JP2004180530A - 魚釣用リール - Google Patents

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Abstract

【課題】リールの大型化を招くことなく、また、スプールのフリー回転性能に支障を来たすことなく、ドラグ機構の防水を確実に図ることができる魚釣用リールの提供を目的としている。
【解決手段】本発明の魚釣用リール1は、スプール2の一側に形成された筒状部23と、筒状部23に取付け固定されるカバー部材24とを備え、筒状部23と、カバー部材24と、カバー部材24の径方向内側に配置された制動環体31Bとによって、ドラグ機構を囲繞し、カバー部材24および制動環体31Bにはそれぞれ、スプール2とリール本体1aとの間から侵入した水を塞き止めて、ドラグ機構への水の浸入を防止する防水壁23a,28,31Bbが形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
リール本体の一側に設けられた操作部材によってスプール軸を軸方向に変位させることにより、リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの回転に制動力(ドラグ力)を付与するドラグ機構(制動機構)は、従来から良く知られている。
【0003】
このようなドラグ機構は、具体的には、スプールの一側に設けられ且つスプールと一体回転する環状の制動体と、スプール軸上に回り止めされ且つスプール軸の軸方向変位に伴って(すなわち、制動力調節時に)軸方向に移動しない本体側制動環体と、スプール軸上に回り止めされ且つ制動力調節時に軸方向に移動するスプール側制動環体とを備えており、リール本体の一側に設けられた操作部材の回動操作でスプール軸が軸方向に変位されると、前記制動体が前記スプール側制動環体と本体側制動環体との間で挟圧され、スプールの回転に制動力が付与されるものである(例えば、特許文献1参照)。そして、この制動力は、前記操作部材の回動操作量を変えることにより調節できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平2−87468号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような魚釣用リールにあっては、円滑な制動作用を得るため、前記ドラグ機構の防水を図る必要がある。例えば、特許文献1では、ドラグ機構を囲繞する筒状の防水カバーが、スプールの一側に形成されたフランジの外周縁部に固定されるとともに、この防水カバーの突出端が、リール本体の側板の内側に設けられた環状の細溝内に嵌入されることによって、スプールの一側に設けられた前記ドラグ機構の防水が図られている。
【0006】
しかしながら、このように、スプールと一体の防水カバーをリール本体の側板内側の細溝内に嵌入すると、以下のような幾つかの問題が生じる。
【0007】
すなわち、まず第1に、前記制動力調節時には、スプール軸の軸方向移動に伴う制動環体の挟圧によってスプールも軸方向に若干移動するため、側板の内側に形成される細溝の深さは、防水カバーの嵌入量分だけでなく、スプールと一体で軸方向に移動する防水カバーの移動量分も含めて必要となる。したがって、側板の厚みが増し、リールが大型化・重量化する。また、側板の厚さを維持すれば、細溝の深さに伴って、側板の強度が弱くなる。
【0008】
また、第2に、防水カバーは細溝内に単に嵌入しているだけであるため、スプールのフランジの外周(フランジとリール本体との間の隙間)から侵入した水が、側板の内面を伝わって細溝内に嵌入している防水カバーに沿って流れ、ドラグ機構内に侵入し易い。
【0009】
また、第3に、側板の内面を伝わった水は、細溝内に水膜を形成するため、細溝内に嵌入する防水カバーと一体回転するスプールの回転に影響を与え、その結果、スプールのスムーズなフリー回転性能が得られなくなる場合がある。
【0010】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、リールの大型化を招くことなく、また、スプールのフリー回転性能に支障を来たすことなく、ドラグ機構の防水を確実に図ることができる魚釣用リールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の魚釣用リールは、リール本体の側板間に設けられたスプール軸と、前記スプール軸に対して回転自在に支持されたスプールと、前記スプールの一側に設けられ、前記スプール軸の軸方向変位に伴って、前記スプールと一体回転する制動体を前記スプール軸上に一体回転するように設けられた制動環体に圧接することにより、前記スプールの回転に制動力を付与するドラグ機構と、前記スプールの一側に形成された筒状部と、前記筒状部に取付け固定されるカバー部材とを備え、前記筒状部と、前記カバー部材と、前記カバー部材の径方向内側に配置された前記制動環体とによって、前記ドラグ機構を囲繞し、前記カバー部材および前記制動環体にはそれぞれ、前記スプールと前記リール本体との間から侵入した水を塞き止めて、前記ドラグ機構への水の浸入を防止する防水壁が形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1には、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール(両軸受型リール)1が示されている。このリール1は、釣糸が巻回されるスプール2と、スプール2を釣糸巻取り方向に回転させるためのハンドル50とを有しており、スプール2は、軸受4A,4Bを介して、断面形状が円形のスプール軸4に回転可能に支持されている。また、スプール軸4は、軸受6,8を介してリール本体1a側に回転可能に支持されるとともに、その軸方向に沿ってスライド(変位)できる。具体的には、リール本体1aは、これに締結された左右の側板10A,10Bを有しており、スプール軸4の一端側(図中、左側・・・反ハンドル側)は、左側板10Aに設けられた軸受6に支持されるとともに、スプール軸4の他端側(図中、右側・・・ハンドル側)は、右側板10Bに設けられた軸受8に支持されている。なお、軸受4A,4B間には、スプール軸4が貫通するカラー39が介挿されている。
【0014】
また、スプール軸4の他端側には、小径の高速ピニオンギア20が形成されているとともに、大径の低速ピニオンギア22が装着されている。この場合、低速ピニオンギア22は、スプール軸4をその軸方向に対して直交する方向に貫通するピン40を介して、スプール軸4に回り止め嵌合されている。したがって、これらのピニオンギア20,22はスプール軸4と一体で回転できる。
【0015】
スプール2の一側にはドラグ機構の制動部が設けられている。このドラグ機構の制動部は、スプール2に一体的に取り付けられた環状のドラグワッシャ(制動体)2Aと、スプール軸4の一端側に取り付けられ且つドラグワッシャ2Aを介してスプール2と摩擦係合しつつスプール2を軸方向で押圧する押圧部30とから成る。押圧部30は、ドラグワッシャ2Aの両側に位置する一対のドラグ押圧部材(制動環体)31A,31Bを有している。これらのドラグ押圧部材31A,31Bは、環状を成しており、スプール軸4に回り止め嵌合されるとともに、そのライニング材31a,31bを介してドラグワッシャ2Aの両側からドラグワッシャ2Aの側面に摩擦接触(圧接)することができる。
【0016】
なお、後述するが、スプール2側からドラグワッシャ2Aに摩擦接触する一方(図中右側)の第1のドラグ押圧部材31Aは、スプール軸4の軸方向変位に伴って軸方向に移動し、他方(図中左側)の第2のドラグ押圧部材31Bは、スプール軸4の軸方向変位に伴って軸方向に移動しないようになっている。
【0017】
スプール軸4の一端部(一側部)は、その断面形状が非円形を成す非円形部44として形成されている。また、第2のドラグ押圧部材31Bは、スプール軸4の非円形部44と同形の開口部(内孔)31Baを有している。そして、スプール軸4の非円形部44を、第2のドラグ押圧部材31Bの開口部31Baに嵌合させることにより、第2のドラグ押圧部材31Bがスプール軸4に対して回り止めされている。
【0018】
また、第1のドラグ押圧部材31Aは、その円形の内孔31Aaを介してスプール軸4の円形断面部位の外周に嵌合されるとともに、ピン(係止突部)42を介してスプール軸4に対する回転が防止されている。この場合、ピン42は、第1の回り止め部としての非円形部44と軸方向に並んで設けられるとともに、スプール軸4をその軸方向に対して直交する方向に貫通して径方向外側に突出しており、その突出部が第1のドラグ押圧部材31Aの係止溝31Abに係止している。
【0019】
また、ドラグ押圧部材31A,31B間には、これらをドラグワッシャ2Aから離間させる方向に付勢する圧縮バネ36が介挿されている。なお、この圧縮バネ36によって、第1のドラグ押圧部材31Aは軸受4A側に、そして、第2のドラグ押圧部材31Bは軸受6側に向けてそれぞれ付勢(ドラグワッシャ2Aよりライニング材31a,31bが離間する方向)されている。
【0020】
また、本実施形態の魚釣用リール1では、円滑な制動作用を得るため、ドラグ機構の制動部の防水が図られている。具体的には、図2に拡大して示されるように、スプール2の一側に形成された筒状部23と、筒状部23に取付け固定されたカバー部材24と、カバー部材23の径方向内側に位置する第2のドラグ押圧部材31Bとによって、ドラグ機構の制動部が囲繞されている。
【0021】
この場合、筒状部23は、スプール2のフランジの外周縁からスプール軸4と略平行に左側板10Aに向かって延びる円筒状のカバーとして形成されており、ドラグ機構の制動部を上側から覆っている。また、筒状部23の外周面には、水の逃がし通路を形成する凹環状の溝23bが設けられている。また、筒状部23の延出端部には、筒状部23の外周面から径方向外側に突出する環状の第1の防水壁(鍔部)23aが形成されている。
【0022】
また、カバー部材24は、径方向外側に延びて筒状部23の延出端面と当接する外側延在部24cと、径方向内側に延びて後述する第2のドラグ押圧部材31Bの横方向延在部31Bcに近接して対向する内側延在部24dと、筒状部23と第2のドラグ押圧部材31Bとの間に介挿される筒状の側方延在部24eとを有しており、ドラグ機構の制動部を主に側方から覆っている。この場合、側方延在部24eは、その外周面に形成された雄ネジ27が筒状部23の内周面に形成された雌ネジ29と螺合している。また、カバー部材24の外面には、外側延在部24cと内側延在部24dとの間に段差が設けられており、この段差によって第2の防水壁28が形成されている。更に、カバー部材24の外面には、第2の防水壁28に隣接して、水の逃がし通路を形成する凹環状の溝26が設けられている。
【0023】
また、第2のドラグ押圧部材31Bは、スプール軸4と略平行に左側板10Aに向かって延び且つカバー部材24の内側延出部21dの端面と近接して対向する円筒状の横方向延在部31Bcを有している。また、カバー部材24の側方延在部24eと対向する第2のドラグ押圧部材31Bの外周縁部には、カバー部材24の内側延在部24dに向かって延び且つこの内側延在部24dと近接して対向する環状の第3の防水壁31Bbが形成されている。
【0024】
これらの防水壁23a,28,31Bbおよび溝23b,26は、筒状部23とカバー部材24と第2のドラグ押圧部材31Bと協働してラビリンス構造(多数の凹凸部が連続的に形成された構造)の囲繞壁を形成し、後述するように、スプール2とリール本体1aとの間の隙間から侵入する水を多段階で塞き止めて、ドラグ機構の制御部への水の浸入を防止する。なお、左側板10Aの下部には、防水壁23a,28,31Bbに塞き止められ或は溝23b,26によって逃がされて前記囲繞壁から流れ落ちた水を、リール本体1aの外部に排出するための排出口90が設けられている(図1参照)。
【0025】
また、ハンドル50が位置するスプール軸4の他端側には、ドラグ機構の操作部60が設けられている。この操作部60により、ドラグ機構は、スプール軸4を軸方向に移動させて、前記制動部によりスプール4の釣糸繰り出し方向の回転に制動力を付与することができる。
【0026】
操作部60は、右側板10Bに対して前後方向に回動可能に装着され且つカム機構62を作動させるレバー状調節体としてのドラグレバー61を有している。カム機構62は、公知のように、ドラグレバー61と一体で回転するカム部と、スプール軸4と結合し且つ前記カム部の回転に伴って軸方向にスライドするスライド部とから成り、ドラグレバー61の前方への回動に伴って前記カム部が回転すると、前記スライド部が軸方向にスライドしてスプール軸4を反ハンドル側に向かって軸方向に移動させることができる。すなわち、ドラグレバー61の前後方向の回動操作によって、後述するように制動力を強弱に調節することができるようになっている。
【0027】
また、右側板10Bには、ハンドル50によって回転される筒状のハンドル軸84が回転可能に支持されている。この場合、ハンドル軸84は、右側板10Bに取付け固定された支持筒82内に回転可能且つ進退可能に挿通されている。ハンドル軸84の先端部は、リール本体1a内に配設された軸受によって支持されている。また、右側板10Bの内側延在部には、その外歯が低速ピニオンギア22に噛み合う低速ギア86と、その外歯が高速ピニオンギア20に噛み合う高速ギア85とが回転可能に支持されている。この場合、これらのギア85,86の中央を貫通するようにハンドル軸84の先端部が延びている。
【0028】
また、ハンドル軸84の先端部には、歯車87が形成されている。この歯車87は、ハンドル軸84が軸方向に進退することにより、高速ギア85の内歯と噛み合う第1の位置(図1の位置)と、低速ギア86の内歯と噛み合う第2の位置との間で移動できる。また、ハンドル軸84には、歯車87を第1の位置と第2の位置とに位置決めするための位置決め機構が設けられている。この位置決め機構は、ハンドル軸84に設けられ且つハンドル軸84の外周面に形成された開口を通じて突没自在なボール81と、支持筒82の内周面に形成され且つボール81と係合する一対の係合溝82a,82bと、ハンドル軸84内に進退可能に挿通され且つボール81の突没動作を制御するプッシュロッド80とを有している。この場合、一対の係合溝82a,82bは、ハンドル軸84の長手方向に互いに所定距離(具体的は前記第1の位置と第2の位置との間の距離に略等しい)だけ離間して位置されている。また、プッシュロッド80は、ボール81と接触してボール81をハンドル軸84の外周面から所定量突出させることができる外径に設定された大径部80aと、ロッド80の手元側に形成され且つボール81をハンドル軸84内に完全に没入させることができる外径に設定された小径部80bと、大径部80aと小径部80bとの間に形成され且つボール81を大径部80aと小径部80bとの間で案内するテーパ部80cとを有している。また、ハンドル軸84内には、圧縮スプリング83が設けられている。この圧縮スプリング83は、ハンドル軸84とプッシュロッド80との間に介挿され、ボール81とプッシュロッド80の大径部80aとが接触する方向にプッシュロッド80を常時付勢している。この場合、プッシュロッド80は、圧縮スプリング83の付勢力により、ハンドル軸84の手元側開口を塞ぐよう設けられた蓋体89に当接される。なお、プッシュロッド80の端部には操作ノブ80dが形成されている。
【0029】
次に、上記構成の魚釣用リール1の動作について説明する。
【0030】
まず、ハンドル50を釣糸巻取り方向に回転すると、ハンドル軸84が回転し、ハンドル軸84の歯車87と噛み合う高速ギア85または低速ギア86が回転する。なお、図1の状態では、歯車87が高速ギア85と噛み合っているため、高速ギア85が回転する。高速ギア85が回転すると、高速ギア85と噛み合う高速ピニオンギア20を介してスプール軸4が高速回転する。
【0031】
ここで、スプール軸4を低速で回転させたい場合には、まず、圧縮スプリング83の付勢力に抗してプッシュロッド80を押し込む。プッシュロッド80を押し込むと、ボール81と対向接触するプッシュロッド80の部位が、大径部80aから小径部80bへと移行するため、ボール81は、大径部80aと接触して第1の係合溝82bと係合する図1の状態からテーパ部80cの案内によって小径部80bと接触する状態となり、それに伴って、ハンドル軸84内に没する。そのため、ハンドル軸84を支持筒82内に押し込むことが可能になる。その後、この状態のまま、ハンドル軸84の全体を支持筒82内にスライドさせながら、プッシュロッド80への押圧力を解除すると、ボール81は、第2の係合溝82aと対向した時点で、圧縮スプリング83の付勢力に伴ってプッシュロッド80の大径部80aにより押し出され(突出され)、第2の係合溝82aと係合する。この時、ハンドル軸84の歯車87は、ハンドル軸84のスライドに伴って先端側に移動され(第1の位置から第2の位置へと移動され)、低速ギア86の内歯と噛み合う。したがって、この状態でハンドル50を釣糸巻取り方向に回転すると、ハンドル軸84が回転するとともに、ハンドル軸84の歯車87と噛み合う低速ギア86が回転し、低速ギア86と噛み合う低速ピニオンギア22を介してスプール軸4が低速回転する。
【0032】
また、このようにして、スプール軸4が回転すると、スプール軸4に回り止め嵌合されたドラグ押圧部材31A,31Bも回転する。この時、ドラグレバー61が図1に示される状態で位置している場合には、スプール軸4はその基本位置から軸方向に移動されないため、両方のドラグ押圧部材31A,31Bとドラグワッシャ2Aとの間には、圧縮バネ36の作用により、一定のクリアランスが形成される。したがって、スプール2はフリーで回転でき、スプール2に巻回された釣糸を、何らの抵抗を与えることなく、自由に繰り出すことができる。
【0033】
また、図1の状態からドラグレバー61を所定量だけ前方に回動させると、カム機構62を介してスプール軸4が軸方向(図1の左側…反ハンドル側)に移動される。スプール軸4が反ハンドル側に向かって軸方向に移動されると、第1のドラグ押圧部材31Aも、軸受4B、カラー39、軸受4A等によって押し出される形で、圧縮バネ36の付勢力に抗して軸方向に移動してドラグワッシャ2Aの一方側の側面を押圧した後、軸方向移動しない第2のドラグ押圧部材31Bのライニング材31bとライニング材31aとの間でドラグワッシャ2Aを挟着する。このように、第1のドラグ押圧部材31Aのライニング材31aがドラグワッシャ2Aの一側面を押圧し、ドラグワッシャ2Aの他端面が第2のドラグ押圧部材31Bのライニング材31bに接触した状態(ドラグワッシャ2Aをライニング材31a,31bで挟着した状態)では、スプール2が、ドラグ押圧部材31Aとの摩擦接触に伴う所定のドラグ力により、スプール軸4とともに回転するようになる。また、この時、掛かった魚が暴れるなどして前記ドラグ力を超える所定の張力が釣糸に作用すると、スプール2は、釣糸繰り出し方向に回転することができる。
【0034】
なお、以上の状態から、ドラグレバー61を更に前方に回動させて、スプール軸4を更に軸方向に移動させると、圧縮バネ36が更に圧縮されるとともに、ドラグワッシャ2Aの2つのドラグ押圧部材31A,31B間での挟圧力が更に増す。そして、最終的に、ドラグレバー61が終端位置まで回動された時点で、挟圧力が最大に達する。この状態では、スプール2に作用するドラグ力が更に増大し、スプール2は、スプール軸4と完全に摩擦結合され、滑ることなくスプール軸4と一体で回転するようになる。すなわち、スプール4は、釣糸繰り出し方向に回転できなくなり、強負荷状態での巻き取り操作が可能になる。
【0035】
また、このような巻き取り操作等を行なっていると、スプール2の一側のフランジの外周とリール本体1aとの間の隙間からリール本体1a内に水が浸入する場合があるが、この侵入した水は、前述したラビリンス構造の囲繞壁によって、ドラグ機構の制動部に達することが阻止される。以下、これについて図2を参照しながら説明する。
【0036】
図2には、スプール2の外周とリール本体1aとの間の隙間からリール本体1a内に侵入した水が辿り得る経路が一点鎖線の矢印で示されている。まず、水は、スプール2とリール本体1aとの間の隙間から侵入した時点で、最初に溝23bで捕捉され、この溝23bに沿って逃がされる。そして、逃がされた水は、最終的には、筒状部23から落下して、排出口90から排出される。
【0037】
また、溝23bを乗り越えて侵入した水は、第1の防水壁23aで塞き止められ、再度、溝23bに戻される。したがって、溝23bで最初に捕捉された水と同じ経路を辿って排出される。
【0038】
また、第1の防水壁23aを乗り越えて流れた水は、カバー部材24の外面に沿って流れるが、その先に存在する第2の防水壁28によって塞き止められ、溝26へと流される。そして、溝26に捕捉された水は、溝26に沿って逃がされ、最終的には、カバー部材24から落下して、排出口90から排出される。
【0039】
また、第2の防水壁28を乗り越えて流れた水は、第2のドラグ押圧部材31Bの横方向延在部31Bcに落下する。ここで、ドラグ機構側に流れようとする水は、最後の第3の防水壁31Bbによって塞き止められ、最終的に第2のドラグ押圧部材31Bから落下して、排出口90から排出される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の魚釣用リール1は、スプール2の一側に形成された筒状部23と、筒状部23に取付け固定されるカバー部材24とを備え、筒状部23と、カバー部材24と、第2のドラグ押圧部材31Bとによって、ドラグ機構の制動部を囲繞し、筒状部23とカバー部材24と第2のドラグ押圧部材31Bのそれぞれに、スプール2とリール本体1aとの間から侵入した水を塞き止めてドラグ機構の制動部への水の浸入を防止する防水壁23a,28,31Bbを形成している。特に、本実施形態では、筒状部23とカバー部材24と第2のドラグ押圧部材31Bとに防水壁23a,28,31Bbおよび溝23b,26を形成して、ラビリンス構造(多数の凹凸部が連続的に形成された構造)の囲繞壁を構成し、スプール2とリール本体1aとの間の隙間から侵入する水を多段階で塞き止めるようにしている。このように、侵入した水の進路を多段階で塞ぐラビリンス構造は、パッキンやゴム等のシール部材を必要としない非常に簡易な防水構造であるため、リール本体を大型化したり、スプールフリー性能に支障をきたしたりすることがなく、ドラグ機構の防水を確実に図ることができる。
【0041】
図3には、前述した実施形態の第1の変形例が示されている。図示のように、この変形例において、第1の防水壁23aには、スプール軸4と略平行に左側板10Aに向かって延びる軸方向延出部72が一体に形成されている。すなわち、第1の防水壁23aは、筒状部23の外周面から径方向外側に突出するとともに軸方向にも突出している。そして、この軸方向延出部72に対してカバー部材24の外側延在部24cの外周端面が当接している。なお、それ以外の構成は、前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
このように、本変形例では、第1の防水壁23aを軸方向に延設させて、筒状部23の内側にカバー部材24を配置するようにしたため、ネジ27,29への水の侵入を防止することができる。
【0043】
図4には、前述した実施形態の第2の変形例が示されている。図示のように、この変形例では、筒状部23に第1の防水壁が形成されておらず、その代わり、カバー部材24の外側延在部24cの外周端縁24aが筒状部23の外面から径方向外側に突出しており、この突出する外周端縁24aによって第1の防水壁が形成されている。なお、それ以外の構成は、前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。このような構成でも、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
図5には、前述した実施形態の第3の変形例が示されている。図示のように、この変形例では、第1の防水壁23a(または、24a)が設けられていない。その代わり、第2のドラグ押圧部材31Bの横方向延在部31Bcと対向するカバー部材24の内側延在部24dの内端縁に、軸方向および径方向外側に延びるフック状の更なる防水壁75が形成されている。なお、それ以外の構成は、前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。このような構成でも、前述した実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
なお、本発明は、前述した実施形態および変形例に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、第1および第2のドラグ押圧部材31A,31Bによってドラグワッシャ2Aを挟圧するようにしているが、ドラグワッシャ2Aを1つのドラグ押圧部材に圧接することによって制動力を付与するなど、ドラグ機構における制動形態は、スプール軸の軸方向変位に伴ってスプールと一体回転する制動体をスプール軸上に一体回転するように設けられた制動環体に圧接するような形態である限り、どのような形態であっても構わない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の魚釣用リールによれば、リールの大型化を招くことなく、また、スプールのフリー回転性能に支障を来たすことなく、ドラグ機構の防水を確実に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの断面図である。
【図2】図1の魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【図3】第1の変形例に係る魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【図4】第2の変形例に係る魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【図5】第3の変形例に係る魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…魚釣用両軸受型リール
1a…リール本体
2…スプール
2A…ドラグワッシャ(制動体)
4…スプール軸
10A,10B…側板
23…筒状部
23a,24a,28,31Bb,75…防水壁
24…カバー部材
31A,31B…制動環体

Claims (1)

  1. リール本体の側板間に設けられたスプール軸と、
    前記スプール軸に対して回転自在に支持されたスプールと、
    前記スプールの一側に設けられ、前記スプール軸の軸方向変位に伴って、前記スプールと一体回転する制動体を前記スプール軸上に一体回転するように設けられた制動環体に圧接することにより、前記スプールの回転に制動力を付与するドラグ機構と、
    前記スプールの一側に形成された筒状部と、
    前記筒状部に取付け固定されるカバー部材と、
    を備え、
    前記筒状部と、前記カバー部材と、前記カバー部材の径方向内側に配置された前記制動環体とによって、前記ドラグ機構を囲繞し、
    前記カバー部材および前記制動環体にはそれぞれ、前記スプールと前記リール本体との間から侵入した水を塞き止めて、前記ドラグ機構への水の浸入を防止する防水壁が形成されていることを特徴とする魚釣用リール。
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