JP2004170372A - 生体分子検出装置の製造方法 - Google Patents

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Kaoru Nakajima
薫 中嶋
Shozo Fujita
省三 藤田
Kenji Fujiwara
健志 藤原
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Abstract

【課題】被検試料に含まれる生体分子を検出する生体分子検出装置の製造方法において、その時間の短縮、工程の簡素化、対象生体分子の取扱いの容易化、生体分子検出装置の小型化を実現できる方法を提供する。
【解決手段】プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子をそれぞれ所定の配置場所に配置し、これらの生体分子との反応を利用して被検試料に含まれる生体分子を検出する生体分子検出装置の製造方法において、それぞれ所定の配置場所に、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子を配置するに際し、当該所定の配置場所に他の配置場所とは異なる電位を与え、当該所定の配置場所に所定生体分子を電気的に付着せしめる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学分析や病気の診断や医薬品開発に使用される物質、とりわけ生体分子の配置方法およびこの物質配置方法を利用して被検試料に含まれる物質、とりわけ生体分子を検出する物質検出装置を製造する方法に関する。さらに具体的には、バイオチップにおける検出用物質であるプローブの配置方法およびこのプローブ配置方法を利用するバイオチップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年代に入って進められてきたヒトゲノム計画は、各国が分担してヒトの遺伝暗号をすべて解読しようとする試みであり、2000年夏にドラフト版が完成したことが公表された。今後、機能ゲノム科学や構造ゲノム科学の進展によって、解読されたヒトゲノム配列情報の各々の箇所がどのような機能に係わっているかが明らかにされていくものと予想される。
【0003】
このヒトゲノム計画は、ライフサイエンスに係わりを持つ科学技術並びに産業に対して、大きなパラダイムの変化をもたらした。たとえば糖尿病は、血糖値が高くなるという病状に基づいて分類が行われ、発症の原因としては患者の体内でインシュリン産成能がどの程度あるかに基づいてI型、II型のような分類が行われてきた。
【0004】
一方、ヒトゲノム計画によれば、血糖とインシュリンとの検出、合成、分解などの調節に係わっている酵素やレセプターなどの蛋白質のアミノ酸配列構造、ならびにそのような蛋白質の存在量の制御に係わっている遺伝子のDNA配列の情報がすべて我々に提示される。
【0005】
このような情報を使うと、血糖値の調節が正常に行われないという現象としての糖尿病は、検出、合成、分解などの一連の処理に係わるそれぞれの蛋白質のどれが不調なのかによって、サブタイプに分類でき、それによって適切な診断と治療とを行うことが可能になるはずである。
【0006】
特に、ヒトゲノム配列に基づいて特定の蛋白質に対するゲノム創薬薬剤の開発が製薬業界では今後のビジネスチャンスとして精力的に進められており、一連の機能的に関わり合いのある蛋白質の状態を把握してゲノム創薬薬剤を投与し、症状の緩和や治癒を行う時代が来るものと予想される。
【0007】
しかしながら、このような一連の機能的に関わり合いのある蛋白質の存在量を簡便に測定できる技術は、プロテオーム解析技術としてなお発展途上にある。
【0008】
現在確立された方法として、二次元電気泳動と質量分析機との組み合わせで測定が行われているが、これには比較的大がかりな装置が必要となり、臨床の現場、たとえば病院の検査室やベッドサイドで患者の症状を把握するためには、より簡便なあらたな技術の開発が必要とされている。
【0009】
こうした中、micro−Total Analysis System(μ−TAS)やLab−on−a−chipと呼ばれる研究に関心が集ってきている。これは、数センチメートル角のガラスやシリコンの基板にマイクロメートルサイズの溝(マイクロチャネル)を加工して微細な装置となし、その中で化学分析や反応を行うものである。液体や気体のサンプルを微細な流路(数百μm〜数μm幅)の中に流すため、試料・廃棄物量の低減、高速処理などの利点をもたらし、更に化学プラントさえも小型化できる可能性があり、この技術のバイオ分野への応用が期待される。なお、μ−TASは、「集積化化学分析システム」、「マイクロ化学・生化学分析システム」等と訳され、センサ、分析装置などを小型化した化学分析システムであり、分析化学実験室で使用される機器の機能をチップ上に集約させたものである。
【0010】
中でも、DNAチップ(またはDNAマイクロアレイ)に代表されるバイオチップの技術は、遺伝子解析に有効な手段として注目されている。バイオチップとは、ガラス、シリコン、プラスチックなどからなる基板の表面上に、DNA、蛋白質などの生体高分子からなる多数の異なったプローブを高密度に整列化してスポットしたもので、臨床診断や薬物治療などの分野で、核酸やタンパク質の試験を簡素化できるのが特徴である(たとえば特許文献1、非特許文献1参照)。
【0011】
プローブとしては、たとえばDNAや、ヌクレオチドなどが用いられる。このようなバイオチップに未知のDNAの断片を流した場合に、DNAがそれと相補的関係にあるDNAと結合する性質を利用して、プローブとハイブリダイゼーションさせることにより、ターゲットであるDNAを捕獲する。未知のDNAに蛍光標識を予め付加しておけば、捕獲されたターゲットは、バイオチップ上の各スポットからの蛍光シグナルとして検出され、これをコンピュータでデータ解析することにより、ターゲット中の数千から数万のDNAあるいはRNAの状況を一挙に観測することが可能となる。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−235468号公報(段落番号0002〜0009)
【0013】
【非特許文献1】
「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(Journal of American Chemical Sciety)」,1997年,第119巻,p.8916−8920
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなバイオチップは、次のような問題を有していた。第一に、特定の生体分子に対しては、多数の異なったプローブを高密度に整列化してスポットする必要があり、対象とする生体分子毎に反応させるための器を並べる必要があった。しかも、この器の1つ1つが目で見えるサイズであるため、小型化への障害になっていた。
【0015】
第二に、フォトリソグラフィーを利用して基板に微細な流路パターンを形成した後、エッチング等の方法で溝を形成し、蓋をして流路を形成するのが、μ−TASのような複雑なバイオチップの作製時に一般的に行われている方法であるが、密閉した後にDNAプローブを取り付ける手段がなかった。このためプローブを高密度に整列化してスポットする作業は、バイオチップの作製過程中に行う必要があり、その後のバイオチップの作製プロセス中に加わるDNAへの影響が問題であった。
【0016】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子をそれぞれ所定の配置場所に配置し、これらの生体分子との反応を利用して被検試料に含まれる生体分子を検出する生体分子検出装置の製造方法において、それぞれ所定の配置場所に、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子を配置するに際し、当該所定の配置場所に他の配置場所とは異なる電位を与え、当該所定の配置場所に所定生体分子を電気的に付着せしめる、生体分子検出装置の製造方法が提供される。
【0018】
プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子が、タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体を含むことおよび配置場所に蓋を取り付けた後に所定の配置場所に所定生体分子を電気的に付着せしめることが好ましい。
【0019】
上記方法により、2以上の種類の生体分子を配置して被検試料に含まれる生体分子を検出する生体分子検出装置の製造方法において、その時間の短縮、工程の簡素化、対象物質の取扱いの容易化を実現できる。また、所定の面積当たりに配することのできる配置場所の数を増大させることができ、生体分子検出装置を小型化できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0021】
本発明は、DNA等の生体分子がマイナスに帯電していることに着目した検討の結果、完成された。本発明の一態様によれば、マイナスに帯電し得る2以上の種類のプローブをバイオチップのそれぞれ所定のプローブ配置場所に配置する場合に、当該所定のプローブ配置場所に他のプローブ配置場所とは異なる電位を与え、当該所定のプローブ配置場所に所定のプローブを電気的に付着せしめる。
【0022】
図1はバイオチップの概略平面図、図2はその概略側断面図を表している。図1,2のバイオチップを使用して試料を検出(定性または定量分析)する場合、試料は試料導入口4を通って、基板1上に設けられた、多数のプローブ配置場所2からなるセンサーアレイ部3に導かれ、そこで、プローブとハイブリダイゼーションさせることにより、ターゲットであるDNA等を捕獲し、蛍光標識を利用して蛍光シグナルを検出するのが一般的である。
【0023】
このようなプローブをバイオチップの所定のプローブ配置場所に設置する方法としては、従来、一つ一つのプローブ配置場所にマニュアルでプローブを設置していた。
【0024】
これに対し、本発明によれば、プローブ溶液とプローブ配置場所との間に電位差を与えた場合のクーロン力の差異を利用してプローブをバイオチップの所定のプローブ配置場所に設置するため、複数のプローブ配置場所のある基板上にプローブ溶液を流し込むだけで、所定のプローブ配置場所に付着設置せしめ、その他のプローブ配置場所には設置しないようにすることができ、人手を排除できる。ここでプローブ溶液とはプローブそのものが液状である場合の他、プローブを液状媒体で希釈したものも含まれる。液状媒体で希釈すれば、所定のプローブ配置場所に設置するプローブの所定面積当たりの濃度を調整しやすくなるので好ましい。
【0025】
複数のプローブをそれぞれ別々のプローブ配置場所に設置するには、含有されるプローブの種類の異なるプローブ溶液を使用するたびに、プローブ溶液とプローブ配置場所との間に電位差を与える際に、目的とするプローブ配置場所に他のプローブ配置場所とは異なる電位を与え、当該所定のプローブ配置場所に所定プローブを電気的に付着せしめるようにすればよい。
【0026】
本発明に係る配置方法によれば、バイオチップの構造を簡略化でき、フォトリソグラフィーなどによる複雑な形状作製ステップを廃することができる。更にバイオチップの小型化が図れる。
【0027】
また、プローブ配置場所への蓋の取り付けの後等では従来のプローブ配置方法は実行不可能であるため、プローブ配置場所への蓋の取り付け前にプローブ配置を実施せざるを得ず、プローブ配置後のバイオチップ製造ステップがプローブを変質させる恐れがあったが、本発明のプローブ配置方法を採用すると、プローブ溶液を流し込むだけでよいため、プローブを変質させる恐れのある製造ステップの後任意の段階でプローブを付着配置することが可能となり、プローブ変質の問題を解消できる。バイオチップを完成した後にプローブを配置することも可能となる。また、本発明に係るプローブ配置方法を採用すれば、所定の面積当たりに配することのできるプローブ配置場所の数を増大させることができ、バイオチップの小型化が可能となる。
【0028】
プローブに使用する上記生体分子としては、タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体を挙げることができる。ここで、本発明において「ヌクレオチド体」とは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドよりなる群のいずれか一つまたはその混合物を意味する。このような物質は、マイナスに帯電していることが多く、プローブとハイブリダイゼーションさせることにより、ターゲットである物質を捕獲し、蛍光標識を利用して蛍光シグナルを検出する技術が利用でき、上記の本発明の効果を有効に発現できるからである。なお、タンパク質、DNA、ヌクレオチド体が混在していてもよい。また、生体分子には、生体に由来するものの他、生体に由来するものを加工したもの、合成された分子も含まれる。
【0029】
プローブをバイオチップの所定のプローブ配置場所に設置した場合、試料の導入時にプローブが流出しないようにプローブを固定することが必要となる場合もある。この固定方法は、本発明の趣旨に反しない限り、任意に選択することができる。
【0030】
たとえば、タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体では、ジスルフィド基やチオール基を導入したプローブを合成し、ポリッシュした電極表面と接触させる方法等、公知の方法を採用することができる。ジスルフィド基やチオール基とヌクレオチド結合との間にたとえば−(CH−の構造を有するリンカーと呼ばれる結合を挿入してもよい。プローブ配置場所に固定できる感応部の数はこのリンカーの種類や結合の長さによって影響を受けることが多い。一般的にはCH単位の数が減ると電極上に固定できる感応部の数は減少する傾向にあり、多すぎる場合は効果が無くなるためむやみに増やす必要はない。n=2〜15が好ましい。
【0031】
プローブ配置場所の材質は目的に応じて任意に定めることができるが、Auが特に好ましい。生体分子をプローブとして使用する場合に、プローブ配置場所への固定が容易に行えるからである。
【0032】
バイオチップの製造方法では、このように、2以上の種類のプローブをそれぞれ所定のプローブ配置場所に配置するに際し、当該所定のプローブ配置場所に他のプローブ配置場所とは異なる電位を与え、当該所定のプローブ配置場所に所定プローブを電気的に付着せしめる配置方法を利用することができる。
【0033】
これにより、人手を排除でき、バイオチップの構造を簡略化でき、フォトリソグラフィーなどによる複雑な形状作製ステップを廃することができる。更にバイオチップの小型化が図れる。また、プローブを変質させる恐れのある製造ステップの後であれば、任意の段階でプローブを配置することが可能となり、プローブ変質の問題を解消できる。バイオチップを完成した後にプローブを配置することも可能となる。所定の面積当たりに配することのできるプローブ配置場所の数を増大させることができ、バイオチップを小型化することが可能となる。
【0034】
なお、上記はバイオチップにおけるプローブの配置方法とバイオチップの製造方法について説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、さらに広い適用範囲を有する。即ち、いわゆるプローブや生体分子の概念にとどまることなく、一般的に、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質をそれぞれ所定の配置場所に付着配置する物質配置方法やプラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質をそれぞれ所定の配置場所に配置し、これらの物質との反応を利用して被検試料に含まれる物質を検出する物質検出装置の製造方法に適用することが可能と考えられる。即ち、下記付記に示した範囲も本発明の範疇に含まれるものである。
【0035】
なお、上記の説明において、「2以上の種類の物質」とは、たとえば、「種類の異なるDNA」と言うように本発明によって検出して区別したい物質が2以上あることを意味する。利用される反応は、使用目的に応じて自由に定めることができる。被検試料に含まれる物質は、定性分析することも定量分析することも、使用目的に応じて可能である。すなわち、本発明に係る物質検出とは、特定物質の存在を検出することや被検試料中に特定物質がどの程度含まれているかを分析することを包含する。
【0036】
そして、この物質配置や物質検出装置の製造方法を採用すれば、所定の配置場所に配置する手作業を廃することができ、製造時間の短縮、工程の簡素化、対象物質の取扱いの容易化が実現できる。
【0037】
さらに、手作業の場合のように、所定の配置場所に蓋を取り付けた後には目的物質を配置できないというような制限はなくなるため、目的物質を変質させるような製造ステップの後にいつでも、所定の配置場所に目的物質を付着配置できる。物質検出装置が完成した後にでも所定の配置場所への付着配置を行うことができる。
【0038】
また、微小領域や物理的にアクセス困難な複雑な形状の領域にもプローブを配置することが容易にできるため、物質検出装置の設計の自由度が増す。このことにより、所定の面積当たりに配することのできるプローブ配置場所の数を増大させることができ、物質検出装置を従来より小型化できる。
【0039】
本発明によって実現される物質検出装置は、たとえば糖尿病において肝細胞がインシュリンの受容状態に応じて細胞内グリコーゲン代謝を切り換える場合などに、インシュリン受容体からグリコーゲン分解酵素に至る一連の蛋白質相互作用ネットワークの一部が低下または昂進していることを捉える蛋白質検出デバイスとして使用できる。
【0040】
このような、蛋白質検出デバイスを利用することによって、リン酸化や糖鎖付加などのいわゆる翻訳後修飾も含めて、蛋白質のポピュレーションを捉えることが可能になる。また、従来のように症状として現れた現象を大括りにして糖尿病と捉えるのではなく、たとえば、相互作用ネットワークに係わるある特定の蛋白質の機能低下が糖代謝の不全を起こしていることを把握できるようになり、機能不全の原因に対応した、適切な診断と治療ならびに治療結果の検証が可能になる。同様の手法は、糖尿病に限らず、高血圧症、高脂血症、癌(細胞増殖制御不全)その他の多因子性疾患全般に対しても適用が可能である。
【0041】
【実施例】
次に本発明の実施例を詳述する。
【0042】
[実施例1]
図1,2に示すようなセンサアレイ部3を有するバイオチップを作製した。図1,2中、プローブ配置場所2はAuからなる。
【0043】
図3〜7はこの内、複数のプローブ配置場所の集合であるセンサアレイ部3を拡大した模式図である。図3はプローブ設置前の様子、図4,6はプローブ配置場所aにプローブAを設置中の様子、図5,7はプローブ配置場所a〜fにプローブA〜Fを設置した後の様子、を示す。
【0044】
図3のセンサアレイ部3の個々のプローブ配置場所a〜fにプローブを設置する。配置場所a〜fは互いに電気的に独立でき、それぞれ電極から電位が与えられるように配線されている。プローブ配置場所a〜fの順にプローブA〜Fをこの順に配置する場合、操作は次のようにして行う。
【0045】
(1)バイオチップ完成後、図1,2の試料導入口4からプローブ溶液を注入する。このとき、b〜fの電位を、aの電位よりマイナス側にしてプローブ溶液と各プローブ配置場所の間に電圧を印加する。この状態でプローブAを含むプローブ溶液をセンサアレイ部に流す。この操作により、図4,6のようにaにAが付着設置される。
【0046】
(2)ついで、a,c〜fの電位を、bの電位よりマイナス側にしてプローブ溶液と各プローブ配置場所の間に電圧を印加する。この状態でプローブBを含むプローブ溶液をセンサアレイ部に流す。この操作により、bにBが付着設置される。この際、aに設置されたAが若干流出する場合があるが、必要量のAを残存させることは容易である。
【0047】
(3)同様にして、c〜fまでの各プローブ配置場所にプローブを配置する。このようにして、図5,7のように、プローブ配置場所a〜fにプローブA〜Fが付着配置される。
【0048】
(4)採用する印加電圧やプローブ配置場所における電位は、実験等により最適値を適宜定めることができる。
【0049】
図4,5と図6,7とは、プローブA〜FがDNAであるときの、固定の様子の相違を推定したものである。
【0050】
図4,5は、帯電されたDNAの分子全体を利用して、プローブがプローブ設置場所に固定されているモデル図である。このような場合には、たとえば、上記(1)において、プローブ溶液とプローブ設置場所との間に、aの電位が0(ゼロ)V、b〜fがマイナス数百Vの電位となるように、電圧を印加する場合を例示できる。
【0051】
図6,7は、下記式
RSH+Au→AuSR+H+e
(ここで、RはDNAのヌクレオチド構造、SHはチオール基を意味する。)を利用してプローブがプローブ設置場所に固定された場合を例示するモデル図である。たとえば、上記(1)において、プローブ溶液とプローブ設置場所との間に、aがプラスの電位、b〜fがマイナス電位になるように電圧に印加する場合を例示できる。
【0052】
このようにしてバイオチップを作成した結果、手作業によるプローブの配置作業を廃することができ、製造時間の短縮、工程の簡素化、対象物質の取扱いの容易化が実現できた。また、微小領域や物理的にアクセス困難な複雑な形状の領域にもプローブを配置することができ、所定の面積当たりに配することのできるプローブ配置場所の数を増大させることができ、物質検出装置を従来より小型化できた。
【0053】
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
【0054】
(付記1) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質をそれぞれ所定の配置場所に配置する物質配置方法において、
当該所定の配置場所に他の配置場所とは異なる電位を与え、当該所定の配置場所に所定物質を電気的に付着せしめる、
物質配置方法。
【0055】
(付記2) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質が生体分子を含む、付記1に記載の物質配置方法。
【0056】
(付記3) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質が、タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体を含む、付記1に記載の物質配置方法。
【0057】
(付記4) 前記タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体が、ジスルフィド基またはチオール基を有し、ジスルフィド基やチオール基とヌクレオチド結合との間に−(CH−結合(n=2〜15)を有する、付記3に記載の物質配置方法。
【0058】
(付記5) 配置場所がAuからなる、付記1〜4のいずれかに記載の物質配置方法。
【0059】
(付記6) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質をそれぞれ所定の配置場所に配置し、これらの物質との反応を利用して被検試料に含まれる物質を検出する物質検出装置の製造方法において、
それぞれ所定の配置場所に、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質を配置するに際し、当該所定の配置場所に他の配置場所とは異なる電位を与え、当該所定の配置場所に所定物質を電気的に付着せしめる、
物質検出装置の製造方法。
【0060】
(付記7) 前記プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質を変質させる恐れのあるステップの後に所定の配置場所に所定物質を電気的に付着せしめる、付記6に記載の物質検出装置の製造方法。
【0061】
(付記8) 配置場所に蓋を取り付けた後に所定の配置場所に所定物質を電気的に付着せしめる、付記6に記載の物質検出装置の製造方法。
【0062】
(付記9) 前記物質検出装置がバイオチップである、付記6〜8のいずれかに記載の物質検出装置の製造方法。
【0063】
(付記10) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質が生体分子を含むものである、付記6〜9のいずれかに記載の物質検出装置の製造方法。
【0064】
(付記11) プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の物質がタンパク質、DNAまたはヌクレオチド体を含むものである、付記6〜9のいずれかに記載の物質検出装置の製造方法。
【0065】
(付記12) 前記タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体が、ジスルフィド基またはチオール基を有し、ジスルフィド基やチオール基とヌクレオチド結合との間に−(CH−結合(n=2〜15)を有するものである、付記11に記載の物質検出装置の製造方法。
【0066】
(付記13) 配置場所がAuからなるものである、付記6〜12のいずれかに記載の物質検出装置の製造方法。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、2以上の種類の物質、とりわけ生体分子を配置する物質配置方法および被検試料に含まれる物質、とりわけ生体分子を検出する物質検出装置の製造方法において、その時間の短縮、工程の簡素化、対象物質の取扱いの容易化を実現できる。また、所定の面積当たりに配することのできる配置場所の数を増大させることができ、物質検出装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイオチップのセンサアレイ部分の概略平面図である。
【図2】図1のセンサアレイ部分の概略側断面図である。
【図3】センサアレイ部の拡大概略図である。
【図4】プローブをプローブ配置場に設置する様子を示すモデル図である。
【図5】プローブをプローブ設置場所に設置した様子を例示するモデル図である。
【図6】プローブをプローブ配置場に設置する様子を示す他のモデル図である。
【図7】プローブをプローブ設置場所に設置した様子を例示する他のモデル図である。
【符号の説明】
1 基板
2 プローブ配置場所
3 センサアレイ部
4 試料導入口

Claims (3)

  1. プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子をそれぞれ所定の配置場所に配置し、これらの生体分子との反応を利用して被検試料に含まれる生体分子を検出する生体分子検出装置の製造方法において、
    それぞれ所定の配置場所に、プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子を配置するに際し、当該所定の配置場所に他の配置場所とは異なる電位を与え、当該所定の配置場所に所定生体分子を電気的に付着せしめる、
    生体分子検出装置の製造方法。
  2. プラスまたはマイナスに帯電し得る2以上の種類の生体分子が、タンパク質、DNAまたはヌクレオチド体を含む、請求項1に記載の生体分子検出装置の製造方法。
  3. 配置場所に蓋を取り付けた後に所定の配置場所に所定生体分子を電気的に付着せしめる、請求項1または2に記載の生体分子検出装置の製造方法。
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