JP2004179485A - プリント配線板の製造方法及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マイグレーションによる絶縁不良を抑えて信頼性を高め、配線パターン間隔の微細化を可能とするプリント配線板の製造方法及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップなどの電子部品を接続する高密度フレキシブル配線板等のプリント配線板の製造方法及びプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板は、樹脂やセラミックなどの絶縁性基板に銅等の金属箔を積層した基板の表面に、フォトリソグラフィー法や印刷法などによって配線パターン状のエッチングレジストを形成し、エッチングにより金属箔の不要部分を除去して配線パターンを形成した後、エッチングレジストを除去し、配線パターンに保護膜を形成するなどの工程により作製される。
【0003】
図3を用いて、従来のプリント配線板の製造方法を順次説明する。なお、図3は、従来のプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。図3において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、7は保護膜である。
【0004】
まず、図3(a)に絶縁性基板1と金属箔2が積層された積層板を示す。そして、金属箔2の表面に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光、更に、現像を行って、図3(b)に示すように、この金属箔2の上面に所定の配線パターン形状を有するエッチングレジスト3を形成する。
【0005】
次に、図3(c)に示すように、エッチングレジスト3に被覆されていない不要な部分の金属箔4を塩化第二鉄水溶液等によるエッチングにより溶解して配線パターン4を形成する。
【0006】
次に、図3(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去し、図3(e)に示すように、例えば、金メッキ等の保護膜7を形成する。
【0007】
近年の電子機器の小型軽量化に沿って電子部品が小型化し、実装基板としてプリント配線板の配線パターンも微細化されて配線パターンの間隔が小さくなってきており、配線パターンのエッチングは12μm厚銅箔を用いて量産で35μmピッチ程度まで可能となっている。
【0008】
配線パターンと絶縁性基板の密着強度を得るため、絶縁性基板と金属箔の界面は微細な凹凸を持つように粗面化処理がなされているが、微細な配線パターンほど絶縁性基板との接触面積が小さくなるため、配線パターンの密着強度を得るために適度な粗面が必要とされる。
【0009】
一方で、配線パターンを保護する保護膜は、プリント配線板に実装される電子部品の電極との接合性や耐蝕性に優れた金等の材料で構成され、配線パターンの表面に施される。
【0010】
そして、プリント配線板では、環境中の湿気等の影響によって配線パターン間に付着した水分等により配線パターン間の絶縁性が低下した状態で配線パターンに電圧が印加されると、配線パターンを構成する銅などの金属がイオンとして溶出して移動析出し絶縁不良となるマイグレーションと言われる現象を起こすことが知られており、保護膜は、マイグレーションの発生を防ぐ目的も兼ねる。
【0011】
マイグレーションを防ぐためには、欠陥の無い均一な保護膜を形成することが極めて重要であるが、前述のように配線パターンの絶縁性基板との界面の微細な凹凸の存在により、この部分で保護膜の形成が妨げられて保護膜にピンホールができ易く、金メッキ等の保護膜の膜厚を厚くするなどしてこれを防ぐ必要がある。金メッキの膜厚を薄くするとピンホールができ易くなり信頼性を低下し、厚くすると配線パターンの全面で金メッキが厚くなり、貴金属である金の使用量が増えて経済的に好ましくないと言う問題がある。
【0012】
これに対し、被メッキ配線パターンを紫外線照射した後に無電解メッキにより保護膜を形成したり、金メッキの下地に他の金属メッキ膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0013】
また、実装では異方導電性材料による接合方式が、金−錫接合方式等に比較して低温工程で実装でき、基板の耐熱性や熱膨張による累積寸法の誤差に於いて優位性があり、また、アンダーフィル樹脂の注入工程が不要であるなどの理由により用いられている。
【0014】
この異方導電性材料を用いた実装では、樹脂中に直径数μmから数十μm程度の導電粒子を分散させた異方導電性樹脂を塗布、あるいは異方導電性フィルムを貼付したプリント配線板の配線パターンに、実装される電子部品を高温・高圧で押しつけることによって異方導電性材料に含まれる導電粒子を挟んで、電子部品の電極とプリント配線板の配線パターンが電気的に接合される。よって、接合信頼性を得るためには、配線パターン上に充分な量の導電粒子を保持できるように導電粒子の密度を大きくする必要がある。
【0015】
しかし、導電粒子どうしが接触して配線パターン間を電気的に短絡しないように、この導電粒子の密度増加には限度があり、配線パターンの微細化を妨げている。
【0016】
これに対し、銅箔の厚さや導電粒子の粒子径を限定することによって短絡を防ぐことが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−102725号公報
【特許文献2】
特開2001−335953号公報
【特許文献3】
特開平7−92920号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このプリント配線板の製造方法及びプリント配線板の分野に於いて、配線パターンの保護膜を薄くして金等の使用量を削減し、かつ、従来のプリント配線板の製造方法を大きく変更することなく、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸によりメッキ欠陥などを生じ易い配線パターンの側面の保護膜を容易に均一化して、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備えることが要求されている。
【0019】
更に、材料を限定することなく、配線パターンの間隔が微細化しても異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないことが要求されている。
【0020】
しかしながら、従来の技術ではこれらの要求を満足する施策は未だなされていないと言う問題があった。
【0021】
そこで、本発明はこれら従来の課題を解決するものであり、マイグレーションによる絶縁不良を抑えて信頼性を高め、配線パターン間隔の微細化を可能とするプリント配線板の製造方法及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成するものである。
【0023】
この本発明によれば、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備え、また異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないプリント配線板の製造方法が得られる。
【0024】
また、本発明のプリント配線板は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に第1の保護膜を備え、配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を備えるものである。
【0025】
この本発明によれば、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備え、また異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないプリント配線板が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成するものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1の成膜工程及び第2の成膜工程を湿式メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2において、第1の成膜工程及び第2の成膜工程を金メッキ出行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を2回の成膜工程による厚い金メッキで構成して保護膜を均一化でき、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を経済的に製造することができるという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2において、第1の成膜工程をニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかで行ない、第2の成膜工程を金メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1において、第1の成膜工程を電着で行ない、第2の成膜工程を湿式メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5において、第1の成膜工程をポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかの電着で行ない、第2の成膜工程を金メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質しない保護膜とすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項7に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターン上に、配線パターンの側面の膜厚が配線パターンの上面の膜厚より厚い保護膜を備えるものであり、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸により欠陥などを生じ易い配線パターンの側面を厚い保護膜で覆うことができ、高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7において、保護膜が金であるものであり、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸により欠陥などを生じ易い配線パターンの側面を厚い金メッキで覆うことができ、配線パターンの上面は薄い金メッキとして、金の使用量を抑え、かつ高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項9に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に第1の保護膜を備え、配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を備えるものであり、配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項9において、第1の保護膜がニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかであり、第2の保護膜が金であるものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項11に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に絶縁性の第1の保護膜を備え、配線パターンの上面に第2の保護膜を備えるものであり、配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性を備え、かつ経済的であるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11において、第1の保護膜がポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかであり、第2の保護膜が金であり、配線パターンの側面の保護膜は絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質せず、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性を備え、かつ経済的であるという作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。また、図1において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、5は第1の保護膜、6は第2の保護膜である。
【0040】
絶縁性基板1には、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。配線パターン4はこれに積層された導電膜としての金属箔2上面にエッチングレジスト3を形成しエッチングする所謂フォトエッチング法により所定の配線パターンとして形成されたものである。金属箔2には、例えば、銅やアルミニウム等を用いることができる。第1の保護膜5には、耐マイグレーション性が優れた、金、ニッケル、クロムを用いることができる。第2の保護膜6には、金を用いることができる。
【0041】
次に、図1を用いて、プリント配線板の製造方法を順次説明する。
【0042】
図1(a)は、絶縁性基板1と金属箔2が積層された積層板である。そして、例えば、金属箔2の表面に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光、更に、現像を行って、図1(b)に示すように、この金属箔2の上面に所定の配線パターンを有するエッチングレジスト3を形成する。
【0043】
次に、図1(c)に示すように、エッチングレジスト3に被覆されていない不要な部分の金属箔2を、例えば、塩化第二鉄水溶液を用いたエッチングにより溶解し、所定の配線パターンを有する配線パターン4を形成する。
【0044】
次に、図1(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去する前に、例えば、金メッキを行う。これにより、エッチングレジスト3に覆われていない配線パターン4の側面に第1の保護膜5を形成する。
【0045】
その後、図1(e)に示すように、エッチングレジスト3を、例えば、アルカリ溶液で除去する。
【0046】
更に、図1(f)に示すように、例えば、金メッキを行う。これにより、配線パターン4の上面及び第1の保護膜5上に第2の保護膜6を形成する。
【0047】
これにより、配線パターン4の側面に第1の保護膜と第2の保護膜の積層保護膜を備え、また、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を備えた断面構造が形成される。
【0048】
このように、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法によれば、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜5を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができる。
【0049】
更に、配線パターン4の側面の保護膜が2回の成膜工程で成膜されることで、配線パターン4の側面を第1の保護膜5及び第2の保護膜6との2層の膜厚で保護することができる。
【0050】
更に、金メッキの場合では、配線パターンの上面は第2の保護膜6である薄い金メッキで構成されるので金の使用量を小さくできる。
【0051】
なお、第1の保護膜5の成膜工程をニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかで行えば、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができる。
【0052】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。また、図2において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、5は第1の保護膜、6は第2の保護膜である。
【0053】
絶縁性基板1には、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。配線パターン4はこれに積層された導電膜としての金属箔2上面にエッチングレジスト3を形成しエッチングする所謂フォトエッチング法により所定の配線パターンとして形成されたものである。金属箔2には、例えば、銅やアルミニウム等を用いることができる。第1の保護膜5には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂の耐アルカリ性あるいは耐有機溶剤製の絶縁性電着樹脂を用いることができる。第2の保護膜6には、金を用いることができる。
【0054】
次に、図2を用いて、プリント配線板の製造方法を順次説明する。
【0055】
図2(a)〜(c)は実施の形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0056】
次に、図2(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去する前に、例えば、ポリイミド樹脂電着により樹脂膜の形成を行う。これにより、エッチングレジスト3に覆われていない配線パターン4の側面に第1の保護膜5を形成する。
【0057】
その後、図2(e)に示すように、エッチングレジスト3を、例えば、アルカリ溶液で除去する。
【0058】
更に、図2(f)に示すように、例えば、金メッキを行う。これにより、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を形成する。
【0059】
これにより、配線パターン4の側面に第1の保護膜5を備え、また、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を備えた断面構造が形成される。
【0060】
このように、本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法によれば、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができる。
【0061】
更に、第1の保護膜5をポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかの電着で行なえば、配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質しない保護膜とすることができる。そして、第2の成膜工程を金メッキで行なうことにより、配線パターンの上面は第2の成膜工程による第2の保護膜6のみの薄い金メッキで構成されるので、金の使用量を小さくできる。
【0062】
なお、以上説明した本実施の形態1,2において、フォトエッチング法によってエッチングレジスト3を形成したが、印刷法や転写法等を用いてエッチングレジスト3を形成してもよい。
【0063】
また、塩化第二鉄水溶液をエッチング液として用いて溶解し、所定の配線パターンを有する配線パターン4を形成したが、エッチングをエッチング液による化学的エッチングではなく、レーザートリミング、イオンミーリング、サンドブラスト、プラズマエッチング等の物理的エッチングを用いてもよい。
【0064】
また、プリント配線板は、絶縁性基板1としてポリイミド樹脂で構成されるフィルムを用い、配線パターン4を構成する導電膜として銅箔を積層した構成があげられ、このポリイミドフィルム、銅箔からなる組み合わせは、加工適正、汎用性に優れるものであり好ましい形態と言える。なお、ポリイミドフィルム以外にも、従来公知のプリント配線板に使用される絶縁性基板材料を用いることもできる。また、この絶縁性基板は、連続加工、巻き取り加工を行う場合には、可撓性、柔軟性を有していることが好ましい。また、絶縁性基板1と配線パターン4の間に接着剤層を有してもよく、その接着剤はエポキシ系接着剤や、他の熱硬化性接着剤を用いることができるのは言うまでもない。また、配線パターン2を構成する材料としては銅、アルミニウム以外にも、エッチング加工の可能な他の導電性を有する金属材料を用いてもよい。
【0065】
また、配線パターン4の電気的接合の不必要な任意の領域面にソルダレジスト樹脂膜を形成する工程を付加し、配線パターン4の電気的接合の不必要な任意の領域面を絶縁保護するソルダレジスト樹脂膜を備える構成としてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明のプリント配線板の製造方法によれば、従来のプリント配線板の製造方法に工程を付加するだけで、容易に配線パターン側面の保護膜に厚膜で耐マイグレーション性もしくは電気絶縁性の優れた保護膜を備える構成を形成できるという有利な効果が得られる。
【0067】
本発明のプリント配線板によれば、配線パターン側面のみ保護膜の膜厚が厚く、また、耐マイグレーション性もしくは電気絶縁性の優れた材質を備えて高い信頼性と経済性が得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【図3】従来のプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 金属箔
3 エッチングレジスト
4 配線パターン
5 第1の保護膜
6 第2の保護膜
7 保護膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップなどの電子部品を接続する高密度フレキシブル配線板等のプリント配線板の製造方法及びプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板は、樹脂やセラミックなどの絶縁性基板に銅等の金属箔を積層した基板の表面に、フォトリソグラフィー法や印刷法などによって配線パターン状のエッチングレジストを形成し、エッチングにより金属箔の不要部分を除去して配線パターンを形成した後、エッチングレジストを除去し、配線パターンに保護膜を形成するなどの工程により作製される。
【0003】
図3を用いて、従来のプリント配線板の製造方法を順次説明する。なお、図3は、従来のプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。図3において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、7は保護膜である。
【0004】
まず、図3(a)に絶縁性基板1と金属箔2が積層された積層板を示す。そして、金属箔2の表面に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光、更に、現像を行って、図3(b)に示すように、この金属箔2の上面に所定の配線パターン形状を有するエッチングレジスト3を形成する。
【0005】
次に、図3(c)に示すように、エッチングレジスト3に被覆されていない不要な部分の金属箔4を塩化第二鉄水溶液等によるエッチングにより溶解して配線パターン4を形成する。
【0006】
次に、図3(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去し、図3(e)に示すように、例えば、金メッキ等の保護膜7を形成する。
【0007】
近年の電子機器の小型軽量化に沿って電子部品が小型化し、実装基板としてプリント配線板の配線パターンも微細化されて配線パターンの間隔が小さくなってきており、配線パターンのエッチングは12μm厚銅箔を用いて量産で35μmピッチ程度まで可能となっている。
【0008】
配線パターンと絶縁性基板の密着強度を得るため、絶縁性基板と金属箔の界面は微細な凹凸を持つように粗面化処理がなされているが、微細な配線パターンほど絶縁性基板との接触面積が小さくなるため、配線パターンの密着強度を得るために適度な粗面が必要とされる。
【0009】
一方で、配線パターンを保護する保護膜は、プリント配線板に実装される電子部品の電極との接合性や耐蝕性に優れた金等の材料で構成され、配線パターンの表面に施される。
【0010】
そして、プリント配線板では、環境中の湿気等の影響によって配線パターン間に付着した水分等により配線パターン間の絶縁性が低下した状態で配線パターンに電圧が印加されると、配線パターンを構成する銅などの金属がイオンとして溶出して移動析出し絶縁不良となるマイグレーションと言われる現象を起こすことが知られており、保護膜は、マイグレーションの発生を防ぐ目的も兼ねる。
【0011】
マイグレーションを防ぐためには、欠陥の無い均一な保護膜を形成することが極めて重要であるが、前述のように配線パターンの絶縁性基板との界面の微細な凹凸の存在により、この部分で保護膜の形成が妨げられて保護膜にピンホールができ易く、金メッキ等の保護膜の膜厚を厚くするなどしてこれを防ぐ必要がある。金メッキの膜厚を薄くするとピンホールができ易くなり信頼性を低下し、厚くすると配線パターンの全面で金メッキが厚くなり、貴金属である金の使用量が増えて経済的に好ましくないと言う問題がある。
【0012】
これに対し、被メッキ配線パターンを紫外線照射した後に無電解メッキにより保護膜を形成したり、金メッキの下地に他の金属メッキ膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0013】
また、実装では異方導電性材料による接合方式が、金−錫接合方式等に比較して低温工程で実装でき、基板の耐熱性や熱膨張による累積寸法の誤差に於いて優位性があり、また、アンダーフィル樹脂の注入工程が不要であるなどの理由により用いられている。
【0014】
この異方導電性材料を用いた実装では、樹脂中に直径数μmから数十μm程度の導電粒子を分散させた異方導電性樹脂を塗布、あるいは異方導電性フィルムを貼付したプリント配線板の配線パターンに、実装される電子部品を高温・高圧で押しつけることによって異方導電性材料に含まれる導電粒子を挟んで、電子部品の電極とプリント配線板の配線パターンが電気的に接合される。よって、接合信頼性を得るためには、配線パターン上に充分な量の導電粒子を保持できるように導電粒子の密度を大きくする必要がある。
【0015】
しかし、導電粒子どうしが接触して配線パターン間を電気的に短絡しないように、この導電粒子の密度増加には限度があり、配線パターンの微細化を妨げている。
【0016】
これに対し、銅箔の厚さや導電粒子の粒子径を限定することによって短絡を防ぐことが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−102725号公報
【特許文献2】
特開2001−335953号公報
【特許文献3】
特開平7−92920号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このプリント配線板の製造方法及びプリント配線板の分野に於いて、配線パターンの保護膜を薄くして金等の使用量を削減し、かつ、従来のプリント配線板の製造方法を大きく変更することなく、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸によりメッキ欠陥などを生じ易い配線パターンの側面の保護膜を容易に均一化して、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備えることが要求されている。
【0019】
更に、材料を限定することなく、配線パターンの間隔が微細化しても異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないことが要求されている。
【0020】
しかしながら、従来の技術ではこれらの要求を満足する施策は未だなされていないと言う問題があった。
【0021】
そこで、本発明はこれら従来の課題を解決するものであり、マイグレーションによる絶縁不良を抑えて信頼性を高め、配線パターン間隔の微細化を可能とするプリント配線板の製造方法及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成するものである。
【0023】
この本発明によれば、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備え、また異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないプリント配線板の製造方法が得られる。
【0024】
また、本発明のプリント配線板は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に第1の保護膜を備え、配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を備えるものである。
【0025】
この本発明によれば、配線パターンの微細化に伴うマイグレーションが発生しない高い信頼性を備え、また異方導電性材料に含まれる導電粒子が配線パターンを短絡しないプリント配線板が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成するものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1の成膜工程及び第2の成膜工程を湿式メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2において、第1の成膜工程及び第2の成膜工程を金メッキ出行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を2回の成膜工程による厚い金メッキで構成して保護膜を均一化でき、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を経済的に製造することができるという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2において、第1の成膜工程をニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかで行ない、第2の成膜工程を金メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1において、第1の成膜工程を電着で行ない、第2の成膜工程を湿式メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5において、第1の成膜工程をポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかの電着で行ない、第2の成膜工程を金メッキで行なうものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質しない保護膜とすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項7に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターン上に、配線パターンの側面の膜厚が配線パターンの上面の膜厚より厚い保護膜を備えるものであり、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸により欠陥などを生じ易い配線パターンの側面を厚い保護膜で覆うことができ、高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7において、保護膜が金であるものであり、配線パターンと絶縁性基板の界面の凹凸により欠陥などを生じ易い配線パターンの側面を厚い金メッキで覆うことができ、配線パターンの上面は薄い金メッキとして、金の使用量を抑え、かつ高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項9に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に第1の保護膜を備え、配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を備えるものであり、配線パターンの側面の第1の保護膜を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、高い信頼性を備えるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項9において、第1の保護膜がニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかであり、第2の保護膜が金であるものであり、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項11に記載の発明は、絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、配線パターンの側面に絶縁性の第1の保護膜を備え、配線パターンの上面に第2の保護膜を備えるものであり、配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性を備え、かつ経済的であるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11において、第1の保護膜がポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかであり、第2の保護膜が金であり、配線パターンの側面の保護膜は絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質せず、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性を備え、かつ経済的であるという作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。また、図1において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、5は第1の保護膜、6は第2の保護膜である。
【0040】
絶縁性基板1には、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。配線パターン4はこれに積層された導電膜としての金属箔2上面にエッチングレジスト3を形成しエッチングする所謂フォトエッチング法により所定の配線パターンとして形成されたものである。金属箔2には、例えば、銅やアルミニウム等を用いることができる。第1の保護膜5には、耐マイグレーション性が優れた、金、ニッケル、クロムを用いることができる。第2の保護膜6には、金を用いることができる。
【0041】
次に、図1を用いて、プリント配線板の製造方法を順次説明する。
【0042】
図1(a)は、絶縁性基板1と金属箔2が積層された積層板である。そして、例えば、金属箔2の表面に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光、更に、現像を行って、図1(b)に示すように、この金属箔2の上面に所定の配線パターンを有するエッチングレジスト3を形成する。
【0043】
次に、図1(c)に示すように、エッチングレジスト3に被覆されていない不要な部分の金属箔2を、例えば、塩化第二鉄水溶液を用いたエッチングにより溶解し、所定の配線パターンを有する配線パターン4を形成する。
【0044】
次に、図1(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去する前に、例えば、金メッキを行う。これにより、エッチングレジスト3に覆われていない配線パターン4の側面に第1の保護膜5を形成する。
【0045】
その後、図1(e)に示すように、エッチングレジスト3を、例えば、アルカリ溶液で除去する。
【0046】
更に、図1(f)に示すように、例えば、金メッキを行う。これにより、配線パターン4の上面及び第1の保護膜5上に第2の保護膜6を形成する。
【0047】
これにより、配線パターン4の側面に第1の保護膜と第2の保護膜の積層保護膜を備え、また、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を備えた断面構造が形成される。
【0048】
このように、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法によれば、簡素な工程で配線パターンの側面の第1の保護膜5を任意の材料及び膜厚で構成して保護膜を均一化できるので、マイグレーションが発生しない高い信頼性のプリント配線板を製造することができる。
【0049】
更に、配線パターン4の側面の保護膜が2回の成膜工程で成膜されることで、配線パターン4の側面を第1の保護膜5及び第2の保護膜6との2層の膜厚で保護することができる。
【0050】
更に、金メッキの場合では、配線パターンの上面は第2の保護膜6である薄い金メッキで構成されるので金の使用量を小さくできる。
【0051】
なお、第1の保護膜5の成膜工程をニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかで行えば、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を耐マグレーション性の優れた厚く均一な保護膜にすることができる。
【0052】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図である。また、図2において、1は絶縁性基板、2は金属箔、3はエッチングレジスト、4は配線パターン、5は第1の保護膜、6は第2の保護膜である。
【0053】
絶縁性基板1には、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。配線パターン4はこれに積層された導電膜としての金属箔2上面にエッチングレジスト3を形成しエッチングする所謂フォトエッチング法により所定の配線パターンとして形成されたものである。金属箔2には、例えば、銅やアルミニウム等を用いることができる。第1の保護膜5には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂の耐アルカリ性あるいは耐有機溶剤製の絶縁性電着樹脂を用いることができる。第2の保護膜6には、金を用いることができる。
【0054】
次に、図2を用いて、プリント配線板の製造方法を順次説明する。
【0055】
図2(a)〜(c)は実施の形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0056】
次に、図2(d)に示すように、エッチングレジスト3を除去する前に、例えば、ポリイミド樹脂電着により樹脂膜の形成を行う。これにより、エッチングレジスト3に覆われていない配線パターン4の側面に第1の保護膜5を形成する。
【0057】
その後、図2(e)に示すように、エッチングレジスト3を、例えば、アルカリ溶液で除去する。
【0058】
更に、図2(f)に示すように、例えば、金メッキを行う。これにより、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を形成する。
【0059】
これにより、配線パターン4の側面に第1の保護膜5を備え、また、配線パターン4の上面に第2の保護膜6を備えた断面構造が形成される。
【0060】
このように、本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法によれば、簡素な工程で配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一な保護膜にすることができ、配線パターンの上面は第2の成膜工程のみの薄い金メッキで構成して金の使用量を小さくできるので、マイグレーションや電気的短絡が発生しない高い信頼性のプリント配線板を更に経済的に製造することができる。
【0061】
更に、第1の保護膜5をポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかの電着で行なえば、配線パターンの側面の保護膜を絶縁性の優れた厚く均一で、かつエッチングレジストを除去する工程で変質しない保護膜とすることができる。そして、第2の成膜工程を金メッキで行なうことにより、配線パターンの上面は第2の成膜工程による第2の保護膜6のみの薄い金メッキで構成されるので、金の使用量を小さくできる。
【0062】
なお、以上説明した本実施の形態1,2において、フォトエッチング法によってエッチングレジスト3を形成したが、印刷法や転写法等を用いてエッチングレジスト3を形成してもよい。
【0063】
また、塩化第二鉄水溶液をエッチング液として用いて溶解し、所定の配線パターンを有する配線パターン4を形成したが、エッチングをエッチング液による化学的エッチングではなく、レーザートリミング、イオンミーリング、サンドブラスト、プラズマエッチング等の物理的エッチングを用いてもよい。
【0064】
また、プリント配線板は、絶縁性基板1としてポリイミド樹脂で構成されるフィルムを用い、配線パターン4を構成する導電膜として銅箔を積層した構成があげられ、このポリイミドフィルム、銅箔からなる組み合わせは、加工適正、汎用性に優れるものであり好ましい形態と言える。なお、ポリイミドフィルム以外にも、従来公知のプリント配線板に使用される絶縁性基板材料を用いることもできる。また、この絶縁性基板は、連続加工、巻き取り加工を行う場合には、可撓性、柔軟性を有していることが好ましい。また、絶縁性基板1と配線パターン4の間に接着剤層を有してもよく、その接着剤はエポキシ系接着剤や、他の熱硬化性接着剤を用いることができるのは言うまでもない。また、配線パターン2を構成する材料としては銅、アルミニウム以外にも、エッチング加工の可能な他の導電性を有する金属材料を用いてもよい。
【0065】
また、配線パターン4の電気的接合の不必要な任意の領域面にソルダレジスト樹脂膜を形成する工程を付加し、配線パターン4の電気的接合の不必要な任意の領域面を絶縁保護するソルダレジスト樹脂膜を備える構成としてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明のプリント配線板の製造方法によれば、従来のプリント配線板の製造方法に工程を付加するだけで、容易に配線パターン側面の保護膜に厚膜で耐マイグレーション性もしくは電気絶縁性の優れた保護膜を備える構成を形成できるという有利な効果が得られる。
【0067】
本発明のプリント配線板によれば、配線パターン側面のみ保護膜の膜厚が厚く、また、耐マイグレーション性もしくは電気絶縁性の優れた材質を備えて高い信頼性と経済性が得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【図3】従来のプリント配線板の製造方法の各工程を示す部分断面図
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 金属箔
3 エッチングレジスト
4 配線パターン
5 第1の保護膜
6 第2の保護膜
7 保護膜
Claims (12)
- 絶縁性基板に積層した金属箔の表面にエッチングレジストを形成し、前記金属箔の不要部分を除去して導電性の配線パターンを形成し、前記エッチングレジストを残した状態で、第1の成膜工程により前記配線パターンの側面に第1の保護膜を形成し、前記エッチングレジストを除去し、第2の成膜工程により前記配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 前記第1の成膜工程及び前記第2の成膜工程を湿式メッキで行なうことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
- 前記第1の成膜工程及び前記第2の成膜工程を金メッキで行なうことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記第1の成膜工程をニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかで行ない、前記第2の成膜工程を金メッキで行なうことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
- 第1の成膜工程を電着で行ない、第2の成膜工程を湿式メッキで行なうことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記第1の成膜工程をポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかの電着で行ない、前記第2の成膜工程を金メッキで行なうことを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
- 絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、前記配線パターン上に、前記配線パターンの側面の膜厚が前記配線パターンの上面の膜厚より厚い保護膜を備えることを特徴とするプリント配線板。
- 前記保護膜が金であることを特徴とする請求項7記載のプリント配線板。
- 絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、前記配線パターンの側面に第1の保護膜を備え、前記配線パターンの少なくとも上面に第2の保護膜を備えることを特徴とするプリント配線板。
- 前記第1の保護膜がニッケルメッキまたはクロムメッキのいずれかであり、前記第2の保護膜が金であることを特徴とする請求項9記載のプリント配線板。
- 絶縁性基板上に導電性の配線パターンを備え、前記配線パターンの側面に絶縁性の第1の保護膜を備え、前記配線パターンの上面に第2の保護膜を備えることを特徴とするプリント配線板。
- 前記第1の保護膜がポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂のいずれかであり、前記第2の保護膜が金であることを特徴とする請求項11記載のプリント配線板。
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