JP2004175725A - フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーが、自分のほしいフレグランスや、自分に合ったフレグランスを、適格に選択することができるような、フレグランスの分類マップを提供することである。
【解決手段】フレグランスを嗅いだときの印象として、ナチュラルさと、フェミニンさとを対極にもつ第1軸Iと、優しさとシャープさとを対極にもつ第2軸IIとの2軸からなる座標平面1を形成し、その平面上に、該当するフレグランスを配置した。
また、座標平面を複数の分割エリアに区分して、各分割エリアに該当するフレグランスを配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】フレグランスを嗅いだときの印象として、ナチュラルさと、フェミニンさとを対極にもつ第1軸Iと、優しさとシャープさとを対極にもつ第2軸IIとの2軸からなる座標平面1を形成し、その平面上に、該当するフレグランスを配置した。
また、座標平面を複数の分割エリアに区分して、各分割エリアに該当するフレグランスを配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、市販されている多数のフレグランスを、ユーザーの立場から分類するフレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップに関する。
【0002】
【従来の技術】
市販されているフレグランスは、非常に種類が多く、それらは、各メーカーの思惑で、様々な分類がされている。
例えば、一般的に、香りの表現として「グリーン」、「シトラス」、「フローラル」、「フルーティ」などが、用いられる。それぞれ、葉っぱの香り、柑橘系の香り、花の香り、フルーツの香りに、代表されるような香りを表した言葉である(例えば、非特許文献1、2参照)。
また、香りそのものの分類ではなく、ユーザーの性格や、その時点での心理状態、生活環境などに応じて、店頭でお薦めするフレグランスを分類しておくこともある。
その場合には、店頭で、ユーザーの性格や、心理状態を判断するための、簡単なテストを行って、ユーザーの状況を判断し、それにマッチしたフレグランスをお薦めするようにしている。
【0003】
【非特許文献1】
HARDER U,Haarmann & Reimer社のフレグランスサークル,”Manuf Chem”,1981年,VOL.52,NO.11,p.30−31,p.33,p.35
【非特許文献2】
小柳敏栄,堀越理子,山川新,香りの表現方法に関する研究,「日本化粧品技術者会誌」,1987年,VOL.21,NO.3,p.210−218
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、香りそのものの種類を分類した場合でも、実際には、これが「グリーン」系の香りであると教えられなければ、誰もが、同じ香りをグリーン系の香りとして想像したり、感じたりするわけではない。葉の香りといっても、何の葉であるかによっても、香りは異なるはずである。
【0005】
また、「フローラル」や「フルーティ」についても、柑橘系の花や果実の香りは、「シトラス」であって、「フローラル」や「フルーティ」に含まないのかというようなことが曖昧である。このように、香りそのものを分類しているようでも、実際には、的確に分類できていなかった。そのため、上記のような香りの分類付けがされていても、一般ユーザーが、その分類に基づいてフレグランスを選択することは難しかった。
【0006】
一方、ユーザーの心理テストを行ったり、生活状況などを確かめたりして、そのユーザーに合ったフレグランスをお薦めする方法の場合でも、ユーザーにとっては、香りに全く関連性が無いと思われるような、様々な質問をされて不安になるし、最終的に、行き着いたフレグランスが、自分の好みに合っているかどうかもわからない。こんな性格の人や、こんな状況の人なら、この香りが合うだろうと、販売者側で勝手に決めてしまっているだけで、ユーザー本人が好きな香りを選ぶことにはならなかった。
【0007】
だからといって、「お好きな香りは?」と聞かれても、それをどう表現したらよいのかわからないユーザーが多かった。
この発明の目的は、ユーザーが、自分のほしいフレグランスを、適格に選択することができるような、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、フレグランスを嗅いだときの印象として、ナチュラルさと、フェミニンさとを対極にもつ第1軸と、優しさとシャープさとを対極にもつ第2軸との2軸を備えた座標平面上に、フレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の2軸の交点近傍に上記交点を交点とした緩衝エリアを設けた点に特徴を有する。
第3の発明は、座標平面を複数の分類エリアに分割し、各分割エリアに該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0010】
第4の発明は、第1、第2軸をそれぞれ複数に分割することによって、複数の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
第5の発明は、第1、第2軸をそれぞれ3分割することによって、9個の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0011】
第6の発明は、各分類エリアに該当するフレグランスの香りから想起するものを、対応する分類エリアに配置する点に特徴を有する。
第7の発明は、第6の発明を前提とし、フレグランスの香りから想起するものが、フレグランスをつけた人が周囲に対して与える印象である点に特徴を有する。
【0012】
第8の発明は、上記第3〜5の発明の、分類エリア毎に、その分類エリアに属するフレグランスの両脇に、香りを嗅いだ時の印象と、その香りによって想起されるものとを対応させて表示する点に特徴を有する。
なお、上記フレグランスとは、芳香製品のことであるが、香りだけを目的に使用する香水などのほか、他の化粧品などに含まれて、最終的に利用者に付着する芳香も含むものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図3を用いて、この発明のフレグランスマップの第1実施例を説明する。
図1は、第1実施例のフレグランスマップの座標平面1である。この座標平面は、第1軸Iと、これに直交する第2軸IIを備え、上記第1軸Iは、その対極に、「ナチュラル」と「フェミニン」を配置し、第2軸IIは、「シャープ」と「テンダー」とを、対極に配置している。
つまり、上記第1軸Iに沿って、交点Oより、上方に行くにしたがってナチュラルさの程度が強くなり、交点Oより下方に行くにしたがってフェミニンさの程度が強まる。また、上記交点Oより左側に行くにしたがって、シャープさの程度が強くなり、右側に行くにしたがってテンダー、すなわち、やさしさの程度が強まるという座標平面である。
【0014】
なお、上記「ナチュラル」には、「自然な」のほか、「清楚な」や、「透明感のある」、「清潔感のある」あるいは「子供っぽい」というよう感じが含まれ、「フェミニン」には、「大人っぽい」、「艶やかな」、「セクシーな」、「濃厚な」という感じが含まれる。「ナチュラル」と「フェミニン」とは、直接的に対義語ではないが、この座標平面では、両者の単語に含まれる雰囲気全体を対極のものと定義している。
また、「シャープ」には、「直線的な」とか「クールな」という感じが含まれ、「テンダー」には、「まろやかな」、「やさしい」、「上品な」といったような感じが含まれる。
【0015】
上記のように、第1軸Iの対極に、「ナチュラル」と「フェミニン」を配置し、第2軸IIの対極に、「シャープ」と「テンダー」を配置した理由は、次のような、フレグランスのパネラーテストの結果に基づいている。
このテストは、現在、存在するあらゆる種類のフレグランスを、約300名のパネラーに嗅いでもらって、その香りの印象を答えてもらうというテストである。このテストに参加したパネラーは、フレグランスの一般ユーザーであり、特に、フレグランスについての知識が豊富であるとか、香りに対して敏感であるといったことはない。
【0016】
このテストでは、香りの印象として、複数の言葉を用意して、各香りについて、上記の言葉の印象がどのくらい含まれているかということを点数化してもらった。例えば、特定の香りについて、「優しさ」は、5ポイント、「クールさ」は0ポイント、「清潔感」は2ポイント、・・・、というように、採点してもらった。
ただし、このとき、得点をつける香りに対する印象を表す言葉も、一般ユーザーが、通常使っている表現である。ユーザーが、各フレグランスに対する印象として用いている表現には、「クールな」「すっきりした」とか「透明感のある」とか、「優しい香り」、「艶っぽい」、といった言葉があった。これらの言葉を、香りに対する印象として用いた。
【0017】
上記パネラーが、各フレグランスの香りに対する印象を、言葉ごとに点数化した結果を因子分析することにより、各言葉の相対関係を特定した。
上記因子分析では、例えば、同一のフレグランスに対して、得点の高い複数の言葉があれば、それらは、近い言葉であって、反対に、同一のフレグランスについて、高得点の言葉と低得点の言葉とは、遠い、対極にある言葉であると判断する。具体的には、「優しさ」と「大人っぽさ」とは両立する印象であるが、「子供っぽさ」と「大人っぽさ」とは、両立しにくいということが、因子分析によって明らかになる。
【0018】
その結果、複数の印象を表現する言葉の位置関係が明確になり、「ナチュラル(自然な、透明感のある、清楚な)」と、「フェミニン(大人っぽい、艶やかな、セクシーな)」が対極に位置し、「テンダー(まろやか、やさしい、上品な)」と「シャープ(シャープな、クールな)」という言葉が対極に位置することがわかった。
このように、多数のパネラーの評価結果によって、上記座標平面上の軸を決定した。
【0019】
次に、上記座標平面1の、第1、第2軸I、IIをそれぞれ、3分割して図2に示す9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼を形成する。図1に示すように、第1軸Iを上からIa、Ib、Icの区間に3等分している上記区間Iaは、ナチュラルさが最も強い区間で、区間Icは、フェミニンさが最も強い区間である。また、区間Ibは、ナチュラルさとフェミニンさに関しては、どちらかが強いということはいえない区間である。
同様に、第2軸IIも、左から、IIa、IIb、IIcの区間に三等分する。そして、区間IIaは、シャープな印象が強く、区間IIcは、シャープさよりも、優しさが際だっている区間であり、区間IIbは、シャープさも、テンダーさも、どちらもそれほど際だっていない区間である。
【0020】
このように、各軸を区分して生成した図2に示す各分類エリア▲1▼〜▲9▼には、その分類エリアに対応する軸の区間を、かっこ内に表示していが、各分類エリアは、かっこ内に示した区間の性質の分類エリアである。分類エリア▲1▼は、IaとIIaで特定される分類エリアで、すなわち、ナチュラルで、かつ、シャープなフレグランスを分類するための分類エリアであり、分類エリア▲2▼は、ナチュラルさが際だっているが、他の特性はそれほどでもないフレグランスを配置するための分類エリアである。
【0021】
なお、座標平面1の交点Oを中心とする分類エリア▲5▼は、各軸の対極に配置した「ナチュラル」、「フェミニン」、「シャープ」、「テンダー」いずれの特徴も際だたない、平均的な香りを分類するための分類エリアであり、この発明の緩衝エリアにあたる。この発明のフレグランス分類マップにおいて、各軸の要素をどれも、適度に含んだ香りのエリアとして、上記緩衝エリアが必要である。
【0022】
上記のように、座標平面1を9分割して作成した各分類エリア▲1▼〜▲9▼には、それぞれ、該当するフレグランスを分類することができる。具体的には、市販されているフレグランスの製品名を、各分類エリアに記入して、フレグランス分類マップを作成する。
この分類マップは、パネラーが、実際にフレグランスを嗅いで感じた印象に基づいて決めた軸を備えているので、新たなフレグランスについても、パネラーが嗅いだ時の印象に基づいて、上記9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼のいずれかに分類することができる。
【0023】
一方、上記パネラーに対して、以下のような実験も行った。
図2に示すように、分類エリアを区分したフレグランス分類マップに配置されたフレグランスを、パネラーに嗅いでもらい、「このフレグランスを付けている人物に対する印象は?」という質問を行って、その結果を集計した。
その結果を、図3に示している。これは、上記各分類エリアに分類されたフレグランスを付けている人の印象を、そのフレグランスの分類エリア内に対応させて表示したものである。例えば、分類エリア▲1▼に該当するフレグランスを付けた人の印象は、「フレッシュで活発」であり、分類エリア▲4▼に該当するフレグランスを付けた人の印象は「すっきり・知的」である。
【0024】
もちろん、全てのパネラーが、全く同じ表現で、その印象を応えたのではない。例えば、分類エリア▲2▼に該当するフレグランスを付けた人の印象として、「子供っぽい」とか「清潔な」というような表現も含まれていた。これらを、まとめて、「かわいらしくてさわやか」とまとめた。他の分類エリアについても同様の処理を行った。そして、9個の分類エリアに該当するフレグランスを付けた人の印象を表す代表的な9種類の表現を特定することができた。
その結果、各分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応する印象は、図3に示すように配置された。
【0025】
このように、9個の分類エリアに対応する9種類の印象を表す表現を決めたら、今度は、さらに、別のパネラーに対して、あるフレグランスを嗅いでもらって、そのフレグランスを付けている人の印象を、上記9種類の表現の中から選択してもらった。その結果、上記パネラーは、嗅いだフレグランスの分類エリアに対応した印象を選択した。
つまり、フレグランスの香りそのものの印象を9個の分類エリアに分類することができるとともに、フレグランスを付けた人の印象も、9種類に分類できる。しかも、両者の分類は、フレグランスを介して対応付けされている。
なお、この第1実施例の「フレグランスを付けた人の印象」は、この発明の「フレグランスの香りから想起するもの」にあたる。
【0026】
そして、上記パネラーが、一般ユーザーであることから、この発明のフレグランス分類マップによるフレグランスの分類は、一般ユーザーの感覚にマッチしたものになるはずである。
そこで、この第1実施例のフレグランス分類マップを、ユーザーのフレグランス選びに利用することができる。
【0027】
また、上記第1実施例のフレグランス分類マップの分類エリアをもとにして、以下に説明する第2実施例のフレグランス分類マップを形成することもできる。このフレグランス分類マップも、ユーザーのフレグランス選びに、最適なマップである。
図4には、この発明のフレグランス分類マップにあたるフレグランス選択チャート2を示す。上記フレグランス分類マップ上の9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応する香りそのものの印象と、そのフレグランスをつけた人に対する印象とを左右に配置して、これらの印象から、ユーザーの求めるフレグランスにたどりつくようにしたものである。
【0028】
左側には、人の印象表示部3を設けて、上記分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応した人の印象を表示している。
また、右側には、フレグランスそのものの分類を表示している。まず、右端の第1軸区分表示部4には、図1に示す座標平面1の、第1軸Iの各区分Ia、Ib、Icに対応する「ナチュラル系」、「バランス系」、「フェミニン系」を表示している。これら第1軸Iの各区分をさらに、第2軸IIの区分で分割して、9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応するフレグランスの印象を表示する、フレグランス印象表示部5を設けている。
なお、上記第1軸区分表示部4およびフレグランス印象表示部5における「バランス系」とは、各軸の局に配置した特徴のうち、特に際だった特徴を備えているわけではないが、バランスのとれた、すなわち、緩衝エリアに属するフレグランスのことである。
【0029】
そして、中央には、フレグランス表示部6を備えている。このフレグランス表示部6には、各分類エリアに対応したフレグランス名が、具体的に表示されている。そして、この実施例では、これらのフレグランスをさらに、高揚系と、鎮静系とに分けている。高揚系とは、その香りを嗅ぐことによって、気分が高揚する種類の香りで、鎮静系とは、その香りを嗅ぐことによって、気分が安らぐ種類の香りである。図4のフレグランス選択チャート2では、高揚系と鎮静系とを色分けして表示している。
【0030】
このようなフレグランス選択チャート2を用いて、ユーザーの好みのフレグランスを特定するためには、フレグランスそのものの印象から、選択する方法と、それを付けた人の印象から選択する2つの方法がある。
フレグランスそのもの印象から、選択する場合には、ユーザーは、自分が好きな香りが「ナチュラル」な香りか「フェミニン」な香りかを選択する。どちらともいえない時には、「バランス系」を選択する。実際に、店頭でフレグランスを選ぶときには、店員が、「ナチュラル」や「フェミニン」の概念に含まれる言葉を説明して、ユーザーの判断を助けることができる。
【0031】
次に、上記第2軸に対応する「シャープ」な香りと、「テンダー」な香りのどちらが好きを判断する。この場合も、どちらともいえない場合は、「バランス系」を選択する。これで、フレグランス印象表示部5の中の、いずれか1つを選択したことになる。つまり、ユーザーの好きな香りの分類エリアが特定される。この分類エリアが特定されたら、それに対応するフレグランスが、矢印で指示され先に表示されている。したがって、その中から商品を選べば良い。さらに、「高揚系」か「鎮静系」かを、決めれば最終的な選択範囲は、さらに狭くなる。つまり、簡単に、しかも、確実に、ユーザーが好きな香りを選ぶことができる。
【0032】
一方、人の印象表示部3から、選ぶ場合には、ユーザーは、「周りの人に対してどんな印象を与えたいか?」ということを、人の印象表示部3の中から選択する。選択した印象から矢印で指示されたフレグランスの中から、商品を選択すれば、その香りによって、ユーザーが望む印象を与えることができる。
また、人の印象表示部3からフレグランスを選択する場合に、ユーザーが、人に与えたい印象から選択するのではなく、容姿や、性格などから、自分の印象を特定できれば、その印象に対応するフレグランスを、自分の印象に合ったフレグランスとして選択することができる。
【0033】
さらに、図4のフレグランス選択チャート2の矢印方向を反対にすると、図5に示す印象特定チャート7のように、中央のフレグランス表示部6のフレグランスから、人の印象や、香りの印象を特定することができる。この印象特定チャート7も、この発明のフレグランス分類マップの一例である。
例えば、ユーザーは、自分の好きな香りの印象から特定のフレグランスを選択した場合、人の印象表示部3の中から、そのフレグランスをつけたときに周囲に与える印象を、選択したフレグランスから出ている矢印の先に、特定することができる。
【0034】
反対に、人に与えたい印象や、自分の印象に合った香りとして、フレグランスを選んだ場合にも、その香りが、どのような香りなのか、フレグランスの印象表示部5から特定することができる。ユーザーは、自分の印象に合った香りを、どのように表現したらよいのかわからないような場合でも、フレグランス印象表示部5と、対応する第1軸区分表示部4とによって、例えば「ナチュラルでクールな香り」というようなことがわかる。
【0035】
以上のように、この発明のフレグランス分類マップを利用すれば、フレグランスの専門家でなくても、自分が求めるフレグランスを的確に見つけることができるようになる。
また、フレグランスの販売者側でも、図4に示すフレグランス選択チャート2や、図5に示す印象特定チャート7を利用して、お客様に合ったフレグランスをお薦めすることができるようになる。
【0036】
なお、上記実施例では、「フレグランスの香りから想起するもの」として、「フレグランスを付けた人が周囲に与える印象」の例を説明しているが、香りから想起するものは、これに限らない。例えば、特定のフレグランスを使用するのにふさわしい場面や、ふさわしい時間帯、ふさわしい季節のほか、そのフレグランスを使用するのにふさわしい髪型や服装、化粧などがある。また、香りから連想する色や、飲食物、植物の名前などを対応づけることもできる。
【0037】
【発明の効果】
第1〜第8の発明によれば、従来のように、メーカー側が、勝手に行った分類とは違って、誰にでも理解し易い、フレグランスの分類ができるようになった。第2の発明によれば、2軸の交点を中心とする緩衝エリアを設けて、際だった特徴を備えていないが、バランスの良いフレグランスを配置することができる。第3〜第5の発明によれば、フレグランスを、分割エリアに分割して、分割エリアにフレグランスを配置することができる。分割エリア毎の、ユーザーの感覚にあった分類ができる。
特に、第5の発明によれば、分類エリアを9個に絞ることによって、ユーザーが求める香りを見つけやすくなった。
【0038】
第6の発明によれば、フレグランスと、その香りから想起するものとを対応づけて表現することができ、香りによって想起される様々なものから、フレグランスを特定することができるようになる。
第7の発明によれば、香りを付けた人が、周囲に与える印象から、フレグランスを特定することができるようになる。そのため、自分が周囲に与えたい印象や、現在の自分に適したフレグランスを、的確に選択することができるし、その香りによって、自分が求める印象を作り出すこともできる。
【0039】
第8の発明では、分類エリア毎に、そこに分類される具体的なフレグランスと、その香りそのものの印象と、その香りから想起されるものとを、一覧できるようにしている。従って、この分類マップによって、様々な角度からフレグランスを特定することができるようになる。また、特定のフレグランスの特徴を、わかりやすく分類できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のフレグランス分類マップの座標平面を表した図である。
【図2】第1実施例のフレグランス分類マップの分類エリアを示した図である。
【図3】第1実施例のフレグランス分類マップにおける、人の印象を示した図である。
【図4】第2実施例のフレグランス選択チャートを示した図である。
【図5】第2実施例の印象特定チャートを示した図である。
【符号の説明】
1 座標平面
I 第1軸
II 第2軸
▲1▼〜▲9▼ 分類エリア
2 フレグランス選択チャート(この発明のフレグランス分類マップにあたる)
7 印象特定チャート(この発明のフレグランス分類マップにあたる)
【発明の属する技術分野】
この発明は、市販されている多数のフレグランスを、ユーザーの立場から分類するフレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップに関する。
【0002】
【従来の技術】
市販されているフレグランスは、非常に種類が多く、それらは、各メーカーの思惑で、様々な分類がされている。
例えば、一般的に、香りの表現として「グリーン」、「シトラス」、「フローラル」、「フルーティ」などが、用いられる。それぞれ、葉っぱの香り、柑橘系の香り、花の香り、フルーツの香りに、代表されるような香りを表した言葉である(例えば、非特許文献1、2参照)。
また、香りそのものの分類ではなく、ユーザーの性格や、その時点での心理状態、生活環境などに応じて、店頭でお薦めするフレグランスを分類しておくこともある。
その場合には、店頭で、ユーザーの性格や、心理状態を判断するための、簡単なテストを行って、ユーザーの状況を判断し、それにマッチしたフレグランスをお薦めするようにしている。
【0003】
【非特許文献1】
HARDER U,Haarmann & Reimer社のフレグランスサークル,”Manuf Chem”,1981年,VOL.52,NO.11,p.30−31,p.33,p.35
【非特許文献2】
小柳敏栄,堀越理子,山川新,香りの表現方法に関する研究,「日本化粧品技術者会誌」,1987年,VOL.21,NO.3,p.210−218
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、香りそのものの種類を分類した場合でも、実際には、これが「グリーン」系の香りであると教えられなければ、誰もが、同じ香りをグリーン系の香りとして想像したり、感じたりするわけではない。葉の香りといっても、何の葉であるかによっても、香りは異なるはずである。
【0005】
また、「フローラル」や「フルーティ」についても、柑橘系の花や果実の香りは、「シトラス」であって、「フローラル」や「フルーティ」に含まないのかというようなことが曖昧である。このように、香りそのものを分類しているようでも、実際には、的確に分類できていなかった。そのため、上記のような香りの分類付けがされていても、一般ユーザーが、その分類に基づいてフレグランスを選択することは難しかった。
【0006】
一方、ユーザーの心理テストを行ったり、生活状況などを確かめたりして、そのユーザーに合ったフレグランスをお薦めする方法の場合でも、ユーザーにとっては、香りに全く関連性が無いと思われるような、様々な質問をされて不安になるし、最終的に、行き着いたフレグランスが、自分の好みに合っているかどうかもわからない。こんな性格の人や、こんな状況の人なら、この香りが合うだろうと、販売者側で勝手に決めてしまっているだけで、ユーザー本人が好きな香りを選ぶことにはならなかった。
【0007】
だからといって、「お好きな香りは?」と聞かれても、それをどう表現したらよいのかわからないユーザーが多かった。
この発明の目的は、ユーザーが、自分のほしいフレグランスを、適格に選択することができるような、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、フレグランスを嗅いだときの印象として、ナチュラルさと、フェミニンさとを対極にもつ第1軸と、優しさとシャープさとを対極にもつ第2軸との2軸を備えた座標平面上に、フレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の2軸の交点近傍に上記交点を交点とした緩衝エリアを設けた点に特徴を有する。
第3の発明は、座標平面を複数の分類エリアに分割し、各分割エリアに該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0010】
第4の発明は、第1、第2軸をそれぞれ複数に分割することによって、複数の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
第5の発明は、第1、第2軸をそれぞれ3分割することによって、9個の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する点に特徴を有する。
【0011】
第6の発明は、各分類エリアに該当するフレグランスの香りから想起するものを、対応する分類エリアに配置する点に特徴を有する。
第7の発明は、第6の発明を前提とし、フレグランスの香りから想起するものが、フレグランスをつけた人が周囲に対して与える印象である点に特徴を有する。
【0012】
第8の発明は、上記第3〜5の発明の、分類エリア毎に、その分類エリアに属するフレグランスの両脇に、香りを嗅いだ時の印象と、その香りによって想起されるものとを対応させて表示する点に特徴を有する。
なお、上記フレグランスとは、芳香製品のことであるが、香りだけを目的に使用する香水などのほか、他の化粧品などに含まれて、最終的に利用者に付着する芳香も含むものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図3を用いて、この発明のフレグランスマップの第1実施例を説明する。
図1は、第1実施例のフレグランスマップの座標平面1である。この座標平面は、第1軸Iと、これに直交する第2軸IIを備え、上記第1軸Iは、その対極に、「ナチュラル」と「フェミニン」を配置し、第2軸IIは、「シャープ」と「テンダー」とを、対極に配置している。
つまり、上記第1軸Iに沿って、交点Oより、上方に行くにしたがってナチュラルさの程度が強くなり、交点Oより下方に行くにしたがってフェミニンさの程度が強まる。また、上記交点Oより左側に行くにしたがって、シャープさの程度が強くなり、右側に行くにしたがってテンダー、すなわち、やさしさの程度が強まるという座標平面である。
【0014】
なお、上記「ナチュラル」には、「自然な」のほか、「清楚な」や、「透明感のある」、「清潔感のある」あるいは「子供っぽい」というよう感じが含まれ、「フェミニン」には、「大人っぽい」、「艶やかな」、「セクシーな」、「濃厚な」という感じが含まれる。「ナチュラル」と「フェミニン」とは、直接的に対義語ではないが、この座標平面では、両者の単語に含まれる雰囲気全体を対極のものと定義している。
また、「シャープ」には、「直線的な」とか「クールな」という感じが含まれ、「テンダー」には、「まろやかな」、「やさしい」、「上品な」といったような感じが含まれる。
【0015】
上記のように、第1軸Iの対極に、「ナチュラル」と「フェミニン」を配置し、第2軸IIの対極に、「シャープ」と「テンダー」を配置した理由は、次のような、フレグランスのパネラーテストの結果に基づいている。
このテストは、現在、存在するあらゆる種類のフレグランスを、約300名のパネラーに嗅いでもらって、その香りの印象を答えてもらうというテストである。このテストに参加したパネラーは、フレグランスの一般ユーザーであり、特に、フレグランスについての知識が豊富であるとか、香りに対して敏感であるといったことはない。
【0016】
このテストでは、香りの印象として、複数の言葉を用意して、各香りについて、上記の言葉の印象がどのくらい含まれているかということを点数化してもらった。例えば、特定の香りについて、「優しさ」は、5ポイント、「クールさ」は0ポイント、「清潔感」は2ポイント、・・・、というように、採点してもらった。
ただし、このとき、得点をつける香りに対する印象を表す言葉も、一般ユーザーが、通常使っている表現である。ユーザーが、各フレグランスに対する印象として用いている表現には、「クールな」「すっきりした」とか「透明感のある」とか、「優しい香り」、「艶っぽい」、といった言葉があった。これらの言葉を、香りに対する印象として用いた。
【0017】
上記パネラーが、各フレグランスの香りに対する印象を、言葉ごとに点数化した結果を因子分析することにより、各言葉の相対関係を特定した。
上記因子分析では、例えば、同一のフレグランスに対して、得点の高い複数の言葉があれば、それらは、近い言葉であって、反対に、同一のフレグランスについて、高得点の言葉と低得点の言葉とは、遠い、対極にある言葉であると判断する。具体的には、「優しさ」と「大人っぽさ」とは両立する印象であるが、「子供っぽさ」と「大人っぽさ」とは、両立しにくいということが、因子分析によって明らかになる。
【0018】
その結果、複数の印象を表現する言葉の位置関係が明確になり、「ナチュラル(自然な、透明感のある、清楚な)」と、「フェミニン(大人っぽい、艶やかな、セクシーな)」が対極に位置し、「テンダー(まろやか、やさしい、上品な)」と「シャープ(シャープな、クールな)」という言葉が対極に位置することがわかった。
このように、多数のパネラーの評価結果によって、上記座標平面上の軸を決定した。
【0019】
次に、上記座標平面1の、第1、第2軸I、IIをそれぞれ、3分割して図2に示す9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼を形成する。図1に示すように、第1軸Iを上からIa、Ib、Icの区間に3等分している上記区間Iaは、ナチュラルさが最も強い区間で、区間Icは、フェミニンさが最も強い区間である。また、区間Ibは、ナチュラルさとフェミニンさに関しては、どちらかが強いということはいえない区間である。
同様に、第2軸IIも、左から、IIa、IIb、IIcの区間に三等分する。そして、区間IIaは、シャープな印象が強く、区間IIcは、シャープさよりも、優しさが際だっている区間であり、区間IIbは、シャープさも、テンダーさも、どちらもそれほど際だっていない区間である。
【0020】
このように、各軸を区分して生成した図2に示す各分類エリア▲1▼〜▲9▼には、その分類エリアに対応する軸の区間を、かっこ内に表示していが、各分類エリアは、かっこ内に示した区間の性質の分類エリアである。分類エリア▲1▼は、IaとIIaで特定される分類エリアで、すなわち、ナチュラルで、かつ、シャープなフレグランスを分類するための分類エリアであり、分類エリア▲2▼は、ナチュラルさが際だっているが、他の特性はそれほどでもないフレグランスを配置するための分類エリアである。
【0021】
なお、座標平面1の交点Oを中心とする分類エリア▲5▼は、各軸の対極に配置した「ナチュラル」、「フェミニン」、「シャープ」、「テンダー」いずれの特徴も際だたない、平均的な香りを分類するための分類エリアであり、この発明の緩衝エリアにあたる。この発明のフレグランス分類マップにおいて、各軸の要素をどれも、適度に含んだ香りのエリアとして、上記緩衝エリアが必要である。
【0022】
上記のように、座標平面1を9分割して作成した各分類エリア▲1▼〜▲9▼には、それぞれ、該当するフレグランスを分類することができる。具体的には、市販されているフレグランスの製品名を、各分類エリアに記入して、フレグランス分類マップを作成する。
この分類マップは、パネラーが、実際にフレグランスを嗅いで感じた印象に基づいて決めた軸を備えているので、新たなフレグランスについても、パネラーが嗅いだ時の印象に基づいて、上記9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼のいずれかに分類することができる。
【0023】
一方、上記パネラーに対して、以下のような実験も行った。
図2に示すように、分類エリアを区分したフレグランス分類マップに配置されたフレグランスを、パネラーに嗅いでもらい、「このフレグランスを付けている人物に対する印象は?」という質問を行って、その結果を集計した。
その結果を、図3に示している。これは、上記各分類エリアに分類されたフレグランスを付けている人の印象を、そのフレグランスの分類エリア内に対応させて表示したものである。例えば、分類エリア▲1▼に該当するフレグランスを付けた人の印象は、「フレッシュで活発」であり、分類エリア▲4▼に該当するフレグランスを付けた人の印象は「すっきり・知的」である。
【0024】
もちろん、全てのパネラーが、全く同じ表現で、その印象を応えたのではない。例えば、分類エリア▲2▼に該当するフレグランスを付けた人の印象として、「子供っぽい」とか「清潔な」というような表現も含まれていた。これらを、まとめて、「かわいらしくてさわやか」とまとめた。他の分類エリアについても同様の処理を行った。そして、9個の分類エリアに該当するフレグランスを付けた人の印象を表す代表的な9種類の表現を特定することができた。
その結果、各分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応する印象は、図3に示すように配置された。
【0025】
このように、9個の分類エリアに対応する9種類の印象を表す表現を決めたら、今度は、さらに、別のパネラーに対して、あるフレグランスを嗅いでもらって、そのフレグランスを付けている人の印象を、上記9種類の表現の中から選択してもらった。その結果、上記パネラーは、嗅いだフレグランスの分類エリアに対応した印象を選択した。
つまり、フレグランスの香りそのものの印象を9個の分類エリアに分類することができるとともに、フレグランスを付けた人の印象も、9種類に分類できる。しかも、両者の分類は、フレグランスを介して対応付けされている。
なお、この第1実施例の「フレグランスを付けた人の印象」は、この発明の「フレグランスの香りから想起するもの」にあたる。
【0026】
そして、上記パネラーが、一般ユーザーであることから、この発明のフレグランス分類マップによるフレグランスの分類は、一般ユーザーの感覚にマッチしたものになるはずである。
そこで、この第1実施例のフレグランス分類マップを、ユーザーのフレグランス選びに利用することができる。
【0027】
また、上記第1実施例のフレグランス分類マップの分類エリアをもとにして、以下に説明する第2実施例のフレグランス分類マップを形成することもできる。このフレグランス分類マップも、ユーザーのフレグランス選びに、最適なマップである。
図4には、この発明のフレグランス分類マップにあたるフレグランス選択チャート2を示す。上記フレグランス分類マップ上の9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応する香りそのものの印象と、そのフレグランスをつけた人に対する印象とを左右に配置して、これらの印象から、ユーザーの求めるフレグランスにたどりつくようにしたものである。
【0028】
左側には、人の印象表示部3を設けて、上記分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応した人の印象を表示している。
また、右側には、フレグランスそのものの分類を表示している。まず、右端の第1軸区分表示部4には、図1に示す座標平面1の、第1軸Iの各区分Ia、Ib、Icに対応する「ナチュラル系」、「バランス系」、「フェミニン系」を表示している。これら第1軸Iの各区分をさらに、第2軸IIの区分で分割して、9個の分類エリア▲1▼〜▲9▼に対応するフレグランスの印象を表示する、フレグランス印象表示部5を設けている。
なお、上記第1軸区分表示部4およびフレグランス印象表示部5における「バランス系」とは、各軸の局に配置した特徴のうち、特に際だった特徴を備えているわけではないが、バランスのとれた、すなわち、緩衝エリアに属するフレグランスのことである。
【0029】
そして、中央には、フレグランス表示部6を備えている。このフレグランス表示部6には、各分類エリアに対応したフレグランス名が、具体的に表示されている。そして、この実施例では、これらのフレグランスをさらに、高揚系と、鎮静系とに分けている。高揚系とは、その香りを嗅ぐことによって、気分が高揚する種類の香りで、鎮静系とは、その香りを嗅ぐことによって、気分が安らぐ種類の香りである。図4のフレグランス選択チャート2では、高揚系と鎮静系とを色分けして表示している。
【0030】
このようなフレグランス選択チャート2を用いて、ユーザーの好みのフレグランスを特定するためには、フレグランスそのものの印象から、選択する方法と、それを付けた人の印象から選択する2つの方法がある。
フレグランスそのもの印象から、選択する場合には、ユーザーは、自分が好きな香りが「ナチュラル」な香りか「フェミニン」な香りかを選択する。どちらともいえない時には、「バランス系」を選択する。実際に、店頭でフレグランスを選ぶときには、店員が、「ナチュラル」や「フェミニン」の概念に含まれる言葉を説明して、ユーザーの判断を助けることができる。
【0031】
次に、上記第2軸に対応する「シャープ」な香りと、「テンダー」な香りのどちらが好きを判断する。この場合も、どちらともいえない場合は、「バランス系」を選択する。これで、フレグランス印象表示部5の中の、いずれか1つを選択したことになる。つまり、ユーザーの好きな香りの分類エリアが特定される。この分類エリアが特定されたら、それに対応するフレグランスが、矢印で指示され先に表示されている。したがって、その中から商品を選べば良い。さらに、「高揚系」か「鎮静系」かを、決めれば最終的な選択範囲は、さらに狭くなる。つまり、簡単に、しかも、確実に、ユーザーが好きな香りを選ぶことができる。
【0032】
一方、人の印象表示部3から、選ぶ場合には、ユーザーは、「周りの人に対してどんな印象を与えたいか?」ということを、人の印象表示部3の中から選択する。選択した印象から矢印で指示されたフレグランスの中から、商品を選択すれば、その香りによって、ユーザーが望む印象を与えることができる。
また、人の印象表示部3からフレグランスを選択する場合に、ユーザーが、人に与えたい印象から選択するのではなく、容姿や、性格などから、自分の印象を特定できれば、その印象に対応するフレグランスを、自分の印象に合ったフレグランスとして選択することができる。
【0033】
さらに、図4のフレグランス選択チャート2の矢印方向を反対にすると、図5に示す印象特定チャート7のように、中央のフレグランス表示部6のフレグランスから、人の印象や、香りの印象を特定することができる。この印象特定チャート7も、この発明のフレグランス分類マップの一例である。
例えば、ユーザーは、自分の好きな香りの印象から特定のフレグランスを選択した場合、人の印象表示部3の中から、そのフレグランスをつけたときに周囲に与える印象を、選択したフレグランスから出ている矢印の先に、特定することができる。
【0034】
反対に、人に与えたい印象や、自分の印象に合った香りとして、フレグランスを選んだ場合にも、その香りが、どのような香りなのか、フレグランスの印象表示部5から特定することができる。ユーザーは、自分の印象に合った香りを、どのように表現したらよいのかわからないような場合でも、フレグランス印象表示部5と、対応する第1軸区分表示部4とによって、例えば「ナチュラルでクールな香り」というようなことがわかる。
【0035】
以上のように、この発明のフレグランス分類マップを利用すれば、フレグランスの専門家でなくても、自分が求めるフレグランスを的確に見つけることができるようになる。
また、フレグランスの販売者側でも、図4に示すフレグランス選択チャート2や、図5に示す印象特定チャート7を利用して、お客様に合ったフレグランスをお薦めすることができるようになる。
【0036】
なお、上記実施例では、「フレグランスの香りから想起するもの」として、「フレグランスを付けた人が周囲に与える印象」の例を説明しているが、香りから想起するものは、これに限らない。例えば、特定のフレグランスを使用するのにふさわしい場面や、ふさわしい時間帯、ふさわしい季節のほか、そのフレグランスを使用するのにふさわしい髪型や服装、化粧などがある。また、香りから連想する色や、飲食物、植物の名前などを対応づけることもできる。
【0037】
【発明の効果】
第1〜第8の発明によれば、従来のように、メーカー側が、勝手に行った分類とは違って、誰にでも理解し易い、フレグランスの分類ができるようになった。第2の発明によれば、2軸の交点を中心とする緩衝エリアを設けて、際だった特徴を備えていないが、バランスの良いフレグランスを配置することができる。第3〜第5の発明によれば、フレグランスを、分割エリアに分割して、分割エリアにフレグランスを配置することができる。分割エリア毎の、ユーザーの感覚にあった分類ができる。
特に、第5の発明によれば、分類エリアを9個に絞ることによって、ユーザーが求める香りを見つけやすくなった。
【0038】
第6の発明によれば、フレグランスと、その香りから想起するものとを対応づけて表現することができ、香りによって想起される様々なものから、フレグランスを特定することができるようになる。
第7の発明によれば、香りを付けた人が、周囲に与える印象から、フレグランスを特定することができるようになる。そのため、自分が周囲に与えたい印象や、現在の自分に適したフレグランスを、的確に選択することができるし、その香りによって、自分が求める印象を作り出すこともできる。
【0039】
第8の発明では、分類エリア毎に、そこに分類される具体的なフレグランスと、その香りそのものの印象と、その香りから想起されるものとを、一覧できるようにしている。従って、この分類マップによって、様々な角度からフレグランスを特定することができるようになる。また、特定のフレグランスの特徴を、わかりやすく分類できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のフレグランス分類マップの座標平面を表した図である。
【図2】第1実施例のフレグランス分類マップの分類エリアを示した図である。
【図3】第1実施例のフレグランス分類マップにおける、人の印象を示した図である。
【図4】第2実施例のフレグランス選択チャートを示した図である。
【図5】第2実施例の印象特定チャートを示した図である。
【符号の説明】
1 座標平面
I 第1軸
II 第2軸
▲1▼〜▲9▼ 分類エリア
2 フレグランス選択チャート(この発明のフレグランス分類マップにあたる)
7 印象特定チャート(この発明のフレグランス分類マップにあたる)
Claims (8)
- フレグランスを嗅いだときの印象として、ナチュラルさと、フェミニンさとを対極にもつ第1軸と、優しさとシャープさとを対極にもつ第2軸との2軸を備えた座標平面上に、フレグランスを配置するフレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 上記2軸の交点近傍に上記交点を交点とした緩衝エリアを設けた請求項1に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 座標平面を複数の分類エリアに分割し、各分割エリアに該当するフレグランスを配置する請求項1または2に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 第1、第2軸をそれぞれ複数に分割することによって、複数の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する請求項1から3のいずれか1に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 第1、第2軸をそれぞれ3分割することによって、9個の分類エリアを形成し、各分類エリアに、該当するフレグランスを配置する請求項1から4のいずれか1に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 各分類エリアに該当するフレグランスの香りから想起するものを、対応する分類エリアに配置した請求項3〜5のいずれか1に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- フレグランスの香りから想起するものが、フレグランスをつけた人が周囲に対して与える印象である請求項6に記載の、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
- 請求項3〜5のいずれか1に記載の分類エリア毎に、その分類エリアに属するフレグランスの両脇に、香りを嗅いだ時の印象と、その香りによって想起されるものとを対応させて表示する、フレグランスの分類方法およびフレグランスの分類マップ。
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2002
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