物中に混入するという問題がある。これらイオン交換樹脂由来の溶出物の除去方法としては、イオン交換樹脂を非水液状物の精製に供する前に予め予備洗浄を行ない、イオン交換樹脂製造由来の不純物を除去する前処理方法が知られている。販売時のイオン交換樹脂は通常強酸性陽イオン交換樹脂はNa形あるいはH形、弱酸性陽イオン交換樹脂はH形、強塩基性アニオン交換樹脂はCl形、弱塩基性アニオン交換樹脂は遊離塩基形(OH形)になっている。未使用のイオン交換樹脂は、前述の如く製造由来の微量の可溶性有機物質を含んでいるが、これらは酸とアルカリで交互に洗浄することにより、また必要に応じて更にアルコール、その他の有機溶媒による洗浄を行なうことによりある程度除去することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−145061号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平10−53594号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2000−319233号公報(請求項1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イオン交換樹脂を用いる精製方法では、当該イオン交換樹脂を精製に供する前に予め前処理により洗浄し、イオン交換樹脂製造由来の不純物を除去したとしても、依然として精製物中にイオン交換樹脂由来の微量濃度の不純物は残存してしまうという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、イオン交換樹脂を用いて非水液状物に含まれる金属イオン等の除去を行なう際、これらの不純物を除去して高純度な精製物を得ると共に、イオン交換樹脂からの溶出物も除去することができる非水液状物の精製方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂と水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂に非水液状物を接触させれば、非水液状物中の金属イオン等の不純物を極めて低い濃度にまで低減でき、樹脂自身からの溶出物も除去でき極めて高純度な精製ができること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂と水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂に非水液状物を接触させる非水液状物の精製方法を提供するものである。本発明によれば、非水液状物中、不純物として含まれる金属イオン類は陽イオン交換樹脂で除去され、塩化物イオン等の陰イオン類は陰イオン交換樹脂で除去される。また、混合樹脂中の陽イオン交換樹脂から溶出する硫酸イオンなどの不純物は混合樹脂中の陰イオン交換樹脂で除去でき、混合樹脂中の陰イオン交換樹脂から溶出するアミン類などの不純物は混合樹脂中の陽イオン交換樹脂で除去される。また、非水液状物の精製に供する際、公知の前処理を行なわなかった場合、あるいは前処理を行なっても洗浄が不十分な場合でも、該イオン交換樹脂製造由来の不純物は上記した同様な作用効果により除去できる。このため、精製物の純度を確実に高めることができる。また、イオン交換樹脂として予め乾燥されたイオン交換樹脂を使用すれば、各種溶媒で置換したりするコンディショニングも不要で有り、一晩程度被処理液となじませる程度で通液等が行なえるため、効率的な精製が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるイオン交換樹脂は、水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂(以下、「乾燥陽イオン交換樹脂」とも言う)と水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂(以下、「乾燥陰イオン交換樹脂」とも言う)の混合イオン交換樹脂である。水分含有量が3%以上の陽イオン交換樹脂や水分含有率が30%を越える陰イオン交換樹脂を用いると、非水液状物中に水分が混入してしまい、非水液状物の種類や用途によっては使用ができないものとなる可能性がある。
【0013】
本発明において、水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂や水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂は、それぞれ水分を飽和した湿潤陽イオン交換樹脂及び湿潤陰イオン交換樹脂を予め乾燥して得られたものを使用することが、精製の際、各種溶媒で置換したりするコンディショニングが不要となる点で好適である。乾燥方法としては、公知の方法が適用でき、例えばabderhalden乾燥器等を用い、1mmHg以下に減圧して、一定の温度で乾燥する方法が挙げられる。また、陰イオン交換樹脂を炭酸ガスを含まないように調製する方法としては、例えば樹脂層を特級試薬級の水酸化ナトリウムを超純水に溶解し、溶解中に空気に接触させないようにした水酸化ナトリウム溶液で再生し、次いで超純水で洗浄後、イオン交換樹脂層の上の一部を除いてから真空乾燥器内で処理する方法が挙げられる。また、陰イオン交換樹脂の場合、乾燥温度は60℃以下の温度で行なうことが好ましい。該樹脂は耐熱性が低く、高い温度で乾燥すると劣化を招く恐れがある。
【0014】
本発明で用いる陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂及びカルボン酸基を有する弱酸性陽イオン交換樹脂が挙げられ、乾燥陽イオン交換樹脂はこれらを前述の方法で乾燥したものである。従って、樹脂の種類としては、マクロポアを有するマクロリテキュラー型(MR型)又はマクロポーラス型のものが好ましい。陽イオン交換樹脂は、非水液状物中の不純物として含まれる金属イオン類等を除去し、混合樹脂中の陰イオン交換樹脂から溶出するアミン類などの不純物を除去することができる。これら樹脂の具体例として、強酸性陽イオン交換樹脂は、アンバーライト200CT(ローム・アンド・ハース社製)が、弱酸性陽イオン交換樹脂はアンバーライトIRC76(ローム・アンド・ハース社製)がそれぞれ例示できる。このうち、強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、通常使用に際しては必要に応じ前処理を行い、上記のような遊離の酸基(H形)に変換することが、不純物除去性能を高めることができる点で好ましい。
【0015】
本発明で用いる陰イオン交換樹脂としては、OH形第4級アンモニウム塩基を持った強塩基性陰イオン交換樹脂、コリン形第4級アンモニウム塩基を持った強塩基性陰イオン交換樹脂及びOH形第1級〜第3級アミノ基を持った弱塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられ、乾燥陰イオン交換樹脂はこれらを前述の方法で乾燥したものである。また樹脂の種類としては、前記同様マクロポアを有するマクロリテキュラー型(MR型)又はマクロポーラス型のものが好ましい。陰イオン交換樹脂は、非水液状物中、不純物として含まれる塩化物イオン等の陰イオン類を除去し、混合樹脂中の陽イオン交換樹脂から溶出する硫酸イオンなどの不純物を除去することができる。これら樹脂の具体例として、強塩基性陰イオン交換樹脂は、アンバーライトIRA900(ローム・アンド・ハース社製)、アンバーライトIRA910(ローム・アンド・ハース社製)が、弱塩基性陰イオン交換樹脂はアンバーライトIRA96SB(ローム・アンド・ハース社製)がそれぞれ例示できる。これらの樹脂は通常使用に際しては必要に応じ前処理を行うが、強塩基性陰イオン交換樹脂はOH形に変換することが、不純物除去性能を高めることができる点で好ましい。
【0016】
本発明で使用される混合イオン交換樹脂は、除去する不純物によって最も効率の良い樹脂を選択し、さらに樹脂自身からの溶出物を吸着する対の樹脂も選択して使用される。この中、強酸性陽イオン交換樹脂と、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂との組合せが、非水液状物中の不純物のみならず、対となる樹脂由来の不純物をも確実に除去できる点で好適である。混合樹脂中、乾燥陽イオン交換樹脂と乾燥陰イオン交換樹脂の配合割合としては、特に制限されないが、容積比で1:5〜5:1の範囲で適宜決定すればよい。また、上記混合イオン交換樹脂は、更にイミノジ酢酸形キレート樹脂あるいはアミノリン酸形キレート樹脂あるいはグルカミン形ホウ素選択性樹脂を含んでいてもよい。
【0017】
本発明で用いる非水液状物としては、特に制限されないが、液状有機化合物、液状高分子化合物及び合成油等であって、その水分含有量が、1.0重量%以下のものが挙げられる。これらは例えば電子工業で使用される薬液、溶媒及び高分子化合物であって、具体的には1−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリジノン、酢酸ポリプロピレングリコールメチルエーテル、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸−n−ブチル、エタノール、メタノール、トルエン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、キシレン、モノクロロベンゼン、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、氷酢酸、乳酸エチル、フェノール化合物、ジメチルスルオキシド、感光剤であるジアゾナフトキノン化合物、シリコーンオイル、2塩基酸エステル等の合成潤滑油及びポジ型フォトレジスト材料であるクレゾールノボラック樹脂などの高分子化合物などが例示される。これら例示の薬液や溶媒等には各種添加剤や他の化学薬液を溶かし込んだものも使用できる。
【0018】
本発明の非水液状物の精製方法において、混合樹脂に非水液状物を接触する形態としては、特に制限されないが、バッチ処理方法及びカラムによる連続通液処理方法が挙げられる。このうち、連続通液処理方法が1パス通液で不純物を効率的に除去できる点で好ましい。
【0019】
連続通液処理方法において、前記混合イオン交換樹脂は精製塔に充填される。精製塔の樹脂充填層高としては、特に限定されず、300〜1,500mmの範囲が好ましく、特に1,000mm程度とすることが、精製効率を高めることができる点で実用上好ましい。次いで非水液状物を好ましくは空間速度(SV)1以下にて、樹脂全体が液で満たされるまで通液する。その後、数時間から一晩程度放置しておくことが、樹脂と液が馴染むと共に樹脂が膨潤する点で好適である。放置後、非水液状物を精製塔へ通液する。通液の方向は下降流又は上向流のいずれであってもよい。通液の空間速度(SV)としては、液の種類や粘度、樹脂の圧力損失等により適宜決定されるが、例えば1〜50、好ましくは10である。このようにして通液することにより、当該液中に不純物として含まれる金属イオン等の陽イオン類は、陽イオン交換樹脂で除去され、塩化物イオン等の陰イオン類は、陰イオン交換樹脂で除去される。また、これら混合イオン交換樹脂からの溶出物も互いの樹脂が吸着し合うため、非水液状物中にイオン交換樹脂由来の溶出物が混在することの無い極めて高純度な液を得ることができる。
【0020】
次にバッチ処理方法について説明する。先ず乾燥陽イオン交換樹脂と乾燥陰イオン交換樹脂を上記記載の範囲で混合したものを攪拌機付き反応槽内に充填する。次に非水液状物を該反応槽内に充填する。容積比としては、特に限定はされないが、樹脂量1に対して非水液状物2〜200が好適である。その後、数時間から一晩程度放置しておくことが、樹脂と液が馴染むと共に樹脂が膨潤する点で好適である。放置後、攪拌機を作動させて樹脂と液を均一に混ぜる。また、攪拌速度及び攪拌時間は反応槽の大きさや処理量等により適宜決定される。攪拌終了後、ろ過などにより樹脂と液を分離することによって精製物を得る。このようなバッチ処理により、当該液中に不純物として含まれる金属イオン等の陽イオン類は、陽イオン交換樹脂で除去され、塩化物イオン等の陰イオン類は、陰イオン交換樹脂で除去される。また、これら混合イオン交換樹脂からの溶出物も互いの樹脂が吸着し合うため、非水液状物中にイオン交換樹脂由来の溶出物が混在することの無い極めて高純度な液を得ることができる。
【0021】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
実施例1
(乾燥樹脂の調製)
H形の強酸性陽イオン交換樹脂「アンバーライト200CT」(ローム・アンド・ハース社製、市販されているH形をそのまま使用)を乾燥処理し、水分含有量が1.3%の乾燥陽イオン交換樹脂(樹脂A)を得た。OH形弱塩基性陰イオン交換樹脂「アンバーライトIRA96SB」(ローム・アンド・ハース社製)を乾燥処理し、水分含有量が6.0%の乾燥陰イオン交換樹脂(樹脂B)を得た。なお、IRA96SBは乾燥に先立ち、市販樹脂に2%塩酸をSV4で1時間通液し、その後同流速で超純水で15分間押出し、次いでSV10で超純水で30分洗浄し、その後4%水酸化ナトリウム溶液をSV4で1時間通液してOH形とし、超純水で上記と同条件で押出し、洗浄をしたものを用いた。
(不純物含有液の精製)
この樹脂を重量比でカチオン:アニオンが1:1.3となるように混合し、混床樹脂を調製した。この混床樹脂を内径16mmのPFA製カラムに6.9g充填し、電子工業用のイソプロピルアルコール(硫酸イオン;<1.0μg/l(以下、IPAという))でカラムを満たし、そのまま一晩静置した。次いで50mlのIPAをSV1で通液してカラム内を置換した。このカラムに不純物として金属イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンを表1に示す濃度に調整した不純物含有IPAをSV1で500ml通液し、精製IPAを得た。この精製IPAの金属イオンをICP−MSで分析し、塩化物イオン及び硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーで分析した。その結果を表1に示す。なお、ナトリウムイオンは50μg/l以下の濃度は測定不可能であり、該濃度は、「<50μg/l」で表記した。
【0022】
比較例1、2
(乾燥樹脂の調製)
水分含有量が1.3%の乾燥H形陽イオン交換樹脂(樹脂A)のみを使用する(比較例1)か、又は水分含有量が6.0%の乾燥OH形陰イオン交換樹脂(樹脂B)のみを使用した(比較例2)。
(不純物含有液の精製)
乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陽イオン交換樹脂A6.9gを用いる(比較例1)か、又は乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陰イオン交換樹脂B6.9gを用いた(比較例2)以外は、実施例1と同様の方法でそれぞれ行なった。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 2004181352
【0024】
実施例2
(乾燥樹脂の調製)
実施例1と同様の乾燥陽イオン交換樹脂(樹脂A)及び乾燥陰イオン交換樹脂(樹脂B)を用いた。
(不純物含有液の精製)
電子工業用のイソプロピルアルコールに代えて、電子工業用のキシレンを用いたこと、及びカチオン性不純物として更にアミン類を表2に示す濃度で添加した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。なお、キシレン中の塩化物イオン及び硫酸イオンは測定対象のキシレンと超純水を接触させ抽出操作をして、超純水に抽出された塩化物イオン、硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーで分析した。その結果を表2に示す。
【0025】
比較例3、4
(乾燥樹脂の調製)
水分含有量が1.3%の乾燥H形陽イオン交換樹脂(樹脂A)のみを使用する(比較例3)か、又は水分含有量が6.0%の乾燥OH形陰イオン交換樹脂(樹脂B)のみを使用した(比較例4)。
(不純物含有液の精製)
乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陽イオン交換樹脂A6.9gを用いる(比較例3)か、又は乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陰イオン交換樹脂B6.9gを用いた(比較例4)以外は、実施例2と同様の方法で行なった。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 2004181352
【0027】
実施例3
(乾燥樹脂の調製)
実施例1と同様の乾燥陽イオン交換樹脂(樹脂A)及び乾燥陰イオン交換樹脂(樹脂B)を用いた。
(不純物含有液の精製)
電子工業用のイソプロピルアルコールに代えて、酢酸ポリプロピレングリコールメチルエーテル(以下、PGMEAと言う)を用いたこと、及び不純物として更にアミン類を表3に示す濃度で添加した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。なお、PGMEA中の塩化物イオン及び硫酸イオンは測定対象のPGMEAと超純水を接触させ抽出操作をして、超純水に抽出された塩化物イオン、硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーで分析した。その結果を表3に示す。
【0028】
比較例5、6
(乾燥樹脂の調製)
水分含有量が1.3%の乾燥陽イオン交換樹脂(樹脂A)のみを使用する(比較例3)か、又は水分含有量が6.0%の乾燥陰イオン交換樹脂(樹脂B)のみを使用した(比較例4)。
(不純物含有液の精製)
乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陽イオン交換樹脂(樹脂A)6.9gを用いる(比較例3)か、又は乾燥混合イオン交換樹脂6.9gの代わりに、乾燥陰イオン交換樹脂(樹脂B)6.9gを用いた(比較例4)以外は、実施例3と同様の方法で行なった。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
Figure 2004181352
【0030】
表1、2及び3より、乾燥陽イオン交換樹脂単床(比較例1、3及び5)では塩化物イオン、硫酸イオンの除去は困難であるばかりか、陽イオン交換樹脂由来の硫酸イオンの溶出が認められた。また、陰イオン交換樹脂単床(比較例2、4及び6)では金属イオンの除去が困難であり、該陰イオン交換樹脂由来のアミン類の溶出も認められた。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、非水液状物中、不純物として含まれる金属イオン類は陽イオン交換樹脂で除去され、塩化物イオン等の陰イオン類は陰イオン交換樹脂で除去される。また、混合樹脂中の陽イオン交換樹脂から溶出する硫酸イオンなどの不純物は混合樹脂中の陰イオン交換樹脂で除去でき、混合樹脂中の陰イオン交換樹脂から溶出するアミン類などの不純物は混合樹脂中の陽イオン交換樹脂で除去される。また、イオン交換樹脂として予め乾燥されたイオン交換樹脂を使用すれば、各種溶媒で置換したりするコンディショニングも不要で有り、一晩程度被処理液となじませる程度で通液等が行なえるため、効率的な精製が可能となる。

Claims (3)

  1. 水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂と水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂に非水液状物を接触させることを特徴とする非水液状物の精製方法。
  2. 前記水分含有率が3%未満の陽イオン交換樹脂は、予め湿潤陽イオン交換樹脂を乾燥したものであり、且つ水分含有率が30%以下の陰イオン交換樹脂は、予め湿潤陰イオン交換樹脂を乾燥したものであることを特徴とする請求項1記載の非水液状物の精製方法。
  3. 前記非水液状物の水分含有量が、1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の非水液状物の精製方法。
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