JP2004180775A - 超音波手術装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用チューブの種別や磨耗度合いを監視し、ユーザに知らしめると共に、使用中の流量・吐出圧の多大な変化を回避し、安全な状態で使用する。
【解決手段】送水ポンプ5には、その内部に設けられたローラー中心軸20と同芯に、記録媒体層19の記録媒体の記録情報を読取るための識別器21を配設してあり、識別器21はローラー中心軸20の回転毎に送水チューブ13の表層乃至は素材内に記録媒体が混入された記録媒体層19と摺動もしくは近接するように配されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動により実質臓器や脂肪組織を破砕、乳化しそれを吸引除去する超音波手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波振動を体腔内組織に伝達して切除する超音波手術装置が知られている。
【0003】
例えば特許3081676号公報には、超音波出力部と送水部と吸引部とから構成され、超音波出力に同期して送水部及び吸引部が動作するようにシステム制御を行う超音波手術装置が開示されている。
【0004】
ところで、超音波手術装置では、送水は組織を洗浄する他に、プローブの発熱を抑止する目的がある。プローブの発熱量は超音波振動の振幅に比例することから、プローブの冷却に必要な送水量は振幅に応じて変化する。そのため、特開平6−38973号公報には、特許3081676号公報の基本構成を備えつつ、超音波振動の設定値に応じて送水量を制御する超音波手術装置が開示されている。
【0005】
一方、実際の処置においては、送水液の一部はプローブの超音波振動により霧化されるため、術者の視野を妨げる要因となる。
【0006】
そこで、特許3135146号公報では、視野を妨げないようプローブ周囲のシースを2重構造とし、回収経路を設けることで、プローブ冷却後の送水液が霧化する前に回収するよう構成した超音波手術装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許3081676号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平6−38973号公報
【0009】
【特許文献3】
特許3135146号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
超音波手術装置を使用する場合には、超音波出力に同期して送水を伴うが、その送水量を規定する要素としては、送水ポンプのローラー回転数乃至は送水チューブ内径の大小が例としてあげられる。ここで、ローラー回転数を変化させる、もしくは送水チューブの内径を変更すれば、単位時間当たりの流量が変化するため、実際の送水量が変化することになる。なお、ユーザが送水を行う状況においては、使用目的に応じて、多大な流量を必要とする場合と、微細に調整された流量を必要とする場合がある。
【0011】
ここで、ローラー回転数を変化させることで、最大で十数倍程度の流量変化を生じることが可能であるが、あらゆる使用目的に対して、この調整範囲内で最適な流量を確保することは難しい。
【0012】
予め使用目的(必要な流量範囲)が判っている場合には、使用目的に対して最適な流量範囲が確保できる内径を持つチューブを選択使用することが、所望の流量を確実に確保するために有効な方法の一例となる。
【0013】
但し、従来においては装置から送水チューブの内径等の情報を自動的に判別することは困難であったため、必要な流量を確保できる送水チューブを使用者の判断により選択すると共に、そのチューブで確保可能な流量範囲から必要流量を導出した上で、適切なローラー回転数に設定を切り替えなければならないという手間が生じたり、誤った設定流量で使用してしまう等のヒューマンエラーを生じるおそれがあった。
【0014】
また、一般的にローラーポンプは、ポンプ内部に設けたローラーにより、断続的にチューブを扱くと共に、チューブ自体の弾性による形状回復を繰り返すことで送液を実現するものである。
【0015】
そのため、ローラーとチューブの間には接触摩擦を生じており、継続使用によりチューブが磨耗する。その結果、磨耗の進行により、チューブの肉厚が減少し、扱きが十分に行えなかったり、形状回復に必要な弾性が損なわれて、送液量、吐出圧に影響を与えることにつながるおそれがあった。
【0016】
しかしながら、チューブの消耗度合いを定量的に確認する手法は従来確立されておらず、使用前の装置確認の際にチューブを目視確認し、目に見えて消耗しているチューブの使用を控えるなど、人手に頼って判別をする必要があった。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用チューブの種別や磨耗度合いを監視し、ユーザに知らしめると共に、使用中の流量・吐出圧の多大な変化を回避し、安全な状態で使用することのできる超音波手術装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波手術装置は、超音波振動により実質臓器や脂肪組織等の対象組織を破砕、乳化しそれを吸引除去する超音波プローブと、前記対象組織に流体を送水する送水チューブと、前記送水チューブの壁部外表面を摺動し前記流体を前記送水チューブ前方に送り出すローラーポンプとを備えた超音波手術装置において、前記送水チューブの壁部に設けられた固有情報を記録した記録媒体と、前記記録媒体に記録されている前記固有情報を非接触で読み出す情報読み出し手段とを具備して構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0020】
第1の実施の形態:
図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は超音波手術装置の構成を示す構成図、図2は図1の送水チューブの構造を示す図、図3は図1の送水ポンプの構成を示す図、図4は図1の操作・表示パネルの構成を示す図、図5は図1の制御部の構成を示す図、図6は図1の制御部の初期設定処理の流れを示すフローチャート、図7は図1の制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0021】
(構成)
図1に示すように、本実施の形態の超音波手術装置1は、装置本体2を備え、この装置本体2の内部には制御部2a、発振駆動回路2b等が設けられている。装置本体2の外面には、操作・表示パネル3、ピンチパルブ4、送水ポンプ5、コネクタ6及びコネクタ7が設けられている。
【0022】
操作・表示パネル3では、各種の設定や選択した操作の種類、動作状態等の表示及び各種操作を行えるようになっている。
【0023】
ここで、コネクタ6にはハンドピース8のプラグが着脱自在に接続できるようになっており、発振駆動回路2bからの駆動信号をハンドピース8に伝達するようになっている。
【0024】
なお、駆動信号の動作制御については、コネクタ7に着脱自在に接続されたフットスイッチ9により行われるようになっている。
【0025】
また、ハンドピース8には図示しない超音波振動子が振幅拡大用ホーンと一体に組み込まれており、その先端にはプローブ10が着脱自在に取り付けられている。
【0026】
さらに、ハンドピース8の前端には前記プロープ10を覆うようにシース11が取り付けられており、プロープ10との隙間に送水流路を形成している。送水流路と生理食塩水等が入った送水タンク12を連通する可撓性の送水チューブ13は、送水ポンプ5のカバー開閉動作に伴い、送水ポンプ5から着脱自在となるように構成されている。
【0027】
ここでポンプカバー14の開閉操作は、図示しないリンク機構により開閉検知手段に伝えられ、その操作を検知する事で、ポンプカバーを開放したままポンプが動作しないようになっている。また、ポンプカバー14を開閉する際に不特定部分で送水チューブ13を挟んで傷つけないように、送水ポンプ5の両端には、送水チューブ13を保護するための内溝を有するチューブガイド16を設けてあり、送水チューブ13は、送水を行うために適切な配置を保ったまま、この内溝に収納されるようになっている。このようにして、プロープ10を冷却する送水手段が構成されている。
【0028】
一方、プロープ10の内部からハンドピース8の他端までは内部を達通する中空孔が設けられており、吸引流路を形成している。また、この吸引流路と吸引ポンプを連通する可撓性の吸引チューブ17の途中には、吸引物を除去する吸引瓶18が設けられている。このようにして、吸引物を吸引除去しうる吸引手段が構成されている。
【0029】
ここで、送水チューブ13は、図2に示すように、少なくとも送水ポンプ5に着脱される部分に対して、チューブ固有情報(例えば、チューブ径、チューブ長、適応ポンプ回転数範囲、用途、ロットナンバー等に該当する数値乃至は文字列)を記録した記録媒体を内蔵した記録媒体層19を備えている。
【0030】
この記録媒体層19に内蔵される記録媒体としては、例えば非接触記録媒体である無線式微小半導体チップを、送水チューブ13の表層または構成素材内に混入させたものが想定できる。
【0031】
なお、無線式微小半導体チップについては、例えばRF−ID方式により、非接触で記録媒体内に記録された情報を通信取得することが可能となるもので、特に近年民生機器用途を中心に、超小型且つ高い信憑性保証機能等を実現した製品が一般流通されてきている。
【0032】
一方、図3に示すように、送水ポンプ5には、その内部に設けられたローラー中心軸20と同芯に、記録媒体層19の記録媒体の記録情報を読取るための識別器21を配設してあり、識別器21はローラー中心軸20の回転毎に送水チューブ13の表層乃至は素材内に記録媒体が混入された記録媒体層19と摺動もしくは近接するように配されている。
【0033】
操作・表示パネル3は、図4に示すように、超音波出力を設定するための超音波出力設定スイッチ31と、送水流量を設定するための流量設定スイッチ32と、超音波出力設定スイッチ31で設定された超音波出力を表示するアナログ表示部33及びデジタル表示部34と、流量設定スイッチ32で設定された流量を表示するアナログ表示部35及びデジタル表示部36と、送水チューブ13の取付を指示するチューブ取付ランプ38と、ポンプカバー14の開放状態を警告するポンプカバー開放ランプ39とを有して構成される。
【0034】
また、操作・表示パネル3のアナログ表示部33,35はインジケータ形式で表示され、下限値及び上限値が、超音波出力表示では%で、流量表示では毎分の流量(cc/min)で表示される。
【0035】
ここで、操作・表示パネル3に設けられているチェックボタン40が押下されると、記録媒体19の記録情報が識別器21で読み取られ、取り付けられたチューブに応じた下限値及び上限値がアナログ表示部35に表示される。
【0036】
制御部2aは、図5に示すように、識別器21が識別した記録媒体層19の記録媒体の記録情報を入力し各種制御を行う制御回路41を有しており、制御回路41は、記録媒体19の記録情報に基づきメモリ42内に格納している表1に示すようなテーブルデータを読み出し、送水ポンプ5の回転を制御すると共に、操作・表示パネル3の表示をチューブに応じた表示に制御するために表示制御部43を制御し、チューブに対応した下限値及び上限値を流量設定表示部44を構成する前記アナログ表示部35に表示するようになっている。
【0037】
【表1】
Figure 2004180775
また、制御回路41は、流量設定スイッチ32からの入力信号を受け取ると、入力信号に応じて表示制御部43を制御し、設定された流量を流量設定表示部44を構成するアナログ表示部35及びデジタル表示部36に表示すると共に、メモリ42のテーブルデータに基づいて送水ポンプ5の回転数を算出し、該回転数をポンプ駆動部51に出力することにより送水ポンプ5の回転を制御し、設定した流量で送水動作を行わせるようになっている。
【0038】
(作用)
この第1の実施の形態に係る動作について、図6のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0039】
超音波手術装置1を使用するためには、実際に使用する迄に送水チューブ13を装置本体2の送水ポンプ5にセットしておく必要がある。
【0040】
そこで、まず、送水チューブ13の記録媒体層19の記録媒体から、送水ポンプ5内に配設された識別手段21を利用して、チューブ固有情報を読み出したうえで、装置本体2内の制御回路41により認識することで、送水チューブ13の情報を確認する。
【0041】
具体的には、装置本体2の電源をオンした後、ステップS1でチェックボタン40を点滅させる事で操作者に次の操作を認識させる。そして、ステップS2〜3として、チェックボタン40を押下することにより、チェック中である事を示すためにチェックボタン40を点灯させる。
【0042】
次に、ステップS4にてポンプカバーの開閉状態を判別し、閉じていない場合には、ステップS5にてその旨を表示し、ユーザに対して再度チェックを促すようになっており、ステップS6にてポンプカバーが閉じられるとステップS1に戻る。ポンプカバーが閉じている場合には、ステップS7〜S8にてポンプカバー開放ランプ39を消灯し、ポンプの回転を開始する。
【0043】
ここでチューブ固有情報を読取るために必要な任意時間以上、送水ポンプ5を回転させるとともに、識別手段21によりチューブ固有情報の確認動作を開始する。そこで、ステップS9にて固有情報が読みとれるまでの回転数の上限を設定し、ポンプの回転数が該設定回転数未満かどうか判断する。その設定回転数まで回転して固有情報が読みとれない場合には、ステップS10として送水ポンプ5の動作を停止すると共に、ステップS11でチューブ取り付けランプ38を点灯させることでチューブの取り付け不良等をユーザに喚起し、ユーザがステップS12でチューブを取り替えると、ステップS6に進み、ステップS6にてポンプカバーが閉じられるとステップS1に戻る。
【0044】
ここで、チューブ固有情報を読取る為に必要な時間とは、識別器21により記録媒体層19の記録媒体を読取るタイミングに左右され、少なくとも識別器21と送水チューブ13内の記録媒体層19が最近接もしくは接触するタイミングで動作させることにより、所望の機能を発揮しうるものである。
【0045】
そこで、例えばローラー中心軸20の回転タイミングと読取り動作を行うタイミングを同期させる。すなわち、チェックボタン40を押下したことをトリガとし、その後ポンプ回転軸20が最低1回転するよう動作させることで、識別器21と送水チューブ13内の記録媒体層19を近接もしくは接触する際に、識別番号などのチューブ固有情報を読取るようになっている。
【0046】
なお、正規以外のチューブが取り付けられている場合においても、記録媒体層19が存在しないか記録媒体層19の記録媒体の情報が既定された条件で無い場合には、チューブが取り付けられていない場合と同様に、ユーザに告知を行うことで、異常使用を事前に回避できるようになっている。
【0047】
設定回転数までの回転で固有情報が読みとれた場合には、ステップS13でチューブ認識動作の後、正規のチューブを用いていることが確認できた場合は、ステップS14でチューブ取り付けランプ38を消灯し、ステップS15で送水ポンプ5の動作を一旦停止すると共に、ステップS16で読取ったチューブ固有情報に基づいてどのようなチューブが取り付けられているかを判別すると共に、ステップS17にてチェックボタン14を消灯することで操作者に準備が完了した事を伝達したのち、ステップS18でその内容に適した動作制御(流量範囲の規定、ローラー回転上限の規定など)の設定値を設定する。
【0048】
その後、操作・表示パネル3に表示される設定内容を、この設定値を反映した内容に更新すると共に、選択可能な操作の種類等をユーザに告知する。
【0049】
一連の制御により、例えば、チューブ径が異なるチューブを使い分ける場合等においても、チューブの実流量範囲をチューブ個別情報に基づき個別に判断し、流量設定値のパラメータを適切に設定すると共に、操作・表示パネルの表示内容を切り替えることで、ユーザは使用したいチューブで設定可能な流量範囲、条件などを認識することが可能となる。
【0050】
以上の図6に示した初期設定処理が終了した時点で、制御回路41は一連の送水ポンプ5に関する準備が完了したと判断し、装置本体2を使用可能状態に移行すると共に、送水動作及び設定変更を可能とする。
【0051】
装置本体2の使用可能状態では、制御回路41は、図7に示すように、ステップS21で流量設定スイッチ32で設定された流量設定値を読み込み、読み込んだ流量設定値を表示させると共に、ステップS22でチューブ個別情報に基づき表1に示したメモリ42のテーブルデータを読み出し、ステップS23でテーブルデータに基づき流量設定値に応じた送水ポンプ5の回転数を算出し、ステップS24で算出した回転数により送水ポンプ5を回転させ送水を行い、ステップS25で送水動作が終了するまで上記動作を繰り返す。
【0052】
(効果)
このように本実施の形態では、使用チューブの特性に合わせた使用条件をチューブから読取り設定できるように構成したので、安全性及びユーザ利便の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0053】
従って、超音波振動に伴う送水流量の不安定によるプローブの破損やセッティング不良を防止し、生体組織への悪影響を防ぐことができる。そのため、常に適正な状態で超音波手術装置を使用することが可能となる。
【0054】
第2の実施の形態:
図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係わり、図8は送水ポンプと送水チューブを示す模式図、図9は図8のA−A線断面を示す断面図、図10は図8の送水チューブにおける制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0056】
(構成)
本実施の形態では、送水チューブ13のうち、図8に示すように少なくとも送水ポンプ5に着脱される部分に対して配設された部分の層を2層構造とし、チューブ゛固有情報を記録した記録媒体19からなる層について、図8のA−A線断面である図9に示すように、その記録媒体層19の厚みをチューブ磨耗の影響が生じない範囲内として構成したことが第1の実施の形態と異なっている。その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0057】
(作用)
送水動作を継続していくと、摩擦によりローラーとの摺動面において送水チューブ13の磨耗が進行していくが、送水チューブ13の記録媒体19も併せて剥離し、消耗していく。
【0058】
第2の実施の形態における作用は、識別器21は、記録媒体層19内の記録媒体を送水ポンプの動作と同期して定期的に読み込み、チューブ固有情報を任意のタイミングで識別することで、ポンプの動作を許容するようになっており、さらに送水チューブ13の磨耗が許容される肉厚範囲内にしかチューブ固有情報を記録した記録媒体が存在しないようにしたため、結果として記録媒体が脱落する程度の過剰な磨耗が発生した際には、これを検知し送水ポンプ5の動作を停止するようにしたことである。
【0059】
ここで、当初送水チューブ13が新品であり消耗していない場合には、第1の実施の形態と同様の作用を送水ポンプ5動作中の任意のタイミングで実施することにより、識別器21は、チューブ外装の記録媒体からチューブ固有情報を読取ることが出来る間は、送水動作及び処置が可能となる。
【0060】
さらに、送水動作、すなわち送水ポンプ5の動作を継続して行っていくと、チューブと送水ポンプ5のローラーの摺動に伴い、送水チューブ13の磨耗が徐々に進んでいくことになる。併せて記録媒体層19の剥離も進行していき、やがて記録媒体層19は脱落してしまうと、識別器21により、記録媒体層19の記録媒体の内容が確認できなくなるので、送水動作及び処置を停止し、その旨をユーザに告知するようになっている。
【0061】
具体的には、第1の実施の形態で説明した初期設定処理(図6)後の装置本体2の使用可能状態において、第1の実施の形態で説明した図7のステップS24とS25の間に、図10に示すように、ステップS31以降の処理を設ける。すなわち、ステップS31で記録媒体層19の記録媒体に記録されている内容が確認できるかどうか判断し、確認できない場合には、ステップS32に移行し、ステップS32で送水ポンプ5の回転を中止しステップS33で例えばチューブ取付ランプ38及びチェックボタン40を点滅させ、その旨をユーザに告知する。
【0062】
尚、偏磨耗等により局所的にチューブを構成する媒体の磨耗量が異なる場合、チューブ固有情報が読取れる部分と読取れない部分が混在する事になり、磨耗の進行度合いを確認することが困難になる。
【0063】
そこで、例えば、識別器21により読取られた、単位面積当たりの記録媒体内容の読み取り数比を演算回路により判断することで、記録媒体層面積の残量が全体の過半数を下回る場合には、チューブが消耗したと認識するように制御しても良い。
【0064】
(効果)
このように、本実施の形態では、チューブの交換タイミングをユーザに提示できるので、ユーザ利便を向上できるとともに、チューブの過剰磨耗により発生しうる異常使用状態のハザードの回避を容易に図ることができるという効果を奏する。そのため、常に適正な状態で超音波手術装置を使用することが可能となる。
【0065】
第3の実施の形態:
図11ないし図14は本発明の第3の実施の形態に係わり、図11は送水チューブの構造を示す図、図12は図11の送水チューブの摩耗状態を示す第1の図、図13は図11の送水チューブの摩耗状態を示す第2の図、図14は図11の送水チューブにおける制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
第3の実施の形態は、第2の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0067】
(構成)
本実施の形態では、図11に示すように、送水チューブ13のうち、少なくとも送水ポンプ5に着脱される部分に対して、チューブ固有情報を記録した記録媒体19からなる任意の複数の記録媒体層19a,19b,19c,‥‥を配設したことが第2の実施の形態と異なっている。その他の構成は第2の実施の形態と同一であり、その説明は省略する。
【0068】
(作用)
送水動作を継続していくと、摩擦により送水ポンプ5内のローラーと送水チューブ13との摺動面においてチューブの磨耗が進行していくが、その際、送水チューブ13の記録媒体層19も併せて剥離し、消耗していく。
【0069】
まず、当初送水チューブ13が新品であり消耗していない場合には、送水ポンプ5内の識別器21は、送水チューブ13の最表層を形成する第1の記録媒体層19aより、第1の実施の形態と同様に、チューブ固有情報を読取ることで、その情報に基づいた実流量範囲を個別に判別すると共に、流量設定値の上下限値を適切に設定し、操作・表示パネル3の表示内容を切り替える。
【0070】
ユーザは、この表示内容に基づいて、適宜設定を行うと共に、送水動作及び処置を行う。
【0071】
ここで、送水動作、すなわち送水ポンプの動作を継続して行っていくと、チューブとローラーの摺動に伴い、送水チューブ13の磨耗が徐々に進んでいく。併せて記録媒層19aの剥離脱落もチューブの磨耗に併せて進行していくことになり、やがては図12のように直下に配設された第2の記録媒体層19bが露出してくる。第2の記録媒体層19bには、第1の記録媒体層19aとは個別にチューブ個別情報が記録されており、記録媒体層19aの消失により、第2の記録媒体層19bのチューブ個別情報を識別器21により読取るようになると、第2の記録媒体層19bの記録内容に基づいて、流量設定値の上下限値等を更新して制御するようになっている。
【0072】
なお、さらに図13のように複数層が存在する場合にも同様の作用が期待できる。
【0073】
具体的には、第1の実施の形態で説明した初期設定処理(図6)後の装置本体2の使用可能状態において、第2の実施の形態で説明した図10のステップS31とS25の間に、図14に示すように、ステップS41の処理を設ける。すなわち、ステップS41で記録媒体層19の記録媒体に記録されている内容が変化があるかどうか判断し、変化がある場合には、ステップS42に移行し、ステップS42でチューブ固有情報を判別し、ステップS43で第2の記録媒体層19bの記録内容に基づいて、流量設定値の上下限値等を更新する。
【0074】
以上に示す制御内容により、チューブの磨耗が進んでも、機能・安全性を損なわないレベルであれば、事前にユーザが規定した流量設定値を確保できるよう、チューブ固有情報より読取ったパラメーターに基づき、例えばローラー中心軸20の回転数を自動的に調整していくことで、所望の流量を常に確保することが可能となる。 なお、チューブの磨耗が進み、交換が必要になる前にユーザにその旨を告知するようにすることも同一の構成より実現可能である。
【0075】
(効果)
このように、本実施の形態では、チューブ摩耗の程度に基づき、ポンプの動作を追従制御するように構成したので、安全かつ安定して送水を行えるため、ユーザ利便の向上を図ることが可能となる。併せて、適切な時期にチューブ交換を図るための準備を行えるという効果を奏する。そのため、常に適正な状態で超音波手術装置を使用することが可能となる。
【0076】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、使用チューブの種別や磨耗度合いを監視し、ユーザに知らしめると共に、使用中の流量・吐出圧の多大な変化を回避し、安全な状態で使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る超音波手術装置の構成を示す構成図
【図2】図1の送水チューブの構造を示す図
【図3】図1の送水ポンプの構成を示す図
【図4】図1の操作・表示パネルの構成を示す図
【図5】図1の制御部の構成を示す図
【図6】図1の制御部の初期設定処理の流れを示すフローチャート
【図7】図1の制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャート
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る送水ポンプと送水チューブを示す模式図
【図9】図8のA−A線断面を示す断面図
【図10】図8の送水チューブにおける制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャート
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る送水チューブの構造を示す図
【図12】図11の送水チューブの摩耗状態を示す第1の図
【図13】図11の送水チューブの摩耗状態を示す第2の図
【図14】図11の送水チューブにおける制御部の通常動作時の処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
1…超音波手術装置
2…装置本体
2a…制御部
2b…発振駆動回路
3…操作・表示パネル
4…ピンチパルブ
5…送水ポンプ
6…コネクタ
7…コネクタ
8…ハンドピース
9…フットスイッチ
10…プローブ
11…シース
12…送水タンク
13…送水チューブ
14…ポンプカバー
16…チューブガイド
17…吸引チューブ
18…吸引瓶
19…記録媒体層
20…ローラー中心軸
21…識別器
31…超音波出力設定スイッチ
32…流量設定スイッチ
33,35…アナログ表示部
34,36…デジタル表示部
38…チューブ取付ランプ
39…ポンプカバー開放ランプ
40…チェックボタン
41…制御回路
42…メモリ
43…表示制御部
44…流量設定表示部
51…ポンプ駆動部

Claims (6)

  1. 超音波振動により実質臓器や脂肪組織等の対象組織を破砕、乳化しそれを吸引除去する超音波プローブと、
    前記対象組織に流体を送水する送水チューブと、
    前記送水チューブの壁部外表面を摺動し前記流体を前記送水チューブ前方に送り出すローラーポンプと
    を備えた超音波手術装置において、
    前記送水チューブの壁部に設けられた、固有情報を記録した記録媒体と、
    前記記録媒体に記録されている前記固有情報を非接触で読み出す情報読み出し手段と
    を具備したことを特徴とする超音波手術装置。
  2. 前記記録媒体は、前記送水チューブの壁部内部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
  3. 前記送水チューブの壁部は複数の層から構成され、前記記録媒体は前記壁部の最外層内部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
  4. 前記送水チューブの壁部は複数の層から構成され、前記各層内に異なる前記固有情報を記録した前記記録媒体を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術装置。
  5. 前記情報読み出し手段が読み出した前記固有情報に基づき前記ローラーポンプの駆動を制御する駆動制御手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波手術装置。
  6. 前記情報読み出し手段が読み出した前記固有情報に基づき前記送水チューブにおける前記流体の流体情報を表示手段に表示させる表示制御手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の超音波手術装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019005796A (ja) * 2017-06-28 2019-01-17 日本アビオニクス株式会社 超音波接合装置

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